Z 8125:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本印刷産業連合会(JFPI)から,
工業標準化原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,
経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
Z 8125:2004
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 表記法 ··························································································································· 1
a) 番号の表記 ····················································································································· 1
b) 用語の表記 ···················································································································· 1
c) 定義の表記 ····················································································································· 2
4. 分類 ······························································································································ 2
5. 用語及び定義 ·················································································································· 3
00. 基本(一般) ················································································································ 3
01. フォント情報管理 ·········································································································· 4
02. フォントメトリク ·········································································································· 6
03. フォント形状表現 ·········································································································· 8
04. レンダリングに用いるフォント情報処理············································································ 10
05. フォント生成系 ············································································································ 11
06. フォントデザイン ········································································································· 12
07. 組版要素 ····················································································································· 14
08. 製版,面付 ·················································································································· 23
09. 製本 ··························································································································· 30
10. 記述言語,符号化方式 ··································································································· 39
11. 文字種 ························································································································ 41
12. 文書構成要素 ··············································································································· 43
13. 原稿 ··························································································································· 45
14. 校正 ··························································································································· 48
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日本工業規格 JIS
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印刷用語 ― デジタル印刷
Graphic arts -- Glossary -- Digital printing terms
1. 適用範囲 この規格は,デジタル印刷技術に関連して用いる主な用語及びその定義について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語
JIS X 4051 日本語文書の行組版方法
JIS X 4153 文書スタイル意味指定言語(DSSSL)
備考 ISO/IEC 10179がこの規格に一致している。
JIS X 4154 標準ページ記述言語SPDL
備考 ISO/IEC 10180がこの規格に一致している。
JIS X 4161 フォント情報交換 第1部 体系
備考 ISO/IEC 9541-1がこの規格に一致している。
JIS X 4162 フォント情報交換 第2部 交換様式
備考 ISO/IEC 9541-2がこの規格に一致している。
JIS X 4163 フォント情報交換 第3部 グリフ形状表現
備考 ISO/IEC 9541-3がこの規格に一致している。
JIS Z 8105 色に関する用語
JIS Z 8123 印刷用語 ― 基本用語
JIS Z 8124 印刷用語 ― 取引関連
JIS Z 8305 活字の基準寸法
ISO TR 9544:1988 Information processing -- Computer-assisted publishing -- Vocabulary
3. 表記法 この規格の番号の表記,用語の表記及び定義の表記は,次による。
a) 番号の表記
1) 番号は,“.”で分離した2けた10進数の列によって示す。最も左の2けた10進数が,最上位分類
項目を示し,右に進むに従って下位の分類項目となる。最も右の2けた10進数は,同一分類内の一
連番号とする。
2) 2けた10進数の上位の0は,空白にしない。
2
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b) 用語の表記
1) 同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,“,”で区切って併記する。それらの用語は,記載し
てある順位に従って優先使用する。
2) 漢字が常用漢字表にない場合には,そこを仮名で記述し,それに引き続く“( )”内に該当する漢
字を示す。
備考 煩雑さを避けるために,“けい(罫)”は“罫”,“と(綴)じ”は“綴じ”,“は(貼)り……”
は“貼り……”,“……ば(貼)り”は“……貼り”と表記する。
3) 用語の一部が“( )”で囲まれている場合は,その部分を省略してもよい。
4) 短縮形などを,用語に引き続く“( )”内に示す。
c) 定義の表記 用語がいくつもの定義をもつ場合は,それらを個々に規定し,定義の前に“a)”,“b)”,
……を付けて併記する。
4. 分類 この規格において,用語を次のとおりに分類する。
00. 基本(一般)
01. フォント情報管理
02. フォントメトリク
03. フォント形状表現
04. レンダリングに用いるフォント情報処理
05. フォント生成系
06. フォントデザイン
07. 組版要素
08. 製版,面付
09. 製本
10. 記述言語,符号化方式
11. 文字種
12. 文書構成要素
13. 原稿
14. 校正
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5. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。
備考1. 用語の配列は,分類項目ごとに区分して,関連する概念の用語をまとめる。主となる概念が
あれば,それに対応する用語を先に,従となる概念に対応する用語を後にして,順次系統的
に並べる。
2. 対応英語,参考及び読みは,参考とする。
00. 基本(一般)
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
00.01
文字
可視化表現(形状,大きさ,意匠な
ど),筆順,音,意味,起源,機能
などを属性としてもつ情報表現要
素。
備考 この規格における文字は,そ
の属性として可視化表現だけを対
象とする。
character
文書情報処理においては,限定され
た属性だけが対象となることが多
く,その限定された属性に対して符
号化表現などの識別子を割り当て
る。
もじ
00.01.01
字体
一つの漢字として認識される点画
の抽象的な構成の在り方で,視覚的
認識のために他の文字と明確に区
別できる特徴を備えている。
abstract letter
shape
漢字符号の幾つかの規格では字体
を抽象的な概念と位置付け,その具
体的な形として実現されたものを
字形と定義している。JIS X 0208及
びJIS X 0213では包摂規準を設け,
その規準の範囲内においては複数
の字体を区別せずに,それらに同一
の区点位置を与えている。“常用漢字
表”及び“表外漢字字体表”では,各々
においてデザインの違いであって
字体の違いではないと考えられる
字形差が例示されている。また,義
及び音が同じ漢字でありながら,標
準的な字体と異なる字体のものを
異体字という。
じたい
00.01.02
グリフ
個々のデザインの違いを除去した
認知可能な抽象的図記号(JIS X
4161参照)。
glyph
ISO/IECの国際登録機関である日本
の国際大学 GLOCOM (Global
Communication Center)が,組織又は
個人からの要求に応じて,JIS X
4165に従って割り当てる識別子の
識別対象。
00.01.02.01
合字,リガチャ 二つ以上のグリフの一部を融合し,
一体化して一つのグリフとしたも
の。
composite
glyph,ligature
f,i 及び l を合わせて一体化した
fi,flなどがよく用いられる。
ごうじ
00.01.03
字形
文字について,手書き,印字,画面
表示などによって実際に図形とし
て表現したもの。
letter form
字体の項を参照。
じけい
00.01.04
書体
印字,画面表示などに使用するた
め,統一的な意図に基づいて作成さ
れた一組の文字又は記号の意匠。
typeface
しょたい
00.01.04.01
フォント
ある書体によって作成された字形
の集合。
font
金属活字では,同一書体,同一の文
字サイズの一そろいを意味してい
る。
4
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
00.01.04.02
システムフォ
ント
システムソフトウェアに組み込ま
れたフォント。
system font
00.01.05
作字
複数の文字の部分を組み合わせる
などの方法により,新たな字形を作
ること。
さくじ
00.02
地紋
印刷領域の地の一部又は全部に付
ける模様。
通常は,ある単位模様を繰り返し,
敷きつめることによって実現する。
じもん
00.03
タイポグラフ
ィ
a)文字印刷の方法。
b)文字,又は文字及び画像を用い
た印刷物の意匠及び設計。
typography
狭義には,金属活字を用いる活版印
刷術を指すが,概念が拡大され,文
字印刷全般,更に,印刷物の意匠,
設計などを意味するようになって
いる。書体の意匠も関連する。
00.03.01
組版
原稿及びレイアウトの指定に従っ
て,文字・図版・写真などを配置す
る作業の総称。
composition
面付は組版に含まれない。
くみはん
00.03.01.01
ページ物
形式のほぼ一定した組体裁に基づ
き,面付の処理を経て作成される,
ある程度のページ数のある印刷物。
ぺーじもの
00.03.01.02
端物
単一ページ,又は少数ページからな
る印刷物の総称。
主に広告,伝票,名刺などの商業印
刷物に関して用いる。
はもの
00.04
オンデマンド
印刷
出版物,カタログなどをデジタルデ
ータで保存しておき,必要なときに
必要な部数だけ必要な人に必要な
情報を印刷する方法(JIS Z 8124参
照)。
on-demand
printing,
demand
printing
おんでまん
どいんさつ
00.05
バリアブル印
刷
可変データの印刷をすること。
variable
printing
ばりあぶる
いんさつ
00.06
CIP3
International
Cooperation
for
Integration of Prepress,Press and
Postpressの短縮形。製版,印刷及び
印刷後工程という印刷の全工程を
統合し,その各工程間で処理及び管
理のデータをやりとりすることを
目指した国際的な広がりをもった
業界活動及びそれが定めたデータ
形式。
製版,印刷及び印刷後工程の間で処
理及び管理のデータをやりとりす
るためのフォーマットは,PPF(Print
Production Format)である。
しっぷすり
ー
00.07
CIP4
International
Cooperation
for
Integration of Processes in Prepress,
Press and Postpressの短縮形。CIP3
に工程管理を加えたもの。
CIP4のためのデータフォーマット
としてJDF(Job Definition Format)
がある。
しっぷふぉ
ー
01. フォント情報管理
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
01.01
欧文フォント ラテン文字を表示するフォント。
おうぶんふ
ぉんと
5
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
01.02
和文フォント 日本語を表示するフォント。
Japanese font 日本語を表示するために必要な漢
字,仮名,約物などの他に,一般に,
漢字,仮名などに合わせて設計した
アラビア数字,ラテン文字などを含
む。
わぶんふぉ
んと
01.02.01
仮名フォント 平仮名及び/又は片仮名文字から構
成される和文フォント。
kana font
約物(やくもの)を含むこともある。 かなふぉん
と
01.03
数字フォント アラビア数字から構成されるフォ
ント。
numeric font 記号類を含むこともある。
すうじふぉ
んと
01.04
中文フォント 中国語を表示するフォント。
Chinese font
ちゅうぶん
ふぉんと
01.05
ハングルフォ
ント
朝鮮語(チョソノ)のハングルを表
示するフォント。
Hangul font
01.06
記号フォント 約物及びその他の記号で構成され
るフォント。
sign font
きごうふぉ
んと
01.07
外字フォント 外字で構成されるフォント。
gaiji font
がいじふぉ
んと
01.08
パイフォント 通常の欧文フォントに含まれてい
ない文字又は記号専用のフォント。
pi font
01.09
ファミリー,フ
ォントファミ
リー
書体の設計において共通の起源を
もつ,又は一定の様式をもたせてウ
ェイト,字幅などに変化をつけたフ
ォントの集合。
family,
font family
和文フォントについてもいう。ファ
ミリー内の変化を与えるパラメタ
は,和文フォントでは,主にウェイ
トによる。欧文フォントにおけるフ
ァミリー内の変化を与えるパラメ
タは多様で,立体又はイタリック,
ウェイト,平均的な字幅,ディセン
ダの長さ,アセンダの長さなどがあ
る。
01.09.01
ウェイト
書体における字形の画線の太さの
指標。
weight
ウェイトの表記には一定の基準は
なく,同一表記であっても書体によ
ってその画線の太さが異なること
が多い。
01.09.02
立体,ローマン 直立した形に設計した欧文フォン
ト。
りったい
01.09.03
イタリック
右斜めに傾けて設計した欧文フォ
ント。
italic
01.10
正体
直立の原形字形。
平体・長体・斜体に対していう。
せいたい
01.11
変形
正体に対して縦又は横の一方向の
拡大・縮小,傾けなどを施すこと,
又は施したもの。
deforming
へんけい
01.11.01
斜体
変形の一つで,文字の横枠・縦枠の
いずれか又は両者を斜めにしたも
の。
slant
しゃたい
01.11.02
長体
変形の一つで,文字の横幅を縮小し
たもの。
narrow
ちょうたい
01.11.03
平体
変形の一つで,文字の天地方向を縮
小したもの。
wide
へいたい
01.12
(フォント情
報管理の)送り
フォントの設計の際に定められる
