Z 3952:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本溶接
協会(JWES)/財団法人日本規格協会(JAS)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申
出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 3952:1990は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10882-2:2000,Health and safety in
welding and allied processes - Sampling of airborne particles and gases in the operator's breathing zone - Part 2 :
Sampling of gasesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS Z 3952には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)間接的ガス濃度測定方法によるオゾン濃度の測定
附属書2(参考)JISと国際規格との対比表
Z 3952:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. ガス濃度測定方法の種類 ··································································································· 3
4.1 直読形ガス濃度測定方法の種類並びに測定器及び検知管 ························································ 3
4.2 間接的ガス濃度測定方法の種類 ························································································ 5
5. 測定機器,分析機器及び試料採取器 ···················································································· 5
5.1 直読形ガス濃度測定器及び検知管······················································································ 5
5.2 間接的ガス濃度測定に用いる試料採取器及び分析機器 ··························································· 7
6. 試料空気のサンプリング ··································································································· 7
7. 測定 ······························································································································ 8
7.1 作業環境気中ガス濃度測定 ······························································································ 8
7.2 個人ばく露ガス濃度測定 ································································································· 8
8. 測定値のまとめ方 ············································································································ 9
9. 測定結果の記録 ·············································································································· 10
附属書1(規定)間接的ガス濃度測定方法によるオゾン濃度の測定 ··············································· 11
附属書2(参考)JISと国際規格との対比表 ·············································································· 13
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日本工業規格 JIS
Z 3952:2005
溶接作業環境におけるガス濃度測定方法
