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Z 7302-6 : 1999 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

JIS Z 7302-6には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) 廃棄物固形化燃料の水溶性塩素分試験方法 

廃棄物固形化燃料の試験方法は,次に示す部編成となっている。 

1) JIS Z 7302-1 : 1999 廃棄物固形化燃料−第1部:試験方法通則 

2) JIS Z 7302-2 : 1999 廃棄物固形化燃料−第2部:発熱量試験方法 

3) JIS Z 7302-3 : 1999 廃棄物固形化燃料−第3部:水分試験方法 

4) JIS Z 7302-4 : 1999 廃棄物固形化燃料−第4部:灰分試験方法 

5) JIS Z 7302-5 : 1999 廃棄物固形化燃料−第5部:金属含有量試験方法 

6) JIS Z 7302-6 : 1999 廃棄物固形化燃料−第6部:全塩素分試験方法 

また,次に示す標準情報がある。 

1) TR Z 0011 : 1999 廃棄物固形化燃料 

2) TR Z 0012 : 1999 廃棄物固形化燃料−硫黄分試験方法 

3) TR Z 0013 : 1999 廃棄物固形化燃料−かさ密度試験方法 

4) TR Z 0014 : 1999 廃棄物固形化燃料−元素分析試験方法

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 7302-6 : 1999 

廃棄物固形化燃料− 

第6部:全塩素分試験方法 

Densified refuse derived fuel− 

Part 6 : Test method for total chlorine contents 

序文 この規格は,廃棄物の処理問題解決策として,廃棄物の中に含まれている可燃物を圧縮,乾燥,粉

砕,成形固化などの加工によって固形化燃料を製造し,熱エネルギーとして有効利用するために,廃棄物

固形化燃料の統一的な試験方法を規定し,適用の能率化,使用者の利便などを図るために制定された。 

1. 適用範囲 この規格は,廃棄物を原料として,圧縮成形,押出成形などによって固形化した燃料(廃

棄物固形化燃料,以下,“RDF”という。)の全塩素分試験方法について規定する。 

備考 この規格で対象とするRDFは,圧縮成形,押出成形などによって比較的ち(緻)密化処理して

固形化したもので,ブロック状にしたもの及び高炉還元剤などとして使用されるチップ状のも

のは含まない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0127 イオンクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 2541 原油及び石油製品−硫黄分試験方法 

JIS K 6900 プラスチック−用語 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8032 アセトニトリル(試薬) 

JIS K 8223 過塩素酸(試薬) 

JIS K 8295 グリセリン(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8723 ニトロベンゼン(試薬) 

JIS K 8830 ウラニン(試薬) 

JIS K 8863 ほう酸(試薬) 

Z 7302-6 : 1999  

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JIS K 8866 四ほう酸ナトリウム十水和物(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄 (III)・12水(試薬) 

JIS K 8987 硫酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 9000 チオシアン酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 9704 2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 1306 化学分析用磁器燃焼ボート 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS Z 7302-1 廃棄物固形化燃料一第1部:試験方法通則 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900及びJIS Z 7302-1による。 