隣接して並ぶ文字の対応する基準
点間の変位。
escapement
おくり
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02. フォントメトリク
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
02.01
フォントメト
リク,フォント
配置量
フォントに含まれるグリフ表現に
共通する寸法情報を含む各種計量
情報の総称(JIS X 4161及びJIS X
4162参照)。
font metric
ふぉんとは
いちりょう
02.01.01
グリフメトリ
ク,グリフ配置
量
一つの字形に固有の寸法情報を含
む各種計量情報の総称(JIS X 4161
及びJIS X 4162参照)。
glyph metric
ぐりふはい
ちりょう
02.02
字幅,セット 配列する方向の文字の外枠の大き
さ。一般に幅の絶対値を文字サイズ
で除した値で示す。単位には,エム,
倍,分などが用いられる。
character
width,
set
欧文フォントでは,グリフに外接す
るく(矩)形に両サイドベアリング
を加えた幅。
じはば
02.02.01
a‒zレングス
aからzまでの全文字の字幅の合計。 a‒z length
えいぜっと
れんぐす
02.02.02
プロポーショ
ナル
一つのフォント中で文字の字幅が
一定でなく,文字ごとに独立した字
幅の値をもっていること。
proportional
欧文フォントは,通常プロポーショ
ナルに作られている。
02.02.03
モノスペース 一つのフォントの文字の字幅がす
べて等しい値をもっていること。
mono-space
和文フォントの各文字は,通常,モ
ノスペースであり,正方形の仮想ボ
ディにデザインされる。
02.03
サイドベアリ
ング
欧文のグリフに外接するく(矩)形
の左端から文字の外枠の左辺又は
右端から文字の外枠の右辺までの
長さ。
side bearing
左側のサイドベアリングをLSB
(Left Side Bearing),右側のサイド
ベアリングをRSB(Right Side
Bearing)と表記することがある。
02.04
ベースライン,
並び線
欧文フォントなどにおいて,フォン
ト中の多くのグリフがその上でそ
ろう,基本的な仮想の線(図2.1参
照)。
baseline
(ISO/IEC
9541-1では,
alignment
line)
欧文の主要な文字は,ベースライン
と呼ぶ仮想の線を基準としてデザ
インし,また,組版の際に文字を配
置する。
ならびせん
02.05
xハイト
欧文フォントのベースラインから
の小文字xの高さ(図2.1参照)
(ISO TR 9544参照)。
x-height
小文字のxは,文字の下端をベース
ライン上にそろえてデザインされ
ている。オーバシュートがないた
め,小文字の高さの基準として用い
る。
えっくすは
いと
02.05.01
ミーンライン 欧文の小文字の高さを示すベース
ラインに平行な仮想の線(図2.1参
照)。
mean line
エックスライン(x-line)と呼ばれる
ことが多い。
02.06
キャップハイ
ト
欧文フォントのベースラインから
の大文字の高さ(図2.1参照)。
cap height
02.06.01
キャップライ
ン
欧文の大文字の高さを示す仮想の
線(図2.1参照)。
cap line
02.07
アセンダ
欧文小文字のb,d,f,h,k,l,t
などの文字の,xハイトよりも上に
伸びている部分(ISO TR 9544参
照)。
ascender
02.07.01
アセンダライ
ン
アセンダの最上部を示す,ベースラ
インに平行な仮想の線(図2.1参
照)。
ascender line
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
02.08
ディセンダ
欧文小文字のg,j,p,q,yなどの
文字の,ベースラインより下に伸び
ている部分(ISO TR 9544参照)。
descender
02.08.01
ディセンダラ
イン
ディセンダの最下端を示す,ベース
ラインに平行な仮想の線(図2.1参
照)。
descender line
02.09
オーバシュー
ト,オーバハン
グ
欧文の大文字O,A,V,小文字o,
c,vなどの,上部又は底部の円弧状
又は鋭角的な部分を,ベースライン
又はキャップライン若しくはミー
ンラインよりも少しはみ出して設
計すること(JIS X 4163参照)。
overshoot,
overhang
これらの文字を他の文字と同じ高
さにそろえてデザインすると,視覚
的に小さく見える傾向がある。オー
バシュートはそれを補正する。
02.10
文字サイズ
文字の大きさ。通常,文字の行送り
方向の外枠又は仮想ボディの長さ。
character size 文字の大きさを表す単位としては,
JIS Z 8305で規定しているポイント
(1ポイント=0.3514mm)のほかに,
Q(1Q=0.25mm)が主に用いられて
いる。新聞用フォントは,1U(0.011
inch)を文字サイズの単位とする。
もじさいず
02.10.01
ポイント
文字サイズの単位。1ポイントは
0.3514mmに等しい(JIS Z 8305参
照)。
point
ポイント制は,いくつかある(フル
ニエ式,ディドー式など)が,日本
では,アメリカ式ポイント制を常用
している。校正・編集作業では,“ポ”
と表記する。字間若しくは字送り,
又は行間若しくは行送りの大きさ
を指示する単位としても用いる。
システムによっては1/72×25.4mm
を1ポイントとするものもある。
図2.1 欧文の基準フォントメトリク
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
02.10.02
Q
文字サイズの単位。1Qは0.25mmに
等しい。
1mmの4分の1の大きさで,quarter
の頭文字をとってQで表す。字間若
しくは字送り,又は行間若しくは行
送りの大きさを指示する単位とし
ても用いる。この場合はH(1H=1Q
=0.25mm)の単位も用いる。
きゅう
02.10.03
全角
a)変形をかけない正方形の文字の
サイズ。
b)a)に等しい長さの相対単位。
エムに相当する。
ぜんかく
02.10.04
エム
文字サイズと等しい長さの相対単
位(ISO TR 9544参照)。
em
欧文文字のMが高さと幅との比が
およそ1であることから,エムを全
角として扱ってきた。主として欧文
の場合に用いる。
02.10.05
二分,半角
全角の2分の1の長さ。
にぶ(にぶ
ん),はんか
く
02.10.06
エン
文字サイズの半分の幅(ISO TR
9544参照)。
en
欧文文字のnの高さと幅との比がお
よそ2分の1であることから,エン
を二分として扱ってきた。主として
欧文の場合に用いる。
02.10.07
三分
全角の3分の1の長さ。
さんぶ(さん
ぶん)
02.10.08
四分
全角の4分の1の長さ。
しぶ(しぶ
ん)
02.11
仮想ボディ
一つの文字が占有する仮想的なく
(矩)形領域。
imaginary
body
金属活字には,ボディと呼ばれる角
柱部分があり,それの断面が文字の
占有するく(矩)形部分である。写
真植字及びデジタルフォントの文
字には物理的ボディがないため,仮
想的にそれに相当するものを考え,
字形デザイン又は文字を配置する
際の基準としている。
かそうぼで
ぃ
02.12
字面
字形の,実際に表示される領域。
face
字面の大きさは,仮想ボディの大き
さを基準とする。実際の漢字の標準
的な字面は,仮想ボディよりも一回
り小さく,仮名の字面は漢字よりも
さらに一回り小さいことが多い。
じづら
03. フォント形状表現
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
03.01
ビットマップ
フォント
字面を碁盤の目状に分割し,その格
子の各枡目の白黒を指定すること
によってグリフの形状を表現する
フォント。
bitmap font
9
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
03.02
グレースケー
ルフォント
白・黒の2値以外に中間調も用いて
文字形状を表現する方式のフォン
ト。
grayscale font 特に解像度の低い表示システムに
おいて,文字の表示に有効である。
03.03
ストロークフ
ォント
グリフ形状を,その画線の骨格線の
ベクトルによって表現するフォン
ト。
stroke font
03.04
アウトライン
フォント
文字の輪郭を数式で表示したフォ
ント(JIS Z 8124参照)。
outline font
03.04.01
ベジェ曲線
アウトラインフォントの輪郭表現
に用いられる曲線の一つ。設計者が
イメージした曲線をコンピュータ
上に近似させるには“内挿法”及び
“近似法”があり,ベジェ曲線は近似
法に属する。図で表せば次のように
なる。
Q0,Q3を端点(又は開始点,終了点)
と呼び,Q1,Q2を制御点と呼ぶ。
Bézier curve
フランスのBézierが提案したことに
より,この名がある。
ベジェ曲線は次のような特徴をも
っている。
− 回転などの操作が簡単。
− 曲線の表示が容易。
− 折線近似に比較してデータ量を
少なくできる。
このような特徴から,フォント形状
表現に汎用的に利用される。
ベジェ曲線の式にふくらみを制御
する係数を導入した近似曲線に“拡
張ベジェ曲線”がある。拡張ベジェ曲
線は,複数のベジェ曲線の表現が一
つの拡張ベジェ曲線で可能になる。
べじぇきょ
くせん
03.04.02
円すい(錐)曲
線
アウトラインフォントの輪郭表現
に用いられる曲線の一つ。円すい
(錐)の頂点を含まない平面で切断
して得られる切断面図形。
conic curve
切断の位置によって,円,だ(楕)
円,放物線,及び双曲線になる(次
図参照)。
えんすいき
ょくせん
10
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
03.04.03
スプライン曲
線
アウトラインフォントの輪郭表現
に用いられる曲線の一つ。内挿法の
代表的な近似曲線。点列を通過する
曲線として定義される。一般に点列
が多くなると式の次数が高くなり,
デザインの意図とかけ離れてしま
うこともあるため,範囲をいくつか
に分割して,そのそれぞれに多項式
を当てはめる。こうして得られる曲
線をスプライン曲線という。スプラ
イン曲線の例を次図に示す。
spline curve
スプラインとは,本来は自在定規の
ことで,点列を与えたときにこの点
列を通るスムーズな曲線を自在定
規によってつくるように曲線を生
成することから命名されている。
すぷらいん
きょくせん
03.04.04
Bスプライン
曲線
アウトラインフォントの輪郭表現
に用いられる曲線の一つ。Bスプラ
イン基底関数を用いて生成した曲
線。Bスプライン曲線の例を次図に
示す。
B-spline curve ベジェ曲線と同様に,多角形の頂点
を制御点として曲線を表現する。特
定区間だけで0でない値をとる正規
化されたBスプライン基底関数を用
いるので,制御点の効果が局所化さ
れる利点がある。ベジェ曲線と比較
して,曲率まで連続で滑らかに接続
する曲線を表現しやすい。
びーすぷら
いんきょく
せん
03.05
グリフ座標系 グリフの形状及びグリフ配置量を
定義するのに用いる2次元デカルト
座標系(JIS X 4161参照)。
glyph
coordinate
system
ぐりふざひ
ょうけい
03.06
ステム
グリフの形状を構成する主要な画
線(JIS X 4163参照)。
stem
主として欧文フォントについて用
いる。JIS X 4163では漢字にも適用
している。
03.07
ヒンティング グリフの均整及び特徴を保存する
ための,グリフの幾何形状に付加す
る手続き指定情報又は宣言的な指
定情報(JIS X 4163参照)。
hinting
04. レンダリングに用いるフォント情報処理
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
04.01
レンダリング 文字の形を表す情報を,表示用メモ
リにどのように描画すればよいか
準備すること。
rendering
11
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
04.02
ラスタ化
レンダリングにより変換されたデ
ータを実際の表示用メモリに描画
すること。
rasterization
ラスタライズともいう。JIS X 4163
においては,ヒンティング及び塗り
つぶしを含む処理をいう。ラスタ化
を行うソフトウェア又は装置をラ
スタライザという。
らすたか
04.02.01
スケーリング フォントデータを表示するために,
指示された表示サイズになるよう
にする処理。
scaling
特にアウトラインフォントは,表示
サイズに依存しない方法で記述さ
れているので,この処理が必要とな
る。
04.02.02
塗りつぶし
輪郭線の内側すべてを指定した色
にする処理。
filling
ぬりつぶし
04.02.03
ジャギー
ラスタデータの構造に基づく表示
輪郭の凹凸。
jaggy
04.02.03.01
スムージング ジャギー又はそれ以外の不要な凹
凸を除去し軽減する処理。
smoothing
平滑化ともいう。特にビットマップ
フォントを拡大した際のジャギー
を滑らかにすることを,ドットの平
滑化という。
04.02.03.02
アンチエイリ
アス
ジャギーを見かけ上滑らかにする
技法の一つ。ジャギーが発生してい
る輪郭部分の画素を中間色で補間
することにより,ジャギーを目立た
なくする処理。
anti-aliasing
スムージングの一技法。
04.02.04
キャッシング フォントデータの処理時間短縮の
ために,ラスタ化済みのデータを再
利用する処理。
caching
キャッシングの際に,ラスタ化済み
のデータを格納しておく場所をキ
ャッシュ又はフォントキャッシュ
という。
04.03
グレースケー
ル
単色の中間値を含めた階調表現の
ための多値データ。
grayscale
04.04
黒み,組上り濃
度
表示されたフォントの相対的な太
さによる視覚的な濃度。
typographic
color
欧文フォントの場合は,主要ステム
の相対的幅などに基づく。
くろみ,くみ
あがりのう
ど
05. フォント生成系
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
05.01
(フォントデ
ザインの)グリ
ッド
字形を構成する輪郭線上のデータ
点を置くために定義する格子。
grid
05.01.01
グリッドサイ
ズ
字形を構成する輪郭線上のデータ
点の間の最小間隔。
grid size
05.02
原字
書体設計者が作成した文字図形。
artwork
特にアナログであることを強調す
る場合は,アナログ原字という。
げんじ
05.03
デジタイジン
グ
アナログ原字から文字のデジタル
データを作ること。
digitizing
05.04
フィッティン
グ
アウトラインフォントの作成にお
いて,原字又はそのラスタ化された
データに忠実に直線又は曲線を当
てはめること。
fitting
12
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
05.05
(フォントの)
補間
複数の形状情報から,その中間的形
状を生成すること。
interpolation 例えば,ファミリーとしてのフォン
トの作成において,ライト及びボー
ルドからミディアムを生成するこ
と。
ほかん
06. フォントデザイン
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
06.01
印刷書体
(分類名)
いんさつし
ょたい
06.01.01
和文書体
日本語を表示するための書体。
書体を構成する文字は,漢字,仮名,
欧文文字,約物,記号などを含む。
仮名又は欧文については,他の書体
と組み合わせて使用することも多
い。
主な書体サンプルを示す。
わぶんしょ
たい
06.01.02
欧文書体
ラテン文字で綴られる言語を表示
するための書体。
roman
typeface
主な書体サンプルを示す。
おうぶんし
ょたい
06.01.03
本文書体
書籍,雑誌などの本文に使うことを
目的とした書体。
text typeface,
book typeface
和文では明朝体,欧文ではローマン
が多く,可読性を重要視した書体で
ある。8〜12ポイントの大きさで使
うことが多い。
ほんぶんし
ょたい
13
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
06.01.04
見出し書体
見出しに使うことを目的とした書
体。
display
typeface
可読性よりも訴求力を重要視した
書体である。見出し以外にちらし,
看板などにも使う。
みだししょ
たい
06.01.05
新聞書体
新聞の本文,見出しなどで使うこと
を目的とした書体。
newspaper
typeface
日本では本文用新聞書体は偏平な
明朝体で,ふところを大きくとり可
読性を高めている。
しんぶんし
ょたい
06.02
モジュール
欧文書体をデザインするときの基
準となる寸法の集合。
module
ベースライン,キャップライン,ミ
ーンライン,アセンダライン,ディ
センダラインなどとして示す。
06.03
ストローク
一筆で書ける文字の部分。
stroke
06.04
エレメント
字形を構成する要素。
element
06.04.01
漢字のエレメ
ント
漢字の字形を構成する要素。
名称及び分類は一定していないが,
ここでは代表的なエレメント及び
その部分の名前を図6.1に示す。
かんじのえ
れめんと
06.04.02
仮名のエレメ
ント
仮名の字形を構成する要素。
平仮名の形状は,筆使いによって多
様であるが,デザイン的統一をとる
ためのエレメントに分類できる。代
表的な平仮名のエレメント及びそ
の名称を図6.2に示す。
かなのえれ
めんと
図6.1 代表的な漢字のエレメント
14
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
06.04.03
欧文のエレメ
ント
欧文の字形を構成する要素。
代表的な欧文のエレメント及びそ
の名称を図6.3に示す。
おうぶんの
えれめんと
07. 組版要素
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.01
組方向
横組又は縦組。
くみほうこ
う
図6.2 代表的な平仮名のエレメン
図6.3 代表的な欧文のエレメント
15
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.01.01
横組
行においては文字を水平方向に左
から右へ,ページにおいて行を上か
ら下へ,段を左から右へ配列するこ
と。また,そのように文字が配置さ
れた状態。
horizontal
composition
よこぐみ
07.01.02
縦組
行においては文字を垂直方向に上
から下へ,ページにおいて行を右か
ら左へ,段を上から下へ配列するこ
と。また,そのように文字が配置さ
れた状態。
vertical
composition
たてぐみ
07.02
アキ
