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Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本放射線技術学会(JSRT)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61223-2-9:1999,Evaluation and 

routine testing in medical imaging departments−Part 2-9: Constancy tests−Equipment for indirect radioscopy and 

indirect radiographyを基礎として用いた。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認に

ついて,責任はもたない。 

JIS Z 4752-2-9には,次に示す附属書がある。 

附属書A(規定)用語−用語の索引 

附属書B(参考)標準的な試験報告書の様式例 

附属書C(参考)取るべき処理に関する指針 

附属書D(規定)ファントム及び試験器具 

JIS Z 4752の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS Z 4752-1 第1部:総則 

JIS Z 4752-2-1 第2-1部:不変性試験−フィルム現像機 

JIS Z 4752-2-2 第2-2部:不変性試験−撮影用カセッテ及びフィルムチェンジャにおけるフィルム・

増感紙の密着及び相対感度 

JIS Z 4752-2-3 第2-3部:不変性試験−暗室安全光条件 

JIS Z 4752-2-5 第2-5部:不変性試験−画像表示装置 

JIS Z 4752-2-6 第2-6部:不変性試験−医用X線CT装置 

JIS Z 4752-2-7 第2-7部:不変性試験−口内法撮影用X線装置 

JIS Z 4752-2-8 第2-8部:不変性試験−X線防護具類 

JIS Z 4752-2-9 第2-9部:不変性試験−間接透視及び間接撮影用X線装置 

JIS Z 4752-2-10 第2-10部:不変性試験−乳房用X線装置 

JIS Z 4752-2-11 第2-11部:不変性試験−直接撮影用X線装置 

JIS Z 4752-3-1 第3-1部:受入試験−診断用X線装置 

JIS Z 4752-3-3 第3-3部:受入試験−ディジタルサブトラクション血管造影(DSA)用X線装置 

JIS Z 4752-3-4 第3-4部:受入試験−歯科用X線装置の画像性能 

JIS Z 4752-3-5 第3-5部:受入試験−医用X線CT装置 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲及び目的 ············································································································ 1 

1.1 適用範囲 ······················································································································ 1 

1.2 目的 ···························································································································· 1 

2. 引用規格 ························································································································ 2 

3. 定義 ······························································································································ 3 

3.1 要求度 ························································································································· 3 

3.2 用語の用い方 ················································································································ 3 

4. 不変性試験の概要 ············································································································ 3 

4.1 試験手順に影響する一般的条件························································································· 3 

4.2 基礎値の設定 ················································································································ 4 

4.3 不変性試験の頻度 ·········································································································· 4 

4.4 X線装置,試験機器及び試験条件の同一性 ·········································································· 4 

4.5 測定される機能パラメータ······························································································· 5 

5. 性能試験 ························································································································ 5 

5.1 X線源装置からのX線出力 ······························································································ 5 

5.2 グレースケール画像及び自動線量率制御 ············································································· 6 

5.3 低コントラストしきい値 ································································································· 7 

5.4 高コントラスト解像度の限界···························································································· 7 

5.5 不変性試験の頻度 ·········································································································· 8 

6. 適合に関する報告 ············································································································ 8 

附属書A(規定)用語−用語の索引 ························································································· 9 

附属書B(参考)標準的な試験報告書の様式例 ·········································································· 11 

附属書C(参考)取るべき処理に関する指針 ············································································ 12 

附属書D(規定)ファントム及び試験器具 ··············································································· 13 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 4752-2-9:2008 

(IEC 61223-2-9:1999) 

医用画像部門における品質維持の評価及び 

日常試験方法−第2-9部:不変性試験− 

間接透視及び間接撮影用X線装置 

Evaluation and routine testing in medical imaging departments- 

Part 2-9: Constancy tests- 

Equipment for indirect radioscopy and indirect radiography 

序文 この規格は,1999年に第1版として発行されたIEC 61223-2-9,Evaluation and routine testing in medical 

imaging departments−Part 2-9: Constancy tests−Equipment for indirect radioscopy and indirect radiographyを翻

訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲及び目的  

1.1 

適用範囲 この規格は,JIS Z 4752規格群の一つで,次のX線装置の構成品について規定する。 

a) X線の発生,伝達及び検出するもの。 

b) アナログ及び/又はデジタルの画像記録システムを組み合わせ,X線イメージインテンシファイアを

用いて間接透視及び間接撮影を行う診断用X線システムを備えた放射線設備における,X線画像の処

理,表示及び記録するもの。 

 − テレビジョン表示システム 

 − スポットカメラ 

 − シネカメラ 

この規格は,診断用X線装置の様々な構成品の作動についての不変性試験方法について規定する。また,

JIS Z 4752-1に規定する診断用X線装置の特性を維持するための試験方法についても規定する(2.参照)。 

この規格は,デジタル画像装置を構成しない間接透視及び間接撮影用X線装置に適用する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