4. 一般事項 

4.1 

化学分析法 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

4.2 

イオンクロマトグラフ法 イオンクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0127による。 

5. 試験の種類 試験の種類は,燃焼管式空気法及びボンベ式質量法とする。 

6. 原理 試料は,あらかじめ950℃〜1 100℃に加熱した石英製燃焼管中に空気を導入して燃焼させる燃

焼管式空気法,又はあらかじめ水を入れたボンベに試料皿を入れた後,酸素を圧入して燃焼させるボンベ

式質量法によって,それぞれ生じたガスを水に吸収させて,硝酸銀滴定法,又はイオンクロマトグラフ法

によって塩素分を求める。 

7. 装置及び器具 

7.1 

試験器 試験器は,次のものを用いる。 

a) 燃焼管式空気法試験器は,JIS K 2541の5.3(燃焼管式空気法試験器)に規定する試験器を用いる。燃

焼管式空気法試験器の構成の一例を図1に示す。 

b) ボンベ式質量法試験器は,JIS K 2541の8.3(ボンベ式質量法試験器)に規定する試験器を用いる。ボ

ンベ式質量法試験器の構成の一例を図2に示す。 

7.2 

器具 器具は,次のものを用いる。 

a) はかり はかりは,0.1mgのけたで測定できるもの。 

b) ガラス器具 JIS R 3503に規定するもの。 

c) 全量フラスコ JIS R 3505に規定するもの。 

d) ボート JIS R 1306に規定するもの。石英製のものでもよい。 

e) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種C。 

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図1 燃焼管式空気法試験器の構成の一例 

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図2 ボンベ式質量法試験器の一例 

8. 試料 

8.1 

サンプルの採取方法 サンプルは,JIS Z 7302-1の6.1(サンプルの採取方法)に規定する方法によ

って必要量を採取する。 

8.2 

サンプルの粉砕方法 サンプルは,JIS Z 7302-1の6.2(サンプルの粉砕方法)に規定する方法によ

って全量を粉砕する。 

8.3 

試料の縮分方法 試料は,JIS Z 7302-1の6.3(試料の縮分方法)に規定する方法によって縮分し,

測定用試料とする。 

9. 試料の状態調節 試料の状態調節は,JIS Z 7302-1の6.4(試料の状態調節)に規定する方法による。 

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10. 全塩素測定方法 

10.1 燃焼管式空気法 

a) 原理 950℃〜1 100℃に加熱した石英製燃焼管中に空気を導入して試料を燃焼させ,生じたガスをJIS 

K 0557に規定する水(種別A2)に吸収させて塩酸とし,この塩素を定量する。 

b) 試薬 

1) 活性炭 粒状活性炭 

2) 硫酸 (1+1)  水50mLにJIS K 8951に規定する硫酸50mLを加えたもの。 

3) 水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30gを水100mLに溶かしたもの。 

4) 水 JIS K 0557に規定するA2。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 準備 

1.1) 空気洗浄装置の瓶に活性炭,硫酸 (1+1) ,水酸化ナトリウム溶液及び水を約100mLずつ図1に

示す配列の順番に入れる。 

備考 水が中性であることの確認のために水にフェノールフタレイン指示薬を加えておき,赤色に着

色(中性からアルカリ性に変化)したときに水を取り替えるとよい。 

1.2) 空気洗浄装置と流量計及び栓とを接続する。 

1.3) 電気炉(固定)のスイッチを入れ,電気炉(固定)の温度を950℃〜1 100℃にする。 

1.4) 下部吸収管にアダプタ及び上部吸収管を取り付けた後,アダプタと燃焼管のすり合わせ部から空

気漏れがないように注意してはめ込み,止め金具で止める。 

1.5) 栓を燃焼管に接続し,吸引ポンプを作動させて毎分2 500±100mLの割合で空気を吸引できるよう

に流量調整コックを調節する。 

1.6) 水を下部吸収管に35mL,上部吸収管に15mL採った後,トラップを接続する。 

2) 試料の採取 試料約1gを,ボート(1)に入れ,0.1mgのけたまではかる。 

注(1) ボートは,あらかじめ十分に空焼き(例えば,700℃〜900℃で3時間以上)したものを用いる。 

3) 燃焼 

3.1) 電気炉(固定)の温度が950℃〜1 100℃,空気流量が毎分2 500±100mLであることを確認した後,

栓を燃焼管から外して,試料の入ったボートを燃焼管の栓側から約200mm奥の位置に入れ,直ち

に栓を燃焼管に接続する。 

3.2) 電気炉(移動)のスイッチを入れ,燃焼管の栓側の端から電気炉(移動)を徐々に移動させなが

ら燃焼管を加熱する。この際,試料に着火しないように,また,吸収管に青い煙が出ないように

加熱温度及び移動速度を調節する。 

3.3) ボート内及び燃焼管内壁に付着した試料がなくなったら(2),更に10分間ボートを強熱 (800℃〜

900℃) して,試料を完全に燃焼させる(3)。 

注(2) ここまでの加熱時間は30分ぐらいが望ましいが,試料の量を多くしたり,試料の性状によって

は,この時間内で炭化・灰化まで終了させることが困難となるので,加熱時間を延長するとよ

い。 

注(3) 燃焼管の両端又は吸収管の下部に未燃焼試料及びすすが認められた場合は,汚れた部分を清浄

にした後,試験をやり直す。 

4) 停止 燃焼が終わったらポンプを止め,燃焼管とアダプタとの接続を切り離す。下部吸収管からア

ダプタ及びトラップを取り外し,内側を少量の水で数回洗い,その洗液を下部吸収管に入れる。上

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部吸収管の吸収液を下部吸収管に移した後,下部吸収管から取り外し,内側を少量の水で数回洗い,

