Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
0.1 表の配列 ······················································································································ 1
0.2 量の表 ························································································································· 1
0.3 単位の表 ······················································································································ 1
0.4 この規格における数値の記述···························································································· 2
0.5 特記事項 ······················································································································ 3
1 適用範囲 ························································································································· 4
2 引用規格 ························································································································· 4
3 名称,記号及び定義 ·········································································································· 4
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工
業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 8202-6:2000は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8000の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 8000-1 第1部:一般
JIS Z 8000-3 第3部:空間及び時間
JIS Z 8000-4 第4部:力学
JIS Z 8000-5 第5部:熱力学
JIS Z 8000-6 第6部:電磁気
JIS Z 8000-7 第7部:光
JIS Z 8000-8 第8部:音
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 8000-7:2014
(ISO 80000-7:2008)
量及び単位−第7部:光
Quantities and units-Part 7: Light
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 80000-7を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
0.1
表の配列
この規格の量及び単位の表は,量を左側のページに配列し,単位を対応する右側のページに配列する。
右のページの2本の横実線の間にある全ての単位は,左側のページの対応する実線の間の量に属する。
左側のページの量を表す番号の下には,括弧を付けて旧規格(JIS Z 8202-6)で規定した項目の番号を示
す。
なお,旧規格にその項目がなかった場合には,“−(ダッシュ)”でそのことを示す。
0.2
量の表
この規格で扱う分野において最も重要な量について,その名称及び記号を示すとともに,ほとんどの場
合に,その定義を併せて示す。これらの名称及び記号は,推奨である。これらの定義は,国際量体系(ISQ)
における量の識別のためであり,左側のページに列挙している。これらの定義は,必ずしも完全なもので
はない。
量のスカラー文字,ベクトル文字又はテンソル文字は,特に定義のために必要な場合に示している。
多くの場合,ある量に対しては一つの名称と一つの記号とを示す。一つの量に対して二つ以上の名称又
は二つ以上の記号を併記し,特に区別をしていない場合には,互いに対等な関係にある。斜体の文字に2
種類の字体がある場合(例えば,ϑ及びθ,ϕ及びφ,a及びa,g及びg),いずれか一方だけを示してい
るが,他方は対等に使用できないという意味ではない。このような異なる字体にそれぞれ異なる意味を与
えることは推奨しない。括弧内の記号は,予備の記号である。したがって,特別の関係の下で主要記号を
異なる意味で用いる場合には,これら予備の記号を用いる。
0.3
単位の表
0.3.1
一般
量に対する単位の名称を,記号及び定義とともに示す。これらの単位の名称は言語によって異なるが,
記号は国際的なものであり,また,全ての言語において同一である。詳細情報については,国際度量衡局
(BIPM: Bureau International des Poids et Mesures)から発行されているSI文書(2006年第8版)及びJIS Z
8000-1を参照する。
2
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
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単位は,次のように配列している。
a) 一貫性のある国際単位系(SI: Système International d'Unités)を最初に示す。SI単位は,国際度量衡総
会(CGPM: Conférence Générale des Poids et Mesures)で採択されたものである。一貫性のあるSI単位
の使用を推奨する。明示的に記載していない場合であっても,SI接頭語を付した10進の倍量及び分
量を推奨する。
b) 次に,国際度量衡委員会(CIPM: Comité International des Poids et Mesures)若しくは国際法定計量機関
(OIML: Organisation Internationale de Métrologie Légale),又はISO及びIECがSI単位と併用すること
を認めている,一部の非SI単位を示す。
これらの非SI単位は,項目内を点線で区切って,SI単位と区別している。
c) 現在CIPMがSI単位との併用を認めている非SI単位は,“換算率及び説明”欄に小さい文字で示して
いる。
0.3.2
次元1又は無次元量に関する注意事項
無次元量とも呼ばれる次元1のいかなる量に対しても一貫性のある単位は,数の1,記号は1である。
このような量の値を表すときには,一般に,単位の記号1は明示しない。
例1 屈折率 n=1.53×1=1.53
この単位の記号1の倍量又は分量を示すために接頭語を用いてはならない。接頭語の代わりに,10のべ
き乗を用いることが望ましい。
例2 レイノルズ数 Re=1.32×103
通常,平面角は二つの長さの比として,立体角は二つの面積の比として表されることを考慮して,CGPM
は1995年,SI単位においてラジアン(rad)及びステラジアン(sr)を無次元の組立単位とすることを規
定した。これは,平面角及び立体角という量は,次元1の組立量とみなせることを意味する。したがって,
ラジアン及びステラジアンの単位は次元1に等しい。これらは省略してもよいし,又は種類が異なるが同
じ次元をもつ量を区別しやすくするために,組立単位の表現に用いてもよい。
0.4
この規格における数値の記述
記号“=”は“〜に完全に等しい”ことを,記号“≈”は“〜にほぼ等しい”ことを,また,記号“:=”
は“〜に定義上等しい”ことを表している。
注記 国際規格では,“≈”を用いることになっているが,“=”又は“≒”を使用してもよい。また,
