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Z 8122 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人 日本空気清浄協会 (JACA) /財

団法人 日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS Z 8122 : 

1994は改正され,この規格に置き換えられる。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8122 : 2000 

コンタミネーションコントロール用語 

Contamination Control−Terminology 

1. 適用範囲 この規格は,コンタミネーションコントロールに関する主な用語及びその定義について定

義する。 

備考1. コンタミネーションコントロールは,清浄度管理ともいい,限られた空間,及び製品などの

内部,表面又は周辺について,要求される清浄状態を保持するためあらゆる事柄について計

画を立て,組織し,実施することをいう。 

なお,放射能の問題は含まない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 8241 継目なし鋼製高圧ガス容器 

JIS B 9920 クリーンルーム中における浮遊微粒子の濃度測定方法及びクリーンルームの空気清浄度

の評価方法 

JIS B 9921 光散乱式自動粒子計数器 

JIS B 9924 表面付着粒子計数器 

JIS B 9925 液体用光散乱式自動粒子計数器 

JIS K 3600 バイオテクノロジー用語 

JIS K 3800 生物学用クラスII安全キャビネット 

JIS Z 4812 放射性エアロゾル用高性能エアフィルタ 

JIS Z 8103 計測用語 

JIS Z 8901 試験用粉体及び試験用粒子 

3. 用語の分類 用語は,次のように分類する。 

a) 基本 1001 

b) 管理 2001 

c) 測定・分析 

1) 共通 3001 

2) 空気 3101 

3) 水・薬液 3201 

4) ガス 3301 

5) 微生物 3401 

d) 清浄化装置 

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Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 共通 4001 

2) 空気 4101 

3) 水・薬液 4201 

4) ガス 4301 

5) 微生物 4401 

4. 定義 用語及び定義は,次による。 

なお,参考として慣用語対応英語を示す。 

備考1. 二つ以上の用語を併記してある場合は,上位の用語を優先的に使用する。 

2. 用語欄で用語の下の丸括弧のかなは,読み方を示す。 

3. 定義欄で太字で記載している語は,この規格中規定されている用語であることを示す。 

a) 基本 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

1001 対象物 

コンタミネーションコントロールの対象とするも
の。 

備考 クリーンルーム内で取り扱う製品,器具,

実験対象物(生物を含む),クリーンルー
ム内の空気,クリーンルームに供給され
る水,ガス,薬液などをいう。 

physical object 

1002 汚染 

対象物に何らかの物質が付着,混入,発生すること
などによって,対象物が本来もっている機能,性能
に好ましくない影響が与えられている状態。 

汚れ, 
コンタミネーショ

ン 

contamination 

1003 汚染物質 

対象物に付着,混入,発生することなどによって汚
染を引き起こす物質。 

コンタミナント, 
汚染要因物 

contaminants 

1004 被汚染物 

汚染物質によって,汚染される対象物。 

コンタミニー 

contaminees 

1005 汚染源 

被汚染物を発生する原因となるもの。 

備考 人間,動物,植物,衣服,土壌などの汚

染物,及び純水,ガス,薬品に含まれる
不純物。また製造工程に伴って発生する
汚染物質を指す場合もある。 

contaminated source 

1006 清浄 

汚染がない状態。 

cleanness 

1007 清浄度 

対象物の清浄状態を示す量。 

備考 一定面積又は一定体積中に含まれる汚染

物の大きさ,及び数又は質量によって表
す。 

cleanliness 

1008 環境 

被汚染物を取り巻いている状況で,直接・間接に汚
染の原因になるもの。 

備考 コンタミネーションコントロールの分野

における環境の主な例は,被汚染物に接
する空気,ガス,液体,固体表面などで
ある。 

エンバイロンメン

ト 

environment 

1009 キャリア 

汚染物質を被汚染物に運ぶ媒体。 

備考 周囲空気,工具などは,代表的なキャリ

アである。 

carrier 

1010 粒子汚染 

粒子状汚染物質によって,汚染している状態。 

particle 

contamination 

1011 ガス汚染 

ガス状汚染物質によって,汚染している状態。 

gaseous 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

contamination 

1012 内部汚染 

対象物の内部が汚染物質によって汚染されている
か,又は汚染されている状態。 

Internal 

contamination 

1013 表面汚染 

対象物の表面が汚染物質によって汚染されている
か,又は汚染されている状態。 

備考 半導体分野ではウエハの表面が原子オー

ダで凹凸の著しい状態を表面マイクロラ
フネス,表面粗度 (surface micro 
roughness) という,このような表面でデ
イバイスを作ると特性が悪化する。これ
も表面汚染の1種と考える。 

surface 

contamination 

1014 被膜汚染 

被膜による表面汚染。 

備考 半導体の分野では,けい素の自然酸化膜

による汚染も含む。 

film contamination 

1015 粒子 

固体又は液体の粒状小物体。 

備考 測定可能な大きさをもつ。 

particle, 
particulate 

1016 粒径 

粒子の大きさ。 

備考 粒子は各種の形状をもっているので,粒

径は測定法ごとに定められた方法によっ
て表す。例えば,顕微鏡法によって測定
した粒径は粒子の最大差渡し寸法,粒子
の沈降速度によって測定した粒径は空気
力学的に等価な球形粒子の直径,光散乱
式自動粒子計数器法で測定した粒径は粒
子からの散乱光量の等しい球形の試験粒
子の直径で表す。 

particle size 

1017 粗大粒子 

粒径が10μm程度〜100μm程度の粒子。 

備考 発じん源の由来から粒径が2μm以上とす

る場合もある。 

coarse particle 

1018 微小粒子 

一般に,気体中,又は液体中に浮遊し,ほとんど沈
降しない粒径が1μm程度以下の粒子。 

備考 発じん源の由来から2μm以下とする場合

もある。 

微粒子 

fine particle 

1019 サブミクロン粒

子 

微小粒子のうち0.1〜1μm程度以下の粒子。 

submicron particle 

1020 超微粒子 

粒径が1〜100nm程度の粒子。 

nm粒子 

ultrafine particle 

1021 エアロゾル 

気体中に分散している固体又は液体の微細粒子。
(JIS K 3600参照。) 

aerosol 

1022 粉じん 

固形物がその化学的組成が変わらないままで形・大
きさが変わって粒状になり分散した粒子。 

備考1. 粉じん(塵)と表記してもよい。 

2. 粉砕,研磨,せん(穿)孔,爆破など

主として物理的破砕過程で生じる。 

ダスト 

dust 

1023 繊維状粒子 

長い方の寸法が,幅の10倍以上である粒子。 

fibre particle 

1024 浮遊微小粒子 

気体又は液体中に浮遊している微小粒子。 

浮遊微粒子, 
SPM 

airborne particle, 
(気体中) 
liquidborne particle, 
(液体中) 
suspended particulate 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

matter 

1025 荷電粒子 

他の物質との接触によって,又はイオンとの結合に
よって正又は負の電荷をもつ分子,又は微小粒子。 

イオン粒子 

ion particle 

1026 ミスト 

微小な液体粒子が空気中に浮遊している系。 

mist 

1027 フューム 

や(冶)金工程などで,溶融物質から揮発したガス
状態の物質が凝縮して生成した微小な固体粒子又
は液体粒子が空気中に浮遊している系。 

fume 

1028 粒子状汚染物質 固体,又は液体の粒子状の汚染物質。 

備考 粉じんダスト,ミスト,フューム,煙,

霧などを示す。 

particulate 

contaminant 

1029 ガス状汚染物質 気体中にガスの状態で含まれている汚染物質。 

備考 通常CO2,SO2,NOx(1)NH3フロン,臭気

などがその例である。“(酸性,アルカリ
性有機性のものがある。)” 

注(1) NOxは,窒素酸化物の総称。 

AMC 

gaseous contaminant 
airborne molecular 

contaminant (acid, 
base, condensable, 
dopant) 

1030 汚染濃度 

汚染物質の濃度。 

備考 被汚染物の単位面積,単体体積又は

単位質量当たりの汚染物質の種類

別及び寸法別の数又は質量で表す。 

concentration of 

contaminant 

1031 空気汚染濃度 

空気中に含まれる汚染物質の空気の単位体積又は
単位質量当たりの量。 

concentration of 

airborne 
contaminant 

1032 粒子濃度 

気体又は液体中に浮遊している微小粒子の濃度。 

備考 一般には単位体積若しくは単位質

量の気体中,又は液体中に浮遊して

いる微小粒子の種類別及び寸法別

の数又は質量で表す。 

particle concentration 

1033 ガス濃度 

気体,液体,まれには固体中に含まれているガス状
汚染物質の濃度。 

備考 一般にはmg/m3又はppmで表す。 

gas concentration 

1034 質量濃度 

標準状態(JIS Z 8103を参照)における単位体積の
気体,又は液体中に含まれている汚染物質の質量。 

mass concentration 

1035 相対濃度 

気体又は液体中に含まれている汚染物質によって
発生する現象を介して求めた汚染濃度。例,散乱光
量などから求めた相当質量濃度。 

equivalent 

concentration 

1036 相当質量濃度 

質量濃度で示された相対濃度。 

equivalent mass 

concentration, 
concentration 

1037 個数濃度 

標準状態(JIS Z 8103を参照)における単位体積の
気体,又は液体中に含まれている粒子の個数。 

number concentration 

1038 光学濃度 

浮遊微小粒子をろ紙上に捕集して,その光の透過量
又は反射量の減少によって求めた相当質量濃度。 

optical density, 

optical 
concentration 

1039 表面濃度 

被汚染物の表面の単位面積当たりに含まれる汚染
物質の量。 

concentration of 

surface 
contamination 

1040 希釈 

溶液に希釈剤を加えて溶質の濃度を減少させる行 

dilution 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

為。 

希釈剤は元の溶液と化学反応を起こしたり,均一

性を損なってはならない。この概念は液体や気体に
も適用できる。 

備考 薬液洗浄を行う際,しばしば用いる

手法である。また,フィルタの粒子

捕集率を測定する際,上流側空気中

の汚染物質濃度を調製する必要が

ある場合希釈して用いる。 

1041 幾何学径 

顕微鏡で観察した試料,例えば,正確な投影倍率で
作成された写真をもとに,写真の中の粒子の1個1
個の長さを測定して求めた粒子の大きさ。 

geometric size 

1042 相当直径 

ある粒子に対しての幾何学的,光学的又は空気力学
的に等価な球形粒子の直径。例えば,幾何学的には
表面積が等しい球形粒子の直径(表面積相当径),空
気力学的には沈降速度が等しい球形粒子の直径(ス
トークス径),光学的には粒子からの散乱光量が等
しい球形の試験粒子の直径(散乱光量相当径)など。 

相当径 

equivalent diameter 

1043 粒径分布 

粒子の粒径区分別の分布割合。 

粒度分布 

particle size 

distribution 

1044 接触角 

液体の自由表面が,その接触する固体表面となす角
度。 

備考 液体のぬれの尺度として接触角が

求められ,固体表面の汚れ(特に有

機物汚染)の程度を簡便に求める方

法として,はん(汎)用的に利用さ

れる。 

angle of contact 

contact angle 

1045 ろ過 

気体又は液体中に浮遊している粒子をろ材の細孔
又は狭いすきまを通して除去する。 

filtration 

1046 沈降 

重力の作用によって気体又は液体中に浮遊している
粒子が下方に移動する。 

sedimentation 

1047 凝集 

分散している粒子同士が衝突によって大きな粒子
になる作用 

coagulation 

1048 衝突 

2個の粒子が互いに,又は1個の粒子が固体若しく
は液体の表面に接近又は接触して,極めて短時間だ
け強い力を及ぼし合う現象。 

impact,  
collision 

1049 分散 

固体粒子又は液体粒子が,気体又は液体の媒体中に
散在して混合する。 

dispersion 

1050 拡散 

高濃度域から低濃度域への粒子が移動する現象。 

diffusion 

1051 吸着 

ガス,液体又はその中に溶解している物質(イオン
を含む)が,それと接触した界面のごく薄い層に粘
着する現象。 

adsorption 

1052 吸収 

ある物質が他の物質に接触して,その系内に取り入
れられて均質な混合物を形成し,溶解物質として特
性を示すようになる物理化学的現象。 

absorption 

1053 収着 

ガス又は液体が固体に接触して吸着及び吸収が同 

sorption 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

時に生じる現象。 

1054 凝縮 

蒸気,ガスなどの温度がそれぞれの露点以下に下降
したときに液体粒子になる現象。 

備考 凝縮は普通空気中に浮遊する粒子,

イオンなどを核として液体粒子が

生じることによって始まる。 

condensation 

1055 沈着 

静電気,熱こう配,重力などの作用によって,流体
中に浮遊している粒子が移動し壁体(器壁)に吸着
する現象。 

precipitation 

1056 ケミカルハザー

ド 

化学物質,発ガン物質,環境ホルモンなどによる人
への危険・障害。 

chemical hazard 

1057 空気清浄化 

空気中の汚染物質を除去して清浄にする。 

air cleaning 

1058 低はく離性 

材料が衝撃,摩擦などを受けたとき,微小粒子など
の汚染物質の発生が少ない性質。 

備考 発生する汚染物質の質,大きさ及び

量によって評価する。 

non-shedding 

1059 リントフリー 

繊維製品を使用したとき,繊維の脱落が非常に少な
い性質。 

lint free 

1060 高純度空気 

不純物の濃度が低い空気。 

備考 主として半導体製造工程における

圧力制御機器のガス供給系で用い

る。 

highly purified air 

1061 不溶性固体微粒

子 

液体に溶解しない固体微小粒子。 

insoluble solid 

particulate 

1062 液中汚染濃度 

液中に含まれる汚染物質の液体の単位体積又は単
位質量当たりの量。 

concentration of 

liquidborne 
contaminant 

1063 導電率 

物質の導電性を表す量。 

備考 導電率溶液のイオン濃度に比例す

る原理を利用して単位μs/cm又は

ms/cmで表す。 

電気伝導度 

conductivity 

1064 抵抗率 

導電率の逆の電気抵抗で示した値(MΩ・cm at 

25℃)。 

備考 超純水としては理論純水(約

18.25MΩ・cm)に近い値が要求され

る。 

比抵抗 

resistivity 

1065 アウトガス 

クリーンルームの構成材,また,クリーンルーム内
で使用される電子部品・材料,部品用トレー・キャ
リア。また,クリーンルーム用の装置・機器の中で
使用されている材料・素材が周りの環境変化によっ
てそれ自身が変質し,ガスとして一部外部へ放出さ
れる状態。 