その洗液を下部吸収管に集め,これを試験液とする。 

5) 空試験 試料及びボートを用いないで1),3)及び4)と同じ操作を行う。 

10.2 ボンベ式質量法 

a) 原理 水を入れたボンベに試料皿を入れた後,酸素を圧入して試料を燃焼させ,生じたガスを水に吸

収させて塩酸とし,この塩素を定量する。 

b) 試薬 

1) 水 JIS K 0557に規定するA2。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 準備 

1.1) ボンベ本体及びふたを水道水で十分に洗浄した後,水で3回すすぎ,乾燥させる。 

1.2) 水,約5mLをボンベ本体に入れ,その内面をぬらす。 

1.3) 試料約1gをがんぴ紙を用いて燃焼皿に0.1 mgのけたまではかり採り,ボンベの試料皿保持器に取

り付ける。 

1.4) 点火線を試料に触れさせて,その両端を点水用電極に接続する。 

1.5) ふたを完全に密閉して圧縮酸素を徐々に圧入し,その圧力を3.0MPa〜3.5MPaとする。 

1.6) 水中に沈めて気密であることを確かめる。 

2) 燃焼 スイッチを入れて試料を燃焼させる。少なくとも20分間水浴中に放置した後,ボンベを取り

出し,ボンベ内の圧力を一定速度で7分以上かけて抜く。ふたを外し内部の燃焼状態を調べ,未燃

焼試料及びすすが認められた場合,又は点火線が切れている場合は,汚れた部分を清浄にした後,

試験をやり直す。 

3) ボンベ内溶液の採集 

3.1) ボンベ本体内面,試料皿及び内ぶた内面に水を吹きかけて,十分に洗浄する。特に電極の付け根

は,丁寧に洗浄し,全洗液をビーカー500mLに集め,ボンベに沈殿があれば,これをテフロン製

へらなどを用いてこすり落とし,ビーカー500mLに移す。 

なお,このときのビーカー500mLの内容液は,300mLを超えないようにする。 

3.2) 試料皿は,別のビーカー50mLに入れ,試料皿が完全に浸るまで水を加え,わずかに沸騰する程度

で3分〜4分間加熱する。次に,この溶液を3.1)のビーカー500mLに加える。さらに,試料皿とビ

ーカー50mLとを水でよく洗い,試料皿に沈殿があればこれをテフロン製へらなどを用いてこすり

落とし,洗液と共にビーカー500mLに加える。 

3.3) 3.2)で得られた溶液をろ過し,ろ液を全量フラスコ500mLに入れる。ビーカーは少量の温水で洗

浄し,ろ過し,ろ液を全量フラスコに加える。全量フラスコに水を加えて500mLとし,試験液と

する。 

4) 空試験 試料を入れないで,1)〜3)の操作を行い空試験液を得る。 

11. 定量方法 

11.1 硝酸銀滴定法 

11.1.1 試薬及び試薬溶液の調製 

a) 試薬 

1) 水 JIS K 0557に規定するA2。 

Z 7302-6 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。 

3) 過塩素酸 JIS K 8223に規定するもの。 

4) 硝酸銀 JIS K 8550に規定するもの。 

5) 硫酸アンモニウム鉄 (III)・12水 JIS K 8982に規定するもの。 

6) チオシアン酸アンモニウム JIS K 9000に規定するもの。 

7) ニトロベンゼン JIS K 8723に規定するもの。 

8) ウラニン JIS K 8830に規定する指示薬。 

b) 試薬溶液の調整 

1) 硝酸 (100g/l)  