国際規格では,“:=”を用いることになっているが,“=”又は“≡”を使用してもよい。
なお,この規格の箇条3以降では“:=”を全て“=”で表した。
実験的に決定された物理量の数値は,常に測定の不確かさを伴っている。この不確かさは,常に明示す
ることが望ましい。この規格では,不確かさの度合いを次の例のように表している。
例 l=2.347 82 (32) m
この例では,l=a(b) m,すなわち,括弧書きで示した不確かさbの数値は,長さlの数値aの最終(及
び最下位)桁に当てはまるものと仮定している。この表し方は,bがaの最終桁の標準不確かさ(標準偏
差の推定値)を表している場合に用いる。上に示した数値の例は,長さl(lをメートル単位で表す場合)
の最良の推定数値が2.347 82であること,及び未知のlの値は,標準不確かさである0.000 32 mとl値の
確率分布によって決まる確率とによって,(2.347 82−0.000 32) mと(2.347 82+0.000 32) mとの間にあると
信じられることを意味すると解してよい。
3
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0.5
特記事項
0.5.1
量
この規格には,光及び他の電磁放射に関する量を規定する。一般の放射に関する“放射”量は,電磁放
射の全部門にわたって用いるが,“測光”量は,可視光にだけ関係する。
同一の記号が放射,測光及び光子関係の三者の量に用いる場合があるが,特に混乱を招くおそれがある
ときは,エネルギーに関するものはeを,可視光に関するものはvを,光子に関するものはpを添字とし
て付加する。ただし,電離性放射線については,ISO 80000-10を参照する。
意図的に,速さの記号としてのイタリック体の“ヴイ”(v)と周波数の記号としてのギリシャ文字の“ニ
ュー”(v)とを識別するために異なるフォントを使用する。
この規格の量の幾つかは,単色光(すなわち,単一周波数νだけの光)のために定義することがある。
その場合,関連量にq(ν)のように引数として表記する。例として,ある媒質中の光の速さc(ν)又は屈折率
n(ν)=c0/c(ν)がある。幾つかのこれらの量は,区間dλで分割される[λ,λ+dλ]範囲の波長の光に対応する量
qの部分dqである。これらの量は,分光(スペクトル)量と呼ばれ,添え字λで表す。これらは加算する
ことができるので,積分q= は,総量,例えば,放射輝度L(番号7-15)となる。
周波数νの代わりに,光の他の参照量が用いることがある。角周波数ω=2πν,波長λ=c0/nν,真空中の
波長λ0=c0/ν,媒質中の波数σ=1/λ,真空中の波数v~=ν/c0=σ/n=1/λ0などである。例として,屈折率はn(λ0
=555 nm) ≈ 1.333と表すことができる。また,分光放射輝度Lλ(λ)[番号7-15(説明)]は積分量である放
射輝度L(番号7-15)に対応する分光“密度”の意味をもつ。
異なる参照量に対応する分光量は関連している。例えば,
dq=qν(ν)dν=qω(ω)dω=vq~(v~)dv~=qλ(λ)dλ=qσ(σ)dσ
したがって,
qν(ν)=2πqω(ω)=vq~(v~)/c0=qλ(λ)c0/n=qσ(σ)n/c0
歴史上の理由で,波長λは,過去の最も正確に測定された量として,現在もまだ広く参照量として用い
ている。理論的な視点から見て,周波数νは,光ビームが異なる屈折率nの媒質を通り抜ける場合にもそ
の値を維持するので,より適切な参照量である。
0.5.2
単位
測光及び放射測定では,単位ステラジアンは,便宜上用いている。
0.5.3
明所視の量
大多数の事例では,明所視[すい(錐)体によって感じ,昼間の視覚に用いる。]が扱われている。明所
視用の分光視感効率V(λ)の標準値は,元来1924年にCIEによって採用された。これらの値はCIPMによ
って採用された[BIPM学術論文:測光管理基準(1983)参照]。
0.5.4
暗所視の量
暗所視[かん(桿)体によって感じ,夜間の視覚に用いる。]については,番号7-28から番号7-48まで
の対応量は明所視と同じ方法で定義されているが,記号にプライム(′)を付けて用いる。
番号7-28(分光視感効率)については,説明は次のように読み替える。
暗所視用の分光視感効率V'(λ)の標準値は,元来1951年にCIEによって採用され,その後CIPM
によって採用された[BIPM学術論文:測光管理基準(1983)参照。]。
番号7-29(最大分光視感効果(暗所視用)]については,定義は次のように読み替える。
暗所視用には,K'm=(
)
nm
016
.
555
683
V'
lm/W=1 700 lm/W
∫∝
0
d)
(
v
v
q
4
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
0.5.5
値
この規格の中の基礎物理定数は,“2006 CODATA推奨値”の中で発表されている基礎物理定数の一貫し
た値から引用している。
次のCODATAウェブサイトも参照する。
http://physics.nist.gov/cuu/Constants/index.html
1
適用範囲
この規格は,光及び他の電磁放射の量並びに単位に関する,名称,記号及び定義について規定する。ま
た,この規格は,必要に応じて換算率についても規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 80000-7:2008,Quantities and units−Part 7: Light(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8000-3 量及び単位−第3部:空間及び時間
注記 対応国際規格:ISO 80000-3,Quantities and units−Part 3: Space and time(IDT)
JIS Z 8000-4 量及び単位−第4部:力学
注記 対応国際規格:ISO 80000-4,Quantities and units−Part 4: Mechanics(IDT)
JIS Z 8000-5 量及び単位−第5部:熱力学
注記 対応国際規格:ISO 80000-5,Quantities and units−Part 5: Thermodynamics(IDT)
JIS Z 8000-6 量及び単位−第6部:電磁気
注記 対応国際規格:IEC 80000-6,Quantities and units−Part 6: Electromagnetism(IDT)
ISO 80000-9,Quantities and units−Part 9: Physical chemistry and molecular physics
ISO 80000-10,Quantities and units−Part 10: Atomic and nuclear physics
3
名称,記号及び定義
光学の量及び単位に関する,名称,記号及び定義は,次による。
5
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白 紙
6
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光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-1
(6-1)
周波数(frequency) ν,f
ν=1/T
ここに,T:周期[JIS Z 8000-3(番号
3-12)]
JIS Z 8000-3(番号3-15.1)参照。
しかし,分光学では,νを広く用い
ている。
異なる媒質を通り抜ける光はその周
波数を維持するが,その波長又は波
数は維持されない。
7-2.1
(−)
真空中の波数
(wavenumber in
vacuum)
v~
v~=ν/c0
ここに,ν:周波数(番号7-1)
c0:真空中の光の速さ(番号
7-4.1)[JIS Z 8000-3(番
号3-8.2)]
JIS Z 8000-3(番号3-18)も参照。
ν=1/λ0
ここに,λ0:真空中の波長(番号7-3.1)
異なる媒質を通り抜ける
光はその周波数を維持す
るが,その波長又は波数
は維持されない。
7-2.2
(6.4)
波数(wavenumber) σ
σ=ν/c
ここに,ν:周波数(番号7-1)
c:媒質中の光の速さ(番号
7-4.2)
JIS Z 8000-3(番号3-18)も参照。
媒質中では,
σ=v~/n
ここに,n:屈折率(番号7-5)
σ=1/λ
ここに,λ:媒質中の波長(番号7-3.2)
