Z 7302-5 : 2002
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS Z 7302-5 : 1999は改正され,この規格に置き換えられる。
廃棄物固形化燃料の試験方法は,次に示す部編成となっている。
1) JIS Z 7302-1 : 1999 廃棄物固形化燃料−第1部:試験方法通則
2) JIS Z 7302-2 : 1999 廃棄物固形化燃料−第2部:発熱量試験方法
3) JIS Z 7302-3 : 1999 廃棄物固形化燃料−第3部:水分試験方法
4) JIS Z 7302-4 : 1999 廃棄物固形化燃料−第4部:灰分試験方法
5) JIS Z 7302-5 : 2002 廃棄物固形化燃料−第5部:金属含有量試験方法
6) JIS Z 7302-6 : 1999 廃棄物固形化燃料−第6部:全塩素分試験方法
また,次に示す標準情報がある。
1) TR Z 0011 : 1999 廃棄物固形化燃料
2) TR Z 0012 : 1999 廃棄物固形化燃料−硫黄分試験方法
3) TR Z 0013 : 1999 廃棄物固形化燃料−かさ密度試験方法
4) TR Z 0014 : 1999 廃棄物固形化燃料−元素分析試験方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 7302-5 : 2002
廃棄物固形化燃料−
第5部:金属含有量試験方法
Densified refuse derived fuel−
Part5 : Test methods of metals contents
序文 この規格は,廃棄物の処理問題解決策として,廃棄物の中に含まれている可燃物を圧縮,乾燥,粉
砕,成形固化などの加工によって固形化燃料を製造し,熱エネルギーとして有効利用するために,廃棄物
固形化燃料の統一的な試験方法を規定し,適用の能率化,使用者の利便などを図るために制定された。
1. 適用範囲 この規格は,廃棄物を原料として,圧縮成形,押出成形などによって固形化した燃料(廃
棄物固形化燃料,以下“RDF”という。)に含まれている銅,亜鉛,鉛,カドミウム,鉄,アルミニウム,
ひ素,全クロム,全水銀及びセレンの含有量試験方法について規定する。
備考 この規格で対象とするRDFは,圧縮成形,押出成形などによって比較的ち(緻)密化処理して
固形化したもので,ブロック状にしたもの及び高炉還元剤などとして使用されるチップ状のも
のは含まない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 8223 過塩素酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS Z 7302-1 廃棄物固形化燃料−第1部:試験方法通則
JIS Z 8401 数値の丸め方
2
Z 7302-5 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900及びJIS Z 7302-1による。
4. 一般事項
4.1
化学分析法 化学分析に関する共通的な事項は,JIS K 0050による。
4.2
吸光光度法 吸光光度法に共通する一般事項は,JIS K 0115による。
4.3
原子吸光法 原子吸光法にはフレーム原子吸光法,電気加熱方式原子吸光法(以下,電気加熱原子
吸光法という。)及びその他の原子吸光法がある。これらに共通する一般事項はJIS K 0121による。
4.4
誘導結合プラズマ発光分析法 誘導結合プラズマ発光分析方法(以下,ICP発光分析法という。)に
共通する一般事項は,JIS K 0116による。
5. 原理 試料を規定された方法で分解した後,銅 (Cu),亜鉛 (Zn),鉛 (Pb),カドミウム (Cd),鉄 (Fe),
アルミニウム (Al),ひ素 (As),全クロム (Cr),全水銀 (Hg) 及びセレン (Se) の含有量を吸光光度法分析,
発光分光分析,原子吸光分析及びICP発光分析によって求める。
6. 試料
6.1
サンプルの採取方法 サンプルは,JIS Z 7302-1の6.1(サンプルの採取方法)に規定する方法に従
って必要量を採取する。
6.2
サンプルの粉砕方法 サンプルは,JIS Z 7302-1の6.2(サンプルの粉砕方法)に規定する方法に従
って全量を粉砕し,試料とする。
6.3
試料の縮分方法 試料は,JIS Z 7302-1の6.3(試料の縮分方法)に規定する方法に従って縮分し,
測定用試料とする。
7. 試料の状態調節 試料の状態調節は,JIS Z 7302-1の6.4(試料の状態調節)に規定する方法による。
8. 試料の前処理
8.1
銅及び亜鉛以外の金属分析の前処理
8.1.1
試薬及び器具 試薬及び器具は,次のものを用いる。
a) 過塩素酸 JIS K 8223に規定するもの。
b) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。
c) ろ紙 JIS P 3801に規定するもの。
d) ガラス器具 JIS R 3503に規定するもの。
e) 全量フラスコ JIS R 3505に規定するもの。
8.1.2
操作 操作は,次のとおり行う。
a) 試料をよく混ぜた後,約1gをビーカーにはかり採り,水20mLと硝酸10mLを加える。
b) 加熱板上で静かに加熱して液量が約10mLになるまで濃縮し(1),放冷する。
注(1) 亜硝酸ガスの発生が続いている場合は,硝酸5mLを加え,b)の操作を繰り返す。
c) 硝酸5mLを加え,過塩素酸(2)10mLを少量ずつ加えて加熱を続ける。過塩素酸の白煙が発生し始めた
ら時計皿で容器を覆い,過塩素酸が器壁を流下する状態に保って有機物を分解する。