隣接する文字又は隣接する行の間
隔。
space
使用する文字に対する相対値(全角
アキ・二分アキなど)又は絶対値(ポ
イント単位・Q単位など)でアキの
量を指定する。
07.03
スペーシング 欧文のワードスペース及び/又は行
間をあけること。
spacing
字配りともいう。字間調整の意味に
使用することもある。
07.04
字間
同一行の隣接する二つの文字の仮
想ボディの間隔。
letter space
じかん
07.04.01
字間調整
字間を変化させること。
letter spacing 欧文ではレタースペーシングとい
う。
じかんちょ
うせい
07.04.02
字送り
同一行の隣接する文字同士の基準
点から基準点までの距離。
じおくり
07.04.03
ベタ組
字間を空けずに仮想ボディを接し
て文字を配置すること。
solid,
solid matter
字間ベタともいう。行間を空けずに
文字を配置する場合は,行間ベタと
いう。
べたぐみ
07.04.04
アキ組
字間に一定のアキを入れて文字を
配置する方法。
アキ組にする例としては,俳句の字
間を四分アキ又は二分アキにする
場合,漢詩の字間を二分アキにする
場合などがある。
あきぐみ
07.04.04.01
均等割り
字間を均等に空け,文字列の両端を
行頭及び行末にそろえること。
equal space
きんとうわ
り
07.04.05
字取り
使用文字サイズの倍数で指定した
長さの両端に文字列の先頭と最後
尾をそろえて文字を配置する方法。
倍取りともいう。例えば,名簿の組
版において名前を6字取りとし,6
文字に満たない場合は字間を割り,
7文字以上は変形をかけ6文字分の
長さにそろえる。
じどり
07.04.06
トラッキング ベタ組の字送りより,字送りを全体
的に変更する機能。欧文では,個々
の文字がもつ固有の字送りより,全
体的に字送りを変更すること。
tracking
同一書体でも文字サイズを大きく
すると字間が開いて見える場合が
ある。これを補正するためにトラッ
キングを使って全体の字間を詰め
る。反対に文字サイズを小さくした
場合には,字間が詰まって見えるた
めに広げて組版することがある。
07.04.07
カーニング
固有の字幅と異なる字幅(通常は,
固有の字幅より狭い。)を用いて文
字の送りをし,字間を調整するこ
と。
kerning
“A”と“V”,“T”と“o”,“r”と“e”など
のように前後の文字の組合せごと
に増減量を設定して字間を調整す
ることをペアカーニングという。
07.04.08
詰め組
ベタ組より字送りを詰めて文字を
配置する方法。
均等詰,字面詰,食込み詰などがあ
る。印刷媒体の宣伝・広告関係でよ
く使う。ツメともいう。
つめぐみ
16
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.04.08.01
仮名詰
仮名と隣接する文字との字間をベ
タ組より詰めて文字を配置する方
法。
kana-tracking,
kana-kerning
代表的なものに,均等詰及び字面詰
がある。
かなつめ
07.04.08.02
均等詰
ベタ組より字間を一定量詰めて文
字を配置する方法。
きんとうつ
め
07.04.08.03
食込み詰
文字のふところ,字面領域内まで詰
めて文字を配置する方法。
隣接する文字の詰める量をテーブ
ルでもつ方法,隣接する文字の輪郭
情報から詰め量を算出する方法な
どがある。
くいこみつ
め
07.04.08.04
字面詰
仮名や約物などの字面が重ならな
い程度まで詰めて文字を配置する
方法。
じづらつめ
07.04.09
和欧間スペー
ス
和欧混植における,隣接する和文部
分と欧文部分とのアキ。
わおうかん
すぺーす
07.04.10
ワードスペー
ス,(欧文の)
語間
欧文における単語と単語とのアキ。 word space
標準的なワードスペースとしては,
使用文字の四分から三分とするこ
とが望ましいが,使用書体,行長な
どの条件で異なる。
ごかん
07.04.11
分ち組
文を構成する語やその上位の構成
要素を単位として,それぞれの間に
アキを入れて文字を配置する方法。
わかちぐみ
07.05
行
(分類名)
line
ぎょう
07.05.01
行幅
同一行の最も大きな文字サイズの
文字における仮想ボディの行送り
方向の長さ。
ぎょうはば
07.05.02
行間
隣接する行の最も大きな文字サイ
ズの文字の仮想ボディ間の距離。
通常,行間は,行幅の1/2倍から1
倍となる。
ぎょうかん
07.05.03
行送り
隣接する行同士の基準点から基準
点までの距離。
line feed
ぎょうおく
り
07.05.04
行長
行そろえをして組まれた文字行の
長さ(JIS Z 8124参照)。
line length
ぎょうちょ
う
07.05.04.01
字詰
行長を文字サイズの倍数で指定す
る場合の文字数。
じづめ
07.05.05
改行
行を改めること。
line feed,
line break
かいぎょう
07.05.06
行頭
一つの行の始まる位置。
line head
ぎょうとう
07.05.06.01
天付き
a)行頭に位置した括弧類に二分の
字幅のものなどを使用して,隣接す
る行の行頭とそろえること。
b)段落最初の行において行頭の字
下げを行わないで,隣接する行の行
頭とそろえること。
てんつき
07.05.06.02
字下げ
行頭の位置を行末方向に移すこと。 indent
じさげ
07.05.07
行末
一つの行の終わる位置。
line end
ぎょうまつ
07.05.07.01
字上げ
行末の位置を行頭方向に移すこと。 indent
じあげ
07.05.08
行取り
見出しなどを配置する領域の行送
り方向の大きさを行単位で確保す
ること。
ぎょうどり
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.06
字詰方向
1行の中で,一つの文字から次の文
字へと続く方向。
じづめほう
こう
07.07
行送り方向
一つの行が次の行へと続く方向。
ぎょうおく
りほうこう
07.08
そろえ
(分類名)
07.08.01
上そろえ
a)横組の場合に文字の上辺をそろ
えて配置する方法。
b)縦組の場合の行頭そろえ。
うえそろえ
07.08.02
下そろえ
a)横組の場合に文字の下辺をそろ
えて配置する方法。
b)縦組の場合の行末そろえ。
したそろえ
07.08.03
左そろえ
a)縦組の場合に文字の左辺をそろ
えて配置する方法。
b)横組の場合の行頭そろえ。
b) flush left
ひだりそろ
え
07.08.04
右そろえ
a)縦組の場合に文字の右辺をそろ
えて配置する方法。
b)横組の場合の行末そろえ。
b) flush right
みぎそろえ
07.08.05
ベースライン
そろえ
欧文における,ベースラインをそろ
えて配置する方法。
07.08.06
行頭行末そろ
え
各行の最初の文字を行頭にそろえ,
かつ各行の最後の文字を行末にそ
ろえて配置する方法。
justification
行そろえ又は頭末そろえともいう。
欧文ではジャスティフィケーショ
ンともいう。
ぎょうとう
ぎょうまつ
そろえ
07.08.07
行頭そろえ
文字列の最初の文字を行頭の位置
に合わせること。
ぎょうとう
そろえ
07.08.08
行末そろえ
文字列の最後の文字を行末の位置
に合わせること。
ぎょうまつ
そろえ
07.08.09
中央そろえ
文字列の中央を,行頭と行末との中
央の位置に合わせること。
centering
ちゅうおう
そろえ
07.08.10
ラグ組
ベタ組で行頭はそろえるが,行末は
そろえないで文字を配置する方法。
らぐぐみ
07.09
禁則処理
行頭禁則,行末禁則,分離(分割)
禁止などの禁則を避けるために行
われる処理。
きんそくし
ょり
07.09.01
行頭禁則
行頭に特定の文字を置くことを禁
止する規則。
line head wrap 行頭禁則とされる文字の
例 。.、,・?!ʼ”)〕]}〉》」』】など。
ぎょうとう
きんそく
07.09.02
行末禁則
行末に特定の文字を置くことを禁
止する規則。
line end wrap 行末禁則とされる文字の例
ʻ“(〔[{〈《「『【など。
ぎょうまつ
きんそく
07.09.03
分離分割禁
止,分離禁止
a)特定の文字の組の文字間にアキ
を入れることを禁止すること。
b)特定の文字の組の文字間で改行
にすることを禁止すること。
分離分割禁止とされる文字の例連
数字,――,……など。
ぶんりぶん
かつきんし,
ぶんりきん
し
07.09.04
追込み処理
禁則処理の一つの方法であって,約
物の前後などを詰めて行頭行末そ
ろえをすること。
約物の前後だけではなく,ワードス
ペース,仮名などの字間を詰める方
法も行われる場合がある。詰め処理
ともいう。
おいこみし
ょり
07.09.05
追出し処理
禁則処理の一つの方法であって,字
間を広げて行頭行末そろえをする
こと。
延ばし処理ともいう。
おいだしし
ょり
18
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.09.06
ぶら下げ組
行頭に位置した和文の句読点を1文
字だけ前行の行末文字の次に指定
された行長を越えて配置する方法。
hanging
punctuation
行頭禁則文字である句読点の例外
的処理方法。ぶら下がり,ぶら下げ
ともいう。
ぶらさげぐ
み
07.09.07
ハイフネーシ
ョン
欧文組版において,2行に分かれた
単語の前半部の最後にハイフンを
挿入すること。
hyphenation
07.09.08
ワードラップ 欧文の単語が2行に分割されないよ
うにする機能。
word wrap
07.10
イニシャル組 強調したり,飾るために,文章の最
初の文字に花文字,大きな文字など
を使用して処理する方法。
initial
いにしゃる
ぐみ
07.11
ウィドウ
欧文組版において,2単語程度であ
る段落の最終行が,新しいページ又
は段の第1行目にくること。
widow
欧文組版では,ウィドウを避ける。
新しい行がページ又は段の末尾か
ら始まることをオーファンという。
07.12
添え字
文字のそばに付ける上付き文字又
は下付き文字。
superscript,
subscript,
superior,
inferior
そえじ
07.12.01
上付き文字
小さい字面の文字で,通常の大きさ
の文字の右肩又は左肩に付けて配
置する文字。
superior
character
(letter, figure),
superscript
うわつきも
じ
07.12.02
下付き文字
小さい字面の文字で,通常の大きさ
の文字の右下又は左下に付けて配
置する文字。
inferior
character
(letter, figure),
subscript
したつきも
じ
07.13
下線
横組において,文字又は文字列の下
に引いた線。
under line
かせん
07.14
傍線
縦組において,文字又は文字列の右
又は左に引いた線。
ぼうせん
07.15
取り消し線
文字又は文字列の取り消し,削除な
どを示すために,文字又は文字列の
中心付近の字詰め方向に引いた線。
とりけしせ
ん
07.16
圏点
文字のそばに付けて注意を促した
り,その部分を強調したりするしる
し。
ken dot
傍点ともいう。縦組では親文字の右
側,横組では親文字の上側に付ける
ことが多い。
けんてん
07.17
親文字
ルビ,添え字又は圏点が付けられた
とき,その対象となる文字。
おやもじ
07.18
ルビ
文字及び語のそばに付けてその読
み,意味などを示す小さな文字。
ruby
原則として縦組の場合は親文字の
右側,横組の場合は親文字の上側に
添える。ルビ文字の大きさで分類す
ると二分ルビ,三分ルビなどがあ
る。
07.18.01
肩付きルビ
縦組において,ルビを親文字の右肩
に付けて配置する方法。
親文字の左側にルビを付けた場合
は,左肩となる。
かたつきる
び
07.18.02
中付きルビ
縦組の場合は親文字の天地中央に,
横組の場合は親文字の左右中央に
ルビを付けて配置する方法。
なかつきる
び
19
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.18.03
グループルビ 語全体にかかるように均等間隔に
ルビを付けて配置する方法。
親文字及びルビの一部を2行に分割
することは避ける。対語ルビ又は均
等ルビともいう。
07.18.04
モノルビ
親文字の1字ごとに対応してルビを
付けて配置する方法。
対字ルビともいう。
07.18.05
総ルビ
文中のすべての漢字にルビを付け
ること。
そうるび
07.18.06
パラルビ
文中の一部の漢字だけにルビを付
けること。
07.19
インライング
ラフィック
本文の一部として文字と文字との
間に挿入された画像。
inline graphic 本文の追加や削除にともなって,本
文と同じように移動する。
07.20
縦中横
縦組の行中で,文字を縦向きのまま
横組にする(文字を縦向きのまま水
平方向に左から右へ配置する)こ
と。
たてちゅう
よこ
07.21
タブ
a)文字をそろえる位置を設定する
機能。
b)行中の指定された位置に,文字
列を合わせて配置すること。
tab
07.22
混植
a)和文と欧文とを併用して組版す
ること(和欧混植)。
b)異なる大きさの文字を併用して
組版すること(異サイズ混植)。
c)異なる書体を使用して組版するこ
と(異書体混植)。
こんしょく
07.23
組体裁
書籍・雑誌などの基本的なページの
体裁。
page format
くみていさ
い
07.23.01
棒組
文字サイズ・書体・1行の文字数・
行間だけを決めて,図版,表,柱,
ノンブルの配置などのページの体
裁についての処理は行わないで組
版をすること。
in slip
通常,初校又は再校後にページの体
裁に仕上げる。
ぼうぐみ
07.23.02
大組
棒組,見出し,図版などを新聞1ペ
ージにまとめ上げること。
makeup
表示画面上で行われることが多い。 おおぐみ
07.23.03
(レイアウ
ト・組版の)グ
リッド
文字,写真,図版などを整然と配置
するレイアウト又は組版を行うた
め,一定の設計に基づいてページ上
に配置された仮想の線で構成され
た格子。
grid
グリッドを画面に表示する場合は,
通常,この線は実際には印字しな
い。また,レイアウト用紙を用いて
レイアウトを行う場合は,グリッド
はこのレイアウト用紙に印刷され
る。
07.23.04
グリーキング a)カンプの組体裁見本作成,又は
欧文書体の見本組作成のときに使
用する,特に意味をもたせていない
文章。
b)DTPでは,画面の書き換え時間
を短縮するため,必要としない文字
又は画像部分をグレーに置き換え
ること。
greeking
ギリシャ語が難解なところから,意
味をもたない言葉を綴ることをグ
リーキングというようになった。
20
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.24
ページ
本などを構成する1枚の紙の片面。 page
07.24.01
見開き
本などを開いたときの両方のペー
ジ。
spread, double
spread,
double-page
spread,
two-page
spread,
double truck
左ページに対する右ページ,又は右
ページに対する左ページを対向ペ
ージという。
みひらき
07.24.02
ページネーシ
ョン
a)ページごとに組版をまとめ上げ,
出力すること。
b)ノンブルを付けること
c)書籍の前付,本文及び後付の構成
順序。
pagination
a)において,図,表なども含めて
完全な形で出力することをフルペ
ージネーションという。
b)はノンブル付け又は丁付けとも
いう。
07.24.03
本文組
本文ページの基本となる組版。
マスタページに設定された組方に
よって組版される。
ほんぶんぐ
み(ほんもん
ぐみ)
07.24.04
版面
本の1ページ内の,周囲の余白を除
いた部分の印刷面。
type page
柱及びノンブルは版面に含めない。 はんめん(は
んづら)
07.24.05
余白
本の1ページ内の印刷された版面を
除く天地左右,周辺の白い空白部
分。
margin
よはく
07.24.06
マスタページ 使用する文字サイズ・行長・行数・
段数・段間などの版面情報,版面位
置,ノンブル・柱など複数ページの
レイアウトに共通の情報など本の
基本的なページの体裁を設定した
ページ。
master page
07.24.07
テンプレート 文書の基本的な構成要素,書式情報
などを設定したもので,新規文書を
作成する際にベースとして使用す
るひな型。
template
07.24.08
ガイドライン レイアウトの位置合せや,ページ内
に配置するものを移動しやすくす
るために画面に表示される線。
guide line
レイアウト画面に表示されたガイ
ドラインは,通常印刷されない。
07.24.09
丁
本の中身を構成している紙葉を数
える単位。表裏の2ページ1枚を1
丁と数える。
leaf
和綴じにおける二つ折りの刷本も
いう。
ちょう
07.24.10
ノンブル
印刷物の各ページの順序を示すた
めに付けてある番号。
page number 右開きの本では右ぺージの番号が
偶数,左ページの番号が奇数にな
り,左開きの本では右ページの番号
が奇数,左ページの番号が偶数にな
る。
07.24.10.01
通しノンブル a)書籍の前付・本文・後付を通し
て一連のノンブルを付けること。
b)追い丁と同じ。
とおしのん
ぶる
07.24.10.02
別ノンブル
前付ページ又は後付けページと本
文ページとに別の順序付けを行う
ノンブルを付けること。
通常,別ノンブルにした場合は,ノ
ンブルの書体又は形式を変える。
べつのんぶ
る
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.24.10.03
隠しノンブル a)ページ数には数えるが,特定の
ページに対して意図的にノンブル
を印刷しないこと。
b)のどの側に寄せるなどして,目
立たない位置に付けるノンブル。
blind folio
a)の特定のページの例としては,
中扉,裁切りの写真が配置されるペ
ージ,何も印刷されない白ページな
どがある。
かくしのん
ぶる
07.24.10.04
逆ノンブル
巻末の方からページの番号を開始
するノンブル。
ぎゃくのん
ぶる
07.24.10.05
追い丁
分冊して刊行されるそう(叢)書な
どで,それら全体を通して一連のノ
ンブルを付けること。また,定期刊
行物での各号ごとのノンブルとは
別に1年分を通したノンブルを併記
すること。
serial
pagination
おいちょう
07.24.10.06
仮ノンブル
既に組版が行われている部分の散
逸又はページの入り乱れを防ぐた
め,章・節単位などのある程度まと
まったページごとに仮に付けるノ
ンブル。
原稿がすべてそろっていない場合,
そろっていても全ページの割付,組
版などができていない場合などに
用いる。
かりのんぶ
る
07.24.11
柱
各ページの版面外に記載された書
名・章名・節名など。
running head,
header
1冊の中では同じ位置に入れる。
はしら
07.24.11.01
片柱
柱を奇数ページだけに掲げること。
かたばしら
07.24.11.02
両柱
柱を奇数・偶数両ページに掲げるこ
と。
通常,偶数ページには書名又は大見