Methods of measurement for gas concentration in welding environment
序文 この規格は,2000年に第1版として発行されたISO 10882-2,Health and safety in welding and allied
processes - Sampling of airborne particles and gases in the operator's breathing zone - Part 2 : Sampling of gasesを
元に作成した日本工業規格である。対応国際規格は,溶接作業者の個人ばく露ガス濃度の測定が主であり,
日本工業規格は,作業環境気中ガス濃度の測定に限定されていたため,内容を変更して作成している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書 2(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,溶接及び関連作業環境における一酸化炭素(CO),二酸化炭素(CO2),一酸化
窒素(NO),二酸化窒素(NO2)及びオゾン(O3)の作業環境気中ガス濃度並びに作業者の個人ばく露ガス濃度を
測定する方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 10882-2:2000,Health and safety in welding and allied processes−Sampling of airborne particles
and gases in the operator's breathing zone−Part 2 : Sampling of gases (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7951 大気中の一酸化炭素自動計測器
JIS B 7953 大気中の窒素酸化物自動計測器
JIS B 7957 大気中のオキシダント自動計測器
JIS B 7982 排ガス中の窒素酸化物自動計測器
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0098 排ガス中の一酸化炭素分析方法
JIS K 0104 排ガス中の窒素酸化物分析方法
JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0122 イオン電極測定方法通則
JIS K 0127 イオンクロマトグラフ分析通則
JIS K 0304 大気中の二酸化炭素測定方法
JIS K 0804 検知管式ガス測定器(測長形)
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Z 3952:2005
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JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS K 9019 りん酸二水素ナトリウム・12水(試薬)
JIS Z 3001 溶接用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 3001によるほか,次による。
a) 拡散形検知管 (detector tube, diffusive) 吸引形検知管に似た構造を有する検知管で,試料空気を浸透,
拡散させたとき,変色する試薬を封入したガラス管。変色層の長さで測定対象ガスのばく露量を測定
できる。
b) 拡散形試料採取器 静止空気層又は隔膜を浸透,拡散するような物理的方法によって拡散速度を制御
して,空気中の測定対象ガスをサンプリングする器具。試料空気が浸透,拡散して吸収剤に到達する
までの内部構造によって,2種類に大別される。一つは試料空気が吸収剤に到達するまでの空気層の
長さに比較して小さい断面積を有する拡散形試料採取管。他は試料空気が薄い固体膜又は多孔質膜か
らなる断面積が内部の空気層の長さに比較して大きい拡散形試料採取バッジ。いずれも,パッシブ・
サンプラ(passive sampler)とも呼ばれる。
c) 関連作業 熱切断,グラインダ掛け,はつりなどの溶接に関係する作業。
d) 吸引形検知管 (detector tube,pumped) 一定容量の試料空気を通気したときに変色する試薬を封入した
ガラス管。変色層の長さで試料空気中の測定対象ガス濃度を測定する。
e) 吸引形試料採取器 (pumped sampler) 一定容量の試料空気を定流量吸引ポンプで通気して,測定対象
ガスをサンプリングする器具。活性吸着剤又は試薬を含浸させた担体を詰めた金属管又はガラス管の
ものと,吸収液又は試薬溶液を一定量入れた吸収液管のものとがある。
f)
繰返し性 同一の方法で同一の測定対象を,同じ条件で比較的短い時間に繰返し測定した場合,個々
の測定値が一致する性質又は度合。
g) 限界値 (limit value) 空気中の測定対象ガスの濃度に対する基準値(1)。
注(1) 日本では,作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)で定める“管理濃度”及び日本
産業衛生学会が勧告する“許容濃度”,米国では,OSHA(Occupational Safety and Health
Administration, Department of Labor)が定めるPEL(Permissible Exposure Limit)”及びACGIH
(American Conference of Governmental Industrial Hygienists)が勧告する“TLVs(Threshold Limit
Values)”がある。
h) 呼吸域 (breathing zone) 作業者が呼吸する顔の周囲の空間。技術的に,更に正確に定義する場合は,
次による。
人の顔の前方に広がり,両耳を結ぶ直線の中央の点を中心とする半球体(通常,半径30 cm)の領
域。この半球体の底面は,この直線,頭頂及び喉頭を通る平面である。溶接用保護面を使用する場合
は,この保護面の内側に広がる空間とする。ただし,呼吸用保護具を使用する場合にはこの正確な定
義は当てはまらない。
i)
個人ばく露ガス濃度 呼吸域の時間荷重平均ガス濃度。
j)
最悪状態測定 (worst case measurements) 最も高いばく露量を受ける作業状態を特定するためのスク
リーニング測定。
k) 最小測定範囲 直読形ガス濃度測定器において,最高感度にしたとき可能な測定濃度範囲。
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l)
作業環境気中ガス濃度 測定対象の作業場所の空気中に存在する測定対象ガスの濃度。
m) 時間加重平均ガス濃度 (time weighted average [TWA] concentration) 作業時間内にわたって平均した,
空気中の測定対象ガスの濃度。
n) 試料空気のサンプリング (air sampling) ガス濃度の測定又は分析をするため,作業環境空気からの一
部の採取。
o) 試料採取器 (sampler) 試料空気をサンプリングする装置。
p) スクリーニング測定 (screening measurements) ばく露濃度の概略情報を得るために行う測定。
ばく露量が限界値よりはるかに低いか,又ははるかに高いかおおよその状況を知るためにも,使用
することができる。
q) 対象作業場所 (workplace) 測定対象ガスの濃度を測定しようとする作業場所における対象区域。
r) 短時間測定用検知管 (short term detector tube) 測定対象ガスを迅速測定(通常,15分以内)する機能
を有する検知管。
s)
暖機時間 電源を入れてから,測定器が安定状態に達し,所定の性能が得られるまでの時間。
t)
直読形ガス濃度測定器 (direct reading gas measurement apparatus) 測定対象ガス濃度の変化に対応して
自動的に電気信号を発生して指示する装置。
u) 長時間測定用検知管 (long term detector tube) 測定対象ガスの時間荷重平均ガス濃度を測定する機能
を有する検知管。吸引形と拡散形とがある。
v) 等間隔系統抽出方法 単位作業場所において等間隔に,かつ,偏りのないように測定点を抽出する手法。
通常は,床面上に6 m以下の等間隔で引いた縦線と横線との交点を測定点とする。
w) ばく露 (exposure) 作業者の呼吸域の空気中に測定対象ガスが存在する状態。
x) 90 %応答時間 測定対象ガスの濃度がある一定の値から他の一定の値へ瞬時に変化したときに,測定
器の指示値が最終値の90 %になるまでの時間。
4. ガス濃度測定方法の種類 ガス濃度測定方法は,直読形ガス濃度測定方法及び間接的ガス濃度測定方
法とがある。
4.1
直読形ガス濃度測定方法の種類並びに測定器及び検知管 直読形ガス濃度測定方法の種類,適用さ
れる測定対象ガス及びそれぞれの測定器・検知管の性能は,表1a),1b)による。
4
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表 1 直読形ガス濃度測定方法の種類,測定対象ガス及び測定器・検知管の性能
a) 測定器
測 定 方 法
隔 膜 電 解 電 流 法
( 隔膜定電位電解法,隔膜ガルバニ電池法 )
測定対象ガス
一酸化炭素(2)
一 酸 化 窒 素
二 酸 化 窒 素
オ ゾ ン
測
定
器
の
性
能
最小
測定範囲
0 〜 100 ppm
0 〜 50 ppm
0 〜 100 ppm
0 〜 1 ppm
繰返し性
± 2 ppm
± 1 ppm
± 2 ppm
±0.02 ppm
90 %応答
時間
60秒 以 下
測 定 方 法
非分散形赤外線吸収法
化 学 発 光 法
測定対象ガス
一酸化炭素(3)
二酸化炭素(4)
一酸化窒素(5),(6)
二酸化窒素(5),(6)
オゾン(8)
測
定
器
の
性
能
最小
測定範囲
0 〜100 ppm
0 〜 1 %
0 〜50 ppm
0 〜 10 ppm
0〜0.2ppm
繰返し性
± 2 ppm
±0.02 %
± 1 ppm
±0.2 ppm
±0.005 ppm
90 %応答
時間
20秒以下
60秒以下
測 定 方 法
隔膜イオン電極法(7)
紫 外 線 吸 収 法(8)
半 導 体 法
測定対象ガス
二 酸 化 炭 素
オ ゾ ン
測
定
器
の
性
能
最小
測定範囲
0 〜 1 %
0 〜 0.2 ppm