脱ガス 

outgassing 

1066 生化学的酸素要

求量 

水中で好気性微生物の増殖又は呼吸作用によって,
消費される溶存酸素量。 

BOD 

biochemical oxygen 

demand 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

備考 一般には20℃で5日間で消費され

た溶存酸素量mg/l又はppmで表す。

この値が大きい水ほど水中の有機

物質量が多く,汚れていることを意

味する。 

1067 全蒸発残留物 

水に溶解している溶解質及び溶解していない粒子
状汚染物質の全量。 

備考 水質指標の一つであって,サンプル

水を蒸発乾固させ,106〜110℃で乾

燥したときに残る物質量で表す。 

TDS 

total dissolved solid 

1068 不揮発性残留物 一般的に0.2〜1μmの孔径をもつ薄膜フィルタでろ

過したサンプルを,一定温度で蒸留させた後に残る
溶解性物質。 

non-volatile residue 

1069 純水 

不純物をできる限り除いた水。 

備考 精製段階によって種々の純度に分

けられるが,化学種としての純粋な

水とは区別される。 

DI water, 
脱イオン水 

pure water,  
deionized water 

1070 一次純水 

半導体製造用に前処理装置で処理された水中に存
在するイオン,微小粒子,微生物,有機物などの不
純物をほとんど除去した高純度の水。 

備考 抵抗率5〜18MΩ・cm程度の純水で

このまま使用される場合もあるが,

通常は後工程に設置されたサブシ

ステムの原水とする。 

primary pure water,  
primary deionized 

water 

1071 超純水 

超純水製造装置によって水中の懸濁物質,溶解物
質,微小粒子及び不純物を高効率に取り除いた極め
て高純度の水。 

備考 極微量の微小粒子数,生菌数,全有

機炭素 (TOC),シリカ,溶存酸素,

金属イオンなどが問題とされる半

導体の分野では,溶解物質としては

10億分の1 (μg/l) レベルの純度が

要求される。 

二次純水, 
DI pure water 

ultra pure water 

1072 イオン交換樹脂 水中に存在するイオンを吸着除去する能力をもつ

ビーズ状の合成樹脂。 

備考 カチオン交換樹脂及びアニオン交

換樹脂の2種類がある。同様な能力

をもつ繊維状の樹脂もある。 

ion exchange resin 

1073 再生 

イオン交換樹脂に吸着されている被処理質(イオン
性物質)をアルカリ又は酸で除去する操作。 

備考 エアフィルタでは,ろ材を水洗やバ

regeneration 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

キュームによって,付着粉じんを除

去することも再生という。 

1074 逆浸透膜 

逆浸透現象を応用したろ過膜。 

備考 水中に溶存しているイオンをはじ

め,有機物,微小粒子,生菌などを

除去することができる。 

RO膜 

reverse osmosis 

membrane, (RO) 

1075 限外ろ過膜 

水中に溶存する分子量千〜数百万程度の物質を除去
することができるろ過膜。 

UF膜 

ultra filtration 

membrane, (UF) 

1076 精密ろ過膜 

厚さ数μm〜100μm程度の薄膜形ろ材のうち,サブミ

クロン粒子を分離する膜。 

MF膜 

micro filtration 

membrane, (MF) 

1077 超ろ過 

すべての種類の微生物及びエンドトキシンを除去
する能力をもつ逆浸透膜,限外ろ過膜又はこれらを
組み合わせた膜ろ過装置を用い,原液の流れ方向と
直角方向に水を流しろ過(クロスフローろ過又は十
字流ろ過)する方法。 

備考 限外ろ過膜には分子量約6 000以上

の物質を除去できる能力をもつも

のを用いる。 

hyper filtration 

1078 微生物粒子 

細菌,真菌,ウィルス,リケッチアなどの微生物粒
子。 

viable particle 

1079 浮遊微生物 

気体又は液体中に浮遊している微生物粒子。 

bioaerosol airborne 

microbe: 

(気体中) 
liquidborne microbe: 
(液体中) 

1080 落下菌 

自然落下する微生物粒子。 

settling microbe 

1081 微生物汚染 

微生物による汚染。 

biocontamination, 

microbial 
contamination,  

microorganism 

contamination  

1082 交差汚染 

一つの物体又は場所から他の物体又は場所に移動し
汚染を及ぼすこと。 

クロス汚染, 
クロスコンタミネ

ーション 

cross contamination 

1083 病院内感染 

病院などの医療施設で治療を受けている患者が,原
疾患とは別に同一病院内で新たに感染して発症す
る。 

備考 人から人への直接又は間接の交差

感染 (cross-infection) と,自己の体

内及び体表面に定着している病原

体が部位を変えて感染を起こす自

己感染 (self-infection) とがある。 

院内感染 

nosocomial infection, 

hospital infection 

1084 日和見感染 

一般健康人に起こり得ない感染で,重篤な基礎疾患
をもった人とか,免疫不全になった人に,平素一般
健康人にはとうてい感染症を起こし得ないような非

opportunistic 

infection 

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Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

病原性ないし弱毒性病原菌によって起こる感染。 

備考 院内感染症として大きな問題とな

っている。 

1085 トキソイド 

無毒で,しかも免疫原性をもつ毒素。 

備考 菌体外毒素を物理的又は化学的に処理し

てトキソイドとし,ワクチンとして使用
する。 

toxoid 

1086 パイロジェン 

生体に投与すると発熱を起こす物質の総称。 

pyrogen 

1087 アフラトキシン かび毒の1種。約100種のかび毒の中で最も重要で,

強い急性毒,変異原性,天然物最強の肝がん誘発力
をもつ。 

備考 アスペルギルス フラバス (A. flavus),

アスペルギルス パラシティカス (A. 
paraciticus) などの特定株が作り出し,15
種の同族体がある。 

aflatoxin 

1088 外毒素, 

エクソトキシン 

生きている細菌が放出する毒素の総称。 

備考 主成分はたん(蛋)白であり,破傷風毒

素,ジフテリア毒素,菌体外毒素エンテ
ロトキシン,コレラトキシンなどが代表
例である。ホルマリンなどの薬物処理に
よって,抗原性を残し毒素を不活化した
トキソイドを作ることができる。 

exotoxin 

1089 内毒素, 

エンドトキシン 

細菌が死んで初めて遊離する毒素。 

備考 糖たん(蛋)白と脂質が連結した構造を

もち,発熱作用,致死作用,抗かい(潰)
よう(瘍)などの作用がある。 

endotoxin 

1090 耐性菌 

生存に不利な環境条件,薬剤作用,ファージ感染な
どに耐性を示す微生物。 

ある薬剤を有効濃度与えたときに,成育が阻害さ

れない菌を,その薬剤に対する耐性菌という。 

備考 耐性は菌がもともと耐性をもっている自

然耐性と後天的な獲得耐性とに分けら
れ,後者は更に突然変異によるものと,
プラスミドの伝達によるものとに大別さ
れる。 

resistant bacteria 

1091 プラスミド 

主として細菌細胞内で,宿主染色体とは別個に独立
して自律的に複製され,安定保持伝達される遺伝子
因子の総称。 

備考 物質的実体は2重鎖で環状のDNA分子で

あることが多い。組換えDNA実験におい
てベクターとして用いられる。 

plasmid 

1092 D値 

(でぃ値) 

微生物の死滅率を表す値で,供試微生物の90%を死
滅させ生存率を10分の1に低下させるのに要する時
間又は線量。 

D value 

decimal reduction 

time 

1093 F値 

(えふ値) 

加熱滅菌工程での微生物不活化能力を示す値の測定
値。10℃のZ値及び1分のD値で121.1℃ (250°F) 
で計算したF値をF。値 (F。:F-physical) と呼ぶ。 

F value 

F biological value 

1094 Z値 

(ぜっと値) 

D値の1対数サイクルの変化に要する温度。 

備考 Z値が大きいほど温度上昇による滅菌効

Z value 

background image

10 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

果の増加率が小さい。 

1095 分画分子量 

膜(特にUF膜)の孔径を評価する指標。膜が特定
の阻止率で阻止できる最小の分子量。 

備考 特定の阻止率には,標準物質として,イ

ンスリン,ポリエチレングリコール,デ
キストランなどを用いて,通常90%又は
95%の値が採用されている。 

molecular cutoff 

1096 精製水 

常水(通常,水道水及び井戸水)を蒸留,イオン交
換,超ろ過又はそれらの組み合わせによって精製し
た水。 

備考 精製工程の最後にイオン交換法を用いる

場合には,細菌汚染防止のため細菌を適
当な方法で制御する。 

purified water 

1097 蒸留水 

蒸留法によって精製した水。 

distilled water 

1098 滅菌精製水 

精製水を滅菌した水。 

備考 注射剤には用いられない。無菌製剤の製

造に用いる。 

sterile purified water 

1099 注射用水 

常水又は精製水の蒸留,又は精製水の超ろ過によっ
て作製した水で注射用に供する。注射剤の精製に用
いるもの,又はこれを容器に入れて滅菌したものが
ある。 

water for injection 

1100 手洗用滅菌水 

手術や無菌病室などで,主として手洗用に使用され,
生菌のない水。 

備考 製造法には,温度調整が可能な逆滲透圧

法,ろ過法,紫外線法などがあり,水道
法に規定する水道水以上の純度を要す
(水道法第4条並びに水質基準に関する
省令−平4.12.21−省令69)。 

微生物的な規格は,メンブランフィル

タ法で,1 000ml当たり生菌数0個を指標
とし,培養時間は48時間とする。なお,
サンプリングは15秒以上放流してから滅
菌容器に採水する。 

滅菌手洗水, 
滅菌水 

sterilized water for 

hand-scrubbing 

1101 細菌 

微生物の1種で原核生物に属し,単細胞で大きさは
1〜10μmで形状から桿菌,球菌,ラセン菌などがあ

る。 

bacteria 

1102 真菌 

微生物の1種で真核生物に属し,単細胞又は多細胞
で糸状菌(カビ)酵母,きのこ類などが含まれる。
真菌の大部分は胞子を形成する。 

かび 

fungi 

1103 殺菌 

微生物の生活力を奪い,生存している微生物を殺滅
すること。 

sterilization 

1104 滅菌 

熱,ガス,放射線,ろ過などによって物質中のすべ
ての微生物を殺滅,又は除去する。 

sterilization 

1105 消毒 

病原微生物を不活化したり,除去したりして,感染
が起こらないようにする。 

disinfection 

1106 封じ込め 

組換えDNA技術によって得られた組換え体が,一
般環境に伝ぱ拡散するのを防止する。 

備考 物理的封じ込めと生物学的封じ込めとが

ある。 

containment 

background image

11 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

1107 病原微生物 

人に感染し病気を起こす能力をもつ微生物。細菌,
真菌,マイコプラズマ及びウイルス,原虫類など。 

病原体 

pathogen 

1108 通常飼育動物 

SPF動物などのように微生物学的な制御がなされて
いるもの以外の飼育動物。 

conventional animal 

1109 SPF動物 

(えすぴーえふ
動物) 

特に指定された微生物・寄生虫がいない動物。 

備考 特に指定された微生物・寄生虫とは,一

般に病原性のあるものをさす。 

specific pathogenfree 

animal 

1110  コンベンショナ

ル動物 

微生物学的なコントロールがされていない動物。 

普通動物 

conventional animal 

1111 

無菌動物 

検出可能なすべての微生物・寄生虫がいない動物。 

備考 アイソレータに入れ無菌環境下で飼育さ

れる。 

germfree animal 

1112  ノトバイオート

動物 

保有する微生物・寄生虫のすべてが明らかになって
いる動物。 

ノトバイオート 

gnotobiote animal 

1113  バイオハザード 病原微生物,DNA組換え微生物などによる人への危

険・障害。 

備考 これらの微生物を取り扱う人に対するも

のと,一般公衆に対するものとがある。 

生物災害, 
生物危害 

biohazard 

1114  組織培養 

高等動植物の体では多くの組織・器官が統制がとれ
たシステムを形成しており,それぞれの機能を果た
している。この複雑な生体から目的とする組織,器
官を生体外に取り出し,培養器の中で生存させる。 

備考 特に,この過程で無菌操作は重要である。 

tissue culture 

1115  環境放出 

組換えDNAを開放系(野外)に放出する。 

備考 遺伝子組換え技術によって,改変した微

生物を用い環境汚染制御した微生物農業
として農業生産を高める。 

野外試験 

environmental release 

1116  生残菌数 

殺菌法又は滅菌法で,ある時間(又はある量)処理
した後に生き残っている微生物の数。 

生存菌数 

surviving organism 

count 

1117  初発菌数 

殺菌法又は滅菌法で処理する前に生きている微生物
の数。 

initial organism count 

1118  指標菌 

滅菌法に対して強い抵抗性を示し,滅菌条件の決定
や滅菌工程の管理などに用いられる微生物。 

蒸気滅菌法ではBacillus stearothermophilus(芽胞),

エチレンオキサイドガス滅菌法及び乾熱滅菌法で
はBacillussub tilis(芽胞)などが利用されている。 

indicator organisms 

for sterilization 

1119  生菌数 

ある試料中の菌の総数のうち,生きている細胞の数。 

備考 測定法はメンブレンフィルタ法,平板塗

抹法,混釈培養法及び最確数法などが常
用される。通常の微生物用培地を用いた
ときに増殖できる微生物のコロニー数。 

生細胞数 

viable cell count,  
counting bacteria-cell 

1120 死滅速度 

微生物を熱,化学薬剤,放射線などで処理したとき
の単位時間当たり死滅する微生物数。 

致死率 

reduction rate 

b) 管理 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2001 コンタミネーシ

ョンコントロー

限られた空間,製品などの内部,表面又は周辺につ
いて,要求される清浄度を保持するために必要とす

クリーン化技術管

理 

contamination control 

background image

12 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

ル 
(清浄度管理) 

