Z 8113 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS Z 8113-1988は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,日本工業規格と対応国際規格との対比及び日本工業規格を基礎にした国際規格の提案
を容易にするために,IEC 60050-845 : 1987 International Electrotechnical Vocabulary, Chapter 845 : Lightingを
基に整合化を図った。
Z 8113 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目次
ページ
序文 ··································································································································· 3
1. 適用範囲 ························································································································ 3
2. 引用規格 ························································································································ 3
3. 用語・定義 ····················································································································· 3
3.1 放射,量及び単位に関する用語 ························································································· 2
3.2 視覚に関する用語 ········································································································· 17
3.3 色に関する用語 ············································································································ 22
3.4 光・放射の発生及び材料の光学特性に関する用語 ································································ 38
3.5 光・放射の測定に関する用語 ··························································································· 51
3.6 光放射の応用に関する用語······························································································ 60
3.7 光源及びその特性に関する用語 ························································································ 70
3.8 光源の部品・材料及び点灯装置に関する用語 ······································································ 77
3.9 照明技術及び昼光照明に関する用語 ·················································································· 79
3.10 照明器具及び構成要素に関する用語 ················································································ 91
3.11 視覚信号系に関する用語 ······························································································· 97
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 8113 : 1998
照明用語
Lighting vocabulary
序文 この規格は,1987年に第1版として発行されたIEC 60050-845, International Electrotechnical Vocabulary,
Chapter 845 : Lightingを基に作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目
及び規定内容を日本工業規格として追加している。
なお,この規格でIEC (845) の用語番号が付されていない用語及び点線の下線を施してある箇所は対応国
際規格にない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,主な照明用語(以下,用語という。)と,その定義について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS Z 4001 原子力用語
JIS Z 8105 色に関する用語
JIS Z 8720 測色用の標準の光及び標準光源
JIS Z 9112 蛍光ランプの光源色及び演色性による区分
3. 用語・定義 用語及び定義は,3.1〜3.11のとおりとする。
備考1. 二つ以上の用語を並べた場合は,その順位に従って優先使用する。
2. 用語に付けた括弧の用い方は,次による。
なお,定義欄に出てくる用語に付けた括弧の用い方も,これを準用する。
a) ( )内の部分は,省いてもよい。
b) ( )内の漢字は,常用漢字にないため仮名書きにした用字について,意味が分かりにくいときに元
の漢字を示す。
c) [ ]内の部分は,説明又は注記若しくは単位を示す。
d) 黒丸印のついたIEC用語番号は,このIEC用語番号における注から引用している。
3. 読みにくい用語は,その読み方を( )内に示す。
4. ここで( )内のIEC用語番号は,JIS用語がIEC用語の定義中の注に示された用語の引用であるこ
とを示す。
5. 参考のために対応外国語(英語)を示す。ここで,括弧の用い方は次による。
a) ( )の部分は,省いてもよい。
b) [ ]内の部分は,説明又は注記を示す。
2
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 対応外国語は,主としてIEC 60050 (845) : 1987[CIE Publ.17.4 (1987) と同一](以下,一括して
IEC/CIE用語という。)の英語によった。
なお,該当する外国語のないものは,空欄とする。
3.1
放射,量及び単位に関する用語
3.1.1
一般
番号
用語
定義
参考
IEC (845)
の番号
対応外国語
01001 CIE
(しーあいいー)
“Commission Internationale de l'Eclairage”の略記で,
国際照明委員会のことである。
参考 CIEは,光と照明の分野での科学,技術及
び工芸に関するあらゆる事項について国際
的討議を行い,標準と測定の手法を開発し,
国際規格及び各国の工業規格の作成に指針
を与え,規格・報告書などを出版するとと
もに他の国際団体との連携・交流をはかる
ことを目的とした国際的な非営利の団体で
ある。
International
Commission on
Illumination
01002 (電磁)放射
1. 電磁波としての,したがって同時に光子としての,
エネルギーの放出又は伝ぱん。
2. これらの電磁波又は光子。
01-01
(electromagnetic)
radiation
01003 光学(的)放射,
光放射
(ひかりほうしゃ)
X線への移行領域の波長λ≒1 nmから,電波への移行
領域の波長λ≒1 mmまでの波長範囲の電磁放射。
01-02
optical radiation
01004 可視放射
人の目に入って,直接に,視感覚を起こすことができ
る放射。
備考 可視放射の波長限界は,一般に短波長側を
360 nmから400 nmの間,長波長側を760 nm
から830 nmの間にとる。
01-03
visible radiation
01005 赤外放射
波長が可視放射の波長より長く1 mmまでの放射。
備考 CIEでは通常,波長780 nm〜1 mmの範囲
を,次のように区分する。
IR-A 780〜1 400 nm
IR-B 1.4〜 3 μm
IR-C 3 μm〜 1 mm
参考 赤外放射に関する上記以外の分類について
は,“3.6光放射の応用に関する用語”を参
照のこと。
01-04
infrared radiation
01006 紫外放射
波長が可視放射の波長より短く1 nmまでの放射。
備考 CIEでは通常,波長100 nm〜400 nmの範囲
を,次のように区分する。
UV-A 315〜400 nm
UV-B 280〜315 nm
UV-C 100〜280 nm
参考 紫外放射に関する上記以外の分類について
は,“3.6 光放射の応用に関する用語”を参
照のこと。
01-05
ultraviolet radiation
3
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC (845)
の番号
対応外国語
01007 光
(ひかり)
1. 視覚系に生じる明るさ及び色の知覚・感覚。
2. 可視放射
3. 紫外放射,可視放射及び赤外放射の総称。
参考1. 英語用語light及び独語用語Lichtは,特
に視覚信号に関連して,特定の照明装置
及び灯火信号 (light signal) の意味でも用
いられるとしているが,日本ではこのよ
うな使い方はしない。
2. IECにおいては,光という語は,ときに
可視波長範囲外の光学的放射の意味で用
いられるが,この用法は推奨しないとし
ている。
01-06
1.,2. light,
3. optical radiation
01008 単色放射,
単色光
単一の周波数又は波長によって表される放射。実際に
は,単一の周波数又は波長で記述できる非常に狭い周
波数若しくは波長範囲の放射。
01-07
monochromatic
radiation,
monochromatic light
01009 スペクトル[放射の] 放射の単色成分を,波長又は周波数の順に並べて表示
したもの。
備考1. スペクトルの形によって,例えば,線ス
ペクトル,連続スペクトルと呼ぶ。
2. 放射と物質との相互作用の大きさを,波
長又は周波数の順に並べ表したものに対
しても用いる。
例 吸収スペクトル,励起スペクトル
01-08
spectrum (of a
radiation)
01010 スペクトル線
1. 二つのエネルギー準位の間の遷移によって,放出
又は吸収される単色放射。
2. スペクトル上に現れたその線。
01-09
spectral line
01011
偏光,
偏光した放射
放射の電磁場が,規則的な方向に向いている放射。
備考 偏光には,直線,円又はだ(楕)円偏光が
ある。
01-10
polarized radiation,
polarized light
01012 コヒーレント放射
放射の伝ぱん路中の任意の2点間において,電磁振動
の位相差が一定に保たれている単色放射。
01-11
coherent radiation
01013 干渉
二つ以上のコヒーレントな波が重なり合って,局部的
な振動振幅の減少又は増大を生じる現象。
01-12
interference
01014 回折
放射が,その波動的性質によって,障害物の縁を通る
ときに生じる伝ぱん方向の変化。
01-13
diffraction
4
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC (845)
の番号
対応外国語
01015 波長
周期的な波動の伝ぱん方向における,隣り合った同位
相の2点間の距離。
量記号:λ
単位:メートル [m]
備考1. 媒質中での波長は,真空中での波長を媒
質の屈折率で除したものに等しい。特に
断りがなければ,波長の値は,一般に空
気中の値とする。標準空気[分光学では,
温度t=15℃,気圧p : 101 325 Pa]の屈折
率は,可視放射の場合には,1.000 27と
1.000 29との間にある。
2. λ=υ/νである。
01-14
wavelength
ここに,λは媒質中の波長,υはその媒質中での位相速
度,νは周波数である。
01-16
spectral
01016 波数
単位長さに含まれる波の数で,波長の逆数。
σ=1/λ
量記号:σ
単位:毎メートル [m−1]
参考 単位を毎センチメートル [cm−1] とした
“カイザー”もよく使われている。
01-15
wave number
01017 分光[修飾語]
1. 放射に対する物体の性質を表す量Xを単色放射に
関していう場合,その量の名称の前に付ける修飾
語。
量記号:X(λ)
例 分光反射率,分光応答度
2. 放射量Xeの分光密度Xe,λ又は分光分布Xe,λ(λ)を
いう場合,その量の名称の前に付ける修飾語。
例 分光放射束[放射束の分光密度],分光放射束
分布[放射束の分光分布]
備考 波長の代わりに周波数νを用いることがあ
る。この場合の量記号は
定義1. のときX (ν) で表し,
定義2. のときXe,ν又はXe,ν (ν) で表す。
01018 分光密度
波長λを中心とする微小波長幅内に含まれる放射量Xe
の,単位波長幅当たりの割合。
量記号:
=
λ
λ
d
dX
X
e
e,
単位:毎メートル [m−1] (量Xeの単位)
備考 波長の代わりに周波数νを用いることがあ
る。この場合,
量記号:
=dv
dX
X
e
v
e,
単 位:毎ヘルツ [Hz−1] (量Xeの単位)
01-17
spectral concentration
5
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC (845)
の番号
対応外国語
01019 分光分布
分光密度Xe,λの波長λに対する分布。
量記号:Xe,λ (λ)
単 位:分光密度Xe,λの単位
備考 波長の代わりに周波数νを用いることがあ
る。この場合,
量記号:Xe,ν (ν)
単 位:分光密度Xe,νの単位
spectral distribution
01020 相対分光分布
ある値を基準にとって,分光分布を相対的に表したも
の。基準値としては,分光分布の最大値,特定の波長
における値,分光分布から求めた測光量の値などを用
いる。
量記号:S (λ)
単位:1[無次元量][最大値などで基準化した
とき],ワット毎メートル毎ルーメン [W・m−1・
lm−1] [測光量の値で基準化したとき]
備考 混同のおそれがない場合には,相対分光分
布を略して分光分布としてよい。
01-18
relative spectral
distribution
01021 点放射源,
点光源
照明など放射に関する計算や測定において,照射を受
ける面までの距離に比べて大きさが無視できる程度
に小さい放射源。
備考 すべての方向に均一に放射を発する点放射
源,又は点光源は,均等点放射源又は均等
点光源と呼ばれる。
01-19
point source
01022 ステラジアン
球の中心を頂点とし,その球の半径を1辺とする正方
形の面積と等しい面積を,その球の表面上で切り取る
立体角。
単位記号:sr
備考 立体角の量記号はΩが用いられる。
01-20
steradian
01023 光刺激
目に入って光の感覚を生じさせる可視放射。
01-21
light stimulus
3.1.2
視感効率と視感効果度
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01024 分光視感効率,
比視感度
特定の測光条件の下で,波長λの放射と波長λmの放射
とが同じ強さの光感覚[明るさ感覚]を生じる場合に
おける,波長λmの放射束の,波長λの放射束に対する
比。通常,λを変化させたときの最大値が1になるよ
うに基準化する。
備考 特に断らない限り,01025に規定した値を
いう。
01-22
spectral luminous
efficiency
6
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01025 (CIE) 標準分光視感
効率,
(CIE) 標準比視感度
標準的な分光視感効率として,CIEにおいて合意され
た値。明所視における標準分光視感効率と暗所視にお
ける標準分光視感効率との二つがある。
量記号:V (λ) [明所視における標準分光視感効率]
V' (λ) [暗所視における標準分光視感効率]
備考 我が国の計量単位規則には,波長360 nmか
ら830 nmまで,5 nmおきの波長における
値が出ており,“該当値がないときは,補間
法によって計算する。”という備考が付けて
ある。
spectral luminous
efficiency (for the
CIE standard
photometric
observer)
01026 CIE測光標準観測者 明所視に対するCIE標準分光視感効率V (λ) 又は暗所
視に対するCIE標準分光視感効率V' (λ) に合致する相
対分光応答度をもち,光束の定義の前提になっている
加法則に従う理想の観測者。
01-23
CIE standard
photometric
observer
01027 最大視感効果度
(CIE) 標準分光視感効率が最大となる波長における
放射の視感効果度。カンデラの定義と (CIE) 標準分光
視感効率によって決まる定数であり,明所視のときの
ものをKm,暗所視のときのものをK'mで表す。
それぞれの値は実用上十分な精度で,Km=683 lm・W−
1,K'm=1700 lm・W−1である。
量記号:Km,K'm
備考 (CIE) 標準分光視感効率が最大になるの
は,明所視では波長λm=555 nm[周波数νm
=540×1012Hz]のとき,暗所視では,波長
λ'm=507 nmのときである。
maximum (spectral)
luminous efficacy
01028 (標準)分光視感効果
度
単色放射について,放射量から測光量を導く変換係
数。
量記号:K (λ) [明所視の場合]
K' (λ) [暗所視の場合]
単位:ルーメン毎ワット [lm・W−1]
備考 次の式のように,最大視感効果度と (CIE)
標準分光視感効率との積として表される。
K (λ)=Km・V (λ)
K' (λ)=K'm・V' (λ)
spectral luminous
efficacy
01029 視感効率[放射の] (CIE) 標準分光視感効率V (λ) によって重み付けられ
た放射束の,対応する放射束に対する比。
m
e
e
K
K
d
Φ
d
V
Φ
V
=
=∫∫
∞
∞
0
,
0
,
)
(
)
(
)
(
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
量記号:V
単位:1[無次元量]
備考 暗所視の場合には,式の中の記号がそれぞ
れV',V' (λ),K',K'mに置き換えられる。
01-57
luminous efficiency (of
radiation)
7
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.1.3
放射量・測光量及びそれらの単位
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01030 放射量
放射及びその密度並びにこれらの時間積分量などの
総称。
例 放射束Фe,放射強度Ie,放射エネルギーQe,
radiant quantities
01031 光子量
放射の大きさを,光子の数を単位として測る量。
例 光子数,光子流
photon quantities
01032 測光量
放射を (CIE) 標準分光視感効率[V (λ) 又はV' (λ)]
及び最大視感効果度[Km又はK'm]によって評価した
量。
luminous quantities
01033 放射束,
放射パワー
放射として放出される,伝達される,又は受け取られ
るパワーで,ある時間要素間の放射エネルギーdQeを,
その時間要素dtで除した量。
dt
dQ
Φ
e
e=
量記号:Фe,Ф,P
単位:ワット [W],ジュール毎秒 [J・s−1]
01-24
radiant flux,
radiant power
01034 全放射束
放射源がすべての方向に放出する放射束の総和。
量記号:Ф,Фe
単位:ワット [W]
total radiant flux
01035 光束
放射束を,(CIE) 標準分光視感効率と最大視感効果度
に基づいて評価した量。
量記号:Фυ,Ф
単位:ルーメン [lm]
備考 放射束の分光分布をφe.λ (λ) とするとき,次
の式で与えられる。
∫∞
=
0
,
)
(
)
(
λ
λ
λ
φ
φ
λ
υ
d
V
K
e
m
ここに,Km: 最大視感効果度,
V (λ) :(CIE) 標準分光視感効率
暗所視の場合はK'm,V' (λ)
Km[明所視]及びK'm[暗所視]の値について
は最大視感効果度を参照。
01-25
luminous flux
01036 全光束
光源がすべての方向に放出する光束の総和。
量記号:Фυ,Ф
単位:ルーメン [lm]
09-33
total luminous flux
8
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01037 光子流,
光子束
ある時間要素の間に放出される,通過する,又は受け
取られる光子の数dNPを,その時間要素dtで除した量。
dt
dN
Φ
p
p=
量記号:Фp,Ф
単位:毎秒 [S−1]
備考 分光分布が,dФe(λ)/dλ又はdФe(ν)/dνの放
射ビームについては,光子流Фpは
∫
∫
∞
∞
=
=0
0
0
1
)
(
)
(
dv
hv
dv
v
dΦ
d
hc
d
dΦ
Φ
e
e
P
λ
λ
λ
λ
である。
h :プランク定数=(6.626 075 5±0.000 004 0)
×10−34 [J・s]
co :真空中の光速度=299 792 458 [m・s−1]
01-26
photon flux
01038 放射エネルギー
放射束Фeの,ある与えられた時間∆tにわたる時間積
分。
∫
=Δte
e
dt
Φ
Q
量記号:Qe,Q
単位:ジュール [J],ワット秒 [W・s]
備考 等価な定義 ある与えられた時間∆tの間に
電磁放射の形で放出される,伝ぱんする,
又は受け取られるエネルギー。
01-27
radiant energy
01039 光量
光束Фυの,ある与えられた時間∆tにわたる時間積分。
∫
=Δt
dt
Φ
Q
υ
υ
量記号:Qυ,Q
単位:ルーメン秒 [lm・s]
備考 他の単位:ルーメン時 [lm・h]
01-28
quantity of light
01040 光子数
光子流Фpの,ある与えられた時間∆tにわたる時間積
分。
∫
=
t
p
p
dt
Φ
Q
Δ
量記号:Np,Qp,Q
単位:1[無次元量]
01-29
number of photons,
photon number
01041 放射強度
放射源からある方向に向かう放射束の,単位立体角当
たりの割合。
量記号:Ie,I
単位:ワット毎ステラジアン [W・sr−1]
備考 問題とする方向を含む微小立体角dΩのす
い体に含まれる放射束をdФeとするとき,
次の式で与えられる。
dΩ
dΦ
I
e
e=
01-30
radiant intensity
9
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01042 光度
光源からある方向に向かう光束の,単位立体角当たり
の割合。
量記号:Iυ,I
単位:カンデラ [cd],ルーメン毎ステラジアン
[lm・sr−1]
備考 問題とする方向を含む微小立体角dΩのす
い体に含まれる光束をdФυとするとき,次
の式で与えられる。
dΩ
dΦ
I
υ
υ=
01-31
luminous intensity
01043 光子強度
光源からある方向に向かう光子流の単位立体角当た
りの割合。
量記号:Ip,I
単位:毎秒毎ステラジアン [s−1・sr−1]
備考 問題とする方向を含む微小立体角dΩのす
い体に含まれる光子流をdФpとするとき,
次の式で与えられる。
dΩ
dΦ
I
p
p=
01-32
photon intensity
01044 配光
一次光源,二次光源(光学材料などの光の透過,反射
を含む)及び照明器具の光度の角度に対する変化又は
分布。
量記号:I (θ, φ)
単位:カンデラ [cd],ルーメン毎ステラジアン
[lm・sr−1]
備考 配光の種類には,対称配光,非対称配光,
回転対称配光(軸対称配光)などがある。
09-24
distribution of
luminous intensity
01045 幾何学的広がり[光ビ
ームの],
幾何的広がり[光ビー
ムの]
式
Ω
cos
cos
cos
2
d
dA
l
A
d
dA
dG
=
′
′
=
θ
θ
θ
によって定義される要素
量dGをビーム全体にわたって積分した量。ここで,
dA及dA'は,ある要素ビームの距離l隔たった二つの
断面の面積,θ及びθ'は,その要素ビームの方向とdA
及びdA'の法線とがなす角,
2
cos
l
A
d
dΩ
θ′
′
=
は,dA上の点がdA'をみる立体角である。
量記号:G
単位:平方メートルステラジアン [m2・sr]
備考 連続する複数の非拡散性媒質を通して伝ぱ
んするビームについてはnを屈折率とし
て,G・n2は不変量である。この量を,光学
的広がりと呼ぶ。
01-33
geometric extent (of a
beam of rays)
10
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01046 放射輝度
発光面上,受光面上又は放射の伝ぱん路の断面上にお
いて
dΩ
dA
dΦ
L
e
e
=
θ
cos
によって定義される量。
ここでdФeは,与えられた点を通り,与えられた方向
を含む立体角dΩ内を伝ぱんする要素ビームによって
伝達される放射束。dAは,与えられた点を含むそのビ
ームの断面の面積,θは,その断面の法線とそのビー
ムとがなす角である。
量記号:Le,L
単位:ワット毎平方メートル毎ステラジアン
[W・m−2・sr−1]
備考 a)〜e)の五つの中では,そこに現れる式は輝
度及び光子輝度のいずれの用語に対しても
成り立つので,量記号に添字を付けない。
a) 放射源の表面の面積dAについては,与えられ
た方向における放射強度,光度又は光子強
度dIは,
dΩ
dΦ
dI=
であるので,等価な式は,
θ
cos
=dAdI
L
となって,これは,主に照明工学
で用いられる形である。
b) ビームを受ける表面の面積dAについては,そ
のビームによってdAに生じる放射照度,照
度又は光子照度dEは,
dA
dΦ
dE=
であるので,
等価な式は,
θ
cos
=dΩdE
L
となって,これは放
射源が表面をもたないとき[例えば,天空,
放電プラズマ]に有用な形である。
c) 要素ビームの幾何学的広がりdGを用いると,
dG=dA・cosθ・dΩであるので,等価な式は,
dG
dΦ
L=
である。
d) 光学的広がりG・n2は不変量であるので,もし
吸収,反射及び拡散による損失がないと見
なせるならば,量L・n−2もビームの経路に
沿って不変量である。この量は,基本放射
輝度,基本輝度又は基本光子輝度と呼ばれ
る。
01-34
radiance
e) 上記の各式で与えられる次のdФとLとの間
の関係は,放射測定及び測光の基本法則と
呼ばれることがある。
2
cos
cos
l
A
d
dA
L
dΦ
θ
θ
′
′
=
=L・dA・cosθ・dΩ
=L・dA'・cosθ'・dΩ'
ここにある記号の表号法は,ここ及び01045の幾何学
的広がりの項に記されているとおりである。
11
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01047 輝度
発光面上,受光面上又は放射の伝ぱん路の断面上にお
いて式
dΩ
dA
dΦ
L =
θ
υ
υ
cos
によって定義される量。ここでて式dФυ
は,与えられた点を通り,与えられた方向を含む立体
角dΩ内を伝ぱんする要素ビームによって伝達される
光束。dAは,与えられた点を含むそのビームの断面の
面積。θは,その断面の法線とそのビームとのなす角
である。
量記号:Lυ,L
単位:カンデラ毎平方メートル [cd・m−2],
ルーメン毎平方メートル毎ステラジアン [lm・
m−2・sr−1]
備考 放射輝度の備考a)〜e)を参照。
01-35
luminance
01048 光子輝度
発光面上,受光面上又は放射の伝ぱん路の断面上にお
いて式
dΩ
dA
dΦ
L
p
p
=
θ
cos
によって定義される量。ここでdФ
ρは,与えられた点を通り,与えられた方向を含む立体
角dΩ内を伝ぱんする要素ビームによって伝達される
光子流。dAは,与えられた点を含むそのビームの断面
の面積。θは,その断面の法線とそのビームとのなす
角である。
量記号:Lp,L
単位:毎秒毎平方メートル毎ステラジアン [s−
1・m−2・sr−1]
備考 放射輝度の備考a)〜e)を参照。
01-36
photon radiance
01049 放射照度
放射を受ける面の単位面積当たりに入射する放射束。
量記号:Ee,E
単 位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
備考1. 問題とする点を含む微小面の面積をdA,
この微小面に入射する放射束をdФeとす
るとき,次の式で与えられる。
dA
dΦ
E
e
e=
2. 問題とする点の放射輝度との関係は,次
のとおりである。
∫
=
πsr
2
cos
)
,
(
dΩ
L
E
e
e
θ
φ
θ
ここに,Le (θ, φ) は天頂角θ,方位角φ
の方向からその点に入射する放射輝度,
dΩは立体角要素である。
01-37
irradiance
01050 照度
放射を受ける面の単位面積当たりに入射する光束。
量記号:Eυ,E
単 位:ルクス [lx],ルーメン毎平方メートル
[lm・m−2]
備考 放射照度の備考1.,2.を参照。
∫
=
=
sr
π
2
cos
dΩ
L
dA
dΦ
E
θ
υ
υ
υ
01-38
illuminance
12
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01051 光子照度
光子を受ける面の単位面積当たりに入射する光子流。
量記号:Ep,E
単 位:毎秒毎平方メートル [s−1・m−2]
備考 放射照度の備考1.,2.を参照。
∫
=
=
sr
π
2
cos
dΩ
L
dA
dΦ
E
p
p
p
θ
01-39
photon irradiance
01052 球面放射照度
空間の一点がすべての方向から受ける放射輝度を全
立体角にわたって積分した量。
量記号:Ee,o,Eo
単位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
備考1. 天頂角θ,方位角φの方向からその点が受
ける放射輝度をLe (θ, φ),立体角要素を
dΩとするとき,次の式で与えられる。
∫
=
sr
π
4
,
)
(
dΩ
L
E
e
o
e
φ
θ
2. 問題とする点を中心とする微小球の外面
に入射する放射束をその微小球の直径を
含む断面の面積で除した量と定義しても
等価である。
3. 放射輝度Leを輝度Lυ又は光子輝度Lpに
置き換えることによって球面照度Eυo及
び球面光子照度Epoを同様に定義するこ
とができる。
参考 スカラー照度,平均球面照度など類似の用
語を文献中で見かけることがあるが,これ
らの用語の定義は備考2.の定義中の直径を
含む断面の面積を球の表面積に置き換えた
ものであることが多い。
01-40
spherical irradiance
01053 円筒面放射照度
問題とする点を通る問題とする方向の直線を軸とす
る微小円筒の側面全体の平均放射照度。
量記号:Ee,z,Ez
単位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
備考1. 問題とする方向と角εをなし,問題とする
方向に垂直な面内での方位角がφの方向
からその点が受ける放射輝度をLe (ε, φ),
立体角要素をdΩとするとき,次の式で与
えられる。
∫
=
πsr
4
,
sin
)
,
(
1
dΩ
L
E
e
z
e
ε
φ
ε
π
2. 特に断りがない限り,問題とする方向は
鉛直方向である。
01-41
cylindrical irradiance
3. 同様に,放射輝度Leを輝度Lυ又は光子輝
度Lpに置き換えることによって,円筒面
照度Eυ,z及び円筒面光子照度Ep,zを定義
することができる。
13
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01054 放射露光量
その点を含む表面要素に,与えられた時間内に入射し
た放射エネルギーdQeを,その表面要素の面積dAで除
した量。
dA
dQ
H
e
e=
量記号:He,H
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
ワット秒毎平方メートル [W・s・m−2]
備考 等価な定義 その点における放射照度Ee
の,与えられた時間∆tにわたる時間積分。
∫
=Δte
e
dt
E
H
01-42
radiant exposure
01055 露光量
その点を含む表面要素に,与えられた時間内に入射し
た光量dQυを,その表面要素の面積dAで除した量。
dA
dQ
H
υ
υ=
量記号:Hυ,H
単位:ルクス秒 [lx・s]=ルーメン秒毎平方メー
トル [lm・s・m−2]
備考 等価な定義 その点における照度Eυの,与
えられた時間∆tにわたる時間積分。
∫
=Δt
dt
E
H
υ
υ
01-43
luminous exposure
01056 光子露光量
その点を含む表面要素に,与えられた時間内に入射し
た光子数dQpを,その表面要素の面積dAで除した量。
dA
dQ
H
p
p=
量記号:Hp,H
単位:毎平方メートル [m−2]
備考 等価な定義 その点における光子照度Ep
の,与えられた時間∆tにわたる時間積分。
∫
=Δtp
p
dt
E
H
01-44
photon exposure
01057 球面放射露光量
与えられた点における球面放射照度Ee,oの与えられた
時間∆tにわたる時間積分。
∫
=Δt
o
e
o
e
dt
E
H
,
,
量記号:He,o,Ho
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
ワット秒毎平方メートル [W・s・m−2]
備考 球面放射照度Ee,oを球面照度Eυ,o又は球面
光子照度Ep,oで置き換えることによって,
相似な量である球面露光量Hυ,o及び球面光
子露光量Hp,oが同様に定義される。
01-45
radiant spherical
exposure
14
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01058 円筒面放射露光量
与えられた点における,与えられた方向への円筒面放
射照度Ee,zの与えられた時間∆tにわたる時間積分。
∫
=Δt
z
e
z
e
dt
E
H
,
,
量記号:He,z,Hz
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
ワット秒毎平方メートル [W・s・m−2]
備考 円筒面放射照度Eezを円筒面照度Eυ,z又は円
筒面光子照度Epzで置き換えることによっ
て,相似な量である円筒面露光量Hυ,z及び
円筒面光子露光量Hpzが同様に定義される。
01-46
radiant cylindrical
exposure
01059 放射発散度
その点を含む表面要素から出ていく放射束dФeを,そ
の表面要素の面積dAで除した量。
dA
dΦ
M
e
e=
量記号:Me,M
単位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
備考 等価な定義 ある面の与えられた点におい
て,種々の方向に立体角dΩで放出される各
要素ビームの放射輝度をLeとし,その点に
おけるその面の法線と各要素ビームがなす
角をθとするとき,値Le・cosθ・dΩの,その
点から見える半空間にわたる積分。
∫
=
sr
π
2
Ω
cos
d
L
M
e
e
θ
01-47
radiant exitance
01060 光束発散度
その点を含む表面要素から出ていく光束dФυを,その
表面要素の面積dAで除した量。
dA
dΦ
M
υ
υ=
記号:Mυ,M
単位:ルーメン毎平方メートル [lm・m−2]
備考 等価な定義 ある面の与えられた点におい
て,種々の方向に立体角dΩで放出される各
要素ビームの輝度をLυとし,その点におけ
るその面の法線と各要素ビームがなす角を
θとするとき,値Lυ・cosθ・dΩの,その点か
ら見える半空間にわたる積分。
∫
=
sr
π
2
cos
dΩ
L
M
θ
υ
υ
01-48
luminous exitance
15
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01061 光子発散度
その点を含む表面要素から出ていく光子流dФpを,そ
の表面要素の面積dAで除した量。
dA
dΦ
M
p
p=
量記号:Mp,M
単位:毎秒毎平方メートル [s−1・m−2]
備考 等価な定義 ある面の与えられた点におい
て,種々の方向に立体角dΩで放出される各
要素ビームの光子輝度をLpとし,その点に
おけるその面の法線と各要素ビームがなす
角をθとするとき,値Lp・cosθ・dΩの,その
点から見える半空間にわたる積分。
∫
=
sr
π
2
cos
dΩ
L
M
p
p
θ
01-49
photon exitance
01062 カンデラ
国際単位系における七つの基本単位の一つで,光度の
単位。周波数540×1012Hzの単色放射を放出し,ある
方向における放出強度が6831W・sr−1である光源の,そ
の方向の光度の大きさ。
単位記号:cd
備考1. 1 cd=1 lm・sr−1
2. 上の周波数を標準的な空気中での波長に
換算すると,実用上555 nmに等しい。
3. 放射強度が683
1W・sr−1で,波長がλの単色
放射の光度は,明所視においてV (λ) cd,
暗所視において
cd
nm)
555
(
V
V
′
′λ
となる。
ここに,V (λ),V' (λ) は,それぞれ,
明所視及び暗所視の (CIE) 標準分光視
感効率である。
01-50
candela
01063 ルーメン
国際単位系における光束の単位。光度1 cdの均一な点
光源から単位立体角1 sr中に放出される光束。
単位記号:lm
備考 等価な定義 周波数が540×1012Hzで,そ
の放射束が683
1Wの単色放射の光束。
01-51
lumen
01064 ルクス
国際単位系における照度の単位。面積1 m2の面に1 lm
の光束が一様に照射されることによって生じる照度。
単位記号:lx
備考 1 lx=1 lm・m−2
01-52
lux
16
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01065 カンデラ毎平方メー
トル
国際単位系における輝度の単位。
単位記号:cd・m−2
備考1. 1 cd・m−2=1 lm・m−2・sr−1
2. 国際単位系以外の輝度の単位には,次の
ものがある。
スチルブ stilb [sb]
1 sb=104cd・m−2
アポスチルブ apostilb [asb]
2
m
cd
1
asb
1
−
=π
ランベルト lambert [L]
2
4
m
cd
10
L
1
−
=π
フートランベルト footlambert [fL]
1 fL=3.426 cd・m−2
参考 この単位は,ときにニト [nit] と呼ばれ,単
位記号は [nt] とされていたが,現在ではそ
の使用は認められなくなった。
01-53
candela per square
metre
01066 放射効率[放射源の] 放射源から放出される全放射束を放射源の消費電力
で除した値。
量記号:ηe,η
単 位:1[無次元量]
備考 放射源の消費電力の中に,安定器などの補
助装置のいずれかに消費される電力を含む
場合は,そのことを明記しなければならな
い。
01-54
radiant efficiency
01067 光源の視感効果度,
光源効率
光源が発する全光束を,その光源の消費電力で除した
値。
量記号:ηe,η
単位:ルーメン毎ワット [lm・W−1]
備考 光源の消費電力の中に,安定器などの補助
装置のいずれかに消費される電力を含む場
合は,そのことを明記しなければならない。
01-55
luminouse eficacy of a
source
01068 放射の視感効果度
ある放射について,光束を放射束で除した値。
量記号:K[明所視の場合],K'[暗所視の場合]
単位:ルーメン毎ワット [lm・W−1]
備考1. 次の式の関係がある。
e
Φ
Φ
K
/
υ
=
∫
∫
∞
∞
=
0
,
0
,
)
(
/
)
(
)
(
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
d
Φ
d
V
Φ
K
e
e
m
e
Φ
Φ
K
/
υ′
=
′
∫
∫
∞
∞
′
′
=
0
,
0
,
)
(
/
)
(
)
(
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
d
Φ
d
V
Φ
K
e
e
m
2. 単色放射についていう場合,(標準)分光
視感効果度と同じことになる[最大視感
効果度の項を参照]。
01-56
luminous efficacy of
radiation
17
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
01069 等価輝度
定められた測光条件のもとで,対象とする視野と等し
い明るさを呈し,相対分光分布が白金の凝固点の温度
[T≒2 042 K] にある黒体からの放射と同じ放射が作る
比較視野の輝度。
量記号:Leq
単位:カンデラ毎平方メートル [cd・m−2]
備考1. 比較視野の形及び大きさは,対象とする
視野のものと異なってもよいが,定めら
れたものでなければならない。
2. 比較視野としては,相対分光分布が白金
の凝固点の温度にある黒体からの放射の
ものと異なっていても,同じ測定条件下
での等価輝度が既知であれば,それを使
ってよい。
01-58
equivalent luminance
01070 輝点照度
見掛けの直径が認められないような距離から光源を
直接目視するとき,観測者の目の位置における,入射
光の法線照度。
量記号:Eυ,E
単位:ルクス [lx]
参考 光源の面積が極めて小さいときは,明るさ
の評価に輝度が適用できないのでこのよう
な単位で評価する。
01-59
point brilliance
01071 見掛けの等級[天体
の]
星の見掛けの明るさにほぼ比例する量で,次の式によ
って定義される値。
m=mo−2.5 log10 (E/Eo)
ここで,Eは,対象とする星の輝点照度。mo及びEo
は,特定の標準星に与えた等級に基づく定数である。
備考 上に定義した目で見た場合の見掛けの等級
以外に,他の見掛けの等級[写真,ボロメ
ータなどに対する]が同じ式によって定義
される。この場合,E及びEoは,定められ
た分光応答度をもつ検出器の応答である。
01-60
apparent magnitude (of
an astronomical
object)
3.2
視覚に関する用語
3.2.1
網膜
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
02001 網膜
眼球後部の内側にあって,光刺激に感じる膜。それは,
光受容器としてのすい(錘)体及びかん(杆)体並び
にその光受容器の刺激によって生じる結果の信号を
神経に伝達する神経細胞を含む。
02-01
retina
02002 すい(錐)体
網膜の中にあって,明所視過程を引き起こす感光色素
を含む光受容器。
02-02
cones
02003 かん(杆)体
網膜の中にあって,暗所視過程を引き起こす感光色素
を含む光受容器。
02-03
rods
02004 黄はん(斑)
網膜の中心か(窩)領域を覆う,光に対して安定な黄
色の色素の層。
02-04
yellow spot,
macula lutea
18
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
02005 中心か(窩)
最も正常な視覚を生じる,薄く凹んだ網膜の中心部
分。この部分は,ほとんどすい体だけを含む。
02-05
fovea,
fovea centralis
02006 中心小か(窩)
すい体だけを含む網膜の中心部分。
備考 中心小かは,視野の角度で約0.017rad (1°)
である。
02-06
foveola
3.2.2
視覚現象
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
02007 眼の順応,
順応[眼の]
種々の輝度,分光分布及び視覚をもつ刺激に,事前及
びそのときにさらされることによって,視覚系の状態
が変化する過程。
主な効果が刺激の相対分光分布の違いにあるような
順応。
備考1. 明順応,暗順応という用語も用いられる。
前者は,刺激の輝度が少なくとも数カン
デラ毎平方メートルあるとき,後者は,
輝度が100分の数カンデラ毎平方メート
ル未満のときに用いられる。
2. 特定な周波数,方位,大きさなどに対す
る順応もこの定義に含まれるものとして
知られている。
02-07
adaptation (of the eye)
02008 色順応
主な効果が相対分光分布の相違による色度の変化で
あるような色刺激の変化による順応。
02-08
chromatic adaptation
02009 明所視
少なくとも数カンデラ毎平方メートルの輝度レベル
に順応したときの,正常眼による視覚。
備考 すい体は,明所視で主として活動している
光受容器である。
02-09
photopic vision
02010 暗所視
100分の数カンデラ毎平方メートル未満の輝度レベル
に順応したときの,正常眼による視覚。
備考 かん体は,暗所視で主として活動している
光受容器である。
02-10
scotopopic vision
02011
薄明視
暗所視と明所視との中間〈状態〉の視覚。
備考 薄明視覚では,すい体とかん体との両方が
活動している。
02-11
mesopic vision
02012 夜盲
暗所視が著しく不十分であるか,又は全く欠けている
視覚異常。
02-12
hemeralopia,
night-blindness
02013 色覚異常
若干の,又はすべての色の間の弁別をする能力が低下
している視覚異常。
02-13
defective colour vision
02014 仮性同色表
色覚異常の検出,類型分類,程度分類に使用される検
査表。
備考 仮性同色表は,先天色覚異常者のスクリー
ニングには便利であるが,正確な検査には
適していない。
pseudoisochromatic
plates
19
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
02015 プルキンエ現象
(色が異なる2種類の色刺激を)それぞれの相対分光
分布は変えないで,同じ比率で明所視から薄明視又は
暗所視の明るさへと輝度を減少させたとき,短波長成
分が優勢な色刺激に比べて長波長成分が優勢な色刺
激の明るさが相対的に減少する(現象)。
備考 明所視から薄明視又は暗所視へと経過して
いくときに分光視感効率は変化して,最大
視感効果度の波長が短波長に移動する。
02-14
Purkinije phenomenon
02016 スタイルズ−クロフ
ォード効果(第1種の)
瞳孔を通る光線束 (light pencil) の入射位置が,中心か
ら外れるにつれて,光刺激の明るさが減少すること。
備考 変化が明るさの代わりに,色相及び飽和度
である場合には,その効果は,第2種のス
タイルズ−クロフォード効果と呼ぶ。
02-15
Stiles−Crawford
effect (of the first
kind),
directional effect
02017 トロランド
光刺激によって生じる網膜照度に比例する量を表す
ために用いる単位。眼が一様な輝度の面を見ていると
きは,トロランドの値は,平方ミリメートルで表した
自然又は人工の瞳孔の面積とカンデラ毎平方メート
ルで表した面の輝度との積に等しい。
02-16
troland
02018 網膜照度
光源の輝度と瞳孔の面積との積として定義された測
光量。網膜上における照度を表すときに代用する。
単位:トロランド (Td)
retinal illuminance
02019 視覚
眼に放射が入ることによって生じる外界の明るさ,
色,形状,動きなどを認める感覚及び知覚。
vision
02020 視力
1. 定性的定義 非常に小さな角度間隔をもつ細部
を,明確に見分ける能力。
2. 定量的定義 観測者がちょうど見分けられる二つ
の隣接物(点,線又はその他明示された刺激)の
視角の隔たりを分で表し,その逆数をとるなどの,
各種の空間弁別を表す数値。
02-43
visual acuity,
visual resolution
02021 調節[眼の]
ある与えられた距離にある物体の像を網膜上に結像
するための,水晶体レンズの屈折力の調整。
02-44
accomodation (of the
eye)
02022 輝度いき(閾),
輝度刺激いき(閾)
知覚を可能にする最低の輝度。
備考 この値は,視野の大きさ,周囲の状況,順
応状態及びその他の観測条件に依存する。
02-45
luminance threshold
02023 輝度弁別いき(閾),
輝度識別いき(閾)
知覚できる最小の輝度差
備考 この値は,輝度,及び色順応状態を含む観
測条件に依存する。
02-46
luminance difference
threshold
02024 コントラスト,
対比
1. 知覚的意味 同時又は継時的に見える二つ以上
の,見えの差の評価値(明るさ対比,明度対比,
色対比,同時対比,継時対比など)。
2. 物理的意味 知覚的明るさ対比と対応するように
意図して通常,対象の輝度を含む幾つかの式の一
つで定義される量。例えば,光覚輝度いきの付近
では,∆L/L,また,より高い輝度ではL1/L2
02-47
contrast
20
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
02025 輝度対比
同時に示した二つ以上の部分について感じる明るさ
の差に対応することを意図して,次の式(1)又は式(2)
のように,二つの面の輝度L1,L2の関数として表した
量。
2
1
1
2
1
L
L
L
L
L
C
>
−
=
…………(1)
1
2
1
2
L
L
L
L
C
>
=
…………(2)
備考 式(2)による値を,特に輝度比[参考(英)
luminance ratio]という。
luminance contrast
02026 コントラスト感度
知覚できる最小の(物理的な)対比の逆数。通常平均
輝度Lの,輝度弁別いき(閾)∆Lに体する比L/∆Lで
表す。
備考 この値 (Sc) は,輝度と順応状態を含む観測
条件とに依存する。
02-48
contrast sensitivity
02027 フリッカ
輝度又は分光分布が時間的に揺らぐ光刺激によって
誘導される,視感覚の不安定な現象。
02-49
flicker
02028 融合周波数,
臨界フリッカ周波数
(互いに異なった2種の光刺激が,交互に同一視野に
呈示されてフリッカが生じているとき,)それを超え
ると,フリッカが知覚できなくなるその交替周波数。
02-50
fusion frequency,
critical flicker
frequency (for a
given set of
conditions)
02029 トールボットの法則 網膜の一点が,周期的にその強度が変動する光刺激で
興奮させられて,その周波数が融合周波数を超える場
合の視感覚は,その変動の1周期にわたって平均した
強度と等しい強度をもつ定常刺激によって生じるも
のと等しい(という法則)。
02-51
Talbotʼs law
02030 グレア
視野内の輝度の分布,若しくはその値の不適切,又は
極端な対比があることによって,不快又は細かいもの
若しくは対象物を見る能力の低下を生じる視覚の状
態。
02-52
glare
02031 直接グレア
視野内の,特に視野の近くに位置する一次光源によっ
て生じるグレア。
02-53
direct glare
02032 反射グレア
(光源など,輝度が高い物体の)反射像が,特に視対
象と同じ方向であることによって生じるグレア。
備考 以前(の英語)は,“reflected glare”。
02-54
glare by reflection
02033 光幕反射
視対象に重なって見えて,コントラスト(対比)を低
下させることによって,細部を部分的に見えにくくす
る鏡面反射。
02-55
veiling reflections
02034 不快グレア
物の見え方は損なわないグレア。不快感は引き起こす
が,視覚能力の目立った減退には結び付くとは考えら
れないグレア。
02-56
discomfort glare
02035 減能グレア
物の見え方は損なうが,必ずしも不快感は生じないグ
レア。結果として視覚能力は減退するが,不快感に結
び付くとは限らないグレア。
02-57
disability glare
21
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
02036 等価光幕輝度
順応背景及び物体の両者の輝度に重なったときに,次
の2条件の下で同等な輝度(光覚いき(閾)又は輝度
(差)弁別いきを生じる輝度)。
1. グレアはあるが,重なる輝度はない。
2. 重なる輝度はあるが,グレアはない。
02-58
equivalent veiling
luminance (for
disability glare or
veiling reflections)
02037 中心視
対象物の像を網膜の中心かに結像してみること。
備考 中心かには,すい(錐)体が密に分布して
いて,色の識別力及び視力が最もよい。
central vision
02038 周辺視
かん体が多く分布していて,微弱な光やその変化及び
動きを検出する力が大きい網膜の周辺部分で見るこ
と。
peripheral vision
02039 いき(閾)値,
しきい値[視覚の]
刺激いき及び識別いきの総称。
1. 刺激いき 刺激の存在がやっと知覚できるときの
刺激の大きさ
2. 識別いき この刺激がやっと区別して知覚できる
ときの両刺激の量又は質的な差異
threshold
02040 視認性
対象物の存在又は形状の見えやすさの程度
visibility
02041 可読性
文字又は記号の読みやすさの程度
legibility
3.2.3
その他
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
02042 盲点
網膜上で,視神経乳頭に対応して光感覚を生じさせな
い部分。
中心か(窩)の鼻側15度の部位にあり,大きさ約7
度,横約5度である。
blind spot
02043 視野
視線を固定した状態で見える範囲。
visual field
02044 屈折力[眼の]
眼球を凸レンズと見なしたとき,平行光が網膜に結像
するのに要する補正レンズの屈折力。正視であれば補
正レンズは必要なく,近視では凹レンズが,遠視では
凸レンズが必要となる。
refractive power (of
the eye)
02045 屈折異常[眼の]
眼が調節していないときに,平行光が眼に入ると眼の
屈折系によって,光の屈折が起こって網膜面に像を結
ぶが,このとき網膜面に正しい像を結ばない眼,又は
そのような状態。
refractive error of the
eye
02046 マックスウェル視
網膜に光を照射するときに,接眼鏡を用いないで光源
の実像を被検者の瞳孔中央で焦点を結び,再び光束が
広がって網膜を刺激する方法。
備考 この方法では,網膜上での照度はどう(瞳)
孔径の大きさには影響を受けない。
Maxwellian view
22
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3
色に関する用語
3.3.1
知覚光,知覚色
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03001 知覚光,
(ちかくこう)
光
(ひかり)
視覚系に特有な知覚及び感覚の普遍的で本質的な属
性
備考1. 光は普通,必ずではないが,光刺激の視
覚系に対する作用の結果として知覚され
る。
2. 01007 [IEC 60050 (845) 01-06] を参照。
02-17
(01-06)
(perceived) light
03002 知覚色,
(ちかくしょく)
色感覚,
(いろかんかく)
色
有彩色成分と無彩色成分との組合せからなる視知覚
の属性。この属性は,黄,オレンジ,赤,ピンク,緑,
青,紫などの有彩色名,若しくは白,灰,黒などの無
彩色名を明るい,暗いなどで修飾したもの,又はこれ
らの色名の組合せで記述される。
備考1. 知覚色は,色刺激の分光分布,刺激面の
寸法,形,構成,及び周囲条件,観測者
の視覚系の順応状態,並びに観測者がな
じんでいる類似の状況での経験に依存す
る。
2. 03025の備考参照。
3. 知覚色は,幾つかの色の見えのモードで
見える。種々の色の見えのモードの名称
は,色知覚の質的及び形状,観察条件な
どの幾何的な差を区別するためにある。
幾つかの比較的重要な色の見えのモード
の用語は03003〜03009にあげてある。
02-18
(03-01)
(perceived) colour
03003 物体色,
物体知覚色
対象物体に属しているように知覚される色。
参考 従来のJIS Z 8113の2037物体色は光を反射
又は透過する物体の(心理物理)色を表し
て,IEC/CIE国際照明用語と整合する上記
とは同語異義であった。混同のおそれがあ
るときにはこの概念は物体知覚色と記し,
従来の概念は反射(透過)物体の色と記す
のがよい。
02-19
object-colour
03004 表面色
(対象物の)表面から拡散的に反射又は放射している
ように知覚される色。
参考 従来のJIS Z 8105の2008表面色とは,発光
知覚色も含む点で概念が異なる。
02-20
surface colour
03005 開口色
奥行き方向の空間的位置が特定できないように知覚
される色,例えば,遮光板に開けた孔の中に見える一
様な色。
02-21
aperture colour
23
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03006 発光(知覚)色
一次光源として光を発している面に属しているか,又
はその光を鏡面反射しているように知覚される色。
備考 自然の環境で見る一次光源は,普通この意
味において発光色の見えを呈する。
参考 従来のJIS Z 8113の2036光源色は,光源か
ら出る光の心理物理色で,発光知覚色とは
異なる概念でIEC 60050 (845) には定めら
れていない。混同を避けるために,光源の
(心理物理)色と記すのがよい。
02-22
luminous (perceived)
colour
03007 非発光(知覚)色,
非発光物体色
二次光源として光を透過又は反射している面に属し
ているように知覚される色。
備考 自然の環境で見る二次光源は,普通,この
意味での非発光物体色の見えを呈する。
02-23
non-luminous
(perceived) colour
03008 関連(知覚)色
他の色と関連して見えている面に属するように知覚
される色。例えば,通常の背景又は周囲視野と共に相
互に関連して知覚される色。
02-24
related (perceived)
colour
03009 無関連(知覚)色
他の色から独立している面に属するように知覚され
る色。例えば,暗黒の周囲の中に一つだけ照明された
1色の色紙,又は暗夜に一つだけ点灯した信号灯のよ
うに他に比較するものがない色。
02-25
unrelated (perceived)
colour
03010 無彩色
1. 知覚的意味では,色相をもたない知覚色。白,灰
及び黒の色名が普通に用いられ,透過物体には,
無色及び中性が用いられる。
2. 心理物理的意味では,03030無彩色刺激を参照。
02-26
achromatic (perceived)
colour
03011
有彩色
1. 知覚的意味では,色相をもつ知覚色。日常会話で
は,多くの場合“色”の語はこの意味で,白,灰
又は黒と対比して用いられる。修飾語“着色
coloured”は,普通,有彩色を意味する。
2. 心理物理的意味では,03031有彩色刺激を参照。
02-27
chromatic (perceived)
colour
03012 明るさ
ある面から発している光の強弱の見え方の基になる
視感覚の属性。
参考1. 明るさは,発光面についても非発光面に
ついても用いる。
2. 主として関連する測光量は,輝度である。
02-28
brightness
03013 明度(関連知覚色の) 同様に照明されている白又は透過率が高い面の明る
さと比較して,相対的に判断される対象面の明るさ。
備考 関連色だけが明度をもつ。
参考1. 明度は,上記の明るさ知覚だけでなく,
それを数量化した値も表す。数量化した
値であることを明確にする場合は,明度
指数の語を用いる。
2. 主として関連する測光量は,輝度率であ
る。
02-31
lightness (of a related
colour)
24
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03014 明るい
1. 明るさが高いことを表すために用いる形容詞。
2. 明度が高いことを表すために用いる形容詞。
参考1. IEC 60050 (845) / CIE 17.4公用語の英,
仏,露語では,1.及び2.の概念を別の用語
で区別するが,独語では日本語と同様に,
同一用語を用いる。
2. 2.の意味で“明るい”は,1.の意味との混
同のおそれがない場合にだけ用いてよ
い。混同のおそれがある場合には,“高明
度の”を用いる。
02-29,
02-32
1. bright,
2. light
03015 暗い
1. 明るさが低いことを表すために用いる形容詞。
2. 明度が低いことを表すために用いる形容詞。
参考1. 03014参考1.参照。
2. 2.の意味で“暗い”は,1.の意味との混同
のおそれがない場合にだけ用いてよい。
混同のおそれがある場合には“低明度の”
を用いる。
02-30,
02-33
1. dim,
2. dark
03016 ヘルムホルツ−コー
ルラウシュ現象
明所視の範囲内で輝度を一定に保ちながら,色刺激の
純度を増加させたときに知覚色の明るさが変化する
現象。
02-34
Helmholtz-Kohlrausch
phenomenon
03017 色相
ある面が,純粋な赤,黄,緑,青,若しくはそれらの
隣り合った二つずつをある比率で組み合わせた知覚
色と同類に見えるかの基になる視感覚の属性,又はそ
れを尺度化した値。
02-35
hue
03018 ユニーク色相,
(心理的)基本色相
それ自体の色相名だけによって記述できて,他の色相
成分は含んでいないように知覚される色相。例えば,
赤みも緑みも感じない黄色相。
備考 ユニーク色相には,赤,黄,緑及び青の4
色相がある。
02-36
unitary hue,
unique hue
03019 バイナリー色相,
(心理的)中間色相
隣り合った二つのユニーク色相の組合せとして記述
される色相。例えば黄緑色相,また,オレンジは黄み
の赤又は赤みの黄,紫は赤みの青などとされて,共に
バイナリー色相である。
02-37
binary hue
03020 アブニー現象
色刺激の主波長及び輝度を一定に保ちながら,純度を
減少させたときに色相が変化する現象。
02-38
Abney phenomenon
03021 ベゾルド−ブリュッ
ケ現象
刺激の色度を一定に保ちながら,明所視の範囲内で輝
度を変化させたときに生じる色相の変化。
備考 ある種の単色光刺激では,(与えられた順
応状態で)広い輝度範囲にわたって色相が
一定に保たれる。これらの刺激の波長は時
に,不変波長 (invariant wavelength) と呼ば
れる。
02-39
Bezold-Brücke
phenomenon
25
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03022 色み
ある面の知覚色について,有彩色の度合いが強いか弱
いかの基になる視感覚の属性。
備考1. 関連色の場合,ある与えられた色度及び
与えられた輝度率に対して,輝度が非常
に高い場合を除いては,この属性は,通
常,輝度の上昇とともに上昇する。
2. 以前は,クロマチックネス(chromaticness)
で色相と飽和度との組合せ,すなわち色
度に対する知覚の相関量を表した。
02-40
chromaticness,
colourfulness
03023 飽和度
ある面について,その明るさと比較して相対的に判断
される色み。
備考 与えられた観測条件において,明所視の範
囲内の輝度レベルで与えられた色度の色刺
激は,非常に明るい場合を除いて,あらゆ
る輝度でほぼ一定の飽和度を示す。
参考 飽和度は,主に発光色の色みの表示に用い
られる。
02-41
saturation
03024 彩度,
クロマ
ある面について,それと同様に照明された,完全な白
又は高い透過率に見える面の明るさと比較して表し
た色み。
備考 与えられた観測条件及び明所視の範囲内の
輝度レベルに対して,与えられた色度で,
与えられた輝度率の(反射物体の)色刺激
は,非常に明るい場合を除いて,あらゆる
照度レベルに対してほぼ一定の彩度を示
す。同じ環境で,一定の照度レベルでは,
(物体の)輝度率を増加すれば通常,彩度
は増加する。
02-42
chroma
3.3.2
測色
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03025 色,
色彩
1. (知覚)色,色感覚 03002参照。
2. (心理物理)色,色刺激値
三刺激値のように,算出手法が規定された3個の数値
による色刺激の表示。
備考 文脈から意味が明りょう(瞭)な場合は,
用語“色”又は“色彩”だけを用いてよい。
03-01
1. colour, (perceived)
colour,
2. (psychophysical)
colour
3.3.2.1
刺激
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03026 色刺激
目に入って,有彩又は無彩の色感覚を生じさせる可視
放射。
03-02
colour stimulus
03027 色刺激関数
放射輝度又は放射パワーなどの放射量の分光密度に
よる波長関数としての色刺激の表記。
量記号:φλ (λ)
03-03
colour stimulus
function
26
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03028 相対色刺激関数
色刺激関数の相対分光分布。
量記号:φ (λ)
03-04
relative colour stimulus
function
03029 条件等色刺激,
条件等色対,
メタマー
等しい三刺激値をもっていて,分光分布は異なる色刺
激。
備考 このような性質を条件等色(性)
(metamerism) という。
03-05
metameric stimuli,
metamers
03030 無彩色刺激
(むさいしょくしげ
き)
一般的な条件の下で,無彩(知覚)色を生じさせる色
刺激。
備考 反射・透過物体の測色においては,完全拡
散反射・透過面(体)の色は,それを照明
する光源が高い彩度に見える場合を除い
て,すべてのイルミナントに対して通常,
無彩色刺激とみなす。
03-06
achromatic stimulus
03031 有彩色刺激
最も普通な条件の下で,有彩(知覚)色を生じさせる
(色)刺激。
03-07
chromatic stimulus
03032 単色光刺激,
スペクトル刺激
一つの単色放射からなる(色)刺激。
03-08
monochromatic
stimulus,
spectral stimulus
03033 (加法混色の)補色,
補色刺激
適当な比率で加法混色して,特定の無彩色刺激の三刺
激値と同じ三刺激値を生じさせることができる1対の
色刺激。
03-09
complementary colour
stimuli
3.3.2.2
イルミナント
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03034 イルミナント,
測色用の光
それで照明された物体の色知覚に影響を及ぼす波長
域全体の相対分光分布が規定されている放射。
参考1. この用語は,以前は“標準”,“基準”な
どの語と組み合わせて“…の光”と呼び,
単独の場合には“測色用の光”としたが,
場合によっては紫外波長域も含む分光分
布を表すので,IEC 60050 (845) 01-06light
の定義1.及び2.と矛盾しないように,イル
ミナントと呼ふことにした。
2. この用語の対応英語illuminantは日常英
語では,このような意味に限らず,物又
は場面を照明するどんな光に対しても用
いる。
03-10
illuminant
03035 昼光イルミナント,
CIE昼光(イルミナン
ト)
昼光のある様相とほぼ等しい相対分光分布をもつよ
うに定めたイルミナント。
参考 昼光イルミナントは,主として北窓につい
ての多くの分光測定値から統計的手法によ
って各々の相関色温度における昼光の代表
としてCIEが定めた分光分布をいい,それ
を明確にするためには,CIE昼光,又はCIE
昼光イルミナントと呼ぶ。
03-11
daylight illuminant
27
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03036 (CIE) 標準イルミナ
ント,
(CIE) 標準の光
CIEによって相対分光分布が規定されたイルミナント
A,C,D65及びその他のイルミナントDT(ISO/CIE
10526及びCIE出版物15.2参照。)。
備考 これらのイルミナントは,次のことを意図
している。
A:温度が2848×
0
435
.1
8
438
.1
=2856Kである黒体の放
射
B:直射太陽放射(廃止)
C:平均昼光(紫外部を除く)
DT:任意の相関色温度Tに対してCIEによって
相対分光分布が定義された昼光イルミナント
D65:相関色温度6500×
0
438
.1
8
438
.1
=6504Kの昼光イル
ミナントで,紫外部を含む平均昼光に相当する
[JIS Z 8720参照]。
参考1. JIS Z 8720では,上記のうちA,D65及びC
だけを狭義の標準イルミナントとし,B
並びにその他のイルミナントのうちの
D50,D55及びD75を補助標準イルミナント
と定めている。
2. イルミナントA,C,D65などを省略して
記す場合は,混同のおそれがないかぎり,
光A,光C,光D65などと記してよい。
3. イルミナントCは,主に過去のデータと
の関連を必要とする場合にだけ用いる。
03-12
CIE standard
illuminant
03037 (JIS) 補助標準イルミ
ナント
(JIS) 補助標準の光
JIS Z 8720で規定した3種類のCIE昼光イルミナント
D50,D55及びD75。その相関色温度は,K単位でそれ
ぞれ次による。
0
438
.1
8
438
.1
000
5
×
,及び
0
438
.1
8
438
.1
500
5
×
0
438
.1
8
438
.1
000
7
×
参考 IEC 60050 (845) では,この用語は特に定め
ていない。
supplementary
standard illuminants
28
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03038 (CIE) 標準光源
仕様がCIEによって規定され,その相対分光分布が標
準イルミナントA及びCに近似する人工光源。
参考1. 各標準光源の仕様は,次による。
標準光源A:分布温度が約2 856 Kの透明
バルブ−ガス入り−タングステンコイル
電球。
標準光源C:標準光源Aに規定の溶液フ
ィルタを組み合わせて相関色温度を約6
774 Kにした光源。
2. 標準イルミナントD65及びその他の補助
標準イルミナントDTを実現する人工光
源は,いまだ確定されていない。JIS Z
8120の附属書ではこれらを近似的に実現
する常用光源の近似の良さの評価方法を
定めている。
3. 03036の参考3.参照。
03-13
CIE standard sources
03039 等エネルギー白色光,
等エネルギースペク
トル
波長の関数として表した放射量の分光密度が,可視波
長全域にわたって一定である放射からなるスペクト
ル。
備考 等エネルギー白色光の放射は,ときにはイ
ルミナントとして用いられて,その場合は
記号Eで表す。
03-14
equi-energy spectrum,
equal energy spectrum
(米国)
3.3.2.3
三色表色系
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03040 加法混色
複数の色刺激を,網膜の同じ箇所に同時に若しくはフ
リッカを生じない程度の高い周波数で交互に入射さ
せるか,又は分解して見えない程度の細かいモザイク
状などの配置で結像させて行う色刺激の混合方法。
03-15
additive mixture of
colour stimuli
03041 等色,
(とうしょく)
色合わせ
(いろあわせ)
与えられた色刺激と,色が等しく見える別の色刺激を
作る行為。
備考 この用語は,視感色彩計で二つの視野の色
が等しくなるように調整すること及びある
イルミナントの下で等しい知覚色をもつ二
つの物体を選び出すことに同じように用い
られる。日本語では,前者の意味には主に
等色を,後者の意味には主に色合わせを用
いる。IEC 60050 (845) では,このように2
義があることは英語及び独語共に同様で,
どちらも1種類の語を二つの意味に用いる
が,仏語及び露語では前者の意味だけに用
いると記している。
03-16
colour matching
29
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03042 グラスマンの法則
加法混色における等色の性質を表す,次の三つの経験
法則。
1. ある等色状態を詳述するには,互いに独立な3個
の変数が必要でかつ十分である。
2. 加法混色では,混合する成分の分光組成ではなく,
その三刺激値だけが関係する。
3. 加法混色において混色する一つ以上の成分が連続
的に変化するならば,結果の色の三刺激値も連続
的に変化する。
備考 グラスマンの法則は,標準的な観測条件で
だけ成り立つもので,例えば,視野の明る
さレベルが低く明所視条件から外れる,グ
レアを感じるほど高い,又は等色するそれ
ぞれの視野の大きさが一定でないような観
測条件では成り立たない。
03-17
Grassmannʼs laws
03043 (フォン・クリース
の)等色不変則
一つの順応条件の下で互いに等色している色刺激は,
別の順応条件でも等色し続けるという経験法則。
備考 フォン・クリースの等色不変則も,グラス
マンの法則の場合と同様に,すべての観測
条件には適用できない。
03-18
(von Kries') persistence
law
03044 アブニーの法則
二つの色刺激AとBとが等しい明るさに知覚され,ま
た別の二つの色刺激CとDとが等しい明るさに知覚さ
れるならば,混合刺激A+CとB+Dともまた等しい
明るさに知覚されるという経験法則。
備考 アブニーの法則の妥当性は,観測条件に強
く依存する[03042の備考及び03016参照]。
03-19
Abney's law
03045 三色表色系
(さんしょくひょう
しょくけい)
適切に選ばれた3個の原刺激の加法混色による等色に
基づいて,色刺激を三刺激値によって記述する体系。
参考 特定の (R),(G),(B) の原刺激を用いた三
色表色系を変換して,CIEのXYZ表色系及
びX10Y10Z10表色系が定められている。
03-20
trichromatic system
03046 原刺激
三色表色系が基礎とする3個の色刺激のセット。
備考1. 原刺激は,実在する色刺激か,又はその
線形結合で定義される理論的刺激であ
る。この原刺激の単位は測光量若しくは
放射量の単位で表すか,又はより一般的
にそれらの量の比だけを記述するか,若
しくは特定の無彩色刺激に等色すること
によって定められる単位で表す。
2. 2種類のCIE表色系の原刺激は記号 [X],
[Y],[Z] 及び [X10],[T10],[Z10] で表す。
03-21
reference colour
stimuli
03047 三刺激値
与えられた三色表色系において,試料の色刺激と等色
するための3個の原刺激の量。
備考 2種類のCIE表色系では,三刺激値は記号
X,Y,Z及びX10,Y10,Z10で表す。
03-22
tristimulus values (of a
colour stimulus)
30
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03048 等色関数(三色表色系
の)
可視波長の全域にわたって,それぞれ等しい放射パワ
ーをもつ単色光刺激の三刺激値。
備考1. 与えられた波長における等色関数の一組
3個の値を,等色係数 (colour matching
coefficients) [以前はスペクトル三刺激値
(spectral tristimulus values)]という。
2. 等色関数は,ある色刺激の三刺激値をそ
の色刺激関数φλ (λ) から計算するために
用いる[ISO/CIE 10527及びCIE出版物
No.15.2を参照]。
3. CIE表色系では,等色関数は記号̲x (λ),̲y
(λ),̲z (λ) 及び̲x10 (λ),̲y10 (λ),̲z10 (λ) で
表す。
03-23
colour-matching
functions (of a
trichromatic system)
03049 等色式
二つの色刺激の等色の代数的又はベクトル的な表示。
例えば,次のような3個の原刺激による加法混色の表
示。C [C] ≡X [X] +Y [Y] +Z [Z]
備考 記号≡は等色を表し,“等色”又は“マッチ”
と読む。括弧を付けない文字記号は,括弧
を付けた文字記号で示す色刺激の量を表
す。例えば,C [C] は,色刺激 [C] のC単
位を表す。記号+は,色刺激の加法混色を
表す。
03-24
colour equation
03050 色空間
色の幾何学的表示に用いる,通常三次元の空間。
03-25
colour space
03051 色立体
ある表色系において表面色が占有する色空間の領域。
03-26
colour solid
03052 色票集
一定の規則に従って配列し,それぞれ記号を付けた色
試料の系統的集合。
参考 色票集を構成するために,特定のイルミナ
ントの下でそれぞれ規定の値に近似する色
刺激値をもつ,通常,拡散性の反射物体で
作られた一定寸法の表面色試料を色票
(colour chip) という。また,特定の色の属性
が一定である色票だけを平面上に配列した
ものをカラーチャート (colour chart) とい
い、色票集は、カラーチャートを編集して
作られる[JIS Z 8105参照]。
03-27
colour atlas
03053 XYZ表色系,
CIE 1931(標準)表色
系(ひょうしょくけ
い)
CIEが1931年に採択した一組の原刺激 [X] ,[Y], [Z]
及びCIE等色関数̲x (λ),̲y (λ),̲z (λ)を用いて,任意
の分光分布の三刺激値を決定する色表示の体系[CIE
出版物No.15.2参照]。
備考1.
̲y (λ) は,分光視感効率V (λ) と等しいの
で,三刺激値のYの値は輝度に比例する。
2. この表色系は,視角が約1°〜約4°
[0.017〜0.07 rad] の中心視の視野に適用
される。
03-28
standard colorimetric
system (XYZ)
31
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03054 X10Y10Z10表色系,
CIE 1964(補助標準)
表色系
CIEが1964年に採択した一組の原刺激 [X10] ,
[Y10] , [Z10] 及びCIE等色関数̲x10(λ),̲y10(λ),̲z10(λ)
を用いて,分光分布が任意の色刺激の三刺激値を決定
する色表示の体系[CIE出版物No.15.2参照]。
備考1. この表色系は,視角が4° [0.07 rad] を超
える中心視の視野に適用される。
2. この表色系を用いる場合は,色刺激値を
表す量記号のすべてに添字10を付けて
CIE 1931表色系の量記号と区別する。
3. 三刺激値Y10は,輝度に比例しない。
03-29
CIE 1931
supplementary
standard
colorimetric system
(X10, Y10, Z10)
03055 CIE等色関数
CIE 1931表色系における関数̲x(λ),̲y(λ),̲z(λ),又は
CIE 1964表色系における関数̲x10(λ),̲y10(λ),̲z10(λ)
[ISO/CIE 10527及びCIE出版物No.15.2参照]。
03-30
CIE colour-matching
functions
03056 CIE 1931測色標準観
測者
等色の特性が,CIEが1931年に採択した等色関数̲x
(λ),̲y(λ),̲z(λ)に一致する仮想の観測者。
03-31
CIE 1931 standard
colorimetric
observer
03057 CIE 1964測色補助標
準観測者
等色の特性が,CIEが1964年に採択した等色関数̲x10
(λ),̲y10(λ),̲z10(λ)に一致する仮想の観測者。
03-32
CIE 1964
supplementary
standard
colorimetric
observer
3.3.2.4
色度
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03058 色度座標
(しきどざひょう)
三刺激値の各々の,それらの和に対する比。
備考1. 三つの色度座標の和は1になるので,それ
らのうちの二つだけで色度が定められ
る。
2. CIE標準表色系では,色度座標は記号x,
y,z及び記号x10,y10,z10で表される。
03-33
chromaticity
coordinates
03059 色度
色度座標によって,又は主波長若しくは補色主波長と
純度との組合せによって定められる色刺激の性質。
参考 色度は、三次元で表される心理物理的色か
ら測光量の次元を除いた色の二次元的性質
としても定義される。
03-34
chromaticity
03060 色度図
色度座標で定められる図上の点が色刺激の色度を表
す平面図。
備考 CIE標準表色系においては,通常,yを縦座
標とし,xを横座標とするxy色度図を用い
る。
03-35
chromaticity diagram
03061 xy色度図,
CIE 1931色度図
CIE標準表色系において,通常,yを縦座標,xを横座
標とする色度図。
(03-35) x, y chromaticity
diagram
03062 x10y10色度図,
CIE 1964色度図
CIE 1964補助標準表色系において,通常,y10を縦座
標,x10を横座標とする色度図。
x10, y10 chromaticity
diagram
03063 スペクトル色度座標,
単色光色度座標
単色光刺激の色度座標。量記号x (λ),y (λ),z (λ) など
の組で表す。
03-36
spectral chromaticity
coordinates
32
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03064 スペクトル軌跡,
単色光軌跡
(たんしょくこうき
せき)
色度図上又は三刺激値空間[三刺激値の各々を直交す
る3座標とする色空間]において,単色光刺激を表す
点の軌跡。
03-37
spectrum locus
03065 紫刺激
色度図上で,特定の無彩色刺激を表す点,並びに380
nm及び780 nmにほぼ相当するスペクトル軌跡の両端
によって定められる三角形内にある点によって表さ
れる(色)刺激。
03-38
purple stimulus
03066 純紫軌跡,
(じゅんむらさきき
せき)
純紫限界
波長がほぼ380 nmと780 nmとの単色光刺激の加法混
色を表す色度図上の線又は三刺激値空間内の平面。
03-39
purple boundary
03067 最明色(刺激)
[さいめいしょく(し
げき)]
分光放射輝度率はどの波長でも1を超えることはな
く,その物体としての輝度率が,各々の色度に対して
理論上可能な最大値をもつ物体に相当する物体色刺
激。
備考1. これらの刺激は,一般に,その可視波長
域内の分光放射輝度率が1か0であって,
その値の変換点は,2個以内である。
2. これらの刺激の輝度率及び色度座標は,
非蛍光性物体による色立体の限界を定め
る。
3. 与えられた輝度率に対してこれらの刺激
は,非蛍光性物体で可能な最高純度を定
める。
03-40
optimal colour stimuli
03068 無輝面,
無輝線,
アリクネ
三刺激値空間の中で,輝度が0である色刺激の軌跡を
表す面。
備考 この面は,三刺激値空間の原点を通り,ま
た任意の色度図と直線で交わって,その直
線もアリクネ(無輝線)と呼ぶ。無輝線は,
スペクトル軌跡と純紫軌跡とで囲まれる色
度範囲の完全に外側に存在する。
03-43
alychne
03069 主波長(色刺激の) 特定の無彩色刺激と適当な比率で加法混色すること
によって,試料色刺激に等色するような単色光刺激の
波長。
量記号:λd
備考 紫刺激の場合は,主波長の代わりに補色主
波長を用いる。
03-44
dominant wavelength
(of a colour
stimulus)
03070 補色主波長(色刺激
の)
試料の紫刺激と適当な比率で加法混色することによ
って,特定の無彩色刺激に等色するような単色光刺激
の波長。
量記号:λc
03-45
complementary
wavelength (of a
colour stimulus)
33
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03071 純度(色刺激の)
単色光刺激と特定の無彩色刺激とを加法混色して試
料色刺激に等色するとき,その単色光刺激と特定の無
彩色刺激との量の比率を示す数値。
備考1. 紫刺激の場合は,単色光刺激の代わりに
純紫軌跡上の色刺激を用いる。
2. 加法混色の比率は,種々の方法で測るこ
とができて,その方法によって03073刺
激純度及び03072輝度純度が区別して定
義される。
03-46
purity (of a colour
stimulus)
03072 輝度純度
単色光刺激と特定の無彩色刺激とを加法混色して,試
料色刺激に等色するとき,次の関係式によって定義さ
れる量。
量記号:pc
)
(
d
n
d
c
L
L
L
p
+
=
ここに,Ld及びLnは,それぞれ単色光刺激及び無彩色
刺激の輝度である。
備考1. 紫刺激の場合は,03071の備考1.を参照。
2. XYZ表色系では,輝度純度pcと刺激純度
peとは次の関係にある。
y
y
p
p
d
e
c=
ここに,yd及びyは,単色光刺激及び
試料色刺激の色度座標yである。
3. X10Y10Z10表色系では,輝度純度pc,10は備
考2.の関係式のpe,yd及びyを,それぞ
れpe,10,yd,10及びy10に置き換えたもので
定義される。
03-47
colorimetric purity
03073 刺激純度
xy色度図又はx10y10色度図において,同一直線上にあ
る二つの距離の比
ND
/
NC
で定義される量。この分子
NCは,試料色刺激を表す点Cと特定の無彩色刺激を
表す点Nとの距離であり,分母NDは,点Nと試料色
刺激の主波長に相当するスペクトル軌跡上の点Dと
の距離である。この量peは次で表される。
n
d
n
e
y
y
y
y
p
−
−
=
又は
n
d
n
e
x
x
x
x
p
−
−
=
ここに,(x, y),(xn, yn) 及び (xd, yd) は,それぞれ点C,
N及びDの色度座標x,yである。
備考1. 紫刺激の場合は,03071の備考1.を参照。
2. x及びyの式は等価であるが,分子の数値
が大きい式を用いると計算の精度がより
高い。
3. 刺激純度peは,輝度純度pcと式pe=pcy/yd
の関係にある。
03-48
excitation purity
34
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3.2.5
均等色空間
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03074 均等色空間
(きんとういろくう
かん)
色空間の一種で,その中での等しい距離が,いずれも
弁別いき(閾)に相当するか,又は弁別いき以上の等
しい大きさに感じられる色差を表すことを意図され
たもの。
03-51
uniform colour space
03075 UCS色度図
図全体にわたって,等しい距離が等輝度の色弁別の等
ステップをできるだけ良い近似で表すことを意図し
て,その座標が定義されている二次元の色度図。
03-52
uniform-chromaticity-s
cale diagram,
UCS diagram
03076 CIE 1976UCS色度図,
u'ν'色度図
式(1)によって定義される量u',υ'を直交座標にプロッ
トして得られるUCS色度図。
3
12
2
4
3
15
4
+
+
−
=
+
+
=
′
y
x
x
Z
Y
X
X
u
……(1)
3
12
2
9
3
15
9
+
+
−
=
+
+
=
′
y
x
x
Z
Y
X
X
υ
ここに,X,Y,Zは,対象とする色刺激のCIE 1931
又は1964標準表色系における三刺激値で,x,yは対
応する色度座標である。
備考 この図は,直交座標で,uに対してVをプ
ロットしたCIE 1960色度図を修正して置
き換えたものである。それら2組の座標の
関係は次による。
u'=u ; υ'=1.5υ
参考 X10Y10Z10表色系については,同様の式によ
って得られるu'10,ν'10の直交座標を用いる。
03-53
CIE 1976
uniform-chromaticit
y-scale diagram,
CIE 1976 UCS
diagram
03077 CIE 1960UCS色度図,
uυ色度図
CIEが1960年に定めたu,υの直交座標を用いるUCS
色度図(03-076備考参照)。
参考 この色度図は,その後改正されてCIE 1976
UCS色度図が定められたので公式には廃止
されたが,相関色温度の決定には実質的に
利用されるので,JISでは暫定的に制限付き
で継続使用する。
CIE 1960 uniform
chromaticity-scale
diagram,
CIE 1960 UCS
diagram
03078 CIE (1976) L*u*υ*色空
間,CIELUV色空間
次の式によって定義される量L*u*υ*を直交座標にプロ
ットして得られる三次元の近似的な均等色空間。
L*=116 (Y/Yn)1/3−16 Y/Yn>0.008 856
u*=13L* (u'−un')
υ*=13L* (υ'−υn')
ここに,Yu'υ'は,対象とする色刺激,Ynun'υn'は特定の
無彩色刺激を記述するものである。
備考 明度,飽和度,クロマ及び色相に近似的に
相関する量を,03079,03080,03081及び
03082に示す。
03-54
CIE 1976 L*u*υ*
colour space,
CIELUV colour space
03079 CIE (1976) 明度(指
数)
CIE (1976) L*u*υ*色空間及びCIE (1976) L*a*b*色空間
に共通して用いられる,次の式で計算される明度の相
関量L*。記号の意味は03078参照。
L*=116 (Y/Yn)1/3−16 Y/Yn>0. 008 856
(03-54) CIE 1976 lightness
35
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03080 CIE (1976) uυ飽和度 CIE (1976) L*u*υ*色空間において,次の式で計算され
る飽和度の相関量sUV
sUV=13[(u'−un')2+(υ'−υn')2]1/2
ここで,記号の意味は03078参照
(03-54) CIE 1976 u, υ
saturation
03081 CIE (1976) uυクロマ CIE (1976) L*u*υ*色空間において,次の式で計算され
るクロマの相関量C*UV
C*UV=(u*2+υ*2)1/2=L*SUV
ここで,記号の意味は03078参照。
(03-54) CIE 1976 u, υ chroma
03082 CIE (1976) uυ色相角 CIE (1976) L*u*υ*色空間において,次の式で計算され
る色相の相関量hUV。
=
′
−
′
′
−
′
=
υ
υ
υ
u
u
u
h
n
n
UV
arctan
)
(
)
(
arctan
ここで,記号の意味は03078参照。
(03-54) CIE 1976 u, υ
hue-angle
03083 CIE (1976) L*u*υ*色
差,CIELUV色差
CIE (1976) L*u*υ*色空間における座標点間のユークリ
ッド距離として定義されて,次の式で計算される二つ
の色刺激間の色差。
量記号:∆EUV*
∆EUV*=[(∆L*)2+(∆u*)2+(∆υ*)2]1/2
03-55
CIE 1976 L*u*υ*
colour difference,
CIELUV colour
difference
03084 CIE (1976) uυ色相差 CIE (1976) L*u*υ*色差について,次の式で計算される
色相成分。
量記号:∆HUV*
∆HUV*=[(∆EUV*)2−(∆L*)2−(∆CUV*)2]1/2
(03-55) CIE 1976 u, υ
hue-difference
03085 CIE (1976) L*a*b*色空
間,
CIELAB色空間
次の式によって定義される量L*a*b*を直交座標にプロ
ットして得られる三次元の近似的な均等色空間。
L*=116 (Y/Yn)1/3−16 Y/Yn>0.008 856
a*=500[(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3]
X/Xn>0.008 856
b*=200[(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3]
Z/Zn>0.008 856
ここに,X,Y,Zは,対象とする色刺激,Xn,Yn,Zn
は特定の無彩色刺激を記述するものである。
備考 明度,クロマ及び色相に近似的に相関する
量を03079,03086及び03087に示す。
03-56
CIE 1976 L*a*b* colour
space,
CIELAB colour space
03086 CIE (1976) abクロマ CIE (1976) L*a*b*色空間において,次の式で計算され
るクロマの相関量。
量記号:Cab
Cab*= (a*2+b*2)1/2
(03-56) CIE 1976 a, b chroma
03087 CIE (1976) ab色相角 CIE (1976) L*a*b*色空間において,次の式で計算され
る色相の相関量。
量記号:hab
hab=arctan (a*/b*)
(03-56) CIE 1976 a, b
hue-angle
03088 CIE (1976) L*a*b*色
差,CIELAB色差
CIE (1976) L*a*b*色空間における座標点間のユークリ
ッド距離として定義されて,次の式で計算される二つ
の色刺激間の色差。
量記号:∆Eab*
∆Eab*=[(∆L*)2+(∆a*)2+(∆b*)2]1/2
03-57
CIE 1976 L*a*b*
colour difference,
CIELAB colour
difference
03089 CIE (1976) ab色相差 CIE (1976) L*a*b*色差について,次の式で計算される色
相成分。
量記号:∆Hab*
∆Hab*=[(∆Eab*)2−(∆L*)2−(∆Cab*)2]1/2
(03-57) CIE 1976 a, b
hue-difference
36
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3.2.6
色温度
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03090 黒体軌跡
色度図上における,種々の温度の黒体の色度を表す点
の軌跡。
参考 黒体放射軌跡,プランクの軌跡ともいう。
以前は完全放射体軌跡ともいった。
03-41
Planckian locus
03091 (CIE) 昼光軌跡
色度図上における,種々の相関色温度におけるCIE昼
光の色度を表す点の軌跡。
03-42
daylight locus
03092 色温度
与えられた刺激と色度が等しい放射を発する黒体の
温度。
量記号:Tc,単位:K
備考 単位をK−1とする逆数色温度[03093参照]
も使われる。
03-49
colour temperature
03093 逆数色温度
色温度の逆数。量記号Tc−1で表し,単位はK−1又は
MK−1を用いる。
備考 単位記号MK−1は毎メガケルビンと読み,
10−6K−1に等しい。この単位は,従来ミレ
ッドと呼び,mrdの単位記号で表したもの
に等しい。
(03-49) reciprocal colour
temperature
03094 相関色温度
特定の観測条件の下で,明るさを等しくして比較した
ときに,与えられた刺激に対して知覚色が最も近似す
る黒体の温度。
量記号:Tcp,単位:K
備考1. 刺激の相関色温度を計算するために勧告
されている方法は,その刺激を表す点を
通る公認された等色温度線と交差する黒
体軌跡上の点に相当する温度を,色度図
上で求める方法である[CIE出版物
No.15.2を参照]。
2. 色温度よりも相関色温度の方が適当な場
合はいつでも,逆数色温度よりも逆数相
関色温度を用いる。
03-50
correlated colour
temperature
03095 逆数相関色温度
相関色温度の逆数。量記号Tcp−1で表し,単位はK−1
又はMK−1を用いる。
(03-50) reciprocal correlate
dcolour temperature
03096 等色温度線
色度図上における相関色温度が等しい点の軌跡。
CIE1960UCS色度図における黒体軌跡に対する垂直線
又はそれを任意の色度図に変換したものに相当する。
iso-temperature line
3.3.3
演色
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03097 演色
イルミナント(照明光)が,それで照明した種々の物
体の色の見えに及ぼす効果。その効果は意識的又は無
意識的にある基準のイルミナントと比較される。
参考 特に.光源又はイルミナントの特性と考え
たときには演色性という。
02-59
colour rendering
37
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
03098 基準イルミナント,
基準光
他のイルミナント(照明光)との比較に用いるイルミ
ナント。演色評価用の基準イルミナントは,一般に,
CIEなどによって,必要な波長範囲の相対分光分布が
定められているものに限る。
備考 色再現用のイルミナントの評価には,更に
特別な意味が必要になることがある。
02-60
reference illuminant
03099 演色評価数
試料光源で照明したある物体の色刺激値(心理物理
色)が,その色順応状態を適切に考慮した上で,基準
イルミナントで照明した同じ物体の心理物理色と一
致する度合いを示す数値。
量記号:R
02-61
colour rendering index
03100 (CIE1974) 特殊演色
評価数
試料光源で照明したあるCIE試験色試料の色刺激値
が,その色順応状態を適切に考慮した上で,基準イル
ミナントで照明した同じ試料の色刺激値と一致する
度合いを示す数値。
量記号:Ri
02-62
CIE 1974 special
colour rendering
index
03101 (CIE1974) 平均演色
評価数
規定された8種類の試験色に対するCIE 1974特殊演
色評価数の平均値。
量記号:Ra
02-63
CIE 1974 general
colour rendering
index
03102 イルミナントによる
色刺激値のずれ
イルミナントを交換したときに,それで照明されてい
るある物体色刺激に生じる色度及び輝度率の変化。
02-64
illuminant colorimetric
shift
03103 順応による色刺激値
のずれ
色順応の変化を補正するための数学的な調整。
参考 演色において,試料光源と基準イルミナン
トとの色度が一致していない場合には,順
応による色刺激値のずれはイルミナントに
よる色刺激値のずれと同時に生じる。その
場合,それぞれのイルミナントの下で同じ
色知覚を生じさせる2個の色刺激につい
て,通常の方法で測定した色刺激値の差が
色順応のために試料光源と基準イルミナン
トとの下で異なる程度の予測値を意味す
る。
02-65
adaptive colorimetric
shift
03104 演色による色刺激値
のずれ
イルミナントによる色刺激値のずれと,順応による色
刺激値のずれとの(ベクトル)合成。
参考 これは,演色による知覚色のずれの色刺激
値による予測値を意味する。
02-66
resultant colorimetric
shift〈of colour
rendering〉
03105 イルミナントによる
知覚色のずれ
イルミナント(照明光)を交換したときに,観測者の
色順応状態に変化が生じないうちに観察される,照明
された物体に対する知覚色に生じる変化。
02-67
illuminant (perceived)
colour shift
03106 順応による知覚色の
ずれ
一定のイルミナントで照明された物体の知覚色に,目
の色順応状態の変化だけによって生じる変化。
02-68
adaptive (perceived)
colour shift
03107 演色による知覚色の
ずれ
イルミナントによる知覚色のずれと順応による知覚
色のずれとの合成。
参考 ある物体の照明を基準イルミナントから試
料光源に変えて,それぞれの照明に十分順
応した状態で観察した場合の物体の色知覚
の変化で,それが演色性の相違によると認
識される。
02-69
resultant (perceived)
colour shift <of
colour rendering>
38
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.4
光・放射の発生及び材料の光学特性に関する用語
3.4.1
光・放射の発生
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04001 放出(放射の)
(ほうしゅつ)
放射エネルギーを発すること。
04-01
emission (of radiation)
04002 熱放射,
温度放射
1. 原子,分子,イオンのような物質の粒子の熱的じ
ょう乱に起因する,放射エネルギーの放出の過程。
2. その過程によって放出される放射。
04-02
thermal radiation
04003 熱放射体
熱放射を放出する放射源。
04-03
thermal radiator
04004 黒体,
プランクの放射体
波長,入射方向,又は偏光にかかわりなく,入射する
すべての放射を完全に吸収する理想的な熱放射体。こ
の放射体は,いかなる波長,いかなる方向においても,
同じ温度で熱平衡状態にある熱放射体のうちで最大
の分光放射輝度をもつ。
04-04
Planckian radiator,
blackbody
04005 プランクの放射則
波長及び温度の関数としての黒体の放射輝度の分光
密度を与える法則。
1
5
1
1
2
−
λ
−
λ
−
λ
π
=
λ
∂
λ
∂
=
λ
)
e
(
c
)
T,
(
L
)
T,
(
L
T
c
e
e,
Le:放射輝度
λ:真空中の波長
T:熱力学的温度
c1=2πhc02
=(3.741 774 9±0.000 002 2) ×10−16W・m2 1)
c2=hc0/k
= (1.438 769±0.000 012) ×10−2m・K 1), 2)
h:プランク定数
c0:真空中の光の速さ
k:ボルツマン定数
備考1. この式は,ときにはc1/πの代わりにc1/πΩ0
で書かれる。Ω0 は1ステラジアンの大き
さの立体角である。
2. 屈折率nの媒質中の検出器に対しては,
測定される放射輝度は,
n2Le (λ,T)
3. プランクの放射則は,放射発散度の分光
密度Me (λ,T) を与える表現にすること
もできる。その場合には,式の右辺の第
一ファクタは,c1/πではなく,c1となる。
4. 両者(放射輝度と放射発散度)とも,放
出された非偏光放射についての量であ
る。
参考1.
1) CODATA Bulletin 63 (1986)
2.
2) ITS-90では,14 388μm・Kとしている。
04-05
Planckʼs law
04006 ウィーンの放射則
プランクの放射則の近似形。
T
c
e
c
T
L
λ
λ
π
λ
λ
2
5
1
e,
)
,
(
−
−
=
備考 積λTが,0.002 m・K未満のとき誤差1 000
分の1未満の近似として正しい。
04-06
Wienʼs law (of
radiation)
39
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04007 ウィーンの変位則
黒体から放出される放射の分光放射発散度が最大と
なる波長は,黒体の絶対温度に反比例するという法
則。
λm=b/T
b=2.897 8×10−3m・K
ここで,λm:分光放射発散度が最大となる波長
T:絶対温度
Wienʼs displacement
law
04008 シュテファン− ボ
ルツマンの法則
黒体の放射発散度と温度との関係を表す法則。
Mc=σT4
4
2
8
2
0
3
4
5
K
m
W
10
)
19
000
.0
51
670
.5(
15
2
−
−
−
×
±
=
=
c
h
k
π
σ
1)
参考 1) CODATA Bulletin 63 (1986)
04-07
Stefan-Boltzmannʼs
law
04009 キルヒホッフの法則
(放射の)
熱放射体の放射率と吸収率の比は,温度と波長だけの
関数であり,すべての物質について同じである。した
がって,黒体の放射率,すなわち1に等しい,という
法則。
e/α=eb
ここに,e:物体の放射率
α:物体の吸収率
eb:同一温度における黒体の放射率
Kirchhoff's law (of
radiation)
04010 方向放射率(熱放射体
の,ある与えられた方
向に対する)
放射体のある与えられた方向に対する放射輝度の,そ
の放射体と同じ温度にある黒体の放射輝度に対する
比。
量記号:ε,ε (θ,φ)
備考 記号θ,φは,与えられた方向を定義する角
度座標の例として選ばれている。
04-08
directional emissivity
(of thermal radiator,
in a given direction)
04011
(半球)放射率(熱放
射体の)
放射体の放射発散度の,同じ温度の黒体の放射発散度
に体する比。
量記号:ε,εh
04-09
(hemispherical)
emissivity (of a
thermal radiator)
04012 選択放射体
分光放射率が,対象とするスペクトル領域において,
波長によって変化する熱放射体。
04-10
selective radiator
04013 非選択放射体
分光放射率が,対象とするスペクトル領域において,
波長に関係なく一定である熱放射体。
04-11
non-selective radiator
04014 灰色体(はいいろた
い)
放射率が1未満の非選択放射体。
04-12
grey body
04015 (単色)(放射)輝度
温度(熱放射体の,あ
る波長における)
特定の波長における放射輝度の分光密度が,対象とす
る熱放射体のそれと一致する黒体の温度。
単 位:K
04-13
(monochromatic)
radiance temperature
(of a thermal
radiator, for a
specified
wavelength)
04016 分布温度
相対分光分布S (λ) が,注目するスペクトル領域にお
いて,対象とする放射と同じか,又はほぼ同じである
黒体の温度。
量記号:TD
単 位:K
04-14
distribution
temperature
40
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04017 白熱
(はくねつ)
熱放射による光学的放射の放出。
備考 米国では,白熱は可視放射に限定されてい
る。
04-15
incandescence
04018 エネルギー準位
原子,分子又はイオンのエネルギーの離散的な量子状
態。
04-16
energy level
04019 励起
(れいき)
原子,分子又はイオンのエネルギーの,より高いエネ
ルギー準位への上昇。
04-17
excitation
04020 ルミネセンス
物質中の原子,分子又はイオンの粒子が,熱的じょう
乱以外のエネルギーによって励起された結果として
生じる,物質によって定まったある波長又は波長領域
に対して同じ温度におけるその物質からの熱放射以
上に及ぶ光学的放射の放出。
備考 米国では,ときには,この語をそれで放出
された放射について用いる。
04-18
luminescence
04021 フォトルミネセンス 光学的放射の吸収によって生じるルミネセンス。
04-19
photoluminescence
04022 蛍光
(けいこう)
光励起されたエネルギー準位から,低い準位への直接
遷移の結果として,一般にその励起後10 ns以内に生
じるフォトルミネセンス。ただし,ここでいうエネル
ギー準位とは,単位をeVで表したレベル。
04-20
fluorescence
04023 残光
(ざんこう)
ルミネセンスを生じる材料への励起を止めた後に,ゆ
っくりと減衰するルミネセンス。その持続時間は,約
100ミリ秒から数分までに及ぶ。
04-21
afterglow
04024 反ストークスルミネ
センス
励起する放射のスペクトル領域よりも波長が短い領
域に放射されるフォトルミネセンス。
参考 この現象は,例えば,放出される光子のエ
ネルギーが吸収された光子2個による励起
に起因することによる。
04-22
anti−Stokes
luminescence
04025 りん(燐)光
中間エネルギー準位にエネルギーが蓄積されること
による,遅延したフォトルミネセンス。
備考1. 有機物質に対しては,りん光の用語は,
一般に三重項−一重項遷移に適用する。
2. この用語は,ときには他の形式のルミネ
センスを示す広い意味で用いられる。
04-23
phosphorescence
04026 エレクトロルミネセ
ンス
気体又は固体物質中で,電界の作用によって生じるル
ミネセンス(発光ダイオードにおけるようなデストリ
オ効果,すなわち放射性再結合)。
04-24
electroluminescence
04027 陰極線ルミネセンス テレビジョンスクリーンの皮膜のような,ある種のル
ミネセンス材料への電子の衝突によって生じるルミ
ネセンス。
04-25
cathodoluminescence
04028 放射線ルミネセンス X線又は放射線によって生じるルミネセンス。
04-26
radioluminescence
04029 化学ルミネセンス
化学反応で解放されるエネルギーによって生じるル
ミネセンス。
04-27
chemiluminescence
04030 生物ルミネセンス
生物組織内で生じる化学ルミネセンス。
04-28
bioluminescence
04031 摩擦ルミネセンス
機械的な力の作用によって生じるルミネセンス。
04-29
triboluminescence
04032 熱的活性化ルミネセ
ンス,
熱ルミネセンス
事前に励起したルミネセンス材料を,熱したときに生
じるルミネセンス。
04-30
thermally activated
luminescence,
thermoluminescence
41
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04033 フォトルミネセンス
放射収量
フォトルミネセンス材料によって放出された放射の
放射束の,その材料によって吸収された放射の放射束
に対する比。
備考 “フォトルミネセンス放射収量”は,類似
な意味をもつ基本的な過程,すなわち放出
した光子のエネルギーの,その原因となる
吸収した光子のエネルギーに対する比とし
ても用いられる。
04-31
photoluminescence
radiant yield
04034 フォトルミネセンス
量子収量
フォトルミネセンス材料によって放出された放射の
光子流の,その材料によって吸収された放射の光子流
に対する比。
備考 外部フォトルミネセンス量子収量は,放出
された光子流の,入射した光子流に対する
比である。
04-32
photoluminescence
quantum yield
04035 励起スペクトル
パワー一定の単色放射を入射することによって励起
したフォトルミネセンス材料から放出される放射の,
特定の波長λにおける放射束又は光子流の分光密度
を,励起する入射単色放射の波長の関数として表した
もの。
04-33
excitation spectrum
04036 (ルミネセンス)発光
スペクトル
特定の励起に対して,ルミネセンス材料から放出され
た放射の分光分布。
04-34
(luminescence)
emission spectrum
04037 共鳴線
ある励起エネルギー準位から基底準位に,又はその逆
に,中間準位を経ることなく直接に遷移する結果(放
出及び吸収の両方の形で)現れるスペクトル線。(例
えば,水銀のλ=253.7 nm並びにナトリウムのλ=589.0
及び589.6 nm)
04-35
resonance line
04038 蛍りん(燐)光体,
りん(燐)光体,
蛍光体
ルミネセンスを発する材料。ルミネセンス材料。
04-36
luminophor, phosphor,
fluorophor
04039 シンチレータ
残光が短い放射線ルミネセンスを示す,通常,液体又
は固体のルミネセンス材料。
04-37
scintillator
04040 誘導放出
(ゆうどうほうしゅ
つ)
その遷移に合致する周波数をもって入射する放射が
引金となって生じる,励起準位からより低い準位への
量子遷移による光子(電磁波)の放出の過程。
04-38
stimulated emission
04041 シンクロトロン放射 荷電自由粒子が,例えば円軌道を進むように,強く加
速されるときに発生する放出。
04-41
synchrotron radiation
42
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.4.2
材料の光学特性
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04042 反射
放射が,その単色放射成分の周波数を変えることな
く,ある表面又はある媒質によって戻される過程。
備考1. ある媒質に当たる放射の一部は,媒質表
面から反射(表面反射)し,他の一部は,
媒質内部で散乱して戻される(内部反
射)。
2. 放射の周波数は,放射を戻す材料の運動
によるドップラー効果さえなければ,変
化することはない。
04-42
reflection
04043 透過
放射が,その単色放射成分の周波数を変えることな
く,ある媒質を通過する過程。
04-43
transmission
04044 拡散,
散乱
放射ビームが,その単色放射成分の周波数を変えるこ
となく,ある表面又はある媒質によって多くの方向に
散らされて,その方向分布を変える過程。
備考 入射する放射の波長によって拡散特性が変
わるか変わらないかによって,選択拡散及
び非選択拡散に区別される。
04-44
diffusion,
scattering
04045 正反射,
鏡面反射
光学的鏡像の法則に従う,拡散がない反射。
04-45
regular reflection,
specular reflection
04046 正透過
光学的屈折の法則に従う,拡散がない透過。
04-46
regular transmission,
direct transmission
04047 拡散反射
肉眼で見えるような正反射がない反射。
04-47
diffuse reflection
04048 拡散透過
肉眼で見えるような正透過がない透過。
04-48
diffuse transmission
04049 混合反射
同時に正反射性と拡散反射性とがある反射。
04-49
mixed reflection
04050 混合透過
同時に正透過性と拡散透過性とがある透過。
04-50
mixed transmission
04051 均等拡散反射
反射された放射が進んでいく半球面のすべての方向
について放射輝度又は輝度が一定な拡散反射。
04-51
isotropic diffuse
reflection
04052 均等拡散透過
透過して出てきた放射が進んでいく半球面のすべて
の方向について放射輝度又は輝度が一定な拡散透過。
04-52
isotropic diffuse
transmission
04053 ランベルトの[余げん
(弦)]法則
ある面要素について,その面の上側の半球内のすべて
の方向に対する放射輝度又は輝度が等しいときに成
り立つ,次の式で表される関係。
I (θ)=Incosθ
ここに,I (θ) 及びInは,それぞれ要素面の法線から角
度θの方向及び法線の方向の放射強度又は光度であ
る。
備考 この法則の成り立つ面を“均等拡散面(ラ
ンベルト面)”という。04054を参照のこと。
参考 受光面の照度については05063を参照のこ
と。
04-56
Lambert's (cosine) law
04054 均等拡散面,
(ランベルト面)
その面から発する放射が,ランベルトの法則に従う角
度分布をもつ理想面。
備考 ランベルト面では,放射発散度又は光束発
散度Mと,放射輝度又は輝度Lとの関係は,
M=πL
である。
04-57
Lambertian surface
43
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04055 拡散体
本質的に拡散現象によって,放射の空間分布を変える
ために用いる光学素子。
備考 反射又は透過によって拡散体から出てくる
放射に正反射又は正透過によるものが全く
含まれていない場合には,反射又は透過が
均等拡散反射又は均等拡散透過であるか否
かに関係なく,拡散体は完全に拡散性であ
るという。
04-53
diffuser
04056 拡散反射体
反射する放射について,拡散面であるような反射体。
reflecting diffuser
04057 拡散透過体
透過する放射について,拡散面であるような透過体。
transmitting diffuser
04058 均等拡散反射体
反射する放射について,均等拡散面であるような拡散
反射体。
isotropic (uniform)
reflecting diffuser
04059 均等拡散透過体
透過する放射について,均等拡散面であるような拡散
透過体。
isotropic (uniform)
transmitting diffuser
04060 完全拡散反射体
反射率が1である理想的な均等拡散反射体。
04-54
perfect reflecting
diffuser
04061 完全拡散透過体
透過率が1である理想的な均等拡散透過体。
04-55
perfect transmitting
diffuser
04062 反射率
物体に入射した放射束又は光束に対する,反射した放
射束又は光束の比。
量記号:ρ
単 位:1
04-58
reflectance
04063 視感反射率
物体に入射した光束に対する,反射した光束の比。
量記号:ρv
単 位:1
luminous reflectance
04064 分光反射率
波長λの単色放射に関する反射率。
量記号:ρ (λ)
単 位:1
spectral reflectance
04065 透過率
物体に入射した放射束又は光束に対する,透過した放
射束又は光束の比。
量記号:τ
単 位:1
04-59
transmittance
04066 視感透過率
物体に入射した光束に対する,透過した光束の比。
量記号:τv
単 位:1
luminous transmittance
04067 分光透過率
波長λの単色放射に関する透過率。
量記号:τ (λ)
単 位:1
spectral transmittance
04068 正反射率
反射放射束又は光束のうちの正反射成分の,入射放射
束又は光束に対する比。
量記号:ρr
単 位:1
04-60
regular reflectance
04069 正透過率
透過放射束又は光束のうちの正透過成分の,入射放射
束又は光束に対する比。
量記号:τr
単 位:1
04-61
regular transmittance
44
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04070 拡散反射率
反射放射束又は光束のうちの拡散反射成分の,入射放
射束又は光束に対する比。
量記号:ρd
単 位:1
備考1. ρ=ρr+ρd
2. ρr及びρdの測定結果は,用いる測定装置
及び測定手法に依存する。
04-62
diffuse reflectance
04071 拡散透過率
透過放射束又は光束のうちの拡散透過成分の,入射放
射束又は光束に対する比。
量記号:τd
単 位:1
備考1. τ=τr+τd.
2. τr及びτdの測定結果は,用いる測定装置及
び測定手法に依存する。
04-63
diffuse transmittance
04072 立体角反射率,反射率
係数
試料の表面要素を頂点とする与えられたすい体で範
囲を定められた立体角内への反射放射束又は光束の,
全く同様に照明された完全拡散反射体から同じ立体
角内への反射放射束又は光束に対する比。ここでいう
すい体とは,平面のふちと平面外の1点とを結んで形
成される立体。
量記号:R
単 位:1
備考1. 正反射性の面の場合でそれを照射する立
体角が小さいとき,もし観測する立体角
内に放射源の像が入っていれば,立体角
反射率は1よりはるかに大きくなること
がある。
2. 観測する立体角が2πsrに近づけば,立体
角反射率は同一照明条件における反射率
に近づく。
3. 観測する立体角が0に近づけば,立体角
反射率は,同一照明条件における放射輝
度率又は輝度率に近づく。
04-64
reflectance factor
45
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04073 立体角透過率,
透過率係数
試料の表面要素を頂点とする与えられたすい体で範
囲を定められた立体角内への透過放射束又は光束の,
全く同様に照明された完全拡散透過体から同じ立体
角内への透過放射束又は光束に対する比。
量記号:T
単 位:1
備考1. 正透過性の面の場合でそれを照射する立
体角が小さいとき,もし観測する立体角
内に放射源の像が入っていれば,立体角
透過率は1よりはるかに大きくなること
がある。
2. その測定するすい(錐)体角が,2πsrに
近づけば,立体角透過率は,同一照明条
件における透過率に近づく。
3. そのすい体の立体角が,0に近づけば,立
体角透過率は,同一照明条件における放
射輝度率又は輝度率に近づく。
transmittance factor
04074 反射(光学)濃度
反射率の逆数の,10を底とする対数。
量記号:Dρ
単 位:1
04-65
reflectance (optical)
density
04075 透過(光学)濃度
透過率の逆数の,10を底とする対数。
量記号:Dτ
単 位:1
04-66
transmittance (optical)
density
04076 反射率係数(光学)濃
度,
[反射濃度]3)
反射率係数の逆数の,10を底とする対数。
量記号:DR
単 位:1
参考3) JIS K 7651,ISO 5/1
04-67
reflectance factor
(optical) density
04077 透過率係数(光学)濃
度,
[透過濃度]3)
透過率係数の逆数の,10を底とする対数。
量記号:DT
単 位:1
DT=−log10 T
transmittance factor
(optical) density
04078 放射輝度率
表面要素の与えられた方向への放射輝度の,同じ条件
で照射された完全拡散反射体又は完全拡散透過体の
放射輝度に対する比。
量記号:βe,β
単 位:1
備考 フォトルミネセンス材料に関しては放射輝
度率は,反射放射輝度率βsと蛍光放射輝度
率βLとの和である。
βe=βs+βL
04-68
radiance factor
04079 輝度率
表面要素の与えられた方向への輝度の,同じ条件で照
明された完全拡散反射体又は完全拡散透過体の輝度
に対する比。
量記号:βV,β
単 位:1
備考 フォトルミネセンス材料に関しては,輝度
率は反射輝度率βsと蛍光輝度率βLとの和で
ある。
βv=βs+βL
04-69
luminance factor
46
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04080 放射輝度係数
表面要素の,与えられた方向への放射輝度を,その放
射照度で除した量。
量記号:qe,q
単 位:sr−1
備考 米国では,2方向反射率分布関数 [BRDF
(bidirectional reflectance distribution function)]
が使われている。その概念は放射輝度係数
と類似であるが,放射照度を作り出す入射
放射が方向性をもっている点が異なる。
04-70
radiance coefficient
04081 輝度係数
表面要素の,与えられた方向への輝度を,その照度で
除した量。
量記号:qv,q
単 位:sr−1
04-71
luminance coefficient
04082 反射計値
個別の反射計を用いて測定した値。
量記号:R'
備考 使用した反射計は,明示することが望まし
い。得られた反射計値は,反射計の幾何的
特性,照明光,検知器の分光感度及び用い
た参照標準に依存する。
04-72
reflectometer value
04083 光沢
表面の方向選択特性のために,諸物体の反射ハイライ
トが,その表面に写り込んで見えるような見えのモー
ド。
04-73
gloss
04084 光沢度
正反射光の割合や,拡散反射光の方向分布などに注目
して,物体表面の光沢の程度を一次元的に表す指標。
glossiness
04085 吸収
放射エネルギーが,物質との相互作用によって,別の
形のエネルギーに変わる過程。
04-74
absorption
04086 吸収率
特定の条件において,吸収される放射束又は光束の,
入射する放射束又は光束に対する比。
量記号:α
単 位:1
04-75
absorptance
04087 分光線形減衰係数
平行ビームの放射束の分光密度Φe,λが,対象とする点
において要素長さdlを伝ぱんする間に吸収及び拡散
によって生じる相対的な減少を,長さdlで除した量。
dl
dΦ
Φ
λ
λ
λ
μ
e,
e,
1
)
(
=
量記号:μ (λ)
単 位:m−1
04-76
spectral linear
attenuation
coefficient
04088 分光線形散乱係数
平行ビームの放射束の分光密度Φe,λが,対象とする点
において要素長さdlを伝ぱんする間に散乱によって
生じる相対的な減少を,長さdlで除した量。
dl
dΦ
Φ
s
λ
λ
λ
e,
e,
1
)
(
=
量記号:s (λ)
単 位:m−1
04-77
spectral linear
scattering coefficient
47
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04089 分光線形吸収係数
平行ビームの放射束の分光密度Φe,λが,対象とする点
において要素長さdlを伝ぱんする間に吸収によって
生じる相対的な減少を,長さdlで除した量。
dl
dΦ
Φ
λ
λ
λ
α
e,
e,
1
)
(
=
量記号:α (λ)
単 位:m−1
04-78
spectral linear
absorption
coefficient
04090 分光質量減衰係数
分光線形減衰係数μ (λ) を,その媒質の(質量)密度ρ
で除した量。
単位:m2・kg−1
04-79
spectral mass
attenuation
coefficient
04091 分光光学的厚さ,
分光光学的深さ
大気物理学及び物理海洋学において用いられていて,
平行ビームの波長λの単色成分が,均質又は不均質な
拡散媒質を通る光路の中で,点x1からx2まで伝ぱんす
るときに,次の式で定義される量。
∫
=
2
1
)
,
(
)
(
x
x
dx
xλ
μ
λ
δ
ここに,μ (x, λ) は,区間dxにおける分光線形減衰係
数である。
量記号:δ (λ)
単 位:1
備考1. 点x1におけるこのビームの分光放射Φe,λ
(x1, λ) は,次の式に従って減少して点x2
における分光放射束Φe,λ (x2, λ) となる。
φe, λ (x2,λ)=Φe, λ (x1,λ) ・e−δ(λ)
ゆえに,
)
,
(
)
,
(
ln
)
(
1
,e
2
e,
λ
λ
λ
δ
λ
λ
x
Φ
x
Φ
−
=
2. 均質な非拡散層に対して,δ (λ) は,自然
対数分光内部透過濃度である。
04-80
spectral optical
thickness, [spectral
optical depth]
04092 分光内部透過率(均質
な非拡散層の)
均質非拡散媒質の層について,放射が境界面を通って
層内に進入した直後における分光放射束に対する,そ
の層の出口側境界面内側における分光放射束の比。
量記号:τ1(λ)
単 位:1
備考 ある一つの層についてみても,分光内部透
過率は光路の長さに従って,入射角に依存
して変化する。
04-81
spectral internal
transmittance (of a
homogeneous
non-diffusing layer)
04093 分光内部吸収率(均質
な非拡散層の)
均質非拡散媒質の層について,放射が境界面を通って
層内に進入した直後における分光放射束に対する,そ
の層の入口側境界面内側と出口側境界面内側の間で
吸収された分光放射束の比。
量記号:α1 (λ)
単 位:1
備考 ある一つの層についてみても,分光内部吸
収率は光路の長さに従って,入射角に依存
して変化する。
04-82
spectral internal
absorptance (of a
homogeneous
non-diffusing layer)
48
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04094 分光内部透過濃度,
[分光吸光度](均質
な非拡散層の)
分光内部透過率の逆数の,10を底とする対数。
A1(λ)=−log10τ1 (λ)
量記号:A1 (λ)
単 位:1
備考 記号E (λ)がまだ使用されている。
04-83
spectral internal
transmittance
density, [spectral
absorbance] (of a
homogeneous
non-diffusing layer)
04095 自然対数分光内部透
過濃度,
[自然対数分光吸光
度](均質な非拡散層
の)
分光内部透過率の逆数の,自然対数。
An (λ)=B (λ)=−1nτ1 (λ)
量記号:An (λ)
単 位:1
04-84
Napierian spectral
internal
transmittance
density, [Napierian
spectral absorbance]
(of a homogeneous
non- diffusing layer)
04096 自然対数分光吸収係
数(均質な非拡散層
の)
媒質層の分光内部透過率τ1 (λ) の逆数の自然対数を,
その層を通過する放射ビームの光路長lで除した量。
l
A
l
l
n
/)
(
10
ln
)
(
log
)
(
ln
)
(
1
10
1
n
λ
λ
τ
λ
τ
λ
α
=
−
=
−
=
量記号:αn (λ)
単 位:1
04-85
Napierian spectral
absorption
coefficient (of a
homogeneous
non-diffusing layer)
04097 固有反射率(反射能) それ以上厚さを増しても反射率が変化しないような
厚さの,材料の層の反射率。
量記号:ρ
単 位:1
04-86
reflectivity
04098 分光固有透過率,(分
光透過能)
放射の光路が単位長であって,その材料の境界が影響
を及ぼさないような条件の下での材料の層の分光内
部透過率。
量記号:τi,0 (λ)
単 位:1
備考 この単位長は明記する必要がある。もし新
しい単位長として,元の長さのk倍のもの
を用いると,τi,0 (λ)は, [τi,0 (λ)]kとなる。
04-87
spectral transmissivity
04099 分光固有吸収率(分光
吸収能)
放射の光路が単位長であって,その材料の境界が影響
を及ぼさないような条件の下での材料の層の分光内
部吸収率。
量記号:αi,0 (λ)
単 位:1
備考 この単位長は明記する必要がある。もし,
新しい単位長として,元の長さのk倍のも
のを用いると,αi,0 (λ)=1−τi,0 (λ)は,α'i,
0 (α)=1−[τi,0 (λ)] kとなる。
04-88
spectral absorptivity
49
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04100 拡散率
対象とする面を垂直方向から照明して,その面を法線
から5°の方向で測定した輝度に対する,20°及び
70°の方向で測定した輝度の平均値の比。
)
(5
2
)
(70
)
20
(
゜
゜
゜
L
L
L
+
=
σ
量記号:σ
単 位:1
備考1. 拡散率は,拡散光の空間分布を表す一つ
の示度として使われる。すべての均等拡
散体について,拡散反射率又は拡散透過
率の値にかかわらず,この値は1となる。
2. 拡散率を定義するこの方法は,拡散イン
ディカトリクスが普通オパールガラスと
あまり異ならない材料に対してだけ適用
できる。
3. 04101の備考参照。
04-89
diffusion factor
04101 半値角
拡散面について,光が垂直に入射したとき,0°方向
の拡散光による輝度の21の輝度が観測される角度。
量記号:γ
備考 拡散インディカトリクスの形を示すため
に,拡散性が強い材料に対しては拡散率σ
を用い,拡散性が弱い材料に対しては半値
角γを用いることを推奨する。
04-90
half-value angle
04102 拡散インディカトリ
クス
反射又は透過によって拡散する媒質表面の要素の,
(相対的な)放射強度もしくは光度,又は(相対的な)
放射輝度若しくは輝度の角度分布の,極座標による面
の形での空間的な表示。
備考1. 入射放射が細いビームの場合には,拡散
インディカトリクスをデカルト座標で表
すのが便利である。もし角度分布が回転
対称であれば,その子午線を含む断面だ
けで十分である。
2. 用語“インディカトリクス”は,しばし
ば,面でなく,対象とする表面要素に垂
直な平面内で同様に求めた曲線を表すの
に用いられる。
04-91
indicatrix of diffusion
[scattering
indicatrix]
04103 再帰反射
放射が入射した方向の反対に近い方向に選択的に戻
される性質が,広い範囲の入射角にわたって保たれる
反射。
04-92
retroreflection
04104 再帰性反射体,
[再帰反射器]
反射する放射の大部分が,再帰反射による反射面又は
器具。
04-93
retroreflector
04105 観測角(再帰性反射体
の)
再帰性反射体を観測する方向と,入射光の方向とがな
す角。
量記号:α
04-94
observation angle (of a
retroreflector)
50
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04106 照射角(再帰性反射体
の)
入射光の方向を基準として,再帰性反射体の角度位置
を表す角。
量記号:β
備考 平面状の再帰性反射体に対しては,一般に
入射角に相当する。
04-95
entrance angle (of a
retroreflector)
04107 (再帰反射)光度係数 再帰性反射体の観測方向への光度Iを,再帰性反射体
の位置における入射光の方向に垂直な面上の照度Eで
除した量。
R=I/E⊥
量記号:R
単 位:cd・lx−1
04-96
coefficient of luminous
intensity (of a
retroreflector)
04108 再帰反射係数
平面状の再帰性反射体の再帰反射光度係数Rを,その
面積Aで除した量。
A
E
I
A
R
R
⊥
=
=
′
/
/
量記号:R'
単 位:cd・lx−1・m−2
04-97
coefficient of
retroreflection (of a
plane retroreflecting
surface)
04109 再帰反射輝度係数
再帰性反射体の観測方向への輝度Lを,再帰性反射体
の位置における入射光の方向に垂直な面上の照度Eで
除した量。
RL=L/E⊥
量記号:RL
単 位:cd・m−2・1x−1
04-98
coefficient of
retroreflected
luminance (of a
plane retroreflective
surface)
04110
液晶ディスプレイ
電界をかけることによって反射率又は透過率が変化
するある種の液晶を用いる表示デバイス。
04-99
liquid crystal display,
LCD
04111
屈折
放射が光学的に不均一な媒質を通過するとき,又は異
なった媒質の境界面を横切るときに,伝ぱん速度が変
化することの結果として,その方向が変わる現象。
04-100 refraction
04112
屈折率
真空中における電磁波の速度の,媒質中における単色
放射の波動の位相速度に対する比。
量記号:n (λ)
単 位:1
備考 等方性媒質に対して屈折率は,真空とその
媒質との境界を通る光の入射角θ1の正弦
の,屈折角θ2の正弦に対する比に等しい。
すなわち,
n (λ)=sinθ1/sinθ2
04-101 refractive index
04113
分光吸収率
式x (λ)=(λ/4π) ・α (λ) で定義される量。ここで,α (λ)
は,分光線形吸収係数である。
量記号:x (λ)
単 位:1
04-102 spectral absorption
index
04114
複素屈折率
式n(λ)=n (λ) − ix (λ) で定義される量。ここに,x (λ)
は,分光吸収率で,
1
−
=
i
である。
量記号:n (λ)
単 位:1
04-103 complex
refractiveindex
51
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
04115
分散
1. 一つの媒質の中で,単色放射の伝ぱん速度が,そ
の周波数の関数として変化する現象。
2. この現象を引き起こす媒質の性質。
3. 例えば,プリズム又は格子を用いて得られるよう
な,放射の単色成分の分離を生じる光学系の性質。
04-104 dispersion
04116
(光学)フィルタ
それを通過する放射の放射束若しくは光束,相対分光
分布,又はその両方を修正するために用いる正透過性
の(光学)素子。
備考 放射の相対分光分布を変えるか,又は変え
ないかに従って,選択性フィルタと,非選
択性フィルタ,中性フィルタ又は中性灰色
フィルタとを区別する。放射の色度を顕著
に変える選択性フィルタは色フィルタと呼
ばれる。分光分布は変えてもメタメリズム
のために入射する放射の色度をほとんど変
えないものは,灰色フィルタと呼んでもよ
い。
04-105 (optical) filter
04117
光学くさび
表面上の直線又は曲線上の経路に沿って透過率が連
続的に変化する非選択性フィルタ。
04-106 neutral wedge
04118
光学段階くさび
表面上の直線又は曲線上の経路に沿って透過率が段
階的に変化する非選択性フィルタ。
04-107 neutral step wedge
04119
透明媒質[透明体] 透過は主として正透過で,通常,注目するスペクトル
領域で高い正透過率をもつ媒質。
備考 この媒質はその形が適当であれば,可視域
で透明であって,それを通して物体がはっ
きり見える。
04-108 transparent medium
04120 拡散透光媒質[半透明
体]
可視放射をほとんど拡散透過によって透過するため,
それを通して物体がはっきりとは見えない媒質。
04-109 translucent medium
04121 不透光媒質[不透明
体]
注目するスペクトル領域で,放射を透過しない媒質。 04-110 opaque medium
3.5
光・放射の測定に関する用語
3.5.1
測光・放射測定の標準器
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05001 測光一次標準器
測光の基本単位(カンデラ)を設定するために作られ
た標準器。
05-01
primary photometric
standard
05002 測光二次標準器
測光一次標準器を基準にして校正されている光源又
は測光器。
05-02
secondary photometric
standard
05003 測光常用標準器
測光二次標準器を基準にして校正されていて,日常の
測光の基準に用いる光源又は測光器。
working photometric
standard
05004 特定標準器
計量法による国家標準の総称で光放射における測光
単位を具現させるための方法及び装置。
specified standard
instrument
05005 特定副標準器
計量法による特定標準器を代行する標準の総称で,光
放射における特定標準器によって直接値付けされた
測光標準器。
specified substandard
instrument
52
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05006 特定二次標準器
計量法による認定事業者が標準として用いる標準器
の総称で,光放射における特定標準器又は特定副標準
器によって直接校正された測光標準器。
specifled secondary
standard instrument
05007 測光標準電球
光度,全光束などの測光量や分光分布,分布温度など
の目盛定めがしてあり,放射測定及び測光における比
較測定の基準として用いる電球。
photometric standard
lamp
05008 測光二次標準電球,
測光二次標準ランプ
測光二次標準として使用することを意図した測光標
準用電球又は放電ランプ。
07-56
secondary photometric
standard lamp
05009 測光常用標準電球,
測光常用標準ランプ
測光常用標準器として使用することを意図した測光
標準用電球又は放電ランプ。
07-57
working photometric
standard lamp
05010 光度標準電球
光度の単位(カンデラ)を維持又は伝達し,光度及び
照度の基準に用いる測光標準電球。
luminous intensity
standard lamp
05011
分布温度標準電球
分布温度の基準に用いる測光標準電球。
distribution
temperature standard
lamp
05012 全光束標準電球
光束の単位(ルーメン)を維持又は伝達し,全光束の
基準に用いる測光標準電球。
(total) luminous flux
standard lamp
05013 全放射照度標準電球 電球の光中心からの特定の距離における,紫外,可視,
赤外にわたる全波長域の放射による全放射照度の値
を維持又は伝達し,全放射照度の基準に用いる測光標
準電球。
total irradiance
standard lamp
05014 分光放射照度標準電
球
電球からの特定の測光距離における,紫外,可視,赤
外の特定の波長についての分光放射による分光放射
照度の値を維持又は伝達し,分光放射照度の基準に用
いる測光標準電球。
spectral irradiance
standard lamp
05015 分光放射輝度標準電
球
電球の発光部の特定の部分(例えばリボンフィラメン
トの中心部)における,紫外,可視,赤外の特定の波
長についての分光放射による分光放射輝度の値を維
持又は伝達し,分光放射輝度の基準に用いる測光標準
電球。
spectral radiance
standard lamp
3.5.2
測光・放射測定・測色の方法と機器
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05016 比較電球,
参照電球
その電球の光度,光束又は輝度の値が,必ずしも分か
っている必要はないが一定であって,それを仲介にし
て標準光源と試験光源を置換して比較することがで
きる電球。
05-04
comparison lamp
05017 放射測定
放射量の測定。
備考 この放射量の定義は,01027による。
05-05
radiometry
05018 放射計,放射測定器 放射量を測定する計測器。
05-06
radiometer
05019 分光放射測定,
分光測光
放射量の分光密度の測光。
spectroradiometry
05020 分光放射計
与えられた波長領域にわたって放射量の分光密度を
測定する計測器。
05-07
spectroradiometer
05021 分光光度計,
分光測光器
同一波長において,二つの放射量の分光密度の比を測
定する計器。
05-08
spectrophotometer
53
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05022 測光
測光量の測定。
備考 測光量の定義は01029参照。
05-09
photometry
05023 測色
一連の規約に基づいた色の測定。
05-10
colorimetry
05024 視感測光
人間の目によって,光刺激相互の定量比較を行う測
光。
05-11
visual photometry
05025 視感測色
人間の目によって,色刺激相互の比較を行う測色。
05-12
visual colorimetry
05026 物理測光
物理的(放射)検出器を使用して測定を行う測光。
05-13
physical photometry
05027 物理測色
物理的(放射)検出器を使用して測定を行う測色。
05-14
physical colorimetry
05028 同色測光
相対分光分布が等しい(又はほぼ等しい)光を比較す
るときの測光。
備考 従来は,視感測光において等しい色の光を
比較するときの測光の意味で用いられた。
isochromatic
photometry
05029 異色測光
相対分光分布の異なる光を比較するときの測光。
備考 従来は,視感測光において色の異なる光を
比較するときの測光の意味で用いられた。
heterochromatic
photometry
05030 分光測色
分光測定によって行う測色
spectrocolorimetry
05031 刺激値直読方法
等色関数に近似した分光応答度をもつ複数の受光器
を使って,三刺激値を直読する測色方法。
photoelectric
tristimulus
colorimetry
05032 測光器
測光量を測定する計測器。
05-15
photometer
05033 受光器
放射量を測定する計測器の受光部。
備考1. 放射検出器単体又は放射検出器と光学的
な素子(フィルタ,拡散面など)及び増
幅器などを組み合わせて構成し,外部へ
出力が取り出せるようにして,一体化し
てきょう(筐)体などに収納したもの(例
えばフォトメータヘッドなど)。
2. 放射検出器単体(増幅機構が検出素子と
一体化したもの,窓が特有の波長選択性,
入射指向性をもつものを含む)。
photo detector,
photometer head
05034 V(λ)受光器
相対分光応答度がCIE標準分光視感効率(比視感度)
に相似又は近似した特性をもつ受光器。
V (λ) (photo) detector,
V (λ) photometer head
05035 受光面
1. 放射を受ける面。
2. 放射計若しくは測光器の受光部又は受光器並びに
光電検出器において,測定しようとする放射を受
ける面。
receiving surface (of
photometer head)
05036 照度計
照度を測定する計測器。
05-16
illuminance meter
05037 輝度計
輝度を測定する計測器。
05-17
luminance meter
05038 分光放射輝度計
分光放射輝度を測定する計測器。
spectral radiance meter
05039 色彩計,
測色計
色刺激の三刺激値のような測色に関する量を測定す
る計測器。
05-18
colorimeter
05040 光電色彩計
光電変換素子を用いた受光器で構成された色彩計。
photo-electric
colorimeter
05041 光高温計
物体から発する放射の分光特性を利用して,そのもの
の温度を測定する装置。
optical pyrometer
54
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05042 交照測光器
比較しようとする2種類の光源で,1個の非分割視野
を断続的に交互に照射するか,又は2個の隣接視野を
交互に照明するかしたものを,観測者が見る異色測光
用の視感測光器。
備考 交照周波数(視野を照らす二つの光を交代
させる周波数)は,色のちらつきは感じな
いが,明るさのちらつきは感じる周波数に
選ぶ。
05-19
flicker photometer
05043 等明るさ測光器,
明るさ平衡測光器
比較視野の2部分を同時に見て,その明るさが等しく
なるように調整する視感測光器。
05-20
equality of brightness
photometer
05044 等対比測光器,
対比平衡測光器
比較視野の2部分を同時に見て,その対比が等しくな
るように調整する視感測光器。
05-21
equality of contrast
photometer
05045 測光ベンチ
光源,受光器,その他測光,放射測定に必要な器具を
それぞれ取り付けた移動架台を,水平直線に沿った任
意の位置に移動又は固定でき,それらの間の距離を必
要に応じて測定できるようにした台。
pbotometer bench
05046 遮光板
1. 測光ベンチで光源と受光器との間の光路に設置
し,光源からの直射光以外の光(迷光)が,受光
部の受光面に入らないようにするための黒色のあ
な(孔)あき板。
2. 積分球(球形光束計)で,球内で点灯した光源か
らの直射光が測光窓を照射しないようにするため
に,両者の中間に設置する球内面塗装と同じ塗装
を施した板。
3. 測光器・光学機器の内部や測光設備などで,測定
の目的とする放射以外の散乱成分などを遮断又は
抑制するために,光路上又は光路の周辺に設置す
る有孔又は無孔の黒色の板。
screen,
baffle
05047 ゴニオフォトメータ,
配光測定装置
光源,照明器具,媒質又は物体面からの光の空間方向
分布(配光)を測定する測光器。
備考 普通,光源及び照明器具の配光を測定する
ものを配光測定装置 (luminous intensity
distribution photometer) といい,入射角,観
測角を変えて反射又は透過物体の特性を測
定するものをゴニオフォトメータという。
05-22
goniophotometer
05048 ゴニオラジオメータ 光源,照明器具,媒質又は物体面からの放射の空間方
向分布(放射配光)を測定する放射測定器。
05-23
gonioradiometer
05049 積分球,
ウルブリヒト球
球内面を白色拡散反射面で構成し,球内に点灯した光
源の全光束又は球外から球内に入射させた光束(又は
放射束)を多重反射した状態で測定する中空の球。
05-24
integrating sphere,
Ulbricht sphere
05050 球形光束計
積分球を用い,光源の全光束を(比較)測定する測光
器。
05-29
integrating photometer
05051 反射率計
反射に関する量を測定する装置。
05-26
reflectometer
05052 (光学)濃度計
反射又は透過の(光学)濃度を測定する測光器。
05-27
optical densitometer
05053 干渉計
放射の干渉を利用して放射の波長,物体の屈折率など
を測定する装置。
interferometer
55
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05054 放射露出計
放射の露出量を測定する計測器。
備考 露出量とは一般に放射束と時間の積をい
う。
05-28
radiant exposure meter
05055 露出計
写真機のレンズの開口(すなわち絞り),シャッタス
ピードなどの適正な設定を確認するための計測器。
05-29
exposure meter
05056 光沢度計,
光沢計
光沢のある面のいろいろな測光的特性を測定する計
測器。
05-30
glossmeter
05057 モノクロメータ
プリズム,回折格子などを用いて放射を波長的に分散
し,そのスペクトルの一部をスリットを通して取り出
すことによって単色放射を得る装置。
monochromator
05058 ポリクロメータ
放射を分光し,測定対象とする複数のスペクトル線を
同時に検出する装置。
備考 分光したスペクトルの結像面に複数の光検
出素子を置いて,複数の波長成分の放射を
同時に測定する機能を含めることもある。
polychromator
05059 光中心(光源の)
測光又は放射測定において測定の原点として用いら
れる,光源を代表とする点。
備考 対象が照明器具のときは測光中心という。
09-64
light center (of a
source)
05060 測光軸
1. 光源と測光器の受光面及びそれらの中間の光学部
品などそれぞれの測光に必要な方向と中心を一つ
の直線上に一致させて配列したときのその直線。
2. 光学系を構成する屈折曲面・反射曲面の曲率中心
を連ねる直線。
photometric axis
05061 測光距離
測定しようとする点光源又は面光源(一次又は二次)
上の注目する一点(通常は光中心)と(測光器の)受
光面の中心との間の距離。
test distance (for
photometry)
05062 逆二乗の法則(照度に
関する)
点光源からの光によって生じる照度は,光の伝ぱん経
路に吸収又は散乱による損失がない場合,点光源から
測定点までの距離の二乗に逆比例するという法則。放
射についても一般的に成立する。
inverse-square law [of
illumination]
05063 余げん(弦)法則(入
射に関する),
(ランベルトの余げ
ん法則)
受光面に,ある角度をもって光が入射したときの受光
面の照度又は放射照度は,入射角の余弦に比例すると
いう法則。
備考 受光面の照度Eは,入射角をθとするとき,
次の式で表される。
E=Encosθ
ここに,Enは垂直入射のときの受光面の照度。
参考 均等拡散面の放射輝度又は輝度については
04053を参照のこと。
cosine law, (Lambert's
cosine law)
05064 視感度補正
1. 測光器の相対分光応答度をCIE標準分光視感効率
(比視感度)V (λ) に近似させる操作。視感度合
わせともいう。
2. 色補正係数を用い,測定値を補正すること。
relative spectral
responsivity
correction
56
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05065 色補正係数
相対分光応答度がCIE標準分光視感効率V (λ) に比例
していない測光器で,測光器の目盛定めに用いた光と
相対分光分布が合致しない光を測定するときに,CIE
標準分光視感効率によって評価される測光値(すなわ
ち正しい測光値)を得るために,測光器の表示値に乗
じる係数。
colour correction factor
05066 自己校正方法(量子形
検出器の)
量子形放射検出器の受光面の吸収率と内部量子効率
から,その検出器の絶対応答度を推定する方法。
備考 シリコンフォトダイオードの場合,内部量
子効率は電子・正孔対の再結合損失を検出
器内部の各領域ごとに測定して求める。こ
の方法は,特定のシリコンフォトダイオー
ドについて単色放射に対して適用される。
self-calibration
technique for
quantam detector
3.5.3
放射検出器
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05067 波長選択性がある放
射検出器
分光応答度が,対象とするスペクトル領域(波長範囲)
で波長によって変化する放射検出器。
05-31
selective detector
05068 波長選択性のない放
射検出器
分光応答度が,対象とするスペクトル領域(波長範囲)
で波長に依存しない放射検出器。
05-32
non-selective detector
05069 光電検出器
放射と物質との相互作用,すなわち光子の吸収及びそ
れによる平衡状態からの自由電子の解放(光電効果)
による起電力(電圧)又は電流の発生,若しくは電気
抵抗の変化を利用する放射検出器。この相互作用に
は,放射の吸収による温度変化に基づく電気的現象を
利用したものは含めない。
05-33
photoelectric detector
05070 光電管
放射によって生じる電子の放出を利用した光電検出
器。
参考 放射を吸収して自由電子(光電子)を放出
する陰極(光電面)と,その電子を集める
陽極とからなる,2極電子管の構造をもっ
たもの。
05-34
photoemissive cell,
phototube
05071 光電陰極
光電子放出を効率よく行うように作られた光電検出
器用の金属又は半導体層(の陰極)。
05-35
photocathode
05072 光電子増倍管
光電陰極,陽極,及びこの両電極間に置かれたダイノ
ードの二次電子効果を利用する電子増倍装置からな
る光電検出器。
参考 光電面から放出された自由電子(光電子)
を加速して,数段ないし十数段の二次電子
放出電極(ダイノード)に次々に当て,電
子数の増倍を行わせて,外部に大きい電流
として取り出す構造をもったもの。
05-36
photomultiplier
57
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05073 光導電セル
放射の吸収によって生じる導電度(電気抵抗)の変化
を利用する光電的検出器。
参考 放射を吸収して,半導体の内部に伝導電子
又は正孔が生じ,その結果起きる導電率の
変化を,外部電界をかけたときの電流の変
化として取り出す。
05-37
photoresistor,
photoconductive cell
05074 光起電セル,
光電池
放射の吸収によって生じる起電力を利用する光電検
出器。
参考 放射を吸収して,金属と半導体の接触部(シ
ョットキー接合),又は単一の半導体結晶中
におけるp型領域とn型領域との接合(p-n
接合)部に起電力が生じ,外部に自発電流
が取り出されるもの。
05-38
photoelement,
photovoltaic cell
05075 ホトダイオード,
フォトダイオード
2種類の半導体p-n接合又は金属と半導体とのショッ
トキー接合の近傍で吸収された放射によって発生す
る光電流を利用する光電検出器。
05-39
photodiode
05076 アバランシェホトダ
イオード,
アバランシェフォト
ダイオード
接合部に電子なだれを発生させて,一次光電流が増幅
されるように,バイアス起電力を印加して動作させる
フォトダイオード。
05-40
avalanche photodiode
05077 ホトトランジスタ,
フォトトランジスタ
増幅機能のある二重p-n接合(p-n又はn-p-n)の近傍
で光電流が発生する半導体を利用する光電検出器。
05-41
phototransistor
05078 (波長選択性がない)
量子形検出器
対象とするスペクトル領域で量子効率(η=発生電子
数/入射光子数)が波長に無関係に一定であるような放
射検出器。
05-42
(non-selective)
quantum detector
05079 ホトンカウンタ,
光子カウンタ,
フォトンカウンタ
光電検出器と補助電子装置とを組み合わせて,光電陰
極などから発生する電子を計数できるようにした装
置。
05-43
photon counter
05080 放射の熱形検出器,
熱形(放射)検出器
放射を吸収した部分の温度上昇によって,測定可能な
物理的効果(起電力の発生,導電率の変化,電気分極
の変化,気体の膨張など)が生じるような放射検出器。
05-44
thermal detector of
radiation,
thermal (radiation)
detector
05081 絶対熱形検出器,
自己校正形の熱形検
出器
放射束と電力を直接に比較することができるように
した熱形放射検出器。
05-45
absolute thermal
detector,
self-calibrating thermal
detector
05082 (放射測定用)熱電対 吸収した放射によって生じる加熱効果を測定するた
めに,2種の金属又は半導体の線(又は帯若しくは薄
膜)の両端を接合して,一方の接点に放射を与えて,
吸収,加熱を行わせ,他方の接点は放射から遮へいし
て定温に保ったときに,両接点の温度差によって発生
する熱起電力を利用した熱形放射検出器。
05-46
(radiation)
thermocouple
05083 (放射測定用)熱電対
列,
サーモパイル
吸収した放射によって生じる加熱効果を測定するた
めに2種の金属又は半導体を交互に多数直列接続し,
一つおきの接合部は放射を吸収して温度が上昇する
構造とし,他の接合部は放射から遮へいして,両接合
部の温度差によって発生する熱起電力を利用する熱
形放射検出器。
05-47
(radiation) thermopile
58
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05084 ボロメータ
放射を吸収した部分の温度上昇による電気抵抗の変
化を利用する熱形放射検出器。
05-48
bolometer
05085 焦電形検出器
ある種の強誘電体の自発分極,すなわち恒久的な誘電
分極が,温度変化によって時間的に変化することを利
用した熱形放射検出器。
05-49
pyroelectric detector
3.5.4
放射検出器に関連する量
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05086 入力(放射検出器の) 放射検出器を使用して測定又は検出しようとしてい
る放射量又は測光量。
05-50
input (for a detector of
optical radiation)
05087 出力(放射検出器の) 放射の入力に応じて放射検出器が発生する物理量。
05-51
output (for a detector
of optical radiation)
05088 光電流
入射した放射によって生じる光電検出器の出力電流。
量記号:Iph
05-52
photo current
05089 暗電流
入射する放射がない状態での,光電検出器又はその陰
極の出力電流。
量記号:I0
05-53
dark current
05090 応答度,
感度(放射検出器の)
放射検出器の出力Yを,放射検出器の入力Xで除した
量。
量記号:s
s=Y/X
05-54
responsivity, sensitivity
(of a detector)
05091 相対応答度,
相対感度(放射検出器
の)
放射検出器が放射Zで照射されたときの応答度s (Z)
の,基準放射Nで照射されたときの応答度s (N) に対
する比。
量記号:sr
sr=s (Z) /s (N)
05-55
relative responsivity,
relative sensitivity (of
a detector)
05092 分光応答度,
分光感度(放射検出器
の)
放射検出器へ入射した,狭い波長区間dλの単色放射の
入力dXe (λ)=Xe,λ・dλで,放射検出器の出力dY (λ) を除
した,波長λの関数である量。
量記号:s (λ)
s (λ)=dY (λ) /dXe (λ)
05-56
spectral responsivity,
spectral sensitivity (of
a detector)
05093 相対分光応答度,
相対分光感度(放射検
出器の)
放射検出器の波長λにおける分光応答度s (λ) の,与え
られた基準値smに対する比。sr (λ)=s (λ) /smで特定の
波長λ0における応答度を1とするか,又は全波長に対
する応答度の平均値を1として相対的に表す(規格化
する)ことが多い。
量記号:sr (λ)
05-57
relative spectral
responsivity,
relative spectral
sensitivity (of a
detector)
05094 直線性(放射検出器
の)
放射検出器において,出力の大きさが対応する入力の
大きさに比例する度合い。
linearity (of a detector)
05095 均一性(放射検出器受
光面の)
放射検出器の受光面の部分的な応答のむらを表す量。
受光面実効径の101程度のスポット放射を走査して評
価する。
a) (全測定点の応答の標準偏差)/平均応答
b) (最大−最小)/平均応答
c) (最大−最小)/(最大+最小)の3種類の表現法
がある。
uniformity (of a
detector)
59
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
05096 応答時間(放射検出器
の)
放射検出器の入力を一定のレベルから別の一定のレ
ベルまで瞬時に変化させたとき,出力がその最終の大
きさに対し定められた割合の大きさに達するのに要
する時間。
05-58
response time (of a
detector)
05097 時定数(出力が時間と
ともに指数関数的に
変化する放射検出器
の)
ある定常状態から別の定常状態へのステップ的な入
力変化が与えられたとき,放射検出器の出力が,最初
の値からその最終変化値に対して (1−1/e) にまで達
するのに要する時間。
05-59
time constant
05098 立ち上がり時間(放射
検出器の)
定常的な入力が突然与えられたとき,放射検出器の出
力が到達する最大値に対して定められたある低い百
分率から,それよりも高く定められたある百分率にま
で立ち上がるのに要する時間。ここで,低い百分率は
10 %とし,高い百分率は90 %とするのが一般的であ
る。
05-60
rise time (of a detector)
05099 立ち下がり時間(放射
検出器の)
定常的な入力が突然除かれたとき,放射検出器の出力
が最大値に対して定められたある高い百分率から,そ
れよりも低く定められたある百分率にまで降下する
のに要する時間。ここで,高い百分率は90 %とし,低
い百分率は10 %とするのが一般的である。
05-61
fall time (of a detector)
05100 雑音等価入力(放射検
出器の)
測定装置の定められた周波数及び帯域幅に対して,雑
音出力の二乗平均の平方根 (r. m. s. ) に等しい出力を
生じる放射検出器の入力の値。(S/N=1の状態の出力
の値。)帯域幅は,特に定められない限り,1 Hzと考
えるのが一般的である。
05-62
noise equivalent input,
NEI (of a detector)
05101 雑音等価パワー(放射
検出器の)
放射検出器で測定又は検出する量が放射束であると
きの雑音等価入力の呼称。
量記号:Φm
05-63
noise equivalent
power,
NEP (of a detector)
05102 雑音等価放射照度(放
射検出器の)
放射検出器で測定又は検出する量が均一な放射照度
であるときの雑音等価入力の呼称。
量記号:Em
05-64
noise equivalent
irradiance (of a
detector)
05103 検出能力(放射検出器
の)
雑音等価パワーの逆数。
量記号:D
D=1/Φm
05-65
detectivity (of a
detector)
05104 規格化検出能力(放射
検出器の),
D*
(でぃーすたー)
検出系におけるパラメータである放射検出器の受光
面積Aと測定の周波数帯域幅∆fとを考慮して規格化
した検出能力。
量記号:D*
D*=D (A・∆f)1/2=(A・∆f)1/2/Φm
05-66
normalized detectivity
(of a detector)
60
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.6
光放射の応用に関する用語
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06001 近紫外放射
可視域に隣接した波長域の紫外放射。
備考 波長範囲についてはいろいろな用例がある
が,300〜320 nmから400 nmまでの波長域
とすることが多い。北米照明学会
(Iluminating Engineering Society of North
America : IESNA) では320〜400 nmをブラ
ックライト域として区分している。
near ultraviolet
radiation
06002 中紫外放射
真空紫外域より長波長で近紫外域より短波長の領域
の紫外放射。
備考 波長範囲についてはいろいろな用例がある
が,200〜220 nmから,300〜320 nmまでの
波長域とすることが多い。一般的には,国
際照明委員会 (Comission Internationale de
IʼEclairage : CIE) で議論されたとして,IEC
国際電気技術用語集,Chap. 845 : 照明
(IEC 845) に例示されているUV-B (280〜
315 nm) よりは広い範囲をとる。
mean [middle]
ultraviolet radiation
06003 遠紫外放射,
真空紫外放射
空気による吸収が始まる波長域から軟X線波長域ま
での紫外放射。
備考1. 波長範囲についてはいろいろな用例があ
るが,1 nmから,200〜220 nmまでの波
長域とすることが多い。
2. 遠紫外領域を,真空紫外領域よりも長波
長域まで含め,250 nm位までとすること
もある。
3. 波長250 nm以下の紫外放射を,極端紫外
放射 (deep ultraviolet radiation) とするこ
ともある。
far ultraviolet
radiation,
vacuum ultraviolet
radiation
06004 遠赤色光
植物の形態形成に関与して逆反応(抑制作用)をもた
らす作用のある光放射。波長範囲は700〜800 nmであ
る。
備考 この用語は植物学関係に用いられる。
far-red light
06005 近赤外放射
可視域に隣接した,光化学効果を生じる可能性のある
波長域の赤外放射。
備考 波長範囲については,IEC国際電気技術用
語集,Chap. 841:工業用電気加熱 (IEC 841)
では,0.78 μmから2 μmまでとしている。
他の用例として,IESNAでは,0.77〜1.4
μm,日本電熱協会では,0.78〜2.0 μmとし
ている。
near infrared radiation,
short wave infrared
radiation
61
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06006 中赤外放射
ガラスの透過限界波長より短波長で近赤外放射より
も長波長域の赤外放射。
備考1. 波長範囲については,IEC 841では,2 μm
から4 μmまでとしている。他の用例とし
て,IESNAでは,1.4〜5 μm,日本電熱協
会では,2.0〜4.0 μmとしている。
2. この波長区分域を設けないで,近赤外域
と遠赤外域を隣接させ,赤外放射を近赤
外放射と遠赤外放射の2区分することも
ある。
mean [middle] infrared
radiation,
middle wave infrared
radiation
06007 遠赤外放射
ガラスの透過限界波長より長波長で,物質などに吸収
されると,他の様態のエネルギーに変換されることな
く,直接的に分子や原子の振動エネルギーや回転エネ
ルギーに変換される波長域の赤外放射。
備考1. 波長範囲については,IEC 841では,4 μm
から1 mmまでとしている。他の用例とし
ては,IESNAでは,5 μm〜1 mm,日本電
熱協会では,4.0 μm〜1 mmとしている。
2. 日常用語的には,遠赤外線 (far infrared
rays, long wave infrared rays) ともいう。
far infrared radiation,
long wave infrared
radiation
06008 極端遠赤外放射
物質などに吸収されると,直接的に分子又は原子の回
転エネルギーに変換される波長域の赤外放射。
備考 波長範囲についてはいろいろな用例がある
が,25μmから1 mmまでの波長域とするこ
とが多い。
extreme infrared
radiation
06009 光化学放射
物質又は生体に吸収されて,その吸収された部位にお
いて化学変化を起こすことができる効力のある光放
射。
備考 光化学放射による反応(光化学反応)の例
としては,変退色の促進,写真,光複写,
製版,光合成などがあり,それぞれ特有の
波長域の光放射によって反応が進行する。
photochemical
radiation
06010 光効果
光放射が物質,生物又は生体に作用して生じる物理
的,化学的又は生物的変化。
備考 この場合,光放射をエネルギー源として取
り扱う場合と,情報源として取り扱う場合
とがある。
06-01
photoeffect
06011
光電効果
物質が光を吸収して自由電子(伝導電子を含む。)を
生じる現象。電気伝導度の増加又は起電力が表れる内
部光電効果と,固体表面から光電子が放出される外部
光電効果とがある。
photoelectric effect
06012 光導電効果
光の照射によって,自由電子及び自由正孔のいわゆる
荷電キャリアが増加して,電気伝導度が増加する現
象。
photoconductive effect
06013 光導電体
明確な光導電特性を示す物体。
photoconductor
62
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06014 光起電効果
金属と半導体の接触部又は半導体の接合部に光を照
射すると,光を吸収して,その界面に自由キャリア対
を生じ,正負の電荷がそれぞれ界面にできた電界によ
って移動し,負荷側が開路になっていると,電位差す
なわち起電力を発生する現象。
photovoltaic effect
06015 光電子放出効果
固体内の電子が光の吸収によってエネルギーを得,固
体表面から光電子となって逸脱する現象。光電管の原
理である。
photoemissive effect
06016 光化学効果
光放射が物質や生物,生体に作用して生じる化学的変
化。
06-03
photochemical effect
06017 アクティニズム
生体,生物又は物質に対し,何らかの化学的変化を生
じる要因となる光放射の性質。
06-02
actinism
06018 直接的光化学効果
その効果を誘起する要因となる光放射が吸収された
部位において生じる光化学的効果。
06-04
direct actinic effect
06019 間接的光化学効果
その効果を誘起する要因となる光放射が吸収された
部位から離れたところにおいて生じる光化学的効果。
備考 直接的であるか間接的であるかの区別は,主と
して生物学的な変化に対して適用される。内分泌腺に
対する光放射による刺激は,間接的光化学効果の例で
ある。
06-05
indirect actinic effect
06020 自然光・光化学効果 自然界に存在する光放射によって生じる化学変化。
06-06
natural actinic effect
06021 人工光・光化学効果 人工的に制御された状態における光放射によって生
じる化学変化。
06-07
artificially induced
actinic effect
06022 光増感
ある物質又はシステムの光効果に対する感度(効果の
度合い)が別の物質やシステムの作用によって大きく
なること。
備考 光増感には分光増感と固有増感がある。ま
た増感剤からのエネルギー移行過程は電子
移動かエネルギー移動か明確でない場合が
ある。
06-08
photosensitization
06023 光減感
ある物質又はシステムの光効果に対する感度(効果の
度合い)が別の物質やシステムの作用により小さくな
ること。
06-09
photodesensitization
06024 光合成
物質構成分子が光エネルギー(光子)を吸収し,より
分子量の大きい物質を生成すること。
備考 緑色植物の光合成は炭素同化作用として知
られている。
photosynthesis
06025 光硬化
高分子化合物(ポリマー)が光架橋又は光重合などに
よって,固化したり,溶剤に不溶性になったり,腐食
性薬品に耐性を増したりする現象。
photo-curing
06026 変退色[光放射によ
る]
光放射の化学的作用によって着色剤又は基体物質が
劣化することによって物体の色が変化する現象。光放
射による劣化の一種である。
備考 彩度が減少し明度が増加する場合を退色
(fading) と呼んで区別することもある。
discolo (u) ration,
fading
63
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06027 耐候性
材料又は製品が,屋外の環境条件によって性能の低下
すなわち天候劣化(ウェザリング)を起こすことに対
する耐久性。有機材料の天候劣化では,光酸化が劣化
の主原因であるが,風雨や温度,湿度,力学的な外力,
微生物の作用など多くの環境条件が副原因になる。ゴ
ムにおいては微量のオゾンの作用が著しい。金属が天
候劣化を起こすと腐食が生じる。人工の促進環境条件
に対する耐久性も耐候性と呼ばれることがある。
weatherability
06028 耐光性
材料や製品が光放射の照射を受けたとき,光劣化すな
わち光化学的変化や,それに伴う性能の低下を起こし
にくい性質。光源としては日光が主であるが,人工光
源を含み,性能として変退色,力学的強さなどが測定
されることが多い。
lightfastness
06029 フォトレジスト
半導体の微細加工などに使用する,感光性でかつ耐食
性の物質。
備考 露光すると,感光部が溶剤に可溶性になる
ポジ形と,不溶性となるネガ形とがある。
感光性物質が溶剤によって取り去られて露
出した下地面の部分に選択的なエッチング
や不純物の拡散を行うことができる。半導
体集積素子,カラーブラウン管,プリント
配線基板などの製造や,印刷製版などに利
用される。
photoresist
06030 フォトコピー,
光複写
光電効果又は光化学効果を利用した複写法。
備考 電子複写,ジアゾ複写など,光を利用する
画像複製方式の総称。
photocopying
06031 光放射応用工学
光放射の作用による各種の効果(化学的,生物的など)
を,社会的に活用することを目的として研究・開発を
推進する科学技術分野の体系。
applied engineering of
optical radiation
06032 光生物学
生体系に対して光放射を照射したときの作用を取り
扱う生物学の分野。
06-10
photobiology
06033 光病理学
光放射に関連する病理学的影響を取り扱う生物学及
び医学の分野。
06-11
photopathology
06034 電熱工学
電気エネルギーの熱的作用を社会的に活用すること
を目的として研究・開発を推進する科学技術分野の体
系。
electro-heat
engineering
06035 光療法
光放射を利用する病気の治療。
06-12
phototherapy
06036 日光療法
太陽放射を利用した病気の治療。
06-13
heliotherapy
06037 オゾン生成放射
大気中の酸素 (O2) を分解してオゾン (O3) を生成す
る効力のある光放射。
備考 波長範囲は,ほぼ220 nm以下の紫外域であ
る。
ozone producing
radiation
64
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06038 紅はん(斑)[紫外放
射による]
太陽放射又は人工放射源からの光放射の光化学作用
によって真皮乳頭層の血管が拡張・充血し,外観的に
は照射を受けた皮膚の部位が赤味を帯びる光生物的
効果。炎症を伴う場合と,伴わない場合とがある。
参考1. 非照射部位との間に明りょうな境界がで
きる。紅はんは,その部位をガラス板な
どで押さえると赤色が消える特徴があ
る。
2. 紅はんを生じる光放射の波長域は,およ
そ200〜330 nmである。
06-15
(actinic) erythema
06039 紅はん放射
光化学作用による紅はんを生じる効力のある光放射。
06-16
erythemal radiation
06040 日光皮膚炎,
サンバーン
過度の太陽放射の照射による紅はんに伴って生じる
皮膚の病変。照射して数時間後から照射部位が紅はん
となり,次第に浮しゅ(腫)状になる。症状が重いと
水ほう(疱)ができ,痛みを伴う。
参考1. 症状は12〜24時間でピークとなり,以後,
反応は弱くなる。2日〜数日で治るが,落
くず(屑),色素沈着,ときには色素脱失
が残る。
2. sunburnのことを日焼けともいうが,
sunburn(日光皮膚炎)とsuntan(日光色
素増強)とを併せて日焼けという場合も
あり,紛らわしいので注意が必要である。
06-17
sunburn,
solar dermatitis
06041 色素沈着
表皮内でメラニン色素が合成され,表皮のケラチノサ
イト(角化細胞)へ分泌されて,皮膚の色が褐色ない
し黒褐色になること。
備考 メラニン色素の合成は,紫外放射のほか,X
線,熱などの物理的皮膚刺激や化学的皮膚
刺激によっても促進される。
tanning,
pigmentation
06042 日光色素沈着,
サンタン
皮膚に対する太陽放射(可視及び紫外放射)の照射に
よって表皮中にメラニン色素が,生成,沈着,増加(増
強)すること。
参考 近紫外放射及び可視放射を照射した直後
に,既存の還元型メラニン色素の酸化が起
こって黒化する即発性 (direct pigmentation)
のものと,中紫外放射を照射して数日後に
新たに合成されるメラニン色素によって黒
化する遅発性のもの (secondary
pigmentation) とがある。
06-18
suntan
06043 ビタミンD生成
ビタミンDの前躯体エルゴステロールが,波長285〜
310 nmの紫外放射の照射によってプロビタミンDを
生成し,さらに異性化によってビタミンDとなる反
応。
参考 ビタミンDはD2〜D7の総称である。
vitamin D production
06044 人工日焼け灯
過度の紅はんを生じることなく,日光色素増強を促進
するように設計された人工光放射源。
artificial sunlamp
65
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06045 殺菌効果[紫外放射
の]
紫外放射が細菌又は病原性微生物を致死させたり,増
殖しないようにする光生物効果。
bactericidal effect,
germicidal effect [of a
ultraviolet radiation]
06046 殺菌放射
細菌や病原性微生物を致死させたり,増殖しないよう
にする効力のある光放射。
備考 IEC (845) ではbactericidalとgermicidalとを
次のとおり,異なった概念として明確に区
別している。
bactericidal radiation:細菌を不活性にする効
力のある光放射
germicidal radiation:病原性微生物を死滅さ
せる効力のある光放
射
ただし,我が国では,[殺菌]という用語
でこの両者の概念を総括して使用すること
がほとんどであるので,本項のとおりとし
た。
06-19
06-20
bactericidal radiation,
germicidal radiation
06047 有害効果[目に対す
る]
光放射の照射によって目に傷害を生じること。
eye-hazardous effect
06048 有害紫外放射[目に対
する]
人の目の角膜又は結膜に急性の傷害を与える可能性
のある紫外放射。
備考 波長範囲は180〜320 nmであり,作用スペ
クトルが最大となる波長は,約270 nmであ
る。
eye-hazardous
ultraviolet radiation
06049 紫外性眼炎
紫外放射の照射によって生じる急性の角膜及び結膜
の炎症的傷害。
photo-kerato-conjuncti
vitis
06050 雪盲
積雪によって反射された光放射(特に紫外放射)によ
って生じる,目の角膜・結膜の急性な炎症的傷害又は
その炎症によって目が見えなくなっている状態。雪
目,雪眼炎,雪めくらともいう。
snow blind
06051 青色光[網膜]傷害 短波長可視放射が網膜に達することによって生じる
網膜の傷害。作用波長域が400〜500 nmの青色光の領
域であるため,この名称がある。
blue light
[(photochemical)
retinal] hazard
06052 遮光保護具
人の目に傷害を与える可能性のある波長域の光放射
を吸収する性能をもつ正透過性の目又は顔全体の保
護具。スペクタクル形,フロント形,ゴーグル形,ヘ
ルメット形,ハンドシールド形などがある。
eye protector
06053 屈光性
植物が光放射による刺激に対して自らの状態・状況を
変化させる性質。
備考 植物が太陽の光の方へ葉面を向ける性質
は,この一例である。
phototropism
06054 光周性
昼と夜の繰返しのように,明(光の照射)暗(非照射)
が周期的に交替する場にある生物が,その暗期(又は
明期)の長さの変化に反応する性質。
photoperiodism
06055 光形態形成
植物が光環境における光放射の照射条件によって,細
胞又は組織の生長,分化,発達などの制御を行う性質。
photomorphogenisis
66
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06056 光周期
生物・生体が照射を受ける可能性のある,自然又は人
工の光の明暗の交替。
備考 例えば,春分又は秋分における自然の光の
交替に対しては,暗期の持続時間(D=12
時間)に対する明期の持続時間(L=12時
間)の比を,LD12 : 12のように表す。
06-27
photoperiod
06057 生物的リズム
生物・生体又は生命に関連する過程における特有の周
期的変化。
備考 生物的リズムは,光放射の照射条件の影響
を受ける可能性がある。
06-26
biological rhythm
06058 概日リズム,
サーカディアンリズ
ム
ほぼ24時間を周期とする,生態的,内因的なリズム。
circadian rhythm
06059 メラトニンホルモン 松果体から分泌されるホルモン。覚せい(醒)を抑制
する作用がある。光周期に反応し,松果体内,血液中,
尿中の濃度は,夜に高く,昼に低い概日リズムを示す。
melatonin hormone
06060 走光性
自由に運動できる生物が,光放射の照射を受けて,光
源の方向と一定の関係がある方向に運動する性質。
備考 狭義には,光源の方向へ運動する場合だけ
を走光性という。これに対して,光源と反
対の方向へ運動する場合を背光性という。
phototaxis
06061 温熱作用[光放射の] 光放射が生体に吸収され,生体内部で熱エネルギーに
変換し,生体自身の温度を上昇させる作用。
heating effect [of an
optical radiation]
06062 温熱感[光放射によ
る]
温熱作用によって,生体が暖かさを感じること。
heat sensation
06063 照射量
対象となるものを照射した,光放射エネルギーの単位
面積当たりの値(放射照度と時間の積)。
量記号:He,H
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
備考1. 照射量は照射面上の(照らす)エネルギ
ーであって,吸収されたものではない。
2. 光化学,光生物学,光医学などの分野に
おいて,放射露光量と同義で使用されて
いる。
06-21
dose,
radiant exposure
06064 照射率
光化学,光生物学,光医学の分野において,放射照度
と同義で使用される用語(単位時間当たりの照射量)。
量記号:Ee,E
単位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
06-25
dose rate
06065 有効照射量
照射された光放射の内で,対象となっている光化学作
用を実際に起こしている部分。
量記号:H
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
06-22
effective dose
67
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06066 光化学照射量
照射された光放射の各波長ごとの照射量に,対象とな
っている光化学作用の作用スペクトルの対応する波
長の値で重みを付けて得られる量(重価積分)。適用
する作用スペクトルは最大値を1とした相対量のこと
が多い。
量記号:H
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
備考 作用スペクトルをV (λ) として,光放射を
放射束で考えれば,この量は光束(単位:
lm)になる。
06-23
photochemical dose,
actinic dose
06067 光生物学照射量
光化学照射量の作用スペクトルを,生物又は生体に対
する作用の作用スペクトルとしたもの。
量記号:H
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
photobiological dose
06068 最小紅はん(斑)[照
射]量,
MED
やっと認め得る程度の紅はんを起こさせる照射量。
量記号:H
単位:ジュール毎平方メートル [J・m−2]
備考1. 紅はんの判定は通常照射終了後,8時間又
は24時間を経て行う。
2. 最小紅はん量は,作用スペクトルが最大
となる波長 (λ=295 nm) の単色放射の場
合には,約100 J・m−2である。
06-24
minimum erythema
dose,
MED
06069 TLV(光反応の)
生体などに何らかの作用をもたらす光放射に関して,
この光放射の照射下での作業者などが,作用の影響を
被らずに繰り返して暴露を受けても問題とならない
量で,波長ごとに例えばJ・m−2単位で表す。
備考 TLVは安全レベルと危険レベルを分ける境
界線と考えてはいけない。
threshold limit value
06070 量子効率,
量子収率
光放射が物質などに作用するとき,入射して吸収され
た光子の数に対する,反応した分子又は相互作用によ
って発生した電子や光子などの量子の数の比。
05-67
quantum efficiency,
quantum yield
06071 作用スペクトル
単色放射を物質や生物,生体などに与えたときに生じ
る反応について,反応量(反応度)を入射した単色放
射の照射量(露光量)で除した値を,波長の関数とし
て表したもの。分光応答度と同じ概念。この関数の曲
線表示を分光作用曲線という。
備考 通常,反応量(度)がある一定のレベルに
達するまでの照射量の逆数で表す。
06-14
action spectrum,
spectral responsivity of
photo effect
06072 相反則
光放射の照射による反応に際して,放射照度E [W・m−
2] の照射を,時間t秒間 (s) 与えたとき,反応レベル
がDであったとすると,Eとtの積Et [J・m−2] (照射
量)を一定とすれば,いかなるEとtの組合せに対し
ても反応レベルDが得られること。
reciprocal law
06073 相反則不軌
相反則の不成立。照射量が同じでも,入射する光放射
の放射照度が異なれば反応レベルが変化すること。
reciprocal law failure
06074 赤外加熱
熱エネルギーが赤外放射によって伝達される加熱。
infrared heating
06075 赤外乾燥
赤外放射を利用して,含有されている水分又は液状分
の蒸発を促進させることによる乾燥。
infrared drying
68
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06076 遠赤外ヒータ
放射主波長が遠赤外域 (4μm〜1mm) にある赤外放射
素子。
far infrared heater
06077 放射冷却
周囲の物体の温度を被冷却物より低くし,被冷却物か
ら周囲へ赤外放射伝熱によって熱エネルギーを放出
させ,被冷却物の温度を下げる冷却方式。
radiation cooling
06078 熱映像
物体から放射される熱エネルギーを赤外装置など電
子的手段によって撮影した映像。
備考 空間的に広がった熱放射源の強度分布をパ
ッシブにとらえ画像化したもの。一般的に
は中赤外域の一部(3〜4 μm帯)及び遠赤
外域の一部(8〜10 μm帯)の映像をいう。
thermal image
06079 暗視装置
暗夜でものを見る装置。映像増倍管(イメージインテ
ンシファイア)に電池で動作する直流高電圧を加え,
微弱な光の映像を数万倍に増幅して見るパッシブ暗
視管装置を意味することが多い。
備考 最近では,サーマルイメージングによる熱
映像装置(赤外映像装置)も含めて暗視装
置という場合もある。
snooperscope,
night vision system,
night vision equipment
06080 赤外写真
赤外放射を用いた写真。可視光を抑えるために赤外透
過フィルタを用い,増感剤によって赤外域に感度をも
つ感光材を用いて写真撮影する。普通,0.7〜1.1 μmの
領域に感度をもつ写真をさす。赤外スペクトルの研
究,夜間撮影,赤外放射の大気透過力を利用した撮影,
特殊効果撮影などに用いられている。
infrared photography
06081 リモートセンシング 電磁波,磁界,音響エネルギーなどを受けることによ
って,物理的に離れた位置(例えば,航空機,人工衛
星,船など)から,対象となるべき物体又は現象の,
ある種の特性に関する情報を,測定又は取得するこ
と。カメラ,レーザ,ラジオ波受信機,レーダシステ
ム,ソナー,重力計,磁力計,シンチレーションカウ
ンタなどの装置が用いられる。
remote sensing
06082 大気の窓
赤外放射が大気中を伝ぱんする際,大気中に含まれる
水蒸気,炭酸ガスなどの吸収の少ない,透過のよい領
域をいう。赤外域の波長帯では,1.5〜2.5 μm帯,3〜5
μm帯,8〜14 μm帯がこれに相当する。
atmospheric window
06083 オプトエレクトロニ
クス
光領域のエレクトロニクス。光エレクトロニクスとい
うこともある。半導体などによる発光素子,光・電気
変換素子,各種レーザ,レーザ応用,非線形光学素子
などとそれらの応用装置が含まれる。したがって,量
子エレクトロニクスより工学的ないくらか広い範囲
をさすが,両者の間に明確な区別はない。
optoelectronics
06084 二次放射
物質に対する一次放射の作用の結果,副次的に生じる
粒子又は光子(放射),コンプトン (Compton) 反跳電
子,δ線,二次宇宙線,二次電子などをいう。
secondary radiation
06085 背景放射
測定対象の試料以外の自然環境や人工物体などから
くる放射。測定の誤差要因となる。
background radiation
69
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
06086 オゾン層
大気中でオゾン量が比較的多い領域。
備考 大気中の酸素が太陽放射中のオゾン生成放
射によってオゾン化されたもの。厚さ約20
kmにわたり,密度の最大は高さ25 kmくら
いのところにある。オゾンの全量は,0 ℃,
1 atmで約3 mmの厚さに相当する。オゾン
層は,太陽放射中の紫外放射を吸収して,
付近の大気の温度を高く保つ。また生物に
有害な太陽放射中の有害紫外放射 (UV-C)
を吸収・遮断しており,地球上の生物の生
存のために必要不可欠である。近年,超音
速ジェット機の飛行や大気圏内核爆発によ
って生じる窒素酸化物や,フレオンガス中
の塩素原子が,オゾン層を破壊するおそれ
があるという指摘がなされており,環境問
題となっている。
ozone layer,
ozonosphere
06087 温室効果
大気中の水蒸気又は二酸化炭素が,地表から宇宙空間
への赤外放射を吸収して,地球外へ出さないようにす
る効果。可視放射は透過するが熱(赤外放射)は出さ
ないという点で温室と同じ働きをするところからこ
の名がある。
greenhouse effect
06088 非熱効果[遠赤外放射
の]
遠赤外放射などの光子(フォトン)のエネルギーの低
い光放射が,生体・物質などに吸収された後,熱エネ
ルギーに変換される過程を経ないで,その光子のエネ
ルギーによって直接生じる作用効果。
non-thermal effect [of
far infrared
radiation]
06089 赤外追尾装置
赤外センサを用いて,目標物とセンサ中心との間の角
度を絶えず検出し,これをゼロに保つように制御系に
よってセンサ及びそれを搭載している本体を目標物
に指向させる装置。
infrared tracking
system
06090 消衰係数,
消散係数,
減衰係数
大気中で光が減衰することを総称して消衰(消散)と
いい,その度合いを表す係数のことをいう。消衰(消
散)の原因は大きく散乱と吸収に分けられる。波長λ
の単色光が媒質中を進む間の消衰係数をσλとすると,
σλは散乱による係数σλ(s)と吸収によるσλ(a)の両者を加
えたものとなる。有限光路長sにおける光の強度Iλ,
及びσλは次の式で与えられる。
Iλ=Iλ0・exp(−σλs)
Iλo:s=0における強度
σλ=σλ(S)+σλ(a)
extinction coefficient,
attenuation coefficient
70
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.7
光源及びその特性に関する用語
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
07001 光源,
一次光源
エネルギーの変換によって発生した光を放出する表
面又は物体。
参考 IECでは.“一次光源”だけを使用している
が,我が国では,単に,“光源”と呼ぶ。た
だし,二次光源と対比して使われる場合は,
一次光源と呼んでもよい。
07-01
light source,
primary light source
07002 二次光源
それ自体では発光しないで,受けた光の少なくとも一
部を反射又は透過して,再放出する表面又は物体。
07-02
secondary light source
07003 ランプ
光放射,通常は可視放射を発生させるために作られた
光源。
備考 この用語は,ときに,特殊な照明器具に対
して用いられる。
参考1. 我が国では,ハンドランプ以外にこの用
語を用いることはない。
2. 我が国で,放電ランプをランプと称する
ことがある。
07-03
lamp
07004 反射形ランプ
ガラス球の一部に反射性材料の被膜を付けた白熱電
球又は放電ランプ。
07-37
reflector lamp
07005 昼光色ランプ
規定された昼光に近似した分光エネルギー分布をも
つ光を発するランプ。
07-45
daylight lamp
07006 電灯
電気による人工光源と照明器具を組み合わせたもの。
07007 放電灯
放電ランプと照明器具を組み合わせたもの。
07008 白熱電球
電流を流して白熱状態に加熱した発光体によって光
を発生するランプ。
07-04
incandescent (electric)
lamp
07009 真空(白熱)電球
真空にしたガラス球内に保持された発光体によって
光を発生する白熱電球。
07-08
vacuum (incandescent)
lamp
07010 ガス入り(白熱)電球 不活性気体を封入したガラス球内に保持された発光
体によって光を発生する白熱電球。
07-09
gas-filled
(incandescent) lamp
07011
炭素フィラメント電
球
発光体が炭素フィラメントである白熱電球。
07-05
carbon filament lamp
07012 金属フィラメント電
球
発光体が金属フィラメントである白熱電球。
07-06
metal filament lamp
07013 タングステンフィラ
メント電球
発光体がタングステンフィラメントである白熱電球。
07-07
tungsten filament lamp
07014 白色(塗装)電球
ガラス球に白色塗装を施し,光の拡散性をよくした白
熱電球。
white (coated) lamp
07015 ボール電球
ガラス球が球状の白熱電球。
ball lamp
07016 (タングステン)ハロ
ゲン電球
フィラメントがタングステンであって,ハロゲン元素
又はハロゲン化合物を含むガス入り電球。
07-10
tungsten halogen lamp
07017 定焦点形電球
発光体が,口金の一部をなす位置決め取付部に対して
特定な位置にくるように,正確に調整された白熱電
球。
07-36
prefocus lamp
07018 加圧成形ガラス電球 ガラスバルブが,互いに融着された二つの部分,すな
わち金属製反射面をもつボウルと成形されたカバー
とによって光学系を構成している反射形電球
07-38
pressed glass lamp
07019 シールドビーム電球 厳密に制御された光のビームを発するように設計さ
れた成形ガラス電球。
07-39
sealed beam lamp
71
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
07020 投写用電球
光を選定した方向に投射する光学系と組み合わせて
使えるように,発光体を取り付けた白熱電球。
備考 この用語は,投光器(フラッドライト),ス
ポットライト,又はスタジオ用ランプのよ
うな種々のタイプを含む。
07-40
projector lamp
07021 映写用電球
発光体を相対的にコンパクトな形状にして,静止画又
は動画をスクリーン上に投射する光学系と組み合わ
せて使えるようにした白熱電球。
07-41
projection lamp
07022 耐振電球
振動又は衝撃に耐える構造の白熱電球。
rough srevice lamp
07023 写真撮影用電球
写真の被写体を照明するために,特に色温度を高くし
た,多くは反射形の白熱電球。
07-42
photoflood lamp
07024 赤外電球
特に赤外部で強く放射する白熱電球。可視放射が多少
あってもよい。
07-51
infrared lamp
07025 写真せん(閃)光電球 写真の被写体を照明するために,ガラス球内の燃焼に
よって,非常に短い時間の1回のせん光で大きな光量
を発する電球ランプ。
07-43
flash lamp,
photoflash lamp
07026 タングステンリボン
電球
発光体がタングステンリボンである白熱電球。
参考 この種の電球は,特に放射輝度温度測定及
び分光放射測定に標準として使用される。
07-47
tungsten ribbon lamp
07027 放電ランプ
ガス,金属蒸気又は数種類のガスと蒸気との混合体の
中での放電によって,直接又は間接に光を発生させる
ランプ。
備考 光の発生が主にガス中か又は金属蒸気中で
あるかによって,例えば,キセノン,ネオ
ン,ヘリウム,窒素,二酸化炭素のガス放
電ランプ (gaseous discharge lamp) と水銀及
びナトリウムのような金属蒸気ランプ
(metal vapour lamp) とに区別される。
07-17
discharge lamp
07028 負グローランプ
陰極の前面領域での負グロー放射から直接又は間接
に(蛍光によって)光を発生する放電ランプ。
07-18
negative-glow lamp
07029 熱陰極(放電)ランプ 光が,アーク放電の陽光柱で発生する放電ランプ
参考 この種のランプは,一般に,特別な始動装
置又は始動回路を必要とする。
07-28
hot cathode (discharge)
lamp
07030 冷陰極(放電)ランプ 光が,グロー放電の陽光柱で発生する放電ランプ。
参考 この種のランプは,一般に,特別な方法を
用いずに,高電圧で始動させる。
07-27
cold cathode
(discharge) lamp
07031 アークランプ
アーク放電及び(又は)その電極から光を発生する放
電ランプ。
参考 電極は,カーボン(空気中動作)か金属製
のいずれでもよい。
07-33
arc lamp
07032 ショートアークラン
プ
電極間距離が1〜10 mm程度で,一般に,超高圧力の
アークランプ。
07-34
short arc lamp
07033 ロングアークランプ 電極間距離が長く,アークは放電管全体に広がって,
それによって安定化する一般に高圧力のアークラン
プ。
07-35
long arc lamp
72
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
07034 高輝度放電ランプ,
HIDランプ
光を発生するアークが管壁温度によって安定化され,
その管壁負荷が3 W・cm−2を超える放電ランプ。
備考
この用語は,高圧水銀ランプ,メタルハラ
イドランプ及び高圧ナトリウムランプの総称である。
07-19
high intensity
discharge lamp,
HID lamp
07035 高圧水銀ランプ
光の大部分が,直接又は,間接に,点灯中の分圧が
100kPaを超える水銀蒸気からの放射によって発生す
る高輝度放電ランプ。
備考 この用語は,透明形,蛍光体塗布(蛍光水
銀)形及び安定器内蔵形の水銀ランプすべ
てを含む。
07-20
high pressure mercury
(vapour) lamp
07036 蛍光高圧水銀ランプ ガラス球(の外管)に蛍光体を塗布した高圧水銀ラン
プ。このランプでは,光は,一部は水銀蒸気から,ま
た,一部は放電の紫外放射によって励起される蛍光体
層から生じる。
fluorescent high
pressure mercury
(vapour) lamp
07037 安定器内蔵形水銀ラ
ンプ
ガラス球内に水銀蒸気発光管とそれに直列に接続し
て安定器としての機能ももつフィラメントとを備え
ているランプ。
参考 ガラス球は,拡散形又は蛍光体塗布形の場
合がある。
07-21
blended lamp,
self-ballasted mercury
lamp
07038 高圧ナトリウムラン
プ
光が,主に,点灯中の分圧が10kPa程度のナトリウム
蒸気中の放電によって発生する高輝度放電ランプ。
備考 この用語は,ガラス球が透明形と拡散形の
いずれのランプにも適用される。
07-23
high pressure sodium
(vapour) lamp
07039 始動器内蔵形高圧ナ
トリウムランプ
ガラス球内に始動器を内蔵し,誘導形の高圧水銀ラン
プ用安定器を用いて点灯する高圧ナトリウムランプ。
high pressure sodium
(vapour) lamp with
internal starter
07040 メタルハライドラン
プ
光の大部分が,金属蒸気及びハロゲン化物の解離生成
物の混合物から発生する高輝度放電ランプ。
備考 この用語は,ガラス球が透明形と拡散形の
いずれのランプにも適用される。
07-25
metal halide lamp
07041 低始動電圧形メタル
ハライドランプ
誘導形の高圧水銀ランプ用安定器を用いて点灯する
メタルハライドランプ。
low starting voltage
type metal halide
lamp
07042 キセノンランプ
主としてキセノンガスの励起によって発光する放電
ランプ。
xenon lamp
07043 キセノンせん光ラン
プ
附属装置との組合せで,極めて短時間だけ発光するキ
セノンランプ。
xenon electronic flash
lamp
07044 電子せん光管
極めて短時間に大きな光出力を発し,しかも繰り返し
発することができるように電子装置で点灯される放
電ランプ。
07-44
flash tube,
electronic-flash lamp
07045 ネオン管
主としてネオンガスのグロー放電の陽光柱によって
発光する管形の放電ランプ。同じ形式の水銀,ヘリウ
ム,窒素などのグロー放電ランプも含む。
neon tube
07046 ネオンランプ
ネオン又はアルゴンガスのグロー放電の負グローに
よって発光する放電ランプ。
negative-glow lamp
07047 低圧ナトリウムラン
プ
点灯中の分圧が0.1〜1.5 Paのナトリウム蒸気中の放
電によって発光する放電ランプ。
07-24
low pressure sodium
(vapour) lamp
73
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
07048 低圧水銀(蒸気)ラン
プ
点灯中の蒸気分圧が100 Paを超えない水銀蒸気放電
ランプであって,蛍光体を塗布したものと塗布しない
ものがある。
07-22
low pressure mercury
(vapour) lamp
07049 蛍光ランプ
光の大部分が,放電からの紫外放射によって励起され
る1層又は複数層の蛍光体から放出される低圧水銀放
電ランプ。
参考 このランプの多くは,管状で,IECでは通
常“管状蛍光ランプ”tubular fluorescent lamp
と呼ばれる。
07-26
fluorescent lamp
07050 環形蛍光ランプ
円形状の蛍光ランプ。
circular fluorescent
lamp
07051 予熱始動ランプ
始動のために電極の予熱を必要とする熱陰極ランプ。
07-30
pre-heat lamp,
hot-start lamp
07052 スタータ形蛍光ラン
プ
電極予熱用のスタータを必要とする回路で点灯する
蛍光ランプ。
07-31
switch-start fluorescent
lamp
07053 ラピッドスタート形
蛍光ランプ
スイッチを入れたときに,スタータを用いないで素早
く始動できるようにした始動装置によって点灯する
瞬時始動又は予熱始動形の蛍光ランプ。
07-32
starterless fluorescent
lamp(英国),
rapid-start fluorescent
lamp(米国)
07054 スリムライン形蛍光
ランプ
電極を予熱せずに始動する蛍光ランプ。
07-29
instant-start fluorescent
lamp
07055 高演色形蛍光ランプ 主として広帯域の発光スペクトルをもつ蛍光体を組
み合わせて用い,ハロりん酸カルシウム蛍光体を用い
た蛍光ランプよりも演色性を改善した蛍光ランプ。
備考 その平均演色評価数Ra及び特殊演色評価数
R9,R15の最低値は,JIS Z 9112によって,
光源色区分ごとに規定されている。
07056 3波長(域発光)形蛍
光ランプ
青,緑及び赤の3波長狭帯域の発光スペクトルをもつ
蛍光ランプ。
three band fluorescent
lamp
07057 高周波点灯専用形蛍
光ランプ
専用の高周波点灯回路(又は装置)とだけ組み合わせ
て点灯する熱陰極形蛍光ランプ。
参考 この種のランプを“Hf蛍光ランプ”と称し
て,商用周波と高周波と併用点灯使用され
るランプと区別する場合がある。
high frequency
fluorescent lamp
07058 電球形蛍光ランプ
発光管,スタータ及び安定器を口金と一体化した構造
の蛍光ランプ。
compact selfballasted
fluorescent lamp
07059 コンパクト形蛍光ラ
ンプ
ガラス管を折り曲げ,接合などしてコンパクトな形状
に仕上げた片口金の蛍光ランプ。スタータを内蔵しな
いものと内蔵したものがある。
compact single capped
fluorescent lamp
07060 昼光色蛍光ランプ
相関色温度が約6 500 Kの蛍光ランプ。
tropical daylight
fluorescent lamp(英
国),
daylight fluorescent
lamp(米国)
07061 昼白色蛍光ランプ
相関色温度が約5 000 Kの蛍光ランプ。
neutral white
fluorescent lamp,
daylight fluorescent
lamp(英国)
74
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
07062 白色蛍光ランプ
相関色温度が約4 200 Kの蛍光ランプ。
cool white fluorescent
lamp(米国),
white fluorescent lamp
(英国)
07063 温白色蛍光ランプ
相関色温度が約3 500 Kの蛍光ランプ。
備考 米国のwarm white fluorescent lampの相関色
温度は約3 000 Kである。
warm white fluorescent
lamp(米国)
07064 電球色蛍光ランプ
相関色温度が約2 800 Kの蛍光ランプ。
備考 米国のwarm white fluorescent lampの相関色
温度は約3 000 Kである。
warm white fluorescent
lamp(米国)
07065 ブラックライトラン
プ
紫外放射 (UV-A) を発し,可視放射をほとんど放出し
ないランプ。
参考 この種のランプは,一般に,水銀ランプ又
は蛍光ランプである。
07-46
black light lamp
07066 殺菌ランプ
殺菌性紫外放射 (UV-C) (bactericidal UV-C radiation)
を透過するガラス管よりなる低圧水銀蒸気ランプ。
07-53
bactericidal lamp,
germicidal lamp
07067 紫外(域)放射ランプ 特に紫外域に強く放射するランプ。可視放射が多少あ
ってもよい。
参考 光生物学,光化学及び生物医学的な目的に
使用されるランプもある。
07-52
ultraviolet lamp
07068 スペクトル放電ラン
プ
明確に固定できる線スペクトルを発光して,フィルタ
と組み合わせることによって,単色放射が得られる放
電ランプ。
07-54
spectroscopic lamp
07069 試験用ランプ
規定の条件で試験用安定器と組み合わせたとき,仕様
書に与えられた目標値に近い電気特性値を示すもの
として選択された,安定器試験用の放電ランプ。
07-55
reference lamp
07070 EL光源
エレクトロルミネセンスによって光を発生する照明
光源。
07-48
electroluminescent
source
07071 ELランプ
エレクトロルミネセンスによって発光するランプ。
07-49
electroluminescent
lamp
07072 ELパネル
エレクトロルミネセンスによって光を発する発光パ
ネル。
07-50
electroluminescent
panel
07073 発光ダイオード,
LED
電子流によって励起されたとき,光放射を放出する
p-n接合をもつ個体デバイス。
04-40
light emitting diode,
LED
07074 レーザ
誘導放出によって,コヒーレントな光放射を放出する
光源。
04-39
laser (light
amplification by
stimulated emission
of radiation)
07075 (ガス中の)放電
電界の影響下での電荷の生成又は働きによるガス又
は蒸気中の電気の流れ。
07-11
electric discharge (in a
gas)
07076 グロー放電
陰極からの二次電子放出が熱電子放出よりも大きい
放電。
備考 この放電は,比較的大きい陰極降下(典型
的には,70 V以上)と陰極での低電流密度
(数10 A・m−2)とで特徴付けられる。
07-12
glow discharge
75
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
07077 アーク放電
陰極降下がグロー放電の場合よりも低いことを特徴
とする放電。
備考 陰極からの電子放出は,種々の原因(熱電
子放出,電界電子放出など)が同時に又は
別々に働いて生じるが,二次電子放出は,
わずかの割合しかない。
07-16
arc discharge,
electric arc (in a gas or
in a vapour)
07078 陰極降下
陰極近傍の,空間電荷による電位差。
07-13
cathode fall,
cathode drop
07079 正常陰極降下
放電電流に依存しない陰極降下で,電流密度は陰極の
活性表面全体にわたって一定に保たれている。
07-14
normal cathode fall,
normal cathode drop
07080 異常陰極降下
陰極の活性表面全体にわたる放電電流に依存する陰
極降下。
07-15
abnormal cathode fall
07081 陽光柱
放電において,電位こう(勾)配が正で,原子又は分
子の励起が活発に行われていることを特徴とするプ
ラズマ状態の発光部。
positive column
07082 負グロー
グロー放電において,電位こう(勾)配が負で,陰極
降下部で加速された電子が減速し,原子又は分子を励
起発光し,さらに陽イオンと電子の再結合によっても
発光が助けられることを特徴とする発光部。
negative glow
07083 定格[ランプの]
ランプを特徴付けて指定する,一組の定格値と動作条
件。
07-58
rating [of a lamp]
07084 定格光束
ランプを規定の条件で点灯した場合の,製造業者又は
責任ある販売業者が公表しているランプの初期光束。
単 位:lm
備考 初期光束とは,そのランプに関する規格で
規定された短時間のエージングの後の光束
である。
07-59
rated luminous flux
07085 定格ランプ電力
ランプを規定の条件で点灯した場合の,製造業者又は
責任のある販売業者が公表しているランプの電力値。
単 位:W
07-60
rated lamp wattage
07086 寿命[ランプの]
ランプが使用できなくなるか又は規定された基準に
よってそのように見なされるまでの総点灯時間。
備考 ランプ寿命は,通常,時間単位で表す。
07-61
life [of a lamp]
07087 寿命試験
既定の条件で,規定の時間又は寿命の終わりまでラン
プを点灯して,その間に規定の間隔で測光及び電気的
測定を行うことがある試験。
07-62
life test
07088 X %不良率寿命
既定の条件でランプを点灯し,規定の基準に従って寿
命を判定する寿命試験において,その試験にかけられ
たランプのX %が寿命になる時間。
07-63
life to X % failures
07089 平均寿命
既定の条件でランプを点灯し,規定の基準に従って寿
命を判定する寿命試験において,その試験にかけたラ
ンプの個々の寿命の平均値。
07-64
average life
07090 光束維持率[ランプ
の]
規定の条件でランプを点灯したときの,寿命までの間
のある与えられた時間におけるランプの光束のその
初期光束に対する比。
備考 この比は,一般にパーセントで表す。
07-65
luminous flux
maintenance factor,
lumen maintenance [of
a lamp]
76
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
07091 光束変動の大きさ
光束の周期的変動の相対的大きさであって,光束の最
大と最小の差の,最大と最小の和に対する比で表され
る。
min
max
min
max
Φ
Φ
Φ
Φ
+
−
備考 我が国では,この用語を“パーセントフリ
ッカ”と称することがある。
07-66
amplitude of
fluctuation of the
luminous flux
07092 始動電圧[放電ランプ
の]
ランプの放電を開始させるのに必要な,電極間の電
圧。
07-67
starting voltage [of a
discharge lamp]
07093 ランプ電圧[放電ラン
プの]
安定な点灯状態における放電ランプの電極間の電圧
(交流の場合は,実効値)。
07-68
lamp voltage [of a
discharge lamp]
07094 始動時間[アーク放電
ランプの]
アーク放電ランプが電気的に安定な放電に達するに
必要な時間であって,この場合,ランプは規定の条件
で点灯され,この時間はその回路にエネルギーが投入
された時点から測定されたものである。
07-69
starting time [of an arc
discharge lamp]
07095 光中心距離
ランプの光中心(フィラメント中心,電極間中心など)
とランプ軸上に定められた基準点との距離。
light center length
07096 管壁負荷
電極間にある発光管内壁の単位面積当たりのアーク
放電入力。
単 位:W・m−2
bulb wall loading
07097 エージング
ランプの特性を安定させるために特定の条件で初期
点灯すること。
aging,
ageing
07098 初特性
ランプの点灯初期において,特定の条件で点灯したと
きの全光束,電流などの特性。
initial characteristics
07099 効率[ランプの]
ランプが発する全光束をそのランプの消費電力で除
した値。
単 位:lm・W−1
参考 用語“光源効率”を参照。
luminous efficacy [of a
lamp]
07100 総合効率[放電ランプ
及び安定器の]
放電ランプが発する全光束を放電ランプと安定器の
消費電力の和で割った値。
単 位:lm・W−1
lamp and auxiliary
efficacy
07101 放射効率[ランプの] ランプから放出される全放射束をランプの消費電力
で除した値。
単位:1(無名数)。
参考 用語“放射源の放射効率”を参照。
radiant efficiency [of a
lamp]
07102 直列陰極加熱
電極加熱電流が電極に対して直列に流れるような,放
電ランプの電極加熱方式。
07-70
series cathode heating
[of a discharge
lamp]
07103 直列陰極予熱
電極加熱電流が電極に対して直列に流れるような,放
電ランプの電極予熱方式。
07-71
series cathode
preheating [of a
discharge lamp]
07104 並列陰極加熱
個々の電極への加熱電流が別々の回路から供給され
るような,放電ランプの電極加熱方式。
07-72
parallel cathode
heating [of a
discharge lamp]
07105 並列陰極予熱
個々の電極への加熱電流が別々の回路から供給され
るような,放電ランプの電極予熱方式。
07-73
parallel cathode
preheating [of a
discharge lamp]
77
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.8
光源の部品・材料及び点灯装置に関する用語
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
08001 発光体
ランプの光を放出する部分。
08-01
luminous element
08002 フィラメント
電流を通じることによって白熱するまで加熱する,通
常,タングステン製の糸状の導体。
08-02
filament
08003 直線フィラメント
コイル状にしないで直線状としたフィラメント,又は
コイル状にしないで直線状とした部分からなるフィ
ラメント。
08-03
straight filament
08004 単コイルフィラメン
ト
らせん状に巻いたフィラメント。
08-04
single-coil filament
08005 二重コイルフィラメ
ント
らせん状に巻いたフィラメントを更に大きならせん
状に巻いたもの。
08-05
coiled-coil filament
08006 アンカ
白熱電球のフィラメントを保持する金属線。
support
08007 導入線
口金からフィラメント又は電極まで電流を伝える金
属導体。
lead-in wire
08008 ガラス球
発光体を収納する透明又は透光性の気密なガラス製
の外囲器。
08-06
bulb
08009 排気管
ガラス球内部に通じ,それによって排気し又はガスを
封入するガラス管。
exhaust tube
08010 透明ガラス球
可視放射に対して透明なガラス球。
08-07
clear bulb
08011
フロストガラス球
内面又は外面を粗面化し,光拡散性をもたせたガラス
球。
08-08
frosted bulb
08012 オパールガラス球
母材全体又は一部の層が光拡散性をもつガラス球。
08-09
opal bulb
08013 塗装ガラス球
内面又は外面に光拡散性の薄い層を塗布したガラス
球。
08-10
coated bulb
08014 反射ガラス球
特定方向の光を強くするように,内面又は外面に反射
層を塗布した部分をもつガラス球。
08-11
reflectorized bulb
08015 エナメルガラス球
透光性のエナメル層を塗布したガラス球。
08-12
enamelled bulb
08016 着色ガラス球
母体自体が着色したガラス又は透明又は光拡散性の
着色層を内面又は外面に塗布した透明ガラスを用い
たガラス球。
08-13
colo (u) red bulb
08017 硬質ガラス球
軟化点が高く,熱衝撃に強いガラスを用いたガラス
球。
08-14
hard glass bulb
08018 口金
ソケット又はランプコネクタによって,電源と電気的
に接続し,多くの場合ソケット内で,ランプを保持す
る役目を果たすランプの要素部品。
08-15
cap(英国),
base(米国)
08019 ねじ込み口金
ソケットにかみ合うねじ形状のシェル(口金胴部をな
す外殻)をもつ口金(国際名称E)。
08-16
screw cap(英国),
screw base(米国)
08020 差込み口金
ソケットにある溝(スロット)にかみ合う差込みピン
をシェル(口金胴部をなす外殻)の上にもつ口金(国
際名称B)。
08-17
bayonet cap(英国),
bayonet base(米国)
08021 シェル口金
滑らかな円筒形のシェル(口金胴部をなす外殻)をも
つ口金。
08-18
shell cap(英国),
shell base(米国)
08022 ピン口金
1本以上のピンをもつ口金(国際名称:1本ピンのも
のF,2本以上のピンをもつものG)。
08-19
pin cap(英国),
pin base(米国)
78
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
08023 定焦点口金
ランプを適正にソケットに差し込んだとき,発光体の
位置の再現性が確保されているように,ランプ製造時
に,発光体が口金に対してある特定の位置に設定でき
るようにした口金(国際名称P)。
08-20
prefocus cap(英国),
prefocus base(米国)
08024 差込みピン
口金,特に差込み口金のシェル(口金胴部をなす外殻)
の上から突起し,ソケットの溝(スロット)にかみ合
い,口金を固定する金属小片。
08-21
bayonet pin
08025 アイレット
口金のシェル(口金胴部をなす外殻)から絶縁され,
導入線の一方に接続されて,電源との接続の働きをす
る金属片。
08-22
contact plate(英国),
eyelet(米国)
08026 ピン
ソケットに口金を固定し,電気的に接続するため,ソ
ケットに対応して設けられた溝(スロット)にかみ合
うように口金端部に取り付けられた通常は円筒状の
金属片。
参考 pinとpostは,一般に大きさの違いを示し,
pinは,postより小さい。
08-23
pin,
post
08027 受金
ランプの口金をはめ込み,ランプに電力を供給するた
めの部品材料で,ソケットの外郭は含まない。
参考 IECでは,我が国のソケットと受金がいず
れもlampholderとされ,その区別が明確で
ない。我が国では,受金をソケットの構成
部品として明確に区別している。
08-24
lampholder
08028 (ランプ)コネクタ それぞれが弾性である導体に取り付けられて,適当に
絶縁された複数の電気接点があって,ランプを電源に
接続するが,その保持まではしない器具。
08-25
(lamp) connector
08029 発光管
ランプのアークを閉じこめる容器。
08-28
arc tube
08030 主電極
放電が安定した後の放電電流が流れる電極。
08-26
main electrode (of a
discharge lamp)
08031 始動電極
ランプの放電を始動させるための補助電極。
08-27
starting electrode (of a
discharge lamp)
08032 マウント
ランプのフィラメント又は発光管を保持するガラス
と金属の構造物。
lamp mount,
lamp foot
08033 ステム
ランプの導入線を封着するガラスの構造物。
stem tube
08034 蛍光体,
蛍光物質
フォトルミネセンス,エレクトロルミネセンス又は陰
極線ルミネセンスを起こさせる,通常は固体の物質。
phosphor,
fluorescent material
08035 電子放射物質
電子の放出を促進するために,金属電極上に沈着させ
た物質。
08-29
emissive material
08036 ゲッタ
ガラス球内に入れて真空度又は封入ガスの純度を上
げるための化学物質。
getter
08037 赤外反射膜
赤外放射を反射させる薄膜。
infrared reflective film
08038 始動条
始動を助けるために,管状の放電ランプの管内壁又は
外壁に,長手方向に設けられた細長い導電性の条。
参考 この条は,口金シェルの一方又は両方に接
続するか,又は,可能の場合,一方の電極
に接続することがある。
08-30
starting strip(英国),
starting stripe(米国)
08039 始動装置
それ自体又は回路中の他の素子との組合せによって,
放電ランプの始動に必要な電気条件を与える装置。
08-31
starting device
79
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
08040 スタータ
通常,蛍光ランプ用の,ランプの電極を予熱し,かっ,
安定器の直列インピーダンスとの組合せによって生
じるパルス電圧をランプに与える始動装置。
08-32
starter
08041 グロースタータ
バイメタルをもつ放電管からなるスタータ。
glow starter
08042 電子スタータ
半導体素子を使用したスタータ。
electronic starter
08043 イグナイタ
それ自体又は他の素子との組合せによってパルスを
発生して,電極の予熱を行わずに放電ランプを始動さ
せる装置。
08-33
ignitor
08044 安定器
電源と放電ランプとの間に接続して,主としてランプ
電流を規定値に制限する働きをする装置。
備考 安定器には,電源電圧を上昇する手段,力
率を改善する手段を含むものがあり,また,
(単独又は)始動装置との組合せで放電ラ
ンプの始動に必要な条件を与えるものもあ
る。
08-34
ballast
08045 試験用安定器
安定器の試験用の比較標準,試験用ランプの選定及び
標準条件における量産ランプの試験に用いることを
目的として設計された特別な誘導形安定器。
08-36
reference ballast
08046 電子(回路式)安定器 直流又は交流を電源として,半導体素子と1個以上の
放電ランプを交流電力で点灯するための安定化用素
子からなる装置。
08-35
electronic ballast
08047 調光器
照明施設において,ランプの光束を変化させるために
その電気回路に設ける装置。
08-37
dimmer
08048 安定器の光出力係数 試験用ランプを供試安定器で点灯したときの全光束
の,同じランプを試験用安定器で点灯したときの全光
束に対する割合。
09-63
ballast lumen factor
3.9
照明技術及び昼光照明に関する用語
3.9.1
一般
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09001 照明
a) 情景,対象物又はその周辺を見えるよう照らす光
の応用。
b) 人の感情又は気分に作用するように照らす光の応
用。
c) 視覚信号によって,情報を伝達する光の応用。
備考1. 日本では光放射の応用にも照明が用いら
れる。
2. IECでは,この用語は,口語で“照明シ
ステム”又は“照明施設”の意味にも用
いられるとしているが,日本では,この
ような使い方は一般的ではない。
09-01
lighting,
illumination
09002 照明工学,
照明技術
種々の側面から考察された照明の応用及び照明を扱
う科学技術分野の体系。
09-02
lighting technology,
illuminating
engineering
09003 照明環境
生理的及び心理的効果を考慮した照明による環境。
09-03
luminous environment
80
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09004 視作業性能
視作業を実行する場合の,例えばその速度及び正確さ
によって測定される視覚系の性能。
09-04
visual performance
09005 等価対比[視作業の] 対象とする視作業と同じ輝度レベルで,等しい見え方
をする基準の視作業の輝度対比。
09-05
equivalent contrast [of
a task]
09006 人工照明
人工光源による照明。
artificial lighting
3.9.2
照明方式
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09007 全般照明
特別な局部の要求を満たすのではなく,部屋全体を均
一に照らすように設計した照明。
09-06
general lighting
09008 局部照明
全般照明によるのではなく,比較的小面積や限られた
場所を照らすように設計した照明。
備考 IECでは全般照明に付加し個別に制御され
る特定の視作業のための照明と定義してい
る。
09-07
local lighting
09009 局部的全般照明
ある特定の位置,例えば作業を行う場所などで,ある
領域を(その周囲に比して)より高照度にするように
設計された全般照明。
参考 北米IESでは,対応外国語はlocalized
general lightingである。
09-08
localized lighting
09010 常時補助人工(屋内
用)照明
昼光照明だけでは不十分であるか又は不快であると
きに,建物内の昼光照明を補うように意図した常時人
工照明。
備考 この照明方式は,英語用語の頭文字によっ
て,PSALIと略記される。
09-09
permanent
supplementary
artifical lighting (in
interiors)
09011
非常時用照明
常用照明の電源が停電した場合に備えて設置した照
明。
09-10
emergency lighting
09012 避難照明
避難経路を効果的に確認して,避難行動が確実にでき
るように設置した非常時用照明。
09-11
escape lighting
09013 安全照明
潜在的に危険な作業に従事する人々の安全を確保す
るために設置した非常時用照明。
09-12
safety lighting
09014 スタンバイ照明
通常の行動を実質的に変化せずに継続できるように
設置した非常時用照明。
09-13
stand-by lighting
09015 直接照明
大きさが無限と仮定した作業面に,発散する光束の90
〜100 %が,直接に到達するような配光をもった照明
器具による照明。
09-14
direct lighting
09016 半直接照明
大きさが無限と仮定した作業面に,発散する光束の60
〜90 %が,直接に到達するような配光をもった照明器
具による照明。
09-15
semi-direct lighting
09017 全般拡散照明
大きさが無限と仮定した作業面に,発散する光束の40
〜60 %が,直接に到達するような配光をもった照明器
具による照明。
09-16
general diffused
lighting
09018 半間接照明
大きさが無限と仮定した作業面に,発散する光束の10
〜40 %が,直接に到達するような配光をもった照明器
具による照明。
09-17
semi-indirect lighting
81
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09019 間接照明
大きさが無限と仮定した作業面に,発散する光束の0
〜10 %が,直接に到達するような配光をもった照明器
具による照明。
09-18
indirect lighting
09020 指向性照明
作業面又は対象物への光が,ある特定の方向から主に
入射する照明。
09-19
directional lighting
09021 拡散照明
作業面又は対象物への光に特定の方向がなく,いずれ
の方向からもほぼ均等に入射する照明。
09-20
diffused lighting
09022 ルーバ天井
ルーバを天井にほぼ連続した面となるように張り,そ
の上部にランプを配置した照明方式。
louvered ceiling,
louverall ceiling
09023 光天井
透明プリズム又は拡散透過性の透光パネルを天井に
ほぼ連続した面となるように張り,その上部にランプ
を配置した照明方式。
luminous ceiling
09024 バランス照明
窓の上部に壁と平行に遮光帯を取り付けて,ランプを
隠した照明方式。
10-18
valance lighting
09025 コーニス照明
壁に平行に遮光帯を取り付けてランプを隠して,壁面
を照らす照明方式。
10-17
cornice lighting
09026 コーブ照明
棚又はくぼみに隠したランプで天井面と上部の壁面
とを照らす照明方式。
10-19
cove lighting
09027 アクセント照明
ある特定の対象物を強調するため又は視野の一部に
注意を引くようにするための指向性照明。
accent lighting
09028 投光照明
通常は投光器によって,ある情景又は対象物の照度
を,その周辺に比して相当に高めた照明。
09-21
floodlighting
09029 混光照明
光源色が異なる2種類以上のランプを併用することに
よって,照射面では混色するようにした照明。
09030 スポット照明
ある限定された領域又は対象物の照度を最小限の拡
散照明に抑え,その周辺に比して著しく高くなるよう
に設計した照明。
09-22
spotlighting
09031 モデリング
立体的な物体に対する照明において,適当な陰影や艶
を生じさせることによって,好ましい立体感を生じさ
せる照明。
modeling
3.9.3
照明計算に用いる用語
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09032 照度ベクトル[ある点
の]
対象とする点を含む面において,その両面の照度の差
が最大になるときの値を大きさとして,そのときの高
照度の方向に向かって立てたその面に垂直な方向に
向きをもつベクトル。
09-23
illuminance vector [at
a point]
09033 配光曲線
光源の光度の値を空間内の方向の関数として表した
曲線で,通常は測光中心を原点とする極座標などで表
す。
distribution curve of
luminous intensity
09034 対称配光
1個の対称軸,又は少なくとも1個の対称面をもつ配
光。
09-25
symmetrical luminous
intensity distribution
[of a source]
09035 非対称配光
対称配光,回転対称配光のいずれでもない配光。
asymmetrical luminous
intensity distribution
82
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09036 二面対称配光
基準軸を含み,互いに直交する二つの面それぞれに対
して対称とみなされ,回転対称でない配光。
luminous intensity
distribution
symmetrical about
two planes
09037 一面対称配光
基準軸を含む一つの平面に対して対称とみなされ,回
転対称や二面対称でない配光。
luminous intensity
distribution
symmetrical about
one plane
09038 回転対称配光,
軸対称配光
回転軸を含む平面内の極座標配光曲線を回転軸の周
りに回転することで表現できる配光。
09-26
rotational symmetrical
luminous intensity
distribution [of a
source]
09039 平均球面光度
光源の全方向への光度の平均値。この値はその全光束
を立体角4πステラジアンで除した値に等しい。
09-27
mean spherical
luminous intensity
[of a source]
09040 等光度曲線
光源の光中心を中心とする仮想球面上に,光度が等し
いすべての点を追跡して得られる曲線,又はその曲線
の平面への投影。
09-28
iso-intensity curve
09041 等光度図
等光度曲線の集合。
09-29
iso-intensity diagram
09042 累積光束
鉛直線を軸としたある立体角の円すい体内に放射さ
れる光源の光束。
09-31
cumulative flux [of a
source, for a solid
angle]
09043 球帯光束
ある球帯領域に向かって放射される光束で,その球帯
の上限,及び下限の立体角に対する光源のそれぞれの
累積光束の間の差。
09-32
zonal flux [of a source,
for a zone]
09044 下半球光束
立体角2πステラジアン,すなわち光源を含む水平面下
に放射される光源の累積光束。
09-34
downward flux [of a
source]
09045 上半球光束
光源の全光束と下半球光束との差。
09-35
upward flux [of a
source]
09046 累積下半球光束比
光源の下半球光束に対する,ある立体角内の累積光束
の比。
09-36
cumulative downward
flux proportion [of a
source, for a solid
angle]
09047 三対光束比
光源の相対的な下半球配光を代表して,その光源を用
いた施設の直接光束比の計算に用いられる立体角π/2,
π,及び3π/2ステラジアンに対するそれぞれの累積下
半球光束比のセット。
09-37
flux triplet [of a
source]
09048 光学的器具効率
特定の条件の下で測定した照明器具からの全光束の,
その照明器具内で点灯した個々のランプの全光束の
総和に対する比。
参考 白熱電球を使用した照明器具の場合は,光
学的器具効率と照明器具効率とは実質上同
じになる。
09-38
optical light output
ratio (of a luminaire)
83
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09049 照明器具効率
特定の実用的な条件の下で,それ自体のランプと装置
とを用いて測定した,照明器具から放射される全光束
の,同じランプをその照明器具に入れないで点灯し
て,特定の条件で同じ装置を用いて個々に測定した全
光束の総和に対する比。
参考 09048の参考を参照。
09-39
light output ratio (of a
luminaire),
luminaire efficiency
(米国)
09050 下半球照明器具効率 特定の実用的な条件の下で,それ自体のランプと装置
とを用いて測定した,照明器具から下半球に放射され
る光束の,同じランプをその照明器具に入れないで点
灯して,特定の条件で同じ装置を用いて個々に測定し
た全光束の総和に対する比。
参考 09048の参考を参照。
09-40
downward light output
ratio (of a luminaire)
09051 下半球光束比[照明器
具の]
照明器具において下半球光束の,全光束に対する比。
09-41
downward flux fraction
[of a luminaire]
09052 光束符号[照明器具
の]
照明器具の相対的な配光を表現する,三対光束比,下
半球照明器具効率,及び照明器具効率の計算に用い
る。
09-42
flux code [of a
luminaire]
09053 光度増大比[照明器具
の]
照明器具,一般には投光器の最大光度の,それに用い
る全ランプの平均球面光度に対する比。
備考 国によって光度増大比の定義は,照明器具
又はランプの形式によって異なる。
09-43
magnification ratio [of
a luminaire]
09054 直接光束[ある面へ
の]
照明設備から,その面が直接に受ける光束。
09-44
direct flux [on a
surface]
09055 間接光束[ある面へ
の]
照明設備から出て他の面で反射した後に,その面が受
ける光束。
09-45
indirect flux [on a
surface]
09056 直接光束比[屋内照明
施設の]
照明施設において,作業面に入射する直接光束の,下
半球光束に対する比。
09-46
direct ratio [of an
interior lighting
installation]
09057 ランプ光束密度[屋内
照明の]
照明施設に取り付けられた全ランプの定格光束の総
和を,床面積で割った量。
単位:ルーメン毎平方メートル [lm・m−2]
09-47
installed lamp flux
density [for an
interior lighting]
09058 器具光束密度[屋内照
明の]
照明施設に取り付けられた照明器具の全光束の総和
を,床面積で除した量。
単位:ルーメン毎平方メートル [lm・m−2]
09-48
installed flux density
[for an interior
lighting]
09059 基準面
照明施設において,照度を測定したり,規定したりす
る面。
09-49
reference surface
09060 作業面
そこで作業が行われる面として定義される照明施設
の基準面。
備考 屋内照明で,特に指定がないときには,床
上0.85 mの水平面を意味する。ただし,米
国では0.76 m,ロシアでは0.8 mとしてい
る。
09-50
work plane,
working plane
84
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09061 照明率
照明施設の基準面に入射する光束の,その施設に取り
付けられた個々のランプの全光束の総和に対する比。
09-51
utilization factor(英
国),
coefficient of
utilization (of an
installation, for a
reference surface)
(米国)
09062 換算照明率
照明施設の基準面の平均照度の,ランプ光束密度に対
する比。照明率に等しい。
09-52
reduced utilization
factor (of an
installation, for a
reference surface)
09063 固有照明率
照明施設の基準面に到達する光束の,個々の照明器具
からの全光束の総和に対する比。
量記号:Uo
備考 IECでは量記号はUである。
09-53
utilance (of an
installation, for a
reference surface)
09064 換算固有照明率
照明施設の基準面の平均照度の,器具光束密度に対す
る比。固有照明率に等しい。
09-54
reduced utilance (of an
installation, for a
reference surface)
09065 室指数
(しつしすう)
作業面と照明器具との間の室部分の形状を表す数値
で,照明率又は固有照明率を計算するために用いる。
備考 特に指定のない限り次の式で表される。
)
(
b
a
h
b
a
K
+
=
ここに,a:間口 (m)
b:奥行 (m)
h:取付け高さ (mounting height),
作業面から照明器具の測光中心ま
での高さ (m)
09-55
room index,
installation index
09066 逐点法
(ちくてんほう)
光源又は照明器具の配光測定データを使用して,対象
とする作業面内の各位置における直接照度を予測す
る計算方法。
point method
09067 光束法
(こうそくほう)
ランプ又は照明器具の数量と形式,部屋の特性,作業
面の平均照度の関係を予測する計算方法。
備考 部屋の面積A (m2),ランプ数N,ランプ初
光束Φ (lm),照明率U,保守率Mとすると
き,作業面の平均照度 (ex) は,
A
NΦUM
E=
lumen method,
flux method
09068 直接照度
光源又は照明器具からの直接光だけによって得られ
る照度。
単 位:ルクス [lx]
direct illuminance
09069 間接照度
壁面又は天井面などで反射された光によって得られ
る照度。
単 位:ルクス [lx]
indirect illuminance
09070 法線照度
光源の光軸方向に垂直な面上の照度。
量記号:En
単 位:ルクス [lx]
normal illuminance
85
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09071 水平面照度
水平面上の照度。
量記号:En
単位:ルクス [lX]
horizontal illuminance
09072 鉛直面照度
鉛直面上の照度。
量記号:Ev
単位:ルクス [lx]
vertical illuminance
09073 平均球面照度
空間中の1点に,多くの方向から光が入射する場合の
合成照度を示すもので,その点を中心とした微小球の
表面上の平均照度で示す。
単位:ルクス [lx]
mean spherical
illuminance
09074 平均円筒面照度
平均球面照度と同じく,多くの方向からの入射光によ
る合成照度を示すために,その点における鉛直に置い
た小円筒の外側表面上の照度をとったもの。
単位:ルクス [lx]
mean cylindrical
illuminance
09075 等輝度曲線
その表面上で,輝度が等しい点の軌跡。
09-56
iso luminance curve
09076 等照度曲線
その表面上で,照度の値が等しい点の軌跡。
09-57
iso-illuminance curve
09077 照度均斉度
(しょうどきんせい
ど)
ある面上の最小照度の,平均照度に対する比。
備考 a)最小照度の,最大照度に対する比,又は
b)最大照度の,最小照度に対する比で表さ
れる場合もある。
09-58
uniformity ratio of
illuminance [on a
given plane]
09078 道路照明
自動車交通の用に供する道路,商業及び住宅地区の道
路に用いる照明。
road lighting(英国),
roadway lighting(米
国)
09079 路面輝度
自動車交通の用に供する道路照明の下で,運転者が前
方路面を見たときの路面の輝度。
量記号:Lr
単位:カンデラ毎平方メートル [cd・m−2]
road surface luminance
09080 照度換算係数[路面
の]
道路照明において,ある与えられた配光の照明器具を
ある配列状態にしたときに路面の平均照度 (Er) の値
と運転者の方向から見た路面の平均輝度 (Lr) の値と
の比 [Er/Lr]。
illuminance conversion
factor [of a road
surface]
86
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09081 保守率
照明施設をある一定の期間使用した後の作業面上の
平均照度の,その施設の新設時に同じ条件で測定した
平均照度に対する比。
備考1. 以前は減光補償率が上記の比の逆数を表
すものとして使用されていた。
2. 保守率の光の損失には,照明器具及び室
の表面にたい積するじんあい並びにラン
プの光束減退が含まれる。
参考 北米IESでは,保守によって初期の状態に
回復する係数(保守率に相当)と回復しな
い係数(安定器の光出力係数,照明器具の
周囲温度係数,照明器具の傾斜係数など)
の両方の光損失を考慮したlight loss factor
(光維持率)を定義している。IECの用語
の定義は前版のmaintenance factorと同じ定
義のままであり,対応外国語だけをlight
loss factorとすることは,混乱を招くおそれ
がある。この定義では,応対外国語は
maintenance factorにすべきである。
09-59
light loss factor,
maintenance factor
(obsolete)
09082 サービス照度
関連する領域全体の平均照度の,保守作業から次の保
守作業までの一周期間の時間的平均。
備考 この領域は,室内の作業面全体か,又は作
業が行われる領域のいずれでもよい。
09-60
service illuminance [on
an area]
09083 基準照明
ある周囲の中の視作業のための,CIEの標準の光Aに
よる,完全拡散で偏光していない照明。
09-61
reference lighting
09084 対比顕示率[照明シス
テムの,ある視作業に
対する]
基準照明の下での対象物の輝度対比に対する実際の
照明の下での同じ対象物の輝度対比の比。
09-62
contrast rendering
factor [of a lighting
system, for a task]
09085 照明器具間隔
隣接した照明器具の測光中心間の水平距離。
備考 IECでは“測光中心”を“光中心”と定義
している。
09-66
spacing (in an
installation)
09086 壁際距離
壁とそれに最も近い列の照明器具の測光中心との間
の距離。
備考 IECでは“測光中心”を“光中心”と定義
している。
09-67
proximity (in an
installation in an
interior)
09087 つり(吊)下げ長さ 天井と照明器具の測光中心との間の距離。
備考 IECでは“測光中心”を“光中心”と定義
している。
09-68
suspension length [of a
luminaire in an
interior]
09088 つり(吊)下げ比
照明施設の照明器具のつり下げ長さの,天井と作業面
との間の距離に対する比。
09-69
suspension factor [of
an installation in an
interior]
3.9.4
相互反射に関する用語
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09089 相互反射
複数の反射面相互間で繰り返し行われる反射による
総合効果。
09-70
interreflection(英国),
interflection(米国)
87
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09090 相互交換係数
[二つの面S1とS2と
の間においてS1(若し
くはS2)上の放射輝度
又は輝度がすべての
点及びすべての方向
に対して同一である
とき]
面S1(若しくはS2)が,面S2(若しくはS1)に伝達
する放射束又は光束を,面S1(若しくはS2)の放射発
散度又は光束発散度で除した量。
量記号:g
2
1
1
2
M
Φ
M
Φ
g
=
=
単位:平方メートル [m2]
備考1. M=πLであるから,S1上のすべての点が
S2の上のすべての点から見られるような
特別の場合には,
G
dA
dA
l
g
AA
π
θ
θ
π
1
cos
cos
1
2
1
1
2
2
2
1
=
=∫∫
ただし,lは面S1及びS2上の面積要素
dA1及びdA2間の距離,GはS1及びS2の
境界によって遮られるビームの幾何的広
がり。
2. 二つの面積要素dA1びdA2に対して,
2
2
2
1
1
1
cos
1
cos
1
θ
π
θ
π
=
=
dΩ
dA
dΩ
dA
dg
ただし,dΩ1(又はdΩ2)は,面積dA2
(又はdA1)がdA1(又はdA2)の中心に
張る立体角。
3. dA1及びdA2の境界によって遮られるビー
ムの放射輝度又は輝度,
dg
dΦ
L
=π1
09-71
(mutual) exchange
coefficient [between
two surfaces S1 and
S2, when the
radiance or
luminance of S1 (or
S2) is the same at all
point and for all
direction]
09091 立体角投射率
[二つの面S1とS2と
の間の]
面S1(若しくはS2)から受ける放射束又は光束による
面S2(若しくはS1)上の放射照度又は照度の,面S1
(若しくはS2)の放射発散度又は光束発散度に対する
比。
量記号:c
単位:l(無次元量)
=
=
2
1
12
1
2
21
M
E
c
M
E
c
注*
立体角投射率cと相互交換係数gとは次の
関係にある。
2
1
1
2
2
1
2
2
21
2
M
Φ
g
M
Φ
M
EdA
dA
c
A
A
=
=
=
=
∫
∫
∫
∫
=
1
1
12
2
1
1
1
A
A
dA
c
M
dA
E
09-72
configuration factor
[between two
surfaces S1 and S2]
09092 形態係数,
固有入射光束係数[二
つの面S1とS2との間
の]
面S1(若しくはS2)から面S2(若しくはS1)が受け
る平均放射束密度又は光束密度の,面S1(若しくは
S2)の放射発散度又は光束発散度に対する比。
量記号:f
単 位:1(無次元量)
12
1
21
2
2
1
1
2
2
21
;
f
A
g
f
A
A
Φ
M
A
Φ
f
=
=
=
=
09-73
form factor [between
two surfaces S1 and
S2]
88
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09093 自己交換係数[その放
射輝度又は輝度がす
べての点及びすべて
の方向に対して同一
である一つの面の]
その面自体に入射した放射束又は光束のうち,その面
から出る部分を,その面の放射発散度又は光束発散度
で除した量。
量記号:gs
単位:平方メートル [m2]
備考 平面曲線Cによって限られた,その曲線の
面の片側だけの面Sの自己交換係数は,そ
の表面からCによって限られる平面の面積
を減じたものに等しい。
09-74
self-exchange
coefficient [of
surface when its
radiance or
luminance is the
same at all points
and for all
directions]
09094 相互反射効率
放射束又は光束Φ0による相互反射の結果として,空洞
内のある一つの面に間接に入射する放射束又は光束
Φ1の,他の面に最初に直接入射する放射束又は光束
Φ0に対する比。
09-75
interreflection ratio
3.9.5
昼光照明
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09095 日射,
太陽放射
太陽からの電磁放射。
09-76
solar radiation
09096 大気外日射
地球の大気層の外縁に入射する日射。
09-77
extraterrestrial solar
radiation
09097 太陽定数
(たいようていすう)
太陽と地球が平均距離にある場合に,太陽光線に垂直
な面に大気外日射によって生じる放射照度。
量記号:Ee,o
備考 Ee,o=(1 367±7) W・m−2 世界気象機構の
CIMOVIII*(1981年10月,メキシコ市)
の最終報告No.590による。
注*
CIMO : Commission for instruments and
methods of observation
09-78
solar constant
09098 日光定数
(にっこうていすう)
太陽と地球が平均距離にある場合に,太陽光線に垂直
な面に大気外日射によって生じる照度。
sunlight constant
09099 直達日射
大気外日射のうち,大気による選択的な減衰を経て平
行光線として地表面に到達する放射。
量記号:Ees
単位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
09-79
direct solar radiation
09100 天空日射
大気外日射のうち,空気分子,エアロゾル粒子,雲の
粒子などによって散乱された結果として天空より地
表に到達する放射。
量記号:Eed
単位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
09-80
diffuse sky radiation
09101 全天日射,
グローバル日射
直達日射と天空日射の総称。
量記号:Eeg
単位:ワット毎平方メートル [W・m−2]
09-81
global solar radiation
09102 直射日光
直達日射の可視域部分。
備考 光放射の光化学効果を扱う場合には,通常,
可視域よりも広い波長域に用いられる。
09-82
sunlight
09103 天空光
天空日射の可視域部分。
備考 09102の備考を参照。
09-83
skylight
89
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09104 昼光
全天日射の可視域部分,直射日光と天空光の総称。
備考 09102の備考を参照。
09-84
daylight
09105 反射日射
地表面及び日射を受けるあらゆる面による全天日射
の反射による放射。
09-85
reflected (global) solar
radiation
09106 大気の光学的厚さ
次の式で定義される量 δ (ε)=−1n (Φ'e/Φe)
ここに,Φeは,大気層の外側に垂直に対する角度εで
入射する平行ビームの放射束。Φ'eは,地表面に到達す
るそのビームの減衰した放射束。
単 位:1(無次元量)
09-86
optical thickness of the
atmosphere
09107 混濁因子[リンケの] 大気の混濁した程度を示す指標。全太陽スペクトルに
ついて,混濁した大気を垂直に見た光学的厚さの,純
粋な乾燥大気(レイリー大気)を垂直に見た光学的厚
さに対する比。
ここに,δRは,空気分子によりレイリー散乱に関する
光学的厚さであって,δA,δZ,δWはエアロゾル粒子に
よるミー散乱及び吸収,オゾン層による吸収,並びに
水蒸気による吸収に関する光学的厚さである。
R
W
Z
A
R
δ
δ
δ
δ
δ
+
+
+
=
T
09-87
turbidity factor
[according to Linke]
09108 大気路程,
光学的空気量
大気層に対して斜めに入射する日射が地表に到達す
るまでに透過する空気の質量と垂直に入射する場合
に透過する空気の比で,斜めに見た大気の光学的厚さ
δ (ε) の垂直に見た大気の光学的厚さδ (0) に対する
比。
m=δ (ε) /δ (0)
単 位:1(無次元量)
備考1. IEC (845-04-08) 参照。
2. 大気層の曲率と大気による屈折とを無視
すると,m=1/cos
09-88
relative optical air
mass
09109 大気透過率
太陽放射が大気層に垂直に入射する場合の透過率。
量記号:P
atmospheric
transmittance
09110
天空輝度
ある点から天球の部分を見る場合の見かけの輝度。
備考 天頂の天空輝度は,特に,天頂輝度という。
sky luminance
09111
全天空照度
天空遮へい(蔽)物の全くない地表において,天空光
によって生じる水平面照度。
量記号:Evd
単位:ルクス [lx]
diffuse sky illuminance
09112
直射日光照度
地表上の水平面に昼光によって生じる照度。
量記号:Evs
単 位:ルクス [lx]
sunlight illuminance
09113
全昼光照度,
グローバル照度
地表において,昼光によって生じる水平面照度。
量記号:Evg
単 位:ルクス [lx]
09-89
global illuminance
09114
CIE標準曇天空
CIEが定める天空輝度の分布に従う曇天空で,高度γ
の天空輝度をLγ,天頂輝度Lzとすれば,次の式で表現
される。
Lγ=Lz (1+2・sinγ) /3
09-90
CIE standard overcast
sky
90
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09115
CIE標準晴天空
CIEが定める天空輝度の分布に従う晴天空で,相対的
輝度分布がCIE Publication No.22 (1973) に規定され
ている雲のない天空。
09-91
CIE standard clear sky
09116
一様天空
輝度が全天で一様な天空。
uniform sky
09117
中間天空
曇天空と晴天空の中間の状態にある天空。
intermediate sky
09118
平均天空
一定期間に出現する天空の平均輝度分布として定め
た天空。
mean sky
09119
雲量
水平面上のある点から見た雲に覆われた天空の立体
角の,全天空の立体角2πステラジアンに対する割合。
全く雲に覆われていない場合を0,完全に雲に覆われ
ている場合を10として示す。
09-92
total cloud amount,
fractional cloud cover
(米国)
09120 日照時間
与えられた時間帯(時,日,月,年)の中で太陽の方
向に垂直な面における直達日射の放射照度が120 W・
m−2以上になる時間の総計。
量記号:S
09-93
sunshine duration
09121 天文学的可照時間
与えられた時間帯の中で,太陽が平たん(坦)で遮る
ものがない水平線より上にある時間の総計。
09-94
astronomical sunshine
duration
09122 可照時間[ある地点に
おける]
与えられた時間帯の中で,太陽が山岳,建築物,樹木
などの天空遮へい(蔽)物より上方にある時間の総計。
09-95
possible sunshine
duration [at a
particular location]
09123 日照率
日照時間の可照時間に対する百分率。
09-96
relative sunshine
duration
09124 昼光率
天空から直接及び間接に受けた光による,ある面上の
ある点の照度の,全天空による水平面上の照度に対す
る比。両方の照度に対する直射日光の寄与は除く。
量記号:D
単位:パーセント [%]
備考1. 窓ガラス,汚れの影響などは含まれる。
2. 室内の照度を計算する場合は,直射日光
の寄与は別途考慮する必要がある。
09-97
daylight factor
09125 昼光率の天空成分
ある面上のある点の照度のうち,天空から直接(又は
透明ガラスを通して)受けた光による照度の,全天空
による水平面照度に対する比。両方の照度に対する直
射日光の寄与は除く。
量記号:Ds
備考 09124の備考2.を参照。
09-98
sky component of
daylight factor
09126 昼光率の屋外反射成
分
ある面上のある点の照度のうち,天空によって直接及
び間接に照らされた屋外の反射面から直接に受けた
光による照度の,全天空による水平面照度に対する
比。両方の照度に対する直射日光の寄与は除く。
量記号:De
備考 09124の備考2.を参照。
09-99
externally reflected
component of
daylight factor
09127 昼光率の屋内反射成
分
ある面上のある点の照度のうち,天空によって直接及
び間接に照らされた屋内の反射面から直接に受けた
光による照度の,全天空による水平面照度に対する
比。両方の照度に対する直射日光の寄与は除く。
量記号:D1
備考 09124の備考2.を参照。
09-1001 internally reflected
component of
daylight factor
91
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
09128 昼光照明,
採光
昼光を光源とする照明。
daylighting
09129 採光昼間
(さいこうちゅうか
ん)
日の出から日没までの昼間のうち,昼光の有効な利用
が可能であるとして規定される時間帯。
available daytime for
daylighting
09130 天空率
ある水平面上の点から見通せる天空の立体角投射率。
単位:パーセント [%]
sky factor
09131 天空障害物
建築物の外部にあって,天空部分の直接の見通しを妨
げるもの。
09-101 obstruction
09132 採光用開口
室内への昼光の導入を可能にするガラス入り又はガ
ラスなしの開口面。
09-102 daylight opening
09133 窓
部屋の鉛直な又は鉛直に近い壁面にある採光用開口。 09-103 window
09134 天窓
屋根又は建築物の水平面にある採光用開口。
09-104 rooflight,
skylight
09135 日除け,
日射遮へい(蔽)装置
日射を遮へいする装置の総称。
09-105 shading
09136 日射透過率[窓ガラス
の]
ガラスを通して室内に透過する熱量の,それに入射す
る日射エネルギーに対する比。
量記号:g
備考 この比は,ガラスの放射透過率τe及びガラ
スから室内への対流と放射による熱取得Q2
のガラスに入射する日射エネルギーQ1に対
する比の和である。
g=τe+Q2/Q1
09-106 solar factor,
total (energy)
transmittance [of
glazing material]
09137 直接昼光率
昼光照度によって得られるある面上にある点の直接
照度の,そのときの全天空照度に対する百分率。
量記号:Dd
単位:パーセント [%]
direct daylight factor
09138 間接昼光率
昼光照明によって得られるある面上にある点の間接
照度の,そのときの全天空照度に対する百分率。
量記号:Dr
単 位:パーセント [%]
indirect dayligbt factor
3.10 照明器具及び構成要素に関する用語
3.10.1 一般
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10001 照明器具
ランプからの光を分配,透過又は変化させ,かつ,ラ
ンプを支持,固定し,保護するために必要な部材と電
源に接続する手段並びに必要に応じて点灯補助回路
をもつ装置。ただし,ランプは含まない。
10-01
luminaire
10002 一般用照明器具
特別な目的のために設計していない照明器具。
備考 つり下げ器具,じか付け形器具,スポット
ライトなどをいい,建築現場,工事などで
手荒い扱いをする器具,写真撮影用器具,
水中器具などの特別な用途のものは含まな
い。
general purpose
luminaire
92
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10003 普通形照明器具
じんあい(塵埃)又は水気に対し特別に保護されてい
ない照明器具。
10-05
ordinary luminaire
10004 保護構造照明器具
じんあい,水気又は水の侵入に対して保護された照明
器具。
10-06
protected luminaire
10005 防じん(塵)照明器具 正常な動作を阻害する粉じんの侵入を防止する構造
の照明器具。
備考 粉じんが侵入しないような構造のものを耐
じん照明器具という。
(10-06)
dust-proof luminaire
10006 防湿照明器具
湿気の侵入に対して,機能を保護する構造の照明器
具。
vapo [u] r-proof
luminaire
10007 防滴照明器具
ほぼ鉛直方向に落下する水滴の侵入に対して,機能を
保護する構造の照明器具。
(10-06)
drip-proof luminaire
10008 防まつ(沫)照明器具 あらゆる方向からの雨水及び飛まつの侵入に対して,
機能を保護する構造の照明器具。
(10-06)
splash-proof luminaire
10009 防雨照明器具
雨水の侵入に対して,機能を保護し,屋外で使用でき
る構造の照明器具。
(10-06)
rain-proof luminaire
10010 防噴流照明器具
あらゆる方向からの直接噴流水に耐え,水の侵入に対
して,機能を保護する構造の照明器具。
(10-06)
jet-proof luminaire
10011
防浸照明器具
一定の条件で水中に没しても内部に水が入らない構
造の照明器具。
(10-06)
watertight luminaire
10012 水中照明器具
指定圧力の水中に常時浸して使用できる構造の照明
器具。
luminaire pressure
watertight
10013 防水照明器具
防滴,防まつ,防雨,防噴流,防浸及び水中照明器具
の総称。
luminaire with
protection against
ingress of water
10014 防食照明器具
一定の条件の下で腐食に対して保護された構造の照
明器具。
corrosion-proof
luminaire
10015 防爆照明器具
爆発性(ガス)雰囲気の中での使用に適する防爆構造
をもつ照明器具。
備考 一般に“ガス”を省略して呼ばれている。
この照明器具の性能及び設置は,労働安全
衛生法に基づいて規定されている。
luminaire for explosive
gas-atmospheres
10016 耐圧防爆照明器具
保護カバーによってランプを外部衝撃から保護する
とともに,器具の容器内部に爆発性雰囲気が侵入して
爆発が起こった場合に,容器がその圧力に耐え,かつ
外部の爆発性雰囲気への引火を防止する構造をもつ
防爆照明器具。
10-07
flameproof luminaire
10017 安全増防爆照明器具 保護カバーによってランプを外部衝撃から保護する
とともに,器具の容器内部の電気的部分が故障などの
ために火花又はアークを発生しないように,また過度
の温度にならないように,安全度を増し,爆発性雰囲
気が容器の内部に侵入しても爆発が起こらないよう
にした防爆照明器具。
increased safety
luminaire
10018 粉じん(塵)防爆照明
器具
爆発性[粉じん]雰囲気の中での使用に適する防爆構
造をもつ照明器具。
備考 この照明器具の性能及び設置は,労働安全
衛生法に基づいて規定されている。
luminaire for explosive
dust atmospheres
93
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10019 対称配光形照明器具 ランプを装着したとき,軸又は面に対して対称な光度
分布をもつ照明器具。
10-02
symmetrical luminaire
10020 非対称配光形照明器
具
ランプを装着したとき,軸又は面に対して非対称な光
度分布をもつ照明器具。
10-03
asymmetrical
luminaire
10021 狭照形照明器具
ランプを装着したとき,比較的小さい立体角内に光を
配分する照明器具。
10-04
narrow angle luminaire
10022 広照形照明器具
ランプを装着したとき,比較的広い立体角内に光を配
分する照明器具。
10-04
wide angle luminaire
10023 自在照明器具
ジョイント,昇降装置,伸縮自在管装置又は類似の装
置によって,主要部分を回転させたり,動かしたりす
ることのできる照明器具。
10-08
adjustable luminaire
10024 定着灯器具
工具を使用しなければ取り外せないように固定され
たもの,又は容易に手の届かない場所で使用されるも
ので,一つの場所からほかの場所へ容易に動かすこと
のできない照明器具。電源への接続は差込みプラグ又
は類似の装置を用いてもよい。
fixed luminaire
10025 埋込み形照明器具
建造物にその全部又は一部を埋め込む照明器具。
10-12
recessed luminaire
10026 じか付け形照明器具 建造物の表面に直接取り付ける照明器具。
surface mounted
luminaire
10027 つり(吊)下げ形照明
器具
建造物からコード,くさり,パイプなどでつり下げる
照明器具。
10-10
pendant luminaire,
suspended luminaire
(米国)
10028 昇降式つり(吊)下げ
灯
プーリや平衡すい(錘)などをもったつり下げ装置に
よって,その高さを調整できる構造のつり下げ照明器
具。
10-11
rise and fall pendant
10029 移動灯器具,
可搬形(照明)器具
電源に接続したまま,一つの場所からほかの場所へ容
易に動かすことのできる照明器具。電源に接続するた
めの差込みプラグをもち,手で容易に取り外せる装置
で固定する器具も含む。
10-09
portable luminaire
10030 天井灯
天井面に取り付ける構造をもつ照明器具。
ceiling luminaire
10031 ブラケット,
壁付け形照明器具
壁,柱などに取り付ける照明器具。
wall luminaire
10032 ダウンライト
通常は天井に埋め込まれる小形の照明器具。
備考 IEC/CIE用語の “downlight” では,狭配光
のものとしている。
10-15
downlight
10033 (卓上)スタンド
家具などの上に置く移動灯器具。
10-21
table lamp
10034 フロアスタンド
床に置く移動灯器具で,高い支柱をもつもの。
10-20
standard lamp,
floor lamp(米国)
10035 ハンドランプ
電源に可とう性のある電源電線で接続して使用する,
ハンドルをもつ移動灯器具。
10-22
hand lamp,
trouble lamp(米国)
10036 懐中電灯
内蔵した電源[乾電池,蓄電池,手動の発電機]によ
ってランプを点灯する移動灯器具。
10-23
torch,
flashlight(米国)
10037 投射器,
プロジェクタ
ランプを装着したとき,反射又は屈折によって,限ら
れた立体角内の光度を増加させる照明器具。
10-25
projector
10038 投光器
投光照明のために設計したもので,通常はある範囲で
角度が変えられ,反射鏡又はレンズを使って,ランプ
を装着したとき,ある範囲の方向に高光度が得られる
ようにした照明器具。
10-28
floodlight
94
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10039 スポットライト
発光部の口径が小さく,ランプを装着したとき,ビー
ムの開きがごく小さい投射器。
備考 IEC/CIE用語では,口径は,通常0.2 m以
下,ビームの開きは,20度以下としている。
10-27
spotlight
10040 サーチライト,
探照灯
通常0.2 m以上の口径で,ほぼ平行な光のビームを出
す高光度の投射器。
10-26
searchlight
10041 非常時用照明器具
常用の照明が停電によって停止したときに,非常用電
源によってランプを点灯する照明器具で,避難照明及
びスタンバイ照明のために設置される。
luminaire for
emergency lighting
10042 非常用照明器具
火災などの災害発生による停電の際に,避難経路を照
明するための全般照明用の非常時用照明器具。
備考 建築基準法に基づき,その性能及び設置が
規定されている。
luminaire for
emergency general
lighting
10043 誘導灯器具
火災などの災害発生による停電の際に,避難口,又は
それへの通路を表示するための非常時用照明器具。
備考 消防法に基づき,その性能及び設置が規定
されている。
luminaire for
emergency exit sign
10044 空調照明器具
空調設備と結合して使用するために,特別に設計した
照明器具。
air-handling luminaire
10045 ライティングチェー
ン
電線に沿って配置され,直列又は並列に接続された一
組のランプ。
10-24
lighting chain,
lighting string(米国)
10046 隔壁灯
鉛直面又は水平面にじか付けする,小形の照明器具で
あって,じんあい又は水気の侵入に対して保護した構
造のもの。
10-16
bulkhead luminaire
10047 トロファ
開口面が天井面の同一面になるように設置する長い
埋込み照明器具。
10-13
troffer
10048 コファ
照明器具を設置するために,天井に設けるドーム状又
は長方体状のくぼみ。
10-14
coffer
10049 集魚灯
海上又は水中で発光し魚を誘い寄せる特性をもつラ
ンプを使用した照明器具。主として漁船に取り付けら
れる。
fishing lamp,
fishing light
10050 誘が(蛾)灯
夜間に,が(蛾)などの害虫をおびき寄せる特性をも
つランプを使用した照明器具。
insect luring lamp
10051 反射器
ランプの光束の空間的分布を変えるために,反射現象
を用いる装置又は照明器具の部分。
10-33
reflector
10052 拡散器
ランプの光束の空間的分布を変えるために,主として
拡散現象を用いる装置又は照明器具の部分。
10-34
diffuser
10053 屈折器
ランプの光束の空間的分布を変えるために,屈折現象
を用いる装置又は照明器具の部分。
10-32
refractor
10054 反射がさ
ランプの一部を覆い,ランプの配光を変換するのに反
射現象を用いる照明器具の部品又は部分。
reflector
10055 セード
ランプの直視を防ぐように設計した,不透明又は拡散
透過性材料で作った遮光物。
10-37
shade
10056 ルーバ
ある範囲の角度でランプの直視を遮るために,透光性
又は不透明の構成部品を幾何学的に配列した遮光体。
10-38
louvre,
louver(米国)
10057 グローブ
ランプを保護又はランプの光を拡散若しくはランプ
の光色を変化するために,透明又は拡散透過性の材料
で作ったランプを覆う装置。
10-36
globe
95
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10058 透光性カバー
ランプ及び器具の構成部分を保護することもある透
明又は拡散透過性の材料で作った照明器具の部分又
は部品。
translucent cover
10059 バッフル
ある角度で,ランプの直視を遮るため,又は不要な光
を弱めるための不透明又は拡散透過性の遮光物。
baffle
10060 皿[照明器具の]
ランプの下に置かれた皿の形の拡散器,屈折器又は反
射器。
10-35
bowl
10061 フレネルレンズ
厚みを減らすために幾つかの帯状部に分けて設計し
た集光レンズ。
Fresnel lens
10062 オパールガラス,
乳白ガラス
光がほぼ均等に拡散透過する乳白色のガラス。
opal glass
10063 ランプ保護カバー
ランプをほこり,泥,液体又は蒸気,ガスから保護し,
かつ,手が触れないようにするための透明又は半透明
の照明器具の部品。
10-39
protective glass
10064 ガード
ランプ保護カバーを機械的衝撃に対して保護する部
品。
備考 IEC/CIE用語では格子状の部品としてい
る。
10-40
luminaire guard
10065 ランプソケット
口金をはめ込んでランプを保持し,ランプを電源に接
続する器具。
参考 lampholderには受金[光源の部品]の定義
もある。
08-24
lampholder
10066 ライティングダクト 照明器具を異なった位置で電源に接続し,かつ,機械
的に保持するために一組の線状導体を金属又は合成
樹脂のダクトに入れた装置。
electrical supply track
system for
luminaires
10067 基準軸
ランプを装着した照明器具の配光を測定する際の基
準となる軸であり,通常,器具の構造やその取付け状
態と関連して決められる。
reference axis
10068 測光中心
ランプを装着した照明器具の中の一点で,その点から
最大光度の方向において逆二乗の法則が最もよく近
似できるようなものをいう。
photometric centre,
photometric center(米
国)
10069 遮光角
ランプを装着した照明器具の最下面に接する水平線
と照明器具内のランプの発光部分が見え始める視線
方向とのなす角。
10-31
shielding angle
10070 カットオフ
グレアを減らすために,ランプ及び高輝度面が直接見
えないように隠す技法。
10-29
cut-off
10071 カットオフ角
ランプを装着した照明器具の一点を通る鉛直線と照
明器具内のランプの発光部分が見え始める視線方向
とのなす角。
10-30
cut-off angle
10072 照射角[照明器具の] 照明器具の最大光度をもつ基準軸の照射方向と被照
射面とのなす角。
lighting angle
10073 最大光度
ランプを装着した照明器具の配光における最大の光
度。
maximum luminous
intensity
10074 ビームの開き
反射形ランプ又はランプを装着した投光器などの配
光特性に関して,指定された平面極座標上の光度分布
の相対値が最大光度に対してある指定されたパーセ
ント値(10 %ないし50 %)をとる二つの方向のなす角。
09-30
beam spread,
divergence,
spread(米国)
96
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10075 ビーム光束
ランプを装着した投射器又は投光器のビームの開き
(基準軸を含む平面上における基準軸光度の10 %の
光度の開き角)内に含まれる光束。
beam flux
10076 ビーム効率
ランプを装着した投射器又は投光器のビームの開き
角内に含まれる光束の,ランプの全光束に対する比。
beam efficiency
3.10.2 舞台・スタジオ用照明器具
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10077 フットライト
舞台最前部の床面に設置して,ランプを装着したと
き,下部からの均一な照明を与えることを目的とした
連続照明器具群。
footlight
10078 ボーダライト
舞台上部につり下げ,ランプを装着したとき,奥に向
かって舞台全体に均一な照明を与えることを目的と
した連続照明器具群。
border light
10079 スタジオフラッドラ
イト
2分の1のビーム角の開きが1.74ラジアン (100°) を
超え,全ビーム角の開きが3.14ラジアン (180°) 以上
の照明装置。
10-41
studio floodlight
10080 スペシアルスタジオ
フラッドライト
2分の1のビーム角の開きが1.74ラジアン (100°) 未
満で全ビーム角の開きを指定した照明装置。
10-42
special studio
floodlight
10081 リフレクタスポット
ライト
簡単な反射器をもつ投射器。ランプと鏡を相対的に動
かすことによってビームの開きを調節できるものも
ある。
10-43
reflector spotlight
10082 レンズスポットライ
ト
簡単なレンズをもつ投射器で,反射器はある場合とな
い場合がある。ランプとレンズを相対的に動かすこと
によってビームの開きを調節できるものもある。
10-44
lens spotlight
10083 フレネルスポットラ
イト
段つきレンズをもつレンズスポットライト。
10-45
Fresnel spotlight
10084 プロフィールスポッ
トライト
絞り,シャッタ又はシルエットカットオフマスクによ
って輪郭を変えることのできる,周辺が明確な光のビ
ームを出す投射器。
10-46
profile spotlight
10085 エフェクトプロジェ
クタ
スライドの均一な照度が得られるよう設計された光
学系と細かい部分まで明確に投影ができる適切な対
物レンズをもつ投射装置。
10-47
effects projector
10086 ソフトライト
明暗の境界のはっきりしない拡散照明を作り出すた
めの十分な大きさのある照明。
10-48
softlight
3.10.3 鉱山照明用照明器具
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10087 坑内照明器具
地下鉱山のあらゆる場所の照明に供する,容器をもつ
照明器具。蓄電池がついたものもある。
10-49
mine luminaire
10088 鉱員用携帯ランプ
地下鉱山に入る各人が携行しなければならない,エネ
ルギー源を内蔵する坑内照明器具。
10-50
miner's (personal)
lamp
10089 キャップランプ
鉱員のヘルメットに取り付けるように作られた鉱員
用携帯ランプ。
10-51
cap lamp
97
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
10090 ヘッドピース
鉱員のヘルメットに取り付けるように作られた,ラン
プを内蔵するキャップランプの部分。
10-52
head piece
10091 坑内安全灯
坑内空気中のメタン及び酸素欠乏の検知に用いるフ
レーム[炎]ランプ。
10-53
mine safety lamp
10092 可搬形坑内照明器具 内蔵電源又は外部電源によって作動し,移動しながら
照明することができる坑内照明器具。
10-54
portable mine
luminaire
10093 坑内救護用照明器具 救助活動用に作られた,内蔵電池をもつ可搬形坑内照
明器具。
10-55
mine rescue luminaire
10094 ターボランプ
圧搾空気によって駆動される交流発電機をもち,それ
によって作動する照明器具。
10-56
air-turbo lamp,
compressed air
luminaire(米国)
10095 運搬坑道用照明器具 外部電源によって作動する,運搬坑道照明のための坑
内照明器具。
10-57
haulageway luminaire
10096 切羽用照明器具
切羽区域内の照明に使用する可搬形又は他の形の坑
内照明器具。
10-58
face luminaire
10097 誘導形照明器具
内蔵する変圧器の開いている磁気回路によって電源
に接続される坑内照明器具。
10-59
induction luminaire
10098 検定照明器具
爆発性のメタンガス又は炭じんが存在する場所で使
用するように作られ,検定された坑内照明器具。
10-60
permissible luminaire
10099 本質安全防爆形照明
器具
本質安全防爆電気回路を使用することによって安全
を確保した坑内照明器具。
10-61
intrisically safe
luminaire
10100 車両用尾灯
列車の後尾に取り付けるための,赤色光を発する,電
池作動の可搬形坑内照明器具。
10-62
paddy lamp,
trip lamp
3.11 視覚信号系に関する用語
3.11.1 一般
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11001
視覚信号
情報を伝達することを目的とした目に見える現象。
11-01
visual signal
11002
灯火信号
光源からの発光による視覚信号。
11-02
light signal
11003
標識
設置場所,形状,色彩,又はパターン[図形]の効力
によるか,また,ときには記号,文字及び数字を用い
て視覚信号を提示する仕掛け。
11-03
sign
11004
点滅信号
光源からの発光が定められた周期で明滅する灯火信
号。
blinking signal
11005
行列標識
格子状に整列した素子群の選択的発光か,又はその素
子群の見え方を変えることによって,異なる情報内容
の伝達・表示が可能な標識。
11-04
matrix sign
11006
再帰反射標識
再帰反射の特性を具備する標識。
retroreflective sign
11007
視覚表示端末,
視覚表示装置
データの入力と制御のためのキーボードと,表示され
たデータと対話するためのデータ表示面,その他のも
のから成り立つ装置。
備考 視覚表示端末をVDTと,視覚表示装置を
VDUということもある。
visual display terminal,
visual display unit,
VDT,
VDU
11008
信号灯
灯火信号を発射するように設計されたもの又は装置。
11-05
signal light
11009
(航行用)指標
その設置場所と特徴のある外観の両者が航行に役立
つ情報となるような自然物体又は人工物体。
11-06
(navigation) mark
98
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11010
ビーコン
1. 人工的に設置した航行用指標。
2. 地理上の特定の位置を示すために使用する信号灯
火。
11-07
beacon
3.11.2 灯火の見え方
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11011
灯質
灯火信号が伝送する情報内容の区別に役立つ,独特
な周期的繰返しと色[単色又は複数]の組合せ。
11-08
character of a light
signal,
characteristic of a
lightsignal
11012
定常灯,
不動灯[航空]
一定の方向から観測したとき光度,色その他の見え
方が不変である光信号。
11-09
fixed light
11013
律動灯
一定の方向から観測したとき規則的な周期をもって
点滅する信号灯火。
11-10
rhythmic light
11014
せん(閃)光
持続時間の短い光。
flash (of light)
11015
せん(閃)光灯
一周期中の明の持続時間が暗の持続時間より明らか
に短く,かつ,同一時間間隔で周期的に光って見え
る信号灯火。
11-11
flashing light
11016
等位相灯
明の持続時間と暗の持続時間が等しいと感じられる
信号灯火。
11-12
isophase light
11017
明暗灯
暗である時間間隔が毎回同一であり,一周期中の明
の持続時間の合計が暗の持続時間の合計よりも明ら
かに長い周期性の信号灯火。
11-13
occulting light
11018
互光灯
異なる色の光を一連のものとして規則的に反復して
見せる信号灯火。
11-14
alternating light
11019
交互灯
二灯を交互に発光するように組み合わせた等位相
灯。
11-15
reciprocating light
11020
疑似信号,
サンファントム
信号灯に当たる直射日光によって点灯しているよう
に見えるにせの灯火信号。
11-16
sun phantom
11021
拡散グロー光
大気の光拡散効果によって,灯火の周りに広がって
見える光。
11-17
loom (of light)
11022
実効光度[せん光灯
火の]
相対分光分布が同一であるせん光と定常光とを同一
条件で比較観測し,両者の可視距離又は視距離(航
空)が同一値となったときの定常光の光度によって
表したせん光の光度。
備考 実際には,一定の方法で測光された値を
用いる場合と,せん光の明るさを目で見
て,これと同等の明るさに感じる定常光
の光度を用いる場合とがある。
11-18
effective intensity [of
a flashing light]
99
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.11.3 視程
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11023
視程
1. 水平方向の空を背景とした黒ずんだ目標(大きさ
が視覚0.5°以上,5°以下のもの)を肉眼で識別
できる最大距離(気象学)。
量記号:V
単位: [km]
備考 気象視程ともいう。ここで,識別とは存在
を認めるだけではなく,形,輪郭まで認識
することをいう。
2. 夜間,所定光度の光を識別できる最大距離,又は
透過率計を用いて対比の識別限界0.05に対して求
めた値。
量記号:V5(後者の場合)
単位: [km] 又は [m]
visibility
11024
大気透過率[気象学
の]
大気中の特定の距離 (d) の光路での視感正透過率。
量記号:T
単位:1(無名数)
11-19
atmospheric
trancemissivity
11025
気象光学視距離
平行ビームに集光された,色温度2700Kのランプから
の光束が大気中を通過し,その95 %を減衰する光路の
長さ。
備考1. この減衰は,昼間気象学視程の概念とほ
ぼ一致するように選んである。
2. 気象学的距離υ,大気透過率T及び特定単
位長さ (d) の関係式は次による。
T
d
log
05
.0
log
0
=
υ
又は
υ
/
0
05
.0
d
T=
11-20
meteorotogical optical
range
11026
対比の識別限界,
対比弁別いき(閾)
与えられた背景に対して,ある物体を視認できるため
の,観測者の目の位置におけるその対象物の背景に対
する最小の輝度対比。
備考 気象学上の観測では,対象物は視認できな
ければならないので,いき値より高めの値
がのぞまれる。
11-21
visual contrast
threshold
11027
コシュミーダの法則 天空を背景とした対象物の見掛けの対比Cdに関する
法則。それは,観測距離d,本来の対比C0及び均質な
大気透過率Tに対して次で表される。
Cd=C0・Td/d0
ここで,dは,Tの定義に用いた距離である。
備考 この対比には,背景輝度に対する,対象物
と背景との輝度差の比を用いる。
11-22
Koschmieder's law
11028
視距離
任意の環境において,所定の対象物が視認できる最大
の距離。ここでは,環境状態を大気透過率と対比弁別
いきだけに限定する。
備考 航空用語では信号灯火の可視距離を意味す
る。
参考 滑走路視距離(runway visual range,RVRと
略す。)は,滑走路面標識,滑走路中心線灯
又は滑走路灯のいずれかを滑走路中心線上
の所定の高さから見える最大距離である。
11-23
visual range
100
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11029
地理学距離
視程が理想的な場合に,地平線の曲率,大気の屈折率,
観測者及び対象物又は光源の高さだけによって制限
される対象物又は光源を視認できる最大の距離。
11-24
geographical range,
geographic range (of
an object or a light
source)
11030
点視覚,
点視覚状態
光源の明るさを,その光源が見掛け上非常に小さいた
めに,その光源によって観測者の目の位置に生じる照
度(角膜照度)によって決める以外感覚と対応させる
手だてのないような視覚の状態。
11-25
point vision
11031
輝点照度いき(閾) 所定の背景輝度に対して点視覚と認められるランプ
の入射光を観測者がいき値と判断したときの,この者
の角膜面に対するランプからの光によるこの入射光
の照度。
備考1. 輝点照度の定義は01070の項参照。
2. 視覚信号では,光源は,視認できなけれ
ばならないので,実用的にはいき値より
高めの値がのぞまれる。
11-26
threshold of
illuminance,
visual threshold (in
point vision)
11032
角膜照度
識別しようとするランプからの光が観測者の目の位
置に生じる法線照度。
単位:ルクス (lx)
illuminance at the
observer's eye
11033
アラードの法則
ある光源によるある面の照度を,その光源のその面の
方向への光度,面と光源との間の距離,及び均一と仮
定される大気透過率Tと関連付ける法則。面は光源に
正対し,距離は光源を点とみなすのに十分な距離であ
るとすると,次の式のように表される。
,
/
2
do
d
T
d
I
E =
11-27
Allard's law
11034
可視距離[航空],
光達距離[海]
任意の環境において,信号灯を視認できる最大距離。
ここでは環境状態を大気透過率及び輝点照度いきだ
けに限定する。
11-28
luminous range
11035
名目的光達距離
気象光学距離が10海里の均質な大気中での信号灯火
の光達距離。
11-29
nominal range
11036
誘目性
周辺環境の中でどのくらい目立って見えるかを示す,
ランプ又は対象物の性質。
11-30
conspicuity
3.11.4 海上・水上交通及び船用灯火
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11037
航路標識
航行を援助するための情報を発する設置物。標示物,
灯火,音響発信装置,電波発信装置などがある。
備考 航空,及び,道路交通においては,標識を
標示物だけに限定しているが,海上・水上
交通においては,この限定がない。
aids to navigation
11038
灯台
航行を援助するために,既知の地理学的位置に建てら
れた灯火を備えた塔状の構造をした航路標識。
11-31
lighthouse
11039
分孤灯
異なった灯質によって指定された水平角範囲を知ら
せるように作られた航路標識。
11-32
sector light
101
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11040
指向灯
水平方向の狭い角度範囲について1種類の灯質を示す
ように作られて,特定の方向を知らせるのに用いられ
る航路標識。各々の水平角範囲を異なった灯質で知ら
せることもできる。
11-33
direction light
11041
導標
進路又は航路を標示するために,配列方向から見て縦
配列に見える2個以上の指標群。
参考 航路標識用語では,導線の構成に用いられ
ている灯火を備えていない航路標識
11-34
leading marks
11042
導灯
進路又は航路を標示するために,配列方向からみて縦
配列に見える2個以上の灯火による指標群。
11-35
leading lights
11043
灯船
航行を援助するために,既知の地理学的場所に停泊
し,信号光を発射するように設計された船。
参考 我が国では既に廃止されている。
11-36
light vessel,
lightship
11044
浮標
航行を援助するために,既知の地理学的場所に浮かん
でいて,係留されている灯火を備えていない航路標
識。
11-37
buoy
11045
灯浮標
航行を援助するために,既知の地理学的場所に浮かん
でいて,係留されている灯火を備えた航路標識。
11-38
lighted buoy
11046
船形浮標
ボートの形をした浮標。
備考 船形灯浮標 (light float) は,信号灯を搭載し
た船形浮標。
11-39
float
11047
側面標識
航行可能な水路を示すのに用いられる航路標識の機
能種別。
備考 分岐点標識 (preferred-channel mark [light])
は,優先航路を示すのに用いられる人工標
識。
参考 IECでは標示物と灯火の2項目に分けて定
義されている。
11-40
11-41
lateral mark,
lateral light
11048
方位標識
羅針盤の基本方位(東西南北)に対応させて,航行可
能な水路が見出せる水域を示すのに用いられる航路
標識の機能種別。
参考 IECでは標示物と灯火の2項目に分けて定
義されている。
11-42
11-43
cardinal mark,
cardinal light
11049
航海灯
船の存在と外観を示すために,ときには特別な用務と
機動力を示すために,船に装備される信号灯,又は一
連の信号灯火。
参考 海上衝突予防法[昭和52.6.1法律第六十二
号]第二十条でいう法定灯火には,第二十
一条(定義)に示される,マスト灯,げん
(舷)灯,両色灯,船尾灯,引き船灯,全
周灯,閃光灯の各種がある。
11-44
navigation light (of a
vessel)
102
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11050
マスト灯
船の中心線上に設置され,正船首方向と両側方に白色
の定常光を発する航海灯。
参考 海上衝突予防法第二十一条(定義)第1項
マスト灯:225度にわたる水平の孤を昭ら
す白灯であって,その射光が正船首方向か
ら各げん(舷)正横後22度30分までの間
を照らすように船舶の中心線上に装置され
る灯火。
11-45
mast-head light
11051
げん(舷)灯
一般に船の側面に設置され,船首に向かって右側[右
げん(舷)]には緑色定常光を,左側[左げん(舷)]
には赤色定常光を,後方を除いた方向に見せるように
設計された航海灯。
参考 海上衝突予防法第二十一条(定義)第2頂
げん(舷)灯:それぞれ112度30分にわた
る水平の孤を照らす紅灯及び緑灯の一対で
あって,紅灯にあってはその射光が正船首
方向から左げん(舷)正横後22度30分ま
での間を照らすように左げん(舷)側に装
置される灯火,緑灯にあってはその射光が
正船首方向から右げん(舷)正横後22度
30分までの間を照らすように右げん(舷)
側に装置される灯火。
11-46
sidelight
11052
船尾灯
船尾に設置され,船尾方向に白色定常光を見せるよう
に設計された航海灯。
参考 海上衝突予防法第二十一条(定義)第4項
船尾灯:135度にわたる水平の孤を照らす
白灯であって,その射光が正船尾方向から
各げん(舷)67度30分までの間を照らす
ように装置される灯火。
11-47
stern light
3.11.5 航空交通及び航空機用灯火
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11053
航空灯火,
地上航空灯火
航空機の航行を援助するために地上又は水上に設置
される信号灯火。
参考1. 航空法施行規則第二条第10項,航空灯火
の定義:灯火によって航空機の航行を援
助するための航空保安施設。
2. 航空法施行規則(昭和27.7.31運輸省令第
56号)第四条に定める航空灯火の分類:
航空灯台,飛行場灯火,航空障害灯。
11-48
aeronatical ground
light
11054
航空障害灯
航空機の許可されている地上若しくは空中の移動に
対し,固定又は移動障害物の存在を表示するために使
用される航空地上灯火。
参考 航空法施行規則第四条第1項第三号,航空
障害灯の定義:航空機に対して航行の障害
となる物件の存在を認識させるための施
設。
11-49
obstacle light,
obstruction light
[deprecated in this
sense]
103
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11055
飛行場灯台
飛行場の位置を表示するために用いる航空灯火。
参考 航空法施行規則第百十四条第1項第一号,
飛行場灯台の定義:航行中の航空機に飛行
場の位置を示すために飛行場又はその周辺
の地域に設置する灯火(ただし,補助飛行
場灯台以外のもの)。
11-51
aerodrome beacon
11056
識別灯台
定められた地理的位置を示すために,符号化した信号
を出す地上航空灯火。
参考 航空法施行規則百十三条=地標航空灯台,
百十四条=補助飛行場灯台。
11-50
identification beacon
11057
飛行場灯火
飛行場に設置されている航空灯火。
aerodrome lights
11058
バレット
遠方からは滑走路の中心線に直角な短いバーに見え
るよう意図された近接して直線上に並べられた航空
地上灯火。
11-52
barrette
11059
滑走路灯システム,
滑走路灯火
離陸し,又は着陸しようとする航空機に意図された滑
走路部分を表示するため,飛行場の滑走路上又は滑走
路にごく近接して配置された航空地上灯火。
備考 滑走路中心線灯と滑走路灯は,それぞれ滑
走路の中心線と滑走路の縁を示す。滑走路
進入端灯と滑走路終端灯は,それぞれ滑走
路の始端と終端の部分を着陸しようとする
航空機に表示することを意図している。滑
走路接地帯灯は,航空機が着陸時に最初に
接地(コンタクト)すべき滑走路の部分を
表示するため滑走路の中心線に対し対称
で,2本の滑走路灯列線間に配置された対
の複数のバレット。
11-53
runway lights
11060
誘導路灯システム
地上走行を行う航空機に対し,誘導路を表示すること
を意図し,誘導路上又は誘導路に極めて近接して配置
された航空地上灯火。
備考 誘導路中心線灯と誘導路灯は,それぞれ誘
導路の中心線と誘導路の線を示す。
taxiway lighting
system
11061
進入灯システム
滑走路に着陸するため進入中の航空機に対しガイダ
ンスを提供するように意図され,飛行場滑走路の進入
端の手前に位置した航空地上灯火システム。
備考 進入灯システムは,中心線灯(又は中心線
バレット),クロスバー,及びサイドバレッ
ト(カテゴリーII/III精密進入灯システムの
場合)で構成されている。
参考 航空法施行規則第百十四条第1項第三号,
進入灯の定義:着陸しようとする航空機に
その最終進入の経路を示すために進入区域
内および着陸帯内に雌置する灯火。
80-54
approach lighting
system
11062
クロスバー[灯火の] 進入灯システム及び滑走路中心線に対し直角で,か
つ,対称に配列された進入灯システムの灯列。
11-55
cross bar [of lights]
104
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11063
サイドバレット
進入灯システム及び滑走路の中心線に対し直角で,か
つ,対称に飛行場滑走路の進入端の手前30 mから270
mの間に30 m間隔で配列された進入灯システムの灯
列。
side barrette
11064
ウィングバー
滑走路に着陸するため進入中の航空機に対し滑走路
進入端のガイダンスをより高める必要がある場合に
滑走路進入端灯の側方に滑走路中心線に対称に追加
配置する航空地上灯火。
11-56
wing bar
11065
進入角指示灯
着陸のため進入中の航空機に対し,正しい降下角を表
示するように意図された航空地上灯火又は灯火シス
テム。
参考1. 航空法施行規則第百二十四条第1項第三
号,進入角指示灯の定義:着陸しようと
する航空機にその着陸の進入角の良否を
示すために滑走路の末端付近に設置する
灯火。
2. 改良された方式のものを旧来のものと区
別してPAPI (precision approach path
indicator) と呼ぶ。
11-57
visual approach slope
indicator
11066
航空灯
航空機の存在と外形を表示するために航空機に装備
される,一組の信号灯火。
参考 航空法施行規則第百五十四条 法第六十四
条の規定により,航空機が,夜間において
空中及び地上を航行する場合には,衝突防
止灯(最大離陸重量5700キログラム以上の
航空機に限る),右舷灯,左舷灯及び尾灯で
当該航空機を表示しなければならない。
11-58
navigation light
11067
衝突防止灯
航空機の存在を表示するために航空機に装備される
信号灯火。
11-59
anti-collision light
11068
着陸灯
着陸又は離陸のときに,航空機前方の地上を照射する
ために航空機に装備される投光器。この投光器は,航
空機が着陸進入中にも非常によく見える光を投射す
るものとして,しばしば使用される。
11-60
landing light
11069
(地上)走行灯
地上を走行中の航空機の前方の地上を照明する目的
で,航空機に装備される投光器。
11-61
taxing light
105
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.11.6 道路交通及び車両用灯火
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11070
道路標識
交通中の車両及び歩行者に対して,案内・警戒・規制
又は指示を伝えるために道路上に設けられる標示施
設。
参考1. 道路交通法第二条第1項第十五条道路標
識の意義:道路の交通に関し,規制又は
指示を表示する標示板。
2. 道路標識・区画線及び道路表示に関する
命令(昭和35.12.17総理府令,建設省令
三号)第一条第1項道路標識の分類:本
標識及び補助標識同条第2項本標識の分
類:案内標識,警戒標識,規制標識及び
指示標識。
11-62
trafic sign
11071
交通信号灯
交通を規制するために用いられる信号灯火。
参考1. 道路交通法第二条第1項第十四号信号機
の意義:電気操作され,且つ,道路の交
通に関し,灯火により交通整理等のため
の信号を表示する装置。
2. CIE/IEC用語でいう車両交通規制では,
赤,黄(又は黄赤)及び緑の3色光を一
般に使用する。
道路交通法施行令第二条信号の意味等
には,青色,黄色,赤色3灯火の使用が
示されている。
11-63
trafic light,
trafic sign (deprecated)
11072
障害物標識
交通の制御又は障害物の表示のために使用される柱
状施設。
備考 内部照明式としたものを障害物表示灯とい
う。
11-64
(trafic) bollard
11073
標示柱
車道端の危険な場所又は縁線[側端線,line of the edge]
を表示するために,車道の端に直立する柱。再帰反射
器が取り付けられることもある。
11-65
marker post
11074
視線誘導標
車道の側方に沿って,路端及び道路線形を明示するた
めに,連続して路側に設けられた一連の表示用施設。
備考 再帰反射器を併設することが多い。この場
合は反射誘導標という。
11-66
delineator(米国)
106
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11075
路面標示
車両若しくは歩行者の交通の規制又は案内をするた
めに,舗装路面上に設けられた指標,線,パターン,
符号,文字などの表示。再帰反射材料の併用もある。
参考1. 道路標識,区画線及び道路標示に関する
命令(昭和35.12.17総理府令,建設省令三
号)に定められている区画線と道路標示
の総称が路面表示(法令用語ではない)
である。
2. 同上命令第五条区画線の種類:車道中央
線,車線境界線,車道外側線,歩行者横
断指導線,車道幅員の変更,路上障害物
の接近,導流帯,路上駐車場。
3. 同上命令第九条道路標示の種類:規制標
示(27種),指示標示(14種)(同別表第
五参照)。
11-67
road marking
11076
道路びょう(鋲),
凸状車道マーカー
路面標示の一つとして,路面より少し高く突き出して
留めた小さな部品。再帰反射材料を組み込んでいる場
合がある。
11-68
road stud,
raised pavement
marker(米国)
11077
前照灯
車両の前方の道路又は前景を照明するために,車両に
装備される投射器。
参考1. 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運
輸省令67)第三十二条(前照灯等)第2項
にいう基準の要点。
第二号:すべてを同時照射したときの
性能は夜間前方百メートルの
距離にある交通上の障害物を
確認できること。
第三号:他の文通を妨げないよりに減
光し又は照射方向を下向きに
変換できる構造のこと。その
ときの障害物確認距離は四十
メートル。
第四号の二:照射光線の主光軸は下向
きのこと。又は前照灯照
射方向調節装置により下
向きにすることができ
る。
2. 同上保安基準第三十三条に補助前照灯が
ある。光度は一万カンデラ以下(第二号),
走行ビームを補助するが下向きに変換し
ているときは点灯しない構造(第三号)。
11-69
headlight,
head lamp
11078
走行ビーム前照灯
車両前方の距離を適切に照明するように設計された
前照灯。
参考 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運輸
省令67)第三十二条(前照灯等)第2項第
二号(前出)に対応するもの。
11-70
main-beam headlight,
high-beam headlight
(米国)
107
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11079
すれ違いビーム前照
灯
車両前方にいる人に対し,特に,接近してくる車両の
運転者に対して,過度なグレアを感じさせない照明が
できるように設計された前照灯。
参考 走行ビーム前照灯とすれ違いビーム前照灯
とを組み合わせて一つのユニットとしたも
のもある。
11-71
dipped-beam headlight,
low-beam headlight
(米国)
11080
前方霧灯
視界不良の条件下で前方の道路を照明するために,車
両に搭載している投射器で,通常,散乱によって運転
者に戻る光量が少なくなるような位置に取り付けら
れるもの。
11-72
front fog lamp
11081
前方位置灯
車両の存在を前方に示すために,車両に搭載している
信号灯。
11-73
front position light
11082
車幅灯
車幅を示すために,同種の灯火を対にして装備した前
方位置灯。
参考 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運輸
省令67)第三十四条(車幅灯)第2項にい
う基準の要点:
第一号:夜間前方に三百メートルの距離
から占灯を確認できること。
第二号:灯光の色は,白色,淡黄色又は
橙色であり,そのすべてが同一であること。
(11-73) side-marker light
11083
尾灯
車両の存在を後方に示すために車両に装備される信
号灯火。特に同種の灯火を対にして用いれば車幅を示
すものにもなり得る。
参考 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運輸
省令67)第三十七条(尾灯)第2項にいう
基準の要点:
第一号:夜間後方三百メートルの距離か
ら点灯を確認できること。
第二号:灯光の色は赤色であること。
11-74
rear position light
11084
駐車灯
車両が駐車していることを示すために,車両に搭載し
ている信号灯。
11-75
parking light
11085
後方霧灯
視界不良の条件下で車両の存在を後方に示すための
信号灯。後方位置灯の補助として用いる。
11-76
rear fog light
108
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11086
後退灯
車両が後退しようとするか,又は実際に後退している
ときに,後方にこれを表示するために車両に装備され
る信号灯火。
参考 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運輸
省令67)第四十条(後退灯)第2項にいう
基準の要点:
第二号:光度は五千カンデラ以下である
こと。
第三号:変速装置を後退の位置に操作し
ている場合にのみ点灯する構造
であること。
第四号:灯光の色は白色又は淡黄色であ
ること。
第六号:主として後方を照射する主光軸
は,下向きであり,かつ,後方七十五メー
トルからの地面を照射しないこと。
11-77
reversing light,
backup light
11087
制動灯
制動を操作中であることを後方に表示するために車
両に装備される信号灯火。
参考 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運輸
省令67)第三十九条(制動灯)第2項にい
う基準の要点:
第一号:昼間後方百メートルの距離から
点灯を確認できること。
第二号:主制動装置を操作している場合
にのみ,点灯する構造のこと。
第三号:尾灯と兼用の制動灯は,前号の
規定にかかわらず主制動装置を
操作している場合にのみその光
度が五倍以上に増加する構造で
あること。
第四号:灯光の色は赤色であること。
11-78
brake light,
stop light
11088
方向指示灯,
方向指示器
左方又は右方に方向を変えようとするか,又は変えつ
つあることを表示するために,車両に装備される一組
の信号灯火。
参考 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運輸
省令67)第四十一条(方向指示器)第8項
にいう基準の要点:
第三号:方向指示器は,方向の指示を表
示する方向百メートル(規定に
より自動車の両側面に備える方
向指示器にあっては,三十メー
トル)の距離から昼間において
点灯を確認できるものであるこ
と。
第四号:方向指示器は,毎分六十回以上
百二十回以下の一定周期で点滅
するものであること。
第五号:方向指示器の灯光の色は,だい
だい(橙)色であること。
11-79
direction indicator
light,
turn-signal light
109
Z 8113 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
IEC(845)
の番号
対応外国語
11089
追突警告信号
車両のすべての方向指示灯を同時に作動させて表す
灯火信号で,他の走行中の車両に特別に危険な状態で
あることを示すのに用いるもの。
11-80
hazard warning signal
[on a vehicle]
11090
番号灯
車両後部における自動車登録番号標,車両番号標など
を照明するために装備される照明装置。
参考 道路運送車両の保安基準(昭和26.7.28運輸
省令67)第三十六条(番号灯)第1項:自
動車の後面には,夜間後方二十メートルの
距離から自動車登録番号標,臨時運行許可
番号標,回送運行許可番号表,又は車両番
号表の数字などの表示を確認できる灯光の
色が白色の番号灯を備えなければならな
い。
11-81
number-plate light,
rear registration-plate
light,
license-plate light
11091
基準外積み荷標識灯 車両の規制を超える長さ又は大きさの積み荷がある
ことを示すために車両に取り付けた信号灯。
11-82
(outline) marker light
照明用語国際整合化調査特別研究委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
小 原 清 成
社団法人照明学会名誉会員
(幹事)
石 井 弘 允
日本大学理工学部
(幹事)
小松原 仁
財団法人日本色彩研究所色彩工学研究室
(幹事)
中 西 藤 和
松下電工株式会社
(主査)
中 川 靖 夫
埼玉大学工学部
(主査)
河 本 康太郎
東芝ライテック株式会社技術本部
大 嶋 清 治
工業技術院標準部材料規格課
本 間 清
工業技術院標準部材料規格課
大 森 政 市
社団法人照明学会事務局
萩 原 真 樹
社団法人日本電球工業会技術部
小 口 芳 久
慶應義塾大学医学部
河 合 悟
中京大学名誉教授
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会技術部
高 橋 貞 雄
社団法人日本照明委員会
辻 内 順 平
東京工業大学名誉教授
成 定 康 平
中京大学文学部
西 師 毅
工業技術院電子技術総合研究所
松 島 勇 作
社団法人日本照明器具工業会
宮 田 紀 元
千葉大学工学部
森 礼 於
東芝ライテック株式会社
佐 藤 仁 人
東京電力株式会社電力技術研究所
中 島 龍 興
株式会社ハロデザイン研究所
馬 場 護 郎
株式会社村上色彩技術研究所
松 浦 邦 男
宝塚造形芸術大学映像造形学科
橋 爪 邦 隆
工業技術院標準部情報電気規格課
(事務局)
中 村 三七雄
社団法人照明学会