0 〜 0.5 ppm
繰返し性
指示値に対して
±30%
± 0.005 ppm
濃度0.5 ppmで
± 0.05 ppm
90 %応答
時間
120秒以下
120秒以下
60秒以下
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b) 検知管
測 定 方 法
短 時 間 用 検 知 管 法(9)(吸引形)
測 定 対 象 ガ ス
一酸化炭素
二酸化炭素
一酸化窒素
二酸化窒素
オ ゾ ン
検知管
の性能
測 定 範 囲
1 〜
30 ppm
0.01〜
0.2 %
2.5 〜
200 ppm
2.5 〜
30 ppm
0.025 〜
0.6 ppm
繰返し性
目盛範囲の1/3以上:±15 %,1/3未満:±25 %
吸 引 時 間
1回(100 mL)で1分間
2回(200 mL)で2分間
10回(1 L)で
連続10分間
測 定 方 法
長 時 間 用 検 知 管 法
測定対象ガス
一酸化炭素
二酸化炭素
二酸化窒素
検
知
管
の
性
能
吸
引
形
測定範囲
6.25 〜 62.5 ppm
0.025 〜 0.15 %
1.25 〜 12.5 ppm
吸引時間
連続8時間
連続4時間
連続8時間
拡
散
形
測定範囲
0.4 〜 400 ppm
0.02 〜 12 %
0.1 〜 30 ppm
ばく露時間
連続0.5 〜 24時間
連続0.5 〜 10時間
連続1 〜 10時間
注(2) JIS K 0098の規定による。
(3) JIS B 7951の規定による。
(4) JIS K 0304の規定による。
(5) JIS B 7982の規定による。
(6) JIS B 7953の規定による。
(7) JIS K 0122の規定による。
(8) JIS B 7957の規定による。
(9) JIS K 0804の規定による。
4.2
間接的ガス濃度測定方法の種類 間接的ガス濃度測定方法の種類は,表2による。
表 2 間接的ガス濃度測定方法の種類
測定対象ガス
一酸化炭素(2)
二酸化炭素(4)
一酸化窒素
二酸化窒素
オ ゾ ン
測 定 方 法
ガスクロマトグラフィー(11)
イオンクロマトグラフィー(10),(13)
吸光光度法(12),(13)
吸光光度法(14)
注(10) JIS K 0127の規定による。
(11) JIS K 0114の規定による。
(12) JIS K 0115の規定による。
(13) JIS K 0104の規定による。
(14) 附属書1(規定)の規定による。
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5. 測定機器,分析機器及び試料採取器
5.1
直読形ガス濃度測定器及び検知管
5.1.1
機能 直読形ガス濃度測定器は,ガス濃度を精度よく測定でき,即座に結果がでるなど機能性に優
れている。また,ガス濃度の連続記録及び積算機能も付加することができる。したがって,スクリーニン
グ測定,時間荷重平均ガス濃度の測定,限界値と測定値との比較,定期的な測定などにも有効である。検
知管が示す繰返し性及び選択性は,測定対象ガスの種類によって異なる。さらに,検知管を用いた測定は,
直読形ガス濃度測定器又は間接的ガス濃度測定器によって得られる測定値より繰返し性は劣るが,スクリ
ーニング測定などには有効である。
直読形ガス濃度測定器には,一定流量の試料空気を検知部に導入する手動又は電動の吸引ポンプを内蔵
する吸引形と,試料空気を検知部に拡散浸透させて導入する拡散形とがある。
検知管には, 検知管を通して一定容量の試料空気を手動又は電動のポンプで吸引する吸引形と,検知管
に試料空気を拡散浸透させて導入する拡散形とがある。
5.1.2
作動原理 作動原理は,次による。
a) 直読形ガス濃度測定器
1) 隔膜電解電流式ガス濃度測定器
1.1) 隔膜定電位電解式ガス濃度測定器 ガス透過性隔膜を経て電解液に拡散吸収されたガスを,対電
極に対して所定の電解電位を与えた作用電極表面において酸化又は還元し,その際に生じる電解
電流から測定対象ガス濃度を連続的に測定する。
1.2) 隔膜ガルバニ電池式ガス濃度測定器 ガス透過性隔膜を経て電解液に拡散吸収されたガスを,作
用電極表面において酸化又は還元し,対電極との間に流れる電解電流から各種ガス濃度を連続的
に測定する。電解電位を加える必要がないこと以外は隔膜定電位電解法とほぼ同じ構成及び性能
である。
2) 非分散形赤外線吸収式ガス濃度測定器 ガス中を通過する特定波長の赤外線の吸収量によって連続
的に測定するガス濃度測定器のうち,プリズムなどの分光器を用いない形式のガス濃度測定器であ
る。
3) 化学発光式ガス濃度測定器 測定対象ガスが, 特定のガスと化学反応したときに生じる化学発光の
強度によって濃度を連続的に測定する。一酸化窒素はオゾンとの化学反応,二酸化窒素はコンバー
タに通して一酸化窒素に還元した後,オゾンとの化学反応,オゾンはエチレンとの化学反応を利用
する。
4) 隔膜イオン電極式ガス濃度測定器 ガス透過性隔膜を経て内部液に拡散吸収されたガスによって生
じるイオン電極の電位変化からガス濃度を連続的に測定する。
5) 紫外線吸収式ガス濃度測定器 オゾンによる波長254 nm付近の紫外線の吸収量によって,オゾン
濃度を連続的に測定する。
6) 半導体式ガス濃度測定器 一定の高温度に保たれた酸化物半導体素子が,オゾンを分解・吸着する
ときに生じる可逆的な電気抵抗変化を利用して,空気中のオゾン濃度を連続的に測定する。
b) 検知管
1) 吸引形検知管 吸引形検知管は,所定の試料採取条件で使用する前提で目盛られているので,検知
管と試料採取器は,同一製造業者の製品でなければならない。吸引形検知管には,短時間測定用検
知管と長時間測定用検知管とがある。短時間測定用検知管は,手動又は電動の試料採取器を使用す
る測定で,採取時間は,通常,数分間までである。したがって,時間加重平均ガス濃度を測定する
7
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には,繰返し測定が必要になる。長時間測定用検知管は,電動の試料採取器を使用する測定で,測
定時間は,通常,8〜10時間である。したがって,長時間測定用検知管は8時間の時間加重平均ガ
ス濃度の測定に適している。
2) 拡散形検知管 拡散形検知管は,検知管の試料空気取り込み口を測定直前に開封し,検知管ホルダ
に入れて,通常,8 〜10時間以内の任意の測定時間,作業場の適切な箇所又は作業者の呼吸域に設
置して測定する。
5.1.3
測定操作 測定に先立ち,測定機器の製造業者の取扱説明書に従って所定の調整を行う。その後,
試料空気を拡散又は吸引によってガス濃度測定器や検知管に導入し,その指示値を読み取る。
5.2
間接的ガス濃度測定に用いる試料採取器及び分析機器
5.2.1
機能 間接的ガス濃度測定器は,試料空気のサンプリングと分析との二つの段階からなる。
5.2.2
試料採取器及び作動原理 試料採取器及び作動原理は,次による。
a) 拡散形試料採取器 測定対象の作業場所の適切な箇所又は呼吸域に設置し,測定対象ガスを吸着させ
る。引き続いて,試料採取器から溶剤による溶出又は加熱による脱着後,測定対象ガスを各種の分析
計で分析する。
b) 吸引形試料採取器 測定対象の作業場所の適切な箇所又は呼吸域から,試料採取器を通して一定容量
の試料空気を吸引し,サンプリングする。引き続いて,次のいずれかの操作を行う。
1) 吸着管の場合は,溶剤による溶出又は加熱によって脱着した測定対象ガスを各種の分析計で分析す
る。
2) 吸収液管の場合は,吸収液中の測定対象ガスを各種の分析計で分析する。
c) ガスサンプリングバッグ ガスの吸着が少ない材質のフイルムで作られたバッグに,吸引ポンプを使
用して,一定流量で,一定時間試料空気をサンプリングする。次に,バッグ中にサンプリングした試
料空気を各種の分析計で分析する。
5.2.3
分析機器及び作動原理 分析機器及び作動原理は,次による。
a) 吸光光度計 吸光光度計は,試料空気中の測定対象物質をそのまま又は適当な試薬と反応させて発色
させた後,その吸光度を測定することによって,その物質の濃度を測定する。
b) ガスクロマトグラフ ガスクロマトグラフは,固定相に対する気体移動相と試料空気中の成分との親
和性の差を利用して, 試料空気中の成分を分離した後, 各種のガス検出器を用いて, 測定対象ガス
の濃度を測定する。固定相には,シリカゲル,モレキュラーシーブなどの吸着性の固体や適当な固体
粉末に不揮発性の液体を含浸させたものなどが用いられる。検出器には,熱伝導度検出器,水素炎イ
オン化検出器,質量分析計などの検出器が用いられる。
c) イオンクロマトグラフ イオンクロマトグラフは,溶離液を移動相として,イオン交換体などを固定
相とした分離カラム内で試料溶液中のイオン種成分を展開溶離させた後,電気伝導度計,吸光光度計,
蛍光光度計などの検出器によって測定対象物質の濃度を測定する。
6. 試料空気のサンプリング 試料空気のサンプリングは,次による。
a) 試料採取器は,作業者及びその正常な作業に対する影響が最小となるように,また,後の分析に適す
る試料が得られるように設置する。
b) 直読形ガス濃度測定器,検知管及び試料採取器に導入する前に,試料空気が接触するフィルタ,フィ
ルタ保持具,採気管,コネクタ,吸引ポンプ,その他の器具類は,測定対象ガスに対して不活性で,
吸着及び反応を起こさない材料から構成されていることを確認する。採気管はよじれ難く,柔軟性が
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あるものを使用する。四ふっ化エチレン樹脂製の採気管は,ほとんどの化学物質に対して安定である。
c) 粒子状物質によって妨害を受けるガス測定機器を使用するときは,ガス測定機器又は試料採取器に導
入する前に,試料空気をフィルタに通して,粒子状物質を除去する。採気管が汚れないように,可能
な限り採気管の先端にフィルタを取り付け,測定値の低下を防止する。この点は,特にオゾンの測定
において重要である。採気管の先端にフィルタを取り付けることが不可能な場合は,採気管の先端と
ガス測定機器との間の適当な箇所にフィルタを挿入する。ただし,この場合は,定期的に採気管のチ
ェック及び清掃をする。採気管の長さ及び内容積を(フィルタ保持具を使っている場合はその内容積
も)最小にして,これらの中で試料空気の滞留時間が数秒を超えないようにする。試料空気の一定体
積をサンプリングするときは,採気管内の容積(フィルタ保持具を使っている場合は,その内容積を