7-3.1
(−)
真空中の波長
(wavelength in
vacuum)
λ0
単色波においては,
λ0=c0/ν
ここに,ν:その波の周波数(番号7-1)
c0:真空中の光の速さ(番号
7-4.1)
屈折率n(番号7-5)の媒質中では,
λ0=nλ
7-3.2
(6-3)
波長(wavelength) λ
媒質中を伝搬する単色波においては,
λ=c/ν
ここに,ν:その波の周波数(番号7-1)
c:特定の周波数の電磁放射の
伝搬速さ[JIS Z 8000-3(番
号3-8.2)]
JIS Z 8000-3(番号3-17)参照。
波長は,単色波において,位相が2π
異なるある瞬間に,波動面に垂直な
方向で,連続する二点間の距離であ
る。
λ=1/σ
ここに,σ:媒質中の波数(番号7-2.2)
屈折率n(番号7-5)の媒質中では,
λ=λ0/n
異方性の媒質では,光伝搬の方向を
定義する。
7-4.1
(6-6)
真空中の光の速さ
(speed of light in
vacuum),真空中の
電磁波の速さ
(speed of
electromagnetic
waves in vacuum)
c0
真空中の電磁波の速さ
c0=299 792 458 m・s−1
真空中の光の速さはメートルの定義
に用いた基本定数である。
JIS Z 8000-3(番号3-1.a)及びJIS Z
8000-6(番号6-35.2)参照。
相対性理論の中では,用語“サブル
ミナル速さ(subluminal speed)”を真
空中の光より遅い速さ,“ルミナル速
さ(luminal speed)”を真空中の光の
速さと同じ速さ,“超光速(スーパー
ルミナル速さ)(superluminal speed)”
を真空中の光の速さを超える速さの
意味で用いることがある。
7-4.2
(−)
光の速さ(speed of
light)
c
媒質中,任意の方向の特定周波数の電
磁放射の位相速さ[JIS Z 8000-3(番号
3-20.1)]
7
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-1.a
ヘルツ(hertz)
Hz
1 Hz=1 s−1
7-2.a
毎メートル(metre
to the power
minus one)
m−1
分光学では,波数単位として,一般
に,毎メートル(m−1)よりも毎セ
ンチメートル(cm−1)を用いる。
7-3.a
メートル(metre) m
オングストローム(Å);
1 Å=10−10 m
7-4.a
メートル毎秒
(metre per second)
m・s−1
8
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-5
(6-44)
屈折率(refractive
index)
n
n=c0/c
ここに,c0:真空中の光の速さ(番号
7-4.1)
c:媒質中,任意の方向の特
定周波数の電磁放射の位
相速さ[JIS Z 8000-3(番
号3-8.2)]
媒質では,cはその光の周波数vに
依存する;
n=n(v)
吸収を有する媒質については,複素屈
折率k=nk0が定義されることがある。
ここに,k0:真空中の波動ベクトル
k:媒質中の複素波動ベクト
ル
すなわち,
n=n+ik=n+iα/4πv~
ここに,α:線形吸収係数(番号
7-25.2)
i:虚数単位
異方性の媒質の場合,
n:テンソル
7-6
(6-7)
放射エネルギー
(radiant energy)
Q,W,
(U,Qe)
放射として射出,伝達又は照射される
エネルギー[JIS Z 8000-5(番号
5-20.1)]。
放射エネルギーに対応する測光対応
量を光量(番号7-34)と呼ぶ。また,
これに対応する光子量は光子数を用
いて表すこともある(番号7-49)。
7-7
(6-8)
放射エネルギー密
度(radiant energy
density)
w,ρ
w=VQ
d
d
ここに,dQ:領域の体積要素dV[JIS Z
8000-3(番号3-4)]で分割
された三次元領域要素の
放射エネルギー(番号7-6)
黒体内の放射エネルギー密度は下式
による。
w=
0
4
c
σT4
ここに,σ:ステファン・ボルツマン
定数(番号7-56)
c0:真空中の光の速さ(番
号7-4.1)
T:熱力学温度[JIS Z 8000-5
(番号5-1)]
0.5.1参照。
7-8
(6-9)
分光放射エネルギ
ー密度(波長)
(spectral radiant
energy density in
terms of
wavelength)
wλ,ρλ wλ(λ)=λ
d
dw
ここに,dw:範囲dλで分割した微小区
間[λ,λ+dλ]の波長λ(番
号7-3.2)の光に対応する
放射エネルギー密度w(番
号7-7)の微小部分
黒体内の分光放射エネルギー密度は
下式による。
wλ=8πhc0・f(λ,T)
ここに,h:プランク定数[ISO
80000-10(番号10-6.1)]
c0:真空中の光の速さ(番
号7-4.1)
T:熱力学温度[JIS Z
8000-5(番号5-1)]
f(λ, T)については,番号7-57及び7-58
を参照。
7-9
(6-9)
分光放射エネルギ
ー密度(波数)
(spectral radiant
energy density in
terms of
wavenumber)
v~
ρ,
v
w~
v
w
v
wv
~
d
d
)~(
~
=
ここに,dw: 範囲v~
dで分割した微小
区間[v~,
v
v
~
d
~+
]の真空
中の波数v~(番号7-2.1)
の光に対応する放射エ
ネルギー密度w(番号
7-7)の微小部分
分光学では,記号
v~
ρを用いる。
9
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-5.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-6.a
ジュール(joule) J
1 J=1 kg・m2・s−2
7-7.a
ジュール毎立方
メートル(joule
per cubic metre)
J・m−3
7-8.a
ジュール毎メー
トル4乗(joule per
metre to
the power four)
J・m−4
7-9.a
ジュール毎平方
メートル(joule
per metre squared)
J・m−2
10
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-10
(−)
アインシュタイン
の自然放射遷移確
率j→k(Einstein
transition probability
for spontaneous
emission j→k)
Ajk
−dNj/dt=AjkNj
ここに,−dNj:継続時間間隔dt中に状
態jから自然に状態k
に移る分子の数,
Nj:状態jの分子の数,
また,Ej>Ek
放射又は吸収された波動の波数は
jk
v~=(Ej−Ek)/hc0
アインシュタイン係数の関係は
Ajk=8πhc0v~3
jk
v
B,~
Bkj=Bjk
係数
kj
v
B,~は,真空中の波数v~での分
光エネルギー密度
v
ρ~(v~)を用いて定
義する。
また,周波数νの場合,ρν(ν)を用い
て定義するが,この場合,Bν,kj=
c0
kj
v
B,~はメートル毎キログラムのSI
単位をもつ。
Nj
Ajk
Bjk
Bkj
Nk
7-11
(−)
アインシュタイン
の誘導放射遷移確
率j→k(Einstein
transition probability
for induced emission
j→k)(Einstein
transition probability
for stimulated
emission j→k)
Bjk,
jk
v
B,~
−dNj/dt=
v
ρ~(
jk
v~)BjkNj
ここに,−dNj:継続時間間隔dt中に状
態jから分光放射エネ
ルギー密度
v
ρ~(v~)(番号
7-9)の放射に起因する
誘導放出によって状態
kに移る分子の数,
Nj:状態jの分子の数,
また,Ej>Ek
7-12
(−)
アインシュタイン
の誘導吸収遷移確
率j→k(Einstein
transition
probability for
induced absorption
j→k)
Bkj,
kj
v
B,~
−dNk/dt=
v
ρ~(v~jk)BkjNk
ここに,−dNk:継続時間間隔dt中に状
態kから分光放射エネ
ルギー密度
v
ρ~(v~)(番号
7-9)の放射に起因する
誘導吸収によって状態
jに移る分子の数,