るあらゆる事柄について,計画を立て,組織し,実
施する。 

2002 環境管理 

環境の状態を良好に保つために必要とする事柄に
ついて計画を立て,実施する。 

environmental 

control 

2003 管理区域 

空気,ガス又は液体中の汚染物質についてコンタミ
ネーションコントロールが行われ,要求される清浄
度が保持されている閉鎖区域。動物実験施設ではバ
リヤー区域という。 

controlled area, 

barriered area 

2004 浮遊微粒子管理

区域 

空気中の浮遊微小粒子に対するコンタミネーショ
ンコントロールが行われる区域。 

備考 この区域にはクリーンルームの出入口及

び物品の搬入口も含める。 

particle controlled 

area 

2005 清浄作業区域 

清浄化した空気によって,囲まれている作業区域。  

clean work area 

2006 汚染負荷量 

単位時間に空気清浄装置又は液体ろ過装置に流入
する汚染物質の量。 

air cleaning load, 

contamination load 

2007 一方向流 

限られた区域内で,平行な流線に沿って一方向に一
様な速度で動く空気の流れ。 

層流 
整流 

unidirectional airflow 

2008 非一方向流 

限られた区域内で,方向が定まっていない乱れた空
気の流れ。 

非層流, 
非整流, 
乱流 

non-unidirectional 

airflow 

2009 クリーンルーム

利用状態 

クリーンルーム中の空気清浄度,気流速度などの評
価項目を測定する場合の,クリーンルーム内の製造
装置などの設置状況,及び運転状況によるクリーン
ルームの利用されている状態の分類。 

備考 これにはa)施工完了時,b)製造装置設置

時,及びc)通常運転時の3種類がある。 

cleanroom 

operational phase 

1. as built 
2. at rest 
3. operational 

2010 清浄度レベル 

特定のある場所,又はある容積中に存在する汚染物
質の量若しくは粒子の大きさ別の数によって,格付
けされた清浄度の程度。 

cleanliness level 

2011 清浄度クラス 

清浄度レベルを等級分けする。 

備考 例えば,粒子濃度についての等級付けは,

粒径別の粒子濃度の程度によって決定さ
れる。JIS B 9920では清浄度クラスを1 m3
の空気中に含まれる粒径0.1μm以上の微

小粒子数を10のべき乗で表したべき数で
表し,クラス1〜クラス8に分類してい
る。 

クラス 

cleanliness class 

2012 管理清浄度 

クリーンルームの使用者が製品,又は対象物のコン
タミネーションコントロールの観点から定めたク
リーンルーム稼働中における管理のための清浄度。 

cleanliness control 

level 

2013 クリーンルーム

要員 

クリーンルームを所定の清浄度レベルに保持し,所
定の生産が可能になるように管理する責任がある
クリーンルームの専門家,及びクリーンルーム内で
働く作業員。 

cleanroom personnel 

2014 更衣 

クリーンルームの入退室者が,脱衣室において清浄
作業区域清浄度クラスに対応したクリーンルーム
用衣服を定められた手順に従って,着用又は脱衣す
る。 

ガウニング 

gowning,  
clothing change 

(gowningsystem) 

2015 気流速度 

室内の対象とする位置における,一定時間内の気流 

airflow velocity 

background image

13 

Z 8122 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

平均速度。 

2016 気流速度一様性 室内の対象域の各測定点における,気流の平均風速

の空間的ばらつきの大きさ。 

airflow uniformity 

2017 気流平行性 

室内に単一一方向流の気流方向の平行の程度。 

備考 設計気流方向とのずれ角度で表す。 

airflow parallelism 

2018 室内圧力 

室内の気圧。 

備考 室内と外気,又は隣室との差圧で示すこ

とが多い。 

room pressure 

2019 清浄度回復能 

クリーンルーム内に考え得る最大量の汚染物が入
り込んだり発生したときに,清浄度が規定の清浄レ
ベルに戻るまでに要する時間。 

cleanliness recovery 

characteristic 

2020 誘引漏れ 

構造物の継目又は配管とパネルとの継手などを通じ
て誘引された空気によって,作業用空間に微小粒子
が侵入する現象。 

induction leakage 

2021 漏れ試験 

HEPAフィルタ又はULPAフィルタの接着部,及び
ろ材とその支持枠との接合部などからの局部漏れ
試験。 

備考 試験体の上流側に試験粒子を供給し,光

散乱式濃度計,又は光散乱式自動粒子計
数器法で漏れの有無を測定する。上流側
にランプを当て下流側で目視によって試
験する方法を含む。 

リーク試験 

leakage test 

2022 走査漏れ試験 

HEPAフィルタ若しくはULPAフィルタの面のピン
ホール,フィルタと取付枠との接着部,フィルタ取
付枠間の接合部,又はろ材と支持枠との接合部など
からの局部漏れ試験。 

備考 試験体の上流側に試験ダスト粒子を供給

し,下流側に透過する空気中の粒子をサ
ンプリングするためのプローブをフィル
タ全面走査することによって,漏れの有
無及びその位置を調べる試験方法で,粒
子の測定には,光散乱式濃度計などを用
いる。 

scanning leakage test 

2023 部分走査漏れ試

験 

HEPAフィルタ又はULPAフィルタの下流側の,例
えば,フィルタと支持枠との接合部などの走査漏れ
試験。 

備考 対象とする局部の中の一部分について走

査漏れ試験と同様の方法で行う。 

partial scanning 

leakage test 

2024 フィルタ現場試

験 

HEPAフィルタ又はULPAフィルタを設置した現場
で,フィルタに生じたピンホール又はフィルタの取
付け不良などによって生じる漏れの有無を調べる試
験。 

備考 漏れの有無の検出にはDOP粒子などを

用いる。 

in-place filter test 

2025 クリーンルーム

空気清浄度試験
方法 

クリーンルームの空気清浄度が清浄度クラスに規
定されている条件に適合しているかどうか確認する
ため,クリーンルーム中の浮遊微小粒子の濃度を測
定し,空気清浄度を評価する方法。 

備考1. 浮遊微小粒子の濃度測定方法には散光

cleanroom 

cleanliness test 
method 

background image

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

乱式濃度計数器法,凝縮核粒子計数器
法などがある。 

2. 評価方法には正規の評価方法及び逐次

サンプリング評価方法がある。 

2026 メンブレンフィ

ルタ法 

多孔質の合成樹脂製膜フィルタ(孔径,0.22〜
0.45μm)を用い,液体,空気中の除じん,除菌程度

を計る方法。このほか,滅菌済みメンブランフィル
タを用い試料中の微生物を捕集し培養する方法があ
る。この方法は試料の量的制約や発育阻止物質の影
響も少なく精度の高い生菌数測定法である。 

ろ過集菌法, 
除菌法 

membrane filter 

method 

2027 液状培地段階希

釈法, 
MPN法 

生菌数測定法の一つ。低汚染試料の生菌数測定に適
している。 

最確数法 

most probable 

number method 

(MPN method) 

2028 正規の評価方法 クリーンルームの空気清浄度の評価方法で,各測定

点の浮遊微小粒子濃度のばらつきを考慮した評価
方法。 

備考 クリーンルーム中の各測定点の浮遊微小

粒子の平均濃度及び各測定点の平均濃度
の平均の上側信頼限界がその清浄度クラ
スの上限濃度以下である場合,クリーン
ルームをその清浄度クラスであると評価
する。 

normal air cleanliness 

evaluation method 

2029 逐次サンプリン

グ評価方法 

クリーンルームなどの空気清浄度の簡易な評価方
法であって,一定量の空気を逐次サンプリングし,
そのサンプリング空気中に含まれる微小粒子の累
積個数をその都度,判定基準(JIS B 9920では逐次
サンプリング評価線図)と比較して,その清浄度ク
ラスへの適合,不適合,又はサンプリング続行の判
定をし,適合又は不適合が判定された時点でサンプ
リングを終了する評価方法。 

sequential sampling 

air cleanliness 
evaluation method 

2030 定格流量 

流体を処理する装置,ユニットなどにおいて製造業
者が保証する最大流量。 

rated quantity of flow 

2031 前面風速 

空気清浄装置などの流入面に対する法線風速。 

面風速 

face velocity 

2032 線速度 

処理すべき流体が反応容器内を通過する速度。 
流量を容器断面積で割った値。 

LV値 

linear velocity 

2033 空間速度 

ガス除去用フィルタなどにおける反応容器とガス
供給速度との関係を表す概念。規定された条件にお
ける,供給流量を反応容器の体積で割った値。 

SV値 

space velocity 

2034 空間時間 

空間速度の逆数。 
規定された条件において計量された反応器容積に相
当するガスを処理するのに必要な時間。 

滞留時間 
 ST値 

space time 

2035 圧力損失 

空気清浄装置などの上流側と下流側との全差圧。 

pressure loss 

2036 粒子捕集率 

空気清浄装置などにおいて,それを通過する気体中
の粒子を捕集する効率。空気清浄装置などを通過す
る前後の粒子濃度をそれぞれC1,C2とするとき 

1

2

1

C

C

C−

=

η

で定義する。粒子濃度測定法によって値が異なる。

ηの100倍値の%で示すこともある。 

粉じん捕集率, 
粉じん除去率 

particle collection 

efficiency, 

particle removal 

efficiency 

background image

15 

Z 8122 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2037 部分捕集率 

ある粒径範囲の粒子に対する粒子捕集率。 

partial particle 

collection 
efficiency, 
ractional efficiency 

2038 透過率 

空気清浄装置などの下流側の粒子濃度に対する上
流側の粒子濃度の比。普通Pで表し,粒子捕集率η
との間にP = (1−η) の関係がある。 

penetration efficiency 

2039 最大透過率径 

空気清浄装置などにおいて最大の透過率を示す粒
径。 

最多透過率径, 
最多透過径 

maximum penetrating 

particle diameter 

2040 粒子保持容量 

空気清浄装置の圧力損失又は粒子捕集率の最終性
能に達するまでに,空気清浄装置が捕集した粒子の
質量。 

粉じん保持容量 

dust holding capacity 

2041 ガス除去率 

ガスを吸着又はその他の作用で除去する空気清浄
装置において,それを通過する気体中に含まれるガ
スを除去する効率。空気清浄装置の上流,下流のガ
ス濃度をそれぞれC1,C2とするとき 

1

2

1

C

C

C−

=

η

で定義する。ηの100倍値の%で示すこともある。 

gasremoval 

efficiency 

2042 ガス除去容量 

ガス除去用空気清浄装置のガス除去率が最終性能
に達するまでに除去したガスの容量。 

備考 空気清浄装置1個当たりの除去したガス

の体積。 

gas removing 

capacity 

2043 清浄化 

コンタミネーションコントロールの分野では,必要
な清浄度レベルを得るために汚染物質を除去する
行為。 

備考 清浄化のためにはろ過,洗浄,すす

ぎなどの方法を用いる。 

cleaning 

2044 機械的清浄化 

タンブル,サンドブラスト,研削ワイヤブラシなど
の機械的方法によって行う表面の清浄化。 

mechanical cleaning 

2045 物理的清浄化 

清浄空気又は清浄高圧ガスを吹き付けたり,電子
線・光などの物理現象を用いて行う清浄化。 

physical cleaning 

2046 火炎清浄化 

火炎によって行う表面の清浄化。 

flame cleaning 

2047 洗浄 

一般に液体を用いて汚染物質を化学的に溶解し,又
は機械的に除去すること。 

wet cleaning 

2048 前洗浄 

精密洗浄を行う前,又は清浄作業区域に持ち込む前
に汚染物質の量をあらかじめ減少させること。 

preliminary washing 

2049 精密洗浄 

高度の清浄度レベルを得るために行う洗浄。 

precision cleaning 

2050 浸せき洗浄 

液に浸して行う表面の洗浄。 

dip washing, 
soak cleaning 

2051 薬液洗浄 

酸,アルカリ,溶剤などを用いて化学的作用によっ
て行う表面の洗浄。 

chemical cleaning 

2052 酸洗浄 

酸性溶液による表面の洗浄。 

acid cleaning 

2053 アルカリ洗浄 

アルカリ性溶液による表面の洗浄。 

alkali cleaning 

2054 溶剤洗浄 

溶剤による表面の洗浄。 

solvent cleaning 

2055 蒸気洗浄 

水蒸気又は各種薬品の蒸気による表面の洗浄。 

steam (vapor) 

cleaning 

2056 超音波洗浄 

超音波による表面の洗浄。 

ultrasonic cleaning 

background image

16 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2057 噴霧洗浄 

溶液などを吹き掛けることによって行う表面の洗
浄。 

spray cleaning 

2058 すすぎ 

洗浄した後に,乾燥によって固体表面に残留するお
それがある物質が溶解又は分散している液体を洗
い流す。 

rinsing 

2059 過酸化水素低温

プラズマ滅菌 

過酸化水素液(58%,約1.8ml)を滅菌槽に注入し,
ガス状に拡散させた後,高周波エネルギーを与え低
温プラズマ状態下で滅菌する新方式の滅菌法。 

備考 滅菌装置(滅菌槽容積50〜200l)を用い

温度45℃,湿度約10%RHの条件下で約
45〜105分で滅菌完了する。滅菌後に毒性
がある二次生成物の生成や残留はなく,
エアレーションは必要とせず滅菌物はす
ぐ使用できる。 