2) 硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液 硫酸アンモニウム鉄 (III)・12水6.0gを過塩素酸 (1+2) 100mLに

溶かす。褐色瓶に保存する。 

3) ウラニン指示薬 ウラニン0.20gを水に溶かして100mLとする。褐色瓶に保存する。 

4) 0.1mol/L硝酸銀溶液 硝酸銀17gを水1Lに溶かして褐色瓶に保存する。標定は,次による。 

標定 容量分析用標準物質塩化ナトリウムを600℃で約60分間加熱した後,デシケーター中で放

冷する。その0.14g〜0.17gを0.1mgのけたまではかり採り,コニカルビーカー200mLに移し,水50mL

を加えて溶かす。ウラニン指示薬数滴を加え,ここで調整した硝酸銀溶液で滴定し,溶液の色が赤

みを帯びた点を終点とする。ファクターは,次の式によって算出する。 

844

005

.0

×′

=a

m

f

ここに, 

f: 0.1mol/L硝酸銀溶液のファクター 

m: 塩化ナトリウムの採取量 (g)  

a': 滴定に要した0.1mol/L酸銀溶液の量 (mL)  

0.005 844: 0.1 mol/L硝酸銀溶液1mLに相当する塩化ナトリウムの量 (g)  

5) 0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液 チオシアン酸アンモニウム溶液8gを水1Lに溶かす。標

定は,次による。 

標定 コニカルビーカー200mLに4)で調製した0.1mol/L硝酸銀溶液を正確に25mL採り,水25mL,

硝酸2mL及びニトロベンゼン10mLを加える。指示薬として硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液数滴

を加え,よく振りまぜながら,ここで調整した0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液で滴定し,

溶液の微赤色が消えなくなった点を終点とする。ファクターは,次の式によって算出する。 

a

f

f

′′

×

=

25 

ここに, 

f′: 0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液のファクター 

f: 0.1mol/L硝酸銀溶液のファクター 

a′′: 滴定に要した0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液の量 (mL)  

11.1.2 定量操作 操作は,次のとおり行う。 

a) コニカルビーカー200mLに10.で調整した試験液(通常,25mL〜50mL)を分取し,硝酸 (100g/L) を

加えて酸性とする。 

b) 0.1mol/L硝酸銀溶液を正確に25mL加え,ニトロベンゼン3mL及び硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液1mL

を加えて振り混ぜる。 

c) 0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液で滴定し,溶液の微赤色が消えなくなった点を終点とし滴定

Z 7302-6 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

量を求める (amL) 。 

d) 別に,10.で調製した空試験液についてa)〜c)に準じて操作を行い,空試験値を求める (bmL) 。 

11.2 イオンクロマトグラフ法 

11.2.1 試薬及び試薬溶液の調整 

a) 試薬 

1) 水 JIS K 0557に規定するA2。 

2) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。 

3) ほう酸 JIS K 8863に規定するもの。 

4) 四ほう酸ナトリウム十水和物 JIS K 8866に規定するもの。 

5) 硫酸ナトリウム JIS K 8987に規定するもの。 

6) 硫酸カリウム JIS K 8962に規定するもの。 

7) グルコン酸カリウム 

8) ρ-ヒドロキシ安息香酸 

9) ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン 

10) フタル酸 

11) 2アミノ-2ヒドロキシメチル1, 3-プロパンジオール[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン] 

JIS K 9704に規定するもの。 

12) アセトニトリル JIS K 8032に規定するもの。 

13) グリセリン JIS K 8295に規定するもの。 

14) 塩化ナトリウム JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質。 

b) 試薬溶液の調整 

1) 溶離液 装置の種類及び使用する分離カラムの種類によって,次のいずれか一つを用いる(4)。 

1.1) サプレッサを備えた装置を用いる場合 

1.1.1) 炭酸水素塩−炭酸塩溶液I 炭酸水素ナトリウム0.336g (4mmol) と炭酸ナトリウム(無水)0.424g 

(4mmol) とを適量の水に溶かし,全量フラスコ1 000mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。 

1.1.2) 炭酸水素塩−炭酸塩溶液II 炭酸水素ナトリウム0.143g (1.7mmol) と炭酸ナトリウム(無水)

