Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
201.1 適用範囲,目的及び関連規格 ························································································ 1
201.2 引用規格 ··················································································································· 3
201.3 用語及び定義 ············································································································· 4
201.4 一般要求事項 ············································································································· 7
201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項 ············································································· 7
201.6 ME機器及びMEシステムの分類 ··················································································· 8
201.7 ME機器の標識,表示及び文書 ······················································································ 8
201.8 ME機器の電気的ハザードに関する保護 ········································································· 11
201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 ················································· 12
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 ································································· 15
201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 ···································································· 39
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 ························································ 39
201.13 危険状態及び故障状態 ······························································································· 39
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) ·································································· 39
201.15 ME機器の構造 ········································································································ 40
201.16 MEシステム ··········································································································· 40
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性 ······································································· 40
201.101 電子画像装置(例えば,EPID) ················································································ 41
206 ユーザビリティ ············································································································ 41
附属書 ······························································································································· 49
附属書B(参考)試験の順序 ································································································· 49
附属書I(参考)MEシステム概要 ·························································································· 49
参考文献 ···························································································································· 50
定義した用語の索引 ············································································································· 51
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
画像医療システム工業会(JIRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日
本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業
大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 4705:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 4705:2015
(IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
医用電気機器−
第2-1部:1 MeV〜50 MeVの電子加速装置の
基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
Medical electrical equipment-
Part 2-1: Particular requirements for the basic safety and essential
performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV
序文
この規格は,2009年に第3版として発行されたIEC 60601-2-1,及びAmendment 1(2014)を基に,技
術内容を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)については,編集
し,一体とした。
なお,この規格で点線の下線を施した注記事項は,対応国際規格にはない事項である。
201.1
適用範囲,目的及び関連規格
次の事項を除いて,通則の箇条1 1) を適用する。
注1) 一般基準はJIS T 0601-1:2012,医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要
求事項
201.1.1
適用範囲
置換
この規格は患者の治療に用いる1 MeV〜50 MeVの範囲の電子加速装置(以下,ME機器ともいう。)の
基礎安全及び基本性能について規定する。
この個別規格は,形式試験及び現地試験を含んでおり,それぞれ次に示す電子加速装置の製造及び設置
のある段階に適用する。
− 作動パラメータの選択及び表示がプログラマブル電子サブシステム(PESS)によって自動的に制御さ
れるものを含む,人間の医療用に実施する放射線治療を意図した装置
− 正常状態及び正常な使用において,次のようなX線及び/又は電子線の放射線ビームを投与する装置
・ 定格エネルギーが1 MeV〜50 MeVの範囲
・ 線源から1 mの位置での吸収線量率の最大値が0.001 Gy/s〜1 Gy/sの範囲
・ 線源からの定格治療距離(NTDS)が0.5 m〜2 mの間
− 次のように意図された装置
・ 正常な使用において,例えば,固定放射線治療又は運動放射線治療のような特定の臨床目的のた
めに,特定の医療に必要な技術をもつ操作者によって,適切に許可された者又は有資格者の監督
2
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
下で操作する。
・ 取扱説明書で推奨した内容に従って保守されている。
・ 有資格者による定期的な品質保証の履行及び校正確認を受けている。
注記1 この個別規格では,設置は全て責任部門の建物への設置をいう。
注記2 この個別規格では,吸収線量は全て水吸収線量をいう。
このIEC 61217規格は,ME機器の動きの呼び方,目盛の表示,それらのゼロの位置及び動きの増加方
向に関する指針である(201.7.4.101参照)。
IEC 60976は,医用電子加速装置の試験方法及び機能性能の開示方法を規定している。その基準は,異
なる製造業者の加速器ベースのME機器の比較を容易にすることを意図している。IEC 60976は安全の要
求事項が含まれない,そのため,この個別規格に適合する必要はない。IEC 60976で規定する試験は,(IEC
60976:2007の緒言に記載されたとおり)個々の医用電子加速装置の使用期間中に定格の機能性能に適合す
ることを確認するには必ずしも適切でないことにも注意すべきである。
注記3 IEC/TR 60977,Medical electrical equipment−Medical electron accelerators−Guidelines for
functional performance characteristics(医用電気機器−医用電子加速装置−機能的性能特性の指
針)は,性能に関する指針を提供する関連技術報告である。これを規格と解釈してはならな
い。
注記4 この個別規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60601-2-1:2009,Medical electrical equipment−Part 2-1: Particular requirements for the basic
safety and essential performance of electron accelerators in the range 1 MeV to 50 MeV及び
Amendment 1 (2014)(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
201.1.2
目的
置換
この個別規格の目的は,1 MeV〜50 MeVの範囲の電子加速装置の基礎安全及び基本性能の要件を規定し,
これらの要件の適合性を確認する試験を規定する。
注記 この規格を採用することによって,ME機器が次の内容を満たすことを確認する一助となる。
・ ME機器の作動中及び電源(商用)の故障中でも患者の安全が確保されている。
・ あらかじめ選択した放射線の種類,定格エネルギー及び吸収線量を投与する。
・ 固定放射線治療,運動放射線治療,放射線ビーム整形器具などを利用して,患者,操作者,
その他の人又は環境に不必要な危険をもたらすことなく,患者に対してあらかじめ選択し
た放射線ビームと患者との位置関係に従って放射線を投与する。
・ 副次的にリンパ球を不活性化するために,血液を入れた容器に照射して使用する場合もあ
る。
201.1.3
副通則
追加
この規格の日付以後に発行された副通則は,この規格の再修正だけに適用するものとする。
この個別規格は,通則の箇条2及びこの個別規格の201.2に記載する副通則を適用する。
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
IEC 60601-1-6は206で変更される。
JIS T 0601-1-3,IEC 60601-1-8,及びIEC 60601-1-10 2) は適用しない。
JIS T 0601-1シリーズの他の全ての副通則は適用される。
注2) IEC 60601-1-10,医用電気機器−第1-10部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項−副
通則:生理的閉ループ制御器の開発に関する要求事項
201.1.4
個別規格
置換
JIS T 0601規格群の個別規格については,個別のME機器への適用を考慮して,通則及び副通則に含ま
れる要求事項を修正,置換又は削除してもよい。また,基礎安全及び基本性能への要求事項を追加しても
よい。
個別規格における要求事項は通則又は副通則よりも優先される。
この個別規格では,JIS T 0601-1を通則という。副通則は,それらの規格番号によって参照される。
この個別規格の箇条及び細分箇条の番号は,通則の番号に接頭語“201”を付与した形で表される(例え
ば,この個別規格の201.1は,通則の箇条1の内容を扱う。)。また,副通則の場合には,接頭語“20X”を
付与する。ここでXは,副通則の規格番号の最後の数字である(例えば,この個別規格の202.4が副通則
IEC 60601-1-2の箇条4を示し,203.4は副通則JIS T 0601-1-3の箇条4の規定内容を扱うなど)。通則及び
副通則の条文の変更は,次の用語を用いて規定する。
“置換”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に全て置き換えるこ
とを意味する。
“追加”は,通則又は適用する副通則の要求事項に,この個別規格の規定を追加することを意味する。
“修正”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に修正することを意
味する。
通則に追加する細分箇条,図又は表には,201.101から始まる番号を付ける。通則は3.1〜3.139の細分箇
条番号で定義しているため,この個別規格では201.3.201から始まる細分箇条番号で定義する。追加した
附属書は,附属書AA,附属書BBなどと記載し,追加項目はaa),bb) などと記載する。
各副通則に追加する細分箇条,図又は表には,“20X”から始まる番号を付ける。“X”は副通則の番号で
ある。例えば,202はIEC 60601-1-2,203はJIS T 0601-1-3を示す。
“この規格”という用語は,通則,適用する副通則及びこの個別規格を包含する。
この個別規格の中に対応する箇条又は細分箇条がない場合には,関連する可能性が低くても,通則又は
適用する副通則の箇条若しくは細分箇条を置換,追加又は修正せずに適用する。関連する規定であっても,
通則又は適用する副通則の一部を適用しない場合には,この個別規格でその適用しないことを記載する。
201.2
引用規格
次に掲げる規格は,この個別規格に引用されることによって,この個別規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
次の事項を除いて,JIS T 0601-1:2012の箇条2を適用する。
注記 参考情報は末尾の参考文献に記載する。
追加
JIS Z 4005:2012 医用放射線機器−定義した用語
4
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 対応国際規格:IEC/TR 60788:2004,Medical electrical equipment−Glossary of defined terms
(MOD)
IEC 61217:1996,Radiotherapy equipment−Coordinates, movements and scales
201.3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次を除き,JIS T 0601-1:2012及びJIS Z 4005:2012を適用する。
注記 文書末に索引を記載した。
追加
201.3.201
周辺線量当量(AMBIENT DOSE EQUIVALENT)
H*(10)
実際の放射線照射野の関心点における線量当量。発生した放射線と対向するICRU球の半径上の深さ10
mmにおいて,対応する整列・拡張放射線場内で生じる線量当量として定義される。
注記1 整列・拡張放射線場は,理想化された放射線場である。そこでは拡張され,放射線が一つの
方向に付加的に整列付けられる。
注記2 ICRU Report 39のAMBIENT DOSE EQUIVALENTのICRU定義を参照
201.3.202
制御タイマ(CONTROLLING TIMER)
照射を行っている時間を測定し,前もって定義した時間に達した時に照射を終了する装置。
201.3.203
電子線アプリケータ(ELECTRON BEAM APPLICATOR)
電子(放射)線用の照射野限定器。
201.3.204
電子イメージング装置,EID(ELECTRIC IMAGING DEVICE, EID)
単体又は複数の放射線検出器及び付随する電子回路によって構成し,患者の解剖学的組織を表示装置上
にデジタル放射線画像として見ることを可能とする装置。
[IEC 60976:2007,定義3.5]
201.3.205
電子ポータルイメージング装置,EPID(ELECTRIC PORTAL IMAGING DEVICE, EPID)
二次元の放射線検出器と付随する電子回路から構成され,放射線源として医用電子加速器の放射線ビー
ムを使用し,その放射線ビーム軸に対しておおむね直角に置かれ,患者の解剖学組織を表示装置上にデジ
タル放射線画像として見ることを可能とする装置。
注記1 EPIDの主な機能は,患者の位置決めの検証にあり,この同じ目的のために必要なポートフ
ィルムに置き換わるもの。
[IEC 60976:2007,定義3.6]
注記2 この定義は,JIS Z 4005には含まれていない。
201.3.206
架台(GANTRY)
放射線ヘッドを支持している,ME機器の部分。
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201.3.207
幾何学的放射線照射野(GEOMETRICAL RADIATION FIELD)
ターゲット/電子線窓の正面の表面の中心から見た,基準軸に垂直な平面上への照射野限定器の縁の幾
何学的な投影。幾何学的放射線照射野は,X線におけるターゲットの正面の表面又は電子線における電子
線窓からのいかなる距離でも定義できる。
201.3.208
ハードワイヤ(実配線)(HARD-WIRED)
物理的に配線を切断及び接続することによって状態を切り替える回路方式。
201.3.209
強度変調放射線治療,IMRT(INTENSITY MODULATION RADIATION THERAPY, IMRT)
一般に,事前に計画された治療計画によって,光子又は電子のフルエンス,患者に対するビームの方向
及び外部ビームのビームサイズを,連続的又は不連続的に連動させた制御を必要とする治療法。
注記 IMRTの主要な目的は,計画標的体積への線量分布の一致性を向上させ,その周辺の健全な組
織の線量を最小にすることである。
201.3.210
照射中断又は照射を中断する(INTERRUPTION OF IRRADIATION/TO INTERRUPT IRRADIATION)
作動条件を再選択しないでも作動を継続できるような,照射及び動きの停止又は停止する行い。
201.3.211
運動放射線治療(MOVING BEAM RADIOTHERAPY)
放射線照射野又は患者の相対的な位置を,計画的に移動させる放射線治療,又は吸収線量の分布を計画
的に変更する放射線治療。
201.3.212
定格エネルギー(NOMINAL ENERGY)
<電子線放射>放射線ビームを特徴付けるために製造業者が定めたエネルギー。
<X線放射>放射線ビームを特徴付けるために製造業者が定めたエネルギー。
201.3.213
定格治療距離,NTD(NORMAL TREATMENT DISTANCE, NTD)
<電子線放射>電子線窓から電子線アプリケータ又は指定の平面の縁まで,基準軸に沿って測定した指
定した距離。
<X線放射>ターゲットの正面の表面からアイソセンタまで,又はアイソセンタのないME機器に対し
ては,指定した平面まで,基準軸に沿って測定した指定した距離。
201.3.214
パスワード(PASSWORD)
<放射線治療>正常な使用のための操作者のアクセス又はインタロックのリセットを許すキー入力の
順序,並びに調整及び保守のためのアクセスを許すキー入力の順序。前者のキー入力の順序と後者のキー
入力の順序は異なる。
201.3.215
患者支持器(PATIENT SUPPORT)
<放射線治療>患者を支持するME機器の機構部。
6
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201.3.216
主副線量モニタ構成(PRIMARY/SECONDARY DOSE MONITORING COMBINATION)
一方が主線量モニタシステム,他方が副線量モニタシステムとして配置された二つの線量モニタシステ
ムを利用するもの。
201.3.217
有資格者(QUALIFIED PERSON)
特定の任務を実行するための必要な知識をもち,訓練を受けているとして法的に(又は権威のある機関
で)認定された人。
201.3.218
放射線の種類(RADIATION TYPE)
放射線を構成する波動又は粒子の性質。
注記 例えば,放射線がX線又は電子線のいずれであるかをいう。
201.3.219
重複線量モニタ構成(REDUNDANT DOSE MONITORING COMBINATION)
両方の線量モニタシステムが,線量モニタ単位の事前選択数値に従って照射を終了するように配置され
た二つの線量モニタシステムを利用するもの。
201.3.220
相対表面線量(RELATIVE SURFACE DOSE)
基準軸の上の最大吸収線量に対する,基準軸上の0.5 mmの深さでの吸収線量の比率。これらの吸収線
量は,ファントム表面を指定の距離に置いて測定する。
201.3.221
現地試験(SITE TEST)
設置の後に,指定の基準への適合を確立するために行う個々の装置又はME機器に対する試験。
201.3.222
定位放射線治療,SRT(STEREOTACTIC RADIOTHERAPY, SRT)
通常小さなサイズの放射線ビームを,種々の角度から,患者内の標的体積に正確に位置決め照射する治
療方法。
注記 標的体積の正確な位置決めは,三次元の照合フレームを使うことによって可能になる。照合フ
レームは,解剖学的に登録された位置,マーカー,固定具又は画像処置技術を含んでもよい。
201.3.223
定位手術的照射,SRS(STEREOTACTIC RADIOSURGERY, SRS)
解剖学的に登録された位置に関連した定位照合フレームを用いて,高線量放射線を標的体積に照射する
定位放射線治療を1回と指定した方法。
201.3.224
定位照合フレーム,SRS/SRT(STEREOTACTIC FRAME OF REFERENCE, SRS/SRT)
治療を目的とした,患者の解剖学的組織の数値的な位置を明確化する,三次元座標システム。
201.3.225
照射終了又は照射を終了する(TERMINATION OF IRRADIATION/ TERMINATE IRRADIATION)
全ての作動条件を再選択しなければ作動を再開できないような,照射及び動きの停止又は停止する行い。
注記1 すなわち,準備状態への復帰又は復帰する。
7
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注記2 照射を終了する事象及び動きを停止する事象には,次の場合を含む。
・ 線量モニタ単位があらかじめ選択された値に到達した場合
・ 経過時間があらかじめ選択された値に到達した場合
・ 意図的な手動操作を行う場合
・ インタロックが作動した場合
・ 運動放射線照射では,角度寸法又は寸法があらかじめ選択された値を超過した場合
201.3.226
透過形検出器(TRANSMISSION DETECTOR)
放射線ビームが透過する放射線検出器。
201.4
一般要求事項
次を除き,通則の箇条4を適用する。
201.4.3
基本性能
追加
201.10の要求は基本性能要求として同定される。
201.5
ME機器の試験に対する一般要求事項
次を除き,通則の箇条5を適用する。
201.5.1
形式試験
追加
201.5.1.101
試験等級
形式試験の三つの試験等級,及び現地試験の二つの試験等級における手順は,この個別規格の201.10に
規定する。これらの要求事項は,次による。
・ 形式試験 等級A−指定した放射線安全に関連する,ME機器設計を解析する等級。これらは,要求
される実用的試験原則又は構造上の手段に関して,技術解説書に記載されていなければならない。
・ 形式試験・現地試験 等級B−ME機器の外観調査,機能試験又は測定をする等級。試験は,この個
別規格に規定する試験手順に従い,ME機器の回路又は構造に手を加えずに得られる作動状態(故障
状態を含む。)に対してだけ行われなければならない。
・ 形式試験・現地試験 等級C−ME機器の性能試験又は測定をする等級。試験は,この個別規格に規
定する試験原則に従わなければならない。現地試験手順は,技術解説書に含めなければならない。こ
の試験手順に,ME機器の回路又は構造に手を加える必要のある作動状態を含める場合には,試験は,
製造業者又は代理業者によって実施しなければならない。
201.5.4
その他の条件
置換
通則の5.4 a) は適用しない。
5.4 d) の置換
冷却水を必要とする所で,技術解説書の中で要求されている水を使用する。
追加
製造業者は,試験のためのいかなる追加要求も,附属文書に記載しなければならない。
201.5.9
装着部及び接触可能部分の決定
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.5.9.2.1
テストフィンガ
追加
標準のテストフィンガでの試験では,非接触可能部になり,据付けの際に道具の使用によってだけ接触
可能となる部分は,接触可能部とはいえない。
そのような状況を,附属文書に記載しなければならない。
201.6
ME機器及びMEシステムの分類
通則の箇条6を適用する。
201.7
ME機器の標識,表示及び文書
次を除き,通則の箇条7を適用する。
201.7.2.4
附属品
追加
定格治療距離における幾何学的放射線照射野の寸法と“遠位端〜定格治療距離までの距離”とは,交換
可能で調整不要の照射野限定器及び電子線アプリケータの外側に,はっきりと読みやすく表示しなければ
ならない。
手動で交換可能なそれぞれのくさびフィルタは,識別情報をはっきりと表示しなければならない。
201.7.2.20
取外し可能な保護手段
追加
通則の細分箇条の要求事項が完全に又は部分的に据付けの条件を満たす場合には,据付け時の適合性は
検査によって確認する。結果は,現地試験報告書に記載する。
201.7.3
ME機器又はME機器の部分の内側の表示
追加
201.7.3.101
放射線ヘッド
放射線ヘッドのカバーを取り外すことに対して,通則の表D.2の安全標識10,“取扱説明書に従いなさ
い”を表示しなければならない。
201.7.4
制御及び計器の表示
追加
201.7.4.101
動く部分のための目盛及び表示
次のものを備えなければならない。
a) 動く部分の可能な動きに対する機械的目盛又は数値表示
b) 基準軸に患者を合わせる手段(例えば,光照射野,レーザなど)
c) 線源皮膚間距離を決定する手段(例えば,目盛,数値表示,レーザなど)
全ての利用可能な動きに対する表示記号,増加する方向及びゼロの位置は,IEC 61217に適合しな
ければならない(図201.108参照)。
(試験)
適合性は検査によって確認する。
201.7.8
表示光及び制御
201.7.8.1
表示光の色
置換
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
治療制御盤又は他の制御盤の上に表示光を使用する場合には,その色は次に従わなければならない。
放射線ビームの発生“照射”
黄
準備完了状態
緑
注記 治療室又は他の場所では,これらの状態が緊急の行動又は注意を必要とすることがある。
このため,このような場所では,表201.101に従ったその他の色を使ってもよい。
表201.101−ME機器のための表示光の色及び意味
色
意味
赤
警告−操作者による即時の対応が要求される。
黄
注意−操作者による早急な対応が要求される。
緑
使用の準備ができている。
その他の色
赤,黄又は緑とは別の意味
意図に反する作動状態を停止するのに必要な緊急の操作
赤
準備状態
その他の色
201.7.9
附属文書
追加
技術解説書で要求される201.10 現地試験適合性に対応するデータを表201.102に示す。
表201.102−技術解説書で要求される201.10 現地試験適合性に対応するデータ
適合する
細分箇条
形式試験 等級
Aに関する記載
形式試験 等級
Bの詳細及び結
果
形式試験 等級
Cの詳細及び結
果
現地試験 等級
Bについて規定
した試験方法及
び試験条件
現地試験 等級
Cについて規定
した試験方法及
び試験条件
201.10.1.2.101.1.2
b) d) e)
d)
a) b) c)
201.10.1.2.101.1.3
a) b)
b) c)
b)
201.10.1.2.101.1.4
d) e) f)
a) b) c) d) e) f)
201.10.1.2.101.1.5
a) b)
201.10.1.2.101.1.6
a) b) c) d)
b) c) d)
201.10.1.2.101.1.7
a)
b)
201.10.1.2.101.2
a) b) c)
a) d)
b) c)
201.10.1.2.101.3
b) c) d) e)
a)
b) c) d) e)
201.10.1.2.101.4
a) b) c) d) e)
a) b) c) d) e)
201.10.1.2.101.5
c)
c)
a) b)
201.10.1.2.101.6
c) f)
d) e)
a) b)
c) d) e) f)
201.10.1.2.101.7.1
a)
b)
201.10.1.2.101.7.2
a) c)
b)
201.10.1.2.101.7.3.1 †
†
201.10.1.2.101.7.3.2
a) c) d)
b)
201.10.1.2.101.8
a) b) c) d) e) f) g)
201.10.1.2.101.9
a)
a)
201.10.1.2.101.10
e)
a) b) c) d) e)
201.10.1.2.101.11
†
10
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表201.102−技術解説書で要求される201.10 現地試験適合性に対応するデータ(続き)
適合する
細分箇条
形式試験 等級
Aに関する記載
形式試験 等級
Bの詳細及び結
果
形式試験 等級
Cの詳細及び結
果
現地試験 等級
Bについて規定
した試験方法及
び試験条件
現地試験 等級
Cについて規定
した試験方法及
び試験条件
201.10.1.2.101.12
a) c)
a) b) c) d)
201.10.1.2.101.13
a)
a) b)
201.10.1.2.101.14
a) b)
a) b)
201.10.1.2.102.1
†
†
201.10.1.2.102.2
†
†
201.10.1.2.102.3
†
201.10.1.2.103.2.1
a) b) c) d)
a) b) c) d)
201.10.1.2.103.2.2
c)
a) 1),a) 2),b)
a) b)
c)
201.10.1.2.103.3
†
201.10.1.2.103.4
†
201.10.1.2.103.5
†← 等級Aか等級Cの試験 → †
†
201.10.1.2.104.1
a) b)
a) b)
201.10.1.2.104.2
†
201.10.1.2.104.3
b)
a)
201.10.1.2.104.4
†
†
201.10.1.2.104.5
†
201.14.101
†
†
201.101.1
†
201.101.2
†
201.101.3
†
201.101.5
†
注記 †はほかに個別の細分箇条がない要求事項を示す。
附属文書,取扱説明書及び技術解説書に情報を記載する必要のあるこの個別規格における箇条及び細分
箇条は,表201.103に示す。
表201.103−附属文書,取扱説明書及び技術解説書に情報を記載する必要のある
この個別規格における箇条及び細分箇条
参照番号
附属文書
取扱説明書
技術解説書
1
201.5.1.101
2
201.5.4
3
201.5.9.2.1
4
201.7.3.101
5
201.7.9
6
201.8.11.1
7
201.9.2.101 1)
8
201.9.2.102 d)
9
201.9.2.103 e)
10
201.9.2.4.101
11
201.9.8.101 b)
12
201.9.101
13
201.10(表201.102参照)
11
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表201.103−附属文書,取扱説明書及び技術解説書に情報を記載する必要のある
この個別規格における箇条及び細分箇条(続き)
参照番号
附属文書
取扱説明書
技術解説書
14
201.10.1.2.101.1.2 c)(注記)
15
201.10.1.2.101.1.2 d)
16
201.10.1.2.101.2 b)
17
201.10.1.2.101.3 b),c),e)
18
201.10.1.2.101.4 d)(注記)
19
201.10.1.2.101.5 b)
20
201.10.1.2.101.7.3.1
21
201.10.1.2.101.10 e)
22
201.10.1.2.101.12 a),d)
23
201.10.1.2.101.13 a)
24
201.10.1.2.101.14 a)
25
201.10.1.2.103.2.1 b)
26
201.10.1.2.104.1 b)
27
201.10.1.2.104.3 b)
28
201.14.101 e)
29
201.17
30
201.101.2
31
201.101.3
注記 “参照番号”は文書の適合性確認の際に利用すると便利である。
201.7.9.2.15
環境保護
追加
注記 ここでいう使用者の電離放射線防護責任者とは,一般的に,放射能をもつ可能性のある物質の
鑑定及び廃棄を責任をもって行うべき人をいう。
責任部門の電離放射線防護責任者のために,次の事項に関するデータを提供しなければならない。
− 正常な使用における定格治療距離でのエネルギーと対応する最大吸収線量率。
・ X線(正常な使用が可能である場合の付加フィルタの有無の両方の状態)
・ 電子線
− X線及び電子線における定格治療距離での最大幾何学的放射線照射野の寸法を含んだ形状
− 放射線ヘッドの上の認識できる点を基準とした次の位置
・ ターゲットの前面
・ 電子線窓
− 放射線ビームの可能な利用方向
− 放射線ビーム遮蔽物が組み込まれている場合には,各X線エネルギーに対する透過係数
− 放射能をもつ可能性のあるME機器又はME機器の部分の鑑定,取扱い及び廃棄に関する手引並びに
注意事項
201.8
ME機器の電気的ハザードに関する保護
次の事項を除いて,通則の箇条8を適用する。
201.8.4.2
装着部を含む接触可能部分
12
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
追加
設置によって,テストロッド又はテストピンでの該当する開放部への挿入試験が妨げられる場所では,
通則の8.4.2 d) の要求事項は適用しない。この条件を適用するときは,附属文書に記載しなければならな
い。
201.8.7
漏れ電流及び患者測定電流
201.8.7.1
一般要求事項
項目b) への追加
− ME機器が準備状態で給電され,動力による同時の動きの最悪の組合せの状態
201.8.11
電源部,部品及び配置
201.8.11.1
電源(商用)からの切離し
項目b) の置換
切離しの手段を,必要が認められるあらゆる箇所でME機器内部又は外部に組み込まなければならない。