加算した容積)が個別の試料空気体積の5%を超えないようにする。
d) 直読形ガス濃度測定器は,製造業者の取扱説明書に従って使用する。吸引ポンプが組み込まれていな
い方式のガス濃度測定器については,試料空気をサンプリングするときの流量は,使用する試料採取
器や検知管に適合した量を設定する。
7. 測定 ガス濃度測定には,作業環境気中ガス濃度測定及び作業者の個人ばく露ガス濃度測定がある。
なお,必要に応じてこれらの測定に先立ってスクリーニング測定を行ってもよい。
7.1
作業環境気中ガス濃度測定 作業環境気中ガス濃度測定は,測定対象の作業場所のガス濃度分布特
性を知るために必要である。また,この測定は近辺の作業者やクレーン上などでの高所作業者の個人ばく
露を評価するためにも有用であり,また換気効率の一つの指標となる。この測定は,次による。
a) 対象作業場所の平均ガス濃度を測定するためのサンプリング位置の選定及びサンプリングに際しては,
測定値が発生源から直接の影響を受けないように,溶接及び関連作業から適当に離して採取位置を選
定する。また,換気状態,局所の特異な状態及び測定目的も考慮しなければならない。
b) 作業環境気中平均ガス濃度測定は,測定対象の作業場所の中に原則として等間隔系統抽出方法によっ
て,5個以上の測定点を選ぶ。ただし,測定対象の作業場所の構造,広さなどの理由で5個の測定点
が取れない場合,又はガスが ほぼ均一で5個の測定点を取っても意味のない場合は,任意の1測定点
において,一定の時間間隔で5回以上の測定を行う。
c) 測定点のサンプリング位置の高さは,床面から高さ0.5〜1.5mとする。ただし,対象作業場所内で作
業位置に高低がある場合は,各測定点は同一水平面上になくてもよい。
7.2
個人ばく露濃度測定
7.2.1
一般 個人ばく露濃度は,呼吸域で測定する。個人ばく露濃度測定用のサンプリングは,作業者の
作業状態を代表するように設定する。限界値と比較する目的で,試料空気の時間加重平均ガス濃度を求め
るには,通常の作業活動を妨げることなく,サンプリング時間を通して,採気管又は試料採取器を特殊な
器具で作業者の呼吸域に保持されるよう装着する。
個人ばく露濃度測定は,次による。
a) 個人ばく露濃度測定における試料空気のサンプリング方法は,作業者及びその正常な作業に対する妨
害が最小になるように設定しなければならない。測定する時期及び時間は,溶接作業の実施頻度及び
時間,測定目的などを考慮して設定する。
b) 試料採取器は,溶接用保護面の内側に設置する。試料採取器を呼吸域に直接装着できない場合は,細
い採気管を作業者の腰部などに固定し,その先端を呼吸域に開口させ,末端を作業者の身体に装着し
た個人ばく露用採取器に接続するか,又は別に設置した直読形ガス濃度測定器に接続する。
9
Z 3952:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 作業者がヘルメットシールドを着用する場合は, 作業者の鼻及び口の付近で,口の右又は左端から最
大50 mmの距離で口の高さに試料採取器を装着する。
d) ハンドシールドを使用する場合は, 作業者の鼻及び口からできるだけ近くの呼吸域に試料採取器を装
着する。
e) スクリーニング測定は,ばく露の程度及び形態に関する明確な情報を得る調査の初期段階で,代表的
な溶接時間帯内において行う。
7.2.2
最悪状態測定 最悪状態測定を初期段階において実施することによって,個人のばく露濃度,作業
環境管理方法及び設備改善の効果を的確に把握することができる。ガス濃度の測定結果が限界値を大きく
下回っていれば,適切な管理が行われていることを示し,この場合には限界値と比較するための時間加重
平均ガス濃度の測定は省略できる。また,ガス濃度の測定結果が限界値を大きく超える場合には,管理状
態が不適切であることを示している。したがって,このような場合には,作業環境管理方法を再検討し,
設備改善を行った後,再度,測定を行う必要がある。
測定は,次による。
a) 単位作業場所内の溶接及び関連作業の作業状態,換気・排気の状態,ガス発散状態等から判断して,
当該有害ガスの気中濃度が最大になると考えられる作業者の作業位置及び時間帯において実施する。
b) 試料採取時間は,溶接及び溶接関連作業が継続して行われている作業状態の下で10分間とする。
c) 直読形ガス濃度測定器を用いる場合には,濃度測定器を10分間連続作動させる。その際,採気管又は
試料採取器を作業者の呼吸域に手で保持してもよい。
d) 短時間測定用検知管を用いる場合は,次による。
1) 使用する検知管は,5本以下とする。
2) 測定は,10分間連続して行う。ただし,5本用いて測定を実施しても測定時間の合計が10分に満た
ない場合は,10分の間に測定時間を均等に分布させる。
3) 測定時間の合計が10分を超えてしまう場合は,測定の開始から10分経過したときに使用している
検知管の測定値までを平均値の計算に用いる。
8. 測定値のまとめ方 各方法で求めた測定値のまとめ方は,次による。
a) 隔膜電解電流法(隔膜定電位電解法及び隔膜ガルバニ電池法),非分散形赤外線吸収法,隔膜イオン電
極法,化学発光法,紫外線吸収法,及び半導体法の場合は,同一測定点において,応答時間を勘案し