出しを掲げ,奇数ページには偶数ペ
ージに掲げたものよりは下位の見
出しを掲げる。
りょうばし
ら
07.24.12
改丁
奇数ページから新規に見出しなど
を始めること。
new recto
場合によっては,改丁前の最後のペ
ージが裏白となる。別丁起こしとも
いう。
かいちょう
07.24.13
改ページ
奇数ページ・偶数ページに関わら
ず,ページの途中であっても次の文
章・見出しなどを次のページから新
しく始めること。
page break
かいぺーじ
07.24.14
改段
段を改めること。
かいだん
07.24.15
段組
連続する1系列の文章を1ページの
中で,字詰め方向において,二つ以
上の部分(段)に分割し,各部分の
間には空白(段間)を設けて文字を
配置する方法。
column
composition
1ページを2段に分けるものを2段
組,3段に分けるものを3段組とい
う。図版・表・写真などの大きさは,
この段の単位で考えることが多い。
だんぐみ
07.24.15.01
段
段組において,分割された1区分。 column
だん
07.24.15.02
段数
1ページ内に配置される段の数。
だんすう
07.24.15.03
段間
段組の段と段との間の空き。
段間に入れる罫線を段罫という。
だんかん
07.24.15.04
段抜き
段組のページにおいて,見出し,図
版などを複数段にまたがって配置
すること。
full measure
だんぬき
07.25
同行見出し
見出しの次に改行を入れることな
く,文章を続けるもの。
吊り見出しともいう。
どうぎょう
みだし
07.26
別行見出し
本文とは別の行に配置した見出し。
べつぎょう
みだし
22
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.27
注の組版
(分類名)
ちゅうのく
みはん
07.27.01
後注
本文の編・章・節・段落などの区分
の終わり又は巻末にまとめて入れ
る注釈。
endnote
注に対応した本文中の語句に記
号・番号などの合印(あいじるし)
を付けて参照させる。
こうちゅう
07.27.02
脚注
ページの下部に,本文よりも小さな
文字で組まれた注釈(JIS Z 8124参
照)。
footnote
注に対応した本文中の語句に記
号・番号などの合印(あいじるし)
を付けて参照させる。
きゃくちゅ
う
07.27.03
割注
本文中で,複数行に割書きした注
釈。割注には,割書きを囲む括弧類
を含む。
cutting note,
inline note
わりちゅう
07.27.04
頭注
版面の上部に組み入れた注釈。
headnote
とうちゅう
07.27.05
傍注
版面の小口(前小口)寄りに配置す
る注釈。
side note,
marginal note
縦組の場合は奇数ページの小口寄
り,横組の場合は左右両ページの小
口寄りに入れる。横組では,傍注と
ほぼ同じ役割をする注釈を,ページ
ののど寄りに入れている本もある。
ぼうちゅう
07.28
振分け
1行の中に,複数の行からなる文章
を配置する方法。
ふりわけ
07.29
箇条書き
順序付き,又は順序を明示すること
なく項目を列挙すること。
itemization
かじょうが
き
07.30
表組
数字,文字などから成るデータ項目
を一覧しやすい形式に配列する(JIS
Z 8124参照)。
table work
要素を区別するために罫線を使う
場合が多い。
ひょうぐみ
07.30.01
こま(小間) 表組の隣り合う2本の横罫と隣り合
う2本の縦罫に囲まれた領域。
cell
通常,こまの中に配置する文章と罫
線との間には余白をとる。また,隣
接する複数のこまを合成して一つ
のこまとして用いることもある。
07.31
キャプション 写真,図版,表などにそえる標題や
簡潔な説明文。
caption
本文の文字より小さい文字にする
ことが多い。ネームともいう。
07.32
罫線
(分類名)
rule
けいせん
07.32.01
表罫
0.1mm程度の太さの実線。
おもてけい
07.32.02
裏罫
0.4mm程度の太さの実線。
うらけい
07.32.03
中細罫
表罫と裏罫との中間で0.25mm程度
の太さの実線。
ちゅうぼそ
けい
07.32.04
囲み罫
文字列などを囲んだ罫線。
border,
border line
かこみけい
07.33
箱組
コラムなどを,本文とは別の四角な
領域内などに配置すること。
box
囲み罫で囲むことが多い。
はこぐみ
07.34
固定ブロック 特定の場所に,図版,表組などを入
れるために指定された大きさで確
保した領域。
こていぶろ
っく
07.35
浮動ブロック 文章の移動に伴って自動的に移動
する図版,表組などを入れるために
確保した領域。
フローブロック,フローティングブ
ロックともいう。
ふどうぶろ
っく
07.36
流し込み
図版,表組,箱組などのブロックを
配置した後,それらのブロック以外
の領域に文字,画像などを配置する
こと。
flow
ながしこみ
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Z 8125:2004
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
07.36.01
かべ
段組において,版面の中に入れた段
抜きの図版・表組などを壁にたと
え,その手前で文章の行の流れを折
り返すこと。
“飛越し”に対する用語。
07.36.02
飛越し
段組において,版面の中に入れた段
抜きの図版・表組などの手前で文章
の行の流れを折り返えすことなく,
そのまま先へ文章の行の流れを続
けること。
“かべ”に対する用語。
とびこし
07.36.03
泣き別れ
1つにまとまっていなければならな
いブロック又は文章が別々のペー
ジ又は段に配置されること。
例えば,浮動ブロックに関連する文
章と浮動ブロックとが別々のペー
ジに配置される,大見出しの直後に
中見出しがくるなど見出しが連続
した場合に,大見出しと中見出しが
別々のページ又は段に配置される
こと。
なきわかれ
07.36.04
回り込み
図版,表組などを配置するために確
保した領域の字詰め方向の余白に
本文を組み込むこと。
まわりこみ
07.36.05
アンカー
本文とともに動くことができるよ
うに,浮動ブロックなどを本文の中
に貼り込むための関係付け。
anchor
08. 製版,面付
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
08.01
製版
印刷版を作成するための工程。文字
組版,集版,面付,校正及び刷版ま
で含める。
prepress
せいはん
08.02
ポジ,陽画
被写体と同じ明暗をもつ画像。
positive
ポジティブともいう。
ようが
08.03
ネガ,陰画
被写体と明暗及び色相が逆転した
画像。
negative
白黒画像では明暗が逆転するが,カ
ラー画像では色相が補色の関係に
なる。ネガティブともいう。
いんが
08.04
反転
a)ネガをポジに,又はポジをネガ
にすること。
b)左右で画像を逆転すること。
reversing,
mirroring
はんてん
08.05
解像度
画像の細部をどの程度まで表現で
きるかを示す尺度。例えば,1 mm
当たりの表現本数で表す(JIS Z
8124参照)。
resolution
かいぞうど
08.06
線画
階調のない図柄。
line drawing,
line art
製版においては,文字も線画の一種
として扱う。
せんが
08.07
ビットマップ
画像
画像を碁盤の目状に分割し,その格
子の各升目に階調をもたせて表現
した画像。
bitmap image TIFFなどの画像データは,ビットマ
ップ画像に分類される。
びっとまっ
ぷがぞう
08.08
ベクトルデー
タ
文字又は図形の始点と終点を決め
て,その間をベクトルで結んで表現
されたデータ。
vector data
一般的にデータ量はラスタデータ
よりも小さい。
08.09
ラスタデータ ベクトルデータを変換してできる
出力用のビットマップデータ。
raster data
一般的にデータ量はベクトルデー
タよりも大きい。
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
08.09.01
リップ,RIP
文字及び画像データが記述された
データを受け取り,プリンタなどの
出力機,表示装置などに描画するた
めに出力機器の解像度に合った出
力用データにラスタ化する装置。
Raster Image Processorの短縮形。
RIP
08.09.02
プリフライト リップ処理するのに必要な文字,画
像などがデータとしてそろってい
るか,又は解像度,特色などの指定
が出力条件とあっているかを,リッ
プ処理前にチェックする工程。
preflighting
08.10
スキャン
原稿濃度を電気信号に変換するた
め,表面を光の点又は線でなぞるこ
と。
scan
一般的には,スキャナを使用して入
力処理することをさす。
08.11
トーン,調子 画像のもっている濃淡。
tone
08.11.01
トーンカーブ 原稿濃度を横軸,複製物の網点面積
率又は再現濃度を縦軸にとったト
ーンの再現曲線のこと。
tone curve
08.11.02
トーンリプロ
ダクション
原稿のもつ各トーンが,複製印刷物
に再現されている程度又は性質。
tone
reproduction
調子再現ともいう。
08.11.03
トーンコント
ロール
スキャンニング及びハーフトーニ
ングにおいて,原稿のハイライト,
中間調,シャドウなどのトーンを
個々に変化させることにより,トー
ンを調整すること。
tone control
08.11.04
トーンジャン
プ,デンシティ
ジャンプ
画像の連続階調をハーフトーン画
像に変換したときに,又はグラデー
ションにおいて連続性に不自然な
変化があること。
tone jump
08.11.05
ガンマ補正
画像の階調の応答特性を表すガン
マ値(γ)を利用し,入力値をガンマ
値(又は1/ガンマ)乗したものを
出力値とするような変換を用いて,
入出力装置の特性に応じた最適の
トーンカーブが得られるように補
正すること。
gamma
correction
がんまほせ
い
08.11.06
硬調
a)写真のコントラストが強く,濃
淡の差が大きい状態。
b)コントラストが強い写真。
high contrast
こうちょう
08.11.07
軟調
a)写真のコントラストが弱く,濃
淡の差が少ない状態。
b)コントラストが弱い写真。
low contrast
なんちょう
08.11.08
シャドウ
画像のトーンのある部分で,暗い部
分をいう。
shadow
08.11.09
ハイライト
画像のトーンのある部分で,明るい
部分をいう。
highlight
08.11.10
中間調
画像のトーンがある部分で,ハイラ
イトとシャドウの中間部をいう。
midtone
ちゅうかん
ちょう
08.11
階調
画像の濃淡の変化。
gradation
かいちょう
25
Z 8125:2004
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
08.12.01
グラデーショ
ン
a)階調のこと。
b)図形の中で,特定の方向に向か
って色が連続的に変化する画像。
a) gradation
b) vignette
b)はビネットともいう。
08.12.02
連続階調
写真,絵画などのように,網点を用
いないで表現した階調(JIS Z 8124
参照)。
continuous
tone
れんぞくか
いちょう
08.12.03
ハーフトーン 網点などによる擬似階調表現。
halftone
この表現をすることをハーフトー
ニングという。
08.12.04
網点
階調のある文字,図版,写真などを
表現する場合において,主に規則的
に配列された点群(形状は円,四角,
だ円などがある)の面積変化に置き
換えて擬似階調表現をするときの
小さな点。
halftone dot,
dot
一定の大きさの点を利用して,その
集積度により擬似階調表現する方
法もある。最近は,サイズ変化と集
積度変化を併せもった階調表現も
登場してきた。
あみてん
08.12.04.01
網点面積率
ハーフトーンにおいて,網点面積が
単位面積に占める割合。
tone values
網点ですべて覆っている部分の網
点面積率は100%(ベタともいう),
白紙の部分は0%,網点部分と白紙
部分の面積が同じ時は50%となる。
あみてんめ
んせきりつ
08.12.04.02
網線数,スクリ
ーン線数
ハーフトーニングの細かさを表す
単位で,1cm又は2.54cm当たりに配
列されている網点の列の数。
screen ruling スクリーン線数という用語は,従来
の網かけがガラス又はフィルムの
スクリーンを用いていたことによ
る。
あみせんす
う,すくりー
んせんすう
08.12.04.03
網角度,スクリ
ーン角度
垂直線に対する網点の並びの角度。 screen angle
カラー印刷では,各色の網点の重な
りを防ぎ,モアレの発生を防ぐため
に各色版の網角度を変える。変える
網角度としては,一般に各色版を
30゜ずつ異なるようにする。ただ
し,プロセスインキを用いたカラー
印刷では,0゜,15゜,45゜,75゜
の4角度を振り分けて使用する。
あみかくど,
すくりーん
かくど
08.13
色
有彩色成分と無彩色成分との組合
せからなる視知覚の属性。この属性
は,黄,オレンジ,赤,ピンク,緑,
青,紫などの有彩色名,若しくは白,
灰,黒などの無彩色名を,明るい,
暗いなどで修飾したもの,又はこれ
らの色名の組合せで記述される。三
刺激値のように,算出手法が規定さ
れた3個の数値による色刺激の表
示。JIS Z 8105参照。
color
いろ
08.13.01
色濃度
写真,印刷物などの色の濃淡を数量
的に表したもの。
color density
いろのうど
08.13.02
カラーマネー
ジメントシス
テム
入出力機器ごとの色空間の変換用
テーブルを用意し,これに従って色
空間を変換することで,入出力機器
間での色の整合性を図ること。
color
management
system
26
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
08.13.03
カラープロフ
ァイルフォー
マット
入力機器又は出力機器が備える色
変換プロセスの特性を表現するた
めのデータ記述様式。
備考 出力機器については,紙など
の出力媒体も含む。
color profile
format
08.13.04
色分解
多色印刷などで,元の色画像又は被
写体から二つ以上の原色の明暗を
表す画像を作ること。
color
separation
印刷用途では一般的にYMCKの4
色に色分解されるが,最近のデジタ
ルカメラやスキャナでは加法混色
の原色であるブルー(B),グリー
ン(G),レッド(R)で色分解され,
用途によりYMCK変換して使用す
る。
いろぶんか
い
08.13.04.01
UCR
Under Color Removalの短縮形。画像
のシャドウ部で,イエロー,マゼン
タ及びシアンの3色インキが刷り重
なるグレー成分の一部を,ブラック
インキに代用させる手法のこと。
UCR
一般的に印刷適正の向上や,グレー
バランスをとるために使われる。
ゆーしーあ
ーる
08.13.04.02
GCR
Gray Component Replacementの短縮
形。ハイライトからシャドウまでの
グレー成分を,すべてブラックイン
キに置きかえることで表現する手
法。
GCR
じーしーあ
ーる
08.13.05
グレーバラン
ス
イエロー,マゼンタ,シアンを刷り
重ねたときに,無彩色が得られる3
色インキのつり合い(JIS Z 8124参
照)。
gray balance
08.13.06
カラーマッチ
ング
基準画像と処理画像を比較したと
き,両画像の階調又は色再現が,測
色値又は見え方で同じになるよう
にする処理。
color
matching
色合せともいう。
08.13.07
色修正
画像を希望の色再現になるように
修正すること。
color
correction
色補正ともいう。
いろしゅう
せい
08.13.08
モアレ
点又は線が幾何的に規則正しく分
布されたものを重ね合わせるとき
生じる干渉模様(JIS Z 8123参照)。
moiré
カラー印刷などで刷り重ねること
により網点が干渉して起こること
が多い。細かい規則模様のある濃淡
画像を網点化したときに起こるこ
ともある。
08.13.08.01
ロゼットパタ
ーン
多色印刷で網角度の違う網点が刷
り重なった時に発生する最小モア
レパターン。
rosette pattern
08.13.09
プロセスイン
キ
カラー印刷に用いるシアン(C),マ
ゼンタ(M),イエロー(Y)及びブ
ラック(K)のインキの一組(JIS Z
8123参照)。
process ink
08.13.10
特色
プロセスインキ以外のインキ。
spot color,
special color
とくしょく
08.13.11
ダブルトーン 1枚の写真原稿から違った階調の版
を取りだし,網角度を変えて2色又
は濃淡の異なるインキで刷り重ね
る技法。
duotone,
duograph,
duplex
halftone
27
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
08.13.12
色(インキ)見
本
印刷時の刷り色指定用の色の見本
を,指定のインキで刷ったもの。
color swatch
アート紙などに製品としてのイン
キを塗布し,色番号をつけてバイン
ダ式に綴じたものが多い。その一部
をちぎって使用する。プロセスイン
キの掛合せによる色見本は,カラー
チャートといって区別する。
いろみほん
08.13.13
分版出力
印刷用に色分解されたデータを,各
色ごとに出力すること。
separation
output
編集用のソフトウェアで分版する
場合と,リップで分版する場合があ
る。
ぶんぱんし
ゅつりょく
08.14
レタッチ
印刷複製物の色・階調・キズなどを
修正する目的で行う製版工程中の
作業(JIS Z 8123参照)。
retouching
画像を修正するソフトウェアをレ
タッチソフトという。
08.14.01
シャープネス
効果
画像のトーンを変えないで,輪郭部
の濃淡を増減することで輪郭を強
調し,見かけ上シャープに見えるよ
うにする効果。
sharpness
effect
しゃーぷね
すこうか
08.14.02
平網
網点などを利用した視覚的に均一
な濃度に見えるパターン。
halftone tint
ひらあみ
08.14.03
網伏せ
線画領域を平網,グラデーションな
どで埋めること。
tint laying
あみふせ
08.15
集版
文字・図形・画像などの版面構成要
素を指定に従って位置決めし,ペー
ジ又は単位面積にとりまとめるこ
と(JIS Z 8123参照)。
page make up,
assembly
しゅうはん
08.15.01
アタリ罫,アタ
リ
a)レイアウト指定,版下などで,
本文,見出し,図版,写真などの位
置及び大きさを指定するための線。
b)当該罫線が指示用であり,印刷
されない罫であることを示す指定
用語。
guide line,
key line
a)は,通常,線幅は0.1mm程度に
する。また,アタリ罫を印刷する場