IEC 61223-2-9:1999,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-9: 

Constancy tests−Equipment for indirect radioscopy and indirect radiography (IDT) 

1.2 

目的 この規格は,次の要求事項について規定する。 

− X線装置の構成品の性能又は性能に影響を与える基本的なパラメータ。 

− 患者への不要照射を避けながら,適切な画質基準を維持するために,これらのパラメータの変化が許

容限度内にあることを確認する方法。 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この方法は,適切な試験器具による放射線情報の評価を基本にしている。 

この方法の目的は,次のとおりである。 

− 装置が受け入れられた後に性能の基準レベルを定める。 

− 是正が必要かも知れない性能パラメータの有意な変化を見つけ,確かめる。 

放射線設備は個々に異なるため,この規格では,受け入れられる基準として一般的に適用できる性能パ

ラメータの目標値及び許容差については規定しない。しかし,適切な改善行為が必要となるような性能パ

ラメータの変動範囲を示すための指針を規定する。 

この規格は,次の内容は規定しない。 

− 機械的及び電気的安全に関する事項 

− X線に対する直接的な防護手段の効果に関する確認 

− 画質の最適化 

 測定に関しては,関連規格で規定する方法を実施したうえで,この規格で規定する方法を行うべきであ

る(2.参照)。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 4005 医用放射線用語 

備考 IEC 60788: 1984 Medical radiology−Terminologyからの引用事項は,この規格の該当事項と

同等である。 

JIS Z 4752-1 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第1部:総則 

備考 IEC 61223-1: 1993 Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 1: 

General aspectsが,この規格と一致している。   

JIS Z 4752-2-1  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第2-1部:不変性試験−フ

ィルム現像機 

備考 IEC 61223-2-1: 1993 Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-1: 

Constancy tests−Film processorsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS Z 4752-2-2  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第2-2部:不変性試験−撮

影用カセッテ及びフィルムチェンジャにおけるフィルム・増感紙の密着及び相対感度 

備考 IEC 61223-2-2: 1993 Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-2: 

Constancy tests−Radiographic cassettes and film changers−Film-screen contact and relative 

sensitivity of the screen-cassette assemblyからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS Z 4752-2-3  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第2-3部:不変性試験−暗

室安全光条件 

備考 IEC 61223-2-3: 1993 Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 

2-3:Constancy tests−Darkroom safelight conditionsが,この規格と一致している。 

JIS Z 4752-2-5  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第2-5部:不変性試験−画

像表示装置 

備考 IEC 61223-2-5: 1994 Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-5: 

Constancy tests−Image display devicesが,この規格と一致している。   

IEC 61223-2-4: 1994 Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-4: Constancy 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