た一定時間間隔で連続して6回以上読み取った値の算術平均値をとり,有効数字2けたまで算出する。
b) 短時間測定用検知管法及び間接的ガス濃度測定法の場合は,同一測定点において,近接した時間内で
2回以上測定した値の算術平均値をとり,有効数字2けたまで算出し測定値とする。
c) 作業環境気中平均ガス濃度を求める場合は,測定対象の作業場所の各測定点の測定値から幾何平均及
び幾何標準偏差を算出する。
1) 幾何平均の計算は,次の式による。
∑
=
i
C
n
g
M
log
1
10
ここに,
Mg: 幾何平均
n: 測定値の数
Ci (i=1〜n): 測定値
10
Z 3952:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2) 幾何標準偏差の計算は,次の式による。
(
)21
2
2
1
1
10
−
−
=
x
n
x
n
g
i
σ
ここに,
σg: 幾何標準偏差
n: 測定値の数
xi: logCi
x: ∑
i
C
n
log
1
Ci (i=1〜n): 測定値
d) 個人ばく露ガス濃度を求める場合は, 代表的な作業状態における測定結果から時間荷重平均ガス濃度
を算出する。
9. 測定結果の記録 測定を行ったのち,次の項目を記録する。
a) 測定の目的
b) 測定日時
c) 対象作業場所
d) 作業方法の種類
e) 換気の状態
f)
呼吸保護具の使用状態
g) 測定点又は作業者名
h) 測定方法の種類
i)
測定条件 (例:単位作業場所内の測定点の決定方法やサンプリング時間の選定方法など)
j)
測定値
k) 測定者氏名
11
Z 3952:2005
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附属書1(規定)間接的ガス濃度測定方法によるオゾン濃度の測定
1. 測定原理 中性よう化カリウム溶液中にオゾンを捕集し,遊離したよう素による発色の吸光度からオ
ゾン濃度を測定する。
2. 共通事項 化学分析について共通する一般事項は,JIS K 0050及びJIS K 0115による。
3. 試 薬 試薬は,次による。
a) 吸収液
1) 吸収液は,中性りん酸塩緩衝よう化カリウム溶液で,還元性物質を含まない試薬を用いて調製する。
2) 吸収液1 Lを調製する場合には,JIS K 8913に規定するよう化カリウム10 g,JIS K 9007に規定す
るりん酸二水素カリウム 13.61 g,JIS K 9019に規定するりん酸水素二ナトリウム・12水35.82 gを
水0.8 Lに溶かし,水酸化ナトリウム溶液 (1 w/v %)又はりん酸(1 %)を用いてpHを7.0±0.2に調製
し,更に水を加えて1 Lとする。
3) 吸収液は,褐色瓶に入れて,冷蔵庫に保存すれば数週間は安定である。
b) よう素標準液 0.05 mol/Lよう素溶液10.0/FmL(Fは,0.05 mol/Lよう素溶液のファクタ)をとり,吸収
液を加えて100 mLとし,更に吸収液で10倍に希釈して,よう素標準液とする(使用時に調製)。この
よう素標準液1 mLは,12 μL O3 (20℃,101.3 kPa) に相当する。調製及び標定は,JIS K 8001の4.4 (設
定用溶液)の(24)による。
4. 試料採取器 試料採取器は,次による。
a) 吸収液管 吸収液管には,全ガラス製ミゼットインピンジャを使用する。一例を附属書1図1に示す。
b) ガスメータ ガスメータは,湿式のもので,1 L/minの流量を測定でき,1回転1 Lのものを使用する。
c) 吸引ポンプ 吸引ポンプは,装置に連結したとき,1 L/min以上の流量が得られるポンプで, 空気漏
れがないものを使用する。
d) 光度計 分光光度計又は光電光度計は,波長325 nm付近で測定可能な光度計を使用する。
5. 試料空気のサンプリング 試料空気のサンプリングには,4. に規定する試料採取器を用いて附属書1
図2のように連結し,流路系に漏れのないことを確かめてから使用する。吸収液管に吸収液10.0 mLを入
れ, 試料空気を0.95 〜1.05 L/minの一定流量で15分サンプリングし,この間の平均流量を求める。また,
吸収液は20±0.5 ℃に保つようにする。
6. 操作 操作は, 次による。
a) 試料空気をサンプリングした吸収液は,30分間放置(1)後, 直ちに光路長10 mm のセルに移し入れる。
b) 吸収液は,JIS K 0115に基づき波長325 nm付近で吸光度を測定する(2)。対照液には吸収液を用いる。
注(1) 放置時の温度は,20±0.5 ℃に保つ。放置中は,インピンジャの試料空気導入口と出口とをパラ
フィンフィルムなどで密栓しておく。
注(2) 吸収液をセルに入れてから吸光度を測定するまでの時間は,5分間以内とする。
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Z 3952:2005
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c) 検量線からオゾンの体積を求める。検量線の作成は,よう素標準液 0〜10 mLを段階的に全量フラス
コ100 mLに取り, 吸収液を標線まで加える。以下,6. によって操作し,オゾンの体積と吸光度との
関係線を作成する。
附属書1図 1 吸収液管の一例
