Z 8303:2008
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 帳票の仕上寸法 ················································································································ 1
4 用紙及び印刷インキの色 ···································································································· 2
5 文体及び書き方 ················································································································ 3
6 用字及び用語 ··················································································································· 3
7 項目の配置 ······················································································································ 3
8 注意事項························································································································· 4
9 記入欄の大きさ及び余白 ···································································································· 4
10 文字及びけい ················································································································· 5
11 製本及びとじ穴 ·············································································································· 6
附属書A(参考)主な帳票の仕上寸法及び紙の用い方 ································································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格
協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 8303:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
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帳票の設計基準
Design for business forms
序文
この規格は,帳票の設計に当たって考慮すべき仕上寸法,用紙,印刷インキの色,文体及び書き方,用
字及び用語,項目の配置,注意事項,記入欄の大きさ及び余白,文字,けい,製本並びにとじ穴について
の一般的事項を規定した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,帳簿,伝票,届用紙など,帳簿の設計基準について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS P 0138 紙加工仕上寸法
JIS Z 8305 活字の基準寸法
3
帳票の仕上寸法
帳票の仕上寸法は,次による。
a) 仕上寸法は,JIS P 0138のA列とする。ただし,必要があるときは,B列を採用してもよい。
なお,仕上寸法の選択は,次による。
1) 帳票の保管及び整理に便利であるもの。
2) 帳票に対する事務用機器の利用に適するもの。
3) 同種類の帳票及び一緒につづられるものは,同じ大きさとする。
注記1 主な帳票の仕上寸法及び紙の用い方を,附属書Aに示す。
b) 細長い寸法を特に必要とするときは,その短辺を1/2,又は長辺を1/3にした寸法を用いる。
c) 複写簿のように紙片を切り取って用いるものは,切り取った紙片の大きさを仕上寸法とする。
d) 帳簿は,中身の大きさを仕上寸法とする。
e) ルーズリーフ式は,リーフの大きさを仕上寸法とする。
f)
控え付きの帳票は,切り取る部分の大きさを仕上寸法とし,控えの大きさは,通常切り取る部分の1/3
とする。
注記2 控え付きの帳票とは,次の図1のようなものをいう。
2
