Z 4331:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人 日本保
安用品協会(JSAA)/財団法人 日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 4331:1995は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS Z 4331には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)ファントムによる個人線量計の指示値の差に対する補正方法
Z 4331:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 性能 ······························································································································ 2
5. 種類及び形状 ·················································································································· 2
6. 材料 ······························································································································ 2
7. 外観 ······························································································································ 2
8. 試験 ······························································································································ 3
8.1 試験項目 ······················································································································ 3
9. 使用方法 ························································································································ 3
9.1 線種及び目的による用途分類···························································································· 3
9.2 個人線量計の設置場所及び設置範囲 ··················································································· 3
10. 表示 ···························································································································· 3
附属書1(規定)ファントムによる個人線量計の指示値の差に対する補正方法 ································· 4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 4331:2005
個人線量計校正用ファントム
Calibration phantom for personal dosemeters
1. 適用範囲 この規格は,1 cm線量当量及び70 μm線量当量を測定するX・γ線,β線及び中性子用
個人線量計(ただし,手足用を除く。)の校正に使用するファントム(以下,ファントムという。)につい
て規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらのい引用規格のうちで発行年を付記しているものは,記載の年だけがこの規格の規程を構成す
るものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新
版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6718-1 プラスチック−メタクリル樹脂板−タイプ,寸法及び特性−第1部:キャスト板
備考 ISO 7823-1:1998 Plastics - Poly(methyl methacrylate)sheets - Types,dimensions and characteristics -
Part1: Castからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS K 6718-2 プラスチック−メタクリル樹脂板−タイプ,寸法及び特性−第2部:押出板
備考 ISO 7823-2:1996 Plastics - Poly(methyl methacrylate)sheets - Types,dimensions and characteristics -
Part2: Melt sheetsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 4001 原子力用語
備考 ISO 921:1997 Nuclear energy - Vocabulary及びIEC60050-393:1996 International Electrotechnical
Vocabulary - chapter393並びにIEC60050-394:1995 International Electrotechnical Vocabulary -
chapter394からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 4511 照射線量測定器,空気カーマ測定器,空気吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方
法
JIS Z 8103 計測用語
ISO 4037-3:1999,X and gamma reference radiation for calibrating dosemeters and doserate meters and for
determining their response as a function of photon energy - Part3: Calibration of area and personal
dosemeters and the measurement of their response as a function of energy and angle of incidence
ISO 8529-3:1998,Reference neutron radiations - Part3: Calibration of area and personal dosimeters and
determination of response as a function of energy and angle of incidence
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4001及びJIS Z 8103によるほか,次による。
a) 個人線量計(personal dosemeter) フィルムバッジ,電子式個人線量計,蛍光ガラス線量計,熱ルミ
ネセンス線量計,光刺激ルミネセンス線量計,固体飛跡線量計など,個人が体外から受ける線量当量
を測定するため特に携帯用に作られた小形の線量計。
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Z 4331:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) ファントム (phantom) 人体における放射線の散乱及び吸収を模擬するための物体。
c) レスポンス (response) 線量計指示値の基準線量に対する比。
4. 性能 性能は,次による。
a) 外観 8.1.b)によって試験したとき,表面の平らさ,異物,きず,泡及びひび割れが目立たないこと。
b) 漏水 8.1.c)によって試験したとき,漏水及び著しい変形が認められないこと。
5. 種類及び形状・寸法 ファントムの種類及び形状・寸法は,表1による。
表 1 ファントムの種類及び形状・寸法
種類
名称
形状・寸法
PW
水槽形
個人線量計装着面が30±1 cmの正方形,厚さ15 cmで個人線量計装着面が壁
厚2.5 mm,それ以外の面が壁厚10 mmのメタクリル樹脂板
P-30
平板形
個人線量計装着面が30±1 cmの正方形,厚さ15 cmのメタクリル樹脂板
P-40
平板形
個人線量計装着面が40±1 cmの正方形,厚さ15 cmのメタクリル樹脂板
備考1. PWは,水の出入口を設ける。(図1参照)
2. P-30,P-40及び9.1の備考2.に示すメタクリル樹脂製のファントムは,板状のものを重ね合わせて必要な厚
さにしてもよい。
図 1 PWファントムの構造(単位はmm)
6. 材料 ファントムに使用する材料は,JIS K6718-1又はJIS K6718-2に規定するメタクリル樹脂板と
する。また,メタクリル樹脂の密度は1.19 g/cm3とする。
7. 外観 表面が平らいで,異物,きず,泡及びひび割れについては目立たない状態でなければならない。
また,PWについては,水を満たしたとき,水漏れがあってはならず,また,著しい変形があってはなら
ない。
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Z 4331:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8. 試験
8.1
試験項目 試験項目は,次による。
a) 寸法試験 種類及び形状により,寸法を調べ,表1に適合するか調べる。
b) 外観試験 7.により,表面の平らさ,異物,きず,泡及びひび割れの有無を目視で調べる。
c) 漏水試験 7.により,PWについては,水を満たしたとき,水漏れ及び著しい変形の有無を調べる。
9. 使用方法
9.1
線種及び目的による用途分類 X・γ線及び中性子用個人線量計のレスポンスを求める場合には,
PWを使用する。この場合ISO 4037-3の6.3.1及びISO 8529-3の6.2.2を参照する。ただし,137Cs,60Co
などの高エネルギーγ線についてはP-30及びP-40でもよい。また,137Csよりもエネルギーの低いX・γ
線又は中性子にP-30及びP-40を使用する場合は,附属書1に示す方法を用いて,ファントムの種類及び
形状の違いによる指示値の差に対する補正をしなければならない。
β線については,表1に示したファントムのいずれかを使用する。
備考1. 個人線量計が有しているレスポンスが維持されていることの確認などを目的とする場合は,
P-30またはP-40を使用することができる。
2. β線については,個人線量計装着面が10 cm以上の正方形,厚さ2 cm以上のメタクリル樹脂
製のファントムを使ってもよい。
9.2
個人線量計の設置場所及び設置範囲 個人線量計は,ファントムの前面に設置する。個人線量計の
設置範囲は,PW及びP-30では中央の10 cm×10 cm,P-40では20 cm×20 cmの範囲内とする。
10. 表示 ファントムには,次の事項を表示しなければならない。
a) 種類及び名称
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月又はその略号
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附属書1(規定) ファントムによる個人線量計の
指示値の差に対する補正方法
1. 適用範囲 この附属書は,ファントムの種類及び形状の違いに伴う個人線量計の指示値の差に対する
補正方法について規定する。
2. 方法
a) 照射装置とファントムに設置した個人線量計との具体的な幾何学的配置については,JIS Z 4511による。
b) 照射装置又は実用照射装置を用い,個人線量計をPW,P-30又はP-40に設置した状態で照射し,個人
線量計の指示値としてそれぞれHPW,HPを求める。両者の比から,P-30又はP-40に設置した個人線量計
の指示値からPWに設置した個人線量計の指示値に変換する係数gを求める。
g=HPW/HP
c) P-30又はP-40における個人線量計の指示値に係数gを乗じ,PWに設置して照射した場合に示すと見込
まれる指示値を得る。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。