Nk:状態kの分子の数,
また,Ej>Ek
7-13
(6-10)
放射束(radiant
flux),放射パワー
(radiant power)
Φ,P,
(Φe)
Φ=tQ
d
d
ここに,dQ:継続時間dt[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]中に発光,伝達又は受光
された放射エネルギー
分光放射束は,放射束の分光密度と
して,
Φλ(λ)=dΦ/dλ,
Φ=∫∞
0
)d
(
λ
λ
λ
Φ
対応する分光密度(分光濃度)の定
義を,Iλ(λ)=dI/dλのように,放射強
度(番号7-14)に適用する。
また,それらは単にそれぞれ,Iλ及
びΦλと表記し,分光量と呼ぶ。さら
に,
I=∫∞
0
)d
(
λ
λ
λ
I
=∫∞0
dλ
λ
I
などは表記
として正しい。
放射束に対応する測光量を光束(番
号7-32)と呼ぶ。
また,これに対応する光子量は光子
数を用いて表すこともある(番号
7-50参照)。
11
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-10.a
毎秒(second to the
power minus one)
s−1
7-11.a
秒毎キログラム
(second kilogram
to the power minus
one)
s・kg−1
周波数νに関する分光エネルギー密
度ρν(ν)を用いた係数Bν,jkのSI単位は
m・kg−1。
7-12.a
秒毎キログラム
(second kilogram
to the power minus
one)
s・kg−1
周波数νに関する分光エネルギー密
度ρν(ν)を用いた係数Bν,jkのSI単位は
m・kg−1。
7-13.a
ワット(watt)
W
1 W=1 J・s−1
この単位は工率[JIS Z 8000-4(番号
4-26.a)]の単位と同一である。
12
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-14
(6-13)
放射強度(radiant
intensity)
I,(Ie) 光源から任意の方向に向かって,
I=ΩΦ
d
d
ここに,dΦ:立体角dΩ[JIS Z 8000-3
(番号3-6)]のその方向
を含む立体角要素中の光
源からの放射束(番号
7-13)
I=∫∞
0
)d
(
λ
λ
λ
I
ここに,Iλ(λ):分光放射強度
序文,0.5.1及び番号7-13説明参照。
放射強度に対応する測光量を光度
(番号7-35)と呼ぶ。また,これに
対応する光子量は光子数を用いて表
すこともある(番号7-51)。
7-15
(6-14)
放射輝度(radiance) L,(Le) 光源表面のある点において,任意の方
向に向かって,
L=
α
A
I
cos
1
d
d
ここに,dI:面積dA[JIS Z 8000-3(番
号3-3)]をもつ表面要素か
ら放射された放射強度(番
号7-14)
角α:表面の法線とその方向
のなす角
L=∫∞
0
)d
(
λ
λ
λ
L
ここに,Lλ(λ):分光放射輝度
0.5.1及び番号7-13説明参照。
Leλ(λ)=
π
4
)
(λ
c
wλ(λ)=hc02・f(λ,T)
ここに,c(λ):任意の媒質の中に波長
λ(番号7-3.2)の電磁
放射の位相速さ[JIS Z
8000-3(番号3-8.2)]
wλ(λ)については,番号
7-8参照,f(λ,T)につ
いては,番号7-57及び
7-58参照。
c0:真空中の光の速さ(番
号7-4.1)
h:プランク定数[ISO
80000-10(番号10-6.1)]
黒体放射では,
L=
4
T
π
σ
ここに,T:熱力学温度[JIS Z 8000-5
(番号5-1)]
σ:ステファン・ボルツマン
定数(番号7-56)
放射輝度に対応する測光量を輝度
(番号7-37)と呼ぶ。また,これに
対応する光子量は光子数を用いて表
すこともある(番号7-52参照)。
7-16
(6-16)
球面放射照度
(spherical
irradiance),
放射フルエンス率
(radiant fluence
rate)
E0,
(Ee,0)
空間のある点において,
E0=∫
Ω
Ld
ここに,dΩ:与えられた点を通り抜け
る各要素光線の立体角
[JIS Z 8000-3(番号
3-6)]
L:光線の方向におけるその点
の放射輝度(番号7-15)
球面放射照度は,その球体の直径の
断面積で除された,小球体上に投射
される全放射束に等しい。
cが光の速さである等方性の均一な
照射野では,E0/cは放射エネルギー
密度(番号7-7),また,表面の放射
照度(番号7-19)はE0/4である。
0.5.1及び番号7-13説明参照。
球面放射照度に対応する測光量を球
面照度(番号7-38)と呼ぶ。
13
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-14.a
ワット毎ステラ
ジアン(watt per
steradian)
W・sr−1
ステラジアンについては,0.3.2参照。
7-15.a
ワット毎ステラ
ジアン毎平方メ
ートル(watt per
steradian
metre
squared)
W・sr−1・
m−2
7-16.a
ワット毎平方メ
ートル(watt per
metre squared)
W・m−2
14
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-17
(6-17)
球面放射露光量
(radiant spherical
exposure),放射フ
ルエンス(radiant
fluence)
H0,
(He,0)
H0=∫∆t
t
E
0
0d
ここに,E0:継続時間Δt[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]間隔中に作用
する球面放射照度(番号
7-16)
球面放射露光量に対応する測光量を
球面露光量(番号7-39)と呼ぶ。
7-18
(6-15)
放射発散度(radiant
exitance)
M,
(Me)
表面のある点で,
M=AΦ
d
d
ここに,dΦ:面積dA[(番号7-19),JIS
Z 8000-3(番号3-3)]をも
つ表面要素からの放射束
(番号7-13)
過去の放射発散度は,次式によって
定義していた。
M=∫∝
0
)
(
λ
λ
λ
d
M
0.5.1及び番号7-13説明参照。
黒体放射では
M=σT4
ここに,T:熱力学温度[JIS Z 8000-5
(番号5-1)]
σ:ステファン・ボルツマン
定数(番号7-56)
Mλ(λ)=c1f(λ,T)については,番号7-57
及び7-58参照。
放射発散度に対応する測光量を光束
発散度(番号7-40)と呼ぶ。また,
これに対応する光子量は光子数を用
いて表すこともある(番号7-53参
照)。
7-19
(6-16)
放射照度
(irradiance)
E,
(Ee)
表面のある点で,
E=AΦ
d
d
ここに,dΦ:面積dA[JIS Z 8000-3(番
号3-3)]をもつ表面要素
に入射する放射束(番号
7-13)
E=∫∞
0
)d
(
λ
λ
λ
E
ここに,Eλ(λ):分光放射照度
0.5.1及び番号7-13説明参照。
放射照度に対応する測光量を照度
(番号7-36)と呼ぶ。また,これに
対応する光子量は光子数を用いて表
すこともある(番号7-54参照)。
7-20
(6-17)
放射露光量(radiant
exposure)
H,
(He)
H=∫∆t
t
E
0
d
ここに,E:時間間隔Δt[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]の間に作用す
る放射照度(番号7-19)
放射露光量に対応する測光量を露光
量(番号7-41)と呼ぶ。また,これ
に対応する光子量は光子数を用いて
表すこともある(番号7-55参照)。
15
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-17.a
ジュール毎平方
メートル(joule
per metre squared)
J・m−2
7-18.a
ワット毎平方メ
ートル(watt per
metre squared)
W・m−2
7-19.a
ワット毎平方メ
ートル(watt per
metre squared)
W・m−2
7-20.a
ジュール毎平方
メートル(joule
per metre squared)
J・m−2
16
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-21.1