tests−Hard copy cameras 

3. 定義  

3.1 

要求度 この規格では,特定の語について,要求事項の規定を次のように明確にしている。 

− ・・・(し)なければならない。 

適合が必す(須)である要求事項を示す文章の末尾。 

− ・・・することが望ましい。 ・・・するのがよい。 

適合が必す(須)でない強い勧告を示す文章の末尾。 

− ・・・(し)てもよい。 ・・・差し支えない。 

要求事項に適合する方法又はその代わりの方法を示す文章の末尾。 

− 規定の,規定した 

この規格だけに記載された情報又は他の規格における,通常特定の作動条件,試験配置又は適合値

の値。 

− 指定の,指定した 

通常,期待する目的,パラメータ又はその使用若しくは適合試験条件に関して,機器の附属文書又

は他の文書に製造業者によって明記された限定的な情報を示す語。 

3.2 

用語の用い方 この規格では,太字にした用語は,JIS Z 4005及び附属書Aで定義する用語である。 

4. 不変性試験の概要 不変性試験の試験方法は,X線装置から得られる画像の画質の変化を,操作者が

見いだすことを目的とする。 

不変性試験の結果を有効にするためには,その結果が試験パラメータの変化以外の何ものによっても重

大な影響を受けないことを保証することが必要である。 

特に,JIS Z 4752-2-3による暗室内での安全光条件及びJIS Z 4752-2-1による適切なフィルム現像処理に

注意しなければならない(2.参照)。写真観察器(シャウカステン)を用いるとき,照明条件に特に注意す

ることが望ましい。 

被試験装置を確認する作動条件及び試験条件は,環境変化の影響を含めて検討しなければならない。 

試験におけるすべての被試験装置及び試験に用いるすべての試験機器は,最初の不変性試験で用いたも

のと,それ以降で同じものが用いられることを保証するために,最初の不変性試験で,装置及び試験機器

を含む試験条件を記録しなければならない。 

5.で規定する試験器具は,附属書Dにその詳細を規定した。実際には,個別の試験器具の特性を複合し

た試験器具を用いてもよい。さらに,5.で個別に規定している試験を同時に行ってもよい。 

備考 製造業者が附属文書で不変性試験の方法及び頻度を提示している場合には,これらに従う。 

4.1 

試験手順に影響する一般的条件 不変性試験の項目は,その結果が対象となるパラメータの変化以

外に影響を受けない安定したものを選定している。試験器具及び試験機器は,必要最小限の数で,簡便で

安定したものを用いる。 

条件は,次による。 

− 不変性試験は,臨床で最も頻繁に用いるX線条件で行う。 

− 試験を行うごとに,X線装置及び附属品を再現性よく配置し記録する。また,用いる試験機器,構成

品及び附属品が同じであることを確認する。 

− 結果に影響を与える環境の変化を考慮する。電源電圧の変動及び画像表示装置の画像を評価するとき

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

の室内照明状態は,特に重要である。 

− 2.の引用規格に適合する撮影用フィルムを用いて,現像,観察する。 

− 試験機器の性能は,定期的に点検する。特に,X線装置に重大な変化があると推測されるときは,試

験機器を随時点検しなければならない。 

備考 適切な日本工業規格がある場合,試験機器は日本工業規格によることが望ましい。 

4.2 

基礎値の設定 新しくX線装置を使用するときは,受入試験によって性能が満足することを確認し

た後,直ちに最初の不変性試験を行わなければならない。最初の不変性試験の目的は,試験しているパラ

メータの基礎値を設定することである。 

4.3 

不変性試験の頻度 不変性試験は,個々の箇条で示した頻度で行わなければならない。それに加え

て次の場合にも繰り返す。 

− 誤動作の疑いがあるとき。 

− X線装置の試験の対象になる性能パラメータに影響すると考えられる保守を行った直後。 

− 試験の結果が基準から外れたとき。 

基礎値の記録は,新たな基礎値が設定される不変性試験が実施されるまで保存しなければならない。 

不変性試験の結果は,少なくとも2年間保存しなければならない。 

4.4 

X線装置,試験機器及び試験条件の同一性 被試験X線装置及び試験に使用するすべての試験機器

は,明確に同一性を確認できなければならない。 

X線装置の交換可能な構成品は,次による。 

− 付加フィルタ 

− 照射野限定器 

− X線(放射線)ビーム内にある患者支持器又は他の減弱物。  

− 散乱線除去グリッド 

− 撮影用フィルムの形名及び乳剤番号 

− ビデオ関連機器(カメラ,ビデオユニット及びモニタ) 

− フィルム現像機 

− ハードコピーカメラ 

用いる試験機器は,次による。 

− 増感紙付き撮影用カセッテ 

− 試験器具 

− 濃度計  

設定の変動は,次による。 

− 焦点受像器間距離 

− 自動制御システムの濃度制御及び検出器の位置。 

− デジタル画像システムのウィンドウレベル 

− X線条件 

− 該当する場合,公称焦点寸法 

前述の事柄は,表示又は記録しなければならない。これは,最初の不変性試験で用いる試験機器及び器

具並びに設定を,X線装置の試験に用いるようにするためである。 

備考1. 最初の不変性試験におけるすべての設定は,X線装置の臨床上の典型的な使い方を反映する

ことが望ましい。 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2. 試験に用いるすべての撮影用フィルムは,フィルム現像機の不変性試験に用いるフィルムと

同じ形名のものが基本である。フィルム現像機で,2種類以上の撮影材料(感光材料)を処

理するときは,それぞれの感度の違いを許容するために,各形名について不変性試験を実施

することが望ましい。 

4.5 

測定される機能パラメータ 間接透視システムの画像性能は,次の機能パラメータの変化が適用判

定基準に合致していれば,不変であると考える。 

− X線源装置からのX線出力(5.1参照)  

− グレースケール画像及び自動線量率制御(5.2 参照)  

− 低コントラストしきい(閾)値(5.3 参照) 

− 高コントラスト解像度の限界(5.4 参照) 

間接撮影システムの画像性能は,次の機能パラメータの変化が適用判定基準に合致していれば,不変で

あると考える。 

− X線源装置からのX線出力(5.1参照)  

− グレースケール画像及び自動線量率制御(5.2 参照) 

− 低コントラストしきい値(5.3 参照) 

− 高コントラスト解像度の限界(5.4 参照) 