プラズマ滅菌の機序は,プラズマがイ

オン,電子フリーラジカルを含み,とり
わけヒドロキシルラジカル,ヒドロパー
オキシルラジカルが微生物に作用して死
滅させると考えられている。 

hydrogen peroxide 

low temperature,  

plasma sterilization 

2060 エックス線滅菌 高エネルギー電子が加速,減速又は強い電場,磁場

で偏向されたときに発生する短波長電磁波のうち,
原子核の近傍で減速されて放出される制動放射線
(エックス線)で,微生物を殺滅する方法。 

X線滅菌 

Xray sterilization 

2061 電子線滅菌 

電子加速器から放出される粒子放射線の1種である
高速電子で,微生物を殺滅する方法。 

備考 高エネルギー電子加速器として,

5-10MeVの電子エネルギーが使われてい
る。 

EB滅菌 

electron-ray beam 

sterilization 

2062 ガンマ線滅菌 

放射性物質の核遷移過程で発生する短波長電磁波
(光γ子)であるγ線で,微生物を殺滅する方法。 

備考 γ線の線源としてはコバルト60が主に使

われている。 

線滅菌 

gamma sterilization 

2063 乾熱滅菌 

空気をガスや電気で直接加熱したり,加熱空気を循
環させて,滅菌する方法。乾燥高温に耐えるガラス,
磁器,金属,鉱物油,粉末などに適用される。通常,
135〜145℃で3〜5時間,160〜170℃で2〜4時間,
180〜200℃では最高1時間とされる(日本薬局方)。 

dry heat sterilization 

2064 放射線滅菌 

電離放射線で微生物を殺滅する方法。 
具体的には,ガンマ線滅菌,電子線滅菌,エックス
線滅菌がある。 

radiation sterilization 

2065 高圧蒸気滅菌 

蒸気滅菌装置(オートクレーブ)を用い,内缶の排
気,加圧下の飽和水蒸気暴露,排蒸気,乾燥の各工
程を用いて行う滅菌法。作用温度は115℃及び
121℃,126℃ないし135℃の高温も利用される。 

オートクレーブ滅

菌 

moist heat 

sterilization,  

autoclaving,  
steam sterilization 

2066 エチレンオキサ

イドガス滅菌 

エチレンオキサイドガス(C2H4O : bp10.8°, m.p.−
11.3可燃爆発性)濃度500〜1 000mg/l,温度30〜
60℃,相対湿度30〜80%の滅菌条件下の専用装置を
用いて滅菌する方法。主として耐熱性のない医療用
具材料の滅菌に適す。E.O.の引火爆発を防止するた

酸化エチレンガス

滅菌, 

EO滅菌 

ehtylene oxide gas 

sterilization 

background image

17 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

めCO2ガスと混合して利用することが多い。また,
塩化ビニールなどは滅菌後残留濃度が高く,細胞毒
性を示す。さらに,発癌性物質でもある。 

2067 バイオロジカル

クリーン 

対象とする被汚染物の内部,表面及び周囲の空間に
おいて,微生物による汚染がない。 

備考 微生物汚染の清浄化は,ろ過,消毒薬な

どの手段による。 

バイオクリーン, 
微生物的清浄 

biological clean 

2068 バイオロジカル

インジケータ
(生物学的イン
ジケータ) 

滅菌法に対して強い抵抗性を示す微生物をろ紙片
などに接種し包装したもの。 
これらの目的は,滅菌条件が満たされたか否かを示
すもので滅菌効果確認に利用される。 

備考 (参照)指標菌 

生物学的モニター,
BI 

biological indicator 

2069 無菌空間 

微生物粒子を死滅させ又は取り除いた空間。 

備考 死滅させた場合には,微生物粒子の残が

いをすべて除去する必要がある場合もあ
る。 

sterilized space, 

microbial free 
space 

2070 滅菌工程 

生きている微生物が存在しない状態を被滅菌物に作
り出す一連の工程。 

sterilization process 

2071 不活化 

病原体に対し化学的処理,加熱,紫外線照射などに
よって感染性を失わせる。また,消毒薬剤の不活化
(消毒効果の消失)の意味にも用いる。 

備考 感染性を失わせた病原体を不活化ワクチ

ンと呼ぶ。 

inactivation 

2072 常在細菌そう

(叢) 

健常人の鼻こう,いん頭,口くう,大腸,皮膚,ち
つなどには多種類,多数の微生物が生息,定着して
いる。これを常在(正常)細菌そうと呼ぶ。これら
の微生物は通常は人に害を与えず,むしろ病原菌の
侵入,定着を防いでいる。 

正常細菌そう 
(定住菌) 

normal bacterial flora 

2073 GMP 

(じーえむぴ
ー) 

“医薬品・医療用具などの製造管理及び品質管理に
関する規則”の対応英語の略称。 

備考 医薬品について,優れた品質の製品を製

造するために必要な製造所の建物,設備,
製造管理及び品質管理の全般にわたっ
て,医薬品・医療用具の製造に当たるも
のが守らなければならない要件を定めて
いる医薬品工業以外の工業分野でも,バ
イオロジカルクリーンの目的のために準
用できる。 

good manufacturing 

practice 

2074 GLP 

(じーえるぴ
ー) 

“医薬品・医療器具などの安全性試験の実施に関す
る規則”の対応英語の略称。 

備考 各種安全性試験の信頼性確保のために必

要な試験データ及び試験の概要について
の規定。 

医薬品工業以外の工業分野でもバイオ

ロジカルクリーンの目的のために準用で
きる。 

good laboratory 

practice 

2075 SOP 

(えすおーぴ
ー) 

GMP又はGLPに対応するために製造業者が定める
“標準操作手順書”の対応英語の略称。 

備考 操作手順として無菌室への入退室手順,

standard operating 

procedure 

background image

18 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

施設,設備及び機器の定期点検項目,清
掃,消毒,滅菌方法などが規定されてい
る。 

2076 バリデーション GMPにおける品質確保のためのシステムで,製造

工程・方法を科学的根拠及び妥当性をもって設計し,
それが所期の目的どおり機能していることを検証す
る。 

validation 

2077 バイオバーデン 被滅菌物に生存する微生物の数と種類。 

細菌汚染負荷 
初期負荷菌数 

bioburden microbial 

load 

2078 滅菌バリデーシ

ョン 

滅菌にかかわる製造所の構造設備並びに手順,工程
その他の製造管理及び品質管理方法が期待される結
果が与えられることを科学的に検証し,文書化とす
ることによって,目的とする品質に適合する滅菌製
品を恒常的に製造できるようにする。 

滅菌工程の検証 

validation of 

sterilization 

2079 組換えDNA 

DNA又はDNA断片を,酸素などで人為的にベクタ
ーに組み込んで得られるハイブリドDNA。 

recombinant DNA 

2080 組換えDNA実

験指針 

組換えDNA実験の安全性を確保することを目的と
した実験指針。宿主−ベクター系の危険度に応じた
封じ込めレベルなど,また,安全対策のための組織
化などが示されている。科学技術庁と文部省が運用
する二つの指針がある。 

guidelines for 

recombinant DNA 
experiment 

2081 組換えDNA技

術工業化指針 

組換えDNA体を利用する工業化のための指針。 
遺伝子組換えを利用したプラントレベルの製品化に
おいて組換え体が一般環境中に漏えいするバイオ
ハザードの防止と,組換え技術を利用して生産した
製品そのものの安全性を確保するための指針であ
る。通商産業省が運用する(昭和61年6月通商産業
省告示)。 

備考 このほかに次の指針が運用されている。

組換えDNA技術応用医薬品等の製造の
ための指針(昭和61年12月厚生省薬務
局長通知)農林水産分野等における組換
え体の利用のための指針(平成元年4月
農林水産事務次官通達)組換えDNA技術
応用食品・食品添加物の製造指針及び組
換えDNA技術応用食品・食品添加物の安
全性評価指針(平成3年12月厚生省生活
衛生局長通知)。 

guideline for 

industrial 
application of 
recombinant DNA 
technology 

2082 病原微生物危険

度 

感染性,毒性の強弱及び治療法の有無などを考慮し
て分けられた病原微生物の危険度。分類基準として
はアメリカCDC (Center for Disease Control) のもの
と国立感染症研究所のものとがある。 

classification of 

pathogen 

2083 生物学的封じ込

め 

組換えDNA実験で,実験室外で生存しにくい宿主
−ベクター系を用いることによって,組換え体の環
境への伝ぱ,拡散を制限する。 

備考 物理的封じ込めと組み合わせることによ

って安全性を確保する。 

biological 

containment 

2084 生物学的封じ込

めレベル 

組換えDNA実験における生物学的封じ込めの程度
のレベル。 

biological 

contaminment 

background image

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Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

実験に用いる宿主−ベクター系の安全性の程度に
応じて,B1,B2の2種類がある。 

備考 B1は自然環境での生存能力が低く,ベク

ターの宿主依存性が高いもの(大腸菌の
EK1,酵母のSC1,枯草菌BS1など),B2
は,B1の条件を満たし,かつ,細胞の生
存能力が特に低く特殊な条件以外では,
24時間後の生存率が1億分の1以下,さ
らにベクターの宿主依存性が特に高いも
の(大腸菌EK2など)と定義される。 

level 

2085 物理的封じ込め 病原微生物を対象とする研究や,組換えDNA実験

を行うに当たり,人や環境を汚染するバイオハザー
ドを防止するため,原病微生物やDNA組換え体を
局所的に一定空間に封じ込める。 

備考 生物学的封じ込めと組み合わせることに

よって,安全性を確保する。 

physical containment 

2086 物理的封じ込め

レベル 

病原微生物やDNA組換え体を局所的一定空間に封
じ込めるレベル。生物の危険度によって,P1〜P4ま
でのレベルが定められている。 

physical 

containmentlevel 

2087 宿主−ベクター

系 

組換えDNA実験では実験に用いる宿主とベクター
の組合せ。 

備考 大腸菌 (Escherichia coli) K12株とそのプ

ラスミド又はファージをそれぞれ宿主と
ベクターとするEK系,枯草菌 (Bacillus 
subtilis) 

Marburg168

株と

酵母

(saccharomyces cerevisiae) とそのプラス
ミドを用いるSC系などがある。 

組換えDNA実験を行うに当たり,生物

学的封じ込めレベルは宿主−ベクター系
の生物学的安全性の程度に応じてB1,B2
の二つのレベルが定められている。B1,
B2に属する宿主−ベクター系を認定宿
主−ベクター系としている。認定宿主−
ベクター系の詳細は組換えDNA実験指
針による。 

host-vector system 

2088 ベクター 

組換えDNA実験においては,制限酵母などによっ
て切断されたDNAの断片をつないで得られた宿主
細胞に異種のDNAを運ぶ自己複製DNA分子をい
う。 
 一般的には,ある宿主から他の宿主へ細菌,ウィ
ルス,寄生虫などを移す役目をする生物。 

備考 組換えDNA実験においては,プラスミド

又はウィルスのDNAが用いられ,前者を
プラスミドベクター (plasmid vector),後
者をウィルスベクター (virus vector) と
いう。 

これらは目的によって,DNA増幅を目

的としたクローニングベクター (cloning 
vector) と遺伝子の機能発現を目的とし

vector 

background image

20 

Z 8122 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

た発現ベクター(expression vector) に分け
られる。後者は転写に必要なプロモータ
ー部位や転写調節領域をもつ。また,酵
母と大腸菌,又は大腸菌と動物細胞など,
2種以上の宿主いずれでも複製可能なベ
クターをシャトルベクター (shuttle 
vector) という。 

2089 宿主 

組換えDNA実験においては組換えDNA分子が挿入
され,それを増殖させるのに利用される生物細胞を
いう。一般的に寄生性の動植物・微生物が寄生する
相手の生物。 

備考 組換えDNA実験のような実験条件下で

宿主となりうるものを実験宿主
(experimental host),これに対して自然界
にみられる宿主を自然宿主 (natural host)
という。一般的に医療分野では,病原微
生物による疾患の発生した患者をいう。 

host 

2090 無菌性の確認 

通例,無菌試験によって増殖可能な微生物の存在の
有無を確認する。 

備考 無菌試験は破壊試験であるために,無菌

試験を行わなかった製品の無菌性を保証
することはできない。製品ロットの無菌
性を保証するために,減菌性の確認が行
われる 

無菌試験法による

確認 

verification of 

sterility 

2091 無菌性保証水準 滅菌後の製品に微生物が生き残る確率の水準値。 

備考 無菌保証水準は一般的に“10-n”と表せ,

多くの滅菌製品ではn=6が採用されてい
る。n=6とは,滅菌バリデーションされ
ている滅菌工程で生産された製品に,1
個の微生物で汚染される可能性が1/1 000 
000以下の確率であることを意味する。 

滅菌保証レベル 

sterility assurance 

level, (SAL) 

2092 滅菌工程の設計 滅菌工程の研究開発段階時に,滅菌工程の有効性及

び安全性を立証するために行う設計計画立案。 

design for 

sterilization 
process 

2093 HACCP 

(えっちえーし
ーしーぴー) 

Hazard Analysis Critical Control Pointsの頭文字の略
語で,危害分析重要管理点と訳されている。アメリ
カで宇宙食の安全性を保証するために考案されたも
ので,食品などの製造における重要な工程を連続的
に監視することによって,個々の製品の安全性を保
証しようとする衛生管理方法。 