(6-21.1)
放射率(emissivity,
emittance)
Ε
ε=M/Mb
ここに,M:熱放射体の放射に対応す
る放射発散度(番号7-18)
Mb:同一の温度[JIS Z 8000-5
(番号5-1)]の黒体の放
射に対する放射発散度
7-21.2
(6-21.2)
分光放射率
(spectral
emissivity),指定波
長の放射率
(emissivity at a
specified
wavelength)
ε(λ)
ε(λ)=Mλ(λ)/Mb,λ(λ)
ここに,Mλ(λ):熱放射体の分光放射発
散度(番号7-18)
Mb,λ(λ):同一の温度での黒体の
分光放射発散度
分光放射率は波長(番号7-3.2)の関
数である。これは,通常,記号ε(λ)
によって示される。
Mλ(λ)については,番号7-18及び番号
7-13説明参照。
7-22.1
(6-40.1)
吸収率
(absorptance)
α,a
α=Φa/Φm
ここに,Φa:吸収した放射束(番号
7-13)又は吸収した光束
(番号7-32)
Φm:入射した放射の放射束
(番号7-13)又は光束
(番号7-32)
α=Ia/Im, ρ=Ir/Im,τ=It/Im
これらの量は分光的にも定義する。
その場合,これらの量名の前に“分
光”を加え(例えば分光反射率),記
号はそれぞれα(λ),ρ(λ),τ (λ)と表記
する。α,ρ,τの各量は,用いた光の
分光分布で重み付けされた分光量の
平均値である。
エネルギー保存則によって,偏光放
射が観察される場合を除き,α+ρ+τ
=1である。
番号7-47.1,7-47.2及び7-47.3参照。
7-22.2
(6-40.2)
反射率
(reflectance)
ρ
ρ=Φr/Φm
ここに,Φr:反射した放射束(番号7-13)
又は反射した光束(番号
7-32)
Φm:入射した放射の放射束(番
号7-13)又は光束(番号
7-32)
7-22.3
(6-40.3)
透過率
(transmittance)
τ,T
τ=Φt/Φm
ここに,Φt:透過した放射束(番号7-13)
又は透過した光束(番号
7-32)
Φm:入射した放射の放射束
(番号7-13)又は光束
(番号7-32)
7-23.1
(6-41)
透過濃度
(transmittance
density),光学濃度
(optical density),
吸光度(decadic
absorbance)
A10,D A10(λ)=−lg(τ(λ))
ここに,τ:任意の波長λ(番号7-3.2)
での透過率(番号7-22.3)
分光学では,一般に“吸光度A10”の
名称を用いる。
7-23.2
(−)
吸光度(自然対数)
(napierian
absorbance)
Ae,B Ae(λ)=−ln(τ(λ))
ここに,τ:ある波長λ(番号7-3.2)で
の透過率(番号7-22.3)
Ae(λ)=l αλ(λ)
ここに,α:線形吸収係数(番号
7-25.2)
l:通過長さ[JIS Z 8000-3
(番号3-1.1)]
17
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-21.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-22.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-23.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
18
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-24.1
(6-40.4)
放射輝度率
(radiance factor)
β,(βe) β=Ln/Ld
ここに,Ln:表面要素の任意の方向に
おける放射輝度(番号
7-15)
Ld:全く同一に照射又は観測
される完全拡散反射体又
は完全拡散透過体の放射
輝度(番号7-15)
円すい(錐)角が無限小であれば,
反射率係数は,放射輝度率又は輝度
率(番号7-48)と等価で,円すい(錐)
角が2π srである場合,反射率と等価
である。
これらの量も分光的に定義され,分
光放射輝度率β(λ)及び分光反射率係
数R(λ)と呼ぶ。
1に等しい反射率又は透過率をもつ
理想的な均等(ランベルト面)拡散
体を,完全拡散体と呼ぶ。
7-24.2
(−)
反射率係数
(reflectance factor)
R
R=Φn/Φd
ここに,Φn:ある円すい(錐)で限定
された方向へ反射する放
射束(番号7-13)又は光
束(番号7-32)
Φd:同方向に照射された,反
射率(番号7-22.2)が1
に等しい完全拡散反射体
によってその方向へ反射
する放射束又は光束
7-25.1
(6-42.1)
線形減衰係数
(linear attenuation
coefficient,
linear
extinction
coefficient)
μ,μl
μ(λ)=
l
Φ
Φ
d
)
(
d
)
(
1
λ
λ
λ
λ
ここに,dΦ/Φ:波長λ(番号7-3.2)に
対応する電磁放射の平
行ビームが媒質の微小
厚層を通過する間に生
じる放射束(番号7-13)
Φの相対的減少
dl:通過した長さ[JIS Z
8000-3(番号3-1.1)]
分光減衰係数は対応する分光量であ
る。同様に,測光量及び光子量を定
義できる。
7-25.2
(6-42.2)
線形吸収係数
(linear absorption
coefficient)
α,a
α(λ)=
l
Φ
Φ
d
)
(
d
)
(
1
λ
λ
λ
λ
ここに,dΦ/Φ:波長λ(番号7-3.2)に
対応する電磁放射の平
行ビームが媒質の微小
厚層を通過する間の吸
収による放射束(番号
7-13)Φの相対的減少
dl:通過した長さ[JIS Z
8000-3(番号3-1.1)]
α=−ln(T)/l=Ae/l
線形吸収係数は,線形減衰係数のう
ちの,吸収に起因する部分である。
ほかに散乱に起因する線形減衰係数
の一部分もある。
番号7-25.1説明参照。
7-26.1
(−)
質量減衰係数
(mass attenuation
coefficient)
μm
μm=μ/ρ
ここに,μ:線形減衰係数(番号7-25.1)
ρ:媒質の密度[JIS Z 8000-4
(番号4-2)]
番号7-25.1説明参照。
7-26.2
(−)
質量吸収係数
(mass absorption
coefficient)
am
am=a/ρ
ここに,a:線形吸収係数(番号7-25.2)
ρ:密度[JIS Z 8000-4(番号
4-2)]
番号7-25.1説明参照。
19
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-24.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-25.a
毎メートル(metre
to the power minus
one)
m−1
7-26.a
平方メートル毎
キログラム(metre
squared per
kilogram)
m2・kg−1
20
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-27
(6-43)
モル吸収係数
(molar absorption
coefficient)
κ
κ=aVm
ここに,a:線形吸収係数(番号7-25.2)
Vm:モル体積[ISO 80000-9
(番号9-6)]
番号7-25.1説明参照。
κ=ac
ここに,c:物質量濃度[ISO 80000-9
番号9-13)]
7-28
(6-37.2)
分光視感効率
(spectral luminous
efficiency)
V(λ)
特定測光条件で,二つの放射が等しい
光感覚を生じるような場合の,波長λ
(番号7-3.2)の分光放射束Φλ(λ)(番号
7-13)と波長λm(番号7-3.2)の分光放
射束Φλ(λm)(番号7-13)との比。波長
λmはこの比の極大値が1に等しくなる
ように選ぶ。
明所視分光視感効率V(λ)は,元来
1924年にCIEによって採用され,ま
た,CIPMによって採用された(参
考文献[3]参照)。
V(λ)は明所視を記述する量に用い
る。
暗所視については,0.5.4参照。
7-29
(6-36.3)
最大分光視感効果
度(maximum
spectral luminous
efficacy)
Km
Km=
lm/W
683
lm/W
)
nm
016
.