0.191g (1.8mmol) とを適量の水に溶かし,全量フラスコ1 000mLに水で洗い移し,水を標線まで

加える。 

1.2) サプレッサを備えていない装置を用いる場合 

1.2.1) グルコン酸塩−四ほう酸塩ほう酸溶液 グルコン酸カリウム0.305g (1.3mmol),四ほう酸ナトリ

ウム十水和物0.496g (1.3mmol),ほう酸1.855g (30mmol),アセトニトリル100mL及びグリセリ

ン5mLを適量の水に溶かし,全量フラスコ1 000mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。 

1.2.2) ρ-ヒドロキシ安息香酸−ビス(2-ヒドロキシニチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン 

ρ-ヒドロキシ安息香酸1.105g (8.0 mmol) とビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキ

シメチル)メタン0.669g (3.2mmol) とを水に溶かし,全量フラスコ1 000mLに水で洗い移し,

水を標線まで加える。 

1.2.3) フタル酸-2-アミノ−ヒドロキシメチルプロパンジオール フタル酸0.415g (2.5mmol) と2-アミ

ノ-2-ヒドロキシメチル-1, 3-プロパンジオール0.290g (2.4mmol),又はフタル酸0.382g (2.3mmol) 

と2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1, 3-プロパンジオール0.303g (2.5mmol) を適量の水に溶かし,

全量フラスコ1 000mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。 

Z 7302-6 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 再生液 サプレッサを用いる場合に使用し,装置の種類及びサプレッサの種類によって次のいずれ

