Z 8207 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS Z 8207 : 1991は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正によって,JIS Z 8207はISO 3753 (Vacuum technology−Graphical symbols) と一致した規格と
なる。
JIS Z 8207には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 記号の使用例
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 8207 : 1999
真空装置用図記号
Vacuum technology−Graphical symbols
序文 この規格は,1977年に第1版として発行されたISO 3753, Vacuum technology−Graphical symbolsを
基に対応する部分(種類及び図記号)については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく
作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない種類の図記号を日本工業規格として
追加している。
なお,この規格本体 (3.1) 〜 (3.7) の図記号のうち,点線の下線を施してある種類の記号は,対応国際
規格にはない種類の図記号である。
1. 適用範囲 この国際規格は,真空技術に使用する,図記号について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 3753 Vacuum technology−Graphical symbols
2. 一般 作図に当たっては,バルブを除いて元の記号に混乱を生じさせないことで,記号の推奨された
入口及び出口の位置を変えてもよい。
2個以上の結合の中の記号の大きさは,附属書(参考)に示されたそれらにほぼ適合すべきである。
3. 図記号
3.1
真空ポンプ (Vacuum pumps)
番号
名称
図記号
3.1
真空ポンプ(形式を指定しない。)
Vacuum pump (type unspecified)
備考 矢印は,任意で他の記号と混乱の可能性がない限り省略してもよい。
3.1.1
容積移送式真空ポンプ(形式を指定しない。)
Positive displacement pump (type unspecified)
2
Z 8207 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
名称
図記号
3.1.1.1
油回転真空ポンプ
Sliding vane rotary vacuum pump or piston vacuum pump
備考 一重丸:1段ポンプ
二重丸:2段ポンプ
3.1.1.2
ガスバラストポンプ
Gas ballast pump
備考 一重丸:1段ポンプ
二重丸:2段ポンプ
3.1.1.3
液封真空ポンプ
Liquid ring vacuum pump
備考 一重丸:1段ポンプ
二重丸:2段ポンプ
3.1.1.4
ルーツ真空ポンプ
Roots vacuum pump
備考 一重丸:1段ポンプ
二重丸:2段ポンプ
3.1.1.5
ドライポンプ(形式を指定しない。)
Dry pump (type unspecified)
3.1.2.1
エジェクタ真空ポンプ
Vapour jet vacuum pump
備考 ×は,記号の一部ではない。この位置に作動流体の名称又はその記号を入れ
てもよい。
例 油:CH,水銀:Hg,水:H2O
3.1.2.2
拡散ポンプ
Vapour diffusion pump using oil or mercury vapour
備考 ×は,記号の一部ではない。この位置に作動流体の名称又はその記号を入れ
てもよい。
例 油:CH,水銀:Hg
3.1.2.3
ターボ分子ポンプ
Turbomolecular pump
備考 丸の中の五本の垂線は,ポンプが多段であることを意味する。五本の垂線は,
段数にかかわらず使用される。
3.1.3
気体ため込式真空ポンプ(形式を指定しない。)
Entrapment vacuum pump (type unspecified)
備考 矢印は,任意で他の記号と混乱の可能性がない限り省略してもよい。
3
Z 8207 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
名称
図記号
3.1.3.1
ソープションポンプ,モレキュラシーブ利用
Adsorption pump, utilizing molecular sieve
3.1.3.2
サブリメーションポンプ
Sublimation pump
備考 昇華材料の化学記号を×のところに入れる。
3.1.3.2.1 冷却面をもったゲッターサブリメーションポンプ
Getter sublimation pump with cold walls
備考 昇華材料の化学記号を×の位置に入れる。昇華材料の温度を左側に示す。
3.1.3.3
スパッタイオンポンプ
Sputter ion pump
3.1.3.4
クライオポンプ
Cryopump
3.2
バッフル (Baffles)
番号
名称
図記号
3.2
バッフル(形式を指定しない。)
Baffle (type unspecified)
備考 バッフルの温度を×の位置に入れてもよい。
3.2.1.1
冷却バッフル(液体循環によって冷却する。)
Refrigerated baffle
備考 冷媒の温度及び種類をそれぞれ左側及び右側に示してもよい。
3.2.1.2
寒剤貯蔵式バッフル
Reservoir type baffle
3.2.1.3
ペルチェタイプバッフル