注(2) 過塩素酸を用いる加熱分解操作は,試料の種類によっては爆発の危険性があるため,次のこと
に注意する。
3
Z 7302-5 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 酸化されやすい有機物は,過塩素酸を加える前に,b)の操作によって十分に分解しておく。
2) 過塩素酸の添加は,必ず濃縮液を放冷した後に行う。
3) 必ず過塩素酸と硝酸を共存させた状態で加熱分解を行う。
4) 濃縮液を乾固させない。
d) 有機物が分解しないで残ったときは(3),さらに硝酸5mLを加えてc)の操作を繰り返引す。
注(3) 有機物が残っている場合は,溶液が着色していることが多い。
e) 放冷後,水を加えて液量を約50mLに薄め,不溶解分が残った場合には,ろ紙を用いてろ過し,水で
洗い,ろ液と洗液を合せ全量フラスコ100mLに移し入れ,硝酸 (1+15) を標線まで加え,この液を
検液とする。
8.2
銅及び亜鉛の金属分析の前処理
8.2.1
試薬及び器具 試薬及び器具は,次のものを用いる。
a) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。
b) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
c) ガラス器具 JIS R 3503に規定するもの。
d) 全量フラスコ JIS R 3505に規定するもの。
8.2.2
操作 操作は,次のとおり行う。
a) 試料をよく混ぜた後,約10gを白金製又は石英製の蒸発皿に0.1mgのけたまではかり採る。
b) 硫酸約10滴を加えて徐々に加熱し,大部分の硫酸を蒸発させた後,加熱装置で乾固する。
c) 引き続き火力を強めながら,これを450℃で加熱し,灰化した後,放冷後8.1.2のb)〜e)の操作を行う。
備考 この方法は,試料採取による測定値のばらつきを改善するために試料採取量を10gに増量し,
予備灰化を行う方法である。ただし,この方法は,揮発性金属元素(Hg,Asなど)を測定す
る場合には適さない。
8.3
マイクロウェーブオーブンによる分解法 マイクロウェーブオーブンを使用する灰化法で同等の分
析結果が得られることが実証されている場合は,マイクロウェーブオーブン分解法を用いてもよい。
9. 定量方法 各金属の定量方法は,JIS K 0102に規定する方法による。
a) 銅 銅の定量は,ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法,フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光
法又はICP発光分析法による。
b) 亜鉛 亜鉛の定量は,ジチゾン吸光光度法,フレーム原子吸光法又はICP発光分析法による。
c) 鉛 鉛の定量は,ジチゾン吸光光度法,フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法又はICP発光分析
法による。
d) カドミウム カドミウムの定量は,ジチゾン吸光光度法,フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法
又はICP発光分析法による。
e) 鉄 鉄の定量は,フェナントロリン吸光光度法,フレーム原子吸光法又はICP発光分析法による。
f)
アルミニウム アルミニウムの定量は,キノリノール吸光光度法,フレーム原子吸光法又はICP発光
分析法による。
g) ひ素 ひ素の定量は,ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法又は水素化合物発生原子吸光法によ
る。
h) 全クロム 全クロムの定量は,ジフェニルカルバジド吸光光度法,フレーム原子吸光法,電気加熱原
子吸光法又はICP発光分析法による。
4
Z 7302-5 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
i)
全水銀 全水銀の定量は,還元気化原子吸光法又は過熱気化原子吸光法による。
j)
セレン セレンの定量は,3,3´−ジアミノベンジジン吸光光度法又は水素化合物発生原子吸光法によ
る。
10. 測定回数 測定は,3回繰り返して行う。
11. 結果の表し方 金属の含有量は,3回繰り返した結果の平均値 (μg/g) を,それぞれの報告値に必要な
けた数の1けた下まで算出し,JIS Z 8401によって丸める。
12. 試験報告 試験報告には,必要に応じて次の事項を記入する。
a) 試験したRDFの種類,形状及び寸法
b) 試験した試料の数
c) 試料の状態調節条件
d) 試料の前処理方法
e) 試験で得られた個々の値
f)
試験結果
g) 試験年月日
h) 受渡当事者間で協定した事項
i)
その他必要と思われる事項
5
Z 7302-5 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Z 7302 廃棄物固形化燃料の試験方法原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
酒 井 伸 一
京都大学環境保全センター
佐々木 伸 彦
通商産業省環境立地局リサイクル推進課
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局化学課
生 田 章 一
通商産業省生活産業局紙業印刷業課
宮 崎 正 浩
工業技術院標準部消費生活規格課
奥 村 和 夫
資源エネルギー庁石炭・新エネルギー部新エネルギー対策課
伊 藤 敏
資源エネルギー庁公益事業部開発振興室
城 戸 伸 夫
資源環境技術総合研究所
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会技術部
鍵 谷 司
環境計画センター
蕨 岡 達 慈
社団法人プラスチック処理促進協会
大 塚 哲 夫
電源開発株式会社新事業開発室
米 澤 富 任
三菱重工業株式会社環境装置技術部機械設計課
須 藤 勘三郎
太平洋セメント株式会社技術部
菅 野 紀 良
株式会社北海道熱供給公社市立病院事業部
中 里 有 宏
株式会社タクマプラント建設本部電気計装部
川 口 一
株式会社荏原製作所環境プラント事業統括基本設計第三部
汐 崎 憲
株式会社カネカテクノリサーチ環境分析部
渡 辺 洋 一
株式会社日本リサイクルマネジメント技術部
岡 直 樹
出光興産株式会社新燃料部石炭研究所
河 原 徹
シナネン株式会社環境事業部
大 出 譲
財団法人化学技術戦略推進機構
○ 高 橋 康 夫
厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課
○ 大 熊 一 寛
環境庁企画調整局環境保全活動推進室
○ 開 出 英 之
自治省財政局公営企業第二課
(事務局)
松 尾 義 和
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
竹 嶋 成 昭
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
鹿 毛 紀久雄
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
備考 ○印:オブザーバー委員
JIS Z 7302 廃棄物固形化燃料の試験方法 改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
酒 井 伸 一
国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
佐々木 伸 彦
経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課
西 出 徹 雄
経済産業省製造産業局化学課
西 川 泰 蔵
経済産業省産業技術環境局標準課
鎌 田 昭 良
資源エネルギー庁新エネルギー対策課
伊 藤 敏
資源エネルギー庁公益事業部電力技術課
冨 永 衛
産業技術総合研究所化学物質リスク管理研究センター
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会技術部
鍵 谷 司
環境計画センター
蕨 岡 達 慈
社団法人プラスチック処理促進協会
飯 倉 督 夫
財団法人エンジニアリング振興協会
吉 田 孝
電源開発株式会社新事業開発部
米 澤 富 任
三菱重工業株式会社環境装置技術部
須 藤 勘三郎
太平洋セメント株式会社設備技術部
横 井 孝 佳
日立金属株式会社環境エンジニアリング事業部
阪 田 勇
環境資源株式会社
6
Z 7302-5 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
川 口 一
株式会社荏原製作所環境プラント事業統括基本設計第三部
汐 崎 憲
株式会社カネカテクノリサーチ環境分析部
渡 辺 洋 一
川崎製鉄株式会社環境事業部
岡 直 樹
出光興産株式会社産業エネルギー部
河 原 徹
シナネン株式会社事業開発本部
小 瀬 達 男
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
○ 室 石 泰 弘
環境省廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課
○ 伊 藤 正
環境庁環境管理局大気環境課
○ 吾 郷 進 平
総務省自治財務局公営企業経営企画室
(事務局)
刑 部 潤
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
西 川 文 雪
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
鹿 毛 紀久雄
財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター
備考 ○印:オブザーバー委員
日本工業標準調査会標準部会 環境・資源循環専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
二 瓶 好 正
東京理科大学理工学部
(委員)
間 邦 彦
日本製紙連合会技術環境部
稲 葉 敦
独立行政法人産業技術総合研究所
ライフサイクルアセスメント研究センター
指 宿 堯 嗣
独立行政法人産業技術総合研究所
今 城 高 之
社団法人日本自動車工業会環境統括部
大 谷 郁 二
社団法人プラスチック処理促進協会技術開発委員会
川 合 正 剛
社団法人日本化学工業協会 化学標準化センター
久 米 猛
財団法人化学物質評価研究機構東京事業所環境技術部
小 林 珠 江
株式会社西友環境推進室
酒 井 伸 一
独立行政法人国立環境研究所
循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
佐 野 真理子
主婦連合会事務局
竹 居 照 芳
日本経済新聞社
辰 巳 菊 子
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント
協会
永 田 勝 也
早稲田大学理工学部
中 山 哲 男
社団法人産業環境管理協会
服 部 重 彦
社団法人日本分析機器工業会
福 田 輝 夫
社団法人日本電機工業会
松 田 美夜子
生活環境評論家リサイクル研究家
(富士常葉大学環境防災学部)
山 岸 千 丈
社団法人日本建材産業協会標準化専門委員会
山 田 範 保
環境省大臣官房