かを用いる(5)。 

2.1) 硫酸 (15mmol/L)  硫酸 (1mol/L) (硫酸60mLを少量ずつ水500mLに加え,冷却後水で1Lとす

る。)15mLに水を加えて1Lとする。 

2.2) 硫酸 (12.5mmol/L)  硫酸 (1 mol/L) 12.5mLに水を加えて1Lとする。 

3) 塩化物イオン標準原液 (1mgCl-/mL)  塩化ナトリウムをあらかじめ約600℃で約1時間加熱し,デ

シケータ中で放冷する。その1.648gをはかり採り,少量の水に溶かす。全量フラスコ1 000mLに水

で洗い移し,水を標線まで加える。 

4) 塩化物イオン標準液 (0.1mgC1-/mL)  全量フラスコ100mLに3)で調整した塩化物イオン標準原液 

(1mgC1-/mL) を正確に10mL採り,水を標線まで加える。この標準液は,使用時に調整する。 

5) 塩化物イオン標準液 (0.01 mgCl-/mL)  全量フラスコ100mLに4)で調製した塩化物イオン標準液 

(0.1mgCl-/mL) を正確に10mL採り,水を標線まで加える。この標準液は,使用時に調整する。 

注(4) 装置及びカラムの使用説明書を参考にして選ぶとよい。塩化物イオンが定量的に測定できるこ

とを確認のうえ,分離カラムの特性に応じて,ここに示した以外の溶離液を用いてもよい。 

注(5) サプレッサに電気透析形のものを用いた場合は,再生液に水又は検出器通過後の溶離液を用い

ることができる。 

11.2.2 イオンクロマトグラフ イオンクロマトグラフは,次のとおりとする。 

a) 試料導入器 分析用試料溶液の一定量を常に正確に装置内に導入できる自動式のもの,又は装置内に

組み込まれた試料計量管(10μL〜250μLの一定量)に,1mL〜10mLのシリンジを用いて導入する手

動式のもの。 

b) 分離カラム 内容2mm〜8mm,長さ30mm〜300mmの不活性な合成樹脂製又は金属製の管に,陰イオ

ン交換体を充てんする。分析目的のイオンと隣接するイオンとが分離できるもの。 

c) プレカラム 濃縮,予備分離及び異物除去のためのカラムで,必要に応じて分離カラムの前に装着す

る。内径2mm〜6mm,長さ5mm〜50mmの不活性な合成樹脂製又は金属製の管に,分離カラムと同種

類の陰イオン交換体を充てんしたもの。 

d) サプレッサ(6) 溶離液中の陽イオンを水素イオンに変換するための器具で,溶離液中の陽イオンの濃

度に対して十分なイオン交換容量をもつ陽イオン交換膜で構成されたもの又は同様な性能をもった陽

イオン交換体を充てんしたもの。 

e) 検出器 電気伝導度検出器。 

注(6) 市販のイオンクロマトグラフには,分離カラムとサプレッサを備えた方式のものと,サプレッ

サを備えていない分離カラム単独の方式のものとがある。いずれを用いてもよい。 

また,サプレッサには,陽イオン交換膜の外側に電極を付けた電気透析形のものを用いても

よい。 

11.2.3 定量操作 操作は,次のとおり行う。 

a) イオンクロマトグラフを測定可能な状態にし,分離カラム溶離液を一定の流量(例えば,1mL/min〜

2mL/min)で流しておく。サプレッサ付きの装置の場合には,分離カラムとサプレッサに溶離液を流

し,さらにサプレッサには再生液を一定の流量で流しておく。 

b) 試料導入器を用いて10.で調製した試験液の一定量(10μL〜250μL)(7)をイオンクロマトグラフに導入

し,クロマトグラムを記録する。 

c) クロマトグラム上の塩化物イオンに相当するピークについて,ピーク面積又はピーク高さを求める。 

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Z 7302-6 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 11.2.4によって作成した検量線から,塩化物イオンの濃度 (mgCl-/mL) を求める (bmg/mL)。 

e) 10.で調製した空試験液について,b)の導入量と同じ量を用い,a)〜d)によって操作し,塩化物イオン

の空試験値を求める (amg/mL)。 

注(7) 特に低濃度の試料を測定する場合には,装置内の試料計量管(10μL〜250μLの一定量)の代わ

りに,分離カラムと同種類の陰イオン交換体とを充てんした濃縮カラムを用いるとよい。 

11.2.4 検量線の作成 数個の全量フラスコ100mLに,塩化物イオン標準液(0.1mgCl-/mL又は

0.01mgCl-/mL)1mL〜25mL(8)を段階的にとり,水を標線まで加え,その濃度を求めておく (mgC1-/mL) 。

11.2.3のa)〜c)の操作を行い,それぞれの塩化物イオン濃度に相当するピーク面積又はピーク高さを求め

る。別に,空試験液として,水について11.2.3のa)〜c)の操作を行い,塩化物イオンに相当するピーク面

積又はピーク高さを求め,塩化物イオン濃度 (mgCl-/mL) と空試験値を補正したピーク面積又はピーク高

さとの関係線を作成する。検量線の作成は,試料の測定時ごとに行う。 

注(8) 塩化物イオン標準液1mL〜25mLの範囲から数点をとる。 

12. 試験結果 

12.1 測定値の算出 

a) 硝酸銀滴定法による場合 硝酸銀滴定法による測定値は,次の式によって小数点以下3けたまで算出

し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。 

100

500

000

1

55

.3

)

(

×

×

×

×

×

=

V

m

f

a

b

C

ここに, C: 全塩素分(質量%) 
 

a: 滴定に要した0.1 mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液の量 (mL)  

b: 空試験に要した0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液の量 (mL)  

f: 0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム溶液のファクター 

m: 試料の質量 (g)  

V: 滴定に供した試験液の量 (ml)  

b) イオンクロマトグラフ法の場合 イオンクロマトグラフ法による測定値は,次の式によって小数点以

下3けたまで算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。 

100

000

1

500

)

(

×

×

×

=ma

b

C

ここに, C: 試料中の全塩素分(質量%) 
 

a: 検量線から求めた空試験液中の塩化物イオン濃度 (mg/mL)  

b: 検量線から求めた試験液中の塩化物イオン濃度 (mg/mL)  

m: 試料の質量 (g)  

12.2 測定回数 測定回数は,3回とする。 

12.3 結果の表し方 全塩素分は,3回の測定値の平均値を小数点以下3けたまで算出し,JIS Z 8401によ

って小数点以下2けたに丸める。 

13. 試験報告 試験報告には,必要に応じて次の事項を記入する。 

a) 試験したRDFの種類,形状及び寸法 

b) 試験した試料の数 

c) 試料の状態調節条件 

d) 試験結果 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 試験年月日 

f) 