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図1−控え付きの帳票
g) 半分に折り曲げて用いる帳票は,紙の半分の大きさを仕上寸法とする。
4
用紙及び印刷インキの色
4.1
用紙
帳票の用紙の紙質及び坪量1)は,通常,次による。
注1) 面積1平方メートル (m2) 当たりの質量を,グラム (g) で表した値。
a) 複写する帳票
1) カーボン紙を用いて複写するもの
筆記用紙A
52.3 g/m2〜64.0 g/m2
コピー用紙
22.1 g/m2〜52.3 g/m2
2) ノーカーボン紙を用いて複写するもの
ノーカーボン紙
30.0 g/m2〜157.0 g/m2
3) 裏カーボン印刷によって複写するもの
裏カーボン紙
40.1 g/m2〜50.0 g/m2
b) 片面だけを用いる帳票(複写によらず記入するもの,カーボン紙などによって複写するものの最下片
として用いる帳票)
1) 帳簿・台帳
筆記用紙A
52.3 g/m2〜157.0 g/m2
2) カード
筆記用紙A
64.0 g/m2〜157.0 g/m2
カード用紙
64.0 g/m2〜209.3 g/m2
3) その他保存を要するもの
筆記用紙A
52.3 g/m2〜81.4 g/m2
c) 両面を用いる帳票
1) 帳簿・台帳
筆記用紙A
81.4 g/m2〜157.0 g/m2
2) カード
筆記用紙A
81.4 g/m2〜157.0 g/m2
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カード用紙
81.4 g/m2〜209.3 g/m2
3) その他保存を要するもの
筆記用紙A
64.0 g/m2〜104.7 g/m2
4.2
帳票の用紙の色
帳票の用紙の色は,白とする。ただし,帳票の識別を明確にする必要があるなどの場合は,色紙を用い
てもよい。
4.3
印刷インキの色
印刷インキの色は,帳票使用上の効果が増大するように区別して用い,通常1色刷とする。また,色紙
を用いた場合の印刷インキの色は,その色紙とよく対比するものを用いる(表A.1の注記参照)。
5
文体及び書き方
5.1
文体
文体は,口語体とし,簡潔で分かりやすい表現を用いる。
5.2
書き方
書き方は,通常左横書きとする。
6
用字及び用語
6.1
漢字
漢字の字種及び音訓は,“常用漢字表(昭和56.10.1,内閣告示第一号)”に記載してあるものを用いる。
仮名書きで分かりにくい場合は,仮名書きの後に,丸括弧を付けて常用漢字以外の漢字(常用漢字表に記
載の漢字を常用漢字表音訓欄以外の音訓で使う場合を含む。)を示してもよい。
例 きょう(夾)炭層 ぼうこう(膀胱)鏡 せん(煽)石 操だ(舵)機 たて(経)編機
6.2
仮名
仮名は,平仮名を用いる。ただし,外来語及び外国語は片仮名を用いる。外来語の表現は,“外来語の表
記(平成3.6.28,内閣告示第二号)”による。
6.3
仮名遣い
仮名遣いは,“現代仮名遣い(昭和61.7.1,内閣告示第一号)”による。
6.4
送り仮名
送り仮名の付け方は,“送り仮名の付け方(昭和48.6.18,内閣告示第二号,昭和56.10.1,一部改正)”に
よる。その他の用字について,この規格で規定していない一般的な事柄は,“公用文作成の要領(昭和27.4.4,
内閣閣甲第16号依命通知)”及び“法令における漢字使用等について(昭和56.10.1,内閣法制局総発第141
号)”による。
6.5
用語
用語は,できるだけ単純化し,帳票の表題と重複する内容字句は,なるべく省く。
7
項目の配置
7.1
項目の配置
項目の配置は,次による。
a) 項目は,必要記入事項ごとに欄を設け,その始めを縦にそろえる。
なお,この欄は,記入する事項を考慮して十分な面積をとる。
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b) 関連がある項目を一緒にまとめる。
c) 他の帳票に転記するような項目は,その帳票の項目の配置と合わせる。
d) 見出しの働きをする項目は,その効果が増大するような位置に置く。
e) 処理進行状況を分かりやすくするため,記入欄,月日欄,押印欄などを処理進行順に配置し,処理完
了が容易に判明できるようにする。
f)
帳票の流れる経路を示すには,余白にその発行元及び配付先を記入しておく。
g) 発送するような帳票は,窓付き封筒の使用に便利なように設計する。
h) 検出,選出及び集計のために必要な事項を記入する箇所は,とじしろの反対側とする。
i)
記入字句があらかじめ定まっており,かつ,その種類が少ないものでは,不動文字を印刷しておき,
記入の手数を省く。
j)
備考欄など記入内容の不明確な欄は,設けないことが望ましい。
7.2
帳票の名称,番号,発行年月日などの位置
帳票の名称,番号,発行年月日などの位置は,次による。
a) 帳票の名称は,上辺中央に配置する。また,右上に記入欄を設けた場合には,その左側に配置する。
なお,カードの場合などで,帳票の名称を上辺にすると都合が悪い場合は,下辺に配置する。また,
その名称をはっきり記載する必要がない場合は,下辺の隅に小さく記載する。
