Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
0.1 表の配列 ······················································································································ 1
0.2 量の表 ························································································································· 1
0.3 次元1の量又は無次元量に関する注意事項 ·········································································· 1
1 適用範囲························································································································· 2
2 引用規格························································································································· 2
3 名称,記号及び定義 ·········································································································· 2
4 運動量の輸送(Momentum transport) ················································································· 3
5 熱の輸送(Transport of heat) ···························································································· 4
6 二成分系混合物における物質の輸送(Transport of matter in a binary mixture) ···························· 6
7 物質固有の性質(Constants of matter) ················································································ 8
8 磁気流体力学(Magnetohydrodynamics) ·············································································· 9
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本計量振興協会(JAMP)及
び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出が
あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 8202-12:2000は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8000の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 8000-1 第1部:一般
JIS Z 8000-3 第3部:空間及び時間
JIS Z 8000-4 第4部:力学
JIS Z 8000-5 第5部:熱力学
JIS Z 8000-6 第6部:電磁気
JIS Z 8000-7 第7部:光
JIS Z 8000-8 第8部:音
JIS Z 8000-9 第9部:物理化学及び分子物理学
JIS Z 8000-10 第10部:原子物理学及び核物理学
JIS Z 8000-11 第11部:特性数
JIS Z 8000-12 第12部:固体物理学
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日本工業規格 JIS
Z 8000-11:2016
(ISO 80000-11:2008)
量及び単位−第11部:特性数
Quantities and units-Part 11: Characteristic numbers
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 80000-11を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
0.1
表の配列
全ての特性数は,次元1の量である。このため全ての特性数の一貫性のある単位は,数の1(one),記
号は,1である。この規格においては,単位の表を記載しない。
旧規格(JIS Z 8202-12)での番号は,この規格の番号の下の括弧内に示す。
なお,旧規格にその項目がなかった場合には,“−(ダッシュ)”でそのことを示す。
0.2
量の表
この規格で扱う分野において最も重要な量について,その名称及び記号を示すとともに,ほとんどの場
合に,その定義を併せて示す。これらの名称及び記号は,推奨である。これらの定義は,国際量体系(ISQ)
における量の識別のために表に記載している。これらの定義は,必ずしも完全なものではない。
量のスカラー文字,ベクトル文字又はテンソル文字は,特に定義のために必要な場合に示している。
多くの場合,ある量に対しては一つの名称と一つの記号とを示す。一つの量に対して二つ以上の名称又
は二つ以上の記号を併記し,特に区別をしていない場合には,互いに対等な関係にある。斜体の文字に2
種類の字体がある場合(例えば,ϑ及びθ,φ及びφ,a及びa,g及びg),いずれか一方だけを示してい
るが,他方は対等に使用できないという意味ではない。このような異なる字体にそれぞれ異なる意味を与
えないことが望ましい。括弧内の記号は,予備の記号である。したがって,特別の関係の下で主要記号を
異なる意味で用いる場合には,これら予備の記号を用いる。
0.3
次元1の量又は無次元量に関する注意事項
無次元量とも呼ばれる次元1のいかなる量に対しても一貫性のある単位は,数の1,記号は1である。
このような量の値を表すときには,一般に,単位の記号1は明示しない。
例1 屈折率 n=1.53×1=1.53
この単位の記号1の倍量又は分量を示すために接頭語を用いてはならない。接頭語の代わりに,10のべ
き乗を用いることが望ましい。
例2 レイノルズ数 Re=1.32×103
通常,平面角は二つの長さの比として,また,立体角は二つの面積の比として表されることを考慮して,
2
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
国際度量衡総会(CGPM:Conférence Générale des Poids et Mesures)は1995年,SI単位においてラジアン
(rad)及びステラジアン(sr)を無次元の組立単位とすることを規定した。これは,平面角及び立体角と
いう量は,次元1の組立量とみなせることを意味する。したがって,ラジアン及びステラジアンの単位は,
次元1に等しい。これらは省略してもよいし,又は種類が異なるが同じ次元をもつ量を区別しやすくする
ために,組立単位の表現に用いてもよい。
1
適用範囲
この規格は,輸送現象の記述に用いる特性数の名称,記号及び定義について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 80000-11:2008,Quantities and units−Part 11: Characteristic numbers(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8000-3 量及び単位−第3部:空間及び時間
注記 対応国際規格:ISO 80000-3,Quantities and units−Part 3: Space and time(IDT)
JIS Z 8000-4 量及び単位−第4部:力学
注記 対応国際規格:ISO 80000-4,Quantities and units−Part 4: Mechanics(IDT)
JIS Z 8000-5 量及び単位−第5部:熱力学
注記 対応国際規格:ISO 80000-5,Quantities and units−Part 5: Thermodynamics(IDT)
JIS Z 8000-6 量及び単位−第6部:電磁気
注記 対応国際規格:IEC 80000-6,Quantities and units−Part 6: Electromagnetism(IDT)
JIS Z 8000-8 量及び単位−第8部:音
注記 対応国際規格:ISO 80000-8,Quantities and units−Part 8: Acoustics(IDT)
JIS Z 8000-9 量及び単位−第9部:物理化学及び分子物理学
注記 対応国際規格:ISO 80000-9,Quantities and units−Part 9: Physical chemistry and molecular
physics(IDT)
3
名称,記号及び定義
特性数に関する名称,記号及び定義は,箇条4〜箇条8による。
3
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
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4
運動量の輸送(Momentum transport)
番号
名称
記号
定義
説明
11-4.1
(12-1)
レイノルズ数
(Reynolds number)
Re
ν
l
l
Re
v
v=
=η
ρ
ここに, ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
η: 粘度[JIS Z 8000-4(番号4-23)]
ν: 動粘度[JIS Z 8000-4(番号4-24)]
11-4.2
(12-2)
オイラー数
(Euler number)
Eu
2v
ρ
p
Eu
∆
=
ここに, p: 圧力[JIS Z 8000-4(番号4-15.1)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
ここで定義するオイラ
ー数の倍数をオイラー
数と呼ぶことがある
が,このような定義は
用いない方がよい。
11-4.3
(12-3)
フルード数
(Froude number)
Fr
g
v
l
Fr=
ここに, v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
g: 自由落下の加速度[JIS Z 8000-3
(番号3-9.2)]
ここで定義するフルー
ド数の2乗をフルード
数と呼ぶことがある
が,このような定義は
用いない方がよい。
11-4.4
(12-4)
グラスホフ数
(Grashof number)
Gr
2
3
ν
T
l
Gr
∆
=
α
g
ここに, l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
g: 自由落下の加速度[JIS Z 8000-3
(番号3-9.2)]
α: 体膨張係数[JIS Z 8000-5(番号
5-3.2)]
T: 熱力学温度[JIS Z 8000-5(番号
5-1)]
ν: 動粘度[JIS Z 8000-4(番号4-24)]
11-4.5
(12-5)
ウェーバー数
(Weber number)
We
σ
ρl
We
2v
=
ここに, ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
σ: 表面張力[JIS Z 8000-4(番号
4-25)]
11-4.6
(12-6)
マッハ数
(Mach number)
Ma
Ma=v/c
ここに, v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
c: 音速[JIS Z 8000-8(番号8-14.1)]
11-4.7
(12-7)
クヌーセン数
(Knudsen number)
Kn
Kn=λ/l
ここに, λ: 平均自由行程[JIS Z 8000-9(番
号9-44)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
11-4.8
(12-8)
ストローハル数
(Strouhal number)
Sr
Sr=l f /v
ここに, l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
f: 周波数[JIS Z 8000-3(番号
3-15.1)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
4
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
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5
熱の輸送(Transport of heat)
番号
名称
記号
定義
説明
11-5.1
(12-9)
フーリエ数
(Fourier number)
Fo
2
2
l
at
l
c
t
Fo
p
=
=
ρ
λ
ここに, λ: 熱伝導率[JIS Z 8000-5(番号
5-9)]
t: 時間[JIS Z 8000-3(番号3-7)]