5. 性能試験  

5.1 

X線源装置からのX線出力  

5.1.1 

概要 X線源装置からのX線出力は,放射線測定器で測定する。測定は,X線装置の形式及び用

途に応じて,マニュアル制御及び/又は自動線量率制御で行う。 

5.1.2 

試験機器 測定は,長時間の安定性,計器ノイズ及び読取り限界を含む総合的な誤差が±5 %以内

の放射線測定器を用いる。自動線量率制御で試験するときには,患者の代わりとして減弱ファントムを用

いなければならない。これは,X線ビームの適度な減弱及び線質硬化のためである。減弱ファントムの詳

細は,附属書Dを参照する。 

5.1.3 

試験手順 放射線測定器の放射線検出器は,X線源装置から出てくるX線ビーム内に置く。 

 測定の位置関係は,次による。 

− X線管焦点から放射線検出器までの距離は,最初の不変性試験で用いた距離の±1 %以内に再配置す

る。 

− 放射線検出器の位置は,最初の不変性試験と同じX線照射野を用い,同じ位置に配置する。 

 可能であれば,この試験は,マニュアル制御と自動線量率制御との両方で行う。 

5.1.3.1 

マニュアル制御試験 最初の不変性試験で用いたものと同一の負荷条件を手動操作で設定し,X

線装置を操作する。 

放射線測定器の読みを記録する。 

5.1.3.2 

自動線量率制御試験 通常の臨床で用いるように,X線源装置及びX線受像器を一列に配置する。 

減弱ファントムをX線ビーム内で,放射線測定器の放射線検出器と自動制御システムの放射線検出器と

の間に配置する。 

放射線測定器の放射線検出器は,自動制御システムの動作に影響しない位置に置く。 

5.1.4 

データの評価 X線出力の測定値を,設定した基礎値と比較する。 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.1.5 

適用基準  

5.1.5.1 

マニュアル制御試験 X線出力は,基礎値の±20 %以内であることが望ましい。 

5.1.5.2 

自動線量率制御試験 適用される基準は,減弱ファントムに用いる物質による。 

低い原子番号(最大14)の物質[例えば,水,ポリメチルメタクリレイト(PMMA),アルミニウム]が

用いられる場合,X線出力は,基礎値の−20〜+25 %以内が望ましい。 

高い原子番号の物質,例えば,銅又は鉛の場合,X線出力は基礎値の±25 %以内が望ましい。 

5.1.6 

取るべき処置 被試験システムが基準を満たさない場合には,附属書Cの指針によることが望ま

しい。 

備考 マニュアル制御の試験では,X線管の劣化によってX線出力は,徐々に減少することが予測さ

れる。このため,適時新しい基礎値を決めることが必要である。しかし,自動線量率制御では,

X線出力の減少が補償され,検知できない。 

5.1.7 

不変性試験の頻度 最初,出力測定値の平均の値を計算して基礎値を確定するために,少なくとも

1週間は,毎日不変性試験を実施することが望ましい。 

続いて,X線源装置,高電圧装置及び自動制御システムの信頼性に関するデータを得るために,6か月

間は,2週間ごとに不変性試験を繰り返すことが望ましい。その後,不変性試験は,製造業者が提供した

取扱説明書に従って実施しなければならない。試験頻度に関する情報がない場合には,不変性試験は,少

なくとも3か月ごとに実施しなければならない。 

参考 対応国際規格では年1回となっているが,5.5 と矛盾しているので,3か月ごとにと修正した。 

5.2 

グレースケール画像及び自動線量率制御  

5.2.1 

概要 X線画像装置の性能が一定であることを保証するために,X線に関する規定の低コントラス

トが得られる試験器具を画像化する。加えて,その試験器具を自動線量率制御下で画像化することによっ

て,自動線量率制御システムの性能の不変性が点検できる。 

5.2.2 

試験機器  

減弱ファントム     (附属書D参照) 

グレースケール試験器具 (附属書D参照) 

5.2.3 

試験手順  

a) グレースケール試験器具をX線イメージインテンシファイアの入力面に可能な限り近くに置く。 

試験器具が,X線イメージインテンシファイアの視野の中心にあること,及びX線イメージインテン

シファイアに対する方向が最初の不変性試験と同じであることを確認する。必要なら,連続チェンジ

ャ又はX線イメージインテンシファイアに仮止めする。 

b) 焦点とX線イメージインテンシファイアの入力面の距離を,最初の不変性試験で設定した値に合わせ

る。 

c) X線イメージインテンシファイアの最も大きな視野サイズを選択し,試験体の外形にX線ビームを絞

る。 

d) 減弱ファントムをX線管装置に可能な限り近づけてX線ビーム内に置く。 

e) 透視装置の操作 

− 最初の不変性試験で設定した管電圧及び管電流に手動で合わせる。 

− 最初の不変性試験で設定したウィンドウレベル及び画像パラメータ(エッジ強調など)を用いる。 

備考 通常,設定は,臨床上で用いられるのと同様のものが選ばれる。 

− 自動線量率制御を用いる。 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

画像表示装置の正面に立ち,最初の不変性試験で用いた室内照明条件で,画像表示装置で識別できる

画像の細部を観察する。 

5.2.4 

データの評価  

a) 画像表示装置上の白いスポット及び黒いスポットの見え方を調べる。 

b) 自動線量率制御における透視時の管電圧及び管電流の指示値を記録する。 

5.2.5 

適用基準  

a) 画像表示装置上で,白いスポット及び黒いスポットとも均等に見えなければならない。 

b) 装置に管電圧の表示機能があるならば,指示値は基礎値の±5 kV以内でなければならない。 

c) 装置に管電流の表示機能があるならば,指示値は基礎値の±20 %以内でなければならない。 

5.2.6 

取るべき処置 白いスポット及び黒いスポットが均等に見えない場合には,画像表示装置の明るさ

及びコントラストを見やすいように微調整してもよい。見えない場合又は被試験システムがその他の基準

を満たさない場合は,附属書Cの指針によることが望ましい。 

5.3 

低コントラストしきい値  

5.3.1 

概要 標準の試験条件で,識別可能なコントラストのしきい値の不変性は,一連の大きな減弱円盤

をもつ適切な試験器具を用いて決められる。臨床で用いるのと同じ適切なX線ビームの線質を用いるなら

ば,円盤によって適切な範囲のX線コントラストが作られる。 

5.3.2 

試験機器  

減弱ファントム(附属書D参照) 

低コントラスト試験器具(附属書D参照) 

5.3.3 

試験手順 5.2.3に規定した手順を繰り返す。ただし,グレースケール試験器具の代わりに低コン

トラスト試験器具を用いる。 

可能ならば,最初の不変性試験と同じ設定で,画像記憶システムを用いて試験手順を繰り返す。 

5.3.4 

データの評価 識別できる円盤の数を,次によって数える。 

− 透視中の画像表示装置 

− 画像記憶装置使用時の画像表示装置 

5.3.5 

適用基準 識別できる円盤の数は,最初の不変性試験において記録された数より,1段階を超える

差があってはならない。 

5.3.6 

取るべき処置 被試験X線システムがその他の基準を満たさない場合には,附属書Cで参照され

た指針によることが望ましい。 

5.4 

高コントラスト解像度の限界  

5.4.1 

概要 システムの解像度の限界は,適切な空間周波数幅の鉛線試験パターンなどの試験器具の画像

で試験する。 

5.4.2 

試験機器  

高コントラスト試験器具(附属書D参照) 

要求される場合,補償フィルタ試験器具(附属書D参照) 

参考 空間周波数範囲の公比1.25の線対群であるJIS Z 4916に規定するX線用解像力テストチャート

を用いてもよい。 

5.4.3 

試験手順  

a) 工具を用いずに外せるならば散乱線除去グリッドを外す。高コントラスト試験器具を,X線イメージ

インテンシファイアの入力面にできる限り近づけて置く。試験パターンを,画像表示装置の走査線に

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

対して約45°の角度になるように調整しなければならない。 

b) X線管の焦点とX線イメージインテンシファイア入力面との距離を,最初の不変性試験で設定した値

にする。 

c) 最初の不変性試験と同じX線イメージインテンシファイアの視野サイズを選択し,試験物の大きさに

X線ビームを絞る。 

備考 この試験の目的のため,減弱ファントムは用いない。 

d) X線透視装置をマニュアルで操作し,最初の不変性試験で設定した管電圧及び管電流に合わせる。X

線システムがマニュアルで操作できない場合には,自動線量率制御で試験する。管電圧を約70 kVに

設定し,画像表示装置の明るさ限度を超える(例えば,ハレーション)直前の設定可能な最大管電流

を設定する。ハレーションが起きる場合,X線ビーム内のX線源装置近くに,補償フィルタ試験器具

(附属書D参照)を置く。 

e) 画像表示装置の正面に立ち,最初の不変性試験で用いた室内照明条件で,画像表示装置で識別できる

画像の細部を観察する。 

f) 

可能な場合,最初の不変性試験と同じ条件設定で画像記録システムを動作させて手順a)〜e)を繰り返

す。 

5.4.4 

データの評価 十分に解像された線対群の値を,次によって読み取る。 

− 透視中の画像表示装置 

− 画像記録装置を用いたとき,画像表示装置 

− X線像 

5.4.5 

適用基準 識別できる線対群は,最初の不変性試験より劣化しても,2段階以上でないことが望ま

しく,3段階以上であってはならない。 

5.4.6 

取るべき処置 被試験システムが基準を満たさない場合,附属書Cの指針によることが望ましい。 

5.5 

不変性試験の頻度 5.1〜5.4に規定したすべての試験は,製造業者から提供された取扱説明書に従っ

て実施することが望ましい。試験頻度に関する情報がない場合には,少なくとも3か月ごとに実施しなけ

ればならない。 

6. 適合に関する報告 試験報告書の表題は,次のようにしなければならない。 

報告書 

間接透視及び間接撮影用X線装置の不変性試験 

(JIS Z 4752-2-9:2008) 

この規格との適合性を報告する場合には,次のようにしなければならない。 

“間接透視及び間接撮影用X線装置(形名)は,JIS Z 4752-2-9:2008に適合する。” 

関連規格 JIS Z 4916 X線用解像力テストチャート 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(規定)用語−用語の索引 

序文 

この附属書は,規格の用語及び定義された用語の索引について規定する。 

  

A.1 用語の索引元及びその記号 

JIS Z 4005 医用放射線用語 

IEC 60788: 1984 Medical Radiology - Terminology 

rm-.... 

国際単位系(SI)における単位名 

Name of unit in the International System SI 

rm-....* 

定義のない派生語 

Derived term without definition 

rm-....+ 

定義のない用語 

Term without definition 

rm-....- 

以前の単位名 

Name of earlier unit 

rm-....・ 

短縮語 

Shortened term 

rm-....s 

JIS Z 4752-1の3. 

Clause 3 of IEC 61223-1 

AG-3… 

JIS Z 4752-2シリーズの3. 

Clause 3 of IEC 61223-2-XY 

XY-3… 

 備考 記号の後の数字は,該当する用語の番号又は規格の細分箇条番号を表す。 

A.2用語の索引 

受入試験 

ACCEPTANCE TEST 

AG-3.2.4 

X線 

X-RADIATION 

rm-1101 

[X線]イメージインテンシファイア 

X-RAY IMAGE INTENSIFIER 

rm-3239 

X線管 

X-RAY TUBE 

rm-2203 

[X線]管装置 

X-RAY TUBE ASSEMBLY 

rm-2201 

[X線]管電圧 

X-RAY TUBE VOLTAGE 

rm-3602 

[X線]管電流 

X-RAY TUBE CURRENT 

rm-3607 

X線[管負荷]条件 

LOADING FACTOR 

rm-3601 

X線源装置 

X-RAY SOURCE ASSEMBLY 

rm-2005+ 

[X線]高電圧装置 

HIGH-VOLTAGE GENERATOR 

rm-2101 

X線受像器 

X-RAY IMAGE RECEPTOR 

rm-3229 

X線像 

RADIOGRAM 

rm-3202 

X線装置 

X-RAY EQUIPMENT 

rm-2020 

[X線]透視法 

RADIOSCOPY 

rm-4101 

X線ビーム 

X-RAY BEAM 

rm-3705+ 

画像表示装置 

IMAGE DISPLAY DEVICE 

5-3.2 

患者 

PATIENT 

rm-6203 

患者支持器 

PATIENT SUPPORT 

rm-3002 

間接[X線]撮影[法] 

INDIRECT RADIOGRAPHY 

rm-4108 

間接X線像 

INDIRECT RADIOGRAM 

rm-3204 

間接透視 

INDIRECT RADIOSCOPY 

rm-4103 

管電流時間積 

CURRENT TIME PRODUCT 

rm-3613 

基礎値 

BASELINE VALUE 

AG-3.2.7 

規定の/規定した 

Specific 

rm-7401 

減弱 

ATTENUATION 

rm-1208 

現状試験 

STATUS TEST 

AG-3.2.5 

撮影用カセッテ 

RADIOGRAPHIC CASSETTE 

rm-3514 

撮影用フィルム 

RADIOGRAPHIC FILM 

rm-3232 

10 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

[散乱線除去]グリッド 

ANTI-SCATTER GRID 

rm-3206 

試験器具 

TEST DEVICE 

rm-7104 

指示値 

INDICATED VALUE 

rm-7310 

指定の/指定した 

Specified 

rm-7402 

自動制御システム 

AUTOMATIC CONTROL SYSTEM 

rm-3645 

自動線量率制御 

AUTOMATIC INTENSITY CONTROL 

rm-3648 

写真観察器(シャウカステン) 

FILM ILLUMINATOR 

2-3.2.1 

照射 

IRRADIATION 

rm-1209 

使用者 

USER 

rm-8501 

照射時間 

IRRADIATION TIME 

rm-3611 

照射線量率 

EXPOSURE RATE 

rm-1315 

照射野限定器 

BEAM LIMITING DEVICE 

rm-3728 

焦点 

FOCAL SPOT 

rm-2013s 

焦点受像器間距離 

FOCAL SPOT TO IMAGE RECEPTOR DISTANCE rm-3713 

製造業者 

MANUFACTURER 

rm-8503- 

設定基準 

ESTABLISHED CRITERIA 

AG-3.2.8 

増感紙 

INTENSIFYING SCREEN 

rm-3238 

操作者 

OPERATOR 

rm-8502 

透過 

TRANSMISSION 

rm-1210 

取扱説明書/使用説明書 

INSTRUCTIONS FOR USE 

rm-8202 

品質管理 

QUALITY CONTROL 

AG-3.2.3 

品質保証 

QUALITY ASSURANCE 

AG-3.2.1 

品質保証計画 

QUALITY ASSURANCE PROGRAMME 

AG-3.2.2 

ファントム 

PHANTOM 

rm-5401 

フィルタ 

FILTER 

rm-3501 

フィルム現像機 

FILM PROCESSOR 

1-3.2.1 

付加フィルタ 

ADDED FILTER 

rm-3502 

附属品 

ACCESSORY 

rm-8306 

附属文書 

ACCOMPANYING DOCUMENTS 

rm-8201 

不変性試験 

CONSTANCY TEST 

AG-3.2.6 

放射線 

RADIATION 

rm-1101 

放射線検出器 

RADIATION DETECTOR 

rm-5101 

放射線(X線)照射野 

RADIATION FIELD 

rm-3707 

放射線設備 

RADIOLOGICAL INSTALLATION 

rm-2024 

放射線測定器 

RADIATION METER 

rm-5001 

[放射線の]線質 

RADIATION QUALITY 

rm-1328 

放射線(X線)ビーム 

RADIATION BEAM 

rm-3705 

連続チェンジャ 

SERIAL CHANGER 

rm-3104 

background image

11 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B(参考)標準的な試験報告書の様式例 

この附属書は,本体に関連した事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

JIS Z 4752-2-9:2008による間接透視及び間接撮影用X線装置の不変性試験報告書 

識別 

試験者名 

試験実施日 

年   月   日 

被試験装置 

  JIS Z 4752-2-5 による画像表示装置 

  すべての使用者が選択できる設定 

試験装置 

形 名 

  撮影用カセッテ 

  放射線測定器 

  減弱ファントム 

  グレースケール試験器具 

  低コントラスト試験器具 

  高コントラスト試験器具 

  補償フィルタ試験器具(必要な場合) 

標準試験条件(環境上の影響を含む) 

