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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8209-1988 

化学プラント用配管図記号 

Symbols for Piping Drawings of Chemical Plants 

1. 適用範囲 この規格は,化学プラントの配管図の製図及びこれに用いる記号について規定する。 

引用規格: 

JIS Z 8114 製図用語 

JIS Z 8204 計装用記号 

JIS Z 8205 配管図示方法 

2. 用語の意味 用語の意味は,JIS Z 8114(製図用語)によるほか,次による。 

(1) かくれ管 配管図で機器・架台などに隠れる部分の配管。 

(2) トレース配管 管内の液体の粘度増加又は凝固を防ぐため,蒸気・温水などの熱媒を用いて加熱され

る配管(被トレース管という。)と,その配管に抱かせた熱媒用の配管(トレース管という。)との総

称。 

(3) 重複管 平行する配管を含む面に沿って見た場合,手前の管以外は見えないか,又は見えにくい複数

の配管。 

3. 配管図の製図 

3.1 

投影法は,正投影又は等角投影とする。 

備考 等角投影によって等角図を描くとき,管径と図面との大きさを勘案して,実長での図記号の表

記が困難な場合には,各座標上での長さを必ずしも実長としなくてよい。 

3.2 

管その他の配管部品を表す配管図記号は,4.による。 

備考1. 管を示す線の太さの使用区分を,図面中に明示する。 

2. 管以外の既設及び増設予定の配管部品を表示する必要がある場合に用いる線の種類は,4.1

の規定に準じる。 

3. 1形及び2形の図記号は,管径と図面との尺度を勘案して使い分ける。ただし,同一配管系

では,1形・2形の図記号を混用してはならない。 

4. 中心線は,細い一点鎖線とするが,細い実線を用いてもよい。 

3.3 

配管図で用いる配管図記号以外の記号は,5.による。 

4. 配管図記号 

4.1 

管 

4.1.1 

一般配管 一般配管の図記号は,表1による。 

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表1 一般配管の図記号 

種類 

正投影図用 

等角図用 

断面表示 

1形 

2形 

1形 

2形 

新設管 

既設管 

増設予定管 

かくれ管 

− 

4.1.2 

トレース配管 トレース配管であることを特に表す必要がある場合の図記号は,表2による。 

表2 トレース配管の図記号 

種類 

正投影図用 

等角図用 

断面表示 

1形 

2形 

1形 

2形 

新設管 

既設管 

増設予定管 

かくれ管 

− 

4.1.3 

二重管 二重管であることを特に表す必要がある場合の図記号は,表3による。 

表3 二重管の図記号 

種類 

正投影図用 

等角図用 

断面表示 

1形 

2形 

1形 

2形 

新設管 

既設管 

増設予定管 

かくれ管 

− 

4.1.4 

保温管・保冷管 一般に,4.1.1,4.1.2及び4.1.3に示す図記号を描き,保温・保冷は図示しない。

ただし,断面を特に表す必要がある場合には,表4による。 

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なお,二重管に保温・保冷が施される場合で断面を特に表す必要がある場合,その断面表示には4.1.3

の断面の図記号の外側に,保温・保冷を示す円を新設・既設・増設予定の管の種類別に従って,それぞれ

細い実線・一点鎖線・二重鎖線で描いた三重の円を用いる。 

表4 保温・保冷管の図記号 

種類 

正投影図用 

等角図用 

断面表示 

1形 

2形 

1形 

2形 

新設管 

− 

既設管 

− 

増設予定管 

− 

かくれ管 

− 

− 

4.1.5 

配管接続基本形 1形使用の図面において配管接続方法のうち,突合せ溶接,差込み溶接及びねじ

込みを表す図記号の基本形は,表5による。 

また,ユニオン及びフランジによるその他の接続方法の図示は,それぞれ4.2 (8)及び4.3による。 

表5 配管接続基本形 

接続方法 

図記号 

突合せ溶接 

差込み溶接,ねじ込み 

4.1.6 

配管の交差 配管が接続せずに交差又は平行している場合の図記号は,表6による。 

表6 配管の交差 

種類 

正投影図用 

1形 

2形 

交差管(1) 

重複管 

注(1) 交差部において向う側の管を特に表したい場合は,次の方法によってもよい。 

4.2 

管継手 管継手の図記号は,次による。 

(1) エルボ エルボの図記号は,表7による。 

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表7 エルボ(2)(3)の図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

90° 

ロング 

1形 

2形 

− 

45° 

ロング 

1形 

2形 

− 

マイタベンド 

− 

注(2) 90°,45°以外の角度のエルボの場合は,角度の表示を付けるのがよい。 

(3) ショートエルボの場合は,文字記号Sを付ける。 

例: 