555
(
683
=
V
ここに,V(λ):分光視感効率(番号7-28)
値683 lm/Wは,カンデラのSI定義
により,周波数540×1012 Hz(標準
空気中では555.016 nm)の単色放射
の場合として定義されている。
KmはK(λ)の極大値である。
暗所視については,0.5.4参照。
7-30
(6-37.1)
視感効率(luminous
efficiency)
V
V=∫∫
∞
∞
0
0
)d
(
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
Φ
Φ
V
ここに,Φλ(λ):分光放射束(番号7-13)
V(λ):分光視感効率(番号
7-28)
λ:波長(番号7-3.2)
V=K/Km
ここに,K:放射の視感効果度(番
号7-33.1)
Km:最大分光視感効果度
(番号7-29)
暗所視については,0.5.4参照。
7-31
(6-36.2)
分光視感効果度
(spectral luminous
efficacy)
K(λ)
K(λ)=Km V(λ)
ここに,Km:最大分光視感効果度(番
号7-29)
V(λ):分光視感効率(番号7-28)
λ:波長(番号7-3.2)
暗所視については,0.5.4参照。
7-32
(6-30)
光束(luminous
flux)
Φv,
(Φ)
Φv=Km∫∞
0
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
V
Φ
ここに,Km:最大分光視感効果度(番
号7-29)
Φλ(λ):分光放射束(番号7-13及
び番号7-13説明)
V(λ):分光視感効率(番号7-28)
λ:波長(番号7-3.2)
光束は,標準分光視感効率を用いた
視覚応答によって放射を評価したも
のである。0.5.1参照。
類似した放射量については,番号
7-13参照。類似した光子量について
は,番号7-50参照。
暗所視については,0.5.4参照。
7-33.1
(6-36.1)
放射の視感効果度
(luminous efficacy
of radiation)
K
K=Φ
Φv
ここに,Φv:光束(番号7-32)
Φ:対応する放射束(番号7-13)
K=∫∫
∞
∞
0
0
)d
(
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
Φ
Φ
K
K(λ)については,番号7-31参照。
7-33.2
(−)
光源の視感効果
度,光源効率
(luminous efficacy
of a source)
ηv,(η) ηv=P
Φv
ここに,Φv:光束(番号7-32)
P:光源が消費した有効電力
[JIS Z 8000-6(番号6-56)]
21
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-27.a
平方メートル毎
モル(metre
squared per mole)
m2・mol−1
7-28.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-29.a
ルーメン毎ワッ
ト(lumen per
watt)
lm・W−1
7-30.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-31.a
ルーメン毎ワッ
ト(lumen per
watt)
lm・W−1
7-32.a
ルーメン(lumen) lm
1 lm=1 cd・sr
7-33.a
ルーメン毎ワッ
ト(lumen per
watt)
lm・W−1
22
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-34
(6-31)
光量(luminous
energy, quantity of
light)
Qv,
(Q)
Qv=∫∆t
t
Φ
0
vd
ここに,Φv:継続時間Δt[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]中に生じる
光束(番号7-32)
Qv=∫∞
0
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
K
Q
K(λ)については,番号7-31参照。Qλ(λ)
については,番号7-6参照。
0.5.1参照。
暗所視については,0.5.4参照。
類似した放射量については,番号7-6
参照。類似した光子量については,
番号7-49参照。
7-35
(6-29)
光度(luminous
intensity)
Iv,(I) 光度は,国際量体系ISQの基本量の一
つ。
光度は測光器によって測定される。
光源から任意の方向に向かって
Iv=
Ω
Φ
d
d
v
ここに,dΦv:立体角dΩをもつ円す
い(錐)要素の中の光
源からその方向へ向
かう光束(番号7-32)
Iv=∫∞
0
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
K
I
K(λ)については,番号7-31参照。
0.5.1参照。
暗所視については,0.5.4参照。
類似した放射量については,番号
7-14参照。類似した光子量について
は,番号7-51参照。
7-36
(6-34)
照度(illuminance) Ev,(E) 表面上の一点において,
Ev=AΦ
d
d
ここに,dΦ:面積dA[JIS Z 8000-3(番
号3-3)]の表面要素へ入
射した光束(番号7-32)
Ev=∫∞
0
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
K
E
K(λ)については,番号7-31参照。
0.5.1参照。
暗所視については,0.5.4参照。
類似した放射量については,番号
7-19参照。類似した光子量について
は,番号7-54参照。
7-37
(6-32)
輝度(luminance) Lv,(L)
表面上の一点で,任意の方向において,
Lv=AIddv
ここに,dIv:その方向に垂直な面に正
射影した面積dA[JIS Z
8000-3(番号3-3)]の表
面要素の光度(番号7-35)
Lv=∫∞
0
v,
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
K
L
番号7-31参照。
0.5.1参照。
暗所視については,0.5.4参照。
類似した放射量については,番号
7-15参照。類似した光子量について
は,番号7-52参照。
23
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-34.a
ルーメン秒
(lumen second)
lm・s
7-34.b
ルーメン時
(lumen hour)
lm・h
1 lm・h=3 600 lm・s
7-35.a
カンデラ
(candela)
cd
カンデラは,周波数540×1012 Hzの
単色放射を放出し,所定の方向にお
けるその放射強度が1/683 W/srであ
る光源の,その方向における光度。
7-36.a
ルクス(lux)
lx
1 lx=1 lm・m−2
7-37.a
カンデラ毎平方
メートル(candela
per square metre)
cd・m−2
24
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-38
(−)
球面照度(spherical
illuminance),発光
フルエンス率
(luminous fluence
rate)
Ev,0
空間の一点において,次式で定義され
た量,
Ev,0=∫πsr
4
vdΩ
L
ここに,dΩ:所定の点を通る各要素ビ
ームの立体角[JIS Z
8000-3(番号3-6)]
Lv:ビームのその方向のその
点における輝度(番号
7-37)
球面照度は,小球体に投射する全光
束Φv(番号7-32)をその球体の断面
積で除した商と等しい。
0.5.1及び番号7-13説明参照。
類似した放射量については,番号
7-16参照。
7-39
(−)
球面露光量
(luminous spherical
exposure),発光フ
ルエンス(luminous
fluence)
Hv,0
所定の継続時間Δt[JIS Z 8000-3(番号
3-7)]での球面照度Ev,0(番号7-38)の
時間積分,
Hv,0=∫∆t
t
t
E
0
0,v
)d
(
類似した放射量については,番号
7-17参照。
7-40
(6-33)
光束発散度
(luminous exitance)
Mv,
(M)
表面上の一点において,表面要素から
の光束dΦv(番号7-32)を,その要素
の面積dA[JIS Z 8000-3(番号3-6)]
で除した商,すなわち,
Mv=A
Φ
d
d
v
Mv=∫∞
0
)d
(
)
(
λ
λ
λ
λ
K
M
K(λ)については,番号7-31参照。
0.5.1参照。
類似した放射量については,番号
7-18参照。類似した光子量について
は,番号7-53参照。
7-41
(6-35)
露光量(luminous
exposure)
Hv,
(H)
所定の継続時間Δt[JIS Z 8000-3(番号
3-7)]での照度Eν(番号7-36)の時間
積分,すなわち,
Hv=∫∆t
t
t
E
0
ν)d
(
過去は,光照射量と称した。
露光量は,表面要素からの光量dQv
(番号7-34)を,その要素の面積dA
[JIS Z 8000-3(番号3-6)]で除した