備考 HACCPは,危害分析,重要管理点,管

理基準,モニタリング,改善措置,検証,
記録の7原則から成り立つ。 

ハサップ, 
ハシップ 

hazard analysis 

critical control 
points 

2094 誤陽性 

菌試験無で誤って起こす陽性。その原因は 
a) 試験実施での人為的ミス, 
b) 菌数測定用培地の選択の差(メーカー,ロット

間で菌生育に差が認められることがある。) 

c) 製品製造の精度より滅菌バリデーションの試験

精度の方が劣る場合など。 

偽陽性 

false positive 

background image

21 

Z 8122 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

備考 誤陽性の場合には繰返し試験を行うこと

になる。 

2095 パラメトリック

リリース 

製品サンプルの無菌試験の結果又はバイオロジカ
ルインジケータの培養結果によらず,滅菌工程の物
理的及び化学的データに基づいて,製品の無菌性を
保証する。 

parametric release 

2096 コロニー形成単

位 

コロニー計数法における細菌の作る1個の集落。生
菌数の測定法によって単一生細胞が1個のコロニー
集落を形成するという前提に基づいているが,細菌
によっては細胞塊を作ったり,異種細菌が隣接して
発育して1個のコロニー形成をみることがある。こ
のため,得られた菌数をコロニー形成単位として表
現することが多い。 

集落数, 
コロニー 

colony forming units   

(CFU) 

c) 測定・分析 

1) 共通 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3001 粒子濃度測定法 粒子濃度を測定する方法。 

備考 質量濃度測定法,個数濃度測定法,相対

濃度測定法などがある。 

particle concentration 

measurement 
method 

3002 質量濃度測定法 標準状態(JIS Z 8103参照。)にある単位体積の試料

中の浮遊微小粒子をろ過,衝突又は沈降によって捕
集し,質を測定して濃度を求める方法。 

備考1. 捕集する粒径の上限を規定する必要が

ある。 

2. ひょう量は精密天びんによるほか,圧

電振動子の振動数変化度,放射線の透
過減衰度から求める方法などがある。 

質量法, 
重量法 

mass concentration 

mesurement 
method 

3003 個数濃度測定法 標準状態にある単位体積の試料中の浮遊微小粒子

を個別に検出し,総個数から濃度を求める方法。 

備考 検出する粒径の下限を規定する必要があ

る。粒子の検出は捕集固定し,顕微鏡に
よる方法及び浮遊状態のまま粒子の光散
乱現象,光遮断現象などを利用して行う
方法がある。 

計数法 

number concentration 

measurement 

3004 相対濃度測定法 質量濃度又は個数濃度に対応する適当な物理量,例

えば光散乱式濃度計で検出する複数粒子の散乱光
量などによって間接的に質量濃度又は個数濃度を
推定する方法。 

備考 直接,質量又は個数を測定する方法では

ないが,相互に関係をもつ量による測定
方法であることから,相対濃度測定法と
いう。 

相対法 

relative concentration 

measurement 
method 

3005 現位置測定法 

気体又は液体中に浮遊,溶解,混合したり,土壌,
粉末状物質中に混入又は固体表面に付着している
汚染物質を現位置において測定する方法。 

その場測定法 

in-situ measurement 

method 

background image

22 

Z 8122 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3006 捕集測定法 

試料中に浮遊又は懸濁している粒子状汚染物質を,
できるだけ原状を損なわないように捕集固定し,濃
度を求める方法。 

collection trapping 

method 

3007 ろ過捕集法 

粒子状汚染物質と試料媒質とを分離できる繊維又
は微細な穴をもった薄膜などのろ過層を通して試料
を吸引し,ろ材に粒子状汚染物を捕集する方法。 

filtration method 

(filtrate sampling 
method) 

3008 光散乱式自動粒

子計数器法 

レーザなどの強い光ビームと,細く乱れがない試料
流を交差させ,試料中の粒子1個1個の散乱光を光
電素子に集光し,パルス状電気信号に変換する。パ
ルスの個数と波高値から,その粒子数と粒径を求め
る方法。 

備考 空気用と液体用とがある。 

(JIS B 9921及びJIS B 9925参照。) 

パーティクルカウ

ンター法 (OPC 

LPC method) 

light scattering 

automatic particle 
counter method 
particle counter 
method 

(OPC, LPC method) 

3009 光遮断式粒子計

数器法 

一対の光源と受光器との間に試料を細い流れにして
通過させ,個々の粒子が光線を遮ることによって生
じる受光器の光量減少量を検出,その回数と大きさ
とから粒子数及び粒径を求める方法。 

備考 主に液体中に浮遊する粒子を対象とす

る。 

light extinction 

particle counter 
method,  

light blocking 

particle counter 
method 

3010 光散乱式濃度計

法 

試料中に浮遊している多数の浮遊微小粒子へ同時
に光線を照射し,その全散乱光量又は照射光が試料
中を透過する際減衰する度合いから粒子濃度を測
定する方法。 

ホトメータ法 

aerosol photometer 

method,  

aerosol 

nepholom-eter 
method 

3011 表面付着粒子濃

度測定法 

固体の表面に付着した粒子状汚染物質の単位面積
当たりの個数を,顕微鏡,細く絞った光線の反射量
変化などによって測定する方法。 

surface particle 

concentration 
measurement 
method 

3012 顕微鏡粒子濃度

法 

試料中に浮遊している粒子状汚染物質又は微生物
粒子を清浄で平たんな物質の表面に捕集固定し,各
種の顕微鏡を用いて個数及び個々の粒子の大きさ
を測定する方法。 

顕微鏡法 

microscopic method 

3013 クロマトグラフ

分析法 

混合成分からなる試料を固定相に接して流れる移動
相に載せ,固定相と移動相に対する成分の特性の差
によって分離を行う方法。移動相には気体(ガスク
ロマトグラフ)又は液体が用いられる。 

ガスクロマトグラ

フィー 

chromatography 

(CG) 

3014 全反射蛍光X線

分析法 

全反射が起こるように0.1度以下の極めて低角度で
試料面にX線を照射し,表面に存在する金属から励
起されて発生する蛍光(特性X線)スペクトルを検
出して金属の定性・定量分析を行う分析法。 

備考 X線を全反射させることによってバック

グランドの影響が小さくなり,検出感度
が高まる。 

total reflection X-ray 

fluorescence 
method,  

(TXRF) 

3015 粒子線励起X線

分析法 

試料に加速した陽子又はα粒子ビームを細く絞って

照射し,試料成分元素から放出される特性X線を半
導体検出器で検出波高分析するか,又は回析結晶で
分光し,分析する方法。 

particle induced  
X-ray emission 

spectroscopy,  

(PIXE) 

background image

23 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3016 エネルギー分散

形X線分析法 

電子ビームを試料に照射して,試料から発生した特
性X線を検出器で受け,X線エネルギー値(パルス
高に対応)の違いによって,X線を分光し,元素の
同定を行う方法。 

備考 通常SEMに組み込んで使用する走査形

電子顕微鏡。 

energy dispersive  
X-ray spectroscopy,  
(EDX) 

3017 誘導結合形プラ

ズマ分析法 

アルゴンなどの不活性気体と噴霧状態にした試料と
の混合物を高周波コイルの軸に沿って流し,高周波
電磁波による誘導プラズマを作り試料を蒸発イオン
化する。その際の発光状態から元素の定量又は定性
分析を,又は四重極質量分析器などで微量元素の定
量分析を行う方法。 

inductivery coupled 

plasma emission 
spectrochemical 
analysis,  

(ICP) 

3018 フレームレス原

子吸光分析法 

試料を熱によって原子状の蒸気に解離させ,これに
光源(中空陰極放電管など)からの光を導き,特定
の単色共鳴線の光の強度を測定し,試料中の元素の
分析を行う方法。加熱のためにフレーム(炎)を用
いず電気加熱方式と冷熱気方式とがある。 

flameless atomic 

spectroscopy,  

(FLAA) 

3019 オージェ電子分

光法 

真空中で試料に電子線を当て,励起されたエネルギ
ーがこれより低位のエネルギー準位の電子に渡さ
れ,真空中に放出される電子(オージェ電子)を検
出することによって目的元素の濃度を分析する方
法。 

備考 オージェ電子の脱出深さは10原子層以下

のため,この分析法は極く薄い表面の分
析に適している。原子番号3番リチュー
ムから92番ウランまで適用される。 

Auger electron 

spectroscopy,  

(AES) 

3020 X線光電子分光

法 

Al,Mgの特性X線をプローブとして試料に照射し,
光電効果によって発生する光電子の運動エネルギー
を測定することによって,試料表面の元素の定量分
析及びその化学的結合状態を分析する方法。 

X-ray photoelectron 

spectroscopy,  

(XPS) 

3021 深準位過渡分光

法 

結晶に作られた接合にパルス電圧を順方向に加え,
深い準位にトラップされた不純物キャリアの熱的
放出による接合容量の過渡変化量を昇温させながら
測定し,局在準位を算出する結晶中不純物の検出法。 

deep level transient 

spectroscopy,  

(DLTS) 

3022 示差熱分析法 

表面に汚染物質が付着している熱的に安定な試料
及び熱的に安定で清浄な基準物質の周辺温度を,一
定速度で上昇あるいは下降させて生じる両者間の温
度差(示差温度)を連続測定し,大まかな汚染物質
の定性分析を行う方法。 

differential thermal 

analysis,  

(DTA) 

3023 マイクロ波誘導

プラズマ質量分
析法 

2 450MHz付近のマイクロ波電力で発生させたプラ
ズマ中にネブライザで噴霧された試料を送ってイオ
ン化させ,四重極質量分析計で元素を同定し,イオ
ン濃度から元素濃度を求める微量元素定量分析法。 

microwave induced 

plasma mass 
spectrometry,  

(MIP−MS) 

3024 大気圧イオン化

質量分析法 

大気圧下でイオン源(コロナ放電)によって試料ガ
スの主成分が一次イオン化され,これが減圧チャン
バ内で試料中の中性不純物をイオン化し,この不純
物イオンを質量分析計によって測定する方法。大気
下で,気体中の不純物を高い感度で定性定量分析で
きる。 

atmospheric pressure 

ionization mass 
spectrometry,  

(APIMS) 

background image

24 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3025 二次イオン形質

量分析法 

一次イオン(又は中性子)ビームを試料に照射した
ときに放出される二次イオンの質量分析法。 

備考 一次イオンビームを集束させ,局所元素

分析を可能にした装置をイオンマイクロ
プローブ質量分析計という。 

secondary ion mass 

spectrometry,  

(SIMS) 

3026 飛行時間形質量

分析法 

イオンをパルス状にして電場のない領域に入射さ
せ,飛行速度の違いによってイオンを質量・電荷数
に応じて分離する方式。 

time-of-flight mass 

spectrometry,  

(TOF−MS) 

3027 X線マイクロア

ナリシス電子プ
ローブ 
マイクロアナリ
シス 

試料面に照射した電子ビームによって発生する特性
X線分光によって,微小領域の組成を分析する方法。 

X-ray microanalysis,  
(XMA)  
electronprobe for 

microanalysis,  

(EPMA) 

3028 校正 

標準器,標準試料などを用いて計測器が表す値と真
の値との関係を求める(JIS Z 8103参照。)。 

calibration 

2) 空気 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3101 PSL粒子 

(ぴーえすえる
りゅうし) 

ポリスチレンラテックス (PSL) を材料とする極め
て粒径のそろった単分散固体粒子。分散液に分散し
たPSL粒子を噴霧乾燥などの方法によって生成す
る。 

備考 気体用及び液体用光散乱式自動粒子計数

器の粒径弁別機能の校正などに用いる。 

PSL粒子の屈折率は波長589nmに対し

約1.6。 

polystyrene latex 

particle 

3102 清浄度モニタ 

クリーンルーム,クリーンベンチなどの清浄作業環
境及び産業に使用する純水,薬液,ガスについて,
所定の清浄度レベルを維持しているかどうかを監
視するための装置。 

cleanliness monitor 

3103 ろ過サンプリン

グ装置 

清浄度検査などのために試料を吸引し,ろ材で粒子
状汚染物を捕集する装置。 

filtration sampler, 

filter sampler 

3104 走査形電子顕微

鏡 

細く絞った電子ビームで,試料表面上を二次元的に
走査して試料面上の微細構造を観察する装置。 

備考 試料の各走査点から放出される二次電子

を検出器で受けて増幅し,ブラウン管上
に表示する。 

この装置は,二次電子以外に放出され

る反射電子,オージェ電子,特性X線な
どを選別して試料の組成分析を行う装置
(X線マイクロアナライザー)の機能を
付加して用いられる場合もある。 

scanning electron 

microscope,  

(SEM) 

3105 走査形トンネル

顕微鏡 

電界放射電流が探針と試料間との距離に依存するこ
とを利用して,探針を試料表面上を走査させ,試料
表面の原子レベルの凹凸をトンネル電流変化に追随
する探針の動きから画像化する装置。 

scanning tunneling 

microscope,  

(STM) 

background image

25 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3106 レーザラマン顕

微鏡 

試料にレーザ光を照射し,発生する微弱なラマン散
乱光を検出,分光分析することで分子などのエネル
ギー状態に関する情報を得るもので,主に有機物の
組成解析に使用する装置。 

laser Raman 

microscope 

3107 フーリエ変換赤

外顕微鏡 

光を試料に照射し,透過又は反射した赤外光の2光
束干渉波をフーリエ変換することによって吸光度ス
ペクトルを求め,各吸収ピークを解析することで有
機物質などの微小部の分子構造情報を得る装置。 

Fouriertransform 

infrared 
microscope,  

(FT−IR) 

3108 衝突捕集法 

a) 試料気体を細い流れとし,衝突板に吹き付け,

面へ慣性衝突させ粒子状汚染物質を捕集する方
法。 

b) 試料気体を清浄液中で衝突板に吹き付け粒子状

汚染物質を懸濁液として捕集する方法。 

inertial impaction 

method 

3109 熱泳動法 

試料気体を温度こう配がある空間へ導き,温度差に
よって生じる浮遊微小粒子の運動現象の差違を利
用して,粒子状汚染物質を低温側固体表面に捕集す
る方法。 

thermal force settling 

method,  

thermophoresis 

method,  

thermal  
precipitator method 

3110 電気移動度法 

試料気体を乱れがない一様な流れにして静電場に導
き,荷電した浮遊微小粒子の電気移動度が,粒子の
ストークス径と荷電量とに依存することを利用した
測定法及び分級,発生器。 

備考 微分形 (DMA) と積算形 (EAA) とがあ

り,粒径が0.1μm以下の微小粒子に対し

て多く用いる。 

モビリティ法,
DMA法 

electrical mobility 

analyzer method,  

differential mobility 

analyzer method 

3111  凝縮核法 

気体の温度が急激に低下した場合,蒸気が過飽和状
態になって浮遊微小粒子を核として凝縮して液滴
に成長する現象を利用した粒子検出法。 

備考 断熱膨張形,加熱冷却形及び蒸気混合形

がある。 

CNC法 

condensation nucleus 

counter method 

3112 静電沈着法 

試料気体中に浮遊している粒子へ,正又は負いずれ
か一方の電荷を与えたうえ,電界空間へ導き,電場
及び荷電によって生じる粒子の運動現象を利用し
て一方の電極板上に捕集する方法。 

electrostatic settling 

method 

3113 表面付着粒子計

数器法 

鏡面状に研磨した平面基板(ウエハ)上にレーザ光
などの光線を照射し,付着した粒子状汚染物によっ
て生じる散乱光,回析光,偏光,蛍光などを検出,
個数及び粒径を求める装置によって付着粒子を計数
する方法。(JIS B 9924参照。) 

surface particle 

counter method 

3114 表面付着微生物

測定法 

表面に付着している微生物粒子をスタンプ法,ふき
とり法,真空吸引法などの方法で捕集し,微生物の
量・種などをしらべる測定方法。 

assay of surface 

microbe 

3115 分級装置 

空気中に浮遊している微小粒子をブラウン運動,遠
心力,慣性力,静電気力などによって,それぞれ定
義した粒径別に選別する装置の総称。 

備考 拡散バッテリ,アンダーセンサンプラー,

カスケードインパクタ,電気移動度分析
器などがある。 

classity apparatus,  
classification 

apparatus 

background image

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3116 拡散バッテリ 

気体中の浮遊微小粒子は気体分子の衝突によって
ランダムな動きを示し,粒径が小さいほど活発であ
るから,粒子を含む気体と物体表面との境界では粒
径が小さいほど早く固体表面に付着する。この現象
を利用し,試料気体を垂直に並べた平行平板間又は
細管・網目を通して微小粒子を粒径別に選別する装
置。 

diffusion battery 

3117 アンダーセンサ

ンプラー 

多数の細孔をもつ平皿と,狭い間隔でこれに対向さ
せた衝突板からなり,衝突板を多段に積み重ね,孔
径は下段ほど細くして,粒子を分級捕集する装置。 

備考 これに上段から下段へ向け試料気体を貫

流させると,流速が下段ほど高まるので
沈着捕集される粒径は小となる。微生物
用の場合は段数6段で,衝突板の下に培
地を静置する。 

Andersen sampler 

3118 カスケードイン

パクタ 

試料気体を細かいノズル又はスリットから平板に向
かって吹き付け,慣性力によって粒子を平板上に沈
着させる装置。 

備考 平板を数段直列に接続し,ノズル径又は

スリット幅を順次狭め気体の流速を高
め,粒子分級捕集を行う。計測器として
も利用する。 

cascade impactor 

3119 静電サンプラ 

試料気体中の浮遊微小粒子を顕微鏡によって直接
観察するための粒子捕集装置。 

備考 装置の前段で吸引した気体中の粒子に荷

電し,後段で静電界によるクーロン力で
捕集固定する。 

electrostatic dust 

sampler 

3120 サーマルプリシ

ピテータ 

熱泳動法による浮遊微小粒子捕集装置。 

備考 この装置による捕集効率は,0.01μmから

10μm程度の粒子については100%近いと

いわれているが,揮発性,可燃性粒子に
は適用できない。 

thermal precipitator 

3121 DOP粒子 

(でぃーおーぴ
ーりゅうし) 

DOP (dioctyl phthalate) によって生成された試験用
液滴粒子。 

備考 原液を加圧空気によって霧状にする加圧

分散法と,原液を加熱,発生した蒸気を
冷却,凝縮する蒸気凝縮法とがある。 

DOP particle 

3122 DOS粒子 

(でぃーおーえ
すりゅうし) 

DOS (dioctyl sebacate) によって生成された試験用液
滴粒子。 

備考 DOP粒子の代替物で,人体への影響が少

ないといわれている。 

DOS particle 

3123 試験用粒子 

空気清浄装置の性能試験に用いる基準となる粉体
及び粒子。 

備考 JIS Z 8901では試験用粉体1,2(計28種

類)及び試験用粒子1,2(計14種類)を
決めている。 

test particle 

background image

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3124 試験用粒子発生

器 

エアフィルタの捕集率試験又はエアロゾル測定器
の性能試験・機能校正を行う目的で,既知性状の微
小粒子を清浄空気中へ一定濃度のアエロゾルとな
るよう連続して供給する装置。 

備考 主な方式として粉末状の試験用粒子を飛

散させる方法,DOP・DOSなど液状物質
を液体粒子として分散する方法,PSL粒
子を清浄水中懸濁し噴霧乾燥する方法な
どがある。液滴粒子は,加熱し,蒸気の
凝縮によって粒子化する方法と,室温状
態のまま加圧気体によって噴霧するラス
キン形ノズル方式とがある。 

testing particle 

generator 

3125 無菌試験法 

菌試験用培地(細菌用,真菌用)で培養し,増殖し
得る微生物の有無を試験する方法。無菌試験法によ
って試験を行うことが規定されている場合は,直接
法によって試験を行う。100ml以上の輸液や眼軟膏
剤などはメンブレンフィルタ法で試験する(日本薬
局方)。 

備考 無菌試験用培地には液状チオグリコール

酸培地,ソイビーン・カゼイン・ダイジ
ェスト培地などがある。 

無菌試験 

sterility test 

3) 水・薬液 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3201 FI値 

(えふあいち) 

膜装置への供給水の汚れを定量化した指標で,孔径
0.2μm,直径47mmの精密ろ過膜を用い,圧力

0.206MPaで500mlろ過する時間 (T0),ろ過開始後
15分間継続ろ過し,再度500mlをろ過する時間 (T15) 
を測定し,次の式で求められる値。 

15

100

1

15

=

T

T

FI

fouling index  
(slitdensity index) 

3202 液体用光散乱式

自動粒子計数器 

光散乱式自動粒子計数器で,液体試料中の粒子を測
定するため,試料へ光線を照射する流路部分に透明
な管(フローセル)を用いる構造の装置(JIS B 9920
参照。)。 

備考 ふっか化水素酸等腐食性の強い薬液に耐

えるよう作られている。 

パーティクルカウ

ンタ 

light scattering 

automatic particle 
counter for liquid 

3203 微量シリカ濃度

分析計 

超純水中のイオン状シリカを測定する計器。 

備考 イオン状シリカとモリブデン酸アンモニ

ウムとの反応による発色を吸光度として
測定する。 
測定範囲は0.1〜10μgSiO2/l。 

sillica analyzer trace 

3204 微量溶存酸素計 超純水中の微量溶存酸素を測定する計器。 

備考 隔膜極電法が主として用いられる。 

測定範囲は0〜20〜200μg/l。 

trace dissolved 

oxygen analyzer 

3205 導電率計 

溶液中に含まれる伝導性物質(イオンなど)量を測
定する計器。 

備考 石英ガラスと白金からなる電極を用いて

電気伝導度計 

conductivity meter 

background image

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

測定する。 
単位μs/cm又はms/cmで表す。比較的純

度の低い水の測定に用いる。 

3206 濁度計 

水中の濁度を測定する計器。 

備考 透過光,散乱光法などがある。 

試料を透過光,又は試料から散乱した光
の波長660nm付近の光強度を測定し,カ
オリンなどの標準液と比較して定量す
る。 

turbidity meter 

3207 pH計 

(ぴーえっちけ
い) 

溶液中の水素イオンH+濃度を測定する計器。 

備考 石英ガラスと白金からなる電極を用い電

位差を測定して1l中の水素のグラムイオ
ン数を求め,その逆数の常用対数を取り
pH値とする。pHが7より小さいときを
酸性,大きいときをアルカリ性という。 

pH meter 

3208 残留塩素計 

塩素剤が水に溶けて生成する次亜塩素酸,及びアン
モニアと結合して生じるクロロアミンを測定する計
器。 

備考 O−トリジン法とDPD(N,N−ジエチル-P

フェニレンジアミンアンモニウム)法が
あり,残留塩素標準比色液と比較して定
量する。 

residual chlorine 

meter 

3209 比抵抗計 

内極と外極とからなる測定電極に温度測定素子を内
蔵した電極セルを用い,溶液の抵抗を測定し,イオ
ン状物質量を測定する計器。 

備考 純度の高い水の測定に主として用いら

れ,値をMΩ・cmで表示する。 

抵抗率計 

resistivity meter 

3210 TOC計 

(てぃーおーし
ーけい) 

水中に溶けている有機物を炭素濃度として測定する
計器。 

備考 湿式又は乾式の各酸化方法で有機物を酸

化分解して炭素ガス濃度を測定する方法
と,紫外線酸化して導電率の変化から求
める方法とがある。 

全有機炭素計 

totalorganic carbon 

analyzer,  

total  
oxidized carbon 

analyzer 

4) ガス 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3301 カラム 

吸着剤(固定相)をガラス製円筒に均一に充てんし
たもの。ガスクロマトグラフでは内面に固定相の保
持されているキャタピラー状のカラムが用いられ
る。 
 上端の入口から移動相(混合試料)を流すと各成
分は吸着性能によって移動速度に差が生じ,分離が
行われる。 
 この分離法をクロマトグラフィーと呼ぶ。溶剤が
気体である場合をガスクロマトグラフィーという。 

column 

3302 ガスクロマトグ

ラフ質量分析法 

混合物の分離定量と定性分析とを一体化した分析
法。 

備考 分離定量にはガスクロマトグラフ(測定

原理はクロマトグラフ法を参照)を,定

gas chromatography 

mass spectroscopy, 

(GG−MS) 

background image

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Z 8122 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

性分析には質量分析計を用いる。質量分
析計では,ガスクロマトグラフで単離さ
れた試料分子に数+eVの電子線で衝撃
することによってイオン化し,生成した
イオンを磁場などに導き,質量数によっ
て分離する。質量数を横軸に取り,その
イオン量を縦軸に表した質量スペクトル
から試料分子を推定する。 

3303 露点計 

露点を用いて試料気体の湿度を測定する装置。 

備考 気体中で物体を冷却し表面に結露が観察

された状態における表面温度を表示する
ようになっている。 

dew-point 

hygrometer 

3304 差圧計 

2点間の気圧差を測定する装置。 

備考 主としてU字管形,傾斜形,ダイアフラ

ム形を用いるが,半導体ひずみゲージに
よる電気的な測定器もある。 

マノメータ 

differential pressure 

gauge 

5) 微生物 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3401 コロニー計数法 単一の微生物が,培養容器又は固体培地の表面,若

しくは内部に,増殖し独立した集落を形成したもの
をコロニーといい,ある特定の培養条件下で形成さ
れるコロニーを計数することによって,対象とする
微生物数を測定する方法。 

備考 単位はコロニー計数単位CFU (colony 

forming unit) を用いる。 

colony counting 

3402 空中浮遊微生物

測定法 

空気中の微生物粒子を固型培地,液体培地,フィル
タなどに捕集し,微生物の量・種などを調べる測定
方法。 

浮遊菌測定法 

assay of airborne 

microbe 

3403 落下細菌測定法 一定面積の寒天培地,金属片などを一定時間静置

し,これらの上に自然落下した細菌の量・種などを
調べる測定方法。 

落下法, 
コッホ法 

settle plate 

3404 ふきとり法 

表面付着微生物の一測定方法で,生理食塩水などで
湿らせた脱脂綿などを用いて,一定面積をふきと
り,付着した微生物の量・種などを調べる測定方法。 

swab test 

3405 寒天平板混釈法 希釈した試料の一定量を45℃に保った寒天培地と

混合し,シャーレの中で固まらせ培養し,発育した
コロニー形成単位と希釈倍数とから元の試料中の
生菌数を測定する方法。比較的汚染度の高い試料に
適している。 

混釈平板法 

petri-plate method 

3406 インピンジャー

法 

浮遊微生物の一測定方法で,液体培地を用いて空気
中の微生物を捕集し,微生物の量・種などを調べる
測定方法。 

impinger 

3407 スリットサンプ

ラ 

浮遊微生物の一測定方法で,スリットを通して空気
中の微生物を固型培地上に捕集して,微生物の量・
種などを調べる測定方法。 

slit sampler 

3408 ピンホールサン

プラ 

浮遊微生物の一測定方法で,ピンホール用の小さな
穴を通して空気中の微生物を固型培地上に捕集し,
微生物の量・種などを調べる測定方法。 

pinhole sampler 

background image

30 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3409 ロダック板 

表面付着微生物の一測定方法で,一定面積の固型培
地(ロダックプレート)を一定の圧力で押し当てて
表面付着微生物を捕集し,微生物の量・種などを調
べる測定方法。 

rodac plate 

3410 リムルス試験法 かぶとがに血球抽出物 (LAL) を用いて細菌の内毒

素(エンドトキシン)を簡易に定量測定する試験法。 

かぶとがにゲル化

テスト 

limulus test,  
limulus amebocyte 

lysate test 

3411 寒天平板塗抹法 生菌数計算で,希釈した一定量の菌液を寒天平板上

に塗布して培養する方法。比較的汚染度の高い試料
に適しているが,粘性の高い試料やワックス類には
適さない。 

表面塗抹法 

spread plate culture 

3412 スタンプ法 

表面付着微生物の一測定方法で,一定面積の固型培
地を一定の圧力で押しつけて表面付着微生物を捕
集し,微生物の量・種などを調べる測定方法。 

contact plate 

3413 ATP法 

(えいてぃぴー
法) 