cp: 定圧比熱容量[JIS Z 8000-5(番
号5-16.2)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
a: 熱拡散率[JIS Z 8000-5(番号
5-14)]
11-5.2
(12-10)
ペクレ数
(Péclet number)
Pe
a
l
l
c
Pe
p
v
v=
=
λ
ρ
ここに, ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
cp: 定圧比熱容量[JIS Z 8000-5(番
号5-16.2)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
λ: 熱伝導率[JIS Z 8000-5(番号
5-9)]
a: 熱拡散率[JIS Z 8000-5(番号
5-14)]
Pe=Re・Pr
ここに,
Re: レイノルズ数(番
号11-4.1)
Pr: プラントル数(番
号11-7.1)
11-5.3
(12-11)
レイリー数
(Rayleigh number)
Ra
a
ν
T
l
T
c
l
Ra
p
∆
=
∆
=
α
ηλ
α
ρ
g
g
3
2
3
ここに, l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
cp: 定圧比熱容量[JIS Z 8000-5(番
号5-16.2)]
g: 自由落下の加速度[JIS Z 8000-3
(番号3-9.2)]
α: 体膨張係数[JIS Z 8000-5(番号
5-3.2)]
T: 熱力学温度[JIS Z 8000-5(番号
5-1)]
η: 粘度[JIS Z 8000-4(番号4-23)]
λ: 熱伝導率[JIS Z 8000-5(番号
5-9)]
ν: 動粘度[JIS Z 8000-4(番号4-24)]
a: 熱拡散率[JIS Z 8000-5(番号
5-14)]
Ra=Gr・Pr
ここに,
Gr: グラスホフ数(番
号11-4.4)
Pr: プラントル数(番
号11-7.1)
5
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
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番号
名称
記号
定義
説明
11-5.4
(12-12)
ヌセルト数
(Nusselt number)
Nu
λ
Kl
Nu=
ここに, K: 熱伝達係数[JIS Z 8000-5(番号
5-10.1)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
λ: 流体の熱伝導率[JIS Z 8000-5(番
号5-9)]
流体の熱伝導と対流熱
伝達の寄与との比を記
述する場合に使用され
る。固体内の熱伝導に
よる熱抵抗と固体表面
から外界への熱伝達に
よる熱抵抗との比を記
述する場合には,ビオ
数(番号11-5.5)が用い
られる。
11-5.5
(−)
ビオ数
(Biot number)
Bi
λ
Kl
Bi=
ここに, K: 熱伝達係数[JIS Z 8000-5(番号
5-10.1)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
λ: 固体の熱伝導率[JIS Z 8000-5(番
号5-9)]
主として,固体内の熱
伝導による熱抵抗と固
体表面から外界への熱
伝達による熱抵抗との
比を記述する場合に用
いられる。流体の熱伝
導と対流熱伝達の寄与
との比を記述する場合
には,ヌセルト数(番
号11-5.4)が用いられ
る。
11-5.6
(12-13)
スタントン数
(Stanton number)
St
p
c
K
St
v
ρ
=
ここに, K: 熱伝達係数[JIS Z 8000-5(番号
5-10.1)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
cp: 定圧比熱容量[JIS Z 8000-5(番
号5-16.2)]
St=Nu/Pe
マグリス数(Margoulis
number:Ms)ともいう。
ここに,
Nu: ヌセルト数(番号
11-5.4)
Pe: ペクレ数(番号
11-5.2)
次の式から求まる数(j)
を熱伝達因子という。
j=St・Pr2/3
ここに,
Pr: プラントル数(番
号11-7.1)
6
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
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6
二成分系混合物における物質の輸送(Transport of matter in a binary mixture)
番号
名称
記号
定義
説明
11-6.1
(12-14)
質量輸送のフーリエ
数
(Fourier number for
mass transfer)
Fo*
2
*
l
Dt
Fo=
ここに, D: 拡散係数[JIS Z 8000-9(番号
9-45)]
t: 時間[JIS Z 8000-3(番号3-7)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
Fo*=Fo/Le
ここに,
Fo: フーリエ数(番号
11-5.1)
Le: ルイス数(番号
11-7.3)
番号11-5.1の定義と異
なる。
11-6.2
(12-15)
質量輸送のペクレ数
(Péclet number for
mass transfer)
Pe*
D
l
Pe
v
=
*
ここに, v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
D: 拡散係数[JIS Z 8000-9(番号
9-45)]
Pe*=Re・Sc=Pe・Le
ここに,
Re: レイノルズ数(番
号11-4.1)
Sc: シュミット数(番
号11-7.2)
Pe: ペクレ数(番号
11-5.2)
Le: ルイス数(番号
11-7.3)
番号11-5.2の定義と異
なる。
11-6.3
(12-16)
質量輸送のグラスホ
フ数
(Grashof number for
mass transfer)
Gr*
2
3
*
v
x
l
Gr
∆
=
β
g
ここに, l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
g: 自由落下の加速度[JIS Z 8000-3
(番号3-9.2)]
β: 次の式で求められる。
β = −(1/ρ)(∂ρ/∂x)T,p
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号
4-2)]
T: 熱力学温度[JIS Z 8000-5
(番号5-1)]
p: 圧力[JIS Z 8000-4(番号
4-15.1)]
x: 物質量分率[JIS Z 8000-9(番号
9-14)]
v: 動粘度[JIS Z 8000-4(番号4-24)]