商に等しい,すなわち,Hv=dQv/dA
類似した放射量については,番号
7-20参照。類似した光子量について
は,番号7-55参照。
暗所視については,0.5.4参照。
7-42
(−)
色刺激関数(colour
stimulus function),
相対色刺激関数
(relative colour
stimulus function)
φλ(λ)
φλ(λ)=Xλ(λ)/R
ここに,Xλ(λ):波長(番号7-3.2)の関
数である放射輝度(番
号7-15)又は放射束(番
号7-13)のような放射
量X(λ)の分光分布
R:固定参照値
25
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-38.a
ルクス(lux)
lx
7-39.a
ルクス秒(lux
second)
lx・s
7-39.b
ルクス時(lux
hour)
lx・h
1 lx・h=3 600 lx・s
7-40.a
ルーメン毎平方
メートル(lumen
per square metre)
lm・m−2
7-41.a
ルクス秒(lux
second)
lx・s
7-41.b
ルクス時(lux
hour)
lx・h
1 lx・h=3 600 lx・s
7-42.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
26
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-43
(−)
三刺激値
(tristimulus values)
X,
Y,
Z
X10,
Y10,
Z10
ある三色表色系で,対象の色刺激と等
色するように規定された三つの原刺激
の量。
放射量の色刺激関数φλ(λ)で記述された
所定の色刺激は,
X=k∫∞
0
)d
(
)
(
λ
λ
λ
ϕλ
x
Y=k∫∞
0
)d
(y)
(
λ
λ
λ
ϕλ
Z=k∫∞
0
)d
(
)
(
λ
λ
λ
ϕλ
z
ここに,x(λ),y(λ),z(λ):
CIE等色関数(番号7-44)で
あり,X10,Y10,Z10について
も同様
X,Y,Zは,CIE 1931表色系で用い
る。
X10,Y10,Z10は,CIE 1964表色系で
用いる。
光源については,kをk=Kmになる
ように選ぶ。ここに,Kmは最大分光
視感効果度(番号7-29)である。
物体色については,φλ(λ)は,次の三
つの積の一つとして得られる。
=
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
λ
β
λ
τ
λ
ρ
λ
λ
ϕ
λ
λ
S
ここに,Sλ(λ):物体を照明する光源
を規定する量の相対
分光分布
ρ(λ):分光反射率(番号
7-22.2)
τ(λ):分光透過率(番号
7-22.3)
β(λ):分光放射輝度率(番
号7-24.1)
()()
∫∞
=
0
d
100
:
λ
λ
λ
λ
y
S
k
k
になるように選ぶ。
7-44
(6-38)
CIE等色関数(CIE
colour-matching
functions)
)
(λ
x
,
)
(λ
y
,
)
(λ
z
)
(
10λ
x
,
)
(
10λ
y
,
)
(
10λ
z
同一の放射パワーによる複数の単色光
刺激の三刺激値。
)
(λ
x
,
)
(λ
y
,
)
(λ
z
の値はCIE 1931
表色系(2°視野)の中で定義されて
おり,1°から4°までの視野につい
て適用可能。
1931年に国際照明委員会(CIE)は
“CIE 1931色空間”を作成した。
)
(
10λ
x
,
)
(
10λ
y
,
)
(
10λ
z
の値はCIE 1964
表色系(10°視野)の中で定義され
ており,4°を超える視野に適用可
能。
7-45
(6-39)
色
度
座
標
(chromaticity
coordinates)
x,
y,
z
x10,
y10,
z10
三刺激値の総計に対する三色の各々比
率,すなわち,
x=X/(X+Y+Z),
y=Y/(X+Y+Z),
z=Z/(X+Y+Z)
また,同様の表現をx10,y10,z10に適用
する。
x,y,zの値は,CIE 1931表色系(2°
視野)に記載。
x10,y10,z10の値は,CIE 1964表色系
(10°視野)に記載。
x+y+z=1であるから,
x,yの2変数で色度を表すことがで
きる。
7-46
(−)
色温度(colour
temperature)
Tc
対象の色度座標(番号7-45)と同じ色
度座標を与える黒体の温度。
27
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-43.a
説明参照
[X]=[Y]=[Z]=[k]・m
より詳細には,例えば,参考文献[3]
参照。
7-44.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-45.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-46.a
ケルビン(kelvin) K
28
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-47.1
(−)
視感吸収率
(luminous
absorptance)
αv
入射放射の光束Φv, m(番号7-32)と吸
収光束Φv,α(番号7-32)の比,すなわ
ち,
αv=Φv,α/Φv, m
分光反射率ρ(λ)(番号7-22.2)から,
視感反射率は,次式による。
ρv=∫∫
∞
∞
0
0
d)
(
)
(
d)
(
)
(
)
(
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
V
Φ
V
Φ
p
ここに,Φλ(λ):光源の分光放射束(又
は相対分光分布)
V(λ):分光視感効率(番号
7-28)
視感吸収率及び視感透過率について
も同様である。
番号7-22.1,7-22.2及び7-22.3参照。
7-47.2
(−)
視感反射率
(luminous
reflectance)
ρv
入射放射の光束Φv, m(番号7-32)と反
射光束Φv,ρ(番号7-32)の比,すなわ
ち,
ρv=Φv,ρ/Φv, m
7-47.3
(−)
視感透過率
(luminous
transmittance)
τv
入射放射の光束Φv, m(番号7-32)と透
過光束Φv,τ(番号7-32)の比,すなわ
ち,
τv=Φv,τ/Φv, m
7-48
(−)
輝度率(luminance
factor)
β,
(βv)
所定の方向の表面要素の輝度Lv,nの,
同様に照明された完全拡散反射体又は
完全拡散透過体の輝度Lv,d(番号7-37)
に対する比,
β=Lv,n/Lv,d
輝度率は,番号7-47の説明と同様の
式を用いて,分光放射輝度率β(λ)(番
号7-24.1)から計算できる。
類似した放射量については,番号
7-24.1参照。
7-49
(6-22)
光子数(photon
number)
Np,
(Q p)
周波数ν(番号7-1)の単色放射につい
て,
Np=Q/hν
ここに,Q:放射エネルギー(番号7-6)
h:プランクの定数[ISO
80000-10(番号10-6.1)]
低エネルギーでは,光子数は平均値
であると考えられる。
記号νはギリシャ文字のニューであ
る。
7-50
(6-23)
光子束(photon
flux)
Φp,
Φ
ある時間間隔の中で放射,透過又は吸
収された光子の数dNp(番号7-49)を
その継続時間dt[JIS Z 8000-3(番号
3-7)]で除した商,すなわち,
Φp=dNp/dt
光子束Φpと分光放射束Φλ(λ)との関
係は,
Φp=
()
∫
0
hc
Φ
λ
λ
λ
dλ
ここに,h:プランクの定数[ISO
80000-10(番号10-6.1)]
c0:真空中の光の速さ(番
号7-4.1)
類似した放射量については,番号
7-13参照。類似した測光量について
は,番号7-32参照。
7-51
(6-24)
光子強度(photon
intensity)
Ip,I
ある範囲の方向に向けて光源又はその
一部から発する光子束dΦp(番号7-50)
を,その方向の立体角dΩ[JIS Z 8000-3
(番号3-6)]で除したもの,すなわち,
Ip=dΦp/dΩ
類似した放射量については,番号
7-14参照。類似した測光量について
は,番号7-35参照。
7-52
(6-25)
光子輝度(photon
luminance, photon
radiance)
Lp,L
ある表面上のある点のある方向におい
て,その表面要素の光子強度dIp(番号
7-51)を,その方向に垂直な平面への
その表面要素の正射影の面積dA[JIS Z
8000-3(番号3-3)]で除したもの,す
なわち,
Lp=dIp/dA
類似した放射量については,番号
7-15参照。類似した測光量について
は,番号7-37参照。
29
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-47.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-48.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-49.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
