Z 4102:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本画像
医療システム工業会 (JIRA)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正し
た日本工業規格である。
これによって,JIS Z 4102 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,IEC 60336 : 1993,X-ray tube assemblies for
medical diagnosis−Characteristics of focal spots,IEC 60601-2-28 : 1993,Medical electrical equipment−Part 2 :
Particular requirements for the safety of X-ray source assemblies and X-ray tube assemblies for medical diagnosis及
びIEC 60613 : 1989,Electrical thermal and loading characteristics of rotating anode X-ray tubes for medical
diagnosisを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本
工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願
公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS Z 4102には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
Z 4102:2005
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 種類及び形名 ·················································································································· 5
4.1 種類 ···························································································································· 5
4.2 形名 ···························································································································· 6
5. 定格 ······························································································································ 7
5.1 診断用X線管 ················································································································ 7
5.2 医用X線CT用X線管 ··································································································· 8
5.3 治療用X線管 ················································································································ 8
6. 性能 ······························································································································ 9
6.1 特性に関する事項 ·········································································································· 9
6.2 環境条件 ····················································································································· 11
7. 試験 ····························································································································· 11
7.1 一般条件 ····················································································································· 11
7.2 計器 ··························································································································· 11
7.3 X線高電圧装置 ············································································································ 11
7.4 試験方法 ····················································································································· 11
8. 表示 ····························································································································· 28
8.1 製品の表示 ·················································································································· 28
8.2 附属文書及び取扱説明書 ································································································ 29
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ···································································· 30
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日本工業規格 JIS
Z 4102:2005
医用X線管
X-ray tube for medical use
序文 この規格は,1993年に第3版として発行されたIEC 60336,X-ray tube assemblies for medical diagnosis
−Characteristics of focal spots,1993年に第1版として発行されたIEC 60601-2-28,Medical electrical equipment
−Part 2 : Particular requirements for the safety of X-ray source assemblies and X-ray tube assemblies for medical
diagnosis及び1989年に第2版として発行されたIEC 60613,Electrical thermal and loading characteristics of