番号11-4.4の定義と異
なる。
7
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
名称
記号
定義
説明
11-6.4
(12-17)
質量輸送のヌセルト
数
(Nusselt number for
mass transfer)
Nu*
D
kl
Nu
ρ
=
*
ここに, k: 質量輸送係数は次の式で求めら
れる。
k = (m/t)/(AΔx)
m: 質量[JIS Z 8000-4(番号
4-1)]
t: 時間[JIS Z 8000-3(番号
3-7)]
A: 面積[JIS Z 8000-3(番号
3-3)]
x: 物質量分率[JIS Z 8000-9
(番号9-14)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
D: 拡散係数[JIS Z 8000-9(番号
9-45)]
シャーウッド数
(Sherwood number:
Sh)ともいう。
番号11-5.4の定義と異
なる。
11-6.5
(12-18)
質量輸送のスタント
ン数
(Stanton number for
mass transfer)
St*
v
ρ
k
St=
*
ここに, k: 質量輸送係数は次の式で求めら
れる。
k = (m/t)/(AΔx)
m: 質量[JIS Z 8000-4(番号
4-1)]
t: 時間[JIS Z 8000-3(番号
3-7)]
A: 面積[JIS Z 8000-3(番号
3-3)]
x: 物質量分率[JIS Z 8000-9
(番号9-14)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
次の式で求まる数(St*)
をマグリス数
(Margoulis number:
Ms)ともいう。
St*=Nu*/Pe*
熱の輸送の“11-5.6 ス
タントン数”と“11-6.5
質量輸送のスタントン
数”は,異なる“量”
であるが,同じ名称で
“マグリス数”とも呼ば
れることがある。
ここに,
Nu*:質量輸送のヌセ
ルト数(番号
11-6.4)
Pe*: 質量輸送のペク
レ数(番号11-6.2)
番号11-5.6の定義と異
なる。
次の式から求まる数
(jm)を質量伝達因子と
いう。
jm=St*・Sc2/3
ここに,
Sc: シュミット数(番
号11-7.2)
8
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
物質固有の性質(Constants of matter)
番号
名称
記号
定義
説明
11-7.1
(12-19)
プラントル数
(Prandtl number)
Pr
a
ν
c
Pr
p=
=λ
η
ここに, η: 粘度[JIS Z 8000-4(番号4-23)]
cp: 定圧比熱容量[JIS Z 8000-5(番
号5-16.2)]
λ: 熱伝導率[JIS Z 8000-5(番号
5-9)]
ν: 動粘度[JIS Z 8000-4(番号4-24)]
a: 熱拡散率[JIS Z 8000-5(番号
5-14)]
11-7.2
(12-20)
シュミット数
(Schmidt number)
Sc
D
ν
D
Sc
=
=ρη
ここに, η: 粘度[JIS Z 8000-4(番号4-23)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
D: 拡散係数[JIS Z 8000-9(番号
9-45)]
ν: 動粘度[JIS Z 8000-4(番号4-24)]
11-7.3
(12-21)
ルイス数
(Lewis number)
Le
D
a
D
c
Le
p
=
=ρλ
ここに, λ: 熱伝導率[JIS Z 8000-5(番号
5-9)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
cp: 定圧比熱容量[JIS Z 8000-5(番
号5-16.2)]
D: 拡散係数[JIS Z 8000-9(番号
9-45)]
a: 熱拡散率[JIS Z 8000-5(番号
5-14)]
この量は,番号11-5.2
及び番号11-6.2の項目
と関係が深いので,こ
れらと比較して使うこ
とが望ましい。
9
Z 8000-11:2016 (ISO 80000-11:2008)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8
磁気流体力学(Magnetohydrodynamics)
番号
名称
記号
定義
説明
11-8.1
(12-22)
磁気レイノルズ数
(magnetic Reynolds
number)
Rm
l
Rm
μσ
v
=
ここに, v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
μ: 透磁率[JIS Z 8000-6(番号
6-26.2)]
σ: 導電率[JIS Z 8000-6(番号6-43)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
11-8.2
(12-23)
アルヴェーン数
(Alfvén number)
Al
()
A
2
/1
v
v
v
=
=
ρμ
B
Al
ここに, v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
B: 磁束密度[JIS Z 8000-6(番号
6-21)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
μ: 透磁率[JIS Z 8000-6(番号
6-26.2)]
vA: アルヴェーン速さは次の式で求
められる。
vA = B/(ρµ)1/2
11-8.3
(12-24)
ハルトマン数
(Hartmann number)
Ha
2
/1
=
ν
Bl
Ha
ρ
σ
ここに, B: 磁束密度[JIS Z 8000-6(番号
6-21)]
l: 長さ[JIS Z 8000-3(番号3-1.1)]
σ: 導電率[JIS Z 8000-6(番号6-43)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
ν: 動粘度[JIS Z 8000-4(番号4-24)]
11-8.4
(12-25)
カウリング数
(Cowling number)
Co
2
2
v
μρ
B
Co=
ここに, B: 磁束密度[JIS Z 8000-6(番号
6-21)]
μ: 透磁率[JIS Z 8000-6(番号
6-26.2)]
ρ: 密度[JIS Z 8000-4(番号4-2)]
v: 速さ[JIS Z 8000-3(番号3-8.1)]
Co=(vA/v)2=Al−2
この量は,第二カウリ
ング数Co2という場合
が多い。
その場合,第一カウリ
ング数は,次の式で表
す。
Rm
Co
l
B
Re
Ha
Co
=
=
=
v
ρ
σ
2
2
1