ただし,バキュームポンプ,室内灯,ある種の安全インタロックなどの,安全上の理由で接続したままで
なければならない回路を除く。設置によって,切離しの手段が全体的又は部分的に成立する場合には,要
求事項を技術解説書に含めなければならない。
201.9
ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護
次の事項を除いて,通則の箇条9を適用する。
201.9.2
動く部分に関わるハザード
201.9.2.1
一般
追加
注記1 用語“自動的にセットアップする”又は“自動的なセットアップ”は,患者の治療を開始す
るために必要な位置に,ME機器のある部分が自動的に動くことを示すために使用する。
注記2 用語“事前にプログラムされた動き”とは,患者の治療中にME機器のある部分が事前に計
画されたプログラムに従って,操作者が介入せずに,作動する場合に使用する。この治療を
“事前プログラム治療”という。
201.9.2.2.5
連続的な操作
通則の9.2.2.5 b) は適用しない。
201.9.2.4
緊急停止装置
追加
201.9.2.4.101
モータの緊急停止
201.9.2.101で与えられる制限内で,全ての動きを止めるために,容易に識別でき,かつ,接近できる手
段を,ハードワイヤ回路で備えるか,又は同等の安全スイッチ機能をもたなければならない。さらに,あ
らゆるプログラマブル電子サブシステムから独立していなければならない。これらの手段は,患者支持器
及び治療制御盤の近く又はその上になければならない。治療制御盤の近く又はその上に設けられた手段で
も,照射終了しなければならない。これらの接続を切り離す時間は,100 msを超えてはならない。これら
の手段が責任部門によって現場で組み込まれる場合には,その要求事項及び現地試験手順は,附属文書の
中に指定しなければならない。結果は,現地試験報告書に記録されることが望ましい。
(試験)
適合性は,附属文書の検査,停止距離並びに接続を切り離す時間の検査及び測定を適切な測定器を用い
13
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
て確認する。反応時間の個人差の影響を除くために,スイッチの接点が開いた又は閉じた瞬間に測定を始
めなければならない。
追加
201.9.2.101
架台,放射線ヘッド及び患者支持器
a) 一般的事項
1) 放射線ヘッド又は他の部分が,正常な使用時に,患者との衝突を含み,衝突する危険を低減するよ
う設計された手段を備えている場合には,各制御の作動及び限界を取扱説明書に明記しなければな
らない。
2) 放射線ヘッド又は(附属品を含む)他の部分が,正常な使用時に衝突する危険を低減するよう制御
設計された手段を備えていない場合には,衝突の危険を附属文書に明記しなければならない。
3) 動力による動き,又はME機器のための電源の中断又は故障の場合に,運動している部分は,次の
b) 3) 及びc) 3) に示す限度内で停止しなければならない。
4) 自動セットアップ及び治療前の事前にプログラムされた動きの確認については,回転移動は2°未
満及び直線移動では5 mm未満とする。
5) 患者支持器については,負荷がかかっていない場合及び質量135 kgが分散されて荷重がかかってい
る場合に,上記の細分箇条の要求事項を適用しなければならない。
b) 回転運動
1) 各々の動きに利用可能な最小速度は1°/s未満とする。
2) 事前にプログラムされ,製造業者によるリスク分析で受容可能なリスクと特定しない限り,速度は
7°/s未満とする。
3) 回転速度が1°/s又はそれ以下の場合,動きを停止させる操作の瞬間の可動部の位置と最終位置と
の角度は0.5°未満とする。回転速度が1°/sを超える場合,当該角度は3°未満とする。
例外:b) 2) は,照射野限定システムには適用しない。
c) 直線運動
1) 照射野限定器に利用可能な最小速度は,IEC 61217の図13Cで指定した放射線照射野辺縁の20,21,
22及び23,並びに図201.108で指定した患者支持器の9,10及び11の移動に対して,10 mm/s未満
とする。
2) 事前にプログラムされ,製造業者によるリスク分析で受容可能なリスクと特定しない限り,いかな
る速度も100 mm/s未満とする。
3) 移動速度が25 mm/sを超える場合,動きを停止させる操作の瞬間の可動部の位置と最終位置との距
離は10 mm未満とする。移動速度が25 mm/s以下の場合,当該距離は3 mm未満とする。
例外:2) は,照射野限定システムには適用しない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
1) は,取扱説明書及び提供される設備の検査によって確認する。
2) は,a) 動力による動きへの電源(商用)及びb) ME機器への電源(商用)を遮断し,停止距離を測
定して確認する。反応時間の個人差の影響を除くために,スイッチの接点が開いた又は閉じた瞬間に測定
を始めなければならない。停止距離を決定する場合,測定は5回繰り返し,毎回運動している部分は,許
容距離内に停止しなければならない。
3) は,検査及び測定によって確認する。
14
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.9.2.102
治療室内でのME機器の各部の動きの操作
a) ME機器の,患者を負傷させるおそれのある部分の電動駆動部の操作は,操作者が二つのスイッチを
同時に自分で操作しない限り,可能にしてはならない。このスイッチはいずれも,手を離すと動きを
中断するようになっていなければならない。一方のスイッチが全ての動きに共通であってもよい。
注記 照射野限定器の直線運動又は回転運動の位置合わせは,患者を負傷させる原因にはなりにく
い。ただし,安全装置・接触安全機構が組み込まれていなかったり,その他危害を及ぼした
りすると考えられる附属品,例えば,ある形式の電子線アプリケータのような附属品が付い
ている場合には,負傷させる原因になる。
b) 自動的にセットアップすることを意図したME機器の場合,操作者が自動セットアップスイッチと,
全ての動きに共通なスイッチとを同時に自分で操作しない限り,この状態に関連した動きの開始又は
維持を可能にしてはならない。
c) a) 及びb) に必要なスイッチは,患者支持器の近くに設けなければならない。注意深い観察によって
操作者は患者の負傷を回避できる。a) 及びb) に必要なスイッチの少なくとも一つは,ハードワイヤ
のスイッチを使用しなければならない。又は,同等な安全スイッチ機能をもたなければならない。
d) 取扱説明書には,次の注意を含まなければならない。
治療制御盤から動きを遠隔制御するとき及び治療の処方に事前にプログラムされた動きを含むとき
は,操作者は患者の最終位置決めをした上で,治療室から出る前に意図又は計画した全ての動きの確
認を行わなければならない旨の記載。
(試験)
適合性は,検査によって確認する。
201.9.2.103
治療室外からのME機器の各部の動きの操作
a) 自動セットアップに関連した動きの開始又は維持は,操作者が自動セットアップスイッチ及び全ての
動きに共通なスイッチを同時に自分で操作しない限り,可能になってはならない。各スイッチは,手
を離したとき,動きを停止しなければならない。スイッチの少なくとも一つは,ハードワイヤのスイ
ッチを使用しなければならない。
b) ME機器のある部分が自動的にセットアップされた後及び/又は事前にプログラムされた後で,事前
プログラム治療が完了する前に作動パラメータを調整することは,照射終了しない限り可能になって
はならない。
c) 事前にプログラムされないME機器の場合には,照射中に作動パラメータを調整することは,照射終
了しない限り可能になってはならない。
d) 事前にプログラムされないME機器の場合には,照射の前又は照射終了の後で,操作者が二つのスイ
ッチを同時に自分で操作するときだけ,作動パラメータを調整することを可能にしなければならない。
各スイッチは,手を離したとき,動きを停止しなければならない。一つのスイッチは,ハードワイヤ
のスイッチ,又は同等な安全スイッチ機能をもち,全ての動きに共通でなければならない。
e) 取扱説明書には,次の奨励事項を明記しなければならない。
操作者は照射前及び照射中に患者を障害物の妨げなしに見通せなければならない旨の記載
f)
照射中断又は照射終了があった場合には,運動している全てのME機器のある部分は,201.9.2.101に
示す限度内で停止しなければならない。
(試験)
適合性は,a),b),c),d) 及びe) は検査によって確認する。f) は201.9.2.101によって確認する。
15
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.9.7
圧力容器及び空気圧又は水圧(油圧)を受ける部分
追加
201.9.7.101
圧力の変化
動きのために動力を供給するシステムの圧力変化から危険状態が発生する可能性がある場合,全ての動
きはどんな速度からでも201.9.2.101に規定した範囲内で停止しなければならない。
(試験)
適合性は,故障状態のシミュレーション,保護装置の操作及び停止距離の測定によって確認する。
201.9.8
支持機構に関わるハザード
追加
201.9.8.101
附属品の装着
a) 製造業者の供給する附属品が,特に放射線ビームの形を変えたり,吸収線量の分布に影響する附属品
を装着できる手段を備えている場合には,そのような手段は,正常な使用の全ての条件下で,それら
の附属品を安全に保持するように設計しなければならない。
(試験)
適合性は,検査,並びに設計データ及び適用されている安全率の検討によって確認する。
b) 附属文書は,供給される附属品の保守上の要求事項を含み,使用の条件及び限界の定義を含めなけれ
ばならない。附属文書は,製造された又は責任部門によって製作依頼されたほかの附属品の設計制限
に関する指針を含むのが望ましい。
(試験)
適合性は,検査によって確認する。
追加
201.9.101
固定具と患者支持器の相対的な動き
固定具を提供するME機器製造業者は,固定具(例えば,ヘッドフレーム)と患者支持器との間の相対
運動に関連する要因を決定するためのリスク分析を実施しなければならない。この分析は,少なくとも,
− 固定具の強さと患者支持時にどのくらいたわ(撓)むか,及び,
− 固定具の患者支持器への固定装着が緩んだり外れる可能性,
を考慮をしなければならない。
(試験)
適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護
次の事項を除いて,通則の箇条10を適用する。
注記 この箇条全体にわたって,百分率吸収線量の要求データは,比較するために変更が必要な場合
を除き,同一線量モニタ単位及び同一パラメータの設定中の測定から得るのが望ましい。
201.10.1
X線放射
201.10.1.2
診断又は治療用X線を発生するME機器
置換
201.10.1.2.101
治療体積中の不正確な吸収線量に対する防護
201.10.1.2.101.1
吸収線量の監視及び制御
201.10.1.2.101.1.1
線量モニタシステムの方式
16
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
二つの独立した線量モニタシステムを備えなければならない。
201.10.1.2.101.1.2
線量モニタシステム
201.10.1.2.101.1.3に規定した放射線検出器は,2系統の独立した線量モニタシステムを備え,その線量
モニタ単位として表示された出力値から治療体積中の基準点での吸収線量を計算できなければならない。
線量モニタシステムは,次による。
a) 一方の線量モニタシステムの作動不良が,他方の線量モニタシステムの正常機能に影響を与えてはな
らない。
b) 共通構成要素の故障によって,一方の線量モニタシステムの作動反応が5 %を超えて変化するおそれ
がある場合,照射を終了しなければならない。
c) 電源が系統ごとにある場合には,いずれか一方の電源が故障しても照射を終了し,さらなる照射を防
止しなければならない。
注記 電源の故障は,附属文書に指定された線量モニタシステムの正常機能に必要な範囲内に電圧
又は電流を供給できなくなる故障を含む。
d) 線量モニタシステムは,重複線量モニタ構成又は主副線量モニタ構成のいずれか一方として構成され
なければならない。また,重複線量モニタ構成の場合には,双方の線量モニタシステムはいずれも技
術解説書に記載された性能をもたなければならない。主副線量モニタ構成の場合には,少なくとも主
線量モニタシステムは記載された性能をもっていなければならない。いずれかの構成を備えていても,
指定された最大値の2倍までの吸収線量率をもつ性能であることが,技術解説書に記載されていなけ
ればならない。
e) もし線量モニタシステムの選択された回路パラメータが自動的に放射線の種類又はエネルギーの変
更で変化するならば,一方の線量モニタシステムでの変更は,他方の線量モニタシステムでの変更と
は独立していなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 現地試験 等級C−試験原則:一方のシステムの誤作動を発生させる,又は模擬することによる,個々
の線量モニタシステムの機能を確認する。
b) 形式試験 等級A−どの構成要素が両方のシステムに共通であり,それらの構成要素のどのような故
障によって照射を終了するかに関する記載を確認する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:個々の共通構成要素の故障を模擬することによる,照射終了をもたら
すインタロックの機能を確認する。
c) 現地試験 等級C−試験原則:電源故障の発生又は模擬することによる,照射終了をもたらすインタ
ロック機能を確認する。
d) 形式試験 等級C−試験原則:ME機器で使用されている線量モニタシステムが,ME機器に対して
指定した吸収線量率の2倍まで機能することを確認する:機能の確認はME機器から取り外したシス
テムで行ってもよいし,他の手段によって試験してもよい。
d) 形式試験 等級A−線量モニタシステムの選択した組合せの性能に関する記載を確認する。
e) 形式試験 等級A−回路パラメータの変更に対するシステムの独立性に関する記載を確認する。
201.10.1.2.101.1.3
放射線検出器
17
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 放射線ヘッド中に二つの放射線検出器を備えなければならない。少なくともそのうちの一つは,全て
基準軸上に中心があり,平たん化用フィルタ及び散乱フィルタの患者側に配置された透過形検出器で
なければならない。
b) 放射線検出器は,固定形でも移動形でもよい。固定形放射線検出器は,工具を使用しない限り取り外
せてはならない。移動形放射線検出器は,正確に位置決めされていない場合には,照射を防止するよ
うにインタロックされていなければならない。インタロックの作動を各照射の前に確認する手段を備
えなければならない。放射線検出器が照射中に基準軸から外れて動いた場合には,照射を終了しなけ
ればならない。
c) 密封形放射線検出器は,お互い独立して密封されていなければならない。試験日の時点で全ての放射
線検出器について密封のままであることの証明書があることが望ましい。
注記1 証明書を発行する場合は,責任部門は,予備の放射線検出器を据付時に密封の日付を記録
することが望ましい。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級A−中心が軸にある放射線検出器,平たん化用フィルタ及び散乱フィルタに関する記
載を確認する。
b) 形式試験 等級A−インタロックの作動及びその作動が,各照射の前に試験されることを確認する方
法に関する記載を確認する。
b) 形式試験 等級C−試験原則:
・ 基準軸から個々の放射線検出器が交互に変位した場合に照射防止することを確認する。
・ 放射線検出器が正しく配置されている場合において,いずれかの放射線検出器が基準軸から外れ
たとき,全ての電子線及びX線エネルギーにおいて照射を終了する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:故障状態を発生又は模擬によるインタロックの機能を確認する。
c) 形式試験 等級C−試験原則:密封状態を確認する。
注記2 予備を含め,あらゆる放射線検出器には,試験日の時点で密封のままであることの証明書
が添付されていることが望ましい。
201.10.1.2.101.1.4
線量モニタ単位の選択及び表示
a) 線量モニタシステムからの表示は,明瞭で,統一したデザインで,接近してまとめて置かれ,また,
治療制御盤上の線量モニタ単位の事前選択数値の表示に接近しているのが望ましい。各々の表示の目
盛は1種類とし,かつ,倍率を掛けてはならない。
b) 視覚的表示端末を使用するシステムでは,二つの独立している視覚的表示端末を使用しなければなら
ない。さらに,両方の線量モニタシステムの読み値が同じ視覚的表示端末上に表示される場合には,
バックアップ用の視覚的表示端末又は従来の表示を,読み値のうちの少なくとも一つとして使用しな
ければならない。
c) いかなる主副線量モニタ構成も,個別に,明確に識別された表示を行わなければならない。
d) 線量モニタ単位の表示は,過剰な線量が読み値で分かるように,数値が増加するようになっていなけ
ればならない。さらに,線量モニタ単位の事前選択数値の表示とともに,照射中断又は照射終了の後
に,それらの読み値を保持しなければならない。
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
e) 新しい照射は,表示をゼロにリセットしなければ開始できないようにしなければならない。線量モニ
タ単位の選択が治療制御盤で行われるまで,照射が可能になってはならない。
f)
電源(商用)又は構成品が故障し,照射中断又は照射終了が起きた場合,故障時に表示された線量モ
ニタ単位情報は,少なくとも一つのシステムで20分以上,表示可能な形式で保持されなければならな
い。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) b) c) 現地試験 等級B−試験手順:表示を検査する。
d) e) f) 形式試験 等級A−表示及び過剰線量の条件に関する記載を確認する。
d) 現地試験 等級B−試験手順:照射中断の後及び照射終了の後に,表示の読み値を確認する。
e) 現地試験 等級B−試験手順:各放射線の種類の一つのエネルギーにおいて,照射を開始し,三つの
表示の機能を観察する。表示をゼロにせずに,照射の開始を試行する。表示をゼロにし,線量モニタ
単位の選択はしないで照射の開始を再び試行する。
f)
現地試験 等級B−試験手順:線量モニタ単位の表示を生成し,電源(商用)のスイッチを切る。表