試験の履歴 

実 施 日 

  暗室の安全光の前回の試験 

年   月   日 

  フィルム現像機の前回の試験 

年   月   日 

  最初の不変性試験 

年   月   日 

  前回の不変性試験日 

年   月   日 

試験結果 

5.1 X線源装置からのX線出力 

  X線出力 

  照射時間 

  管電流時間積 

5.2 グレースケール画像及び自動線量率制御 

  管電圧 

  管電流 

  試験フィルムの光学的濃度 

5.3 低コントラストしきい値 

  透視下での識別できる円盤の数 

  画像記録装置での識別できる円盤の数 

  撮影での識別できる円盤の数 

5.4 高コントラスト解像度の限界 

  透視下での解像された線対の値 

  画像記録装置での解像された線対の値 

  撮影での解像された線対の値 

12 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C(参考)取るべき処理に関する指針 

この附属書は,本体に関連した事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

C.1 試験結果が,規定の要求事項又は設定基準を満たさない場合には,次の処置を始める前に,試験器

具の性能を点検し,試験を繰り返して結果を確認することが望ましい。 

C.2 繰り返された試験結果によって,被試験装置が指定された要求事項を,又は設定基準を満たしてい

ない場合には,次の一つ以上の処置をとればよい。 

a) 被試験装置の品質保証計画に指示されたとおりに処置を始める。 

b) 品質保証計画の管理責任者に通知する。 

c) 被試験装置の日常の管理責任者に通知する。 

C.3 試験結果が,そのX線装置の規定の要求事項又は設定基準をぎりぎり満たしていない場合,例えば,

X線装置がまだ臨床上検査に使用できる場合は,次の処置を取る。 

a) 次の不変性試験の結果を待ち,その間に臨床画像の画質を注意して観察する。 

b) 不変性試験の頻度を増す。 

c) 不変性試験が不合格であることを,次の定期修理実施時での要注意事項として記録する。 

C.4 X線装置が不変性試験の設定基準を満たさなかった履歴がある場合には,C.2のb)及びc)に規定し

た管理責任者は,次の項目を考慮する。 

a) 現状試験の実施。 

b) 適用する基準の緩和 

c) X線の使用範囲についての被試験装置の使用制限。 

d) 修理資格者による被試験装置の臨時修理及びオーバホール。 

e) 取替えを必要とする被試験装置のリストにその装置を載せる。 

C.5 試験結果が,規定の要求事項又は設定基準を全く満たさない場合には,次の処置を取る。 

a) 現状試験を実施し,その結果をC.2のb)及びc)に規定した管理責任者に通知する。 

b) 装置の修理の範囲を検討する。 

− どこまでが適切か。 

− すぐ修理すべきか。 

c) 次に示す処置を検討する。 

− X線装置の臨床使用を今後停止するか否か。 

− C.4によって処置するか否か。 

C.6 使用者による,その他の必要な処置の決定 

13 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D(規定)ファントム及び試験器具 

D.1 一般 X線装置の性能の不変性を確認するため,ファントム及び試験器具が必要である。これらは,

次の二つの目的を満たすものである。 

− X線ビームの減弱及び線質硬化を考慮し,患者を模擬するため。 

− 詳細に規定した試験用の構成要素を含むことによって,画像の幾何学情報及び画質に関する情報を提

供するため。 

本体5.で規定の性能試験に関しては,一つのファントム及び四つの試験器具が必要である。これらの主

要な特性を次に示す。 

ファントム及び試験器具は,それぞれ個々に製作及び用いてもよいが,より適切で便利なように,これ

らの幾つか又はすべての特性を統合して一つの試験器具にしてもよい。 

D.2 減弱ファントム 減弱ファントムは,次の目的に使用する。 

− 患者の代わりとして。 

− グレースケール試験器具を用いるため,X線ビームを適切に線質硬化させる。 

− 該当する場合に,自動制御システムに影響を与えるX線ビームの適切な減弱及び線質硬化を行う。 

 減弱ファントムは,例えば40 mm厚のPMMA及び1 mm厚の銅で構成するとよい。 

D.3 グレースケール試験器具 グレースケール試験器具は,減弱物質からなる二つの対象物をもち,そ

れぞれが,少なくとも2 cm×2 cm角の中に少なくとも直径1 cmの円盤の像を作る。グレースケール試験

器具を,減弱ファントムで線質硬化したX線ビームで用いると,これら二つの対象物は,それぞれ5 %の

コントラストステップを作る。すなわち,これら二つの対象物のX線像は,画像表示装置に次のように現

れる。 

a) より白い背景(100 %透過)に囲まれた白いスポット(95 %透過)。 

b) より黒い背景(0 %透過)に囲まれた黒いスポット(5 %透過)。 

グレースケール試験器具は,光学的濃度を測定する場合,規定の点をX線像上に示すため,少なくとも

二つの円形のX線不透過性マーカをもつ。 

D.4 低コントラスト試験器具 低コントラスト試験器具は,少なくとも直径1 cmの減弱物質の円盤を含

む。減弱ファントムによって線質が硬化したX線ビームで試験器具を用いると,これらの円盤が,例えば,

次のようなステップで,1〜20 %まで変化するX線のコントラストを作るように構成していなければなら

ない。 

0.5 %,1.0 %,1.4 %,1.8 %,2.3 %,2.7 %,3.3 %,3.9 %,4.5 %,5.5 %,6.6 %,7.6 %, 

8.6 %,10.8 %,12.3 %,14.5 %,16.0 %,18.0 %,20.0 % 

備考 これらのすべてが同時に同じフィルム上で測定できるわけではないが,試験器具は,通常の臨

床で使用する線質で理論的にこれらの値を与えるように構成するのが望ましい。 

14 

Z 4752-2-9:2008 (IEC 61223-2-9:1999) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

D.5 高コントラスト試験器具 高コントラスト試験器具は,次に示す線対 (LP) の解像度のグループを

もち,各グループが五つの線対で構成された50〜100 μm厚の鉛製のテストパターンである。 

0.50 LP/mm,0.56 LP /mm,0.63 LP /mm,0.71 LP /mm,0.80 LP /mm,0.90 LP /mm,1.00 LP /mm, 

1.12 LP /mm,1.25 LP /mm,1.40 LP /mm,1.60 LP /mm,1.80 LP /mm,2.00 LP /mm,2.24 LP /mm, 

2.50 LP /mm,2.80 LP /mm,3.15 LP /mm,3.55 LP /mm,4.00 LP /mm,4.50 LP /mm,5.00 LP /mm 

D.6  補償フィルタ試験器具 補償フィルタ試験器具は,高コントラスト試験器具とともに用いる。その

材質は,例えばアルミニウムで,X線ビーム内に置いたときに,画像表示装置上での高コントラスト試験

器具の像が,低い管電圧を用いてもハレーションを起こして明るくなり過ぎることを防ぐように厚さを決

める。 

                       

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。