Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
(1)
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
0.1 表の配列 ······················································································································ 1
0.2 量の表 ························································································································· 1
0.3 単位の表 ······················································································································ 1
0.4 この規格における数値の記述···························································································· 2
0.5 特記事項 ······················································································································ 3
1 適用範囲 ························································································································· 3
2 引用規格 ························································································································· 3
3 名称,記号及び定義 ·········································································································· 4
附属書A(参考)特別な名称をもつガウス系CGS単位 ······························································· 28
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工
業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 8202-5:2000は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8000の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 8000-1 第1部:一般
JIS Z 8000-3 第3部:空間及び時間
JIS Z 8000-4 第4部:力学
JIS Z 8000-5 第5部:熱力学
JIS Z 8000-6 第6部:電磁気
JIS Z 8000-7 第7部:光
JIS Z 8000-8 第8部:音
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日本工業規格 JIS
Z 8000-6:2014
(IEC 80000-6:2008)
量及び単位−第6部:電磁気
Quantities and units-Part 6: Electromagnetism
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたIEC 80000-6を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
0.1
表の配列
この規格の量及び単位の表は,量を左側のページに配列し,単位を対応する右側のページに配列する。
右のページの2本の横実線の間にある全ての単位は,左側ページの対応する実線の間の量に属する。
左側のページの量を表す番号の下には,括弧を付けて旧規格(JIS Z 8202-5)で規定した項目の番号を示
す。
なお,旧規格にその項目がなかった場合には,“−(ダッシュ)”でそのことを示す。
0.2
量の表
この規格で扱う分野において最も重要な量について,その名称及び記号を示すとともに,ほとんどの場
合に,その定義を併せて示す。これらの名称及び記号は,推奨である。これらの定義は,国際量体系(ISQ)
における量の識別のためであり,左側のページに列挙している。これらの定義は,必ずしも完全なもので
はない。
量のスカラー文字,ベクトル文字又はテンソル文字は,特に定義のために必要な場合に示している。
多くの場合,ある量に対しては一つの名称と一つの記号とを示す。一つの量に対して二つ以上の名称又
は二つ以上の記号を併記し,特に区別をしていない場合には,互いに対等な関係にある。斜体の文字に2
種類の字体がある場合(例えば,ϑ及びθ,ϕ及びφ,a及びa,g及びg),いずれか一方だけを示している
が,他方は対等に使用できないという意味ではない。このような異なる字体にそれぞれ異なる意味を与え
ないことを推奨する。括弧内の記号は,予備の記号である。したがって,特別の関係の下で主要記号を異
なる意味で用いる場合には,これら予備の記号を用いる。
0.3
単位の表
0.3.1
一般
量に対する単位の名称を,記号及び定義とともに示す。これらの単位の名称は言語によって異なるが,
記号は国際的なものであり,また,全ての言語において同一である。詳細情報については,国際度量衡局
(BIPM: Bureau International des Poids et Mesures)から発行されているSI文書(2006年第8版)及びJIS Z
8000-1を参照する。
2
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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単位は,次のように配列している。
a) 一貫性のある国際単位系(SI: Système International d'Unités)を最初に示す。SI単位は,国際度量衡総
会(CGPM: Conférence Générale des Poids et Mesures)で採択されたものである。一貫性のあるSI単位
の使用を推奨する。明示的に記載していない場合であっても,SI接頭語を付した10進の倍量及び分
量を推奨する。
b) 次に,国際度量衡委員会(CIPM: Comité International des Poids et Mesures)若しくは国際法定計量機関
(OIML: Organisation Internationale de Métrologie Légale),又はISO及びIECがSI単位と併用すること
を認めている,一部の非SI単位を示す。
これらの非SI単位は,項目内を点線で区切って,SI単位と区別している。
c) 推奨しない非SI単位として,特別な名称をもつガウス系CGS単位を,附属書Aに示す。この附属書
は換算率のためのものであり,参考であって,規格の一部ではない。
0.3.2
次元1又は無次元量に関する注意事項
無次元量とも呼ばれる次元1のいかなる量に対しても一貫性のある単位は,数の1,記号は1である。
このような量の値を表すときには,一般に,単位の記号1は明示しない。
例1 屈折率 n=1.53×1=1.53
この単位の記号1の倍量又は分量を示すために接頭語を用いてはならない。接頭語の代わりに,10のべ
き乗を用いることが望ましい。
例2 レイノルズ数 Re=1.32×103
通常,平面角は二つの長さの比として,また,立体角は二つの面積の比として表されることを考慮して,
CGPMは1995年,SI単位においてラジアン(rad)及びステラジアン(sr)を無次元の組立単位とするこ
とを規定した。これは,平面角及び立体角という量は,次元1の組立量とみなせることを意味する。した
がって,ラジアン及びステラジアンの単位は次元1に等しい。これらは省略してもよいし,又は種類が異
なるが同じ次元をもつ量を区別しやすくするために,組立単位の表現に用いてもよい。
0.4
この規格における数値の記述
記号“=”は“〜に完全に等しい”ことを,記号“≈”は“〜にほぼ等しい”ことを,また,記号“:=”
は“〜に定義上等しい”ことを表している。
注記 国際規格では,“≈”を用いることになっているが,“=”又は“≒”を使用してもよい。また,
国際規格では,“:=”を用いることになっているが,“=”又は“≡”を使用してもよい。
なお,この規格の箇条3以降では“:=”を全て“=”で表した。
実験的に決定された物理量の数値は,常に測定の不確かさを伴っている。この不確かさは,常に明示す
ることが望ましい。この規格では,不確かさの度合いを次の例のように表している。
例 l=2.347 82 (32) m
この例では,l=a(b) m,すなわち,括弧書きで示した不確かさbの数値は,長さlの数値aの最終(及
び最下位)桁に当てはまるものと仮定している。この表し方は,bがaの最終桁の標準不確かさ(標準偏
差の推定値)を表している場合に用いる。上に示した数値の例は,長さl(lをメートル単位で表す場合)
の最良の推定数値が2.347 82であること,及び未知のlの値は,標準不確かさである0.000 32 mとl値の
確率分布によって決まる確率とによって,(2.347 82−0.000 32) mと(2.347 82+0.000 32) mとの間にあると
信じられることを意味すると解してよい。
3
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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0.5
特記事項
0.5.1
一般
この規格に掲げた項目は,一般に,国際電気技術用語集(IEV),特にIEC 60050-121及びIEC 60050-131
に整合している。各量のIEVへの参照は“IEC 60050-121(番号121-xx-xxx)参照”として記載している。
0.5.2
量体系
電磁気では,系の基礎となる基本量の数及び選び方によって種々の異なった量体系を用いてきた。しか
し,電磁気及び電気工学では,国際量体系,ISQ及び関連する国際単位系,SIだけが承認され,ISO及び
IECの標準に反映されている。SIにはメートル(m),キログラム(kg),秒(s)及びアンペア(A)を含
む七つの基本単位がある。
0.5.3
量の複素表現
時間的に変動する量及びそれらの複素表現については,IECは,記号を二つの方法で標準化している。
一般に大文字及び下付文字は,電流(番号6-1),電圧(番号6-11.3)に使用され,他の量には符号を付け
加える。これらはIEC 60027-1に規定されている。
例1 電流(番号6-1)の時間による正弦的な変動は,次のように実数表現で表すことができる。
)
(
cos
2
ϕ
ω−
=
t
I
i
また,その複素表現(フェーザと称する)は,次のように表す。
I=I e−jφ
ここに,
i: 電流の瞬時値
I: 電流の実効値(二乗平均値の平方根)
(ωt−φ): 位相
φ: 初期位相
例2 磁束(番号6-22.1)の時間による正弦的な変動は,次のように実数表現で表すことができる。
)
(
cos
2
)
(
cos
ˆ
eff
ϕ
ω
ϕ
ω
−
=
−
=
t
Φ
t
Φ
Φ
ここに,
Φ: 磁束の瞬時値
Φˆ: 最高値
Φeff: 実効値
1
適用範囲
この規格は,電磁気の量並びに単位に関する,名称,記号及び定義について規定する。また,この規格
は,必要に応じて換算率についても規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 80000-6:2008,Quantities and units−Part 6: Electromagnetism(IDT)
なお,対応の程度を示す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部:一般
注記 対応国際規格:ISO 80000-1,Quantities and units−Part 1: General(MOD)
JIS Z 8000-3 量及び単位−第3部:空間及び時間
4
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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注記 対応国際規格:ISO 80000-3,Quantities and units−Part 3: Space and time(IDT)
JIS Z 8000-4 量及び単位−第4部:力学
注記 対応国際規格:ISO 80000-4,Quantities and units−Part 4: Mechanics(IDT)
IEC 60027-1,Letter symbols to be used in electrical technology−Part 1: General
IEC 60050-111,International electrotechnical vocabulary−Chapter 111: Physics and chemistry
IEC 60050-121,International electrotechnical vocabulary−Part 121: Electromagnetism
IEC 60050-131,International electrotechnical vocabulary−Part 131: Circuit theory
3
名称,記号及び定義
電磁気の量及び単位に関する名称,記号及び定義は,次による。
5
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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白 紙
6
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-1
(5-1)
電流(electric current) I,i
電流は,国際量体系(ISQ)の基
本量の一つ。
電流はアンメータ(電流計)によ
って測定することができる量で
ある。面を流れる電流は,ある時
間間隔の間に表面を移動した電
荷(番号6-2)をその継続時間で
除した商である。より詳しい定義
については,番号6-8及びIEC
60050-121(番号121-11-13)参照。
6-2
(5-2)
電荷(electric charge) Q,q
dQ=Idt
ここに,I:電流(番号6-1)
t:時間[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]
電荷は個別の粒子によって運ば
れ,正又は負である。電気素量e,
すなわち,陽子の電荷が正になる
ように記号を取り決めている。
IEC 60050-121(番号121-11-01)
参照。
点電荷qの表示を使用することも
ある。それはこの規格でも使用し
ている。
6-3
(5-3)
電荷密度(electric charge
density),体積電荷
(volumic electric
charge)
ρ,ρV
V
Q
d
d
=
ρ
ここに,Q:電荷(番号6-2)
V:体積[JIS Z 8000-3
(番号3-4)]
IEC 60050-121(番号121-11-07)
参照。
6-4
(5-4)
電荷の表面密度
(surface density of
electric charge),表面電
荷(areic
electric
charge)
ρA,σ
A
Q
A
d
d
=
ρ
ここに,Q:電荷(番号6-2)
A:面積[JIS Z 8000-3
(番号3-3)]
IEC 60050-121(番号121-11-08)
参照。
6-5
(−)
電荷の線密度(linear
density of electric
charge),電荷線密度
(lineic electric charge)
ρl,τ
l
Q
l
d
d
=
ρ
ここに,Q:電荷(番号6-2)
l:長さ[JIS Z 8000-3
(番号3-1.1)]
IEC 60050-121(番号121-11-09)
参照。
6-6
(5-14)
電気双極子モーメント
(electric dipole
moment)
p
p=q (r+−r−)
ここに,r+:電荷q(番号6-2)の
キャリヤの位置ベク
トル[JIS Z 8000-3
(番号3-1.11)]
r−:電荷−q(番号6-2)
のキャリヤの位置ベ
クトル[JIS Z 8000-3
(番号3-1.11)]
ある領域でのある物質の電気双
極子モーメントは,その領域に含
まれる全ての電気分極の電気双
極子モーメントのベクトル和。
IEC 60050-121(番号121-11-35及
び121-11-36)参照。
7
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-1.a
アンペア(ampere)
A
アンペアは,真空中に1メートル
の間隔で平行に置いた,無限に小
さい円形断面積をもつ無限に長い
2本の導体のそれぞれを流れ,こ
れらの導体の1メートルの長さに
つき2×10−7ニュートンの力を及
ぼし合う一定の電流。
[第9回CGPM (1948)]
この定義では,磁気定数μ0(番号
6-26.1)が正確に4π×10−7 H/mで
あることを意味する。
この定義では,“線形力”又は“長
さ当たりの力”の代わりに“力”
を用いる。したがって,定義文は
“これらの導体1メートルごとに
2×10−7ニュートンの力を及ぼし
合う一定の電流”の意味である。
6-2.a
クーロン(coulomb)
C
1 C=1 A・s
蓄電池のような電解装置にはアン
ペア時を用いる。
1 A・h=3.6 kC
6-3.a
クーロン毎立方メート
ル(coulomb per cubic
metre)
C/m3
6-4.a
クーロン毎平方メート
ル(coulomb per square
metre)
C/m2
6-5.a
クーロン毎メートル
(coulomb per metre)
C/m
6-6.a
クーロンメートル
(coulomb metre)
C・m
8
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-7
(5-13)
電気分極(electric
polarization)
P
P=dp/dV
ここに,p:体積V[JIS Z 8000-3
(番号3-4)]の領域
内の物質の電気双極
子モーメント(番号
6-6)
IEC 60050-121(番号121-11-37)
参照。
6-8
(5-15)
電流密度(electric
current density),電流面
密度(areic electric
current)
J
J=ρv
ここに,ρ:電荷密度(番号6-3)
v:速度[JIS Z 8000-3
(番号3-8.1)]
面Sを通過する電流I(番号6-1)
は,
∫
=
S
ndA
I
e
J
ここに,en dA:表面要素ベクトル
IEC 60050-121(番
号121-11-11)参照。
6-9
(5-16)
線電流密度(linear
electric current
density),電流線密度
(lineic electric current)
JS
JS=ρAv
ここに,ρA:電荷の表面密度(番
号6-4)
v:速度[JIS Z 8000-3
(番号3-8.1)]
面上のC曲線を通過する電流I(番
号6-1)は,
∫
×
=
C
n
S
dr
e
J
I
ここに,en:面と線ベクトル要素
とに垂直な単位
dr:位置ベクトルrの微
分値
IEC 60050-121(番号121-11-12)
参照。
6-10
(5-5)
電界強度,電界の強さ
(electric field strength)
E
E=F/q
ここに,F:力[JIS Z 8000-4(番
号4-9.1)]
q:電荷(番号6-2)
IEC 60050-121(番号121-11-18)
参照。
q:静止状態の点電荷。
9
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-7.a
クーロン毎平方メート
ル(coulomb per metre
squared)
C/m2
6-8.a
アンペア毎平方メート