合はケイイキ,イキケイなどと指定
する。
あたりけい
08.15.02
毛抜き合せ
隣り合う画像,文字,網伏せした図
形などを,すき間なしに配置するこ
と。
butting
けぬきあわ
せ
08.15.02.01
トラッピング 印刷条件などによる見当ずれに起
因して,写真,平網,図版,文字な
どの隣接する部分に白色部又は違
う色が出るのを防ぐ目的で,隣接部
分にわずかに重複部分を作ること。
trapping
隣接部分の重複は,濃い色をそのま
まに淡い色を食い込ます場合をス
プレッドという。逆に弱い色を控え
る場合をチョークという。なお,印
刷では一般的に,先刷りされたイン
キが後刷りのインキを受付ける状
態をさす。
08.15.03
ノセ
文字又は罫線を他の色版に刷り重
ねる処理。
overprint
カラー印刷の場合,一般的に墨文字
はノセ処理される。色文字などは反
対に下地を抜くヌキ処理がされる。
08.15.04
白抜き
墨又は他の色で印刷された画像領
域の中に,文字又は図柄を白又は紙
の生地色にする処理。
transposition,
reverse
しろぬき
08.15.05
見当
表裏,多色印刷の各色,折り,断裁
などを合わせる位置。
register
けんとう
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Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
08.15.05.01
見当合せ
見当を合わせること。
registering
けんとうあ
わせ
08.15.05.02
見当ずれ
適正位置に印刷又は加工されない
こと。
out of register,
misregister
けんとうず
れ
08.16
台
a)一度に印刷機で印刷できるペー
ジ数の単位,又は印刷物の総量を表
現する単位。
b)折丁を数える単位。
c)製版において,折丁の片面のペー
ジを数える単位。
form
一度に印刷機で刷れるページ数は
印刷機や用紙幅,面付などの条件に
より16ページ,32ページなどいろ
いろある。印刷では一度に折丁2台
分を印刷する場合もあり,この場合
は印刷と製本では台の数え方が異
なる。製版では折丁の片面単位で作
業することが多く,8ページ台紙1
台というように使用される。
だい
08.16.01
台割
1度に印刷するページ数を1単位(1
台)とし,総ページを折丁の単位で
分割し整理すること。
table of form 台割の1単位は印刷機の種類又は判
型によって異なるが,4の倍数(8,
16,32ページなど)を1単位とする。
だいわり
08.17
面付
印刷用の版を作成するため,ページ
を付け合せすること。
imposition,
image
assembly
従来の印刷ではフィルム原版上又
は刷版上でページの付け合せを行
っていたが,デジタル印刷ではデー
タ上で行う。この際,背標,背丁,
品質管理用の各種ゲージなども配
置される。
めんつけ
08.17.01
多面付け
ひとつの印刷用の版に複数の同じ
図柄又はページを付けること。
step and
repeat
imposition
1度に4枚分印刷する場合は4面付
け,8枚分では8面付けにする。
ためんつけ
08.17.02
版面の刷り位
置
印刷物の仕上り寸法と版面との位
置関係。
はんめんの
すりいち
08.17.03
天合せ,頭合せ ページの天側(上部)を向い合せに
する面付の方法。
head-to-head 横組の本に用いる。この逆はけ(罫)
下合せ。
てんあわせ,
あたまあわ
せ
08.17.04
け(罫)下合せ ページのけ(罫)下側(下部)を向
い合せにする面付の方法。
tumble head
縦組の本に用いる。地合せともい
う。
けしたあわ
せ
08.17.05
本掛け
表版と裏版を別々に組み付けて印
刷し,折った場合に正しいページ順
となる面付の方法。
heetwise,
sheet work,
sheetwise
imposition
ほんがけ
08.17.06
打ち返し,略掛
け
表版と裏版を同時に用紙の表面に
半数印刷し,裏返して印刷し,半分
に断裁することで総数が得られる
ように面付する方法。
half sheet
work
どんでん(ドンデン),どんでん(ド
ンデン)返しともいう。
うちかえし,
りゃくがけ
08.17.07
表版
用紙の表面に刷る版。
outer form
16ページの折丁では1, 4, 5, 8, 9, 12,
13, 16ページが表版にくる。
おもてはん
08.17.08
裏版
用紙の裏面に刷る版。
inner form
16ページの折丁では2, 3, 6, 7, 10,
11, 14, 15ページが裏版にくる。
うらはん
08.17.09
掛合せ
2種類以上の異なった折丁の版を同
一の印刷面に付けること。
付け合せともいう。印刷では,2色
以上の色を刷り重ねて別の色を表
現することをいう。
かけあわせ
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Z 8125:2004
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
08.18
トンボ
多色印刷の見当合せ,表裏の見当合
せ,ページ位置,折り,断裁,後加
工などの位置きめの指標として,原
稿や印刷版に付ける目印。
register mark その形からは,垂直に交わる十字状
の2本線からなる十字トンボ,直角
に曲がった線を組み合わせたコー
ナートンボなどがある。十字トンボ
の形がトンボに似ているので,この
名がある。
08.18.01
センタートン
ボ
仕上り寸法の中心を示すトンボ。
center register
mark
08.18.02
折りトンボ
印刷された紙の折り位置を示すト
ンボ。
おりとんぼ
08.18.03
見当合せトン
ボ
多色印刷又は両面刷り時に各版の
間の見当を合わせるために使用す
るトンボ。
オフセット輪転印刷機で自動見当
合せ装置を装着している場合に使
用されるトンボは,従来の見当合せ
トンボと形状が異なるものもある。
けんとうあ
わせとんぼ
08.18.04
断裁トンボ
断裁の位置を示すトンボ。
trim mark,
cut mark
だんさいと
んぼ
08.18.05
引出しトンボ 刷本のくわえじり又は針じり(針の
反対側の端)一杯に印刷したトン
ボ。
積み重ねた刷本の垂直面に現れた
線により,くわえじり又は針じりが
ぶれていないかが検査できる。
ひきだしと
んぼ
08.19
裁切り
写真,平網などを断裁位置いっぱい
まで印刷すること。
bleed
裁落としともいう。断裁のずれで縁
に白線を出さないために,仕上り寸
法より3mm程度大きく製版する必
要がある。広告ページではブリード
という。
たちきり
08.20
刷版
実際に印刷機で使用するために作
成した版。
plate,forme
さっぱん
08.20.01
CTP
Computer To Plateの短縮形。文字,
図版,写真などのデジタル情報を,
直接刷版に焼き付けること。
CTP
しーてぃー
ぴー
08.21
色校正,色校 カラーの校正刷に対して,主に色表
現を点検し校正すること。又はその
ために作成する校正刷。
color proof,
color proofing
いろこうせ
い,いろこう
08.21.01
簡易校正
校正機や印刷本機を使用せずに校
正刷を作成することの総称。
色分解されたフィルム版を使用し
て作成する方式と,デジタル情報か
ら直接作成する方法がある。
かんいこう
せい
08.21.02
デジタルプル
ーフ
デジタル情報から直接校正刷を作
成するものの総称。
digital proof
代表的なものに電子写真方式,イン
クジェット方式,銀塩写真方式など
がある。
08.22
カラーパッチ 印刷管理用に余白に添えておくイ
エロー,マゼンタ,シアン,ブラッ
クなどの色票。
color patch
08.22.01
色玉
印刷の濃度管理用の網点面積率
100%のカラーパッチ。
いろだま
30
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
09. 製本
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.01
製本
印刷された枚葉紙又はこれを折っ
た折丁を順序に従って取りまとめ
て綴じ合わせ,一冊に仕上げること
(JIS Z 8123参照)。
bookbinding
せいほん
09.01.01
上製本
綴じた中身を本の形に作ってから,
厚い表紙でくるんで,のりづけした
本(JIS Z 8123参照)。
casebound
book,
hardbound
book
本製本又は上製ともいう。
じょうせい
ほん
09.01.02
並製本
綴じた中身に簡単な紙表紙を付け
た本(JIS Z 8123参照)。
paper-bound
book,
paper-covered
book
仮製本又は並製ともいう。糸綴じし
た中身を仕上げ裁ちしないまま紙
表紙を付けたものを仮製本ともい
う。
なみせいほ
ん
09.01.03
右開き
右側に開いていく本の作り方で,見
開きの右ページのページ数が左ペ
ージのページ数より少ない数とな
る。
右綴じとなる。通常は,縦組の本。 みぎびらき
09.01.04
左開き
左側に開いていく本の作り方で,見
開きの左ページのページ数が右ペ
ージのページ数より少ない数とな
る。
左綴じとなる。通常は,横組の本。 ひだりびら
き
09.01.05
二丁製本
2冊分を縦に並べ,同時に製本した
後で断裁して2冊に分ける製本。
two-up
binding
にちょうせ
いほん
09.02
刷本
印刷が完了し,製本工程又は仕上げ
断裁に入る前の印刷物。
printing sheet 刷紙(すりがみ)ともいう。
すりほん
09.02.01
くわえ
枚葉紙を印刷機のくわえ爪でくわ
え込む方の一端,それに相当する版
又はブランケットの一端,並びにく
わえるために必要とする用紙部分
及びその寸法。
gripper end,
front margin,
gripper
margin,
gripper edge,
gripper bite
刷本のくわえる紙端の側をくわえ
側ともいう。
09.02.01.01
くわえじり
(尻)
くわえの反対側の端。
09.02.01.02
くわえしろ
枚葉紙をくわえ爪でくわえ込むた
めに必要とする用紙部分又はその
寸法。
front margin,
gripper
margin,
gripper edge,
gripper bite
09.02.02
針
a)枚葉印刷機の給紙部分で用紙の
横方向の位置を規制する金具。
b)加工のための基準として,刷本
のくわえ側及び針側の端面。
side gauge,
side guide,
side lay,
side mark
断裁した場合は,その断裁面も基準
になるという意味で,その面も針と
いう。
はり
09.02.03
一部抜き
製本作業の前に一冊の本を構成す
る本文,付き物,表紙などすべてを
一単位ずつそろえること,又はそろ
えたもの。
folder set
dummy
一般に,一部抜きは,発注元による
点検が行われる。
いちぶぬき
09.02.04
突きそろえ
枚葉紙又は刷本の長辺と短辺の2辺
を基準にそろえること。
jogging
突きそろえは,印刷したときのくわ
え側と針側を基準とする。
つきそろえ
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Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.02.05
裁割り
刷本を次工程で必要とする寸法に
断裁し分割すること。
cutting paper
in size
16ページ単位で折る場合で,A列本
判及びB列本判(JIS P 0202参照)
でA5又はB5(JIS P 0138参照)の
本にするときは刷本を半裁,A6又
はB6(JIS P 0138参照)の本にする
ときは刷本を4裁にする。
たちわり
09.02.06
予備紙
製本作業時の予備のための刷本。
spare paper
stock
付加する刷本の数を率で表示する
場合は,予備率という。
よびし
09.02.07
ヤレ
規定の品質になっていない刷本,製
品,部材又は作業中に発生するそれ
らのもの。
waste,
spoilage
作業中に発生する不良品の用紙,廃
棄される用紙などは,損紙ともい
う。
09.03
折り
製本の際,正しいページ順で印刷物
を折り畳む作業(JIS Z 8123参照)。
folding
おり
09.03.01
回し折り
2回目の折りを最初の折り目に対し
て直角にし,順次右回りに折り目を
前の折り目に対して直角に折り進
む折り方。
right-angle
fold,
cross fold
まわしおり
09.03.02
巻折り
前の折りに対して次の折りを平行
に折る折り方。最後は直角折りにな
る。
parallel fold
平行折りともいう。
まきおり
09.03.03
観音折り
左右4ページ分の紙を両側から半分
ずつ内側に折り畳む折り方。
gatefold
仏壇の扉に似ていることからこの
名がある。開くと4ページ分の幅と
なる。主に雑誌の目次,大判の口絵
などに用いる。なお,片側だけから
半分に折り畳む折り方を片観音折
りという。
かんのんお
り
09.03.04
経本折り
アコーディオンの蛇腹のように,平
行,かつ,交互に繰り返して折る方
法(JIS Z 8124参照)。
accordion
fold,
zigzag fold,
fanfold
経典などに見られる。ジグザグ折
り,アコーディオンフォールドとも
いう。
きょうぼん
おり
09.04
折丁
製本のために折り畳まれた印刷物。
本を構成する一単位(JIS Z 8123参
照)。
signature,
section
折本ともいう。
おりちょう
09.04.01
天袋
横組の本において,折丁の天が袋に
なっている部分。
closed foot
(head)
てんぶくろ
09.04.02
地袋
縦組の本において,折丁の地が袋に
なっている部分。
closed foot
(bottom)
ちぶくろ
09.04.03
ラップ
中綴じ,逆中綴じにおいて,丁合い
の際に折丁をつまむためにあらか
じめ長くしてある部分。
lap, lip
見返しでも,重ねた場合に1冊ごと
の区別がつくように,あらかじめ天
地を長くする場合がある。
09.04.04
折込み
判型より大きい別の印刷物を折り
畳んで,製本された本の中に挿入す
ること,又はそのもの。
folded leaf
おりこみ
09.05
入紙
折丁の間に,別丁を貼り込む又は差
し込む作業。
insert, inset
糸綴じ,あじろ(網代)綴じ,中綴
じ又は逆中綴じの場合は,貼り込む
必要がある。
にゅうし
09.06
貼込み
別丁を所定の折丁に貼り付けるこ
と。
tipping
扉,口絵などのペラ又は4ページの
折丁を折丁の前後に挿入する際に
行われる。
はりこみ
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Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.07
ペラ
a)本の台割において,2ページとな
るもの。
b)折られていない1枚の紙。
leaf
a)はペラ丁ともいう。
09.08
別丁
本文の前後又は中間に綴じ込まれ
た本文とは別に印刷した印刷物。紙
質又は印刷方式が違う。
inset
べっちょう
09.09
共紙
書籍・雑誌などの付き物,中扉,扉,
表紙などを本文と同じ用紙にする
こと。
ともがみ
09.10
余り丁
製本作業完了時に余った折丁又は
刷本。
overrun
あまりちょ
う
09.11
綴じ
丁合いされた印刷物を綴じる作業。
糸綴じ,平綴じ,中綴じ,無線綴じ
などがある(JIS Z 8124参照)。
binding,
sewing and
stitching
とじ
09.11.01
糸綴じ
折丁を一折りずつ糸で綴じる綴じ
方。
thread
stitching,
thread sewing
糸綴じ機を用いて,折丁の背を糸で
かがり,連続し,糸の末端は接着剤
で固めて綴じる。かがり又はかがり
綴じともいう。
いととじ
09.11.02
針金綴じ
針金を用いる綴じ方。並製本の一方
式。
wire stitching
はりがねと
じ
09.11.02.01
中綴じ
折った印刷物を,開いた状態で中心
の折り線にそって針金で綴じるこ
と(JIS Z 8123参照)。
saddle
stitching,
saddle stitch
なかとじ
09.11.02.02
逆中綴じ
中綴じと逆の内側から綴じる綴じ
方。表紙はのり(糊)付けになる。
針金の先端が露出しない製本方式
のため,児童向けの本などで使用さ
れる。
ぎゃくなか
とじ
09.11.02.03
平綴じ
本の中身をそろえ,背に近い部分を
針金で綴じ,表紙をつけること(JIS
Z 8123参照)。
side stitching,
side stitch
教科書など製本強度を求める作業,
事務用印刷物などの簡便性を求め
る作業で利用される。
ひらとじ
09.11.03
無線綴じ
a)糸又は針金を用いず,背の部分
を接着剤だけで固める綴じ方。
b)糸又は針金を用いず,背の部分
を切り落として接着剤だけで固め
る綴じ方。
adhesive
binding,
perfect
binding
無線綴じは,広義には,あじろ(網
代)綴じを含めるが,b)の接着効
果を上げるために背を切り落とす
方式をいうことが多い。あじろ(網
代)綴じでは折り段階で背に開口を
設ける。
むせんとじ
09.11.03.01
あじろ(網代)
綴じ
折丁の背に切り込みを入れ,その切
り込みから接着剤を浸み込ませて
固める綴じ方。
ajiro binding,
notch binding
日本で発明され,欧米に輸出された
製本技術。
あじろとじ
09.11.04
和綴じ
片面に印刷した刷本の印刷面を外
にして二つ折りにしたものを折丁
とし,小口を袋として,厚手の表紙
を付け,麻糸で綴じる,和装本の製
本方式。
japanese
binding
わとじ
09.11.05
袋綴じ
小口側が袋になっている綴じ方。
double-leaved 袋の内側が白紙となる事務用印刷
物や,秘匿性を高めるために袋の内
側に印刷した場合の綴じ方。
ふくろとじ
09.11.06
右綴じ
表1を正面に見た場合に,のどが右
側になっている綴じ方。
縦組の場合に用い,右開きとなる。 みぎとじ
09.11.07
左綴じ
表1を正面に見た場合に,のどが左
側になっている綴じ方。
横組の場合に用い,左開きとなる。 ひだりとじ
33
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.11.08
天のり(糊) 用紙の天側の断裁面を接着剤で固
め,表紙を巻込むか,又は共紙を表
紙とする製本の方式。
pad
主に便せん(箋),伝票などに用い
る。簡単に切り離すことができる。
てんのり
09.12
丁合い
製本の一工程で,ペラ丁,折丁など
を集めてページを正しい順序にそ
ろえる作業(JIS Z 8124参照)。
gathering,
collecting,
assembling
ちょうあい
09.12.01
背丁
刷本及び折丁の管理用に折丁の背
に印刷する書名及び折り番号。
signature
name
せちょう
09.12.02
背標