(2) T Tの図記号は,表8による。 

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表8 Tの図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

1形 

2形 

− 

(3) キャップ キャップの図記号は,表9による。 

表9 キャップの図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

1形 

− 

− 

2形 

− 

− 

(4) レジューサ レジューサの図記号は,表10による。 

表10 レジューサの図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

同心 

レジューサ 

1形 

2形 

− 

偏心 

レジューサ 

1形 

2形 

− 

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(5) オーレット オーレットの図記号は,表11による。 

表11 オーレットの図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

ウェルド 

レット 

1形 

− 

2形 

− 

ソコレット 

及びスレ 

ッドレット 

1形 

− 

2形 

− 

(6) ハーフカップリング及びボス ハーフカップリング及びボスの図記号は,表12による。 

表12 ハーフカップリング及びボスの図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

1形 

− 

2形 

− 

(7) ブランチコネクション ブランチコネクションの図記号は,表13による。 

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表13 ブランチコネクションの図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

補強板なし 

1形 

− 

2形 

− 

補強板付 

1形 

− 

2形 

− 

(8) その他の管継手 その他の管継手の図記号は,表14による。 

表14 その他の管継手の図記号 

種類 

突合せ溶接式 

差込み溶接式及びねじ込み式 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

フルカップリング 

− 

− 

ユニオン 

− 

− 

プラグ 

− 

− 

スウェジドニップル 

− 

4.3 

フランジ フランジの図記号は,表15による。 

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表15 フランジの図記号 

種類 

平面図及び立面図 

等角図 

1形 

2形 

突合せ溶接式フラン

ジ 

差込み溶接式フラン

ジ及びソケット溶接

式フランジ 

ねじ込み式フランジ 

− 

ラップジョイント形

フランジ 

ブラインドフランジ 

4.4 

バルブ 

4.4.1 

バルブ本体 バルブ本体の図記号は,表16による。 

表16 バルブ本体の図記号 

種類 

フランジ形 

差込み溶接形及びねじ込み形 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

仕切弁 

玉形弁 

逆止弁 

− 

− 

逆止弁 

(ウエハ形) 

− 

− 

アングル弁 

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種類 

フランジ形 

差込み溶接形及びねじ込み形 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

ボール弁 

バタフライ弁 

− 

バタフライ弁 

(ウエハ形) 

− 

プラグ弁 

ダイヤフラム

弁 

− 

− 

安全弁 

ニードル弁 

− 

− 

フート弁 

− 

− 

Y形弁 

− 

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10 

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種類 

フランジ形 

差込み溶接形及びねじ込み形 

平面図 

等角図 

平面図 

等角図 

立面図 

立面図 

ブリーザ弁 

− 

− 

調節弁 

調節弁(バタ

フライ形) 

− 

調節弁(アン

グル形) 

ジャケット 

付弁(4) 

− 

注(4) 

ジャケット付弁は仕切弁の場合を示す。バルブ形式が異なる場合は,それぞれの
バルブの図記号にジャケットを示す四角形を組み合わせて表す。 

4.4.2 

バルブの操作部 バルブの操作部を特に表す必要がある場合の図記号は,表17による。 

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11 

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表17 バルブの操作部の図記号 

種類 

平面図 

立面図 

等角図 

電動弁 

空気作動弁 

歯車操作弁 

チェーン操作弁 

4.5 

その他の配管部品 その他の配管部品の図記号は,表18による。 

表18 その他の配管部品 

種類 

フランジ形 

突合せ溶接形 

差込み溶接形及びねじ込み形 

平面図及び立
面図 

等角図 

平面図及び立
面図 

等角図 

平面図及び立
面図 

等角図 

Y形 

ストレーナ 

1形 

2形 

− 

− 

T形 

ストレーナ 

1形 

− 

− 

− 

− 

2形 

T形 

ストレーナ 

(バスタブ形) 

1形 

− 

− 

− 

− 

2形 

バケット形ストレーナ 

− 

− 

− 

− 

コーン形ストレーナ 

− 

− 

− 

− 

ホースコネクション 

− 

− 

− 

− 

スチームトラップ 

− 

− 

フレキシブルホ

1形 

− 

− 

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12 

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種類 

フランジ形 

突合せ溶接形 

差込み溶接形及びねじ込み形 

平面図及び立
面図 

等角図 

平面図及び立
面図 

等角図 

平面図及び立
面図 

等角図 

ース 

(チューブ) 