ル(ampere per square
metre)
A/m2
6-9.a
アンペア毎メートル
(ampere per metre)
A/m
6-10.a
ボルト毎メートル
(volt per metre)
V/m
1 V/m=1 N/C
ボルトの定義については,番号
6-11.aを参照。
10
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
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電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-11.1
(5-6.1)
電位(electric potential) V,φ
−grad V=E+t∂∂A
ここに,E:電界強度(番号6-10)
A:磁気ベクトルポテン
シャル(番号6-32)
t:時間[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]
勾配を変更せずに場の量のスカラ
ー定数を加えることが可能であ
る。
IEC 60050-121(番号121-11-25)
参照。
6-11.2
(5-6.2)
電位差(electric
potential difference)
Vab
r
A
E
r
d
b
a
)
C
(
ab
∂
∂
+
=∫r
t
V
ここに,E:電界強度(番号6-10)
A:磁気ベクトルポテン
シャル(番号6-32)
t:時間[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]
r:曲線Cに沿ってa点か
らb点までの位置ベク
トル[JIS Z 8000-3(番
号3-1.11)]
Vab=Va−Vb
ここに,Va:a点の電位
Vb:b点の電位
IEC 60050-121(番号121-11-26)
参照。
6-11.3
(5-6.2)
電圧(voltage, electric
tension)
U,Uab
電気回路理論において,
Uab=Va−Vb
ここに,Va:a点の電位
Vb:b点の電位
(番号6-11.1)
ある媒体の電界では
r
Ed
b
a
)
C
(
ab
=∫r
r
U
ここに,E:電界強度(番号6-10),
r:曲線Cのa点からb
点までの位置ベクト
ル[JIS Z 8000-3(番
号3-1.11)]
渦なし電場においては,電圧は経
路の選び方に依存しない。
IEC 60050-121(番号121-11-27)
参照。
6-12
(5-7)
電束密度(electric flux
density),電気変位
(electric displacement)
D
D=ε0E+P
ここに,ε0:絶対誘電率(番号
6-14.1)
E:電界強度(番号6-10)
P:電気分極(番号6-7)
電束密度と電荷密度の関係は次の
式による。
divD=ρ
ここに,div:発散
IEC 60050-121(番号121-11-40)
参照。
6-13
(5-9)
静電容量,キャパシタ
ンス(capacitance)
C
C=Q/U
ここに,Q:電荷(番号6-2)
U:電圧(6-11.3)
IEC 60050-131(番号131-12-13)
参照。
6-14.1
(5-10.2)
電気定数(electric
constant),真空の誘電
率(permittivity of
vacuum)
ε0
ε0=1/μ0c02
ここに,μ0:磁気定数(番号6-26.1)
c0:光速(番号6-35.2)
ε0 ≈ 8.854 188×10−12 F/m
IEC 60050-121(番号121-11-03)
参照。
6-14.2
(5-10.1)
誘電率(permittivity)
ε
D=εE
ここに,D:電束密度(番号6-12)
E:電界強度(番号6-10)
この定義は等方媒質に適用する。
不等方媒質については,誘電率は
2階テンソルである。
IEC 60050-121(番号121-12-12)
参照。
11
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-11.a
ボルト(volt)
V
1 V=1 W/A
6-12.a
クーロン毎平方メート
ル(coulomb per metre
squared)
C/m2
6-13.a
ファラド(farad)
F
1 F=1 C/V
6-14.a
ファラド毎メートル
(farad per metre)
F/m
1 F/m=1 C/(V・m)
12
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-15
(5-11)
比誘電率(relative
permittivity)
εr
εr=ε/ε0
ここに,ε:誘電率(番号6-14.2)
ε0:絶対誘電率(番号
6-14.1)
IEC 60050-121(番号121-12-13)
参照。
6-16
(5-12)
電気感受率(electric
susceptibility)
χ
P=ε0χE
ここに,P:電気分極(番号6-7)
ε0:絶対誘電率(番号
6-14.1)
E:電界強度(番号6-10)
χ=εr−1
この定義は等方媒質に適用する。
不等方媒質については,電気感受
率は2階テンソルである。
IEC 60050-121(番号121-12-19)
参照。
6-17
(5-8)
電束(electric flux)
Ψ
∫
=
S
d
nA
Ψ
e
D
表面Sにおいて,
D:電束密度(番号6-12)
en dA:ベクトル面積要素
[JIS Z 8000-3(番
号3-3)]
IEC 60050-121(番号121-11-41)
参照。
6-18
(−)
変位電流密度
(displacement current
density)
JD
t
D
∂
∂
=D
J
ここに,D:電束密度(番号6-12)
t:時間[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]
IEC 60050-121(番号121-11-42)
参照。
6-19.1
(−)
変位電流
(displacement current)
ID
∫
=
S
ndA
I
D
D
e
J
面Sにおいて,
JD:変位電流密度(番号
6-18)
endA:ベクトル面積要素
[JIS Z 8000-3(番
号3-3)]
IEC 60050-121(番号121-11-43)
参照。
6-19.2
(−)
全電流(total current) Itot,It
Itot=I+ID
ここに,I:電流(番号6-1)
ID:変位電流(番号6-19.1)
IEC 60050-121(番号121-11-45)
参照。
6-20
(−)
全電流密度(total
current density)
Jtot,Jt
Jtot=J+JD
ここに,J:電流密度(番号6-8)
JD:変位電流密度(番号
6-18)
IEC 60050-121(番号121-11-44)
参照。
6-21
(5-19)
磁束密度(magnetic
flux density)
B
F=qv×B
ここに,F:力[JIS Z 8000-4(番
号4-9.1)]
v:電荷q(番号6-2)を
もつ任意の粒子の速
度[JIS Z 8000-3(番
号3-8.1)]
磁束密度は,ゼロ発散である。
div B=0
IEC 60050-121(番号121-11-19)
参照。
13
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-15.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-16.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-17.a
クーロン(coulomb)
C
6-18.a
アンペア毎平方メート
ル(ampere per square
metre)
A/m2
6-19.a
アンペア(ampere)
A
6-20.a
アンペア毎平方メート
ル(ampere per square
metre)
A/m2
6-21.a
テスラ(tesla)
T
1 T=1 N/(A・m)
1 T=1 Wb/m2
14
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-22.1
(5-20)
磁束(magnetic flux)
Φ
∫
=
S
ndA
Φ
e
B
表面Sにおいて,
B:磁束密度(番号6-21)
en dA:ベクトル面積要素
[JIS Z 8000-3(番
号3-3)]
IEC 60050-121(番号121-11-21)
参照。
6-22.2
(−)
全磁束(linked flux)
Ψm,Ψ
∫
=
C
m
dr
A
Ψ
ここに,A:磁気ベクトルポテン
シャル(番号6-32)
dr:曲線Cの線ベクトル
要素
線ベクトル要素drは位置ベクト
ルr[JIS Z 8000-3(番号3-1.11)]
の微分値。
IEC 60050-121(番号121-11-24)
参照。
6-23
(5-27)
磁気モーメント
(magnetic moment),
面磁気モーメント
(magnetic area moment)
m
m=I en A
ここに,I:小閉ループの中の電流
(番号6-1)
en:ループに垂直な単位
ベクトル
A:ループの面積[JIS Z
8000-3(番号3-3)]
ある領域においてある物質の磁気
モーメントは,その領域に含まれ
る,全ての実在物の磁気モーメン
トのベクトル和である。
IEC 60050-121(番号121-11-49及
び121-11-50)参照。
6-24
(5-28)
磁化(magnetization)
M,Hi
M=dm/dV
ここに,m:体積V[JIS Z 8000-3
(番号3-4)]をもつ
領域内の物質の磁気
モーメント(番号
6-23)
IEC 60050-121(番号121-11-52)
参照。
6-25
(5-17)
磁界強度(magnetic
field strength,
magnetizing field)
H
M
B
H
−
=
0
μ
ここに,B:磁束密度(番号6-21)
μ0:磁気定数(番号
6-26.1)
M:磁化(番号6-24)
磁界強度は,電流密度Jtot(番号
6-20)と次の関係がある。
rot H=Jtot
IEC 60050-121(番号121-11-56)
参照。
6-26.1
(5-24.2)
磁気定数(magnetic
constant),真空の透磁
率(permeability of
vacuum)
μ0
μ0=4 π×10−7 H/m
μ0の定義については番号6-1.a参
照。
μ0≈1.256 637×10−6 H/m
IEC 60050-121(番号121-11-14)
参照。
6-26.2
(5-24.1)
透磁率(permeability) μ
B=μH
ここに,B:磁束密度(番号6-21)
H:磁界強度(番号6-25)
この定義は等方媒質に適用する。
不等方媒質については,透磁率は
2階テンソルである。
IEC 60050-121(番号121-12-28)
参照。
6-27
(5-25)
比透磁率(relative
permeability)
μr
μr=μ/μ0
ここに,μ:透磁率(番号6-26.2)
μ0:磁気定数(番号
6-26.1)
IEC 60050-121(番号121-12-29)
参照。
15
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-22.a
ウェーバ(weber)
Wb
1 Wb=1 V・s
6-23.a
アンペア平方メートル
(ampere square metre)
A・m2
6-24.a
アンペア毎メートル
(ampere per metre)
A/m
6-25.a
アンペア毎メートル
(ampere per metre)
A/m
6-26.a
ヘンリー毎メートル
(henry per metre)
H/m
1 H/m=1 V・s/(A・m)
ヘンリーの定義については番号
6-37.a参照。
6-27.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
16
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-28
(5-26)
磁化率(magnetic
susceptibility)
κ,(χm)
M=κH
ここに,M:磁化(番号6-24)
H:磁界強度(番号6-25)
κ=μr−1
この定義は等方媒質に適用する。
不等方媒質の場合,磁化率は2階
テンソルである。
IEC 60050-121(番号121-12-37)
参照。
6-29
(5-29)
磁気分極(magnetic
polarization)
Jm
Jm=μ0M
ここに,μ0:磁気定数(番号6-26.1)
M:磁化(番号6-24)
IEC 60050-121(番号121-11-54)
参照。
6-30
(−)
磁気双極子モーメント
(magnetic dipole
moment)
jm,j
jm=μ0m
ここに,μ0:磁気定数(番号6-26.1)
m:磁気モーメント
(番号6-23)
IEC 60050-121(番号121-11-55)
参照。
6-31
(−)
保磁力(coercivity)
Hc, B
物質の磁束密度を,その残存磁束
密度(番号6-21)から0にする磁
界強度(番号6-25)
IEC 60050-121(番号121-12-69)
参照。
保持場強度とも呼ぶ。
6-32
(5-21)
磁気ベクトルポテンシ
ャル(magnetic vector
potential)
A
B=rot A
ここに,B:磁束密度(番号6-21)
その回転を変更せずに,任意の渦
なしベクトル場を加えることがで
きる。IEC 60050-121(番号
121-11-23)参照。
6-33
(5-30)
電磁エネルギー密度
(electromagnetic-energy
density),体積電磁エネ
ルギー(volumic
electromagnetic energy)
w
w=(1/2)(E・D+B・H)
ここに,E:電界強度(番号6-10)
D:電束密度(番号6-12)
B:磁束密度(番号6-21)
H:磁界強度(番号6-25)
IEC 60050-121(番号121-11-65)
参照。
6-34
(5-31)
ポインティングベクト
ル(Poynting vector)
S
S=E×H
ここに,E:電界強度(番号6-10)
H:磁界強度(番号6-25)
IEC 60050-121(番号121-11-66)
参照。
6-35.1
(5-32.1)
電磁波の位相速さ
(phase speed of
electromagnetic waves)
c
c=ω/k
ここに,ω:角周波数[JIS Z 8000-3
(番号3-16)]
k:角波数[JIS Z 8000-3
(番号3-19)]である。
JIS Z 8000-3(番号3-20.1)参照。
6-35.2
(5-32.2)
光の速さ(speed of
light),光速(light
speed)
c0
真空中の電磁波の速さ
c0=299 792 458 m/s
c0の値については,
JIS Z 8000-3(番号3-1.a)参照。
0
0
/1
0
μ
ε
c=
IEC 60050-111(番号111-13-07)
参照。
6-36
(5-6.3)
電源電圧(source
voltage, source tension)
[起電力(electromotive
force)]
Us
電源を通る電流(番号6-1)がな
い場合の電圧源の2極間の電圧
(番号6-11.3)
略語EMF及び記号Eで表す,“起
電力”(electromotive force)を用い
ることは,ISOでは推奨していな
い。
注記 我が国では“起電力”を,
計量法で用いている。
IEC 60050-131(番号131-12-22)
参照。
17
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-28.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-29.a
テスラ(tesla)
T
6-30.a
ウェーバメートル
(weber metre)
Wb・m
6-31.a
アンペア毎メートル
(ampere per metre)
A/m
6-32.a
ウェーバ毎メートル
(weber per metre)
Wb/m
6-33.a
ジュール毎立方メート
ル(joule per cubic
metre)
J/m3
6-34.a
ワット毎平方メートル
(watt
per
square
metre)
W/m2
6-35.a
メートル毎秒(metre
per second)
m/s
6-36.a
ボルト(volt)
V
18
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-37.1
(−)
スカラー磁位(scalar
magnetic potential)
Vm,φ
渦なし磁界強度については,
H=−grad Vm
ここに,H:磁界強度(番号6-25)
勾配を変更せずに,任意のスカラ
ー場定数を加えることができる。
IEC 60050-121(番号121-11-58)
参照。
6-37.2
(5-18.1)
磁位差(magnetic
tension)
Um
∫
=
b
a(C)
m
d
r
r
H
U
r
ここに,H:磁界強度(番号6-25)
r:任意の曲線Cのa点か
らb点までの位置ベクト
ル[JIS Z 8000-3(番号
3-1.11)]
渦なし磁界強度については,この
量は磁気ポテンシャルの差と等し
い。
IEC 60050-121(番号121-11-57)
参照。
6-37.3
(5-18.2)
起磁力(magnetomotive
force)
Fm
ここに,H:磁界強度(番号6-25)
r:閉曲線Cに沿った位
置ベクトル[JIS Z 8000-3
(番号3-1.11)]
IEC 60050-121(番号121-11-60)
参照。
6-37.4
(5-18.3)
電流鎖交数(current
linkage)
Θ
一つの閉ループによって区切られ
た表面を流れる正味の電流(番号
6-1)
Θが等しい電流I(番号6-1)のN
個(番号6-38)の閉ループから生
じる場合,
Θ=NI
IEC 60050-121(番号121-11-46)
参照。
6-38
(5-40.1)
巻線の巻数(number of
turns in a winding)
N
巻線(量名と同じ)中の巻数
Nは整数とは限らない。
JIS Z 8000-3(番号3-14)参照。
6-39
(5-38)
磁気抵抗(reluctance) Rm,R
Rm=Um/Φ
ここに,Um:磁位差(番号6-37.2)
Φ:磁束(番号6-22.1)
IEC 60050-131(番号131-12-28)
参照。
6-40
(5-39)
パーミアンス
(permeance)
Λ
Λ=1/Rm
ここに,Rm:磁気抵抗(番号6-39)
IEC 60050-131(番号131-12-29)
参照。
6-41.1
(5-22.1)
インダクタンス
(inductance),自己イ
ンダクタンス(self
inductance)
L,Lm
L=Ψ/I
ここに,I:薄い導体ループの電流
(番号6-1)
Ψ:薄い導体ループの電
流によって生じた全
磁束(番号6-22.2)
名称“自己インダクタンス”は,n
=mの場合,相互インダクタンス
(番号6-41.2)関連量として用い
る。IEC 60050-131(番号131-12-19
及び131-12-35)参照。
6-41.2
(5-22.2)
相互インダクタンス
(mutual inductance)
Lmn
Lmn=Ψm/In
ここに,In:薄い導体ループnの
電流(番号6-1)
Ψm:他のループmの電流
によって生じた全磁
束(番号6-22.2)
Lmn=Lnm
二つのループについて,記号Mを
L12に用いる。
IEC 60050-131(番号131-12-36)
参照。
19
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-37.a
アンペア(ampere)
A
6-38.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-39.a
毎ヘンリー(henry to
the power minus one)
H−1
6-40.a
ヘンリー(henry)
H
6-41.a
ヘンリー(henry)
H
20
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-42.1
(5-23.1)
結合係数(coupling
factor)
k
二つの誘導要素間の誘導結合の場
合
n
m
mn
L
L
L
k
/
=
ここに,Lm及びLn:それぞれの自
己インダクタンス(番号
6-41.1)
Lmn:それらの相互インダ
クタンス(番号6-41.2)
IEC 60050-131(番号131-12-41)
参照。
6-42.2
(5-23.2)
漏れ係数(leakage
factor)
σ
σ=1−k2
ここに,k:結合係数(番号6-42.1)
IEC 60050-131(番号131-12-42)
参照。
6-43
(5-37)
導電率(conductivity) σ,γ
J=σE
ここに,J:電流密度(番号6-8)
E:電界強度(番号6-10)
この定義は等方媒質に適用する。
不等方媒質の場合,導電率σは2
階テンソルである。
κは電気化学で用いる。
IEC 60050-121(番号121-12-03)
参照。
6-44
(5-36)
抵抗率(resistivity)
ρ
ρ=1/σ
ここに,σ:導電率(番号6-43)
IEC 60050-121(番号121-12-04)
参照。
6-45
(5-35)
電力(power),瞬時電
力(instantaneous power)
p
p=ui
ここに,u:瞬時電圧(番号6-11.3)
i:瞬時電流(番号6-1)
IEC 60050-131(番号131-11-30)
参照。
6-46
(5-33)
抵抗(resistance)
R
抵抗成分では,
R=u/i
ここに,u:瞬時電圧(番号6-11.3)
i:瞬時電流(番号6-1)
交流については,番号6-51.2参照。
IEC 60050-131(番号131-12-04)
参照。
6-47
(5-34)
コンダクタンス
(conductance)
G
抵抗成分では,
G=1/R
ここに,R:抵抗(番号6-46)
交流については,番号6-52.2参照。
IEC 60050-131(番号131-12-06)
参照。
6-48
(5-43)
位相差(phase
difference)
φ
φ=φu−φi
ここに,φu:電圧(番号6-11.3)
の初期位相
φi:電流(番号6-1)の初
期位相
u=Û cos (ωt−φu),
i=Î cos (ωt−φi)
ここに,u:電圧(番号6-11.3)
i:電流(番号6-1)
ω:角周波数[JIS Z
8000-3(番号3-16)]
t:時間[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]
すなわち,φ:位相差
位相角については,番号6-49及び
6-50参照。
21
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-42.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-43.a
ジーメンス毎メートル
(siemens per metre)
S/m
ジーメンスの定義については,番
号6-47.a参照。
6-44.a
オームメートル(ohm
metre)
Ω・m
オームの定義については,番号
6-46.a参照。
6-45.a
ワット(watt)
W
6-46.a
オーム(ohm)
Ω
1 Ω=1 V/A
6-47.a
ジーメンス(siemens) S
1 S=1/Ω
6-48.a
ラジアン(radian)
rad
0.3.2参照。
22
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-49
(−)
電流フェーザ(複素表
現)(electric current
phasor)
I
i=Î cos (ωt+α)
ここに,i:電流(番号6-1)
ω:角周波数[JIS Z
8000-3(番号3-16)]
t:時間[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]
α:初期位相[JIS Z 8000-3
(番号3-5)]
すなわち,
I=Iejα
Iは電流i=Î cos (ωt+α)の複素表
現。
jは虚数単位。
6-50
(−)
電圧フェーザ(複素表
現)(voltage phasor)
U
u=Û cos (ωt+α)
ここに,u:電圧(番号6-11.3)
ω:角周波数[JIS Z
8000-3(番号3-16)]
t:時間[JIS Z 8000-3
(番号3-7)]
α:初期位相[JIS Z 8000-3
(番号3-5)]
すなわち,
U=Uejα
Uは,電圧u=Û cos (ωt+α)の複素
表現。
jは虚数単位。
6-51.1
(5-44.1)
インピーダンス
(impedance),複素イ
ンピーダンス(complex
impedance)
Z
Z=U/I
ここに,U:電圧フェーザ(番号
6-50)
I:電流フェーザ(番号
6-49)
Z=R+jX
ここに,R:抵抗(番号6-51.2)
X:リアクタンス(番号
6-51.3)
j:虚数単位
Z=|Z|ejφ
IEC 60050-131(番号131-12-43)
参照。
6-51.2
(5-44.3)
(交流)抵抗[resistance
(to alternating current)]
R
R=Re Z
ここに,Z:インピーダンス
(番号6-51.1)
Re:実数部
IEC 60050-131(番号131-12-45)
参照。
6-51.3
(5-44.4)
リアクタンス
(reactance)
X
X=Im Z
ここに,Z:インピーダンス
(番号6-51.1)
Im:虚数部
X=ωL−C
ω
1
IEC 60050-131(番号131-12-46)
参照。
6-51.4
(5-44.2)
インピーダンスの大き
さ(modulus of
impedance)
Z
Z=|Z|
ここに,Z:インピーダンス
(番号6-51.1)
IEC 60050-131(番号131-12-44)
参照。
より一般には,皮相インピーダン
スは,実効電圧と実効電流との商
として定義し,Zとして表記する
こともある。
23
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-49.a
アンペア(ampere)
A
6-50.a
ボルト(volt)
V
6-51.a
オーム(ohm)
Ω
24
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-52.1
(5-45.1)
アドミタンス
(admittance),複素ア
ドミタンス(complex
admittance)
Y
Y=1/Z
ここに,Z:インピーダンス
(番号6-51.1)
Y=G+jB
ここに,G:コンダクタンス
(番号6-52.2)
B:サセプタンス(番号
6-52.3)
j:虚数単位
Y=|Y|ejφ
IEC 60050-131(番号131-12-51)
参照。
6-52.2
(5-45.3)
(交流)コンダクタン
ス[conductance (for
alternating current)]
G
G=Re Y
ここに,Y:アドミタンス(番号
6-52.1)
IEC 60050-131(番号131-12-53)
参照。
6-52.3
(5-45.4)
サセプタンス
(susceptance)
B
B=Im Y
ここに,Y:アドミタンス(番号
6-52.1)
IEC 60050-131(番号131-12-54)
参照。
6-52.4
(5-45.2)
アドミタンスの大きさ
(modulus of admittance)
Y
Y=|Y|
ここに,Y:アドミタンス(番号
6-52.1)
IEC 60050-131(番号131-12-52)
参照。
より一般には,皮相アドミタンス
は実効電流と実効電圧の商として
定義し,Yとして表記する。
6-53
(5-46)
キュー,せん(尖)鋭
度,Q値
(quality factor)
Q
非放射系の場合,Z=R+jXなら
ば,Q=|X|/R
ここに,Z:インピーダンス
(番号6-51.1)
R:抵抗(番号6-51.2)
X:リアクタンス(番号
6-51.3)
6-54
(5-47)
損失率(loss factor)
d
d=1/Q
ここに,Q:キュー,せん(尖)
鋭度,Q値(番号6-53)
誘電正接とも呼ぶ。
6-55
(5-48)
損失角(loss angle)
δ
δ=arctan d
ここに,d:損失係数(番号6-54)
IEC 60050-131(番号131-12-49)
参照。
6-56
(5-49)
有効電力(active
power)
P
∫
=
T
t
p
T
P
0
d
1
ここに,T:周期[JIS Z 8000-3
(番号3-12)]
p:瞬時電力(番号6-45)
複素表記では,
P=Re S
ここに,S:複素電力(番号6-59)
25
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-52.a
ジーメンス(siemens) S
6-53.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-54.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-55.a
ラジアン(radian)
rad
0.3.2参照。
6-56.a
ワット(watt)
W
26
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電磁気
量
番号
名称
記号
定義
説明
6-57
(5-50.1)
皮相電力(apparent
power)
|S|
|S|=UI
ここに,U:電圧(番号6-11.3)
の実効値
I:電流(番号6-1)の実
効値
∫
=
T
t
u
T
U
0
2d
1
∫
=
T
t
i
T
I
0
2d
1
かつ
t
U
u
ω
cos
2
=
,
)
(
cos
2
ϕ
ω−
=
t
I
i
ならば,
P=UI cos φ,
Q=UI sin φ,
λ=cos φ
である。
IEC 60050-131(番号131-11-41)
参照。
6-58
(5-51)
力率(power factor)
λ
λ=|P|/|S|
ここに,P:有効電力(番号6-56)
S:皮相電力(番号6-57)
IEC 60050-131(番号131-11-46)
参照。
6-59
(−)
複素電力(complex
power)
S
S=UI*
ここに,U:電圧フェーザ(番号
6-50)
I*:電流フェーザ(番号
6-49)の複素共役
S=P+jQ
ここにP:有効電力(番号6-56)
Q:無効電力(番号6-60)
IEC 60050-131(番号131-11-39)
参照。
6-60
(5-50.2)
無効電力(reactive
power)
Q
Q=Im S
ここに,S:複素電力(番号6-59)
IEC 60050-131(番号131-11-44)
参照。
6-61
(−)
非有効電力(non-active
power)
Q′
2
2
P
S
Q
−
=
′
ここに,│S│:皮相電力(番号6-57)
P:有効電力(番号6-56)
IEC 60050-131(番号131-11-43)
参照。
6-62
(5-52)
有効電力量(active
energy)
W
∫
=
2
1
d
t
t
t
p
W
ここに,p:瞬時電力(番号6-45)
積分区間はt1からt2までの時間区
間。
27
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
電磁気
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
6-57.a
ボルトアンペア(volt
ampere)
V・A
6-58.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
6-59.a
ボルトアンペア (volt
ampere)
V・A
6-60.a
ボルトアンペア(volt
ampere)
V・A
6-60.b
バール(var)
var
1 var=1 V・A
6-61.a
ボルトアンペア(volt
ampere)
V・A
6-62.a
ジュール(joule)
J
6-62.b
ワット時(watt hour)
W・h
1 W・h=3 600 J
キロワット時(kW・h)は,電力量
計に使用する。
1 kW・h=3.6 MJ
28
Z 8000-6:2014 (IEC 80000-6:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
特別な名称をもつガウス系CGS単位
この附属書に示す単位は,用いないほうがよい。
量番号
名称
単位番号
単位の名称及び記号
換算率及び説明
6-21
ガウス系磁束
密度
(
Gaussian
magnetic flux
density)
6-21.A.a
ガウス:G
1 G=10−4 T
ガウス記号はGsとも表記する。
6-22.1
ガウス系磁束
(Gaussian
magnetic flux)
6-22.A.a
マクスウェル:Mx
1 Mx=10−8 Wb
6-25
ガウス系磁界
強度
(
Gaussian
magnetic field
strength)
6-25.A.a
エルステッド:Oe
1 Oe=103/ (4 π) A/m
注記 さらに多くのガウス系CGS単位があるが,ここに掲げた量はBIPMのSI文書に記載されてい
るものである。
参考文献 JIS Z 8000-7 量及び単位−第7部:光
注記 対応国際規格:ISO 80000-7,Quantities and units−Part 7: Light(IDT)
JIS Z 8000-8 量及び単位−第8部:音
注記 対応国際規格:ISO 80000-8,Quantities and units−Part 8: Acoustics(IDT)
ISO 80000-2:2009,Quantities and units−Part 2: Mathematical signs and symbols to be used in the
natural sciences and technology
The International System of Units, 8th edition, BIPM, 2006 (SI Brochure)
国際単位系,第8版,BIPM,2006年(SI刊行物)