アデノシン3りん酸 (ATP) にほたる由来酵素ルシ
フラーゼを加えると発光する原理を応用した微生
物などの汚染の迅速・簡易測定法。 

ATP-biolumines-cenc

e technique 

3414 エームス試験 

ねずみチフス菌異株を用いる変異原性物質の簡易
検出試験法。 

ames test 

d) 清浄化装置 

1) 共通 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4001 クリーンルーム コンタミネーションコントロールが行われている

限られた空間であって,空気中における浮遊微小粒
子,浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管
理され,また,その空間に供給される材料,薬品,
水などについても要求される浄度が保持され,必要
に応じて温度,湿度,圧力などの環境条件について
も管理が行われている空間。 

cleanroom 

4002 インダストリア

ルクリーンルー
ム 

工業品の製造工程で用いるクリーンルームであっ
て,主に空気中における浮遊微小粒子が管理された
空間。 

ICR 

industrial cleanroom 

4003 バイオロジカル

クリーンルーム 

主としてバイオテクノロジーの分野で用いられる
クリーンルームであって,主に空気中における浮遊
微生物が管理された空間。 

備考 層流式治療室,層流式手術室なども含ま

れる。 

バイオクリーンル

ーム 

BCR 

biological cleanroom 

4004 バイオハザード

安全施設 

バイオハザードの防止対策を施した室。 

備考 取り扱う微生物,実施しようとする実験

の危険度によってP1,P2,P3,P4の四つ
のレベルに分類される。各レベルは室の
設計,室内で用いられる機器類などの性
能,配置,その使用方法によって規定さ
れており,内閣総理大臣決定“組換え
DNA実験指針”でその基準が定められて
いる。P4施設は最も高い危険度が心配さ
れる生物の取扱いに利用される。 

biohazard safety 

room 

background image

31 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

施設,実験室・設備とも高度の封じ込

めが要求されていて,専用の給排気装置,
室内気圧の維持,クラスII以上の安全キ
ャビネットの設置など数多くの条件を満
たさなければならない。 

4005 ミニエンバイロ

メント 

製品を取り扱う内部清浄環境と外部清浄環境との
間に,一方から他方への汚染の可能性を最小化する
ために設けた囲いで限定された局所制御空間。 

通常,局所制御空間の清浄度は周辺領域の清浄度

に比べ高レベルに維持される。バイオロジカルクリ
ーン関係では内部環境の汚染を外部に拡散させな
い対策として利用される場合もある。 

ミニエンバイメン

ト 

mini-environment 

4006 クリーンベンチ 規定された清浄度レベルに管理された空気が,作業

対象物に対して直接に流れるように作ってある作
業台。 

備考 作業台内部にろ過空気の供給源をもつこ

とを特徴とする。 

清浄作業台 

clean work station, 

clean bench 

4007 準備室 

クリーンルームで用いられる材料,装置などを準備
する部屋。 

備考 エアシャワー装置などを備えている。 

anteroom 

4008 前室 

クリーンルームに作業員が立ち入る前に必要な準
備をする部屋。 

備考 衣類などの収納,更衣,エアシャワー装

置などを備えている。 

pre-cleanroom 

4009 エアシャワー装

置 

作業員又は衣服に付着している粒子状物質を強制
的に吹き飛ばし除去するための装置で,浮遊微粒子
管理区域の入口部分に設置する。 

備考 この装置には一定のパターンで配列され

たスリット又は多数の空気ノズル及び排
気口を備えている。 

air shower 

4010 エアロック 

浮遊微粒子管理区域への人の出入り又は物の出し
入れに際して,その区域の与圧を保つために設ける
特殊な機構。 

備考 普通は出入りのための開口部の両側に2

枚の扉を設け,同時には開かないように
なっている。 

エアロック機能をもつ小部屋をいうこ

ともある。 

air lock 

4011 パスボックス 

清浄度レベルが異なる管理された区域間又は管理
された区域と他の部屋との間に小部品又は機器の
搬入・搬出のために設けてある開口部。基本的には
エアロック機能をもつ。 

pass box 

4012 パスウインドウ 同一清浄度レベルの部屋間で小部品・機器を移動さ

せるために設けてある窓口。 

pass window 

4013 トンネルユニッ

ト 

建屋内に設置するトンネル形の簡易な垂直一方向
流形クリーンルーム。 

備考 一般には天井及び壁面は管,形鋼の枠で

支えられ,プラスチック板などで囲われ
ている。 

ライン形クリーン

ブース 

tunnel unit 

background image

32 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4014 クリーンストッ

カ 

製品・部品を清浄に保管するための装置で,清浄空
気によって換気する換気設備をもっている。 

クリーン保管庫 

clean storage 

equipment 

4015 クリーンブース 垂直吹出し形の簡易なクリーンルーム。 

備考 ユニットの天井全面にはフィルタモジュ

ールなどが設けてあり,壁面はプラスチ
ックのカーテンになっている。移動可能
な装置もある。 

clean booth 

4016 真空掃除システ

ム 

部品・工具・床・クリーンルーム要員などを清浄化
するとき微小粒子を浮遊微粒子管理区域内に飛散
させないように,パイプラインなどによって集中
的・効果的に除去吸引する真空設備。 

central vacuum 

cleaning system 

4017 粘着マット 

靴底に付着している汚染物を除去するための粘着
性をもったマット。 

sticky mat 

4018 正圧ダンパ 

クリーンルームの正圧を保持するために壁面に取
り付けられる差圧調整装置。 

陽圧ダンパ 

damper 

4019 イオナイザ 

コロナ放電などによって正イオン・負イオンを発生
させ物体表面の静電気を中和する装置。 

ionizer 

4020 クリーンルーム

用衣服 

クリーンルーム要員の皮膚,頭髪及び衣類から発散
する微小粒子を最小限にするために着用する発じ
んが少ない清浄な衣類。 

備考 カバーオール,帽子,手袋,指サック,

靴カバー,長靴などがある。布地には,
長繊維のものを用いる。 

無じん衣, 
防じん衣, 
清浄衣, 
無菌衣 

clean room garment,  
dustfree garment 

4021 クリーンラック ヌードマウス,SPF動物を簡単に飼育する装置で,

送風機部,密閉状態のダクト部及び飼育棚からな
り,HEPAフィルタでろ過された空気を棚の後部か
ら一方向流式に吹き出す飼育装置。 

アイソラック, 
クリーンベンチ 

clean rack 

4022 抗菌材料 

細菌及び真菌に対する抗菌物質(無機系,有機系)
を添加,加工した各種材料。 

防菌材料, 
防かび材料 

antimicrobial 

materials 

2) 空気 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4101 エアフィルタ 

ろ過によって空気を清浄化する装置。 

備考 マット形,くさび形,折込み形,かご形,

袋形,パネル形,ボックス形などがある。
対象粒径,粒子捕集率によって粗じん用
エアフィルタ,中性能エアフィルタ,
HEPAフィルタ,ULPAフィルタなどが
ある。また,ガス状物質の除去を目的と
したケミカルエアフィルタ,ほう素の発
生が少ないボロンレスフィルタが含まれ
る。 

air filter 

4102 エアフィルタユ

ニット 

規定の寸法の枠内にろ材を保持しているようなエ
アフィルタの単体。 

air filter unit 

4103 エアフィルタモ

ジュール 

一つの枠内に一つ以上のエアフィルタユニットを
保持し,構造物に簡単に取り付けられるようにした
エアフィルタ装置。 

備考 送風機を備えたものもあり,幾つかの組

合せによってエアフィルタバンクを形成

FFU 

air filter module,  
(fan filter unit)  
(filter fan unit) 

background image

33 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

する場合もある。 

特に,送風機を備えたものをファン付

きフィルタユニット (FFU) と呼ぶこと
もある。 

4104 プリナム 

クリーンルーム,クリーンベンチなどに空気を送り
込む空気だまり。 

plenum 

4105 ドラフト 

周辺環境より気圧が低い空間であって,作業時に発
生する有害ガスなどを排出する空気だまり。 

備考 この機構を用いた装置にドラフトチャン

バがある。 

draft 

4106 エアフィルタチ

ャンバ 

空気を清浄化するための機構において,エアフィル
タユニットとそれを装置するエアフィルタケーシ
ングを含む部屋状の部分。 

エアフィルタプリ

ナム 

air filter chamber,  
air filter plenum 

4107 空気清浄装置 

空気中の浮遊微小粒子,ガス状汚染物質など汚染物
を除去し,主として特定空間の清浄度を維持するた
めの装置。 

空気清化装置 

air cleaning devices,  
air cleaner 

4108 静電式空気清浄

装置 

空気中の浮遊微小粒子を静電作用によって除去す
る空気清浄装置。荷電部を集じん部とに組み込んだ
一段荷電形と荷電部と集じん部とにそれぞれ異な
る高圧直流を荷電した二段荷電形とがある。 

electrostatic 

precipitator,  

electrostatic air 

cleaner 

4109 エアフィルタ装

置 

エアフィルタユニットによって,空気を清浄化する
装置。 

備考 自動更新形,自動巻取形,自動再生形,

マルチパネル形などの装置がある。 

air filter apparatus 

4110 ろ材誘電形エア

フィルタ 

荷電部と高誘電体のろ材とで構成し,荷電部で帯電
した粒子を静電誘導作用によって捕集する構造の
エアフィルタ。 

charged-media 

electric air filter 

4111  ケミカルエアフ

ィルタ 

空気中のガス状汚染物を除去することを目的とし
た空気清浄装置。 

備考 ガス状汚染物を吸着によって除去する吸

着式,吸収によって除去する吸収式など
がある。 

ケミカルガスフィ
ルタ 

chemical air filter 

4112 粗じん用エアフ

ィルタ 

主として粒径が5μmより大きい粒子の除去に用い

るエアフィルタ。 

coarse particle air 

filter 

4113 中性能エアフィ

ルタ 

主として粒径が,5μmより小さい粒子に対して中程

度の粒子捕集率をもつエアフィルタ。 

medium efficiency 

particulate air filter 

4114 HEPAフィルタ 

(へぱふぃる
た) 

定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以

上の粒子捕集率をもち,かつ初期圧力損失が245Pa 
{25mmH2O} 以下の性能をもつエアフィルタ。 

備考 “放射性エアロゾル用高性能エアフィル

タ” (JIS Z 4812 : 1995) では,定格流量
で粒径が0.150μmの粒子に対して99.97%

以上の粒子捕集率をもち,かつ初期圧力
損失が,“標準”型では250Pa以下,“多
風量”型では300Pa以下の性能をもつエ
アフィルタと定義。“多風量”型とは,標
準型と同じ外形寸法で,定格流量が標準
型の約1.3〜2倍のフィルタをいう。 

HEPA (high 

efficiency 
particulate air) 
filter 

4115 ULPAフィルタ 定格流量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.999 5% 

ULPA (ultra low 

background image

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Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

(うるぱふぃる
た) 

以上の粒子捕集率をもち,かつ初期圧力損失が
245Pa以下の性能をもつエアフィルタ。 
 特に粒子捕集効率が99.999 9%以上のものを超
ULPAフィルタと呼ぶこともある。 

penetration air) 
filter 

4116 ミニプリーツ形

エアフィルタ 

ろ材を狭い間隔で折り込み,糸状の樹脂又はリボン
状の紙などをろ材の間に隔離材として使用した比
較的奥行き寸法の小さいエアフィルタ。 

mini-pleats type air 

filter 

4117 エレクトレット

エアフィルタ 

恒久的に電荷を保持させた高分子繊維(エレクトレ
ット)からなるエアフィルタ。 

electret air filter 

4118 プレフィルタ 

エアフィルタを設置するとき,空気流に対して一番
上流に設置するエアフィルタ。比較的大きな粒子を
除去するために用いる。 

pre filter,  
pre air filter 

4119 中間エアフィル

タ 

メインエアフィルタと他のエアフィルタとの中間
において,メインエアフィルタの働きを補助するた
めに設けるエアフィルタ。 

intermediate air filter 

4120 メインエアフィ

ルタ 

エアフィルタの中で,目的とする清浄操作の主要な
部分を行うエアフィルタ。 

main air filter 

4121 最終エアフィル

タ 

エアフィルタを設置するとき,最終段階に使用する
エアフィルタ。 

備考 クリーンルームの場合,HEPAフィルタ

又はULPAフィルタを用いる。 

final air filter 

4122 ボロンレスフィ

ルタ 

ほう酸の発生が少ないろ材を用いたエアフィルタ。 ボロンフリーフィ

ルタ 

boronless air filter 

4123 薄膜フィルタ 

気体又は液体をろ過する薄い膜。 

備考 材料は主としてプラスチック薄膜である

が,金属焼結膜もある。液体ろ過用は逆
浸透膜,限外ろ過膜,精密ろ過膜があり,
イオンから微小粒子の分離まで,広い範
囲で使い分けられる。気体用は,精密ろ
過膜が用いられる。 

ろ過用膜 

membrane filter 

4124 ろ材 

ろ過作用を行う材料の総称。 

備考 主として,空気中又は液中に浮遊する粒

子をろ過作用によって捕集する材料をい
い,ガラス繊維製,天然繊維製,金属繊
維製,合成繊維製,プラスチック膜製の
ものがある。ろ紙状,ろ布状,スポンジ
状,網状,膜状にして使用される。 

filter media 

3) 水・薬液 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4201 前処理装置 

一次純水装置に供給する前に,あらかじめ,物理的
処理,化学的処理によって,原水中のコロイド状物
質,粒子状物質,バクテリアなどをある程度除去す
る装置。 

pretreatment system 

4202 膜式前処理装置 限外ろ過膜又は精密ろ過膜を用い,逆浸透装置へ供

給する原水を直接ろ過処理し,濁質,有機物などを
除去する装置。 

pretreatment 

equipment with 
membrane filter 

4203 凝集沈殿装置 

薬品を注入し混合を行うことによって,水中に浮遊
している微細な粒子又は着色物質を大きく重い凝

凝沈装置 

coagulation 

sedimentation 

background image

35 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

集生成物にして,沈殿分離する除濁装置。 

equipment 

4204 加圧浮上装置 

薬品を注入し混合を行うことによって,水中に浮遊
している微細な粒子又は着色物質などの汚染物質
を大きな凝集生成物にし気泡を付着させて浮上さ
せ,上層から浮上汚泥として取り出す除濁装置。 

floatation equipment 

4205 ろ過器 

凝集沈殿装置又は加圧浮上装置から流出してくる
凝集生成物をろ過によって除去する装置。 

備考1. ろ材としては,砂,粒状無煙炭が使用

される。 

2. 構造が開放槽のもので,その流れが自

然流下である重力式と,密閉槽で内圧
をもって流れる圧力式とがある。 

砂ろ過器, 
圧力式ろ過器, 
重力式ろ過器 

sand filter,  
gravity filter,  
pressure filter 

4206 活性炭ろ過器 

粒状活性炭を充てんしたろ過器。 

備考 水中の有機物,残留塩素,過酸化水素な

どを除去するために用いる。 

activated carbon filter 

4207 凝集ろ過装置 

ろ過器の直前で凝集用薬剤を添加しながらろ過す
る装置。 

備考 成長の小さい凝集生成物を凝集沈殿装置

又は加圧浮上装置を用いず直接にろ過器
に通水し,ろ層全体で捕捉する。主とし
て,濁質が少ない原水に用いられる。 

coagulation filtration 

equipment 

4208 一次純水装置 

超純水製造装置の中で前処理装置とサブシステム
との間に設置される装置で,逆浸透装置,イオン交
換装置,脱気設備などで構成され,比抵抗値5〜
18MΩ・cm程度の純水を製造する。 

primary pure water 

system 

4209 イオン交換装置 カチオン交換樹脂又はアニオン交換樹脂を利用し

て水中のイオン状物質を吸着除去する装置。 

備考 純水製造,排水の回収再利用などに用い

る。 

ion exchange 

equipment 

4210 混床式イオン交

換塔 

一つのイオン交換樹脂塔の中にカチオン交換樹脂
とアニオン交換樹脂との両方を充てん混合して使
用する設備。 

備考 カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂と

を混合せずに充てんする複床式と比較し
て高純度水が得られる。 

mixed bed column 

4211 超純水製造装置 上水道水,井戸水,工業用水などを原水とし,その

中の不純物をイオン交換樹脂,逆浸透膜,限外ろ過
膜,紫外線酸化などを用いて精製し,高純度の純水
を製造する設備。 

備考 装置は前処理装置及び一次純水装置並び

にサブシステムによって構成される。 

ultrapure water 

system 

4212 カートリッジイ

オン交換樹脂ポ
リッシャー 

主として,一次純水の純度アップ用のサブシステム
に設置される場合が多く,純水中に残留する微量イ
オンを除去する非再生形の混床式イオン交換容器。 

cartrige demineralizer 

4213 限外ろ過装置 

限外ろ過膜を用いて分子の大きさによって分離を
行う圧力ろ過膜装置。 

備考 分画分子量で数千から数百万程度の領域

で分離できる装置。限外ろ過膜としては,
中空糸形限外ろ過膜の使用が一般的であ

UF装置 

ultrafiltration 

equipment 

background image

36 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

るがスパイラル形限外ろ過膜もある。 

4214 逆浸透装置 

逆浸透膜を用いて水中のイオン,有機物,微小粒子,
微生物粒子などを除去する装置。 

備考 水質によって異なるがイオン交換装置の

前段又は後段に設置し,処理水水質の安
定化に極めて重要な役割を果たす。保安
フィルタ,高圧ポンプ,逆浸透膜圧力容
器などで構成される。 

RO装置 

reverseosmosis 

equipment 

4215 高圧紫外線酸化

装置 

廃水中の有機物質の主波長が365nmである紫外線
を照射して分解処理する装置。 

備考 酸化剤として過酸化水素,次亜塩素酸ナ

トリウム,オゾンを併用し,紫外線発生
源には高圧水銀ランプが使用される。有
機物質はほとんどのものが炭酸ガスまで
分解できる。 

高圧UV酸化 

ultraviolet-ray 

oxidation 
equipment with 
high pressure 
mercury lamp 

4216 電気再生式イオ

ン交換装置 

カチオン交換膜とアニオン交換膜との間に,それぞ
れカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを充て
んし,電流を流すことによってイオン交換樹脂を連
続的に再生しながらイオンを除去する装置。 

備考 薬品によるイオン交換樹脂の再生は不要

になる。 

電気再生式脱イオ

ン装置 

continuous electro 

deionization 
equipment,  

(CDI)  
electro deionization 

equipment,  

(EDI) 

4217 窒素ガス脱気装

置 

窒素ガスと水とを接触させ,水中の酸素分圧を下げ
ることによって溶存酸素を除去する装置。 

備考 水と窒素ガスの微細気泡とを向流接触さ

せるか,窒素ガスの雰囲気下に水を噴霧
させることによって除去する。水中の窒
素ガス以外の溶存ガスが除去できる。 

nitrogen gas bubbling 

deaerator 

4218 脱炭酸塔 

原水中の炭酸ガスを除去する設備。 

備考 噴霧した水に多量の空気を吹き込むこと

によって行う。 

decarbonator 

4219 真空脱気塔 

水中の溶存ガスを除去する設備。 

備考 真空の雰囲気下に水を噴霧することによ

って行う。主として,溶存酸素の除去に
用いる。 

vacuum degasifier 

4220 触媒樹脂脱酸素

装置 

パラジウムをコーティングしたイオン交換樹脂に
還元剤を混ぜた水を供給し,水中の溶存酸素を除去
する装置。 

備考 パラジウムの触媒作用によって,水素ガ

ス又はヒドラジンと水中の溶存酸素とを
反応させ除去する。酸素以外の溶存ガス
の除去はできない。 

oxygen reduction 

equipment with 
catalytic resin 

4221 膜脱気装置 

高分子性ガス透過膜を介して水中から溶存ガスを
除去する装置。 

備考 テフロン系などのガス透過膜の片側に水

を供給し,反対側を真空にすることによ
って水中の溶存ガスを真空側へ透過させ
て除去する。 

membrane degasifier 

4222 サブシステム 

一次純水を原水として超純水を製造する装置。 

subsystem 

background image

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Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

備考 超純水ユースポイントの近くに設置され

る。システムは低圧紫外線酸化装置,カ
ートリッジイオン交換ポリッシャー,端
末UF装置などで構成される。 

4223 低圧紫外線酸化

装置 

低圧水銀ランプから放射される184.9nmの紫外線に
よって,水中の微量有機物を酸化分解して有機酸又
はCO2に分解する装置。 

備考 分解生成した有機酸又はCO2は,後段の

カートリッジイオン交換ポリッシャーで
除去される。 

低圧UV酸化装置 ultraviolet oxidation 

equipment with 
low pressure 
mercury lamp 

4224 超純水ユースポ

イント 

サブシステムからユースポイント配管で導かれた
超純水をウェハ処理工程における洗浄などのため
に取り出す箇所。 

ユースポイント
POU 

point of use 

4225 超純水用配管材 超純水の水質を低下させずに超純水ユースポイン

トへ供給する配管材。 

備考 内面が平滑で,無機物,有機物の溶出を

抑えたものが用いられる。使用材として
は,硬質塩化ビニール (PVC),ふっ素樹
脂 (PVDF,PTFE,PFA),ポリエーテル
エーテルケトン (PEEK) などがある。 

piping material for 

ultra pure water 

4226 超純水ユースポ

イント配管 

サブシステムから超純水ユースポイントへ送水し,
再びサブシステムへ戻るような連続したループ状
配管。 

備考1. 水質維持のため,滞留部分をなくし,

適当な流速を保持する。 

2. 配管には,流量計,圧力計,比抵抗計

などセンサ及びコントローラが取り付
けられ,流量,圧力,温度が制御され
ている。供給配管と戻り配管とを区別
し,逆流を防止して超純水水質の維持
を図るリバースリターン方式が多く用
いられる。 

ultrapure water 

distribution system 

4227 薬液容器 

薬液メーカからユーザへの薬液運搬用容器。 

備考 容器の材料は溶剤系薬液用にはガラス又

はステンレス鋼,酸・アルカリ系薬液用
にはポリエチレン,PFA,PTFEなどが使
用される。 

chemical container 

4228 薬液用フィルタ 薬液中の微小粒子を捕捉するためのフィルタ。 

chemical liquid filter 

4229 循環ろ過 

薬液をポンプで循環し,循環系の途中に設けた薬液
用フィルタで薬液中の微小粒子を捕捉し,洗浄槽内
の薬液を常に清浄状態に維持するシステム。 

recirculation filtration 

4230 薬液自動供給装

置 

薬液容器から生産装置へ薬液を自動供給する装置。 
 薬液の搬送には加圧窒素ガス又はポンプを使用
する。 

automatic chemical 

supply system 

4) ガス 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4301 ガス精製装置 

ガス中に含まれているガス状の不純物を触媒作用,
化学反応,吸着作用,金属格子透過などの工程を用

gas purifier 

background image

38 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

いて除去する装置。 

4302 キャリアガス 

電子デバイス製造に使用するガスの中で,希釈用又
は液状物質の気化用に用いるガス。 

備考1. N2,H2,Ar,Heガスが主なもの。 

2. 容器及び配管内の置換用途のものまで

含めていう場合もある。 

carrier gas 

4303 特殊材料ガス 

電子デバイス製造に使用するガスの中で,主にデバ
イスの原材料及びその加工用として用いられるガ
ス。 

備考 SiH4,AsH3,PH3などが主なものである。 

special material gas 

4304 シリンダ 

JIS B 8241による高圧ガス用の容器。 

備考 容器の肩部に刻印で充てんガスの名称,

内容積,耐圧試験年月,最高充てん圧力
などが記されている。 

ガスボンベ 
ボンベ, 
高圧ガス容器 

cylinder 

4305 シリンダキャビ

ネット 

シリンダを1から数本収納したボックス。 

備考 シリンダはボックス内に固定される。ボ

ックス内にはあらかじめレギュレータ,
切替え弁などのガス供給配管系が作られ
ており,ボックスを介してシリンダから
製造装置へガス供給が行われる。 

ボンベボックス 

cylinder cabinet 

4306 インラインガス

フィルタ 

ガス供給配管系中に設けられ,配管のガス中に存在
する微小粒子を捕捉するための精密フィルタ。 

in-line gas filter 

5) 微生物 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4401 バイオクリーン

ベンチ 

微生物,培養細胞などの取扱いにおいて,外部から
の雑菌の混入,逆に外部への生物汚染を防ぐ工夫が
されている箱状の実験台。 

biological clean 

bench 

4402 バイオハザード

クラスIIキャビ
ネット 

危険性がある微生物を取り扱う場合に用いる箱状
の装置。 

備考 JIS K 3800に規定するバイオハザードを

防止するための構造をもつもの。 

安全キャビネット biological safety 

cabinet 

4403 オートクレーブ 高圧蒸気滅菌装置。 

備考 一般的には121℃,15〜20分で滅菌する。 

autoclave 

4404 ステリルロック バイオロジカルクリーンルーム,バイオハザード安

全施設において,清浄度が異なる区域間の隔壁に物
を通すため設ける機構。 

sterile lock 

4405 アイソレータ 

気密の鋼製又はビニル製の容器に,操作用のゴム手
袋,送搬出入口,HEPAフィルタ付き給気口,排気
口,送風機,消毒液噴霧口などを取り付けた装置。 

備考 無菌動物,ノトバイオートなどの無菌飼

育装置として使用する。 

isolator 

4406 ダンクタンク 

ステリルロックに使用される消毒薬液槽。 

備考 薬液で,これを設置した両室間の空気の

流通を防止するようになっている。 

ジャミーサイダル

トラップ 

dunk-tank 

4407 紫外線殺菌装置 紫外線によって微生物を殺菌する装置。 

備考 バイオハザード安全施設,クリーンルー

ム,クリーンベンチ,安全キャビネット,
パスボックスなどの空間内の殺菌に,ま

ultraviolet sterilizer 

background image

39 

Z 8122 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

た超純水装置では超純水中の微生物を殺
菌する目的で使用する。 

JIS Z 8122 (コンタミネーションコントロール用語)改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 藤 井 正 一 

芝浦工業大学 

(委員) 

○ 浅 田 敏 勝 

福井工業大学工学部 

○ 古 橋 正 吉 

東京医科歯科大学 

○ 山 崎 省 二 

国立公衆衛生院衛生獣医学部 

○ 池 田 耕 一 

国立公衆衛生院建築衛生学部 

○ 細 渕 和 成 

都立産業技術研究所研究開発部 

○ 酢 屋 ユリ子 

北里大学事務部 

中 嶋   誠 

通商産業省機械情報産業局 

八 田   勲 

工業技術院標準部 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

○ 松 田 正 一 

キリンビール株式会社高崎医薬工場 

○ 是 永   博 

第一製薬株式会社試験研究センター 

○ 川 又   亨 

日本エアーテック株式会社 

○ 石 井 久 元 

日本アイ・ビー・エム株式会社 

○ 鈴 木 道 夫 

日立プラント建設株式会社 

○ 益 戸 光 和 

栗田工業株式会社 

○ 三 上 壯 介 

ミドリ安全株式会社 

○ 竹 迫 清 之 

シーエル研究所 

○ 大 竹 信 義 

社団法人日本空気清浄協会 

備考 ○印は,分科会の兼任を示す。