2形 

− 

− 

ベロー式エキスパンショ

ンジョイント 

− 

− 

スペクタクルブラインド 

− 

− 

− 

− 

パドルブラインド 

− 

− 

− 

− 

リングスペーサ 

− 

− 

− 

− 

リストリクションオリフ

ィス 

− 

− 

− 

− 

サイトグラス 

− 

− 

4.6 

計器 類計器類の図記号は,表19による。 

表19 計器類の図記号 

種類 

平面図 

立面図 

等角図 

圧力計 

温度計 


オリフィスプ

レート式 

リングタイプ

オリフィス式 

備考 配管図での計器類の表示には,計装図と同様にJIS Z 8204(計装用記号)による計装用

記号を用いる。 

   例: 

4.7 

管の支持装置 管の支持装置を特に表す必要がある場合には,表20及び表21の図記号による。 

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13 

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表20 パイプサポートの図記号 

種類 

平面図 

立面図 

等角図 

一般 

− 

表21 その他の支持装置の図記号 

種類 

平面図及び立面図 

等角図 

ガイド 

(軸直角方向の

動きを拘束) 

ストッパ 

(軸方向の動き

を拘束) 

アンカ 

(固定) 

5. 配管図に使用するその他の記号 

5.1 

配管の高さ 基準面から配管などの上面又は下面の高さは,高さの寸法数値の前に,次の文字記号

を記入して表す。 

(1) EL :配管の高さを表す場合。 

(2) BOP:管の下面の高さを表す場合。 

(3) TOP:管の上面の高さを表す場合。 

(4) TOB:パイプラック,架構などのはり上面の高さを表す場合。 

(5) TOS:パイプサポート上面の高さを表す場合。 

参考 ELはElevation,BOPはBottom of Pipe,TOPはTop of Pipe,TOBはTop of Beam,TOSはTop of 

Supportのそれぞれ略である。 

5.2 

配管のこう配 配管のこう配は,管を表した線の上側に沿わせた図記号

(細い実線で描く。)で

表す。図記号のとがった先は,高い方から低い方に向かって描く。 

例1:こう配を表す数値を記入する場合。 

備考 こう配を表す数値の表示方法は,JIS Z 8205(配管図示方法)による。 

例2:こう配を表す数値を記入しない場合。 

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5.3 

ラインマーク ラインマークは管の呼び径,流体の種類・状態,配管番号,配管の仕様,保温又は

保冷の種類及び厚さを表し,管に沿わすか,又は管から引出線を用いて引き出して表す。 

例: 

5.4 

流体の流れの方向 

5.4.1 

管内の流れの方向 管内の流れの方向は,管を表す線に付けた矢印の方向で表す。 

例: 

5.4.2 

配管部品内の流れの方向 配管部品内の流れの方向を特に表す必要がある場合には,その図記号に

沿わせた矢印で表す。 

例: 

5.5 

レジューサの表示 

5.5.1 

同心レジューサと偏心レジューサとの区別 同心レジューサと偏心レジューサとの区別を特に明

示する必要がある場合には,同心レジューサを表す文字記号CONC,又は偏心レジューサを表す文字記号

ECCを図記号に付記する。 

参考 CONCは,Concentricの略,ECCはEccentricの略である。 

例: 

5.5.2 

偏心レジューサの水平部 偏心レジューサの水平部の上下位置を明示する必要がある場合には,下

側が水平のときには文字記号BOFを,上側が水平のときには文字記号TOFを図記号の水平側に付記する。 

参考 BOFはBottom of Flatの略,TOFはTop of Flatの略である。 

例: 

5.6 

マッチライン 配管が複数の図面にわたって描かれる場合,他の配管図との接続境界を示すマッチ

ラインは,接続境界において,配管と直角方向に描いた太い二点鎖線で表し,線に沿わせて文字記号ML

と接続する配管図面番号を付記する。 

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15 

Z 8209-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例: 

5.7 

バッテリーリミット 設備又は工事範囲の境界を示すバッテリーリミットは,太い二点鎖線で表し,

その線に沿わせた文字記号BLを付記する。 

例: 

5.8 

クラスチェンジ 配管のクラスチェンジは,その境界から引き出した細い実線と,それに交差し,

かつ,配管に平行に引いた2本の矢印で表す。 

例: 

5.9 

矢視,断面及び詳細 矢視,断面及び詳細の表示は次による。“A”は例を示す。 

(1) 矢視 

(2) 断面 

(3) 詳細 

5.10 北方向マーク 北方向マークは,方向を示す記号(矢印など),角度を示す数値 (0°,90°,180°,

270°) 及び建設のための仮の北方向を示す文字記号CN又はPNで表す。 

参考 CNはConstruction Northの略,PNはPlant Northの略である。 

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16 

Z 8209-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例: 

5.11 柱番号 パイプラック,建屋,架構などの柱番号は,柱列の中心線の一端に描いた円の中の文字・

数字で表す。 

例: