Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
0.1 表の配列 ······················································································································ 1
0.2 量の表 ························································································································· 1
0.3 単位の表 ······················································································································ 1
0.4 この規格における数値の記述···························································································· 2
1 適用範囲 ························································································································· 3
2 引用規格 ························································································································· 3
3 名称,記号及び定義 ·········································································································· 3
附属書A(参考)フート,ポンド及び秒を基本とする単位並びにその他の関連単位 ·························· 22
附属書B(参考)その他の非SI単位及びその換算率 ·································································· 23
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工
業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 8202-4:2000は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8000の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 8000-1 第1部:一般
JIS Z 8000-3 第3部:空間及び時間
JIS Z 8000-4 第4部:力学
JIS Z 8000-5 第5部:熱力学
JIS Z 8000-6 第6部:電磁気
JIS Z 8000-7 第7部:光
JIS Z 8000-8 第8部:音
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日本工業規格 JIS
Z 8000-5:2014
(ISO 80000-5:2007)
量及び単位−第5部:熱力学
Quantities and units-Part 5: Thermodynamics
序文
この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 80000-5を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
0.1
表の配列
この規格の量及び単位の表は,量を左側のページに配列し,単位を対応する右側のページに配列する。
右のページの2本の横実線の間にある全ての単位は,左側のページの対応する実線の間の量に属する。
左側のページの量を表す番号の下には,括弧を付けて旧規格(JIS Z 8202-4)で規定した項目の番号を示
す。
なお,旧規格にその項目がなかった場合には,“−(ダッシュ)”でそのことを示す。
0.2
量の表
この規格で扱う分野において最も重要な量について,その名称及び記号を示すとともに,ほとんどの場
合に,その定義を併せて示す。これらの名称及び記号は,推奨である。これらの定義は,国際量体系(ISQ)
における量の識別のためであり,左側のページに列挙している。これらの定義は,必ずしも完全なもので
はない。
量のスカラー文字,ベクトル文字又はテンソル文字は,特に定義のために必要な場合に示している。
多くの場合,ある量に対しては一つの名称と一つの記号とを示す。一つの量に対して二つ以上の名称又
は二つ以上の記号を併記し,特に区別をしていない場合には,互いに対等な関係にある。斜体の文字に2
種類の字体がある場合(例えば,ϑ及びθ,ϕ及びφ,a及びa,g及びg),いずれか一方だけを示している
が,他方は対等に使用できないという意味ではない。このような異なる字体にそれぞれ異なる意味を与え
ることは推奨しない。括弧内の記号は,予備の記号である。したがって,特別の関係の下で主要記号を異
なる意味で用いる場合には,これら予備の記号を用いる。
0.3
単位の表
0.3.1
一般
量に対する単位の名称を,記号及び定義とともに示す。これらの単位の名称は言語によって異なるが,
記号は国際的なものであり,また,全ての言語において同一である。詳細情報については,国際度量衡局
(BIPM: Bureau International des Poids et Mesures)から発行されているSI文書(2006年第8版)及びJIS Z
8000-1を参照する。
2
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
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単位は,次のように配列している。
a) 一貫性のある国際単位系(SI: Système International d'Unités)を最初に示す。SI単位は,国際度量衡総
会(CGPM: Conférence Générale des Poids et Mesures)で採択されたものである。一貫性のあるSI単位
の使用を推奨する。明示的に記載していない場合であっても,SI接頭語を付した10進の倍量及び分
量を推奨する。
b) 次に,国際度量衡委員会(CIPM: Comité International des Poids et Mesures)若しくは国際法定計量機関
(OIML: Organisation Internationale de Métrologie Légale),又はISO及びIECがSI単位と併用すること
を認めている,一部の非SI単位を示す。
これらの非SI単位は,項目内を点線で区切って,SI単位と区別している。
c) 推奨しない非SI単位は,附属書A及び附属書Bに示す。これらの附属書は,いずれも換算率のため
のものであり,参考であって,規定の一部ではない。これら推奨していない単位は,次の二つのグル
ープに分けている。
1) フート,ポンド及び秒を基本とする単位並びにその他の関連単位(附属書A参照)
2) その他の非SI単位,特に換算率に関するもの(附属書B参照)
0.3.2
次元1の量又は無次元量に関する注意事項
無次元量とも呼ばれる次元1のいかなる量に対しても一貫性のある単位は,数の1,記号は1である。
このような量の値を表すときには,一般に,単位の記号1は明示しない。
例1 屈折率 n=1.53×1=1.53
この単位の記号1の倍量又は分量を示すために接頭語を用いてはならない。接頭語の代わりに,10のべ
き乗を用いることが望ましい。
例2 レイノルズ数 Re=1.32×103
通常,平面角は二つの長さの比として,また,立体角は二つの面積の比として表されることを考慮して,
CGPMは1995年,SI単位においてラジアン(rad)及びステラジアン(sr)を無次元の組立単位とするこ
とを規定した。これは,平面角及び立体角という量は,次元1の組立量とみなせることを意味する。した
がって,ラジアン及びステラジアンの単位は次元1に等しい。これらは省略してもよいし,又は種類が異
なるが同じ次元をもつ量を区別しやすくするために,組立単位の表現に用いてもよい。
0.4
この規格における数値の記述
記号“=”は“〜に完全に等しい”ことを,記号“≈”は“〜にほぼ等しい”ことを,また,記号“:=”
は“〜に定義上等しい”ことを表している。
注記 国際規格では,“≈”を用いることになっているが,“=”又は“≒”を使用してもよい。また,
国際規格では,“:=”を用いることになっているが,“=”又は“≡”を使用してもよい。
なお,この規格の箇条3以降では“:=”を全て“=”で表した。
実験的に決定された物理量の数値は,常に測定の不確かさを伴っている。この不確かさは,常に明示す
ることが望ましい。この規格では,不確かさの度合いを次の例のように表している。
例 l=2.347 82 (32) m
この例では,l=a(b) m,すなわち,括弧書きで示した不確かさbの数値は,長さlの数値aの最終(及
び最下位)桁に当てはまるものと仮定している。この表し方は,bがaの最終桁の標準不確かさ(標準偏
差の推定値)を表している場合に用いる。上に示した数値の例は,長さl(lをメートル単位で表す場合)
の最良の推定数値が2.347 82であること,及び未知のlの値は,標準不確かさである0.000 32 mとl値の
3
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確率分布によって決まる確率とによって,(2.347 82−0.000 32) mと(2.347 82+0.000 32) mとの間にあると
信じられることを意味すると解してよい。
1
適用範囲
この規格は,熱力学の量及び単位に関する,名称,記号及び定義について規定する。また,この規格は,
必要に応じて換算率についても規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 80000-5:2007,Quantities and units−Part 5: Thermodynamics(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部:一般
注記 対応国際規格:ISO 80000-1,Quantities and units−Part 1: General(MOD)
JIS Z 8000-3 量及び単位−第3部:空間及び時間
注記 対応国際規格:ISO 80000-3,Quantities and units−Part 3: Space and time(IDT)
JIS Z 8000-4 量及び単位−第4部:力学
注記 対応国際規格:ISO 80000-4,Quantities and units−Part 4: Mechanics(IDT)
ISO 80000-9,Quantities and units−Part 9: Physical chemistry and molecular physics
3
名称,記号及び定義
熱力学の量及び単位に関する,名称,記号及び定義は,次による。
4
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熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-1
(4-1)
熱力学温度
(thermodynamic
temperature)
T, (Θ)
熱力学温度は,国際量体系(ISQ)
の基本量の一つ。
熱力学温度は一次温度計,例え
ば,定積ガス温度計,音響温度
計,全放射温度計などで測定さ
れる量である。
5-2
(4-2)
セルシウス温度
[摂(セ)氏温度]
(Celsius
temperature)
t, ϑ
t=T−T0
ここに,T:熱力学温度(番号5-1),
T0=273.15 K
熱力学温度T0は,水の三重点の
熱力学温度から正確に0.01 K低
い。
5
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単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-1.a
ケルビン(kelvin) K
熱力学温度の単位で,水の三重点の
熱力学温度の1/273.16
熱力学温度及びセルシウス温度
の温度間隔又は温度差の単位の
大きさは,同一である。このよ
うな温度間隔又は温度差は,ケ
ルビン(K),又はセルシウス度
(℃)のいずれで表してもよい。
数値とセルシウス温度の記号℃
との間にスペースを置くことに
注意する(JIS Z 8000-1の7.1.4
を参照)。
1990年国際温度目盛
実用的な測定の目的のために,
1989年にCIPMによって1990年
国際温度目盛,ITS-90が採択さ
れた。
この目盛によって規定される
熱力学温度及びセルシウス温度
に関する量は,それぞれT90及び
t90で表す(1968年国際実用温度
目盛,IPTS-68によって定義され
たT68及びt68に置き換わる。)。
ここに,t90=T90−T0
T90の単位はケルビン(K),t90
の単位はセルシウス温度(℃)
である。
詳しい情報については,1990年
国際温度目盛(ITS-90),
Metrologia,27(1990)No.1を参
照。
ケルビンの定義に用いる水の同
位体組成は,次の物質量比とす
る:2H 0.000 155 76モル毎1H モ
ル,17O 0.000 379 9モル毎16Oモ
ル及び18O 0.002 005 2モル毎16O
モル。
5-2.a
セルシウス度,度
(degree Celsius)
℃
セルシウス温度の値を記述するた
めに用いるケルビンに代わる固有
の名称。熱力学温度及びセルシウス
温度の温度間隔又は温度差の単位
の大きさは,同一であり,すなわち,
1 ℃=1 K
6
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熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-3.1
(4-3.1)
線膨張係数
(linear expansion
coefficient)
αl
T
l
l
l
d
d
1
=
α
ここに,l:長さ[JIS Z 8000-3(番
号3-1.1)]
T:熱力学温度(番号5-1)
混乱を招くおそれがないとき
は,番号5-3.3〜5-5.2の記号中の
添字を省略してもよい。
5-3.2
(4-3.2)
体膨張係数
(cubic expansion
coefficient)
αV, α, γ
TV
V
V
dd
1
=
α
ここに,V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
T:熱力学温度(番号5-1)
5-3.3
(4-3.3)
相対圧力係数
(relative pressure
coefficient)
αp
V
p
T
p
p
∂∂
=1
α
ここに,p:圧力[JIS Z 8000-4(番
号4-15.1)]
T:熱力学温度(番号5-1)
V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
5-4
(4-4)
圧力係数
(pressure
coefficient)
β
V
T
p
∂∂
=
β
ここに,p:圧力[JIS Z 8000-4(番
号4-15.1)]
T:熱力学温度(番号5-1)
V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
5-5.1
(4-5.1)
等温圧縮率
(isothermal
compressibility)
κT
T
T
pV
V
∂∂
=1
κ
ここに,V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
p:圧力[JIS Z 8000-4(番
号4-15.1)]
T:熱力学温度(番号5-1)
5-5.2
(4-5.2)
等エントロピー
圧縮率(isentropic
compressibility)
κS
S
S
pV
V
∂∂
=1
κ
ここに,V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
p:圧力[JIS Z 8000-4(番
号4-15.1)]
S:エントロピー(番号5-18)
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Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-3.a
毎ケルビン
(kelvin to the
power minus one)
K−1
5-4.a
パスカル毎ケル
ビン(pascal per
kelvin)
Pa/K
単位パスカルについては,JIS Z
8000-4(番号4-15.a)を参照。
5-5.a
毎パスカル
(pascal to the
power minus one)
Pa−1
8
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熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-6
(4-6)
熱(heat),熱量
(amount of heat)
Q
システム内の物質量に変化がない
場合,物理システムの総エネルギー
(番号5-20.1)の増加と,システム
で行われた仕事との差。
等温の相転移で移転する熱は,
適切な熱力学関数の変化として
表すほうがよい。例えば,
T・ΔS
ここに,T:熱力学温度(番号5-1)
S:エントロピー(番号
5-18)
Hがエンタルピー(番号5-20.3)
の場合はΔH
注記 熱の供給は,熱力学温度の
上昇,若しくは相変化,又
は化学反応のような他の
効果に対応することもあ
る。
5-7
(4-7)
熱流(heat flow
rate)
Φ
熱(番号5-6)がある面を通過する
割合。
5-8
(4-8)
熱流密度(areic
heat flow rate,
density of heat
flow rate)
q, φ
q=Φ/A
ここに,Φ:熱流(番号5-7)
A:面積[JIS Z 8000-3(番
号3-3)]
5-9
(4-9)
熱伝導率
(thermal
conductivity)
λ, (κ)
熱流密度(番号5-8)を熱力学温度
(番号5-1)の勾配で除した値。
5-10.1
(4-10.1)
5-10.2
(4-10.2)
熱伝達係数(熱伝
達率)(coefficient
of heat transfer)
表面熱伝達係数
(表面熱伝達率)
(surface
coefficient of heat
transfer)
K, (k)
h, (α)
熱流密度(番号5-8)を熱力学温度
(番号5-1)差で除した値。
q=h(Ts−Tr)
qが熱流密度(番号5-8)の場合,
Ts:表面の熱力学温度(番号5-1),
Tr:系の周囲を特徴付ける基準とな
る熱力学温度
建築工学では,熱伝達係数は,
熱透過率(thermal transmittance)
と呼ばれることも多く,記号U
で表す。
9
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-6.a
ジュール(joule) J
単位ジュールについては,[JIS Z
8000-4(番号4-27.a)]を参照。
5-7.a
ワット(watt)
W
5-8.a
ワット毎平方メ
ートル(watt per
square metre)
W/m2
5-9.a
ワット毎メート
ル毎ケルビン
(watt per metre
kelvin)
W/(m・K)
5-10.a
ワット毎平方メ
ートル毎ケルビ
ン(watt per square
metre kelvin)
W/(m2・K)
10
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
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熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-11
(4-11)
熱絶縁係数
(thermal
insulance,
coefficient of
thermal insulance)
M
M=1/K
ここに,K:熱伝達係数(番号5-10.1)
建築工学では,この量は,熱抵
抗と呼ばれることも多く,記号R
で表す。
5-12
(4-12)
熱抵抗(thermal
resistance)
R
熱力学温度(番号5-1)差を熱流(番
号5-7)で除した値。
番号5-11の説明を参照。
5-13
(4-13)
熱コンダクタン
ス(thermal
conductance)
G, (H)
G=1/R
ここに,R:熱抵抗(番号5-12)
番号5-11の説明を参照。この量
も熱伝達率と呼ばれる。
5-14
(4-14)
熱拡散率
(thermal
diffusivity)
α
pc
ρλ
α=
ここに,λ:熱伝導率(番号5-9)
ρ:密度[JIS Z 8000-4(番
号4-2)]
cp:定圧比熱容量(番号
5-16.2)
5-15
(4-15)
熱容量(heat
capacity)
C
微少の熱量dQを加えた結果,系の
熱力学温度が,dTだけ上昇すると
き,
C=dQ/dT
ここに,Q:熱量(番号5-6)
T:熱力学温度(番号5-1)
熱容量は,変化の形式を特定し
なければ完全に定義できない。
11
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-11.a
平方メートルケ
ルビン毎ワット
(square metre
kelvin per watt)
m2・K/W
5-12.a
ケルビン毎ワッ
ト(kelvin per
watt)
K/W
5-13.a
ワット毎ケルビ
ン(watt per
kelvin)
W/K
5-14.a
平方メートル毎
秒(square metre
per second)
m2/s
5-15.a
ジュール毎ケル
ビン(joule per
kelvin)
J/K
12
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-16.1
(4-16.1)
比熱容量(specific
heat capacity)
c
熱容量(番号5-15)を質量[JIS Z
8000-4(番号4-1)]で除したもの。
対応するモル量に関連する量に
ついては,ISO 80000-9を参照。
5-16.2
(4-16.2)
定圧比熱容量
(specific heat
capacity at
constant pressure)
cp
5-16.3
(4-16.3)
定積比熱容量
(specific heat
capacity at
constant volume)
cV
5-16.4
(4-16.4)
飽和状態下比熱
容量(specific heat
capacity at
saturation)
csat
5-17.1
(4-17.1)
比熱容量の比
(ratio of the
specific heat
capacities)
γ
γ=cp /cV
ここに,cp:定圧比熱容量(番号
5-16.2)
cV:定積比熱容量(番号
5-16.3)
5-17.2
(4-17.2)
等エントロピー
指数(isentropic
exponent)
κ
S
V
p
pV ∂∂
−
=
κ
ここに,V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
p:圧力[JIS Z 8000-4(番
号4-15.1)]
S:エントロピー(番号5-18)
理想気体では,κはγに等しい。
13
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単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-16.a
ジュール毎キロ
グラム毎ケルビ
ン(joule per
kilogram kelvin)
J/(kg・K)
5-17.a
(数の)1 (one)
1
0.3.2参照。
14
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-18
(4-18)
エントロピー
(entropy)
S
熱力学温度(番号5-1)がTである
系が,微少の熱量(番号5-6)dQを
受け取ったとき,系内に不可逆変化
が発生しなければ,系のエントロピ
ーはdQ/T だけ上昇する。
5-19
(4-19)
比エントロピー
(specific
entropy)
s
s=S/m
ここに,S:エントロピー(番号5-18)
m:質量[JIS Z 8000-4(番
号4-1)]
対応するモル量に関連する量に
ついては,ISO 80000-9を参照。
5-20.1
(4-20.1)
エネルギー
(energy)
E
系の仕事[JIS Z 8000-4(番号
4-27.1)]能力を特徴付ける量。
エネルギーは,互いに部分的に,
又は全体的に変換できる異なっ
た形態で存在する。
5-20.2
(4-20.2)
内部エネルギー
(internal
energy),熱力学
エネルギー
(thermodynamic
energy)
U
閉じた熱力学系では,
ΔU=Q+W
ここに,Q:系に伝達された熱量(番
号5-6)
W:化学反応が生じない場
合に,系に対してなさ
れた仕事[JIS Z 8000-4
(番号4-27.1)]
5-20.3
(4-20.3)
エンタルピー
(enthalpy)
H
H=U+pV
ここに,U:内部エネルギー(番号
5-20.2)
p:圧力[JIS Z 8000-4(番
号4-15.1)]
V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
5-20.4
(4-20.4)
ヘルムホルツエ
ネルギー
(Helmholtz
energy),ヘルム
ホルツ関数
(Helmholtz
function)
A,F
A=U−TS
ここに,U:内部エネルギー(番号
5-20.2)
T:熱力学温度(番号5-1)
S:エントロピー(番号
5-18)
ヘルムホルツ自由エネルギーの
名称も使用される。
5-20.5
(4-20.5)
ギブズエネルギ
ー(Gibbs
energy),ギブズ
関数(Gibbs
function)
G
G=H−TS
ここに,H:エンタルピー(番号
5-20.3)
T:熱力学温度(番号5-1)
S:エントロピー(番号
5-18)
ギブズ自由エネルギーの名称も
使用される。
15
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-18.a
ジュール毎ケル
ビン(joule per
kelvin)
J/K
5-19.a
ジュール毎キロ
グラム毎ケルビ
ン(joule per
kilogram kelvin)
J/(kg・K)
5-20.a
ジュール(joule) J
16
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-21.1
(4-21.1)
比エネルギー
(specific energy)
e
e=E/m
ここに,E:エネルギー(番号5-20.1)
m:質量[JIS Z 8000-4(番
号4-1)]
5-21.2
(4-21.2)
比内部エネルギ
ー(specific
internal energy),
比熱力学エネル
ギー(specific
thermodynamic
energy)
u
u=U/m
ここに,U:熱力学エネルギー(番
号5-20.2)
m:質量[JIS Z 8000-4(番
号4-1)]
5-21.3
(4-21.3)
比エンタルピー
(specific
enthalpy)
h
h=H/m
ここに,H:エンタルピー(番号
5-20.3)
m:質量[JIS Z 8000-4(番
号4-1)]
5-21.4
(4-21.4)
比ヘルムホルツ
エネルギー
(specific
Helmholtz
energy),比ヘルム
ホルツ関数
(specific
Helmholtz
function)
a, f
a=A/m
ここに,A:ヘルムホルツエネルギ
ー(番号5-20.4)
m:質量[JIS Z 8000-4(番
号4-1)]
比ヘルムホルツ自由エネルギー
の名称も使用される。
5-21.5
(4-21.5)
比ギブズエネル
ギー(specific
Gibbs energy),比
ギブズ関数
(specific Gibbs
function)
g
g=G/m
ここに,G:ギブズエネルギー(番
号5-20.5)
m:質量[JIS Z 8000-4(番
号4-1)]
比ギブズ自由エネルギーの名称
も使用される。
5-22
(4-22)
マシュー関数
(Massieu
function)
J
J=−A/T
ここに,A:ヘルムホルツエネルギ
ー(番号5-20.4)
T:熱力学温度(番号5-1)
5-23
(4-23)
プランク関数
(Planck
function)
Y
Y=−G/T
ここに,G:ギブズエネルギー(番
号5-20.5)
T:熱力学温度(番号5-1)
17
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-21.a
ジュール毎キロ
グラム(joule per
kilogram)
J/kg
5-22.a
ジュール毎ケル
ビン(joule per
kelvin)
J/K
5-23.a
ジュール毎ケル
ビン(joule per
kelvin)
J/K
18
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-24
(−)
水の質量濃度
(mass
concentration of
water)
w
w=m/V
ここに,m:凝集の形式にかかわら
ず,水の質量[JIS Z
8000-4(番号4-1)]
V:体積[JIS Z 8000-3(番
号3-4)]
飽和時の水の質量濃度は,wsatで
表す。
5-25
(−)
水蒸気の質量濃
度(絶対湿度)
(mass
concentration of
water vapour)
v
v=m/V
ここに,m:水蒸気の質量[JIS Z
8000-4(番号4-1)]
V:全気体の体積[JIS Z
8000-3(番号3-4)]
飽和時の水蒸気の質量濃度は,
vsatで表す。
5-26
(−)
乾燥物に対する
水の質量比(mass
ratio of water to
dry matter)
u
u=m/md
ここに,m:水の質量[JIS Z 8000-4
(番号4-1)]
md:乾燥物の質量
飽和時の乾燥物に対する水の質
量比は,usatで表す。
5-27
(−)
乾燥気体に対す
る水蒸気の質量
比(mass ratio of
water vapour to
dry gas)
x
x=m/md
ここに,m:水蒸気の質量[JIS Z
8000-4(番号4-1)]
md:乾燥気体の質量
飽和時の乾燥気体に対する水蒸
気の質量比は,xsatで表す。
5-28
(−)
水の質量分率
(mass fraction of
water)
O
H2
w
u
u
w
+
=1
O
H2
ここに,u:乾燥物に対する水の質
量比(番号5-26)
5-29
(−)
乾燥物の質量分
率(mass fraction
of dry matter)
wd
wd=1−
O
H2
w
ここに,
O
H2
w
:水の質量分率(番
号5-28)
5-30
(−)
相対分圧(relative
partial pressure),
相対湿度(relative
humidity)
φ
φ=p/psat
ここに,p:蒸気の分圧[JIS Z 8000-4
(番号4-15.1)]
psat:(同温度の)飽和分圧
相対分圧は,RHと呼ばれること
も多く,パーセントを単位とす
る。
19
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-24.a
キログラム毎立
方メートル
(kilogram per
cubic metre)
kg/m3
5-25.a
キログラム毎立
方メートル
(kilogram per
cubic metre)
kg/m3
5-26.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
5-27.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
5-28.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
5-29.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
5-30.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
20
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
熱力学
量
番号
名称
記号
定義
説明
5-31
(−)
蒸気の相対質量
濃度(relative
mass concentration
of vapour)
φ
φ=v/vsat
ここに,v:水蒸気の質量濃度(番
号5-25)
vsat:(同温度の)飽和時の
水蒸気の質量濃度
通常,相対分圧(番号5-30)は,
蒸気の相対質量濃度と等しいと
してもよい。
5-32
(−)
蒸気の相対質量
比(relative mass
ratio of vapour)
ψ
ψ=x/xsat
ここに,x:飽和時の乾燥気体に対
する水蒸気の質量比
(番号5-27)
xsat:飽和時の乾燥気体に対
する(同温度の)水蒸
気の質量比
5-33
(−)
露点温度(dew
point temperature)
Td
空気中の蒸気が飽和に達する温度。 対応するセルシウス温度は,td
で表す。この量は,露点とも呼
ばれる。
21
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位
熱力学
番号
名称
単位記号
定義
換算率及び説明
5-31.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
5-32.a
(数の)1(one)
1
0.3.2参照。
5-33.a
ケルビン(kelvin) K
対応するセルシウス温度の単位
はセルシウス度,記号は℃
22
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
フート,ポンド及び秒を基本とする単位並びにその他の関連単位
これらの単位は用いないほうがよい。
量番号
量
単位番号
単位の名称及び記号
換算率及び説明
5-1
熱力学温度:T
(thermodynamic
temperature)
5-1.A.a
ランキン度:°R
K
9
5
R
1
=
°
ランキン度の記号°Rの前にはスペー
スを空ける必要がある。
−
カ氏温度(華氏温
度):tF(Fahrenheit
temperature)
5-2.A.a
カ氏度:°F
67
.
459
K
5
9
32
5
9
F
F
−
=
+
=
°
T
t
t
℃
カ氏度の単位はランキン度と同一で
ある。カ氏度の記号°Fの前にはスペ
ースを空ける必要がある。
5-6
熱(heat),熱量(amount
of heat)
5-6.A.a
英熱量単位:
Btu
1 Btu=788.169 ft・lbf ≈ 1 055.056J
同様に,過去にはさまざまな“英熱
量単位”が用いられていた。
5-7
熱流(heat flow rate)
5-7.A.a
英熱量単位毎時:
Btu/h
1 Btu/h ≈ 0.293 071 W
5-9
熱伝導率(thermal
conductivity)
5-9.A.a
英熱量単位毎秒毎フート
毎ランキン度:
Btu/(s・ft・°R )
1 Btu/(s・ft・°R) ≈ 6 230.64 W/(m・k)
5-10
熱伝達係数(coefficient
of heat transfer)
5-10.A.a
5-10.A.b
英熱量単位毎秒毎平方フ
ート毎ランキン度:
Btu/(s・ft2・°R)
英熱量単位毎時毎平方フ
ート毎ランキン度:
Btu/(h・ft2・°R)
1 Btu/(s・ft2・°R) ≈ 20 441.7 W/(m2・k)
1 Btu/(h・ft2・°R) ≈ 5.678 26 W/(m2・K)
5-14
熱拡散率(thermal
diffusivity)
5-14.A.a
平方フート毎秒:
ft2/s
1 ft2/s=0.092 903 04 m2/s
5-16.1
比熱容量(specific heat
capacity)
5-16.A.a
英熱量単位毎ポンド毎ラ
ンキン度:
Btu/(lb・°R)
1 Btu/(lb・°R)=4 186.8 J/(kg・K)
5-19
比エントロピー
(specific entropy)
5-19.A.a
英熱量単位毎ポンド毎ラ
ンキン度:
Btu/(lb・°R)
1 Btu/(lb・°R)=4 186.8 J/(kg・K)
5-21.1
5-21.2
5-21.3
5-21.4
5-21.5
比エネルギー(specific
energy)
比熱力学エネルギー
(specific
thermodynamic energy)
比エンタルピー
(specific enthalpy)
比ヘルムホルツエネ
ルギー(specific
Helmholtz energy)
比ギブズエネルギー
(specific Gibbs energy)
5-21.A.a
英熱量単位毎ポンド:
Btu/lb
1 Btu/lb=2 326 J/kg
23
Z 8000-5:2014 (ISO 80000-5:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
その他の非SI単位及びその換算率
これらの単位は用いないほうがよい。
量番号
量
単位番号
単位の名称及び記号
換算率及び説明
5-6
熱(heat),熱量(amount
of heat)
5-6.B.a
15度カロリー:
cal15
1 cal15は,101.325 kPaの定圧で,空
気を含まない1 gの水を14.5 ℃から
15.5 ℃まで加熱するのに必要な熱量
である。
1 cal15 ≈ 4.185 5(5) J
5-6.B.b
I.T.カロリー:
calIT
1 calIT=4.186 8 J
1 McalIT=1.163 kW・h
5-6.B.c
熱化学カロリー:
calth
1 calth=4.184 J
参考文献 The International System of Units, 8th edition, BIPM, 2006 (SI Brochure)
国際単位系,第8版,BIPM,2006年(SI刊行物)