2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 8201-1981
数学記号
Mathematical Symbols
1. 適用範囲 この規格は,鉱工業において用いる数学記号について規定する。
対応国際規格:
ISO 31/XI Mathematical signs and symbols for use in the physical sciences and technology
2. 記号,用法及び意味 記号,用法及び意味は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応国際規格ISO 31/XI (Mathematical signs and symbols for use in the physical sciences
and technology) による記号・用法を示す。
(1) 算術及び代数
番号
記号・用法
意味
備考
参考
ISO 31/XIによる記号・用法
1.1
+
加える,正
a+b
1.2
−
引く,負
a−b
1.3
±
+又は−
1.4
a・b, a×b, ab
a掛けるb
数の掛算の場合は×を
用いるのが望ましい。
a・b, a×b, ab
1.5
b
a
, a/b, a÷b
a割るb
b
a, a/b, ab-1
1.6
=
等しい
=
1.7
≠
等しくない
,を用いてもよい。
≠
1.8
≒
ほとんど等しい
≈を用いてもよい。
≈
1.9
a>b
aはbより大きい
>
1.10
a<b
aはbより小さい
<
1.11
a≧b
aはbより大きいか又は等しい
を用いてもよい。
1.12
a≦b
aはbより小さいか又は等しい
を用いてもよい。
1.13
a≫b
aはbより非常に大きい
≫
1.14
a≪b
aはbより非常に小さい
≪
1.15
≡
常に等しい
≡
1.16
常に等しいとは限らない
,を用いてもよい。
1.17
a : b
aとbとの比
1.18
a ∝ b
aはbに比例する
〜,∝
1.19
∞
無限大
∞
1.20
ap
aのp乗
ap
1.21
a
aの平方根
2
1
aを用いてもよい。
a1/2,
2
1
a, √ a, a
1.22
na
aのn乗根
n
a
1
を用いてもよい。
a1/n,
n
a
1
,
, na
1.23
n!
nの階乗
n!
1.24
|a|
aの絶対値
|a|
2
Z 8201-1981
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
記号・用法
意味
備考
参考
ISO 31/XIによる記号・用法
1.25
nPr
n個からr個を取る順列の個数
1.26
nCr,
rn
n個からr個を取る組合せの個
数
pn,
p
n
C
1.27
P (E) , Pr (E)
事象Eが起こる確率
1.28
mn
m
n
a
a
a
a
Λ
Μ
Μ
Λ
1
1
11
,
mn
m
n
a
a
a
a
Λ
Μ
Μ
Λ
1
1
11
行列
mn
m
n
A
A
A
A
Λ
Μ
Μ
Λ
1
1
11
,
mn
m
n
A
A
A
A
Λ
Μ
Μ
Λ
1
1
11
1.29
mn
m
n
a
a
a
a
Λ
Μ
Μ
Λ
1
1
11
, detA
行列式
detA,
mn
m
n
A
A
A
A
Λ
Μ
Μ
Λ
1
1
11
1.30
∑
=
n
i
ia
1
a1+a2+…+an
∑
=
n
i
ia
1
1.31
∏
=
n
i
i
a
1
a1・a2・…・an
∏
=
n
i
i
a
1
1.32
e
自然対数の底
εを用いてもよい。
e
1.33
i, j
虚数単位
i, j
1.34
π
円周率
π
1.35
.