rotating anode X-ray tubes for medical diagnosisを元に作成した日本工業規格であるが,技術的内容を変更し
て作成している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格の内容を変更して規定した事項
である。変更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,診断用X線管,医用X線CT用X線管及び治療用X線管について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60336 : 1993,X-ray tube assemblies for medical diagnosis−Characteristics of focal spots (MOD)
IEC 60601-2-28 : 1993,Medical electrical equipment−Part 2 : Particular requirements for the safety of
X-ray source assemblies and X-ray tube assemblies for medical diagnosis (MOD)
IEC 60613 : 1989,Electrical thermal and loading characteristics of rotating anode X-ray tubes for
medical diagnosis (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7516 金属製直尺
JIS C 1102-2 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
JIS T 0601-1 医用電気機器 第1部:安全に関する一般的要求事項
備考 IEC 60601-1 : 1988 Medical electrical equipment−Part 1 : General requirements for safety並びに
Amendment 1 : 1991及びAmendment 2 : 1995が,この規格と一致している。
JIS Z 4005 医用放射線用語
備考 IEC 60788 : 1984 Medical radiology−Terminologyが,この規格と一致している。
JIS Z 4511 照射線量測定器及び線量当量測定器の校正方法
JIS Z 4701 医用X線装置通則
JIS Z 4702 医用X線高電圧装置通則
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備考 IEC 60601-2-7 : 1998 Medical electrical equipment−Part 2-7 : Particular requirements for the
safety of high-voltage generators of diagnostic X-ray generatorsからの引用事項は,この規格の該
当事項と同等である。
JIS Z 4711 診断用一体形X線発生装置
JIS Z 4752-2-1 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第2-1部:不変性試験:フ
ィルム現像機
JIS Z 4916 X線用解像力テストチャート
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4005,及びJIS Z 4701によるほか,次による。[ ]
内の用語は,従来の日本工業規格で用いた用語である。
a) 医用X線管 (medical X-ray tube) 陰極から電界で加速した電子ビームをターゲットに当て,その衝
撃でX線を発生させる真空管のうち,医用に供するもの(以下,X線管という。)。ターゲットは,通
常陽極に含まれる。
b) 格子制御形X線管 (grid-controlled X-ray tube) 管電流を制御する格子電極をもつX線管。
c) 立体撮影形X線管 (stereo X-ray tube) 間隔を隔てた二つ以上の焦点をもち,二つの焦点を切り換え
て同一被写体を撮影した像を用いて立体像を得る撮影法に使用するX線管。
d) 実効焦点 (effective focal spot) 基準面への実焦点の垂直投影(以下,焦点という。)。
実効焦点の呼びは,通常,X線管軸に垂直方向(幅)の寸法と,X線管軸と平行方向(長さ)の寸
法をミリメートル (mm) 単位で表した無名数とする。
e) ブルーミング値 (blooming value) X線管の実効焦点の特性を表すものとして,規定の負荷条件によ
って得られた二つの解像限界の比の値。
f) MTF (modulation transfer function) 線広がり関数のフーリエ変換。対称的な線広がり関数においては,
変調伝達関数 (MTF) は,次の式を用いて正規化したフーリエ変換である。
∫
∫
∞
∞
−
∞
∞
−
=
dx
x
L
dx
x
x
L
M
)
(
)
ν
2(
cos
)
(
)
(
π
ν
ここに,
ν: 空間周波数
L: 線広がり関数
x: 横座標
M: 量記号
g) ターゲット (target) X線を発生させるため,X線管の電子ビームによって衝撃を与える部分。
h) ターゲット角度 (target angle) 実焦点面と基準軸とがなす角度。
i)
集束電極 (focusing electrode) 陰極の一部分で電子集束を行わせる電極。
j)
X線管電圧 (X-ray tube voltage) X線管の陽極と陰極との間に加えられる電位差(以下,管電圧とい
う。)。通常,管電圧は,ピーク値をキロボルト (kV) で表す。
k) 公称最高管電圧[最高使用管電圧](nominal X-ray tube voltage) 指定(1)された使用条件及び電圧波形
で使用する場合の管電圧の最大許容値。特に指定(1)がない限り,使用中のいかなる瞬間もこの値を超
えてはならない。
注(1) 指定とは,製造業者が附属文書で指定していることを意味する。
l) 充電管電圧 (X-ray tube voltage for charging) 高電圧回路を使用する格子制御形X線管装置において,
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高圧コンデンサの充電時にX線管の陽極と陰極との間に加えられる電位差。
m) 公称最高充電管電圧[最高使用充電管電圧](nominal maximum charge tube voltage) 充電管電圧の最
大許容値。
n) 逆電圧 (reverse voltage) 陰極に対し陽極に負の電位が加えられたときの管電圧。逆電圧は,陽極に
正の電位が加えられたときの管電圧と区別するときに用い,ピーク値をキロボルト (kV) で表す。
o) 公称最高逆電圧[最高使用逆電圧](nominal maximum reverse voltage) 逆電圧の最大許容値。
p) X線管電流(X-ray tube current) X線管のターゲットに入射する電子ビームの電流(以下,管電流と
いう。)。管電流は,平均値をミリアンペア (mA) で表す。ただし,コンデンサ式X線発生装置を用い
て行う撮影の場合には,ピーク値をミリアンペアピーク (mAp) で表す。
備考 管電流は,一般に陽極側で測定するが,金属外囲器のX線管を用いた場合には,陰極側回路に
流れる電流を管電流とする。
q) 管電流特性 (X-ray tube current characteristics) 指定(1)したX線管負荷条件における,管電流とフィ
ラメント電流との関係。
r) フィラメント特性 (filament characteristics) フィラメントに加える電圧とフィラメント電流との関
係。
備考 指定(1)の使用条件におけるフィラメント電流の最大許容値を最大フィラメント電流という。通
常,長時間使用と短時間使用とでは異なる。
s)
フィラメント電流 (filament current) X線管においては,陰極からの熱電子放出を制御するため,フ
ィラメントに供給する電流。
t)
負荷 (loading) X線管の陽極に電気エネルギーが供給されること。
u) X線管負荷 (X-ray tube load) X線管負荷条件値の組合せによって表した,X線管に供給される電気
エネルギー。