折丁の背に印刷された識別記号。丁
合いの正しい順序を示す(JIS Z
8124参照)。
signature
mark,
collating
mark,
nigger head
黒い四角の記号などを折丁の順に
少しずつずらして印刷し,乱丁,落
丁及び取込みを検出しやすくする。
段印ともいう。
せひょう
09.12.03
袋標
乱丁,落丁及び取込みを防止する目
的で折丁の天(横組)又は地(縦組)
の袋の部分に印刷する記号。
製本後,断裁すると取り除かれる。 ふくろひょ
う
09.12.04
落丁
一部の折丁が足りないまま,丁合
い,製本すること。
incorrect
collating,
imperfect
collating,
erratic
pagination,
paging
disorder
らくちょう
09.12.05
乱丁
折丁の順序を誤って,丁合い,製本
すること。
incorrect
collating,
paging
disorder,
misbound
らんちょう
09.12.06
取込み
同じ折丁を複数取って,丁合い,製
本すること。
double-feedin
g
とりこみ
09.13
仕上り寸法
仕上げ裁ちした印刷物の寸法(JIS Z
8124参照)。
trim size,
final size
しあがりす
んぽう
09.13.01
仕上げ裁ち
印刷された紙,本,その中身などを
仕上り寸法に合わせて断裁するこ
と。
trimming
化粧裁ちともいう。多面付けのカバ
ー,帯などを1度の断裁で仕上り寸
法に仕上げていくことを断ち分け,
裁切りなどともいう。
しあげだち
09.13.02
仕上げ代,裁ち
代
仕上り寸法に合わせて断裁される
天・地・小口などの部分,又はその
寸法。
trimming
margin,
trim off
しあげしろ,
たちしろ
09.13.03
ドブ,どぶ
多面付けにより生じた印刷間の有
効面積以外の余白部分。
09.13.04
綴じ代
平綴じ,穴あけなどのために必要と
される本ののどの部分の余白。
binding
margin
とじしろ
09.14
つか(束)
a)表紙を除いた本の中身の厚さ。
b)紙の重さと比べた紙の厚さ。
bulk
つか(束)が出る紙とは,重さと比
較して厚い紙のこと。つか(束)が
出ない紙は,その反対。
34
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.14.01
つか(束)見本 書籍の仕上がり厚さを確かめるた
めに,使用する用紙で製本した見本
(JIS Z 8124参照)。
dummy,
bulking
dummy,
thickness
dummy
つかみほん
09.15
紙の目
用紙中の繊維の方向。
direction
目又は紙目ともいう。巻取紙は,巻
いてある方向が紙の目になる。
かみのめ
09.15.01
順目
紙の目が本の背に平行になってい
ること。
with the grain 本の開きがよいので,通常は順目に
する。
じゅんめ
09.15.02
逆目
紙の目が本の背に直角になってい
ること。
against the
grain
ぎゃくめ
09.15.03
縦目
枚葉紙の場合,紙の目が長辺に平行
しているもの。
long grain,
machine
direction
(MD)
T又はT目とも表記する。巻取紙で
印刷した場合,刷本を枚葉紙状態に
加工したときには紙の目が長辺に
平行しているものを縦目という。
たてめ
09.15.04
横目
枚葉紙の場合,紙の目が短辺に平行
しているもの。
short grain,
cross direction
(CD)
Y又はY目とも表記する。巻取紙で
印刷した場合,刷本を枚葉紙状態に
加工したときには紙の目が短辺に
平行しているものを横目という。
よこめ
09.16
遊び
本の見返しで表紙にのり(糊)付け
されていない方の丁。
free endpaper 表紙にのり(糊)付けされている方
の丁をきき紙(paste down)という。
あそび
09.16.01
遊び紙
本の中身の前後に入れる何も印刷
されていない紙。
flyleaf
本文用紙と共紙が多いが,高級な本
では薄い模様のある和紙又は種々
な風合・色調などをもったファンシ
ーペーパとよばれる用紙を用いる
こともある。
あそびがみ
09.17
裏白
表側だけ印刷して,裏が白紙のまま
のページ。
back
no-printing
ページ物においては,中扉の裏面,
改丁とした対向ページなどが裏白
になる。表面が印刷されていないペ
ージは,表白という。
うらじろ
09.18
間紙
a)裏移り防止用に,印刷された紙
と紙との間に挟む紙。
b)扉,口絵などの別丁類を保護す
るために貼り込む紙。
c)検印,奥付などの貼り込み用接着
剤による汚れを防止するために挟
み込む紙。
slip sheet
間紙には,グラシンなどの薄い紙を
用いる。
あいし(あい
がみ)
09.19
小口
a)本のページの綴じていない三方
の切り口。
b)のどの反対側。
edge,
fore-edge,
thumb edge
上辺を天小口,下辺を地小口とい
い,のどと反対側の辺を前小口又は
単に小口という。
こぐち
09.20
天
a)本又はページの上部。
b)ページの上部の仕上り線と版面
までの余白部分。
head, top edge あたま(頭)ともいう。
てん
09.21
地,け(罫)下 a)本又はページの下部。
b)ページの下部の仕上り線と版面
までの余白部分。
foot, tail
ち,けした
35
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.22
のど
a)本を広げたとき,中央の綴じ目
がある方向。
b)中央の綴じ目と版面の余白部分。
c)本の中身と背が接する部分。
gutter,
back margin
09.23
背
本の綴じてある側の表紙又は中身
の部分。
back, spine
表紙の部分は,背表紙ともいう。
せ
09.23.01
背固め
本の中身の背に寒冷紗・紙などを貼
り,補強する作業。
back lining
せがため
09.23.02
丸背
本の背に丸みをもたせて仕立てる
上製本の背の方式。
round back
まるせ
09.23.02.01
丸み出し
本の中身の背に丸みを付ける作業。 back rounding 耳を出す作業(バッキング)と一連
して行われることが多い。
まるみだし
09.23.03
角背
本の背に丸みをもたせず,平らのま
ま仕立てる上製本の背の方式。
square back,
flat back
かくせ
09.23.03.01
角山
角背のうち,耳を出して仕立てる方
式。
square back,
flat back
かくやま
09.23.04
タイトバック 背に厚紙などを貼って,本の中身の
背と表紙を貼り合わせて仕立てる
製本の背の方式。
tight back
背は堅牢であるが,本の開きは他の
方式に比べて最も劣る。また,背文
字が損なわれることがある。
09.23.05
フレキシブル
バック
背に薄紙などを貼って柔軟に仕立
てる上製本の背の方式。
flexible back 本の開きは良いが,背文字の箔が脱
落することもあり,形もくずれやす
い。
09.23.06
ホローバック 表紙と中身は,見返しの耳の部分で
接着し,本を開いたときに中身の背
と表紙の間に空洞ができるように
仕立てる上製本の背の方式。
hollow back
本の開きは良いが,やや耐久性にか
ける。今日の多くの上製本がこの方
式である。
09.24
耳
a)上製本において,背と表紙との
接合及び開閉を良くするため,本の
中身の背の部分を両側に隆起させ
た部分。
b)紙の断裁していない縁。
joint,
back edge,
hinge
みみ
09.25
溝,みぞ
上製本において,本の開閉を良くす
るために平と背の境目に,背と平行
してつけたくぼみ。
groove
みぞ
09.26
花ぎれ(布) 上製本において,中身の背の天地両
端に貼り付けた飾りの小さな布。
headband
ヘッドバンド,ヘドバンともいう。 はなぎれ
09.27
しおり
ページに挟み目印とするために本
の中身の背に貼り込んだひも。
bookmark,
tassel
通常,本のページの対角線より2〜
3cm長くする。スピン,リボンとも
いう。本の間に挟み込む目印も一般
にしおりという。
09.28
表紙
本の中身の保護,装飾,内容の表示
などの目的で中身に取り付けた外
装部分。
cover, case
別に仕立てた表紙を仕上げ裁ちし
た中身にくるむ場合と,紙などの表
紙で中身をくるみ,そのうえで三方
を共に仕上げ裁ちして仕上げる場
合とがある。
ひょうし
09.28.01
表紙貼り
上製本の表紙を作成する作業。
case-making
ひょうしば
り
09.28.02
表紙くるみ
中身に表紙を取り付ける作業。
casing-in
ひょうしく
るみ
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.28.02.01
グル
表紙と中身が上下逆に製本される
こと。
good bye
09.28.03
表(おもて)表
紙
本の表側の表紙。
front cover
おもてびょ
うし
09.28.04
裏表紙
本の裏側の表紙。
back cover
うらびょう
し
09.28.05
厚表紙
板紙(JIS P 0001参照)など厚い紙
を心(しん)にして仕立てる上製本
の表紙の方式。
stiff cover
ハードカバーともいう。
あつびょう
し
09.28.06
薄表紙
心(しん)に薄い紙などを用いて柔
軟に仕立てる上製本の表紙の方式。
また,ビニールなどの心(しん)紙
を用いない1枚の表装材料で仕立て
る表紙。
flexible cover 辞典に多い。心(しん)に用いる紙
は,100〜300g/m2くらいである。
うすびょう
し
09.28.07
無双表紙
1枚の心(しん)紙の上に表装材料
を貼って仕立てる薄表紙。
薄表紙の心(しん)紙は,平と背の
中間で切り離すが,無双表紙は切り
離さない。
むそうびょ
うし
09.28.08
フランス表紙 印刷した厚紙の四囲を折り畳んだ
表紙。
本来は,紙表紙でくるんでから四囲
を折り畳むが,あらかじめ折り畳ん
だ表紙でくるむ簡易な方法も行わ
れている。
ふらんすび
ょうし
09.28.09
クロス
布,紙などをベースに加工した,上
製本の表紙用外装材料。
cloth,
book cloth
紙をベースにしたものは紙クロス,
布をベースにしたものは布クロス
という。ビニールのシートを外装材
料として使用する場合は,ビニール
クロスともいう。
09.28.10
角
本の小口(前小口)側の天地の直角
になっている部分。
corner
かど
09.28.10.01
角丸
中身及び表紙の角を丸くして仕立
てる製本方式。
edge-rounded,
round corner
薄い紙を用いた辞典などで採用さ
れている方式である。
かどまる
09.28.11
くるみ表紙
中身を綴じた後で,表紙でくるんで
仕立てる並製本の一方式。
glued-on
cover
くるみ表紙には,おかしわやがんだ
(雁垂)れが含まれるが,おかしわ
とくるみ表紙を同義として使用し
ている例もある。
くるみびょ
うし
09.28.11.01
おかしわ
綴じた中身を表紙でくるんだ後で,
のど以外の三方を断裁して仕立て
る並製本の一方式。
カシワの葉でくるむ柏餅に似てい
ることに由来する。見返しを付ける
場合と付けない場合がある。付ける
場合は,通常口のり(糊)にし,こ
れをくるみ口のり(糊)という。
09.28.11.02
口のり(糊) 並製本で見返しを付けた場合,小口
(前小口)側の一部だけにのり(糊)
を付けて仕立てる方式。
edge gluing,
edge pasting,
paste of fore
edge
全面にのり(糊)を付ける方式は,
ベタのり(糊)という。
くちのり
09.28.11.03
がんだ(雁垂)
れ
くるみ表紙の小口(前小口)を中身
より大きくしておき,その部分を折
り返して仕立てる並製本の一方式。
gate folded
cover
見返しを付けるが,のどの部分のみ
にのり(糊)を付ける。
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.28.12
切り付け表紙 a)中身と表紙を一度に仕上げ裁ち
して,ちりのない本に仕立てる並製
本の一方式。
b)中身と表紙を同時に綴じたうえ
で,仕上げ裁ちして仕立てる並製本
の一方式。
cut flush
b)の綴じの種類としては,中綴じ,
中ミシン綴じなどがある。また,表
紙と中身を同時に丁合いし平綴じ
して背にクロス巻きを行う方式も
ある。
きりつけび
ょうし
09.28.13
表1,表紙1
表(おもて)表紙の表面。
obverse cover 表紙の1ともいう。この用語は,雑
誌で使用されることが多い。
ひょういち,
ひょうしい
ち
09.28.14
表2,表紙2
表(おもて)表紙の裏面。
inside front
cover
表紙の2ともいう。この用語は,雑
誌で使用されることが多い。
ひょうに,ひ
ょうしに
09.28.15
表3,表紙3
裏表紙の裏面。
inside back
cover
表紙の3ともいう。この用語は,雑
誌で使用されることが多い。
ひょうさん,
ひょうしさ
ん
09.28.16
表4,表紙4
裏表紙の表面。
表紙の4ともいう。この用語は,雑
誌で使用されることが多い。
ひょうよん,
ひょうしよ
ん
09.28.17
平,ひら
表紙の背ではない,平らになってい
る部分。
side
平に掲げられる標題などの文字は,
平の文字という。
ひら
09.28.18
はく(箔)押し 加熱した型と,紙などの被印刷物と
の間に金属はく(箔)又は転写はく
(箔)を密着加圧して,文字・模様
を転写すること(JIS Z 8123参照)。
hot stamping,
stamping
はくおし
09.28.18.01
金版
はく(箔)押しに使用する型押し用
の金属製の凸版。
die, brass die,
stamping die
かなばん
09.28.18.02
はく(箔)
はく(箔)押し用に,熱転写する金
属やその他の材料。
foil, leaf
金,銀,アルミニウムなどの金属を
薄く延ばした金属はく(箔),ベー
スフィルムの上に金属膜を付けた
転写はく(箔),顔料・染料などを
粘着剤で固めた色はく(箔)などが
ある。
09.28.19
空押し
本の表紙などの表面に,はく(箔)
を用いないで,文字又は模様のある
金版を用いて型押しすること。
blind
blocking,
blind
stamping,
blind
embossing
からおし
09.28.20
背文字
本の背にはく(箔)押し又は印刷し
た文字。
back title
せもじ
09.28.21
ちり
上製本の場合,表紙の中身より出張
っている部分。
square
中身の保護と体裁上の配慮とから
付ける。ちりの寸法は表紙の厚薄に
よって異なるが,三方の寸法は同じ
でなければならない。
09.29
見返し
本の中身と表紙を結合するための
丈夫な紙(JIS Z 8124参照)。
endpaper,
end leaf,
end sheet
見開きになっていることが多い。表
(おもて)表紙の方にある見返しを
表(おもて)見返し,裏表紙の方に
ある見返しを裏見返しという。
みかえし
09.29.01
貼見返し
二つ折りした見返しを巻頭及び巻
末の折丁に貼り付ける見返し。
pasting
endpaper
見返しは,通常この方式である。貼
見返し以外に,継見返し,綴見返し,
巻見返しなどがある。
はりみかえ
し
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.30
(本の)箱,
(本
の)はこ(函)
本の中身の保護,装飾,宣伝などの
ために厚紙で作成した箱。
slip case
ケースともいう。
はこ
09.30.01
貼箱,貼ばこ
(函)
板紙を用いて組み立てた中身に,別
に印刷した紙・布などを貼って仕立
てる箱。
はりばこ
09.30.02
機械箱,機械ば
こ(函)
機械を用いて針金又は接着剤を用
いて仕立てる箱。
きかいばこ
09.30.03
型抜き箱,型抜
きばこ(函)
印刷した紙と板紙を貼り合わせて,
接着剤を用いて仕立てる箱。箱の小
口側は,内側に折り返される。
貼箱に似せて,機械で作成するため
に工夫された方式である。
かたぬきば
こ
09.31
付き物
a)本文以外の前付及び後付。
b)本の本文用紙で印刷したもの以
外の付属物。
annexed
matter
b)には,別紙の扉,口絵,見返し,
表紙,カバー,箱,売上カード,帯
紙などがある。
つきもの
09.31.01
売上カード
書籍に挿入する販売管理用の短冊
状の紙片。
slip
上部に丸い切り込みを入れ,書籍に
挿入した場合に,突き出すようにな
っている。短冊,スリップともいう。
うりあげか
ーど
09.31.02
帯紙
本の表紙,カバー又は箱の外側の下
側に掛ける帯状の印刷物。
book band,
girdle
内容紹介,目次,推薦のことばなど
を掲げる。帯,腰帯ともいう。
おびがみ
09.31.03
カバー
本の表紙の上に掛ける印刷物。
book jacket,
jacket
ブックジャケット,ジャケットとも
いう。ビニールシートを掛けること
もある。
09.31.03.01
袖
a)カバー又は帯紙の見返し側に折
り込んだ部分。
b)観音折りの内側に折り込んだ部
分。
そで
09.31.04
正誤表
印刷後に発見された誤植・訂正をま
とめて印刷した紙片。
errata,
errata slip,
corrigenda
本に挟み込むか,巻頭・巻末に貼り
込む。
せいごひょ
う
09.31.05
読者カード
本に挟み込まれる読者のアンケー
ト用ハガキ。
reader service
card
愛読者カードともいう。
どくしゃか
ーど
09.31.06
綴込み
付録など別に印刷したものを本に
一緒に綴じこんだもの。
とじこみ
09.31.07
投込み
別に印刷したものを完成した本に
挟み込むものの総称。
売上カード,読書カード,正誤表,
出版案内など。
なげこみ
09.32
コーティング 紙,フィルム,印刷物などの表面に,
つや出し,表面保護などの目的で,
塗工剤を塗り,硬化させて皮膜をつ
くること(JIS Z 8123参照)。
coating
表紙,カバーなどに行う。
09.32.01
ニス引き
印刷物の表面を保護し,光沢を与え
るために,透明な樹脂液を塗布する
こと。
varnishing
表紙,カバーなどに行う。
にすびき
09.33
PP貼り
印刷物の表面を保護し,光沢を与え
るために,ポリプロピレン・フィル
ムを接着剤で圧着加工すること。
P.P. film
laminating
表紙,カバーなどに行う。
ぴーぴーば
り
09.34
仕上げ
製本の最終工程である検品,カバー
掛け,売上カード・読者カード・正
誤表・出版案内の挿入及び包装作
業。
finishing
しあげ
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Z 8125:2004
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番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
09.35
製本仕様書
出版社など発注者が,製本所に対し
て製本の方式,製本する材料,本文