小数点
下の点,紛らわしくない
ときは中の点でもよい。
0.05を.05と略さない。
1.36
( )
丸括弧
1.37
[ ]
角括弧
1.38
{ }
波括弧
1.39
z,z*
zの共役複素数
z*
1.40
%
百分率
(2) 幾何(1)
番号
記号・用法
意味
備考
2.1
AB
線分AB
ABを用いてもよい。
2.2
∠AOB,
角AOB
2.3
⊥
垂直
2.4
∠R
直角
2.5
//
平行
||を用いてもよい。
2.6
△ABC
三角形ABC
2.7
弧AB
2.8
≡
合同
2.9
∽
相似
注(1) ISO 31/XIには,“幾何”の記号・用法の規定はない。
(3) 関数
番号
記号・用法
意味
備考
参考
ISO 31/XIによる記号・用法
3.1
f (x)
関数fのxにおける値
f (x) , f (x, y, …)
3.2
logax
aを底とするxの対数
logax
3.3
logex, lnx
自然対数
紛らわしくないときは
logxを用いてもよい。
lnx, logex
3.4
log10x
常用対数
紛らわしくないときは
logxを用いてもよい。
lgx, log10x
3.5
Rez
実部
Rez
3
Z 8201-1981
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
記号・用法
意味
備考
参考
ISO 31/XIによる記号・用法
3.6
Imz
虚部
Imz
3.7
argz
偏角
argz
3.8
ex, expx
指数関数
ex, expx
3.9
sinx
正弦
sinx
3.10
cosx
余弦
cosx
3.11
tanx
正接
tanx
3.12
cotx
x
tan
1
cotx
3.13
secx
x
cos
1
secx
3.14
cosecx
x
sin
1
cosecx
3.15
arcsinx
逆正弦
(1) 紛らわしくないと
きはsin-1xを用いて
もよい。
(2) 他の逆三角関数も
同じようにする。
arcsinx
3.16
Arcsinx
逆正弦の主値
(1) 紛らわしくないと
きはSin-1xを用いて
もよい。
(2) 他の逆三角関数の
主値も同じように
する。
Arcsinx
3.17
sinhx
双曲正弦
他の双曲線関数も同じ
ようにする。
sinhx
3.18
arsinhx
逆双曲正弦
(1) 紛らわしくないと
きはsinh-1xを用いて
もよい。
(2) 他の逆双曲線関数
も同じようにする。
arsinhx
(4) 微分及び積分
番号
記号・用法
意味
備考
参考
ISO 31/XIによる記号・用法
4.1
x→a
xがaに近づく
x→a
4.2
)
(
lim
x
f
a
x→
極限
右からの極限はx→a+,
左からの極限はx→a−
limx→af (x) ,
)
(
lim
x
f
a
x→
4.3
df
微分
df
4.4
δf
変分
δf
4.5
△f
差分
△x
4.6
dx
dy
, y', f' (x) , Df
導関数
dz
df
, df/dx, f', Df, f' (x)
4.7
f (a)
微分係数
a
x
dx
df
=
, (df/dx) x=a, f' (a) , Df
(a)
4.8
n
n
x
y
d
d
, y(n) , f(n) (x) , Dnf
n階導関数
n=2のときはf'', n=3の
ときはf'''を用いてもよ
い。
n
n
x
f
d
d
, dnf/dxn, f (n), Dnf
4.9
f (n) (a)
n階微分係数
n=2のときはf'', n=3の
ときはf'''を用いてもよ
い。
4
Z 8201-1981
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
記号・用法
意味
備考
参考
ISO 31/XIによる記号・用法
4.10
x
y
∂
∂
, fx (x, y) , Dxf
xに関する偏導関数
x
f
∂
∂
, ∂f/∂x, ∂xf, Dxf
4.11
fx (a, b)
xに関する偏微分係数
4.12
y
x
z
∂
∂
∂2
, fyx,
x, yに関するそれぞれ1階1
階の偏導関数
zxyを用いてもよい。
4.13
∫
dx
x
f
)
(
不定積分
∫
dx
x
f
)
(
4.14
∫b
a
dx
x
f )
(
定積分
∫b
a
dx
x
f )
(
, ∫b
a
dx
x
f )
(
4.15
∫∫x
dy
dx
y
x
f
)
,
(
2重積分
(5) 空間ベクトル及び演算子
番号
記号・用法
意味
備考
参考
ISO 31/XIによる記号・用法