示された線量情報が少なくとも20分保持することを確認する。
201.10.1.2.101.1.5
データ妥当性の検証と治療パラメータの選択
a) 運転条件の選択に治療室及び治療制御盤の両方で操作が必要な場合には,両方で必要な選択操作が完
了するまでは,一方での選択を他方に表示してはならない。又は,運転条件の選択に治療室及び治療
制御盤のいずれからでも操作が可能な場合には,選択操作は両方の場所に表示される。
b) 治療室及び治療制御盤から行われたそれぞれの選択が一致しないときには,照射を防止しなければな
らない。
追加
c) 取り込まれたデータセットの一貫性,正しさ及び完全性は,照射が行われる前にME機器にて確認し
なければならない。
読み込まれたデータセットの一貫性,正しさ及び完全性が欠如している場合,照射を開始してはな
らない。
異常な照射終了の場合,実施された治療を復元するために必要なデータセットを記録しなければな
らない(201.10.1.2.101.14参照)。
異常な照射終了の後の再開の場合,照射の再開に必要なデータセットの一貫性,正しさ及び完全性
は,照射が行われる前にME機器にて確認しなければならない。
製造業者は,照射実施に要求されるデータセットを附属文書の中に記載しなければならない。
注記 データは正しい治療実施に必要なTPS情報,CT画像,マシンモデルなどからなってもよい。
(試験)
適合性は次によって確認する。
形式試験 等級A−照射実施に要求されるデータに関する記載を確認する。
形式試験 等級C−試験原則:読み込まれたデータが不正確な場合,照射を防止できることを確認する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.10.1.2.101.1.6
線量モニタシステムによる照射終了
a) 両方の線量モニタシステムは,独立して照射終了できなければならない。両方のシステムの正確な作
動を試験するための手段を備えていなければならない。
b) 重複線量モニタ構成の両方のシステムは,線量モニタ単位が選択された数値に達した場合に,照射を
終了するように設定されていなければならない。
主副線量モニタ構成の主線量モニタシステムは,線量モニタ単位が選択された数値に達した場合に
は,照射を終了するように設定されていなければならない。
副線量モニタシステムは,線量モニタ単位の事前選択数値からの超過量が10 %以内(百分率マージ
ンを使用する場合)又は定格治療距離での吸収線量換算で0.25 Gy以内(固定マージンを使用する場
合)の時点で照射を終了するように設定されていなければならない。
固定マージンか百分率マージンかを選択できる場合には,違いがより少なくなる方を使用しなけれ
ばならない。
c) まだ照射終了していないシステムに,照射と照射との間又は照射に先立って,照射を終了する能力が
あることを確認するためのインタロックを備えなければならない。
d) 照射の終了が,主線量モニタシステム以外の方法(例えば,架台の角度)によって達成される場合,
その他の手段が,主要終了システムとみなされ,線量測定システムは,照射終了の二次的手段を提供
しなければならない。線量測定システムは,使用目標値の110 %を超えない線量値で,照射を終了す
るように,設定しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) b) 形式試験 等級A−線量モニタシステム及びマージン(使用したもの)に関する記載を確認する。
b) d) 現地試験 等級C−試験原則:一方のシステムを無効とした場合の,残りのシステムによる照射終
了の機能を確認する。
c) 形式試験 等級A−まだ終了していないシステムに,照射と照射との間又は照射に先立って照射を終
了する能力があることを確認する方法に関する記載を確認する。
c) 現地試験 等級C−試験原則:各放射線の種類の一つのエネルギーにおけるインタロックの機能を確
認する。
d) 形式試験 等級A−照射終了方法,及び許容マージンを確認する。
201.10.1.2.101.1.7
吸収線量分布の監視
例えば,固定付加フィルタ,電子制御システム又はコンピュータに基づいた制御システムの故障の結果
生じる吸収線量分布の全体の狂いから保護するために,次の事項を満たさなければならない。
a) 201.10.1.2.101.1.2に規定した放射線検出器又は他の放射線検出器は,線量分布の対称又は非対称な変
化を検知するために,放射線ビームの異なる部分を監視しなければならない。
b) 平たん測定用に指定した深さで,吸収線量分布の狂いが10 %を超えるか又は放射線検出器からの信号
が10 %を超える変化を示すかのいずれかの場合には,吸収線量分布中に投与される過剰な吸収線量が
0.25 Gyに達する前に照射を終了する手段が備えられていなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A−放射線ビームの異なる部分が放射線検出器によって監視されていることの確認方
法に関する記載を確認する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:吸収線量分布中において10 %以上の変化に等しい狂いが指定した手段
によって引き起こされる場合には,インタロックが,放射線照射野に投与される過剰な吸収線量が平
たん測定用に指定した深さで0.25 Gyに達する前に照射を終了するように作動することを確認する。
放射線が最初に放射されてから狂いが始まるまでの間,少なくとも2秒の経過時間を許容しなけれ
ばならない。この試験は,X線の全ての利用可能なエネルギー及び電子線の最大及び最小エネルギー
で行わなければならない。
201.10.1.2.101.2
制御タイマ
a) 治療制御盤に表示される,次の制御タイマを備えなければならない。
1) “カウント・アップ”タイプでなければならない。
2) 照射によってオン・オフが切り替わらなければならない。
3) 照射中断又は照射終了の後,その読みを保持しなければならない。
4) 照射終了の後,次の照射の前に,ゼロにリセットすることを要求しなければならない。
5) 事前選択時間が経過した場合に照射を終了することによって,線量モニタシステムの故障から保護
しなければならない。
6) 照射終了を制御する他のいかなるシステム又はサブシステムからも独立していなければならない。
b) 制御タイマの設定を取扱説明書に示す値に制限する手段を備えなければならない。この値は,意図し
た線量モニタ単位の数を投与するのに必要な時間又は0.1分のいずれか大きい方の120 %を超えず,
設定線量及び期待される線量率から計算された値としなければならない。
c) 制御タイマが照射を終了することができることを照射と照射との間又は照射に先立って試験する手段
が,確認されていなければならない。
d) 制御タイマは,次のいずれかによって目盛を付けなければならない。ただし,1) と2) とを組み合わ
せてはならない。
1) 分(min)単位又は分(min)の小数単位のいずれか
2) 秒(s)単位
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級A−6) 照射終了の独立性に関する記載を確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:各放射線の種類に対して,一つのエネルギーで,制御タイマが次のよ
うに作動することを確認する。
1) 照射によってカウント・アップする。
2) 照射によってオン・オフが切り替わる。
3) 照射中断又は照射終了の後,読みを保持する。
4) 照射終了の後,次の照射を始める前にゼロにリセットすることを要求する。
5) あらかじめ選択された時間が経過した場合,照射を終了する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 形式試験 等級A−時間のマージンの値に関する記載を確認する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:限界設定値を確認する。
c) 形式試験 等級A−照射と照射との間又は照射に先立って,照射終了の試験ができることの確認方法
に関する記載を確認する。
c) 現地試験 等級C−試験原則:インタロックの機能を確認する。
d) 現地試験 等級B−試験手順:制御タイマの目盛を検査する。
201.10.1.2.101.3
吸収線量率
次の各項に適合する線量率モニタシステムを備えなければならない。
a) 治療体積内の基準点での吸収線量率を計算することができる,線量率モニタシステムの読み[“秒(s)”
又は“分(min)”当たりの線量モニタ単位の数値]を治療制御盤に表示しなければならない。
201.10.1.2.101.1.2に規定した放射線検出器は,この線量率モニタシステムの一部を構成してもよい。
b) どのような故障状態においても,ME機器が定格治療距離での吸収線量率が技術解説書に記載した最
大定格値の2倍を超えて発生できる場合,吸収線量率が最大定格値の2倍以下の一定値を超えたとき
に照射を終了する手段を備えなければならない。技術解説書に,照射終了をさせる吸収線量率の値を
記載しなければならない。
c) どのような故障状態においても,ME機器が定格治療距離での吸収線量率が技術解説書に記載した最
大定格値の10倍を超えて発生できる場合,線量率モニタシステムとは独立した回路を用いたビームモ
ニタ器具は,放射線ビーム分布制御システムよりも患者側に組み込まれなければならない。ビームモ
ニタ器具は,放射線照射野の任意部分の超過吸収線量を4 Gy未満に制限しなければならない。超過吸
収線量の値は,技術解説書に記載しなければならない。
注記1 X線及び電子線の両方を発生できるME機器は,次の放射線のパルスが発生する前に完全
に照射終了が必要であるとしてもよい。
注記2 上記a) 及びb) では,ただ一つの線量率モニタシステムが要求されているが,第2の線量
モニタシステムは,上記c) の要求に適合するように用いてもよい。
d) 上記b) 及びc) に規定する,最大定格値の2倍以上の吸収線量率に至る可能性のある過線量を防止し,
4 Gy未満の超過吸収線量に制限するための手段は,その機能確認のために照射と照射との間,又は照
射に先立って試験しなければならない。
e) 定格治療距離での吸収線量率が,5秒以下の任意の連続した時間間隔での平均値が,意図した吸収線
量率より技術解説書に示した割合で下回った場合には,照射を終了しなければならない。
注記 上記の値は,照射の最初の10秒はそれ以降の照射と異なる値であってもよい。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 現地試験 等級B−試験手順:放射線の種類ごとに1種類の公称エネルギーについて,読みが正しく
表示されることを確認する。
b) 形式試験 等級A−吸収線量率の最大定格値及び照射を終了する超過吸収線量率の値に関する記載を
確認する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:照射終了させる器具が正しく機能することを確認する。
c) 形式試験 等級A−放射線ビームモニタ器具の設計及び照射終了を起こす超過吸収線量値に関する記
載を確認する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 現地試験 等級C−試験原則:超過電子ビーム電流の発生又はその模擬によって,放射線ビームモニ
タ器具が正しく機能することを確認する。
d) 形式試験 等級A−照射と照射との間,又は照射に先立って試験することに関する記載を確認する。
d) 現地試験 等級C−試験原則:吸収線量率及び吸収線量を制限する手段が試験されていないときに照
射を試みることによって,インタロックが正しく機能することを確認する。
e) 形式試験 等級A−照射終了に関する記載を確認する。
e) 現地試験 等級C−試験原理:吸収線量率の変化を発生させたり模擬したりすることによって与えら
れた値によって照射を終了することを確認する。
201.10.1.2.101.4
放射線の種類の選択及び表示
X線照射及び電子線照射が可能なME機器では,放射線の種類の選択及び表示は,次による。
a) 照射終了後,治療制御盤で放射線の種類を選択するまでは,照射を防止しなければならない。
b) 選択した放射線の種類を照射前及び照射中は,常時,治療制御盤に表示しなければならない。
c) 選択した放射線の種類だけが出力可能であることを確認するためのインタロックを備えなければなら
ない。
d) 電子線照射用に指定した附属品(例えば,電子線アプリケータ)を装着しているときにはX線照射を
防止し,更に,X線照射用に指定した附属品(例えば,物理ウェッジ)を装着しているときには電子
線照射を防止するインタロックを備えなければならない。
注記 電子線を選択したときの特殊な手順として,放射線照射野のポータルイメージングのため,
限られた量のX線照射の吸収線量を発生してもよい。この機能が利用できるときは,一般的
な手順及びそれに伴う吸収線量の制限値が技術解説書に記載されていることが望ましい。
e) 電子線照射用放射線ビーム分布制御器具又は走査用電流制御器具(例えば,電子線用散乱フィルタ又
は電子ビーム走査装置)が作動可能なときにはX線照射を防止しなければならない。X線照射用放射
線ビーム分布制御器具又は電流制御器具(例えば,X線用平たん化用フィルタ)が作動可能なときに
は,電子線照射を防止しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a)〜e)
形式試験 等級A−適合性を確認するための手段に関する記載を確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:放射線の種類を選択しないで照射の開始を試みる。
b) 現地試験 等級B−試験手順:可能な選択操作に対して,表示が正しく機能することを確認する。
c) 現地試験 等級B−試験手順:指定のインタロックが正しく機能することを確認する。
d) e) 現地試験 等級B−試験手順:誤った放射線ビーム整形用附属品を装着したときに,指定のインタ
ロックが正しく機能することを確認する。
201.10.1.2.101.5
エネルギーの選択及び表示
a) 照射終了後,治療制御盤でエネルギーを選択しなければ,照射ができてはならない。この条件は単一
のエネルギーの放射線ビームしか発生できないME機器には適用しない。
b) 異なるエネルギーの放射線ビームの発生が可能なME機器では,選択されたエネルギーを取扱説明書
に記載のとおり,照射前及び照射中は常時,治療制御盤に表示しなければならない。
c) 電子の平均エネルギーEi 3) が次の場合,照射は終了されなければならない。選択されたエネルギー及
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
び運転モードでの正常な運転条件で期待される平均エネルギーの値に対して,
− X線照射でターゲットに衝突する電子の平均エネルギーが±20 %以上変動した場合
− 電子線照射窓を通過する電子の平均エネルギーが±20 %又は±2 MeV(いずれか小さい方)を超
えて変動した場合
注3) ICRU Report35:section 3.3(エネルギー)参照
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 現地試験 等級B−試験手順:エネルギーを選択しないで,照射の開始を試みる。
b) 現地試験 等級B−試験手順:指定した選択の操作に対して,表示が正しく機能することを確認する。
c) 形式試験 等級A−インタロックの作動に関する記載を確認する。
c) 形式試験 等級C−試験原則:全ての選択可能なエネルギーに対して,指定した平均エネルギーの変
動条件下で,照射のインタロックの作動を確認する。
201.10.1.2.101.6
固定放射線治療及び運動放射線治療の選択及び表示
固定放射線治療及び運動放射線治療が可能なME機器では,その選択及び制御は,次による。
a) 照射終了後,治療制御盤で固定放射線治療又は運動放射線治療を選択するまでは,照射を防止しなけ
ればならない。
b) 運動放射線治療を選択した場合には,作動モード及び回転の方向を治療制御盤に表示しなければなら
ない。
c) 固定放射線治療中に,動きが生じた場合には,照射を終了しなければならない。
d) 運動放射線治療中に,もし動く部分の現在位置が,定格治療距離において得られた線量モニタ単位を
用いて算出される位置から5°又は10 mmを超えて異なっていた場合には,照射を終了しなければな
らない。照射の継続を可能とする情報は少なくとも20分保持できなければならない[201.10.1.2.101.1.4
f) 参照]。
追加
注記 これらの許容値は付加的なものではない。
e) d) に含まれるインタロックは,次を満たす二つの位置センサ又は他の手段を備えなければならない。
すなわち,d) に含まれるセンサのうちいずれかの単一故障でも照射が引き起こされないことを保証す
るか,又は治療中に位置モニタリングが故障した場合に照射を終了する。
f)
運動放射線治療において,(例えば,架台,照射野限定器又は患者支持器システムのように180°位置
まで連続回転によって)選択した開始角度から選択した停止角度まで時計方向及び反時計方向の回転
の動きが可能な場合には,治療制御盤で回転方向の選択を要求しなければならない。時計回りが選択
されているときは,反時計回りの回転中の照射は終了しなければならない。また,逆の場合も同様で
ある。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 現地試験 等級B−試験手順:放射線の種類ごとに1種類のエネルギーで,固定放射線治療又は運動
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放射線治療を選択せずに照射の開始を試みる。
b) 現地試験 等級B−試験手順:指定した選択操作に対して,表示が正しく機能することを確認する。
c) 形式試験 等級A−照射を終了する回転角度及び直線変位の変動に関する記載を確認する。
c) 現地試験 等級C−試験原則:形式試験データの確認
d) e) 形式試験 等級C−試験原則:
1) 2か所の広く離れた位置において指定した故障条件下で,各対の位置センサの一方を順番に不能に
して双方向の回転及び変位を最大及び最小の速度において,インタロックが正しく機能することの
確認(201.9.2.101参照)。
2) 照射を可能とする情報が照射終了後20分保持できるかの確認。
d) e) 現地試験 等級C−試験原則:各対の位置センサの一方を順番に不能にしてインタロックが正しく
機能することの確認,並びに照射の継続を可能とする情報が照射終了後20分間保持されていること
の確認。
f)
形式試験 等級A−選択した方向及び反対方向への回転を試みたときに照射を終了することに関する
記載を確認する。
f)
現地試験 等級C−試験原則:次の場合について,運動放射線治療を選択して照射の開始を試みた後,
照射が禁止されることの確認。
・ いずれの回転方向をも選択しない場合
・ 時計方向の回転を選択した後に反時計方向に回転させる場合
・ 反時計方向の回転を選択した後に時計方向に回転させる場合
201.10.1.2.101.7
放射線ビーム生成及び分布制御システム
201.10.1.2.101.7.1
ターゲット又は他の移動可能な放射線ビーム生成器具の選択及び表示
交換可能なターゲット又は移動可能な放射線ビーム生成器具(例えば,エネルギースリット)を使用す
るME機器は,次による。
a) 一つの放射線の種類の一つのエネルギーに対して複数の同形式の器具が使用できる場合には,治療制
御盤から特定の器具を1個選択し,その識別を表示するまでは照射を防止しなければならない。
b) 器具のいかなる構成要素も正しい位置にないとき,照射を防止又は照射を終了する2系統の独立した
インタロックを備えなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:指定した器具を選択せずに,照射の開始を試みる。表示の機能を確認
する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:2系統のインタロックの一方を不稼動状態にし,各器具を不適切な位
置に設定して照射を試み,他方のインタロックが正しく機能することを確認する。一対のインタロッ
クの他方を不稼動状態にして試験を繰り返す。
201.10.1.2.101.7.2
平たん化用フィルタ及び散乱フィルタの選択及び表示
移動可能な平たん化用フィルタ及び散乱フィルタを使用するME機器は,次による。
a) 一つの放射線の種類の一つのエネルギーに対して複数のフィルタシステムを使用することが可能な場
合には,
1) 治療制御盤から特定の平たん化用フィルタ又は特定の散乱フィルタを選択するまでは,照射を防止
しなければならない。
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2) 使用中のフィルタの識別を治療制御盤に表示しなければならない。
b) フィルタが正しい位置にないとき照射を防止又は照射を終了する2系統の独立したインタロックを備
えなければならない。
c) フィルタが手で取り外し可能な場合には,その識別のための印をフィルタに明記する。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:
1) 要求事項a) 1) で規定したフィルタを選択せずに照射の開始を試みる。
2) 表示機能を確認する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:一つのインタロックを不能にして各フィルタを正しく位置決めせずに,
照射を試行する。もう一つのインタロックを不能にして同様に繰り返す。
c) 現地試験 等級B−試験手順:全フィルタの識別用の印を目視点検し,上記a) 2) での表示と比較す
る。
201.10.1.2.101.7.3
平たん化用フィルタ又は散乱フィルタを使用しない放射線ビーム分布制御システム
注記 この細分箇条では以下,“放射線ビーム分布制御システム”を“分布制御システム”という。
次の要求事項は,201.10.1.2.101.7.1の追加事項である。
201.10.1.2.101.7.3.1 平たん化用フィルタ又は散乱フィルタを使用しない方法で(例えば,電子ビーム走
査を用いて)分布を生成するME機器
制御信号値が技術文書で指定した限界を超えた場合,照射を防止するか又は照射を終了するために,
各々にインタロックの付いた二つの独立した装置によって,制御信号を監視しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−制御信号が指定した限界を超えた場合に照射を防止すること,又は照射を終了する
ことに関する記載を確認する。
現地試験 等級C−試験原則:各放射線の種類に対して同一エネルギーで,制御信号監視の機能及び照
射を防止するか又は照射を終了するインタロックを確認する。
201.10.1.2.101.7.3.2 選択可能な分布制御システムを備えたME機器
a) 照射終了後,指定した分布制御システムが治療制御盤において新規に選択されるまでは,次の照射を
防止しなければならない。
b) 選択した分布制御システムが正しく位置決めされていない場合には,二つの独立したインタロックに
よって照射を防止しなければならない。
c) 使用する分布制御システムの識別情報が治療制御盤に表示されなければならない。
d) 手で取り外せる分布制御システムには,識別のための印を明示しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:要求事項a) で規定した,分布制御システムを選択せずに照射の開始を
試みる。
b) 現地試験 等級C−試験原則:一つのインタロックを不能にして各分布制御システムを正しく位置決
めせずに,照射を試行する。もう一つのインタロックを不能にして同様に繰り返す。
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 現地試験 等級B−試験手順:表示の機能を確認する。
d) 現地試験 等級B−試験手順:全分布制御システムの識別用の印を目視点検し,要求事項e) での表示
と比較する。
201.10.1.2.101.8
物理ウェッジ及び非物理ウェッジの選択及び表示
a) 照射終了後,規定した物理ウェッジ,非物理ウェッジ又は“ウェッジなし”が治療制御盤で新規に選
択されるまでは,次の照射を防止しなければならない。
b) 物理ウェッジシステムを備えたME機器では,使用する物理ウェッジ(又は“ウェッジなし”)が治
療制御盤に表示されなければならない。各物理ウェッジには,識別のための印を明示しなければなら
ない(201.7.2.4参照)。
c) 選択した物理ウェッジが正しく位置決めされていない場合には,照射を防止しなければならない。
d) 架台に向いた物理ウェッジの薄い方の先端の方向を,治療室内ではっきりと見えるように表示しなけ
ればならない。さらに,物理ウェッジの薄い方の先端の方向は,照射野限定システム及び物理ウェッ
ジ回転位置が0°のときに架台の方向に向いていなければならない(図201.108の軸4及びIEC 61217
の2.5参照)。
e) 物理ウェッジをd) 以外に位置決め可能な場合には(IEC 61217の2.5及び図7参照),a),b) に示す
要求事項を満たすほかに,次の内容が治療室及び治療制御盤に表示されなければならない。
1) d) で指定した0°の位置を基準とする物理ウェッジの角度変位
2) 物理ウェッジ回転軸の照射野限定システム回転軸からの直線変位
f)
工具を使用しなければ取り外しできない物理ウェッジを自動挿入及び自動退避させる機構を備えた機
器では,表示は次のように行わなければならない。
1) 表示は,選択した物理ウェッジが正しく挿入されている場合に行われなければならない。
2) 表示は,次のi),ii),iii) のいずれかを示さなければならない。
i)
物理ウェッジ挿入時の線量モニタ単位の事前選択数値[a],及び物理ウェッジ退避時の線量モ
ニタ単位の事前選択数値[b],すなわち,[a]及び[b]
ii) 物理ウェッジ挿入時の線量モニタ単位の事前選択数値[a],及び線量モニタ単位総数に対する
物理ウェッジ挿入時の線量モニタ単位数の割合([a]/[a+b]),すなわち,[a]及び[a]/[a
+b]
iii) 事前選択した線量モニタ単位総数[a+b],及び物理ウェッジ挿入時の線量モニタ単位の事前選
択数値[a],すなわち,[a+b]及び[a]
g) 照射野を生成することができるME機器は,使用中の非物理ウェッジ及びその非物理ウェッジの方向
を治療制御盤に表示しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:要求事項a) で物理ウェッジ,非物理ウェッジ又は“ウェッジなし”を
選択せずに照射を試行する。
b) 現地試験 等級B−試験手順:物理ウェッジの識別用の印を目視点検し,表示と一致していることを
確認する。
c) 現地試験 等級B−試験手順:物理ウェッジを正しく位置決めせずに,照射を試行する。
d) 現地試験 等級B−試験手順:物理ウェッジの薄い方の先端の表示がはっきりと見え,方向が正しい
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ことを確認する。
e) 現地試験 等級B−試験手順:全挿入角度及び三とおりの変位について,物理ウェッジの薄い方の先
端の方向及び変位が両方の場所に表示されることを確認する。
f) g) 現地試験 等級B−試験手順:表示の作動を確認する。
201.10.1.2.101.9
電子線アプリケータ,定位照合フレーム,照射野限定器及び放射線ビーム整形器具用ト
レー
電子線アプリケータ又はその他の放射線ビーム整形器具用トレーを選択したときは,次の場合に照射を
防止しなければならない。
1) 治療室での選択と治療制御盤での選択とが一致しない場合
2) 指定した電子線アプリケータ,定位照合フレーム,照射野限定器及び/又は放射線ビーム整形器具
用トレーが治療制御盤で選択されていない場合
3) 選択した電子線アプリケータ,定位照合フレーム,照射野限定器及び/又は放射線ビーム整形器具
用トレーが正しく位置決めされていない場合
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級A−電子線アプリケータ,定位照合フレーム,照射野限定器及び放射線ビーム整形器
具用トレーの識別,選択,及びコーディングに関する記載を確認する。さらに,正しい表示を行い,
選択又は位置決めが正しくない場合に照射を防止する,関連したインタロックに関する記載を確認す
る。
b) 現地試験 等級B−試験手順:次の状態で照射を試行する。
1) 少なくとも二とおりの,選択肢が一致しない状態
2) 要求事項b) 2) で規定した,電子線アプリケータ,定位照合フレーム,照射野限定器及び/又は放
射線ビーム整形器具用トレーを選択しない状態
3) 特定の電子線アプリケータ,定位照合フレーム,照射野限定器又は放射線ビーム整形器具用トレー
を正しく位置決めしない状態
201.10.1.2.101.10
ME機器の使用に関する制御
注記1 201.14.101 f) では,プログラマブル電子サブシステムが制御に関与している場合には,キー
による制御の代わりに設定したパスワードの使用を認めている。
a) キーによる制御は,次による。
1) キーを用いてME機器をロック解除し,スイッチオンして待機状態にでき,そこから準備状態にす
ることができなければならない。全ての治療パラメータの選択が完了した後,更にキー操作をせず
に準備完了状態になってもよい。照射又は連続した照射は,責任部門がパスワード又は取り外し可
能な専用機械的キーで可能にするまで,防止されたままでなければならない。
2) キーを用いて正常な使用モード,全てのサービスモード,その他の全てのモード,及びロックオフ
状態が選択できなければならない。
b) 外部インタロックの状態が,治療制御盤に表示されなければならない。
c) 準備完了状態を治療室及びその他の場所に伝える手段を備えなければならない。治療室には,音声表
示器を接続する手段を備えなければならない。
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d) 照射中には,201.10.1.2.101.4 b) で要求される放射線の種類の表示のほかに,照射中であることも治療
制御盤に表示しなければならない。他の場所にもこれを表示するための手段を備えなければならない。
上記c) で要求した,準備完了状態を治療室及び他の場所に伝える(治療室には音声で)ことは,照
射中もこれを継続しなければならない。音色は変えてもよい。
e) 取扱説明書には,次の記載を含まなければならない。
1) 治療室の扉又は管理区域に入る他の手段が開放されたままである場合などに,選択した場所から照
射を終了する又は照射を中断する外部インタロックを接続するための設備の詳細,及び上記d) の
要求事項を満たすために必要である設備の詳細
2) 時間遅延装置を使用するなどの方法で,上記1) で示す外部インタロックは,外部インタロックに
よって守られる管理区域内からだけリセット可能にするのが望ましいという勧告。例えば,時間遅
延装置を使用すると,患者以外の人が管理区域内にいないことを確認してから,室外に出て扉を閉
めることができる。
3) 取外しのできる専用の機械的キーだけでリセット可能なインタロックの一覧
注記2 e) 3) で示すあらゆる専用の機械的キーを,201.10.1.2.101.10 a) 1) で要求したキーに追加
する。
4) 次の事項が正しく機能することを確認するために責任部門が遵守すべき条件
・ 外部インタロック
・ 治療室での準備完了状態及び照射中であることの音声指示
・ 他の場所での準備完了状態及び電離放射線を示す表示
(試験)
適合性は,次のようにして確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 現地試験 等級B−試験手順:1) 及び2) に対し,キーによる制御を備え,選択した状態及び条件が
治療制御盤に順次表示されることを確認する。専用の機械的キーの機能を確認する。
b) c) d) 現地試験 等級B−試験手順:適宜,視覚及び音声指示を確認する。
e) 形式試験 等級A−インタロックの接続,責任部門が遵守すべき条件,外部インタロックのリセット
に関する助言及び専用の機械的キーだけでリセット可能なインタロックの一覧に関する記載を確認す
る。
e) 現地試験 等級B−試験手順:外部インタロック機能及びリセットを確認する。
201.10.1.2.101.11
開始条件
注記 201.14.101 f) では,プログラマブル電子サブシステムが制御に関与している場合には,キーに
よる制御の代わりに設定したパスワードの使用を認めている。
準備完了状態が表示され,責任部門がパスワード又は専用の機械的キー[201.10.1.2.101.10 a) 1) 参照]
で照射可能にした後に,操作者が治療制御盤を操作することによってだけ,正常な使用法での照射を開始
できなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−治療制御盤だけで開始できる,正常な使用法での照射に関する記載を確認する。
201.10.1.2.101.12
照射中断
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 取扱説明書で指定したように,いかなるときにも,治療制御盤及び他の場所から,照射を中断するこ
と及びME機器の動きの中断が同時に可能でなければならない。
b) 照射中断後,照射中断直前に設定されていた作動パラメータを変更又は再選択しない場合には,照射
が再開可能でなければならない。ただし,それは治療制御盤からだけ可能でなければならない。
c) 照射中断中に作動パラメータを変更した場合には,意図された手順の一部でない限り,ME機器は照
射終了状態にならなければならない。
d) 照射中断直前に設定されていた条件に戻した場合には,照射が再開可能な状態になることが望ましい。
例えば,患者を介助したり患者位置を確認するためには治療室に入り,架台,患者又は患者支持器を
動かす必要があり,次に,照射中断直前に設定されていた条件に全て戻した場合は,元の治療パラメ
ータを再選択しなくても照射が再開可能であることが望ましい。この例外として,許容可能な条件及
び許容範囲は,201.10.1.2.101.6 d) で規定する条件及び許容範囲に加えて取扱説明書に記載しなければ
ならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級A−他の場所からの照射中断及び個々のME機器に特有な推奨する現地試験に関する
記載を確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:各放射線の種類について一つのエネルギーで,次の確認を行う。
1) 次の場所から照射中断及び動きの中断が,同時に行えることを確認する。
・ 治療制御盤
・ 他の場所(ある場合)
2) 製造業者の勧告する他の場所での試験を行ってもよい。
b) 現地試験 等級B−試験手順:各放射線の種類について一つのエネルギーで,照射中断後に照射が再
開できることを確認する。
c) 形式試験 等級A−例外として許容可能な条件に関する記載を確認する。
c) 現地試験 等級B−試験手順:各放射線種について一つのエネルギーで,照射終了状態に移行するこ
とを確認する。
d) 現地試験 等級B−試験手順:各放射線種について一つのエネルギーで照射を開始し,照射を中断す
る。さらに,架台及び患者支持器の位置を変えてから元の位置に復元し,照射を再開する。復元の許
容差は,201.10.1.2.101.6 d) に示したものを適用する。
201.10.1.2.101.13
照射終了
a) 取扱説明書で指定したように,いかなるときにも治療制御盤及び他の場所から照射を終了すること及
び動きの終了が可能でなければならない。この制御は,ハードワイヤで備えるか,又は同等な安全性
のスイッチング機能をもち,いずれのプログラマブル電子サブシステムからも独立していなければな
らない。
b) 放射線治療中に作動パラメータを調整した場合には,照射終了しなければならない。照射開始前にあ
らかじめプログラムした場合又は201.10.1.2.101.12 c) に示す例外の場合だけ,放射線治療中にパラメ
ータ値を調整してもよい。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級A−他の場所からの照射終了にする記載を確認する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:各放射線の種類について一つのエネルギーで,治療制御盤及び他の場
所から照射終了及び動きの終了が可能であることを確認する。
b) 現地試験 等級B−試験手順:放射線治療中に作動パラメータのいずれか一つを調整した場合に,照
射を終了することを確認する。
201.10.1.2.101.14
異常な照射終了
注記1 201.14.101 f) では,プログラマブル電子サブシステムが制御に関与している場合には,キー
による制御の代わりに設定したパスワードの使用を認めている。
モニタ装置の通常作動以外の手段によって照射終了した場合には,次による。
a) 治療制御盤に特定の事項を表示しなければならない。視覚的表示端末のあるME機器では,照射終了
の原因に関してデータを表示しなければならない。それに関連する潜在的な危害に関する警告の詳細
を,取扱説明書に記載しなければならない。
b) 異常な照射終了を引き起こしたインタロックを治療制御盤の専用機械的キーを用いてリセットしなけ
れば,次の照射に進むことができてはならない。