などの印刷所,納期などについて指
示した文書。
specification 製本指定書ともいう。
せいほんし
ようしょ
09.35.01
総ページ数
前付,後付及び白ページを含めた本
文と同じ用紙で印刷されるページ
数。
本文用紙の必要量の計算及び製本
作業の指示の必要から総ページ数
を計算する。図書館における総ペー
ジ数とは異なる。
そうぺーじ
すう
10. 記述言語,符号化方式
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
10.01
編集可能形式
文書
適切な機能をもつシステムによっ
て,編集及び改訂を行うことに適し
た形式の電子化文書。
revisable form
document
編集可能形式文書は,その明示的な
内容に加えて,論理構造を識別する
ための情報を含むことが多い。
へんしゅう
かのうけい
しきぶんし
ょ
10.01.01
文書スタイル
意味指定言語
(DSSSL),
DSSSL
SGML(標準一般化マーク付け言語)
で表現されたデータ構造の変換を
指定し,そのデータ部分にフォーマ
ット処理機能の集合を適用するこ
とを指定する言語(JIS X 4153参
照)。
document
style
semantics and
specification
language
(DSSSL),
DSSSL
ぶんしょす
たいるいみ
していげん
ご(でそる)
10.01.01.01
行外領域
直接には行の一部とはならない領
域。
display area
ぎょうがい
りょういき
10.01.01.02
行内領域
行の一部をなす領域。
inline area
ぎょうない
りょういき
10.01.01.03
グリフ代替
文字をフォーマット処理する際に,
選択したグリフ又はグリフ列を異
なるグリフ又はグリフ列によって
置き換える処理。
glyph
substitution
ぐりふだい
たい
10.01.01.04
流し込みオブ
ジェクト
SGML木フォーマット処理(STFP)
における入力文書とフォーマット
指定との組合せの表現である木の
ノード。
flow object
ながしこみ
おぶじぇく
と
10.01.01.05
DSSSLライブ
ラリ
DSSSL指定を容易に生成するため
のデータ及びプログラムの集合。
DSSSL library ISO/IEC TR 19758などの例がある。 でそるらい
ぶらり
10.01.02
拡張可能なス
タイルシート
言語(XSL),
XSL
XML文書のスタイルシートを表現
するためのフォーマット化セマン
ティクスを指定するXML語い
(彙)。
extensible
stylesheet
language
(XSL), XSL
World Wide Web Consortiumの勧告
として規定されている。
かくちょう
かのうなす
たいるしー
とげんご(え
っくすえす
える)
10.01.02.01
フォーマット
化オブジェク
ト
流し込みオブジェクト,レイアウト
オブジェクト又は補助オブジェク
ト。
formatting
object
ふぉーまっ
とかおぶじ
ぇくと
40
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
10.01.03
XSL変換
(XSLT),
XSLT
XML文書を他のXML文書に変換す
るための言語。
XSL
transformation
s (XSLT),
XSLT
World Wide Web Consortiumの勧告
として規定されている。
えっくすえ
すえるへん
かん(えっく
すえすえる
てぃ)
10.01.03.01
XMLパス言語
(XPath),
XPath
XSLTでの利用のために,XML文書
の番地付けパートを記述する言語。
XML path
language
(XPath),
XPath
World Wide Web Consortiumの勧告
として規定されている。
えっくすえ
むえるぱす
げんご(えっ
くすぱす)
10.01.04
段階スタイル
シート(CSS),
CSS
HTML文書などの要素に対して,フ
ォーマット処理属性を規定する言
語。
cascading
style sheet
(CSS), CSS
World Wide Web Consortiumの勧告
として規定されている。
だんかいす
たいるしー
と(しーえす
えす)
10.02
最終形式文書 可視化処理によって表示出力する
のに適したフォーマット済み電子
化文書。
final form
document
最終形式とは,その文書がもはや容
易に編集できる形態にはないこと
を示す。しかし,編集可能形式と最
終形式とは相互に排他的な概念で
はない。いくつかのデータ様式で
は,編集可能形式及び最終形式が単
一の文書内に同時に存在すること
を許す。
さいしゅう
けいしきぶ
んしょ
10.02.01
ページ記述言
語(PDL),PDL
最終形式文書をプログラム言語の
概念を用いて記述する文書交換用
データ様式。
page
description
language
(PDL), PDL
ぺーじきじ
ゅつげんご
(ぴーでぃ
ーえる)
10.02.01.01
標準ページ記
述言語
(SPDL),
SPDL
JIS X 4154(ISO/IEC 10180)によっ
て規定されたページ記述言語。
standard page
description
language
(SPDL),
SPDL
SPDLは次の特徴をもつ。階層化さ
れた文書構造の概念をもつ,文書作
製命令を備える,高水準の作画モデ
ルによって文字列・幾何図形・ラス
タ図形を統一的に扱う,フォントを
分離している,及び二つの交換様式
をもつ。
ひょうじゅ
んぺーじき
じゅつげん
ご(えすぴー
でぃーえる)
10.02.01.01.01 SPDL文書
SPDLを用いて表現した最終形式文
書。
SPDL
document
えすぴーで
ぃーえるぶ
んしょ
10.02.01.01.02 仕上げ命令
文書ページ画像の可視化処理の後
に行われる文書の提示(presentation)
に影響を与える文書作製命令
(Document Production Instruction)。
finishing
instruction
しあげめい
れい
10.02.01.01.03 基底フォント 実際のグリフ表現を含むフォント。 base font
複合フォント内では,その木構造上
における葉節となる。
きていふぉ
んと
10.02.01.01.04 複合フォント 階層的に木構造状に構成されたフ
ォントの集まり。
composite font
ふくごうふ
ぉんと
10.02.01.01.05 フォント指標
対応表
複合フォント内において,フォント
指標をフォント選択子と関連付け
るために用いるベクタ。
fontindex map グリフ対応付けの際に使用する。
ふぉんとし
ひょうたい
おうひょう
41
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
10.02.01.02
ポータブル文
書フォーマッ
ト(PDF),PDF
最終形式文書を,装置非依存に,し
かも容易にかつ信頼性をもって交
換し閲覧することを目的として開
発されたページ記述言語。
portable
document
format (PDF),
ぽーたぶる
ぶんしょふ
ぉーまっと
(ぴーでぃ
ーえふ)
10.02.01.03
OPI
Open Prepress Interfaceの短縮形。
低解像度の画像によるページ作成
を可能にする,PostScriptの拡張。こ
れによって,ページ割付けファイル
の容量を削減して処理時間の短縮
が図れる。
OPI
おーぴーあ
い
10.02.02
インタネット
印刷プロトコ
ル(IPP),IPP
インタネットのツール及び技術を
用いて,分散型印刷に利用できるア
プリケーションレベルのプロトコ
ル。
Internet
printing
protocol
(IPP),IPP
いんたねっ
といんさつ
ぷろとこる
(あいぴー
ぴー)
11. 文字種
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
11.01
大文字
文頭,固有名詞語頭などに用いるラ
テン文字,ギリシャ文字又はキリー
ル文字の,通常,大きな字形のもの
で,ベースライン及びキャップライ
ンを基準に設計されている文字。
capital,
capital letter,
uppercase
キャピタル,キャップともいう。cap
と略す。活字組版では,大文字を入
れていた活字ケースをアッパーケ
ースと呼んでいたので,大文字その
ものをアッパーケースという場合
もある。
おおもじ
11.02
小文字
文頭及び固有名詞語頭以外に用い
るラテン文字,ギリシャ文字又はキ
リール文字の,通常,小さな字形の
もので,ベースライン,並びにミー
ンライン,アセンダライン及び/又は
ディセンダラインを基準に設計さ
れている文字。
small letter,
lowercase
スモールレターともいう。l.c.と略
す。活字組版では,小文字を入れて
いた活字ケースをロアーケースと
呼んでいたので,小文字そのものを
ロアーケースという場合もある。
こもじ
11.03
スモールキャ
ピタル
参考文献の人名表記,年代表記など
に用いるラテン文字などで,xハイ
トと近似的に等しい高さをもつ大
文字字形の文字。
small capital
スモールキャップともいう。s.c.と略
す。章の始めの語句,年号を示す
A.D.,B.C.,時刻を示すA.M.,P.M.など
にも用いる。
11.04
ダイアクリテ
ィカルマーク
主に欧文の文字に付加して,発音の
区別などを示す補助記号。
diacritical
mark
ダイアクリティックともいう。
11.04.01
アクセント記
号
主に欧文の母音文字に付加して,単
語内の発音の抑揚や曲折を指示す
る補助記号。
accent mark
あくせんと
きごう
11.05
数字
(分類名)
figure,
numerical
character
すうじ
11.05.01
アラビア数字 インドに始まり,アラビアからヨー
ロッパに伝わった数字。
arabic figure,
arabic numeral
算用数字,洋数字ともいう。
1,2,3など。
あらびあす
うじ
42
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
11.05.02
連数字
アラビア数字が一つ以上連続する
もの。位取りのコンマ及び空白並び
に小数点のピリオドを含む。
備考 和字として扱われる全角数
字及び欧文用文字として扱われる
固有の字幅をもつアラビア数字は
除く(JIS X 4051参照)。
れんすうじ
11.05.03
ローマ数字
ラテン文字の大文字又は小文字を
用いて表記する数字。
roman figure,
roman
numeral
I=1,V=5,X=10など
ろーますう
じ
11.05.04
時計数字
ローマ数字を全角のサイズの合字
にした数字。
時計の文字盤用の数字として利用
されたもので,IからXIIまでしか
ない。
とけいすう
じ
11.06
小書きの仮名 拗音,促音,外来語などを書き表す
場合に用いる,字面を小さくした仮
名。
捨て仮名,半音ともいう。
こがきのか
な
11.07
繰返し符号
直前の文字又は句を反復する場合
に用いる符号。
ditto mark
漢字に用いる々,平仮名に用い
るゝゞ,片仮名に用いるヽヾ,句に
用いる“くの字点”(JIS X 0213の面
区点番号1-2-19,1-2-20及び1-2-21)
などがある。
くりかえし
ふごう
11.08
(漢文の)返り
点
漢文を日本語の語法と語順に従っ
て読む訓読の場合に,語順を示すた
めに付ける符号。
レ,一,二,上,下など。
かえりてん
11.09
約物
文字組版に使用する記述記号類の
総称(JIS Z 8123参照)。
punctuation
mark
記号文字の総称の意味でも使用さ
れている。
やくもの
11.09.01
記述記号
文章の区切り,語句のつながり,文
章の意味を表現するためなどに付
ける記号。
punctuation
mark
区切り符,括弧類,つなぎ符,参照
符などがある。
きじゅつき
ごう
11.09.01.01
区切り符
語句及び文章の区切りを明らかに
するために付ける記号。
句読点,中点(・),疑問符(?),
感嘆符(!),コロン(:),セミコ
ロン(;),斜線(/)などがある。
くぎりふ
11.09.01.02
句読点
文章の区切りを示す句点及び読点。 punctuation
mark
通常,縦組では“。”及び“、”を
用い,横組では句点に“.”又は
“。”,読点に“,”又は“、”を
用いる。
くとうてん
11.09.01.03
括弧類
一部の語句,文章などを囲んで,他
との区別を明らかにするために,前
後に挟むくくり記号。
parenthesis
()〔〕[]{}〈〉《》「」『』【】
ʻʼ“”など。JIS X 4051では,括
弧類を始め括弧類(文章の中で,あ
る部分を囲んで他との区別を明ら
かにするための記号のうち,区切り
の始まりを示すもの。)及び終わり
括弧類(文章の中で,ある部分を囲
んで他との区別を明らかにするた
めの記号のうち,区切りの終わりを
表すもの。)に区分し,更に,終わ
り括弧類には,文章の中の切れ目を
表すコンマ“,”及び読点“、”を
含めている。
かっこるい
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Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
11.09.02
引用符
語句を引用する際に,その語句の前
後をくくる括弧類。
quotation
mark
通常,次のような引用符が用いられ
ている,
−縦組 「」
−横組 ʻʼ,“”又は「」
いんようふ
11.09.03
つなぎ符
語と語又は欧文の音節をつないで,
その関係を示す記号。
ダッシュ(―),ハイフン(‐),リー
ダ(…)などがある。
つなぎふ
11.09.04
しるし物
参照符,学術記号,商用記号及びそ
の他の記号文字の総称。
symbol
その他の記号文字には,*※★●□
などの記号がある。
しるしもの
11.09.05
参照符
文章中で注記する場合,その参照箇
所に付ける記号。
reference
mark
欧文においては,*,†,‡,¶,
§,‖,#などを用いる。数字の番
号を付けて参照する例も多い。
さんしょう
ふ
11.09.06
学術記号
数学記号,生物学記号など学術の分
野で使用する記号。
がくじゅつ
きごう
11.09.06.01
数学記号
数式に使用する記号。
mathematical
symbol
+,−,±,×,÷,=,≠,<,
>,≦,≧など。
すうがくき
ごう
11.09.07
商用記号
通貨を示す記号,単位及び比率を示
す記号の総称。
commercial
symbol
$,¢,£,¥などの通貨記
号,℃,°,′,″,%などの単位
記号がある。これらの記号は,JIS X
4051では,省略記号といい,前置省
略記号及び後置省略記号に分けて
いる。
しょうよう
きごう
11.10
禁則文字
行頭若しくは行末に位置してはな
らない文字,又は分割してはならな
い文字の組を構成する文字。
きんそくも
じ
11.10.01
行頭禁則文字 行頭禁則の条件に該当する文字。
長音記号,小書きの仮名,繰り返し
記号,リーダなどを行頭禁則文字に
含める場合と含めない場合がある。
ぎょうとう
きんそくも
じ
11.10.02
行末禁則文字 行末禁則の条件に該当する文字。
ぎょうまつ
きんそくも
じ
11.10.03
分離分割禁止
文字,分離禁止
文字
連続した同じ文字間では分割して
はならず,追出し処理によって行を
調整する場合でも,連続した同じ文
字間を広げてはならない文字。
ぶんりぶん
かつきんし
もじ,ぶんり
きんしもじ
11.11
外字
a)システム又は利用者が独自に採
用若しくは規定した文字及び記号。
b)ある特定の符号化文字集合に含
まれていない文字及び記号。
c)システムの登録可能なエリアに登
録した文字及び記号。
gaiji,
pi character,
rarely used
character
がいじ
12. 文書構成要素
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
12.01
タイトル
書籍の題名,雑誌の誌名又は論文の
標題。
title
見出しをタイトルと呼ぶこともあ
る。
12.01.01
サブタイトル 書籍の題名,論文の標題又は見出し
に付ける副次的な題名。
subtitle
副題ともいう。
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Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
12.02
前付
書籍の本文に先立つページで,扉,
口絵,序文,目次など。
front matter,
preliminary
matter
まえづけ
12.02.01
前扉
扉の前に書籍の題名だけを掲げた
ページ。
bastard title,
half title
まえとびら
12.02.02
扉
書籍などの巻頭に配置する,書名,
著者名,出版社名などを記した丁又
はページ。
title page,
inside title
本扉,大扉,題扉,タイトルページ
ともいう。別紙とすることが多い
が,本文と同じ共紙とする場合もあ
る。
とびら
12.02.03
口絵
前付の部分に掲げる絵又は写真。
frontispiece
通常,別丁とし,扉の次に配置する
が,扉の対向ページに配置する場合
もある。
くちえ
12.02.04
献辞
著者が敬愛する人,恩師などに捧げ
る言葉。
dedication
通常は扉の次に特別のページを設
けるが,扉の裏面に掲げる方法もあ
る。
けんじ
12.02.05
序文,はしが
き,まえがき
著者が刊行の目的,動機などをまと
めた巻頭の文。
preface,
preliminary
remark
序,緒言ともいう。
じょぶん
12.02.06
凡例
本文に使用される用語,記号,略語,
編述の目的・方針,記述の約束事な
どを箇条書きにして解説したもの。
explanatory
note
はんれい
12.02.07
目次
本の内容の見出しを,書かれている
順又は分野別に並べて,それぞれの
該当ページ番号を示したもの。
table of
content
もくじ
12.02.08
図版目次
図版を,掲載順又は分野別に並べ
て,それぞれの該当ページ番号を示
したもの。
list of
illustration
ずはんもく
じ
12.03
本文
a)書籍を構成する主要部分。通常,
その前に前付,後には後付が付く。
b)図版,表,見出し,注,リード
などを除いた記事の中の主要部分。
c)ページ内の柱及びノンブルを除い
た部分。
d)表紙,見返し,投げ込みなどの
付属物を除いた本の中身。
body of book,
text
ほんぶん(ほ
んもん)
12.03.01
中扉
書籍の内容が大きく区分される場
合に,その内容の区切りを明確にす
るために本文中に挿入する,標題な
どを掲げた丁又はページ。
divisional
title,
part title
編,部,章などの冒頭又は付録の直
前に挿入する。本文の冒頭に書名を
掲げる場合もある。
なかとびら
12.03.02
半扉
中扉を簡略にしたもので,裏面から