7-50.a
毎秒(second to the
power minus one)
s−1
7-51.a
毎秒毎ステラジ
アン(second to the
power minus one
per steradian)
s−1・sr−1
7-52.a
毎秒毎ステラジ
アン毎平方メー
トル(second to the
power minus one
per steradian metre
squared)
s−1・sr−1・
m−2
30
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-53
(6-26)
光子発散度(photon
exitance)
Mp,M ある表面のある点において,表面要素
から発する光子束dΦp(番号7-50)を
その表面要素の面積dA[JIS Z 8000-3
(番号3-3)]で除したもの,すなわち,
Mp=dΦp/dA
類似した放射量については,番号
7-18参照。類似した測光量について
は,番号7-40参照。
7-54
(6-27)
光子照度(photon
irradiance)
Ep,E
ある表面上のある点において,表面要
素に入射する光子束dΦp(番号7-50)
をその表面要素の面積dA[JIS Z 8000-3
(番号3-3)]で除したもの,すなわち,
Ep=dΦp/dA
類似した放射量については,番号
7-19参照。類似した測光量について
は,番号7-36参照。
7-55
(6-28)
光子露光量(photon
exposure)
Hp,H 継続時間Δt[JIS Z 8000-3(番号3-7)]
中の光子照度Ep(番号7-54)の時間積
分,すなわち,
Hp=∫∆t
t
E
0
pd
類似した放射量については,番号
7-20参照。類似した測光量について
は,番号7-41参照。
7-56
(6-18)
ステファン・ボル
ツマン定数
(Stefan-Boltzmann
constant)
σ
熱力学温度T[JIS Z 8000-5(番号5-1)]
における黒体の放射発散度(番号7-18)
を示す式の定数σ,すなわち,
M=σT4
σ=5.670 400(40)×10−8
W・m−2・K−4
CODATA 2006 [4]参照。
さらに,
σ=2π5k4/15h3c02
ここに,k:ボルツマン定数[(ISO
80000-9(番号9-43)]
h:プランクの定数[(ISO
80000-10(番号10-6.1)]
c0:真空中の光の速さ(番
号7-4.1)
7-57
(6-19)
放射第一定数(first
radiation constant)
c1
熱力学温度T[JIS Z 8000-5(番号5-1)]
における黒体の分光放射発散度(番号
7-18)を示す式の定数c1及びc2,すな
わち,
Mλ(λ)=c1f(λ,T)=
c1・[λ−5/exp(c2λ−1 T−1)−1]
c1=3.741 771 18(19)×10−16 W・m2
c2=1.468 775 2(25)×10−2 m・K
CODATA 2006 [4]参照。
さらに,c1=2πhc02かつ,c2=hc0/k
ここに,k:ボルツマン定数[(ISO
80000-9(番号9-43)]
h:プランク定数[(ISO
80000-10(番号10-6.1)]
c0:真空中の光の速さ(番
号7-4.1)
名称“放射第一定数”は,wλ及びLλ(λ)
の表現に対応する因子8πhc0及び
hc02としても用いている(番号7-13
説明及び番号7-15参照)
7-58
(6-20)
放射第二定数
(second radiation
constant)
c2
31
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-53.a
毎秒毎平方メー
トル(second to the
power minus one
per metre squared)
s−1・m−2
7-54.a
毎秒毎平方メー
トル(second to the
power minus one
per metre squared)
s−1・m−2
7-55.a
毎平方メートル
(metre to the
power minus two)
m−2
7-56.a
ワット毎平方メ
ートル毎ケルビ
ン4乗
(watt per metre
squared kelvin to
the power four)
W・m−2・
K−4
7-57.a
ワット平方メー
トル(watt metre
squared)
W・m2
7-58.a
メートルケルビ
ン(metre kelvin)
m・K
32
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光
量
番号
名称
記号
定義
説明
7-59.1
(6-45.1)
物体距離(object
distance)
p
光軸(レンズの中心軸)において,物
体から光軸に最も接近している(レン
ズ)表面への距離[JIS Z 8000-3(番号
3-1.9)]
距離は,光の流れ方向をプラス,反
対の方向をマイナスにとる。したが
って,薄い単レンズの場合,
f '=−fかつ,
f
p
p'
1
1
1
=
−
f '=−fの場合,絶対値|f|を焦点距離
という。
7-59.2
(6-45.2)
像距離(image
distance)
p'
光軸(レンズの中心軸)において,物
体の像から光軸に最も接近している
(レンズ)表面への距離[JIS Z 8000-3
(番号3-1.9)]
7-59.3
(−)
物側焦点距離
(object focal
distance)
f
光軸(レンズの中心軸)において,物
側の焦点から光軸に最も接近している
(レンズ)表面への距離[JIS Z 8000-3
(番号3-1.9)]
7-59.4
(−)
像側焦点距離
(image focal
distance)
f '
光軸(レンズの中心軸)において,像
側の焦点から光軸に最も接近している
(レンズ)表面への距離[JIS Z 8000-3
(番号3-1.9)]
7-60
(6-46)
屈折力(lens power) φ
光学系の焦点特性を特徴付ける代数
量,すなわち,
f
1
=
ϕ
ここに,f:物側焦点距離(番号7-59.3)
7-61
(−)
直線偏光度
(degree of linear
polarization)
P
P=(I0−I1)/(I0+I1)
ここに,I0:透過強度が最大になるよう
に設定された理想的な偏
光子を通過した放射強度
(番号7-14)又は光度(番
号7-35)
I1:偏光子がその方向に垂直に
設定された場合の強度
円偏光度は1/4波長板によって観察
できる。
33
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
光
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
7-59.a
メートル(metre) m
7-60.a
毎メートル(metre
to the power minus
one)
m−1
光学では,ジオプトリ(D)を用いるこ
ともある。
1 D=1 m−1
7-61.a
(数の)1(one) 1
0.3.2参照。
34
Z 8000-7:2014 (ISO 80000-7:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
[1] JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部:一般
注記 対応国際規格:ISO 80000-1,Quantities and units−Part 1: General(MOD)
[2] IEC 60050-845:1987,International Electrotechnical Vocabulary−Part 845: Lighting [identical to the
International Commission on Illumination (CIE) document IEC/CIE 017.4-1987, International Lighting
Vocabulary](国際電気技術用語集)−第845部:照明[国際照明委員会(CIE)文書IEC/CIE 017.4-1987,
国際照明用語集と同一]
[3] BIPM Monograph: Principles Governing Photometry (1983)[BIPMモノグラフ:測光管理基準(1983)]
[4] MOHR, P. J., TAYLOR, B. N. and NEWELL, D. B.1) The 2006 CODATA Recommended Values of the
Fundamental Physical Constants (Web Version 5.0), 2007
[2006年CODATA“基礎物理定数推奨値(ウェブ第5.0版)2007年”]
注1) このデータベースは,J・Baker,M. Douma, S. Kotochigovaによって改訂された。
http://physics.nist.gov/Constants
[2008年5月13日 NIST(米国標準技術研究所,USA)]
[5] The International System of Units, 8th edition, BIPM, 2006 (SI Brochure)
[6] 国際単位系,第8版,BIPM,2006年(SI刊行物)