注記2 b) で示す専用機械的キーを,201.10.1.2.101.10 a) 1) で要求したキーに追加する。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級A−潜在的な危害についての警告に関する記載を確認する。
a) 現地試験 等級C−試験原則:予定外の照射終了の原因となるインタロックを起動させた,表示の機
能を確認する。
b) 形式試験 等級A−専用機械的キーだけでリセット可能なインタロックに関する記載を確認する。
b) 現地試験 等級C−試験原則:指定した手段によって照射終了させ,専用機械的キーを使用せずに照
射開始を試行する。
201.10.1.2.102
放射線照射野内の迷放射線に対する防護
201.10.1.2.102.1
電子線照射中の迷X線
電子の実用飛程から100 mmの深さにおける基準軸上のX線による吸収線量の百分率は,表201.104及
び図201.101 4) の設定値を超えてはならない。
注4) ICRU Report 35の3.3(エネルギー),3.3.2.3(飛程測定),9.2.6.1(X線混入)などを参照。
測定は,ファントムを用いて行わなければならない。ファントム入射面は定格治療距離にあり,基準軸
に対して垂直になるように設定し,その寸法は放射線照射野より少なくとも5 cm以上大きく,深さは測定
する深さより少なくとも5 cm以上深くなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−全ての電子線アプリケータ及びエネルギーについて,電子線照射中の迷X線の百分
率に関する記載を確認する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現地試験 等級B−試験手順:全てのエネルギーで,上記の要求事項に示す方法で最大正方形放射線照
射野にて測定する。
表201.104−電子線照射中の迷X線の許容値(図201.101参照)
電子のエネルギー,MeV
1
15
35
50
迷X線の百分率,%
3
5
10
20
201.10.1.2.102.2
X線照射中の相対表面線量
30 cm×30 cmの放射線照射野又は利用可能な30 cm×30 cmを超えない最大正方形放射線照射野におい
て,相対表面線量は表201.105及び図201.102の値を超えてはならない。
測定は,201.10.1.2.102.1で示した寸法及び配置のファントムで行わなければならない。工具を使用しな
いで取り外し可能な放射線ビーム整形器具は,全て放射線ビームから取り外さなければならない。平たん
化用フィルタは,全て設置したままにしなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級B−試験手順:全てのエネルギーで,上記の要求事項に指定した方法で相対表面線量を
確認する。
現地試験 等級B−試験手順:全てのエネルギーで,上記の要求事項に指定した方法で相対表面線量を
確認する。
表201.105−X線照射中の相対表面線量の許容値(図201.102参照)
公称エネルギー,MV
1
2
5
8〜30
40〜50
相対表面線量の百分率,%
80
70
60
50
65
201.10.1.2.102.3
迷中性子線
この要求事項は,電子のエネルギーが10 MeVを超える場合にだけ適用しなければならない。
中性子のエネルギー分布及び迷中性子線の値は,800 cm2以下の断面積における,次のいずれかの測定値
の平均から導かなければならない。
・ 10 cm×10 cmの放射線照射野において,基準軸上のアイソセンタで測定したX線の吸収線量に対する
百分率で表したアイソセンタでの中性子の吸収線量
又は
・ 規定のX線の吸収線量率に対して,アイソセンタで期待される最大中性子フルエンス率
(試験)
適合性は,次のようにして確認する。
形式試験 等級C−試験原則:X線の全エネルギー,又はX線が不可の場合,迷中性子線による吸収線
量又はフルエンス率が最大となる電子線のエネルギーについて,必要なデータを得るために測定を行う。
別法を選んだ場合には,その方法,条件及び確定した結果を記載しなければならない。放射線のパルス特
性,中性子のエネルギースペクトル,付随するX線並びに周りの構造体から散乱した中性子線の影響を考
慮しなければならない。照射野限定器を完全に閉じた状態及び完全に開いた状態で測定しなければならな
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
い。
201.10.1.2.103
放射線照射野外の患者平面内の放射線に対する防護
201.10.1.2.103.1
一般
付加フィルタを備えたME機器では,付加フィルタの有無にかかわりなく作動する場合には,両方の場
合においてこの細分箇条の要求事項を満たさなければならない。
この細分箇条の要求事項に適用する範囲を,図201.103に示す。
201.10.1.2.103.2
照射野限定器を透過する漏れ放射線
注記1 照射野限定器で全閉できない長方形の放射線照射野は,漏れ放射線の測定に含まない。
注記2 ターゲット又は電子線窓と調整可能な照射野限定器との間にある調整不可の一次照射野限定
器を防護遮蔽体として使用するME機器では,“M”は,一次照射野限定器の遠位端を,その
基準軸に垂直で定格治療距離にある平面に幾何学的に投影した領域を指す。つまり,ターゲ
ット又は電子線窓の前面中央から見た面のことである[M10の定義については,
201.10.1.2.103.2.2 a) を参照。]。
注記3 同じ電子加速装置でも,電子線及びX線の各モードで定格治療距離が異なる場合がある。
201.10.1.2.103.2.2 a) で記載する理由以外にも,この理由のためにM領域が異なる場合がある。
注記4 多分割照射野限定器は指定した数の放射線減弱体から成り,この放射線減弱体を合わせて制
御することによって放射線照射野を決められる。このような機構部は,マルチリーフコリメ
ータとも呼ばれる。既存の照射野限定システムに任意に一時的又は恒常的に追加される照射
野限定器のことを補助多分割照射野限定器という。
注記5 製造業者は,10 cm×10 cm又は指定した基準照射野を用いる。詳細は,IEC 60976の5.2に
記載されている。
201.10.1.2.103.2.1
X線
照射野限定器の全ての組合せを透過する漏れ放射線は,照射野限定器で全閉できない開口部を少なくと
も1/10価層の2倍のX線吸収材で遮蔽して測定しなければならない5)。照射野限定器を重ね合わせない場
合には,最小の放射線照射野で測定しなければならない。
注5) ICRP 33(234以下参照)
調整可能な又は交換可能な照射野限定器は取り付けておかなければならない。照射野限定器(多分割照
射野限定器を含む。)を組み合わせて重ね合わせることができる場合には,これらの要求事項は同時に測
定した照射野限定器の組合せそれぞれに個別に適用しなければならない。
a) 各照射野限定器[次のc) が適用される多分割照射野限定器を除く。]は,照射野限定器で全閉できな
い放射線照射野を除く領域M内において,漏れ放射線による吸収線量が,定格治療距離にある基準軸
上の10 cm×10 cmの放射線照射野で測定した最大吸収線量の2 %を超えないように,X線を減衰させ
なければならない。
b) 全ての寸法の放射線照射野において,多分割照射野限定器を含む照射野限定器を通過した漏れ放射線
による領域Mでの平均吸収線量DLXが,定格治療距離にある基準軸上の10 cm×10 cmの放射線照射
野で測定した最大吸収線量の0.75 %を超えてはならない。定格治療距離で300 cm2を超える面積が多
分割照射野限定器で防護されているときにこの許容値を超える場合には,その許容値を超える条件及
び許容値を超える量を取扱説明書に記載しなければならない。
c) 多分割照射野限定器自体では上記a) 及びb) の要求事項を満たさず,要求事項を満たすためには,調
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
整可能な又は交換可能な照射野限定器が必要な場合には,これらの照射野限定器は,多分割照射野限
定器で設定した放射線照射野を囲む最小寸法の長方形の放射線照射野に自動設定されるように調整し
なければならない。
d) 上記c) で示す自動調整可能な照射野限定器によって形成される長方形の放射線照射野の内側に投影
される,多分割照射野限定器の部分を透過した漏れ放射線による吸収線量は,定格治療距離にある基
準軸上の10 cm×10 cmの放射線照射野で測定した最大吸収線量の5 %を超えてはならない。
e) 製造業者がIMRT又は従来の照射に比べて線量モニタ単位を増大させる必要がある他の照射方法を使
用すると指定した装置では,この細分箇条で規定した線量許容値は,少なくとも半分以下にするのが
望ましい。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級B−試験手順:
1) 照射野限定器の横寸法を最大放射線照射野寸法FXmax,縦寸法を最小放射線照射野寸法FYminに設定
し,最大X線エネルギーで定格治療距離にて撮影した直接X線像又は間接X線像を評価して,最
大漏れ放射線が最大になる領域を見つける。縦寸法をFYmax,横寸法をFXminに設定して同様に繰り
返す。
2) 漏れ放射線が最大になる位置で,放射線検出器を用いて測定する。放射線検出器の断面積は1 cm2
を超えてはならない。測定は,ファントムで吸収線量が最大になる深さで行わなければならない。
全てのX線エネルギーについて繰り返す。
a) 現地試験 等級B−試験手順:漏れ放射線が最大になるX線エネルギーによって,上記a) 2) の形式
試験に示す方法で,放射線検出器を用いて測定する。
b) 形式試験 等級B−試験手順:四角形の放射線照射野を作るための照射野限定器のX方向を最大放射
線照射野寸法FXmax,Y方向を最小放射線照射野寸法FYminに,対称になるように設定し,図201.104
に示す24測定点を,上記a) 2) の形式試験に示す方法で,放射線検出器を用いて測定する。定格治療
距離にある基準軸上の10 cm×10 cmの放射線照射野で測定した最大吸収線量に対する百分率として,
全測定値の平均値DLXを確定する。Y方向をFYmax,X方向をFXminに対称になるように設定し,同様
に繰り返す。全てのX線エネルギーについて繰り返す。多分割照射野限定器がある場合には,調整可
能な又は交換可能な照射野限定器を300 cm2の面積の正方形放射線照射野に開き,かつ,その面積を
保ったまま多分割照射野限定器を最小の開きとする(例えば,T形又は+形の照射野を用いる。)。多
分割照射野限定器で防護されている領域について放射線検出器を用いて測定する。これらの測定結果
から,領域Mにおける,多分割照射野限定器を含む照射野限定器を通過する漏れ放射線による,平均
吸収線量DLXを計算する。
注記 二次元配列の放射線検出器を使用することによって,この試験に要する時間を短縮してもよい。
b) 現地試験 等級B−試験手順:形式試験に同じ。
c) 形式試験 等級B−試験手順:直接X線像又は間接X線像を用いて,調整可能な又は交換可能な照射
野限定器の自動調整機能を証明する。
c) 現地試験 等級B−試験手順:直接X線像又は間接X線像を用いて,自動調整機能を確認する。
d) 形式試験 等級B−試験手順:
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 多分割照射野限定器の対になっている全構成要素を対称形に閉じて,開口部を最小にする。基準軸
から最も遠い位置にある二対の構成要素を開く。一対は最大限まで開き,もう一対は一部を開く。
直接X線像又は間接X線像を評価して,T形として残る最小開口部の外側部分で漏れ放射線が最大
になる領域を見つける。全てのX線エネルギーについて繰り返す。
2) 上記a) 2) の形式試験での条件で,放射線検出器を用いて測定する。
d) 現地試験 等級B−試験手順:上記a) 2) の形式試験での漏れ放射線の最大値を得た位置及び同じ条
件で,放射線検出器を用いて測定する。
201.10.1.2.103.2.2
電子線
a) 調整可能な又は交換可能な照射野限定器,及び/又は電子線アプリケータを備えなければならない。
各照射野限定器及び/又は電子線アプリケータによって,次の内容を満たすように,照射野限定器,
電子線アプリケータ,放射線ヘッドのその他の部品に入射する電離放射線全て(中性子線を除く。)
が減衰し,領域M又は領域M10(領域Mと,領域Mの外に幾何学的放射線照射野の外縁を10 cm広
げた領域との両方を含む領域)で,電子線照射野外の散乱放射線が制限されていなければならない。
注記 201.10.1.2.103.3を含み,これ以降,Mと書かれている場合,M又はM10のいずれか該当する
方を指す。
1) 吸収線量が,幾何学的放射線照射野の外縁から外側2 cmの線とMの境界線の間の領域において,
定格治療距離にある基準軸上の最大吸収線量に対する百分率にして最大でも10 %を超えてはなら
ない。
かつ,
2) 幾何学的放射線照射野の外縁から外側4 cmの線と領域Mの境界線との間の領域での漏れ放射線に
よる平均吸収線量DLEが,次に示す許容漏れ放射線の許容値を超えてはならない。許容値は,図
201.105に示すように,電子エネルギーが10 MeV以下の場合には1 %,それを超え35 MeVまでの
範囲は1.8 %まで増加し,35 MeV〜50 MeVの場合は1.8 %である。
漏れ放射線の測定は,放射線検出器後方の物質から散乱される放射線に対して適切な防護が講じられて
いなければならず,断面積が1 cm2を超えない放射線検出器を用いて,電子線を空気中に向けた状態で実
施されなければならない。
b) 全ての電子線アプリケータ本体の,先端から外装の10 cm以内までの部分の表面から外側2 cmで測定
した吸収線量が,定格治療距離にある基準軸上の最大吸収線量の10 %を超えてはならない。
c) X線照射用照射野限定器が電子線照射用照射野限定器の一部として使用される場合において,定格治
療距離における実際の位置と要求位置とのずれが10 mmを超える場合には,電子線照射を防止するよ
うにインタロックされなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 1) 形式試験 等級B−試験手順:
・ ビルドアップとして10 mmの組織等価物質を用い,全てのサイズの電子線アプリケータ又は照
射野限定器を使用し,各サイズに対応する最大及び最小エネルギーにて定格治療距離でX線像
を撮影する。幾何学的放射線照射野の外縁から外側2 cmの線とMの境界線との間の領域で吸
収線量が最大になる位置(1か所)を見つける。
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
・ X線像を撮影したときと同じ条件で上述の位置(1か所)で,放射線検出器を用いてその位置
(1か所)を測定する。測定した吸収線量が,定格治療距離にある基準軸上の最大吸収線量の
10 %を超えてはならない。
a) 2) 形式試験 等級B−試験手順:上記a) 1) の形式試験と同じ条件で,放射線検出器を用いて測定す
る。測定は,幾何学的放射線照射野(対角線の長さは5×2cm)の外縁から外側5 cmの位置から
Mの境界線までに引いたM領域内の8本の線分に沿って2 cm間隔で測定する(図201.106参照)。
各電子線アプリケータ又は照射野限定器について,定格治療距離にある基準軸上の最大吸収線量に
対して放射線検出器の測定値の平均を百分率で表した値DLEを確定する。
a) 現地試験 等級B−試験手順:上記a) 2) の形式試験のデータで指定した,電子線アプリケータ及び
電子エネルギーの最も不利な組合せで,撮影用フィルム及び放射線検出器を用いて測定する。
b) 形式試験 等級B−試験手順:全ての電子線アプリケータに対して,それらの指定した最大及び最小
エネルギーによって,電子線アプリケータの表面から外側2 cmの位置で吸収線量を測定する。
b) 現地試験 等級B−試験手順:形式試験のデータで得た最大漏れ放射線となる位置で1回測定する。
測定位置は電子線アプリケータの表面から2 cm離れていることが望ましい。
c) 形式試験 等級A−X線用照射野限定器が定格治療距離での正しい位置から10 mmを超えてずれてい
る場合に,電子線照射を防止するインタロックに関する記載を確認する。
c) 現地試験 等級C−試験原則:X線用照射野限定器が正しく位置決めされていない場合に,電子線照
射を防止するインタロックの機能を確認する。
201.10.1.2.103.3
領域Mの外側の漏れ放射線(中性子線を除く。)
アイソセンタを通る基準軸上に中心があり基準軸に直交する平らな半径2 mの円の表面(ただし,領域
Mを除く。)で,漏れ放射線(中性子線を除く。)による吸収線量が次の数値を超えないように,電離放射
線を減衰させる防護遮蔽体をME機器に備えなければならない。
a) 最大値が10 cm×10 cmの放射線照射野の中央で測定した最大吸収線量の0.2 %
かつ,
b) 平均値が10 cm×10 cmの放射線照射野の中央で測定した最大吸収線量の0.1 %
照射野限定器を通過した漏れ放射線が測定に影響しないように,照射野限定器を閉じて中心軸で最小開
口にしなければならない。さらに,領域Mが,合計が1/10価層の最低3倍の吸収材でX線ビームから防
護されるように,必要に応じて適切な吸収材を追加しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級B−試験手順:
a) 軸1を0°,90°又は270°に,軸4を0°に設定し(図201.108参照),全X線エネルギー及び電子
線の最大エネルギーにおいて,漏れ放射線が大きくなる位置を確定する。これらの位置を放射線検出
器を用いて測定し,漏れ放射線による最大吸収線量の百分率を得る。直接X線像,間接X線像又は撮
影用フィルムを用いてもよい。
b) 上記a) で得た結果を評価し,漏れ放射線が最大になる条件の組合せで,図201.107に示す24測定点
を放射線検出器を用いて測定する。測定値は,100 cm2以内の放射線検出器の全領域の値を平均しなけ
ればならない。24測定点での平均測定値を用いて,漏れ放射線による吸収線量の平均百分率を確定し
なければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現地試験 等級C−試験原則:上記b) の形式試験で明示した条件下で,図201.107に示す24測定点を
放射線検出器を用いて測定する。
201.10.1.2.103.4
領域Mの外側の漏れ中性子線
この要求事項は,ターゲット又は電子線窓に入射する電子のエネルギーが10 MeVを超える場合にだけ
適用しなければならない。
正常な使用の条件で,201.10.1.2.103.3で規定する面の領域M外の中性子による吸収線量は,基準軸との
交点にある10 cm×10 cmの放射線照射野でのX線吸収線量に対する百分率として最大値で0.05 %及び平
均値で0.02 %を超えてはならない。吸収線量の値は,800 cm2以内の面積全体にわたって平均しなければ
ならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級B−試験手順:X線の全エネルギー,又は(X線が不可の場合)迷中性子線による最大
吸収線量又は中性子最大フルエンス率(fluence rate)が生じる電子線のエネルギーについて測定を行い,
方法,条件及び結果を記録する。平均値を計算し0.02 %を超える領域を示す。放射線はパルス形に照射さ
れるという性質,中性子のエネルギースペクトル,並びに付随するX線及び周りの構造体から散乱する中
性子線の影響を考慮しなければならない。中性子は照射野限定器をいっぱいまで閉じた状態で測定しなけ
ればならない。
201.10.1.2.103.5
故障状態での漏れ放射線
電子ビームがターゲット又は電子線窓に正しく入射しない場合には,照射を終了する手段を備えなけれ
ばならない。
201.10.1.2.103.3で示す面で,領域Mの外での漏れ放射線による吸収線量率が201.10.1.2.103.3で規定し
た許容値の5倍以上になったとき,照射を終了しなければならない。漏れ放射線による吸収線量率は10
秒以内の平均値とし,故障状態における10 cm×10 cmの放射線照射野内での基準軸上の吸収線量率に対す
る百分率として表さなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級C−試験原則:照射を終了する手段の機能を確認する。
又は
形式試験 等級A−この要求事項への適合及び確認方法に関する記載を確認する。
現地試験 等級C−試験原則:故障状態における照射終了を確認する。
201.10.1.2.104
患者及びその他の者に対する放射線安全性
注記 この細分箇条の要求事項に適用する境界図を,図201.103に示す。
201.10.1.2.104.1
患者平面の外側の漏れX線
a) 基準軸上のアイソセンタに中心があり基準軸に直交する半径2 mの立体空間及び図201.103(正面図)
に示す測定の境界線を除き,漏れX線による吸収線量が次の位置から1 m離れた位置で,定格治療距
離にある10 cm×10 cmの放射線照射野の基準軸上で測定した最大吸収線量の0.5 %を超えてはならな
い。
− 電子銃と,ターゲット又は電子線窓との間の電子の行路
又は
− 基準軸
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 上記a) で調べた領域が,次のいずれにも該当する場合には,関連する吸収線量のレベル及び測定条
件とともに,その領域を技術解説書に指定しなければならない。
− 照射中に患者に接近する可能性がある。
かつ,
− 外装表面から5 cmの位置の漏れ放射線が,最大吸収線量の0.5 %を超える可能性がある。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
注記 要求事項に対して項番号が重複している場合があるが,対応国際規格の記載に従った。
a) 形式試験 等級B−試験手順:X線の全エネルギー及び電子線の最大エネルギーにおいて,X線像を
用いて漏れ放射線が高い位置を見つける。これらの位置を放射線検出器を用いて測定し,100 cm2以内
の面積の測定値を平均する。漏れ放射線が高い位置での放射線検出器のビルドアップは,最大吸収線
量測定のものと等しくしなければならない。直接X線像,間接X線像又は撮影用フィルムを用いても
よい。
b) 形式試験 等級B−試験手順:上記a) の形式試験で得たデータを用い,放射線検出器を用いて測定す
る。外装表面から5 cmの位置にある確認点を測定し,10 cm2以内の面積の測定値を平均する。0.5 %
を超える漏れX線の期待レベル,位置及び関連条件を記録する。
a) b) 現地試験 等級B−試験手順:記録した条件で,上記a) 及びb) の形式試験で確認した漏れX線が
最大の位置3か所を放射線検出器を用いて測定する。
201.10.1.2.104.2
患者平面の外側の漏れ中性子線
この要求事項は,電子線窓又はターゲットでの電子のエネルギーが10 MeVを超える場合にだけ適用し
なければならない。
201.10.1.2.104.1 a) で示す空間を除き,201.10.1.2.104.1 a) と同じ条件の下で,漏れ中性子線による吸収
線量が電子線又はX線による最大吸収線量の0.05 %を超えてはならない。
測定値は800 cm2以内の面積での測定値の平均とし,照射野限定器をいっぱいまで閉じた状態で正常な
使用の条件で測定を行わなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級C−試験原則:X線の最大エネルギー又は(電子線だけ可能である場合)迷中性子線に
よる吸収線量又は中性子フルエンス率(fluence rate)が最大になる電子線のエネルギーについて,測定を
行う。放射線はパルス形に照射されるという性質,中性子のエネルギースペクトル,並びに付随するX線
及び周りの構造体から散乱する中性子線の影響を考慮しなければならない。
201.10.1.2.104.3
照射終了後の誘導放射能による電離放射線の放射
この要求事項は,ターゲット又は電子線窓での電子のエネルギーが10 MeVを超える場合にだけ適用し
なければならない。
a) 指定した最大吸収線量率で4 Gyにて10分間の休止で区切った連続4時間の照射を終えたとき,ME
機器からの電離放射線による周辺線量当量H*(10) が,最後の照射終了の30秒以内に開始して5分を
超える時間で,測定した場合に次の値を超えてはならない。
・ 外装の表面から5 cm離れた容易に接触可能な場所で10 µSv
かつ,
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
・ 外装の表面から1 m離れた場所で1 µSv
又は最後の照射終了の30秒以内に開始して3分以内の間に測定した周辺線量当量率が,次の値を超
えてはならない。
・ 外装の表面から5 cm離れた容易に接触可能な場所で200 µS/h
かつ,
・ 外装の表面から1 m離れた場所で20 µSv/h
注記 ベータ粒子の存在は,皮膚線量を増す場合がある。
b) サービス業務及び廃棄の際の注意事項(例えば,放射能をもつ可能性のある部品を取り扱う場合の時
間制限,放射能をもつ物質の廃棄及び運搬に関する国内及び国際規則への適合)を技術文書に指定し
なければならない(201.7.9.2.15参照)。
注記 ターゲット又は電子線窓での電子のエネルギーが10 MeVを超える場合以外についても国内規
制がある。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級B−試験手順:外装の表面から5 cmの距離で10 cm2以内の領域及び表面から1 mの
距離で100 cm2以内の領域での平均の線量を測定し,その測定方法,結果及び測定位置を記録する。
測定は,次の条件で行う。
・ 201.10.1.2.103.4の形式試験で使用した最大X線エネルギー又はX線が不可の場合には,電子線の
エネルギー
・ 10 cm×10 cmの放射線照射野
b) 形式試験 等級A−サービス業務及び廃棄の注意事項に関する記載を確認する(201.7.9.2.15参照)。
201.10.1.2.104.4
格納可能な放射線ビーム遮蔽体(201.7.9.2.15参照)
あらゆる格納可能な放射線ビーム遮蔽体は,照射中に正しい位置にない場合には,インタロックされな
ければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−正しくない操作を防止するインタロックに関する規定を確認する。
現地試験 等級B−試験手順:ビーム遮蔽体を正しく位置決めせずに照射することを試みる。
201.10.1.2.104.5
偶発的電離放射線
注記 通則の箇条10は置換されている。これは通則の10.1.1を置き換えしたものである。
放射線治療のための電離放射線を発生することを意図しない,電子加速装置を構成するME機器又は
ME機器の部品については, 高電圧によって発生した電離放射線は,接触可能表面から5 cmのいかなる
位置においても1時間の積算値が5 μSvを超える周辺線量当量H*(10) を発生してはならない。
(試験)
適合性は,次のようにして確認する。
形式試験 等級C−試験手順:小さい角度のビームによる線量を評価するために測定を行い,その方法,
位置及び結果を記録する。測定値は10 cm2以内の面積での測定値を平均する。放射される放射線のエネル
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ギーに適した放射線検出器を使用する。
X線の放射が最大となる位置に制御及び調整を設定する。最も不利な状況を生じる構成品の単一故障を
順に引き起こす。
201.11
過度の温度及び他のハザードに関する保護
通則の箇条11を適用する。
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護
通則の箇条12は,適用しない。
注記 制御及び機器(通則の12.1)の正確さは201.9に含まれているので適用しない。
ユーザビリティ(通則の12.2)は206に含まれるので適用しない。ハザード出力に対する保護(通則の
12.4)は201.10に含まれるので適用しない。
201.13 危険状態及び故障状態
通則の箇条13を適用する。
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS)
次を除いて,通則の箇条14を適用する。
追加
201.14.101 プログラマブル電子サブシステム
a) これらの規格(通則,副通則を含む。)の安全条項を,危害が故障時に生じるおそれのあるプログラマ
ブル電子サブシステムに適用しなければならない。
b) ソフトウェア及びファームウェア制御プログラムは,製造業者の許可のないアクセス及び改造に対し
て保護されていなければならない。
注記 許可なしでソフトウェア及びファームウェアにアクセスすると,危険な状況を生じ,機器が
これらの規格(通則,副通則を含む。)の要求事項に適合しなくなり,製造業者が保証請求に
対して反ばく(駁)する原因となり得る。
c) モニタ装置,測定装置又は制御装置の一部であるプログラマブル電子サブシステムの安全機能が作動
しない場合には,照射を防止するか又は照射終了し,かつ,動きを止めなければならない。
d) 照射はマニュアル制御だけで開始できなければならない。それ以降は,前もってプログラムした照射
及び動きをプログラマブル電子サブシステムで制御してもよい。
e) コンピュータ上の情報ファイル又は他の入力手段によるデータに基づいてME機器の一部を設定した
り前もって位置決めするように設計されたプログラマブル電子サブシステムの制御下の装置には,
ME機器のパラメータの実際の設定と入力データのパラメータとを比較する手段を備えなければなら
ない。取扱説明書に示す指示事項及びデータに従って責任部門が設定した指定の事前定義限界を超え
る差が生じた場合には,照射を防止しなければならない。
f)
制御がプログラマブル電子サブシステムの影響を受ける場合には,他の種類の制御システムでは,キ
ーによる制御又は設定した(機械的)キーが必要であるような機能を使用可又は使用不可にするため
に,キーによる制御の代わりに専用のパスワードを用いてもよい[例えば,201.10.1.2.101.10,
201.10.1.2.101.11,201.10.1.2.101.14 b)]。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−プログラマブル電子サブシステムを使用する上での安全な作動に対する考え方及び
その実現に関する記載を確認する。
現地試験 等級C−試験原則:製造業者が指定したとおりに正しく機能することの確認。
追加
g) 取り込まれたデータセットの一貫性,正しさ及び完全性は,照射が行われる前にME機器にて確認し
なければならない(201.10.1.2.101.1.5参照)。
読み込まれたデータセットの一貫性,正しさ及び完全性が欠如している場合には,照射を開始して
はならない。異常な照射終了の場合,実施した治療を復元するために必要なデータセットを記録しな
ければならない。
異常な照射終了の後の再開の場合,照射の再開に必要なデータセットの一貫性,正しさ及び完全性
は照射が行われる前にME機器にて確認しなければならない。
製造業者は,照射実施に要求されるデータセットを附属文書の中に記載しなければならない。
201.15 ME機器の構造
通則の箇条15を適用する。
201.16 MEシステム
通則の箇条16は適用しない。
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性
次を除いて,通則の箇条17を適用する。
追加
201.17.101 追加要求
電子加速装置に,通則の箇条17の要求事項及び試験並びに追加の201.17.102及び201.17.103を適用し
なければならない。
注記 組み込まれている情報技術機器は電子加速装置の一部としてみなす。
測定に供する場所は,電子加速装置の設置に一般に使用される典型的な場所でなければならない。責任
部門の場所か製造業者の場所のいずれでもよい。別の測定場所を容認した場合,その理由を附属文書の中
に含めなければならない。
(試験)
適合性は永久設置形ME機器に該当する機器に要求される。
201.17.102 無線周波数エミッション
無線周波数エミッションについては,測定するときに,そこからの距離をとることになる外壁内の構造
物による電磁妨害の減弱を,あたかもME機器の固有減弱によるかのようにみなさなければならない。
(試験)
適合性は,測定をIEC 60601-1-2に従って確認する。ME機器が設置された場所を含む建物の外壁から
30 mの距離で測定する。
201.17.103 放射無線周波数電磁界に対するイミュニティ
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
無線電磁界に対するイミュニティにおいては,電離放射線を防護する構造によって生じた減衰は,ME
機器の固有減弱によるものとみなさなければならない。
(試験)
適合性は,IEC 60601-1-2に従って試験する。試験アンテナは,電離放射線からの防護構造物の外側から
3 m離れて設置しなければならない。
追加
201.101
電子画像装置(例えば,EPID)
201.101.1
画像座標及び方向
画像は座標系(IEC 61217)に従い,画像の方向を明確にしなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−画像座標及び方向に関する記載を確認する。
201.101.2
画像スケーリング係数
画像スケーリング係数は,附属文書に記載され,かつ,画像上に表示されなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−画像スケーリング係数に関する記載を確認する。
201.101.3
画像の表示領域及び配置
画像の表示範囲及び画像用放射線ビーム軸からの変位を附属文書に記載しなければならない。いかなる
変位量も画像上に記載しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−表示範囲及び配置の確度に関する記載を確認する。
201.101.4
EIDの患者クリアランス
注記 201.9.2.101に含まれる。
201.101.5
アーチファクト
使用目的に基づき,製造業者はEIDで取得された画像に含まれるアーチファクトに起因する画像劣化の
影響に関するリスク分析を実施しなければならない。この分析は少なくとも次を含んでいなければならな
い。
− アーチファクトによって不正確な治療が実施されるかどうか
− アーチファクトは操作者に明白か
製造業者は,受け入れられないリスクに伴う,危険な状況が単一故障状態で発生しないことを明確にし
なければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A−知られているアーチファクトと画質への影響に関する記載を確認する。
206
ユーザビリティ
次を除き,IEC 60601-1-6:2006を適用する。
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
追加
注記1 IEC 60601-1-6:2006を現存する既に合格したME機器に遡って適用することはできないが,
利用可能な設計及びプロセス制御に関するデータを試験することは,有効な検証となり得る。
注記2 IEC 60601-1-6:2006が廃止された場合は,IEC 62366“医療機器−医療機器への使用性に関わ
る工業技術の適用”が適用される。
図201.101−電子線照射中の迷X線の限度(201.10.1.2.102.1)
図201.102−X線照射中の相対表面線量の限度(201.10.1.2.102.2)
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図201.103−正面図 漏れ放射線の要求事項の適用(201.10.1.2.103及び201.10.1.2.104)
44
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 領域M=πR02,Mは201.10.1.2.103.2の注記2で定義されている。
2 大きさは定格治療距離の患者水平面に関係する。
3 測定の2回目は,X軸の照射野限定器を全閉,Y軸を全開にして行う。
4 領域Mは基準軸を中心にもち,基準軸に対して垂直である。
図201.104−X線照射中の平均漏れ放射線の24測定点(201.10.1.2.103.2.1)
45
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図201.105−電子線照射中の照射野限定器を透過する漏れ放射線の限度(201.10.1.2.103.2.2)
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
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注記 寸法は使用する電子線アプリケータの定格治療距離に関係する。
図201.106−電子線照射中の平均漏れ放射線の測定点(201.10.1.2.103.2.2)
47
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 領域Mは基準軸に中心をもち,基準軸に対して垂直である。
図201.107−領域M外の平均漏れ放射線の24測定点(201.10.1.2.103.3)
48
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