v) X線管負荷条件 (X-ray tube loading factor) X線管負荷値に影響を及ぼす条件。例えば,X線管電流,
負荷時間,等価陽極入力,X線管電圧及びリプル百分率。
w) 負荷時間 (loading time) 陽極入力をX線管に供給している期間を,規定の方法(2)によって測定した
時間。
注(2) JIS Z 4702[3. 定義 x) 撮影時間]参照。
x) 陽極入力[X線管入力](anode input power) X線を発生するために,X線管の陽極に加えられる電
力。この電力は,次の式によって与えられる。
3
10−
×
×
×
=
f
I
U
P
ここに, P: 陽極入力 (kW)
U: 管電圧 (kV)
I: 管電流 (mA)
f: 管電圧のリプル百分率によって定まる定数。すなわち,
f=1.0 :リプル百分率が10 %以下の場合。
f=0.95:リプル百分率が10 %を超え25 %以下の場合。
f=0.74:リプル百分率が25 %を超える場合。
備考 管電圧リプル百分率は,次の式によって求める。
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100
max
min
max
×
−
=
U
U
U
ΔU
ここに,
ΔU: リプル百分率 (%)
Umax: 管電圧波形のピーク値
Umin: 管電圧波形の最低値(ただし,定電圧回路のスパイ
ク波形を除く。)
y) 公称陽極入力[最大入力](nominal anode input) 規定の負荷時間で指定(1)の使用条件における陽極入
力の最大許容値。使用条件とは,焦点の呼び,管電圧,管電圧波形,回転陽極X線管では陽極回転速
度などをいう。
z) ヒートユニット (heat unit) X線管の入力を表す特別の単位。ヒートユニット (heat unit) の単位記号
はHUとし,ヒートユニット値は,高電圧発生装置に従って,次の式によって求める。
なお,ここで用いる記号の意味は,次のとおりとする。
U: 管電圧 (kV)
I: 管電流 (mA)
t: 負荷時間 (s)
C: コンデンサ容量 (μF)
1) 1ピーク形又は2ピーク形回路の場合
HU値=U×I×t
1 s当たりのHU値=U×I
2) 12ピーク形回路又はこれと同等のリプル百分率をもつ回路の場合
HU値=U×I×t×1.35
1 s当たりのHU値=U×I×1.35
3) 定電圧又はインバータ回路の場合
HU値=U×I×t×1.41
1 s当たりのHU値=U×I×1.41
4) コンデンサ式の場合
HU値=0.71×C×(U12-U22)
ただし,U1は放電開始時,U2は放電終了時の管電圧を表す。
備考 HU値と他の単位との換算は,1 HUが0.71 Jに相当するとして行う。
aa) 等価陽極入力 (equivalent anode input power) 指定(1)した周囲条件下で連続的に負荷したとき,陽極
熱量をある規定の水準に持続する陽極入力の値。撮影定格に関しては,撮影定格における初期陽極熱
量を最も高い水準に持続する電力。
ab) X線管最大連続入力[長時間最大入力](long-time maximum input) 指定(1)された条件において,最
大陽極熱容量を超えない範囲で連続して加えることのできる陽極入力の最大値。
ac) 最大単発負荷定格[短時間最大入力](maximum single loading ratio) 指定(1)された条件において,陽
極入力と負荷時間の関係で決まる,1回の負荷に許されるX線管負荷の最大値。特別な指定(1)がない
限り,冷状態での値をいう。
備考 この規格では,冷状態を,陽極冷却曲線図において,陽極熱量がゼロのときの状態とする。
ad) 繰返し負荷定格 (X-ray tube repeatable maximum input) 指定(1)したX線管負荷条件に従う,連続し
た個々のX線管負荷の総和に対して陽極入力と負荷時間の関係によって与えられるX線管負荷の最大
許容値。
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ae) 陽極熱量 (anode heat content) 負荷中に蓄積するか又は負荷後に残留するX線管の陽極に含まれる
熱の瞬時値。
af) 最大陽極熱容量[陽極蓄積熱容量](maximum anode heat capacity) 許容される陽極熱量の最大値。
ag) 陽極加熱曲線 (anode heat up curve) 指定(1)した陽極入力に対して,陽極熱量を負荷時間の関数とし
て表した曲線。
ah) 陽極冷却曲線 (anode cooling curve) 陽極熱量が最大陽極熱容量と等しくなるまで負荷した後,陽極
入力がゼロの状態で,陽極熱量を時間の関数として表した曲線。
備考 この時間経過の中で,陽極熱量の減少する割合を陽極冷却率といい,その最大値を陽極最大冷
却率という。
ai) 定格陽極回転速度 (anode speed) X線管にその陽極入力を加えるときに必要とする陽極回転速度。
aj) 起動時間 (starting time) 指定(1)された条件において,陽極が静止状態から定格陽極回転速度に到達
するまでに要する時間。
ak) 制動時間 (braking time) 指定(1)された条件において,陽極が定格陽極回転速度から指定(1)された回
転速度に制動されるために要する時間。
al) X線放射角度 (X-ray radiation angle) 最大利用ビームの頂角。
am) 基準軸 (reference axis) X線管においては,焦点の中心を通る基準となる指定(1)された軸。
an) 基準面 (reference plane) X線管装置の実効焦点に関しては,基準軸が実焦点と交差する点を含み,
基準軸に垂直な面。
ao) 固有ろ過 (permanent filtration) 取外しできない物質による線質等価ろ過。固有ろ過は,指定(1)の管
電圧及び管電圧波形の基で,第1半価層に換算して同じ線質を与える参照物質の厚さで表す。
ap) ベース込みかぶり濃度 (film base plus fog density) X線装置の不変性試験のために,現像した管理フ
ィルムにおける光学的なX線写真濃度で感光計の光で露光されていない部分である(この定義は,JIS
Z 4752-2-1による。)。
aq) 正味濃度 (net optical density) ベース込みカブリ濃度を差し引いた正味の濃度。
4. 種類及び形名
4.1
種類
4.1.1
診断用X線管 診断用X線管の種類及び形名は,次による。
a) 固定陽極X線管 次の項目のそれぞれの組合せからなる。
1) 制御別 2極形,格子制御形
2) 焦点の数 単焦点形,多重焦点形
3) 焦点の呼び 2.5,2.0,1.5,1.0,0.8,0.6を標準とする。
b) 回転陽極X線管 次の項目のそれぞれの組合せからなる。
1) 制御別 2極形,格子制御形
2) 焦点の数 単焦点形,多重焦点形
3) 焦点の呼び 2.0,1.5,1.2,1.0,0.8,0.6,0.3,0.2,0.1を標準とする。
4) 陽極回転速度 普通回転形,高速回転形
備考1. 診断用X線管には,特殊用途のX線管が含まれる。したがって,特に必要な場合は,用途を
限定した種類として,それらを個々に引用してもよい。
例 乳房撮影用X線管,立体撮影用X線管など。
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備考2. 陽極回転速度のうち,ここに示す普通回転とは,電源(商用)の周波数50 Hz又は60 Hzの
ステータ電源によって駆動される回転速度をいい,定常状態50 Hzでは2 700 min-1{rpm} 以
上,60 Hzでは3 200 min-1{rpm} 以上とする。高速回転とは,電源の駆動周波数が商用周波
数の60 Hzを超えるものとする。
4.1.2
医用X線CT用X線管 医用X線CT用X線管の種類及び形名は,次による。
a) 固定陽極医用X線CT用X線管 次の項目のそれぞれの組合せからなる。
1) 制御別 2極形,格子制御形
2) 焦点の数 単焦点形,多重焦点形
3) 焦点の呼び 2.0,1.5,1.2,1.0,0.8,0.6を標準とする。
b) 回転陽極医用X線CT用X線管 次の項目のそれぞれの組合せからなる。
1) 制御別 2極形,格子制御形
2) 焦点の数 単焦点形,多重焦点形
3) 焦点の呼び 2.0,1.5,1.2,1.0,0.8,0.6を標準とする。
4) 陽極回転速度 普通回転形,高速回転形
備考 普通回転形及び高速回転形は,4.1.1 b) 4) 備考2. による。
4.1.3
治療用X線管 治療用X線管の種類及び形名は,次による。
a) 深部治療用X線管 最高使用管電圧によって分類する。
例 200 kV用,250 kV用
b) 表在治療用X線管 最高使用管電圧及び放射口ろ過材によって分類する。
1) 最高使用管電圧
例 10 kV用,25 kV用,50 kV用
2) 放射口ろ過材
例 ベリリウム
4.2
形名 形名は,種類によって構成し,次に示す文字と数字との組合せで表す。
1項
2項
3項―4項
5項
“文字” “文字” “数字―数字” “文字”
各項の文字と数字とは,次のとおりとする。
a) 1項は,X線管の用途別によって表1のように表す。
b) 2項は,X線管の構造によって表2のように表す。ただし,格子制御形は,コンデンサ式X線高電圧
装置に組み合わせて使用するものを表す。立体撮影形は,格子制御形の立体撮影形X線管を含む。
回転陽極形多重焦点X線管については,Fを省略する。
表 1 形名の用途による分類
用途による分類
1項の文字
診断用固定陽極X線管
D
診断用回転陽極X線管
R
医用X線CT用固定陽極X線管
C
医用X線CT用回転陽極X線管
K
治療用X線管
T
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表 2 形名の構造による分類
構造による分類
2項の文字
多重焦点形
F
格子制御形
G
立体撮影形
S
c) 3項は,公称最高管電圧をキロボルト (kV) で表した値。
d) 4項は,診断用では,それぞれの焦点における公称陽極入力[3. y) 参照及び5.1 n) 参照]をキロワッ
ト (kW) で表した値で,治療用では,それぞれの焦点におけるX線管最大連続入力[3. ab) 参照及び
5.1 o) 参照]をワット (W) で表した値。
e) 5項は,X線管の窓材によって次の文字で表す。ただし,窓材が普通ガラスのものは省略する。
ベリリウム窓をもつもの B
備考 形名の記載例 格子制御形回転陽極X線管で,ベリリウム窓をもち,公称最高管電圧80 kV,
小焦点と大焦点の公称陽極入力がそれぞれ20 kW,50 kWの場合,RG80−20/50B
5. 定格
5.1
診断用X線管 定格は,次の項目の材料,数値などで示す。X線管の種類によって,関係のない事
項は省略してもよい。
備考 単位W,Jに対してはHU/s,HUのそれぞれの値を併記してもよい。
a) 焦点の呼び及び基準軸 焦点の呼びは,幅×長さの寸法で示す。
備考 幅と長さの呼びが同じ場合は,その一方で示してもよい。
基準軸は,附属文書の外形図中に示す。
b) ターゲット材質
c) ターゲット角度 (°)
d) 公称最高管電圧 (kV)
e) 公称最高充電電圧 (kV)
f)
公称最高逆電圧 (kV)
g) 公称最高陽極・接地間電圧 (kV)
h) 公称最高陽極・接地間逆電圧 (kV)
i)
公称最高陰極・接地間電圧 (kV)
j)
公称最高陰極・接地間逆電圧 (kV)
k) 最高フィラメント格子間電圧 (V)
l)
管電流遮断格子電圧 (V)
備考 フィラメントに対する電位差
m) フィラメント加熱
1) 最大フィラメント電流 (A)
2) 最高フィラメント電圧 (V)
備考 ここに示す最高フィラメント電圧は,最大フィラメント電流におけるフィラメント電圧の最大
値である。
n) 公称陽極入力 (kW)
備考 回転陽極X線管では0.1 s,固定陽極X線管では1 sの陽極入力の許容最大値を示す。
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o) X線管最大連続入力 (W)
p) 最大単発負荷定格
q) 最大陽極熱容量 (J)
r) 陽極加熱曲線
備考 陽極入力 (W) をパラメータとして陽極熱量 (J) を負荷時間(s又はmin)の関数として曲線で
示す。
s)
陽極冷却曲線
備考 陽極入力 (W) がゼロの状態で,陽極熱量 (J) を時間(s又はmin)の関数として曲線で示す。
t)
陽極最大冷却率 (W)
u) 定格陽極回転速度 (min-1) {rpm}
v) 起動時間 (s)
w) 制動時間 (s)
x) X線放射角度 (°)
y) 固有ろ過 (mmCu,mmAl,mmBe)
1) 主に診断に使用される公称最高管電圧が150 kV以下のX線管ではアルミニウム,150 kVを超える
X線管では銅の厚さで示す。
2) X線管の窓部分がベリリウムだけからなるX線管では,ベリリウム又はアルミニウムの厚さで示す。
z) 冷却方式
aa) 質量 (kg)
5.2
医用X線CT用X線管 定格は,診断用X線管の定格を適用する。
5.3
治療用X線管 定格は,次の項目の材料,数値などで示す。X線管の種類によって,関係のない事
項は省略してもよい。
a) ターゲット材質
b) ターゲット角度 (°)
c) 公称最高管電圧 (kV)
d) 公称最高逆電圧 (kV)
e) 公称最高陽極・接地間電圧 (kV)
f)
公称最高陽極・接地間逆電圧 (kV)
g) 公称最高陰極・接地間電圧 (kV)
h) 公称最高陰極・接地間逆電圧 (kV)
i)
公称最高管電圧における最大管電流 (mA)
j)
フィラメント加熱
1) 最大フィラメント電流 (A)
2) 最高フィラメント電圧 (V)
備考 ここに示す最高フィラメント電圧は,最大フィラメント電流におけるフィラメント電圧の最大
値である。
k) X線放射角度 (°)
l)
固有ろ過 (mmCu,mmBe,mmAl)
1) 主に治療に使用される公称最高管電圧が150 kV以上400 kV以下のX線管では,銅の厚さで示す。
2) X線管の窓部分がベリリウムだけからなるX線管では,ベリリウム又はアルミニウムの厚さで示す。
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m) 冷却方式
n) 質量 (kg)
6. 性能
6.1
特性に関する事項 特性は,7. に規定する方法で試験を行ったとき,次の各項に適合しなければな
らない。
a) スリットカメラ法における焦点寸法 スリットカメラ法における焦点寸法の幅及び長さの許容範囲は,
表3による。
表 3 焦点寸法の幅及び長さの許容範囲(スリットカメラ法)
単位 mm
焦点の呼び
f
幅
長さ
0.1
0.15
0.2
0.10〜0.15
0.15〜0.23
0.20〜0.30
0.10〜0.15
0.15〜0.23
0.20〜0.30
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.30〜0.45
0.40〜0.60
0.50〜0.75
0.60〜0.90
0.70〜1.10
0.80〜1.20
0.45〜0.65
0.60〜0.85
0.70〜1.10
0.90〜1.30
1.00〜1.50
1.10〜1.60
0.9
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
0.90〜1.30
1.00〜1.40
1.10〜1.50
1.20〜1.70
1.30〜1.80
1.40〜1.90
1.30〜1.80
1.40〜2.00
1.60〜2.20
1.70〜2.40
1.90〜2.60
2.00〜2.80
1.5
1.6
1.7
1.8
1.9
2.0
1.50〜2.00
1.60〜2.10
1.70〜2.20
1.80〜2.30
1.90〜2.40
2.00〜2.60
2.10〜3.00
2.30〜3.10
2.40〜3.20
2.60〜3.30
2.70〜3.50
2.90〜3.70
2.2
2.4
2.6
2.8
3.0
2.20〜2.90
2.40〜3.10
2.60〜3.40
2.80〜3.60
3.00〜3.90
3.10〜4.00
3.40〜4.40
3.70〜4.80
4.00〜5.20
4.30〜5.60
備考1. 焦点の呼び0.3から3.0の長さ方向許容寸法範囲は,
0.7の係数を乗じていない値である。
2. 特に,医用X線CT用X線管の焦点の呼びが,例えば,
1.0×0.6と指定(1)された場合,最初の数値は幅,2番
目の数値は長さを表す。ただし,この場合幅,長さと
もに表3の幅方向の許容範囲が適用される。
3. 基本的にはスリットカメラ法での測定が望ましいが,
同測定が不可能な場合はピンホールカメラ法又は解
像力法での測定でも可とする。
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b) ピンホールカメラ法における焦点寸法 ピンホールカメラ法における焦点寸法の許容差(3)は,表4に
よる。
表 4 焦点寸法の許容差(3)(ピンホールカメラ法)
焦点の呼び
f
許容差(3)
(%)
f<0.8
0.8≦f≦1.5
1.5<f
0〜+50
0〜+40
0〜+30
注(3) 焦点寸法の許容差は,焦点の呼びをミリメー
トル (mm) 単位で表し,その値に対する許容
差とする。
c) 解像力法における焦点寸法 解像力法における焦点寸法の許容差(3)は,表5による。
表 5 焦点寸法の許容差(3)(解像力法)
焦点の呼び
f
許容差(3)
(%)
f≦0.3
0〜+50
d) 高電圧側耐電圧 X線管の陽極と陰極の間に公称最高管電圧の1.1倍の電圧を加え,以下用途区分に
よる指定(1)時間に耐えなければならない。
1) 撮影専用の場合は0.1 s以上
2) 撮影,透視共用の場合は10 min以上。ただし,撮影の公称最高管電圧と透視のそれとが異なる場合
には,短時間公称最高管電圧の1.1倍の電圧を加え0.1 s,長時間公称最高管電圧の1.1倍の電圧を
加え10 min以上。
3) コンデンサ式X線高電圧装置に使用する場合は,公称最高充電管電圧の1.1倍の電圧を加えて10 min。
なお,複数の使用回路がある場合は,最も耐電圧的に厳しいと考えられる使用回路を選んで行う。
e) フィラメント格子間耐電圧 格子制御形X線管では,フィラメントと格子間に最高フィラメント格子
間定格の1.2倍の試験電圧を1 min加えたとき,絶縁破壊などの異常があってはならない。
f)
管電流遮断 格子制御形X線管では,公称最高充電管電圧において,フィラメントに対し負の管電流
遮断格子電圧を格子電極に加えたとき,管電流が流れてはならない。
g) 管電流特性 指定(1)の管電圧,管電圧波形及び管電流値におけるフィラメント電流値の許容差は,中
心値に対し±10 %とする。
h) フィラメント特性 指定(1)のフィラメント電流値におけるフィラメント電圧値の許容差は,中心値に
対し±15 %とする。
i)
X線管最大連続入力 表9の試験管電圧において指定(1)された条件で,陽極入力を10 min加えたとき,
放電がなく管電流が安定していなければならない。
j)
最大単発負荷定格 表9の試験管電圧において指定(1)された条件で,回転陽極X線管では0.1 s,固定
陽極X線管では1 sの単発の陽極入力を加えたとき,放電がなく管電流が安定していなければならな
い。
k) 最大陽極熱容量 表9の試験管電圧において指定(1)されたX線管負荷条件で,陽極入力を加えたとき,
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X線管に重大な損傷があってはならない。
l)
固有ろ過 5.1 y) 又は5.3 l) で規定される参照物質とその厚さで示し,取扱説明書に記載した公称値
を下回ってはならない。
6.2
環境条件 環境条件は,附属文書に他の記載がない限り,X線管はJIS T 0601-1 10.1(輸送及び保管)
による気象条件における,輸送及び保管に耐えなければならない。
a) 輸送及び保管 輸送及び保管は,JIS T 0601-1 10.1(輸送及び保管)による。
b) 作動(運転) 作動は,JIS T 0601-1 10.2[作動(運転)]による。
7. 試験
7.1
一般条件 試験は,周囲温度,湿度及び気圧についてはJIS T 0601-1 4.5(周囲温度,湿度及び気圧)
に従うほか,試験用X線高電圧装置を次の条件を満たす標準電源に接続し,かつ,確実に接地して行う。
a) 電源条件は,JIS Z 4702の10.1.2(電源条件)による。
b) 交流1 000 V,直流1 500 V以下の試験電圧には,規定値に対して±2 %を超える変動があってはなら
ない。
7.2
計器 試験用計器は,JIS C 1102-2に規定する1.0級以上の指示電気計器又はこれと同等のものを用
い,ミリアンペアピーク計は,表6の性能を満足するものを用いなければならない。
表 6 試験に用いるミリアンペアピーク計の性能
試験点(管電流ピーク値)
200〜300 mApの1点
500〜600 mApの1点
許容差 %
±10
±10
なお,計器は,等分目盛のものでは最大目盛の 以上の目盛で測定できるようなものを用い,また,ゼ
ロの付近で著しく縮小した目盛のものでは,最大目盛の 以上の目盛で測定できるようなものを用いなけ
ればならない。
7.3
X線高電圧装置 試験用X線高電圧装置は,JIS Z 4702,JIS Z 4711又はこれに準じる試験を満足す
る装置を校正して用いる。
7.4
試験方法
7.4.1
焦点試験 焦点試験方法は,表7に示す3方法とする。焦点寸法の測定はスリットカメラ法又はピ
ンホールカメラ法を用いて行い,各々6.1 a) 又は6.1 b) に規定する寸法であるかどうかを調べる。
なお,焦点の呼びが0.3以下の場合には,解像力法を用いて行い6.1 c) に規定された寸法であるかどう
かを調べてもよい。MTFの測定は,スリットカメラ法を用いて行う。ブルーミング値の測定は,解像力法
のうちスターパターンカメラ法を用いて行う。
表 7 焦点試験方法
方法
適用範囲
該当項目
スリットカメラ法
焦点寸法の測定
7.4.1 a)
MTFの測定
7.4.1 e)
ピンホールカメラ法
焦点寸法の測定
7.4.1 b)
解像力法
平行パターンカメラ法
焦点寸法の測定
7.4.1 c) 1)
スターパターンカメラ法
焦点寸法の測定
7.4.1 c) 2)
ブルーミング値
7.4.1 d)
1
2
2
3
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a) スリットカメラ法による焦点寸法の測定 スリットカメラ法による焦点寸法の測定は,次による。
1) 基礎事項 焦点の像は,スリットカメラを用いて撮影する。スリットとフィルムとはX線管の基準
軸上又は指定(1)された方向に垂直に配置し,スリットの方向は,X線管の管軸に垂直な方向(焦点
の長さを測定するとき)及び管軸に平行な方向(焦点の幅を測定するとき)の2種類とする。ただ
し,図1に示すように焦点像がひずんでいる場合には,焦点の幅を測定するときに,スリットの方
向は,焦点が最も小さい幅になるような方向に対して垂直な方向としてもよい。焦点寸法は,その
二つのX線像から求める。
図 1 ひずんだ焦点に対する測定方向
2) スリットカメラ
2.1) 材質 スリットの基板の材質は,次の中から選定する。
2.1.1) タングステン
2.1.2) タンタル
2.1.3) 90 %の金と10 %の白金からなる合金
2.1.4) 90 %のタングステンと10 %のレニウムからなる合金
2.1.5) 90 %の白金と10 %のイリジウムからなる合金
2.2) 形状及び寸法 スリット及び基板の形状・寸法は,図2による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
図 2 スリット及び基板の形状・寸法
3) 撮影位置及び像の拡大率 焦点からスリット基準面までの距離は100 mm以上とする。像の拡大率
(E) は,焦点からスリット基準面までの距離 (m) に対するスリット基準面からフィルムまでの距離
(n) の比である(表8及び図3参照)。
表 8 焦点の呼びに対する拡大率(スリットカメラ法)
焦点の呼び
f
拡大率
E=n/m(図3参照)
f≦0.4
3
0.5≦f≦1.0
2
1.1≦f
1
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図 3 拡大率を定める焦点・カメラ・フィルム間寸法
4) 撮影方法 増感紙を用いないで撮影する微粒子のX線フィルムを使用するものとする。
フィルムのX線露光は,正味濃度がベース込みかぶり濃度に対して,0.8〜1.2大きい濃度になる
ようにする。ただし,フィルムのベース込みかぶり濃度は0.2以下とする。
濃度の調整は撮影時間だけで行い,管電圧及び管電流は,表9に定める値に固定する。
5) 撮影のX線管負荷条件 回転陽極X線管においては,陽極を回転させる。
撮影は,表9に示す条件又は指定(1)された条件によるものとする。撮影時間は,前項に定めるフ
ィルム濃度が得られるように選定する。
表 9 X線管負荷条件
公称最高管電圧
U
(kV)
試験管電圧
試験管電流
U≦75
公称最高管電圧
試験管電圧における
0.1 sの最大許容管電流の50 %
75<U≦150
75 kV
150<U
公称最高管電圧の50 %
透視専用のX線管の場合は,公称最高管電圧及びこのときの最大許容管電流をX線管負荷条件と
する。
6) 焦点像の測定 焦点像の測定は,焦点像フィルムの背面照度を約200 lxとし,像を0.1 mm目盛の
付いた5〜10倍の拡大鏡を通して肉眼で読み取り,次のa,bの二つの方向について読むことができ
る像の端から端までを測定する(図4及び図5参照)。
a : X線管の管軸方向に平行方向(長さ)
b : X線管の管軸方向に垂直方向(幅)
焦点寸法は,像寸法を拡大率で除した値とする。
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図 4 焦点像の測定
備考 肉眼による濃度の感知能は,約5 %コントラストステップであり,次の式で示される。
1
0
1
0
0.05
BB
BB
−
=
+
ここに, B0: ベース込みかぶり濃度
B1: 求める濃度
図 5 焦点像の測定配置図(スリットカメラ法)
b) ピンホールカメラ法による焦点寸法の測定 ピンホールカメラ法による焦点寸法の測定は,次による。
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1) 基礎事項 焦点の像をピンホールカメラを用いて撮影する。ピンホールとフィルムは,X線管の基
準軸上又は指定(1)された方向に垂直に配置する。焦点寸法は,そのX線像から求める。
2) ピンホールカメラ
2.1) 材質 ピンホールの基板の材質は,a) 2) 2.1) に示した材質の中から選定する。
2.2) 形状及び寸法 ピンホールの寸法及び基板の形状・寸法は,図6及び表10による。
単位 mm
図 6 ピンホール及び基板の形状・寸法(断面図)
表 10 焦点の呼びに対するピンホールの寸法
単位 mm
焦点の呼び
f
直径
D
深さ
L
0.3≦f≦1.2
0.030±0.005
0.075±0.010
1.2<f≦2.5
0.075±0.005
0.350±0.010
2.5<f
0.100±0.005
0.500±0.010
3) 撮影位置及び像の拡大率 焦点からピンホール基準面までの距離は100 mm以上とする。
像の拡大率 (E) は,焦点からピンホール基準面までの距離 (m) に対するピンホール基準面から
フィルムまでの距離 (n) の比である(表11及び図7参照)。
表 11 焦点の呼びに対する拡大率(ピンホールカメラ法)
焦点の呼び
f
拡大率
E=n/m(図7参照)
0.3≦f≦1.2
3
1.2<f≦2.5
2
2.5<f
1
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図 7 拡大率を定める焦点・カメラ・フィルム間寸法
4) 撮影方法 撮影方法は,a) 4) による。
5) 撮影のX線管負荷条件 撮影のX線管負荷条件は,a) 5) による。
6) 焦点像の測定 焦点像の測定は,焦点像フィルムの背面照度を約200 lxとし,像を0.1 mm目盛の
付いた5〜10倍の拡大鏡を通して肉眼で読み取り,次のa,bの二つの方向について読むことができ
る像の端から端までを測定する(図4及び図8参照)。
a : X線管の管軸方向に平行方向(長さ)
b : X線管の管軸方向に直角方向(幅)
焦点寸法は,像の寸法を拡大率で除した値とする。
なお,実焦点が線状焦点の場合は,a方向のエネルギー分布が山形になるので,この方向の寸法
に係数0.7を乗じた値とする。
線状でない焦点については,焦点像の最小外接長方形の長短二辺の寸法で表す。
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備考 ピンホール部の詳細は,図6に示す。
図 8 焦点像の測定配置図(ピンホールカメラ法)
c) 解像力法による焦点寸法の測定
1) 平行パターンカメラ法による焦点寸法の測定 平行パターンカメラ法による焦点寸法の測定は,次
による。
1.1) 基礎事項 ある一定間隔に金属線等を並べたテストチャートを撮影する。テストチャートの中心
がX線管の基準軸又は指定(1)された方向に垂直になるように配置する。
焦点寸法は,そのテストチャート像がテストチャートと同数の線と認められるかによって求め
る。
なお,この撮影はテストチャートを焦点の長さの方向及び幅の方向に置いた二つの場合につい
て行うものとする。
1.2) テストチャート テストチャートは,JIS Z 4916に規定するもの (R-1W〜R-4W,R-1Pb〜R-4Pb)
又はこれに準じたものとする。
1.3) 撮影位置 図10に示すように,基準軸上焦点の中心から距離mの位置に,幅g,タングステンの
テストパターン3本以上を間隔gで並べたテストチャートを,その基準軸上にあり,しかも,テ
ストチャートの面が基準軸に垂直になるように置き,更にこのテストチャートから距離nの位置
にフィルムを置いてテストチャートを撮影する。
1.4) 撮影方法 撮影方法は,a) 4) による。
1.5) 撮影のX線管負荷条件 撮影のX線管負荷条件は,a) 5) による。
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1.6) 焦点像の測定 焦点像の測定は,焦点の規定値の最大値f1及び最小値f2のそれぞれに対して,
(
)
1
1
1
1
1
2
f
n
n
m
g
=
+
(
)
2
2
2
2
2
2
f
n
n
m
g
=
+
を満足する,g,m,nの二組の値(ただし,g,m,nのすべてを変える必要はない。)について
この撮影を行い,f1に対応するフィルムのテストチャート像がテストチャートと同数の線として明
りょう(瞭)に認められるとき,焦点の寸法がf1より小さいものとし,f2に対応するフィルムのテ
ストチャート像がテストチャートと同数の線として認められないとき,焦点の寸法がf2より大き
いものとする。
図 9 焦点寸法の測定配置図(平行パターンカメラ法)
2) スターパターンカメラ法による焦点寸法の測定 スターパターンカメラ法による焦点寸法の測定は,
次による。
2.1) 基礎事項 焦点スターパターン写真をスターパターンカメラを用いて撮影する。スターパターン
カメラとフィルムとは,X線管の基準軸又は指定(1)された方向に垂直に配置する。焦点寸法は,
焦点スターパターン写真の解像限界から求める。
2.2) テストチャート テストチャートは,JIS Z 4916に規定するもの (R-5W50,R-5Pb50) 又はこれに
準じたものとする。
2.3) 撮影位置及び像の拡大率 像の拡大率 (E) は,焦点からテストチャートの基準面までの距離 (m)
に対する,焦点からフィルムまでの距離 (m+n) の比であり,拡大率は2を標準とする(図10参
20
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照)。
図 10 焦点寸法の測定配置図(スターパターンカメラ法)
2.4) 撮影方法 撮影方法は,a) 4) による。
2.5) 撮影のX線管負荷条件 撮影のX線管負荷条件は,a) 5) による。
2.6) 焦点像の測定 焦点の大きさは,焦点スターパターン写真のひずんだ部分の平均寸法を目盛の付
いた拡大鏡を用いて測定し,次の式によって変換して求める(図11参照)。
21
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図 11 焦点スターパターン写真(スターパターンカメラ法)
解像限界Rw,RLは,焦点スターパターン写真のZw,ZLから次の式によって求める。
θ
w
w
Z
E
R=
θ
L
L
Z
E
R=
ここに,
Rw: 幅方向の焦点スターパターン解像限界 (Lp/mm)
備考 (Lp/mm) は,line pairs per millimeterの意味である。
ここに,
RL: 長さ方向の焦点スターパターン解像限界 (Lp/mm)
E: 2(拡大率)
θ: スターパターンカメラのくさびの頂角 (rad)
Zw: X線管の管軸に平行な方向に測定された最外部のひ
ずんだ部分の平均直径 (mm)
ZL: X線管の管軸に垂直な方向に測定された最外部のひ
ずんだ部分の平均直径 (mm)
焦点の大きさは,焦点スターパターン写真の解像限界から,次の式によって求める。
L
)1
(
R
E
E
a
−
=
w
)1
(
R
E
E
b
−
=
ここに,
a: X線管の管軸方向に平行方向の大きさ(長さ)
b: X線管の管軸方向に直角方向の大きさ(幅)
Rw: 幅方向の焦点スターパターン解像限界 (Lp/mm)
RL: 長さ方向の焦点スターパターン解像限界 (Lp/mm)
E: 2(拡大率)
備考 任意の拡大率E′による焦点スターパターン解像限界は,次の式で表される。
22
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1
1
w
w
−
′
′
−
=
′
E
E
E
E
R
R
1
1
L
L
−
′
′
−
=
′
E
E
E
E
R
R
ここに,
w
R′: 拡大率E´のときの幅方向の焦点スターパターン解像限界
(Lp/mm)
L
R′: 拡大率E´のときの長さ方向の焦点スターパターン解像限界
(Lp/mm)
Rw: 拡大率Eのときの幅方向のスターパターン解像限界 (Lp/mm)
RL: 拡大率Eのときの長さ方向のスターパターン解像限界
(Lp/mm)
E: 2(拡大率)
d) ブルーミング値の測定 ブルーミング値の測定は,次による。
1) 基礎事項 ブルーミング値は,スターパターンカメラ法で得られる,焦点スターパターン解像限界
から求める。
2) 撮影のX線管負荷条件 ブルーミング値を求めるための焦点スターパターンの撮影方法は,表9に
示す条件及び表12に示す条件の2通りとする。
表 12 ブルーミング値を求めるための撮影のX線管負荷条件
公称最高管電圧
U (kV)
試験管電圧
試験管電流
U≦75
公称最高管電圧
試験管電圧における
0.1 sの最大許容管電流
75<U≦150
75 kV
150<U
公称最高管電圧の50 %
3) ブルーミング値の算出 ブルーミング値Bの算出は,次の式による。
100
50
R
R
B=
ここに,
R50: 表9に示す条件で求めた焦点スターパターン解像限界
R100: 表12に示す条件で求めた焦点スターパターン解像限界
e) MTF測定 焦点のMTFの測定は,次による。
1) 基礎事項 焦点のMTFは,焦点の周波数特性を示す指標で,スリットカメラ法で得られた,焦点
スリット写真から求める。
2) 像の拡大率 像の拡大率は,焦点からスリット基準面までの距離に対するスリット基準面からフィ
ルムまでの距離の比で,表13による。
表 13 焦点の呼びに対する拡大率 (MTF)
焦点の呼び
f
拡大率
f <0.6
0.6≦f
2
1.3
3) 撮影方法 撮影方法は,a) 4) による。
4) 撮影のX線管負荷条件 撮影のX線管負荷条件は,a) 5) による。
5) 濃度分布の測定 焦点スリット写真をマイクロデンシトメータによって走査する。このとき,マイ
クロデンシトメータのスリット幅は,焦点スリット写真の撮影に用いられたスリット幅以下とする。
マイクロデンシトメータの走査方向は,焦点スリット写真の撮影に用いられたスリット方向と垂
23
Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
直な方向とする。
次に,求められた濃度分布を,用いられたフィルムの感度特性を考慮して焦点のX線強度分布に
変換する。
なお,MTFの算出に際しては,入力データは図12に示した斜線部を除く。
図 12 X線強度分布データの制限
6) MTFの算出 焦点のMTFの算出は,e) 5) で得られた焦点のX線強度分布をフーリエ変換するこ
とによって得られる。
表示は横軸に空間周波数 (Lp/mm) を線形目盛で表し,縦軸は空間周波数ゼロでの値を100 %とし
て表示する。
備考 任意の拡大率M′におけるMTFは,次の式のように変換する。
1
1
−
′
′
−
=
′
M
M
M
M
f
f
ここに,
f′: 拡大率M′のときの空間周波数 (Lp/mm)
f : 拡大率Mのときの空間周波数 (Lp/mm)
M : 表13に従う拡大率
7.4.2
高電圧側耐電圧試験 高電圧側耐電圧試験は,図13〜18に示す試験回路又はこれに準じる試験回
路によって行い,6.1 d) に規定した管電圧を加え,X線管内の放電などの異常の有無を調べる。特に,図
13に示す試験回路を用いるものでは,公称最高逆電圧も加えて調べる。このときX線管への入力は,公称
最高管電圧におけるX線管最大連続入力又は最大単発負荷定格のそれぞれの 以下とする。
さらに,格子制御形X線管装置では,その管電流は遮断状態とする。
1
2
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Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 ミリアンペア計は,主変圧器の接地側に入れてもよい。
図 13 1ピーク形試験回路
備考 ミリアンペア計は,主変圧器の接地側に入れてもよい。
図 14 2ピーク形試験回路
25
Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 ミリアンペア計は,整流回路の接地側に入れてもよい。
図 15 12ピーク形試験回路
備考 ミリアンペア計は,整流回路の接地側に入れてもよい。
図 16 定電圧形又はインバータ試験回路
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Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1. ミリアンペア計は,整流回路の接地側に入れてもよい。
2. 格子制御回路は試験回路に含む
図 17 格子制御形インバータ試験回路
図 18 格子制御コンデンサ式試験回路
7.4.3
フィラメント格子間耐電圧試験 格子制御形X線管では,フィラメントと格子間に最高フィラメ
ント格子間定格電圧の1.2倍の電圧を加え,6.1 e) に適合するかどうかを調べる。
7.4.4
管電流遮断試験 X線管の格子電圧を管電流遮断定格値より若干低くし,管電流がわずかに流れる
程度のフィラメント電流を流しておき,かつ,管電圧を公称最高充電管電圧に設定する。次いで,格子電
圧を徐々に高くし管電流が流れ,JIS Z 4511に規定する方法で校正された線量率計を用いて有効X線が放
射され始めるときの格子電圧を測定する。この格子電圧が定格値より高く,6.1 f) に適合するかどうかを
調べる。
7.4.5
管電流特性試験 図13〜18に示す試験回路又はこれに準じる試験回路によって試験する。X線管
の公称最高管電圧以下の管電圧において公称陽極入力以下の管電流を流し,このときのフィラメント電流
を測定し,6.1 g) に適合するかどうかを調べる。
この試験に用いる電圧計及び電流計は,JIS C 1102-2に規定する1.0級以上のものとする。
7.4.6
フィラメント特性試験 図19に示す試験回路で陽極端を開放し,Sを開いてX線管フィラメント
に電流を流し,安定した後にSを閉じてフィラメント電圧を測定し6.1 h) に適合するかどうかを調べる。
この試験に用いる電圧計及び電流計は,JIS C 1102-2に規定する1.0級以上のものとする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 電流計及び電圧計の周波数特性は,使用するフィラメント電源回路の周波数に適合していなければならない。
図 19 フィラメント試験回路
7.4.7
X線管最大連続入力試験 図13〜18に示す試験回路又はこれに準じる試験回路によってX線管に
X線管最大連続入力を加えたとき,6.1 i) に適合するかどうかを調べる。
7.4.8
最大単発負荷定格試験 図13〜18に示す試験回路又はこれに準じる試験回路によってX線管に1
回の負荷で許される最大のX線管負荷を加えたとき,6.1 j) に適合するかどうかを調べる。
7.4.9
最大陽極熱容量試験 陽極加熱曲線試験 (a) と陽極冷却曲線試験 (b) をそれぞれ行い,6.1 k) に
適合するかどうかを調べる。
参考 この試験は,そのX線管の期待寿命を縮める可能性がある。
a) 陽極加熱曲線試験 X線管を,表9の試験管電圧において,指定(1)されたX線管負荷を用いて図20
に示した試験を行い,異常の有無を調べる。
1) 最大陽極熱容量Hに対し0.9 H以上の値h1を定める。指定(1)された陽極加熱曲線を用いて冷状態 (20
〜25 ℃) から指定(1)されたX線管負荷を加え,Hに達するまでの時間t1を求める。次いで,陽極
冷却曲線を用いてHからh1まで冷却時間 (t2-t1) を求める。さらに,時間t2からX線管負荷を加え,
h1からHまで加熱する加熱時間 (t3−t2) を求める。
2) 陽極熱量が時間t1で最大陽極熱容量Hに達するまでX線管負荷を加える。
3) t1でX線管負荷を停止する。
4) 冷却時間 (t2-t1) の間,冷却する。
5) 加熱時間 (t3-t2) の間,h1からHになるまでX線管負荷を加える。
6) t3でX線管負荷を停止する。
7) 4)〜6) の負荷動作を10回繰り返す。
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Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 h1の値は,最大陽極熱容量の90 %未満であってはならない。
図 20 陽極加熱曲線試験
b) 陽極冷却曲線試験 X線管を,表9の試験管電圧において,指定(1)されたX線管負荷を用いて図21
に示した試験を行い,異常の有無を調べる。試験手順は,a) と同様に行う。ただし,最大陽極熱容量
Hに対し,0.25 H以下の値h2を定めて行う。
備考 h2の値は,最大陽極熱容量の25 %を超えてはならない。
図 21 陽極冷却曲線試験
7.4.10 外観,寸法試験 外観は,目視によって調べる。寸法は,JIS B 7516に規定する直尺で測定して調
べる。
8. 表示
8.1
製品の表示 X線管には,次の事項を適切な見やすい場所に表示しなければならない。
a) 形名を示す記号
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造番号
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Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.2
附属文書及び取扱説明書 X線管には,5. 及び8.1に示した事項に加え,次の事項を記載した書類
を添付しなければならない。
a) 形名
b) 製品の形状・主要寸法・質量 (kg)
c) 製品の型名を示す記号及び説明
d) 焦点の呼び及び測定方法
e) 焦点位置
f)
公称最高管電圧
g) 公称陽極入力
h) 固有ろ過(参照物質とその厚さ,測定管電圧によって示す。)
i)
輸送,保管の温度制限
j)
最初の負荷開始前の確認項目,エージング方法
k) 使用上の注意事項
l)
その他必要な事項
30
Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS Z 4102 : 2005 医用X線管
IEC 60336 : 1993 医用X線管装置−焦点特性
IEC 60601-2-28 : 1993 医用X線管装置−個別安全規格
IEC 60613 : 1989 医用X線管装置−熱負荷特性
IEC 60601-1 : 1988 医用電気機器 第1部:安全に関する一般的要求事項
IEC 60788 : 1984 医用放射線用語
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格の相違点
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との整合が困
難な理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
内容
1. 適用範
囲
診断用X線管(医用X線
CT用,治療用含む)につ
いて規定
IEC 60336
IEC
60601-2-28
IEC 60613
1.1
1.1
1.1
1.1
JISと同じ
IDT
−
2. 引用規
格
この規格の一部を構成す
るJISを列挙
−
−
−
MOD/追加
IEC規格には該当項目
なし。
規格票の様式に合わせた (JIS Z
8301)。
3. 定義
用語の一部28種:d) e) f) g)
h) j) k) l) m) p) t) u) w) x) aa)
ae) ah) ai) an) ao) ap)
IEC 60788
1
2
3
7
JISと同じ用語を記載し
ている。
IDT
−
y) 公称陽極入力[最大入
力](nominal anode input)
3
rm-36-23 : Nominal anode
input power
MOD/変更
括弧書きの用語を追加
した。
括弧書きの用語はX線管装置への
高電圧入力の公称値の意味であ
る。
af) 最大陽極熱容量[陽極
蓄積熱容量](maximum
anode heat capacity)
3
rm-36-27 : Maximum anode
heat content
MOD/変更
括弧書きの用語を追加
した。
括弧書きの用語はX線管装置の陽
極が蓄えられる最大熱エネルギー
の公称値である。
用語の一部26種:a) b) c) n)
o) q) r) v) z) ab) ac) ad) ag)
aj) ak) al) aq) ar)
−
−
−
MOD/追加
IEC規格には該当用語
なし。
過去,国内標準として使用されて
きた。
4. 種類及
び形名
用途による分類,形名付与
方法を標準化したもの。
−
−
−
MOD/追加
IEC規格には該当項目
なし。
過去,国内標準として使用されて
きた。
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格の相違点
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との整合が困
難な理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
内容
5. 定格
製品がもつ諸特性の規格
値について規定。
IEC
60601-2-28
6
JISと同じ
IDT
−
6. 性能
6.1 特性に関する事項
スリット法,ピンホール
法,解像力法によって焦点
寸法の許容範囲を規定。
IEC 60336
5
管装置の規格であるが,
同等な管球設置状態で,
管球への適用が許容され
ている。
焦点寸法はスリット法だ
けによって規定してい
る。
MOD/追加
スリット法だけでなく,
ピンホール法,解像力法
においても焦点寸法を
規定した。
スリット法はユーザで測定するに
は困難があり,ピンホール法ほか
も許容する必要がある。
6.2 環境条件
輸送,保管,作動時の環境
を規定。
2
JISと同じ内容を規定し
ている。
IDT
−
7. 試験
7.1 一般条件
試験のための環境条件を
規定。
IEC 60601-1
4.5
10.2.1
−
IDT
−
7.2 計器
試験に用いる計器の性能
を規定。
−
−
−
MOD/追加
IEC規格には該当項目
なし。
過去,国内標準として使用されて
きた。
7.3 X線高電圧装置
試験用X線高電圧装置を規
定。
−
−
−
MOD/追加
IEC規格には該当項目
なし。
過去,国内標準として使用されて
きた。
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格の相違点
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との整合が困
難な理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
内容
7. 試験
(続き)
7.4 試験方法
スリット法,ピンホール
法,解像力法による試験方
法,ブルーミング値及び
MTFの測定法を規定。
・焦点像の測定を感光濃度
で規定(図4)
−
−
−
MOD/追加
ピンホール法及び解像
力法はIEC規格には該
当項目なし。
スリット法はユーザで測定するに
は困難があり,ピンホール法ほか
も許容する必要がある。ピンホー
ル法は旧IEC 336 : 1970の規格内
容である。
・焦点の呼びに対するピン
ホールの寸法(表10)
IEC 60336
3
Table 3に焦点の呼びに対
するピンホールの寸法を
規定。
MOD/変更
JISは焦点の呼びに対し
3種類の寸法に分類して
いるが,IEC規格は2種
類。
過去,国内標準として使用されて
きた。
・ピンホールカメラ法の拡
大率(表11)
IEC 60336
3
Table 4に焦点の呼びに対
する拡大率を規定。
MOD/変更
JISは焦点の呼びに対し
3種類の拡大率に分類し
ているが,IEC規格は2
種類。
過去,国内標準として使用されて
きた。
・平行パターンカメラ法に
よる焦点寸法の測定を規
定。
−
−
−
MOD/追加
IEC規格には該当項目
なし。
過去,国内標準として使用されて
きた。
8. 表示
8.1 製品の表示
・ 形名を示す記号
・ 製造業者名又はその
略号
・ 製造番号
の表示を規定。
IEC
60601-2-28
6
JISと同じ規定。
IDT
−
8.2 附属文書及び取扱説
明書
添付が必要な書類を規定。
IEC
60601-2-28
6
JISと同じ規定。
IDT
−
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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Z 4102:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
5
Z
4
1
0
2
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。