受渡当事者間で協定した事項 

g) その他必要と思われる事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) 廃棄物固形化燃料の水溶性塩素分試験方法 

1. 適用範囲 この附属書は,廃棄物固形化燃料 (RDF) の水溶性塩素分試験方法について規定する。 

2. 一般事項 化学分析について共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

3. 原理 試料を熱水で抽出し,得られた水溶性塩素分を定量する。 

4. 器具 

a) ビーカー JIS R 3503に規定する500mL容量のもの。 

b) 漏斗 JIS R 3503に規定する内径50mmのもの。 

c) 全量フラスコ JIS R 3505に規定する500mL容量のもの。 

d) はかり 0.1mgのけたまで測定できるもの。 

e) 加熱器具 バーナー,電熱器又は適切な加熱器具。 

f) 

ろ紙 JIS P 3801に規定する5種C。 

5. 試験溶液の調整 試験溶液の調整は,次のとおり行う。 

a) 試料,約5gを0.1mgのけたまではかり採り,500mLのビーカーに移す。 

b) ビーカーに100mLの熱水を加える。ときどきかき混ぜ,試料が液に完全に浸るようにしながら沸点近

くまで加熱し,30分間溶出させる。 

c) 上澄み液をろ紙を用いてろ過し,ろ液をビーカーに集める。 

d) 100mLの熱水を用いて,b)〜c)の操作をさらに2回繰り返し,ろ液をビーカーに集める。 

e) 試料を100mLの熱水でよく洗い,洗液をろ過し,ビーカーのろ液に合わせる。 

f) 

ろ液を全量フラスコ500mLに移し,水を加えて500mLに合わせたものを試験液とする。 

g) 試料を用いないでb)〜d)及びf)と同じような操作を行い,空試験液とする。 

6. 定量方法,試験結果及び試験報告 定量方法,試験結果及び試験報告は,本体の11.,12.及び13.によ

る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS Z 7302 廃棄物固形化燃料の試験方法原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

 酒 井 伸 一 

京都大学環境保全センター 

 佐々木 信 彦 

通商産業省環境立地局リサイクル推進課 

 西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局化学課 

 生 田 章 一 

通商産業省生活産業局紙業印刷業課 

 宮 崎 正 浩 

工業技術院標準部消費生活規格課 

 奥 村 和 夫 

資源エネルギー庁石炭・新エネルギー部新エネルギー対策課 

 伊 藤   敏 

資源エネルギー庁公益事業部開発振興室 

 城 戸 伸 夫 

資源環境技術総合研究所 

 山 村 修 蔵 

財団法人日本規格会技術部 

 鍵 谷   司 

環境計画センター 

 蕨 岡 達 慈 

社団法人プラスチック処理促進協会 

 大 塚 哲 夫 

電源開発株式会社新事業開発室 

 米 澤 富 任 

三菱重工業株式会社環境装置技術部機械設計課 

 須 藤 勘三郎 

太平洋セメント株式会社技術部 

 菅 野 紀 良 

株式会社北海道熱供給公社市立病院事業部 

 中 里 有 宏 

株式会社タクマプラント建設本部電気計装部 

 川 口   一 

株式会社荏原製作所環境プラント事業統括基本設計第三部 

 汐 崎   憲 

株式会社カネカテクノリサーチ環境分析部 

 渡 辺 洋 一 

株式会社日本リサイクルマネジメント技術部 

 岡   直 樹 

出光興産株式会社新燃料部石炭研究所 

 河 原   徹 

シナネン株式会社環境事業部 

 大 出   譲 

財団法人科学技術戦略推進機構 

○ 高 橋 康 夫 

厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課 

○ 大 熊 一 寛 

環境庁企画調整局環境保全活動推進室 

○ 開 出 英 之 

自治省財政局公営企業第二課 

(事務局) 

 松 尾 義 和 

財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター 

 竹 嶋 成 昭 

財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター 

 鹿 毛 紀久雄 

財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター 

 備考 ○印:オブザーバー委員