直線変位
9 患者支持器の上下動
10 患者支持器の左右動
11 患者支持器の前後動
14 放射線照射野の大きさFX
15 放射線照射野の大きさFY
回転軸
1 架台回転軸
4 照射野限定システムの回転軸
5 患者支持器のアイソセントリック回転軸
6 患者支持器のエクセントリック回転軸
注記1 詳細は,この図を取り上げたIEC 61217の表1,図13a,図13b及び図13cを参照。
注記2 9及び11の変位を除き,ゼロの位置を示している。
注記3 この図に記載がない番号についてはIEC 61217に記載されている。
図201.108−ME機器の動き及び目盛
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Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書
次を除き,通則の附属書を適用する。
附属書B
(参考)
試験の順序
次を除き,附属書Bの通則を適用する。
B.1
一般
追加
製造業者は,この附属書に記載された順序と異なる場合は,試験の順序を記載することが望ましい。
附属書I
(参考)
MEシステム概要
通則の附属書Iは,適用しない。
50
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
[1] IEC 60976:2007,Medical electrical equipment−Medical electron accelerators−Functional performance
characteristics
[2] IEC/TR 60977,Medical electrical equipment−Medical electron accelerators−Guidelines for functional
performance characteristics
[3] IEC 62366,Medical devices−Application of usability engineering to medical devices
[4] ICRP Publication 33:1982,Protection against ionizing radiation from external sources used in medicine
[5] ICRP Publication 60:1991,1990,Recommendations of the international commission on radiological
protection
[6] ICRU Report 35:1984,Radiation dosimetry : electron beams with energies between 1 and 50 MeV
[7] ICRU Report 39:1985,Determination of dose equivalents resulting from external radiation sources
[8] ICRU Report 51:1993,Quantities and units in radiation protection dosimetry
[9] IEC 60601-1-8,Medical electrical equipment−Part 1-8: General requirements for basic safety and essential
performance−Collateral Standard: General requirements, tests and guidance for alarm systems in medical
electrical equipment and medical electrical systems
[10] IEC 60601-1-10,Medical electrical equipment−Part 1-10: General requirements for basic safety and essential
performance−Collateral Standard: Requirements for the development of physiologic closed-loop controllers
[11] JIS Z 4714:2001 医用電子加速装置−性能特性
51
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語の索引
注記 対応英語に英略語がある場合は,括弧内“( )”に示した。
この規格の定義のない派生語は,番号(XXXXX)の後ろに+を付けて表した(JIS Z 4005:2012,XXXXX+)。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
アイソセンタ/アイソセント
リック
ISOCENTRE/ ISOCENTRIC
JIS Z 4005:2012,10558/10559
医用電気機器,ME機器
MEDICAL ELECTRICAL EQUIPMENT,
ME EQUIPMENT
JIS T 0601-1:2012,3.63
医用電気システム,MEシステ
ム
MEDICAL ELECTRICAL SYSTEM,
ME SYSTEM
JIS T 0601-1:2012,3.64
インタロック,インタロック
する
INTERLOCK,TO INTERLOCK
JIS Z 4005:2012,10523
ウェッジフィルタ,くさびフ
ィルタ
WEDGE FILTER
JIS Z 4005:2012,11271
運動[放射線]治療
MOVING BEAM RADIOTHERAPY
201.3.211
永久設置形
PERMANENTLY INSTALLED
JIS T 0601-1:2012,3.84
X線照射
X-IRRADIATION
JIS Z 4005:2012,10549+
X線像
RADIOGRAM
JIS Z 4005:2012,10926
X[放射]線
X-RADIATION
JIS Z 4005:2012,10893+
エネルギー
ENERGY(NOMINAL ENERGY参照)
201.3.212
外装
ENCLOSURE
JIS T 0601-1:2012,3.26
開発ライフサイクル
DEVELOPMENT LIFE-CYCLE
JIS Z 4005:2012,10263
架台
GANTRY
201.3.206
患者
PATIENT
JIS T 0601-1:2012,3.76
患者支持器
PATIENT SUPPORT
201.3.215
患者測定電流
PATIENT AUXILIARY CURRENT
JIS T 0601-1:2012,3.77
間接X線像
INDIRECT RADIOGRAM
JIS Z 4005:2012,10492
管理区域
CONTROLLED AREA
JIS Z 4005:2012,10199
幾何学的放射線照射野
GEOMETRICAL RADIATION FIELD
201.3.207
基準軸
REFERENCE AXIS
JIS Z 4005:2012,10972
規定の,規定した
SPECIFIC
JIS Z 4005:2012,11094
基本性能
ESSENTIAL PERFORMANCE
JIS T 0601-1:2012,3.27
吸収線量
ABSORBED DOSE
JIS Z 4005:2012,10003
吸収線量率
ABSORBED DOSE RATE
JIS Z 4005:2012,10004
強度変調放射線治療
INTENSITY MODULATION RADIATION
THERAPY (IMRT)
201.3.209
52
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
形式試験
TYPE TEST
JIS T 0601-1:2012,3.135
検証
VERIFICATION
201.10.1
現地試験
SITE TEST
201.3.221
公称エネルギー
NOMINAL ENERGY
201.3.212
固定[放射線]治療
STATIONARY RADIOTHERAPY
JIS Z 4005:2012,11118
散乱[放射]線
SCATTERED RADIATION
JIS Z 4005:2012,11033
指定の,指定した
SPECIFIED
JIS Z 4005:2012,11096
周辺線量当量
AMBIENT DOSE EQUIVALENT
201.3.201
重複線量モニタ構成
REDUNDANT DOSE MONITORING
COMBINATION
201.3.219
1/10価層
TENTH-VALUE LAYER
JIS Z 4005:2012,11152
主線量モニタシステム
PRIMARY DOSE MONITORING SYSTEM
JIS Z 4005:2012,10834
主副線量モニタ構成
PRIMARY / SECONDARY DOSE
MONITORING COMBINATION
201.3.216
準備完了状態
READY STATE
JIS Z 4005:2012,10964
準備状態
PREPARATORY STATE
JIS Z 4005:2012,10832
照射終了,照射を終了する
TERMINATION OF IRRADIATION,
TO TERMINATE IRRADIATION
201.3.225
照射,照射する
IRRADIATION,TO IRRADIATE
JIS Z 4005:2012,10549
照射中断,照射を中断する
INTERRUPTION OF IRRADIATION,
TO INTERRUPT IRRADIATION
201.3.210
照射野限定器
BEAM LIMITING DEVICE (BLD)
JIS Z 4005:2012,10115
照射野限定システム
BEAM LIMITING SYSTEM (BLS)
JIS Z 4005:2012,10116
情報技術機器
INFORMATION TECHNOLOGY
EQUIPMENT (ITE)
JIS Z 4005:2012,10501
制御タイマ
CONTROLLING TIMER
201.3.202
正常状態
NORMAL CONDITION (NC)
JIS T 0601-1:2012,3.70
正常な使用
NORMAL USE
JIS T 0601-1:2012,3.71
製造業者
MANUFACTURER
JIS T 0601-1:2012,3.55
責任部門
RESPONSIBLE ORGANIZATION
JIS T 0601-1:2012,3.101
接触可能表面
ACCESSIBLE SURFACE
JIS Z 4005:2012,10014
接触可能部分
ACCESSIBLE PART
JIS T 0601-1:2012,3.2
線源皮膚間距離
RADIATION SOURCE TO SKIN
DISTANCE
JIS Z 4005:2012,10916
線量当量
DOSE EQUIVALENT
JIS Z 4005:2012,10285
線量モニタシステム
DOSE MONITORING SYSTEM
JIS Z 4005:2012,10291
線量モニタ単位
DOSE MONITOR UNIT
JIS Z 4005:2012,10290
線量率モニタシステム
DOSE RATE MONITORING SYSTEM
JIS Z 4005:2012,10294
操作者
OPERATOR
JIS T 0601-1:2012,3.73
53
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
相対表面線量
RELATIVE SURFACE DOSE
201.3.220
装着部
APPLIED PART
JIS T 0601-1:2012,3.8
組織等価物質
TISSUE EQUIVALENT MATERIAL
JIS Z 4005:2012,11169
ターゲット
TARGET
JIS Z 4005:2012,11144
待機状態/スタンバイ状態
STAND-BY STATE
JIS Z 4005:2012,11112
単一故障状態
SINGLE FAULT CONDITION (SFC)
JIS T 0601-1:2012,3.116
中性子放射線
NEUTRON RADIATION
JIS Z 4005:2012,10893+
直接X線像
DIRECT RADIOGRAM
JIS Z 4005:2012,10273
[直接]撮影用フィルム
RADIOGRAPHIC FILM
JIS Z 4005:2012,10929
治療室
TREATMENT ROOM
JIS Z 4005:2012,11210
治療制御盤
TREATMENT CONTROL PANEL (TCP)
JIS Z 4005:2012,11205
治療体積
TREATMENT VOLUME
JIS Z 4005:2012,11212
定位手術的照射
STEREOTACTIC RADIOSURGERY
201.3.223
定位照合フレーム,SRS/SRT
STEREOTACTIC FRAME OF REFERENCE,
SRS/SRT
201.3.224
定位放射線治療
STEREOTACTIC RADIOTHERAPY (SRT)
201.3.222
定格エネルギー
NOMINAL ENERGY
201.3.212
定格治療距離
NORMAL TREATMENT DISTANCE (NTD) 201.3.213
電源(商用)
SUPPLY MAINS
JIS T 0601-1:2012,3.120
電源部
MAINS PART
JIS T 0601-1:2012,3.49
電子イメージング装置
ELECTRIC IMAGING DEVICE
201.3.204
電子,エレクトロン
ELECTRON
JIS Z 4005:2012,10335
電子加速装置,電子加速器
ELECTRON ACCELERATOR
JIS Z 4005:2012,10772
電子線照射
ELECTRON IRRADIATION
JIS Z 4005:2012,10549+
電子線アプリケータ
ELECTRON BEAM APPLICATOR
201.3.203
電子ビーム
ELECTRON BEAM
JIS Z 4005:2012,10895+
電子[放射]線
ELECTRON RADIATION
JIS Z 4005:2012,10893+
電子ポータルイメージング装
置
ELECTRONIC PORTAL IMAGING DEVICE
(EPID)
201.3.205
電磁妨害
ELECTROMAGNETIC DISTURBANCE
JIS Z 4005:2012,10329
エミッション
EMISSION
JIS Z 4005:2012,10342
電磁両立性
ELECTROMAGNETIC COMPATIBILITY
(EMC)
JIS Z 4005:2012,10328
電離放射線
IONIZING RADIATION
JIS Z 4005:2012,10547
透過形検出器
TRANSMISSION DETECTOR
201.3.226
取扱説明書,使用説明書
INSTRUCTIONS FOR USE
JIS Z 4005:2012,10513
ハードワイヤ
HARD-WIRED
201.3.208
パスワード
PASSWORD
201.3.214
54
Z 4705:2015 (IEC 60601-2-1:2009, Amd.1:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
[ビーム]スキャッタリングフ
ィルタ,散乱フィルタ
BEAM SCATTERING FILTER
JIS Z 4005:2012,10120
光照射野
LIGHT FIELD
JIS Z 4005:2012,10583
非物理ウェッジ
PROGRAMMABLE WEDGE FILTER (PWF) IEC 60976:2007,3.18
表示
DISPLAY
JIS Z 4005:2012,10278
ビルドアップ
BUILD UP
JIS Z 4005:2012,10138
ファントム
PHANTOM
JIS Z 4005:2012,10804
フィルタ
FILTER
JIS Z 4005:2012,10399
付加フィルタ
ADDED FILTER
JIS Z 4005:2012,10028
副線量モニタシステム
SECONDARY DOSE MONITORING
SYSTEM
JIS Z 4005:2012,11040
附属品
ACCESSORY
JIS T 0601-1:2012,3.3
附属文書
ACCOMPANYING DOCUMENT
JIS T 0601-1:2012,3.4
フラットニングフィルタ,平
たん化用フィルタ
FIELD FLATTENING FILTER
JIS Z 4005:2012,10392
プログラマブル電子サブシス
テム
PROGRAMMABLE ELECTRONIC
SUBSYSTEM (PESS)
JIS T 0601-1:2012,3.91
イミュニティ
IMMUNITY
JIS Z 4005:2012,10486
防護遮蔽体
PROTECTIVE SHIELDING
JIS Z 4005:2012,10864
放射線
RADIATION
JIS Z 4005:2012,10893
[放射]線源
RADIATION SOURCE
JIS Z 4005:2012,10914
放射線検出器
RADIATION DETECTOR
JIS Z 4005:2012,10898
放射線照射野
RADIATION FIELD
JIS Z 4005:2012,10903
放射線治療
RADIOTHERAPY
JIS Z 4005:2012,10946
[放射線]治療室
TREATMENT ROOM
JIS Z 4005:2012,11210
放射線の種類
RADIATION TYPE
201.3.218
放射線ビーム
RADIATION BEAM
JIS Z 4005:2012,10895
放射線ビーム軸
RADIATION BEAM AXIS
JIS Z 4005:2012,10896
放射線ヘッド
RADIATION HEAD
JIS Z 4005:2012,10904
放射能
RADIOACTIVITY
JIS Z 4005:2012,10924
迷放射線
STRAY RADIATION
JIS Z 4005:2012,11124
漏れ電流
LEAKAGE CURRENT
JIS T 0601-1:2012,3.47
漏れ放射線,漏えい放射線
LEAKAGE RADIATION
JIS Z 4005:2012,10578
有資格者
QUALIFIED PERSON
201.3.217
誘導放射能
INDUCED RADIOACTIVITY
JIS Z 4005:2012,10495
リスク分析
RISK ANALYSIS
JIS T 0601-1:2012,3.103