本文を始める,見出しなどの標題を
掲げたページ。
はんとびら
12.03.03
見出し
a)論文,記事などの標題。
b)本,論文,記事などの内容を区
分して付けた標題。
heading,
headline
みだし
12.03.03.01
大見出し
本・新聞などで,区分の最大のまと
まりに付ける標題。
headline,
chapter head
本文に使用する文字よりかなり大
きい文字を用い,目立ちやすくす
る。段組の場合は,通常段抜きにす
るが,これを段抜き見出しという。
おおみだし
45
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
12.03.03.02
中見出し
大見出しと小見出しとの中間の区
分に付ける標題。
なかみだし
12.03.03.03
小見出し
本などで,区分の最小のまとまりに
付ける標題。
subhead,
subheading
本文と同じか,又は少し大きめの文
字を用い,本文より少し太い書体を
用いる場合が多い。
こみだし
12.03.04
リード
記事の前に掲げる,記事の内容を要
約したもの。
lead
主として雑誌や新聞記事で用いる。
12.03.05
段落
行組版処理の処理単位となる一つ
以上の文の集まり。段落は,1行又
は連続した複数の行からなる。
paragraph
文章の区切りを意味することもあ
る。
だんらく
12.03.06
引用文
公表された他の著作物から,その一
部を引用して利用するもの。
quotation
引用したことを明白にするために
「」,ʻʼ,“”でくくるか,又は
別行に字下げして組版を行う。
いんようぶ
ん
12.03.07
注
語句,図版,表などに加える補助的
な説明・解釈。
note
注釈ともいう。頭注,割注,脚注,
傍注,後注などがある。
ちゅう
12.03.08
囲み記事
ページの一部に罫線などを使って
囲んだ記事。
column,
box column
かこみきじ
12.03.09
表
文字又は数字を一覧できるように,
罫などで区切ったこま(小間)に配
列したもの。
table
ひょう
12.03.10
図版
印刷物の中に掲げる図,グラフ,カ
ット,イラストレーション,写真な
どの総称。
illustration
図版とは別に写真を区別すること
もある。
ずはん
12.04
後付
書籍の本文の後ろに付けられるペ
ージで,付録,参考文献,索引,あ
とがき,奥付など。
back matter,
end matter,
reference
matter
あとづけ
12.04.01
付録
本において,本文に関係するが,本
文中で扱うことが適当でないもの
をまとめたもの。
appendix,
annex
巻末又は別製本として提供する。規
格文書では附属書(annex)と呼ぶこ
とが多い。
ふろく
12.04.02
参考文献
本文の内容に関係の深い他の著書,
論文を記したもの。
references,
bibliography
巻末に一覧にして掲げることが多
い。
さんこうぶ
んけん
12.04.03
索引
1冊又は複数冊からなる本の中の語
句,事項などを抜き出して配列し,
それぞれの該当ページ番号を示し
たもの。
index
配列順はアイウエオ順,ABC順など
がある。和文と英文を分けて付ける
こともある。
さくいん
12.04.04
あとがき,後書
き
本の終わりに添える文。
afterword
あとがき
12.04.05
奥付
書名・著者名・発行者名・印刷者名・
刊行年月日などを記載したもの。本
の初め又は終わりに付ける(JIS Z
8124参照)。
colophon,
imprint
欧米の本においては,扉の裏面に記
載することが多い。奥付に著者略歴
を掲げる例が多い。
おくづけ
13. 原稿
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
13.01
原稿
印刷によって複製しようとする,文
字・画像などの総称(JIS Z 8123参
照)。
original copy,
copy
電子データによるものも原稿とい
う。
げんこう
46
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
13.01.01
文字原稿
文字だけで構成されている原稿。
manuscript
copy
手書きによる原稿,タイプライタに
よる原稿,印刷物を原稿としたも
の,電子データとして記録したもの
などがある。文字原稿は,通常,印
刷文字に変換して複製される。テキ
ストともいう。
もじげんこ
う
13.01.02
画像原稿
(分類名)
image
がぞうげん
こう
13.01.02.01
図版原稿
ある表現の意図を持って描いた図
解,絵画,地図,グラフ,イラスト
などの原稿。
original
図版原稿は,手書きして作成する方
法以外に,直接に電子データとして
作成する方法がある。絵画は,その
まま反射原稿として利用する場合
とカメラで撮影して利用する場合
がある。
ずはんげん
こう
13.01.02.02
写真原稿
物体の像又は電磁波・粒子線のパタ
ーンを視覚的再現のために,物理・
化学的手法により記録した原稿。
photograph
原稿の状態としては,写真印画,リ
バーサル(ポジ)カラーフィルムな
どのほかに,デジタルカメラで撮影
して電子データとして記録したも
のがある。
しゃしんげ
んこう
13.01.02.03
カラー原稿
複製するための原稿として用いる
絵画・カラーフィルム・カラープリ
ント・着色線画など(JIS Z 8123参
照)。
color copy
からーげん
こう
13.01.02.04
反射原稿
反射光で見る原稿(JIS Z 8123参
照)。
reflection
copy
写真印画,絵画,書き文字(描き文
字),イラストなどがある。
はんしゃげ
んこう
13.01.02.05
透過原稿
透過光で見る原稿(JIS Z 8123参
照)。
transparency 代表的なものにリバーサル(ポジ)
カラーフィルムがある。
とうかげん
こう
13.01.02.06
線画原稿
線・図形などで濃淡の階調がない白
黒画像原稿(JIS Z 8123参照)。
line drawing,
black and
white
この原稿に製版段階で加工して平
網,グラデーションなどを付ける場
合もある。
せんがげん
こう
13.01.02.07
階調原稿
写真原稿,絵画など,原稿の全部又
は一部に連続階調をもっている画
像原稿。
かいちょう
げんこう
13.01.03
版下
レタリング(製版用に清書された文
字),写真植字文字,図,表などを
台紙に貼ったもの(JIS Z 8123参
照)。
artwork,
camera-ready
copy
従来の製版カメラを用いる場合は,
その被写体とするものの総称とし
て用いた。また,従来の写真製版で
は,レイアウトに従って,台紙に文
字・図版などを貼り込み,写真の入
る位置にアタリを書き入れたもの
を版下台紙とよんでいる。
はんした
13.02
組版指定
原稿上に文字の書体,サイズ,体裁,
スペースなどを直接記入した指定
(JIS Z 8124参照)。
markup
原稿に直接手書きする方法以外に,
組版用のデータにタグ・特殊記号な
どを付加する方法がある。原稿指定
ともいう。
くみはんし
てい
13.02.01
組版指定書
文字の組版方法についての全般的
な事項を記載し,文字原稿に添付す
る文書。
組方指定書・組方要項などともい
う。
くみはんし
ていしょ
47
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
13.02.02
レイアウト,割
付
印刷物を作成する際に,文字・画像
などのページ内における配置構成
を設計し,更に必要な組版及び製版
の指示を施すこと。
layout
わりつけ
13.02.03
トリミング
絵柄の必要部分を指定する行為(JIS
Z 8124参照)。
trimming,
cropping
原稿のコピー又は原稿に被せたト
レーシングペーパーに指示する方
法,カンプで仕上り見本を示す方法
などがある。絵柄などに従って不定
形にトリミングする場合は,切り抜
きという。
13.02.04
見本組
ページの体裁を確認・決定するため
に,原稿の一部だけの組版を行い,
校正刷としたもの。
specimen page 組見本ともいう。
みほんぐみ
13.02.05
カンプ
制作スタッフ又は発注者に提示し
理解を得るための,刷り上がりイメ
ージに近い状態の見本。
comprehensiv
e, comp(.)
13.02.06
完全原稿
印刷工程にまわす原稿の内容及び
組版指定に誤りがなく,すぐに組版
又は製版の作業ができる状態にあ
る原稿。
受注側から発注側に対して要望さ
れている事項である。完成したペー
ジごとにまとまった版下として入
稿する場合に,ほぼ該当する。
かんぜんげ
んこう
13.02.07
トメじるし
原稿に通し番号をふった場合,原稿
の末尾に書き添えるマーク。
片仮名で“トメ”などと赤字で記す。
原稿最終部であることを示し,主に
組版発注側と受注側の確認のため
に用いる。
13.03
訂正原本
書籍の増刷,改訂版などの発行に備
えて,誤記・誤植,その他の訂正な
どを書き入れた本。
master copy
原本ともいう。出版社で保管してい
るが,印刷所で備えておくべき訂正
原本は,印刷所原本という。
ていせいげ
んぽん
13.04
入稿
組版指定が行われている原稿,組版
処理済みの電子データ,その他の形
態の原稿を印刷工程に回すために
印刷所などに渡すこと。
material in
著者が出版社に原稿を渡すことも
入稿という。原稿の受渡しを入稿確
認書として記録に残しておく方法
もとられている。
にゅうこう
13.04.01
電子原稿
原稿を電子媒体上で作成した原稿
で,内容が電子データとして保存さ
れている原稿。
electronic
manuscript
でんしげん
こう
13.04.01.01
電子データ入
稿
電子データによる入稿。
文字原稿だけでなく,画像原稿につ
いてもいう。DTPなどにより組版さ
れたデータの場合もある。電子デー
タの内容,出力の形式などを指示す
る出力依頼書を添付することが多
い。
でんしでー
たにゅうこ
う
13.04.01.02
(原稿の)出力
見本
電子データの原稿の内容を示すた
め,及び組版指定を施すために添付
するハードコピー。
プリントアウトともいう。
しゅつりょ
くみほん
13.04.02
完全データ入
稿
面付を除き,入稿された電子データ
の修正を行わず,そのままの状態で
フィルム,刷版又は印刷物として出
力できる状態で渡される組版・製版
処理済み電子データの入稿。
ある程度の組版・製版処理が電子デ
ータとして行われているが,文字の
修正,画像データの差替え・修正な
どを行う必要がある状態での入稿
は,準完全データ入稿,未完成デー
タ入稿などとよばれる場合がある。
かんぜんで
ーたにゅう
こう
48
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
13.04.03
後送(原稿) 原稿の一部を後から送付すること,
及び原稿又は校正刷へその旨を指
示するサイン。
こうそう(げ
んこう)
14. 校正
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
14.01
校正
校正刷をチェックして,修正指示す
ること(JIS Z 8123参照)。
proofreading 校正刷に記入された指示に従って,
組版データを修正する作業(赤字修
正)も,校正と呼ばれている。
こうせい
14.02
校閲
a)著者の依頼・承認を受けた第三
者が,原稿内容の誤り,不備などを
調べて正すこと。
b)一通り校正の済んだ校正刷に目
を通し,誤りの有無を吟味するこ
と。
c)新聞制作において,専門の部署に
よって行われる原稿内容の修正・訂
正。
revision
こうえつ
14.03
校正刷
校正用の印刷物を作成すること,又
はその印刷物(JIS Z 8123参照)。
proof
ゲラ刷又は単にゲラともいう。ゲラ
とはgalleyの発音が変化したもの
で,本来は活字組版を収める浅い盆
のことである。ゲラに活字組版を入
れたまま校正刷を作成したことか
ら,転じてゲラ刷は校正刷を意味す
るようになった。
こうせいず
り
14.03.01
出校
印刷所などの受注者が校正刷を出
版社などの発注者に渡すこと。
しゅっこう
14.03.01.01
見開き出校
校正刷を見開きの状態で作成して
出校すること。
みひらきし
ゅっこう
14.04
内校,内校正 印刷所などが初校などを出校する
前に校正を行って訂正すること。
printer's proof
うちこう,う
ちこうせい
14.05
初校
最初の校正又は校正刷。
first revise,
first proof
しょこう
14.05.01
要再校
初校(校正刷)を戻す際に,再校(校
正刷)を出すように指示する校正の
用語。
show revise
再校を戻す際に,三校を出すように
指示する場合は,要三校と記入す
る。
ようさいこ
う
14.06
再校
2度目の校正又は校正刷。
revise,
revised proof
さいこう
14.07
三校
3度目の校正又は校正刷。
second revised
proof
さんこう
14.08
念校
校了の直前に,念のために行う校
正。
ねんこう
14.08.01
抜念校,抜念 特に赤字の多いページ,修正が難し
いページなどのみを抜き出して行
う念校。
ぬきねんこ
う,ぬきねん
14.09
校了
校正の結果,修正・訂正のなくなっ
た状態,又は校正が完了したことを
指示する校正のサイン。
OK
こうりょう
49
Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
14.09.01
校了紙
校正を完了して,そのとおり印刷す
ればよいという合意を得た校正刷
(JIS Z 8123参照)。
OK sheet
こうりょう
し
14.09.02
責了,責任校了 印刷所などが責任をもって必要な
訂正又は変更を行うことを前提と
した校了,又はそのことを指示する
校正のサイン。
OK with
change,
OK with
correction
直しの箇所が少ない場合,又は作業
の進行が切迫している場合に行わ
れる。
せきりょう,
せきにんこ
うりょう
14.09.02.01
責了紙
責了の承認を得た校正刷。
OK proof
せきりょう
し
14.10
下版
校了になった組版データを,次の作
業に回すこと。
げはん
14.11
誤植
原稿及び組版指定に対する組版の
誤り。
misprint,
typo
(typographical
error),
literal (literal
error)
原稿の不完全さ,文字入力の不注
意,組版担当者の不注意などによ
る。文字の誤植では,書体,サイズ,
位置の間違いのほか,誤字,脱字,
えん(衍)字,前後が入れ替わる逆
植などがある。
ごしょく
14.11.01
ゲタ
特殊な文字などで準備された文字
がない場合に仮に入れておく記号。
turned letter
活字組版では,活字の字面を下に,
足の部分を上にして組版作業を行
った。この場合にげた(下駄)の歯
(〓)のように印刷されたことから
ゲタと呼ばれるようになった。伏せ
字ともいう。
14.12
赤字
校正刷に対して主として赤い色で
修正・訂正を指示する書き込み。
correction
mark
赤字の指示には校正記号を用いる。 あかじ
14.12.01
赤字修正,赤字
訂正
校正刷の指示に従って,組版データ
を修正する作業。
correction
活字組版では,差替えという。
あかじしゅ
うせい,あか
じていせい
14.13
引合せ校正
原稿と校正刷を,1字1字照合しな
がら校正する方法。
ひきあわせ
こうせい
14.14
読合せ校正
一人が原稿を音読し,他の一人がそ
の校正刷を黙読して校正する方法。
hold copy
音読者は,記号の種類,同音異字の
区別,改行などを読み上げる。対校
ともいう。一人で行う校正は単独校
正(単校)という。
よみあわせ
こうせい
14.15
赤字引合せ
初校と再校とを[一般的には第(n
−1)校と第n校とを]対比して,
赤字が修正されているかどうかを
確認し,未訂正及び修正誤りがあれ
ば,再校(校正刷)に訂正の指示の
赤字を入れる作業。
初校の赤字に点検済みのチェック
印を付けて点検する方法が多く行
われている。
あかじひき
あわせ
14.16
素読み
原稿を離れて校正刷を読むことに
集中して行う校正方法。
silent reading 記述内容の矛盾,用語又は用字の不
統一などを発見しやすい。通常は引
合せ校正の後に行う。
すよみ
14.17
出張校正
著者,編集者,校正者などが,印刷
所に出向いて行う校正。
雑誌などで,作業を急ぐ場合に行わ
れる例がある。
しゅっちょ
うこうせい
14.18
待ち校
印刷所などの校正刷を届けにきた
人を待たせて行う校正。
広告などの校正で行われる例があ
る。
まちこう
14.19
著者校正
著者又は編著者が行う校正。
author's
proofreading
略して,著者校ともいう。この際の
原稿と相違する訂正加除のことを
著者直しという。
ちょしゃこ
うせい
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Z 8125:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
参考
読み
14.20
校正記号
校正の指示を簡略に表記する共通
の記号として認められたもの(JIS Z
8123参照)。
proofreader's
mark, proof
correction
mark
校正記号は,JIS Z 8208に規定され
ている。
こうせいき
ごう
14.20.01
パスラインシ
ステム
校正で赤字を記入する際に,訂正箇
所から引出し線を引いて行間や欄
外の余白に訂正する文字又は記号
を記入する方法。
pathline
system
引出し線は,一般に右上に引き出す
が,横組では行間にそって左右に引
き出す方法も行われている。ガイド
ラインシステムともいう。
14.20.02
ブックシステ
ム
校正で赤字を記入する際に,訂正箇
所に斜線又は丸印を付け,同じ行の
行頭又は行末の空白部に訂正する
文字又は記号を記入する方法。
book system
欧米では,一般にこの方法が行われ
ている。
14.20.03
イキ
訂正を取り消して元を生かす校正
記号。
stet
イキは赤字の近くではなく,元の生
かす文字又は記号の近くに記入す
る。
14.20.04
トル
校正刷にある不要な文字・記号を削
除し,その後を詰めるよう指示する
校正記号。
delete
不要な文字及び記号を削除し,その
後を詰めることをより明確に指示
する場合は,トルツメと記入する。
また,不要な文字及び記号を削除
し,そのまま空けておく場合は,ト
ルアキ又はトルママと指示する。
14.20.05
追込み
a)改段,改ページ及び改丁とせず
に,次の見出しなどを前段又は前ペ
ージの空白部に続けること,又はそ
の指示。
b)改行とせずに,次の文章を前行
の末尾に続けて配置すること,又は
その指示。
run in, run on
おいこみ
14.20.06
(校正の)送り 文字若しくは行を前後に移動させ
ること,又はその指示。
文字の移動は字送り,行の移動は行
送りという。
おくり