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Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲及び目的 ············································································································· 1 

1.1 適用範囲 ······················································································································ 1 

1.2 目的 ···························································································································· 2 

2 用語······························································································································· 3 

2.1 要求度 ························································································································· 3 

2.2 用語及び定義 ················································································································ 3 

3 引用規格························································································································· 3 

4 最大対称照射野 ················································································································ 3 

4.1 最大対称照射野の方向 ···································································································· 3 

4.2 空気カーマ率の分布 ······································································································· 4 

4.3 最大空気カーマ率 ·········································································································· 4 

5 空気カーマ率分布の測定 ···································································································· 5 

5.0A 一般 ·························································································································· 5 

5.1 測定配置 ······················································································································ 5 

5.2 測定条件 ······················································································································ 5 

6 適合······························································································································· 6 

6.1 適合の評価 ··················································································································· 6 

6.2 適合の表明 ··················································································································· 6 

附属書A(規定)定義された用語の索引 ··················································································· 7 

附属書B(規定)撮影像の濃度測定による空気カーマ率の決定 ······················································ 9 

Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確

認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

Z 4122:2009 

(IEC 60806:1984) 

診断用回転陽極X線管装置の最大対称照射野の決定 

Determination of the maximum symmetrical radiation field 

from a rotating anode X-ray tube for medical diagnosis 

序文 

この規格は,1984年に第1版として発行されたIEC 60806を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

この規格は,診断用回転陽極X線管装置の最大対称照射野の決定について規定したものである。この決

定に当たり,X線管装置から発生するX線は,次のような特性をもつことを理解する必要がある。 

発生したX線は,X線管の陽極方向に近付くに従い,よりターゲット内部へ吸収されるため,空気カー

マ率は,照射野辺縁部においては陽極方向に近付くほど減少する。 

さらに,照射野での空気カーマ率は,焦点からの距離の逆二乗の法則に従って,基準軸から照射野の辺

縁部までの距離とともに減少する。 

ターゲット材による吸収は,空気カーマ率のみならず線質にも影響を及ぼし,空気カーマ率の測定結果

は放射線ビーム内の付加ろ過の量によって影響を受ける。このため,この規格で必要とする測定配置では,

放射線ビーム内に一定したかなりの量の付加ろ過が含まれる。 

さらに,空気カーマ率の分布に影響を及ぼすものを,次に示す。 

− 放射線ビーム内にある物体からの後方散乱線 

− 放射線ビーム内にある任意の物体の位置 

したがって,測定配置では,必要な位置に置かれている付加フィルタ以外のものは,放射線ビーム内に

置かないようにする。 

適用範囲及び目的 

1.1 

適用範囲 

この規格は,受像面内で同時にX線パターンを得る手技に関する放射線診断学に用いる,回転陽極X線

管を搭載した,X線源装置及びX線管装置の最大対称照射野の決定について規定する。 

この規格は,特に指定がない限り,未使用の回転陽極X線管を搭載した,X線源装置及びX線管装置に

適用する。 

空気カーマ率の急激な変化,並びに特殊な分布を目的とする特別な用途のX線源装置及びX線管装置に

は適用しない。 

注記1 固定陽極管を搭載したX線源装置についてもこの規格を適用する。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

background image

Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

IEC 60806:1984,Determination of the maximum symmetrical radiation field from a rotating anode 

X-ray tube for medical diagnosis (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示

す。 

1.2 

目的 

この規格は,主軸に沿った相対空気カーマ率が許容値を下回らないように,焦点から指定の距離での,

幾何学的な対称照射野の最大値を決定する方法について規定している。 

注記1 対称照射野とは,基準軸から陽極側で決定される照射野と,基準軸に対しそれと対称な陰極

側の照射野とを合わせたものとする。 

注記2 相対空気カーマ率とは,基準軸上の空気カーマに対する空気カーマの割合とする。 

図1−最大対称照射野の主軸Xに沿った相対空気カーマ率の一般的な分布 

Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語 

2.1 

要求度 

この規格では,次のように特定の語について要求事項の記載を明確にしている。 

− …(し)なければならない。 …する。 …とする。 …による(“shall”)。 

適合が必す(須)である要求事項を示す文章の末尾。 

− …することが望ましい。 …するのがよい(“should”)。 

適合が必すでない強い勧告を示す文章の末尾。 

− …(し)てもよい。 …差し支えない(“may”)。 

要求事項に適合する方法又はその代わりの方法を記載する文章の末尾。 

− 規定の,規定した(“specific”) 

この規格だけに記載した情報,又は他の規格における,特定の作動条件,試験配置若しくは適合値

の参照を示す値。 

− 指定の,指定した(“specified”) 

通常,期待する目的,パラメータ又はその使用若しくは適合試験条件に関して,機器の附属文書又

は他の文書に製造業者によって明記された限定的な情報を示す語。 

2.2 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0601-1及びJIS Z 4005による。 

注記 この規格で定義した用語は太字とする。太字で表記していない場合は,定義は適用せず,意味

は文脈に沿って解釈する。 

この規格で使用している定義された用語の索引を,附属書Aに示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 0601-1:1999 医用電気機器−第1部:安全に関する一般的要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60601-1:1988,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for 

safety,Amendment 1:1991,Amendment 2:1995 (MOD) 

JIS Z 4005 医用放射線用語 

注記 対応国際規格:IEC 60788:1984,Medical radiology−Terminology (MOD) 

最大対称照射野 

4.1 

最大対称照射野の方向 

最大対称照射野を決定するには,測定面の2本の主軸に沿って空気カーマ率の分布を測定する(図2参

照)。 

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Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

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図2−最大対称照射野の説明 

主軸Xは,X線管装置の長軸を焦点まで平行移動し基準方向に投影したものである。 

主軸Yは,主軸Xに直交する。 

2本の主軸は,基準軸上で交差する。 

最大対称照射野の説明を,図2に示す。 

陽極角による照射野の限界線(ヒール効果)が,X線管装置の管軸と垂直にならない場合には,主軸X

を垂直になるように調整しなければならない。 

4.2 

空気カーマ率の分布 

最大対称照射野は,辺縁部を主軸に対して平行に保ち,指定の基準軸に対して対称で,焦点から指定の

距離にある最大照射野の大きさとして決定しなければならない。この場合,照射野の主軸に沿った相対空

気カーマ率の分布は,基準軸上での空気カーマ率が70 %以上低下してはならない。 

4.3 

最大空気カーマ率 

主軸上のいかなる点も,空気カーマ率は,基準軸上での値の110 %を超えないようにしなければならな

い。 

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図3−測定配置 

空気カーマ率分布の測定 

5.0A 

一般 

撮影像の濃度測定による空気カーマ率分布の測定は,直接X線像を作成してその濃度を測定するか(附

属書B参照),又は同等以上の分解能をもつ他の線量測定方法で行う。 

5.1 

測定配置 

焦点から照射野までの指定の最小距離aminの75 %の位置に,表1によって放射線ビーム全体を十分に

遮へい(蔽)できる大きさの付加フィルタを配置しなければならない。 

焦点から照射野までの指定された距離aの位置に,基準軸に対して誤差±2°(0.04 rad)の範囲内で垂直

に,測定面を配置しなければならない。 

特殊な放射線撮影法において,受像面が基準軸に対して垂直でない場合,測定面をこの撮影法で指定さ

れている方向に対して誤差±2°(0.04 rad)の範囲内に調整しなければならない。 

一般的に,測定配置は散乱及び後方散乱が最小になるように行わなければならない。 

測定配置は,図3による。 

5.2 

測定条件 

X線管の陽極を回転させなければならない。 

X線管電圧は,表1による。 

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Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

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表1−線質 

公称最高管電圧Umax 

kV 

付加フィルタ 

アルミニウムの厚さ 

mm 

要求する 

X線管電圧U 

kV 

30≦Umax≦50 
50<Umax≦75 
75<Umax≦125 

125<Umax 

10 
20 
20 

30 
50 
75 

75及び125 

線量測定及び濃度測定条件は,検出器システムの改良によって測定範囲が変化しないように設定しなけ

ればならない。 

適合 

6.1 

適合の評価 

箇条5によって決定する,指定の最大対称照射野の主軸上での空気カーマ率の相対値は,箇条4で規定

する値の範囲内でなければならない。 

6.2 

適合の表明 

この規格との適合を表明する場合は,焦点から最小使用可能距離以上での最大対称照射野を表示しなく

てはならない。また,それがX線源装置に対するものか,X線管装置に対するものかを指定しなければな

らない。 

この規格に最大対称照射野が適合していることを表明する場合は,次による。 

 “最大対称照射野 …mm / …mm (焦点からの距離 …mm)  JIS Z 4122による。” 

照射野と焦点からの距離との関係は,表又はグラフで表してもよい。 

最大対称照射野及び焦点からの距離については,最大対称照射野を表明する最初の値はX線源装置又は

X線管装置の長軸方向に平行な向きでなければならない(図2参照)。 

Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

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附属書A 

(規定) 

定義された用語の索引 

序文 

この附属書は,定義された用語の索引について規定する。 

A.1 用語の索引元及びその記号 

JIS T 0601-1:箇条2 

IEC 60601-1: General Standard, clause 2 

NG.-2. 

JIS Z 4005 

IEC 60788 

rm-..-.. 

国際単位系SIにおける単位名 

Name of unit in the International System SI 

rm-..-..* 

定義のない派生語 

Derived term without definition 

 rm-..-..+ 

定義のない用語 

Term without definition 

rm-..-..- 

以前の単位名 

Name of earlier unit 

rm-..-..・ 

短縮語 

Shortened term 

rm-..-..s 

注記 記号の後の数字は,該当する用語の番号又は規格の細分箇条番号を表す。 

A.2 用語の索引 

X線 

X-RADIATION 

rm-11-01+ 

X線管 

X-RAY TUBE 

rm-22-03 

[X線]管装置 

X-RAY TUBE ASSEMBLY 

rm-22-01 

[X線]管電圧 

X-RAY TUBE VOLTAGE 

rm-36-02 

X線管容器 

X-RAY TUBE HOUSING 

rm-22-02 

X線源装置 

X-RAY SOURCE ASSEMBLY 

rm-20-05+ 

X線像 

RADIOGRAM 

rm-32-02 

X線パターン 

X-RAY PATTERN 

rm-32-01+ 

X線ビーム 

X-RAY BEAM 

rm-37-05+ 

カーマ率 

KERMA RATE 

rm-13-13 

回転陽極X線管装置 

ROTATING ANODE X-RAY TUBE 

rm-22-03+ 

管装置 

[X線]管装置を参照 

管電圧 

[X線]管電圧を参照 

基準軸 

REFERENCE AXIS 

rm-37-03 

基準方向 

REFERENCE DIRECTION 

rm-37-02 

規定の 

Specific 

rm-74-01 

吸収 

ABSORPTION 

rm-12-05 

空気カーマ率 

AIR KERMA RATE 

rm-13-13+ 

公称最高管電圧 

NOMINAL X-RAY TUBE VOLTAGE 

rm-36-03 

後方散乱 

BACK-SCATTERING 

rm-12-04 

後方散乱線 

SCATTERED RADIATION 

rm-11-13+ 

Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

撮影用カセッテ 

RADIOGRAPHIC CASSETTE 

rm-35-14 

散乱 

SCATTERING 

rm-12-03 

指定の 

Specified 

rm-74-02 

絞り 

DIAPHRAGM 

rm-37-29 

受像面 

IMAGE RECEPTION AREA 

rm-37-16 

焦点 

FOCAL SPOT 

rm-20-13s 

焦点軌道 

FOCAL TRACK 

rm-22-08 

増感紙 

INTENSIFYING SCREEN 

rm-32-38 

ターゲット 

TARGET 

rm-20-08 

ターゲット角 

TARGET ANGLE 

rm-20-11 

直接X線像 

DIRECT RADIOGRAM 

rm-32-03 

[直接]撮影用フィルム 

RADIOGRAPHIC FILM 

rm-32-32 

ノンスクリーンフィルム 

NON-SCREEN FILM 

rm-32-35 

負荷 

LOADING 

rm-36-09 

付加フィルタ 

ADDED FILTER 

rm-35-02 

付加ろ過 

ADDITIONAL FILTRATION 

rm-13-47 

放射線照射野 

RADIATION FIELD 

rm-37-07 

放射線診断学 

MEDICAL DIAGNOSTIC RADIOLOGY 

rm-40-04 

[放射線の]線質 

RADIATION QUALITY 

rm-13-28 

放射線ビーム 

RADIATION BEAM 

rm-37-05 

陽極 

ANODE 

rm-22-06 

Z 4122:2009 (IEC 60806:1984) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

撮影像の濃度測定による空気カーマ率の決定 

序文 

この附属書は,撮影像の濃度測定による空気カーマ率を決定するための要件について規定する。 

B.1 

撮影用フィルム 

撮影用フィルムは,露光階調度が0.5〜1.6よりも広い,ノンスクリーンフィルムである。 

撮影用フィルムの大きさは,全方向について照射野の105 %以上である。 

B.2 

照射条件 

照射条件は,現像したときに撮影用フィルムの最大黒化領域において1.0〜1.4の濃度が得られるもので

ある。 

B.3 

黒化の測定 

直接X線像は,濃度計で測定する。濃度計のスリットの幅及び長さ,又は直径は2 mm以下である。 

X線像の光学濃度は,ISO 5シリーズによって決定する。 

B.4 

空気カーマ率の決定 

ベース込みかぶり濃度を超える値は,使用するフィルム材料の特性曲線によって空気カーマ率の値に変

換する。特性曲線は,直接X線像を作成したときと同一条件で照射し,同一条件で処理した同一のフィル

ムを用いて作成する。 

参考文献 

ISO 5-1:1984,Photography−Density measurements−Part 1: Terms, symbols and notations 

ISO 5-2:2001,Photography−Density measurements−Part 2: Geometric conditions for transmission density 

ISO 5-3:1995,Photography−Density measurements−Part 3: Spectral conditions 

ISO 5-4:1995,Photography−Density measurements−Part 4: Geometric conditions for reflection density