b) 帳票の起票番号は,通常,右上に配置する。また,発行年月日は,通常起票番号の下又は帳票の名称
の下に配置する。
c) 事業所名及び所在地を印刷する場合には,上部右側又は下部に配置する。
d) ページ番号は,左とじの場合には,とじしろの反対側上部欄外に配置する。また,上とじの場合には,
とじしろの反対側中央欄外に配置する。
e) 様式番号(又は制定年月日),紙の大きさ,紙質略号,作成年月,作成数量,納入者,単価などを印刷
する場合は,欄外片隅又はとじしろとする。
7.3
押印欄
押印欄は,通常,右上に配置する。また,押印の順は,その帳票が流れる順に並べる。
8
注意事項
記入・処理の注意事項を必要とする場合には,次による。
a) 注意事項が短い場合には,通常,各項目とともに記載する。
b) 注意事項が長くなる場合又は2項目以上に共通する場合には,1か所にまとめて記載してもよいが,
その場合には,左辺又は上辺に配置する。
なお,表面に余裕がない場合には,“記入注意裏面”と記載して裏面に配置してもよい。
9
記入欄の大きさ及び余白
9.1
記入欄の大きさ
記入欄の大きさは,あらかじめ記入する字数及び記入に用いる事務用機器を考慮して設計する。
9.2
余白
余白は,通常紙のへりから5 mm以上とする。ただし,引放しけい2)の場合を除く。
注2) 引放しけいとは,けいを引き放していることをいい,図2に示すように,横けいの左右と,縦
けいの下の部分である。
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図2−引放しけい
9.3
とじしろ
とじしろは,20〜25 mmとし,通常,左側におく。
10 文字及びけい
10.1 文字
文字は,次による。
a) 文字の書体は,通常,明朝体とする。ただし,目立たせたい所は,太字体を用いる。
b) 文字の大きさは,JIS Z 8305に規定したもの,及び写真植字級数のうち,通常,表1のものとする。
ただし,窓口で用いる帳票など大きい文字の場合は,この限りでない。
表1−文字の大きさ
種類
活字のポイント
写真植字級数
備考
帳票の名称
A4,B5,A5など
10〜24ポイント
14〜32級
太字体
B6,A6など
9〜20ポイント
13〜28級
太字体
主要項目名
6〜14ポイント
9〜20級
−
項目名・説明など
6〜10ポイント
9〜14級
−
記入・処理の注意事項など
6〜10ポイント
9〜14級
−
帳票の様式番号,作成年月,改訂年
月,帳票の大きさ,印刷枚数など
6ポイント
9級
−
10.2 けい
けい3)は,次による。
a) 主要項目の区分及び帳票の外枠は,裏けい又は中細けいを用いる。
b) 主要項目中の各欄を囲むには,中細けい又は表けいを用いる。
c) 一つの枠の中に数行にわたって記入を必要とする場合には,点線で行を示す。
d) 特に必要と認められる場合のほかは,四分けい以上,子持ちけいなどを用いない。
e) 欄外に記入される場合,その位置を示す下線は点線とする。
注3) 主なけいの例を,次に示す。
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11 製本及びとじ穴
11.1 製本
製本する場合は,通常1冊300枚までとし,その枚数又は組数は,10の整数倍とする。
11.2 とじ穴
とじ穴は,次による。
a) 穴をあけてとじることが前提となっているものは,穴をあけておくか,穴あけ器用の中心線及び穴の
位置又は中心線だけを印刷しておく。
穴の寸法は,次による。
直径
6±0.5 mm
間隔(穴の中心から中心まで)80±0.5 mm
紙の端から穴の中心まで
12±1.0 mm
なお,穴は,紙の中央線に対し,対称の位置に置く。
b) ルーズリーフ式帳簿は,多穴式を用い,穴の寸法は,次による。
直径
6±0.5 mm
間隔(穴の中心から中心まで)9.5±1.0 mm
紙の端から穴の中心まで
6.5±0.5 mm
なお,穴は,紙の中央線に対し,対称の位置に置く。
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附属書A
(参考)
主な帳票の仕上寸法及び紙の用い方
主な帳票の仕上寸法及び紙の用い方は,表A.1による。
表A.1−主な帳票の仕上寸法及び紙の用い方
種類
仕上寸法
紙の用い方
書簡用紙
A4
縦
横けい紙
A4
縦
A4
横
伝言票
A6
縦
履歴書
A4
縦
見積書
A4,A5
縦
注文書
A4,A5
縦
注文請書
A4,A5
縦
仕訳伝票
A6
横
(入金)(収納)伝票
A6
横
(出金)(支払)伝票
A6
横
振替伝票
A6
横
(売上)(販売)伝票
A6
横
納品書
A6
横
請求書
A6
横
請求内訳書
A6
横
物品請求票
A6
横
物品受領書
A6
横
領収書
A6
横
総勘定日計表
A4,A5
縦
総勘定元帳
A4,A5
縦
現金出納帳
A4,A5
縦
固定資産台帳
A4,A5
横
交通費請求明細書
A6
横
出張申請(命令)書
A5,A6
横
休暇届
A6
縦
書類送付のご案内
A5
横
注記 印刷インキの色は,伝票として認識が容易で,その用途に
適した色,例えば,入金伝票は赤,出金伝票は青とする。