5.1
i, j, k
x, y, z軸についての単位ベク
トル
ex, ey, ez,
i, j, k,
ei
5.2
a
ベクトルa
aρを用いてもよい。
a, aρ
5.3
|a|
ベクトルaの大きさ
a, |a|
5.4
a・b, (a, b)
ベクトルa, bの内積
(a, a) はa2を用いてもよ
い。
a・b
5.5
a×b, [a, b]
ベクトルa, bの外積
a×b
5.6
▽
z
y
x
∂
∂
+
∂
∂
+
∂
∂
k
j
i
▽
5.7
▽2 ,△
2
2
2
▽2,△
5.8
▽ϕ ,gradϕ
傾き
▽ϕ, gradϕ
5.9
▽・a, diva
発散
▽・a, diva
5.10
▽×a, rota, curla
回転
▽×a, rota, curla
3. 記数法 区切りを付けるときは間をあけて記数し,通常の場合コンマ (, ) は付けない。
例: 87 654 321
4. 循環小数 循環小数を示すときは,循環する箇所の初めと終わりの数字の上に点 (・) を付ける。
例:
5
3.0
2
8
3
12
.3
&
&
&
5. 印刷上の注意 印刷する場合の字体は,次のようにする。
(1) 数値が一般的に定められている定数の記号は,原則として立体とする。
例:π(円周率)
(2) 演算の記号は,原則として立体とする。
例:log(対数)
dx(xの微分)
(3) 変数の記号は,斜体とする。
例:x, y, z
5
Z 8201-1981
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Z 8201数学記号改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
森 口 繁 一
電気通信大学工学部
伊 理 正 夫
オペレーションズリサーチ学会(東京大学工学部)
川 原 睦 人
社団法人土木学会(中央大学理工学部)
朽 津 耕 三
社団法人日本化学会(東京大学理学部)
駒 宮 安 男
社団法人電気学会(工業技術院電子技術総合研究所)
島 内 剛 一
社団法人情報処理学会(立教大学理学部)
関 口 修
文部省初等中等教育局
田 島 一 郎
社団法人日本数学教育学会(洗足学園大学)
田 村 忠 男
工業技術院標準部
土 屋 喜 一
社団法人日本機械学会(早稲田大学理工学部)
仲 威 雄
社団法人日本建築学会(東京大学名誉教授)
西 村 伸 二
財団法人日本規格協会
東 秀 彦
社団法人日本規格協会
一 松 信
社団法人日本数学会(京都大学数理解析研究所)
山 本 弘
工業技術院計量研究所
(事務局)
赤 崎 文比古
財団法人日本規格協会業務部標準課
6
Z 8201-1981
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
基本部会 量記号及び単位記号専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
森 口 繁 一
電気通信大学工学部
石 毛 龍之介
工業技術院電子技術総合研究所
猪 野 淳之助
社団法人日本電機工業会
射 場 祥 夫
トヨタ自動車工業株式会社
大 場 信 英
工業技術院電子技術総合研究所
加 藤 宗 雄
株式会社荏原製作所
川 崎 章 雄
日本国有鉄道技術開発室
日下部 和 也
日本鋼管株式会社
小 泉 袈裟勝
社団法人日本計量機器工業連合会
国 分 正 胤
武蔵工業大学
小 橋 豊
財団法人小林理学研究所
坂 田 種 男
千葉大学工学部
鹿 野 到
気象庁観測部
芝 山 安 久
財団法人日本船舶標準協会
関 口 修
文部省初等中等教育局
瀬 倉 久 男
防衛庁装備局
高 津 義 典
通商産業省機械情報産業局
竹 中 俊 夫
東京工業大学工学部
田 幸 敏 治
東京工業大学精密工学研究所
朝 永 良 夫
社団法人日本計量協会
中 原 勝 儼
立教大学理学部
西 村 伸 二
財団法人日本規格協会
濱 島 求 女
宇都宮大学工学部
林 俊 太
工業技術院標準部
原 宏
東京大学工学部
東 秀 彦
財団法人日本規格協会
堀 忠 良
社団法人日本計量協会
増 井 敏 郎
静岡大学工学部
松 浦 四 郎
法政大学名誉教授
山 本 弘
工業技術院計量研究所
由 良 治
工業技術院電子技術総合研究所
渡 辺 昭 俊
渡辺技術士事務所
(専門委員)
栗 林 久 芳
日本電信電話公社技術局
新 鍋 秀 文
プラスチック標準試験方法研究会
(関係者)
一 松 信
京都大学数理解析研究所
(事務局)
藤 田 富 男
工業技術院標準部材料規格課
津 金 秀 幸
工業技術院標準部材料規格課