Peltier type baffle
3.2.1.4
空冷式バッフル
Air-cooled baffle
4
Z 8207 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3
トラップ(コンデンサ) [Traps (Condensers)]
番号
名称
図記号
3.3
トラップ(形式を指定しない。)
Trap (type unspecified)
備考 トラップの温度を×の位置に入れてもよい。
3.3.1.1
冷却トラップ
Reservoir type trap
3.3.1.2
コンデンサ
Condenser
備考 冷媒を流す形式。
3.4
圧力測定器 (Pressure-measuring apparatus)
番号
名称
図記号
3.4
真空計(形式を指定しない。)
Pressure gauge (type unspecified)
3.4.1
分圧真空計
Partial pressure gauge
3.4.2
熱陰極電離真空計
Hot cathode ionization gauge
3.4.2.1
熱陰極電離真空計−超高真空計
Hot cathode ionization gauge−ultra-high vacuum
3.4.3
冷陰極電離真空計
Cold cathode ionization gauge
3.4.4
熱伝導真空計
Thermal conductivity gauge
5
Z 8207 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
名称
図記号
3.4.5
U字管真空計
Differential liquid level manometer
3.4.6
マクラウド真空計
McLeod manometer
3.4.7
隔膜真空計
Differential membrane gauge
3.4.8
ブルドン管真空計
Bourdon gauge
3.5
配管及び継手 (Flowlines and connections)
番号
名称
図記号
3.5
配管
pipeline
備考 流れの方向を示す必要があるときは,矢印を付けてもよい。
3.5.1
接続:配管線の太さの5倍の直径の黒丸。
Junction : Solid circle of diameter five times the thickness of the line
3.5.2
管が接続しているとき
Lines with junctions
3.5.3
管が十字で接続しているとき
Lines with cross-junction
3.5.4
管が接続していないとき
Crossing lines (not connected)
3.5.5
配管末端部
Pipe end
フランジによる封止。
溶接式キャップ又は一般的な封止。
3.5.6
組立ユニット
Enclosure for several components assembled in one unit
備考 配管を除いたり,記号の結合で示したり,その場に応じて使用する。
3.5.7
加熱可能領域
Bakeable assembly
6
Z 8207 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.6
バルブ (Valves)
番号
名称
図記号
3.6
バルブ(形式を指定しない。)
Valve (type unspecified)
備考 この一般的な記号は,ねじ止め弁も示す。
アングル弁は
,三方弁は
で示してもよい。
3.6.1
仕切弁
Gate valve
3.6.2
バッフル弁
Baffle valve
3.6.3
可変流量弁
Fine control valve
3.6.4
手動弁
Manually operated valve
3.6.5
遠隔操作弁
Remote control valve
3.6.5.1
シリンダ弁(空力又は水力駆動)
Valve controlled by cylinder (pneumatically or hydraulically)
3.6.5.2
電磁弁
Electromagnetically operated valve
3.6.5.3
電動弁
Valve with electrically motorized operation
3.7
真空槽 (Vacuum chambers)
番号
名称
図記号
3.7
真空槽(形式を指定しない。)
Vacuum chamber (type unspecified)
3.7.1
ベルジャー
Bell jar
7
Z 8207 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考) 記号の使用例
8
Z 8207 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Z 8207(真空装置用図記号)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
平 田 正 紘
電子技術総合研究所極限技術部
(委員)
田 中 信 夫
工業技術院標準部
和 田 隆 光
財団法人日本規格協会
赤 石 憲 也
核融合科学研究所大型ヘリカル研究部
金 戸 成
株式会社大阪真空機器製作所八王子工場
門 芳 生
株式会社芝浦製作所相模工場技術管理部
木 村 和 幸
大亜真空株式会社装置開発部
榊 原 正 二
日本酸素株式会社技術本部
中 村 静 雄
日本真空技術株式会社規格品事業部
(長 岡 隆 司)
株式会社日立製作所機械研究所
成 田 潔
株式会社島津製作所産業機械事業部
橋 爪 寛 行
橋爪技術士事務所
福 山 康 弘
神港精機株式会社製造部
堀 越 源 一
高エネルギー物理学研究所名誉教授
森 本 勝 直
アネルバ株式会社規格品本部
柳 橋 輝 男
大亜真空株式会社品質管理部
(事務所)
(石 川 三 郎)
日本真空協会
小 林 廣 子
日本真空協会