附属書1図 2 試料空気採取器の一例
7. 濃度の算出 試料空気の中のオゾン濃度は, 次式によって算出する。
S
Z
V
V
C=
ここで,
C: オゾン濃度 (ppm)
VZ: 検量線から求めたオゾンの体積 (μL)
VS: 試料空気採取量 (L)
ただし,試料空気採取量 (Vs)は,次式によって20 °C,101.3 kPaの体積
に換算する。
s
v
m
a
273
293
S
P
P
P
P
t
V
V
+
+
×
+
×
=
ここで,
V: ガスメータで測定された試料空気量 (L)
t: ガスメータにおける温度 (℃)
Pa: 大気圧 (kPa)
Pm: ガスメータにおけるゲージ圧 ( kPa)
Pv: T ℃における飽和水蒸気圧 ( kPa)
Ps: 101.3 ( kPa)
数式の記号は斜体字,添字は直立体にする 例VS
8. 測定値のまとめ方 同一サンプリング箇所において, 近接した時間内で2回以上測定した値の算術平
均値をとり,有効数字2けたまで算出する。
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附属書2(参考)JISと国際規格との対比表
JIS Z 3952:0000 溶接作業環境におけるガス濃度測定方法
ISO 10882-2:2004,溶接及び類似の作業における安全衛生―作業者の呼吸域の空気中の浮遊
粒子及びガスの測定(サンプリング)―第2部:ガスの測定
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後の
対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範囲
溶接及び関連作業における一酸化
炭素(CO),二酸化炭素(CO2),一酸化
窒素(NO),二酸化窒素(NO2),オゾ
ン(O3)の作業環境気中ガス濃度及び
作業者の個人ばく露ガス濃度を測
定する方法について規定。
ISO
10882-1
1
溶接及び類似の作業にお
けるガス及び蒸気の個人
ばく露量及び固定点の濃
度測定方法の手引きにつ
いて規定。
MOD/削除
蒸気(塗装又は他のコー
テングを施した金属の
溶接及び類似作業時に
発生)の測定について
は,適用範囲外。
蒸気の種類はきわめて
多く,それらを特定して
規定することは困難で
あるため。
MOD/追加
作業環境の気中濃度測
定方法を定めた。
次回ISO規格改正時の
提案を検討する。
2.引用規格
JIS B 7951,JIS B 7953,JIS B 7957,
JIS B 7982,JIS K 0050,JIS K 0098,
JIS K 0104,JIS K 0114,JIS K 0115,
JIS K 0122,JIS K 0127,JIS K 0304,
JIS K 0804,JIS K 8001,JIS K 8913,
JIS K 9007,JIS K 9019,JIS Z 3001
2
―
MOD/追加
―
ISO規格は,JISとして
引用できない規格を含
む。
JISとして必要な引用規
格を追加,不要な引用規
格を削除。
2
Z
3
9
5
2
:
2
0
0
5
14
Z 3952:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
3.定義
JIS Z 3001以外の,用語定義を規
定。“吸引検知管”など,16用語。
3
JISと同じ。
IDT
―
―
“拡散形検知管”など,8用語
―
MOD/追加
―
規格の理解を早めるため。
―
“バイアス”など26
用語。
MOD/削除
―
常識的用語であり,あえて定義を
要しない。
4.ガス濃度測
定方法の種
類
直読形ガス濃度測定方法と間接的
ガス濃度測定方法に分類し,前者に
ついて測定方法の種類,測定対象ガ
ス及び測定器・検知管の性能を,後
者について測定方法の種類及び測
定対象ガスを規定。
9.1
個々のガス及び蒸
気測定方法の固有
の指針を規定。附属
書B(参考)に各測
定対象ガスの測定
濃度範囲を定めて
いる。
MOD/追加
最小測定範囲,繰返し性
(指示精度)及び応答時
間についての規定を追
加。
JISとして必要な内容を規定。次
回ISO規格改正時の提案を検討
する。
MOD/追加
隔膜ガルバニ電池式及
び半導体を追加。
我が国で実用されている。
5.測定機器,分析機器及び試料採取器
5.1直読形ガ
ス濃度測定
器及び検知
管
機能,作動原理及び測定操作につい
て規定。
4.2,4.3
9.2.2
9.3.1
9.4.2
9.5.2
直読形ガス濃度測
定装置及び検知管
の適応性,作動原
理,有効性などにつ
いて規定。
MOD/追加
作動原理の規定におい
て,隔膜ガルバニ電池式
ガス濃度測定器及び半
導体ガス濃度測定器を
追加。
我が国で実用されている測定器
を追加。
時機を見て,ISO規格への追加を
提案する。
5.2間接的ガ
ス濃度測定
に用いる試
料採取器及
び分析機器
機能,試料採取器及び作動原理並び
に分析機器及び作動原理,について
規定。
4.4
JISと同じ
IDT
―
―
9.2.3
9.3.2
9.4.3
9.5.3
検知管を規定。
MOD/変更
記載位置を変更
JISは,5.1.2 b)に記載。
―
9.6
蒸気の測定方法を
規定。
MOD/削除
―
蒸気の種類はきわめて多く,それ
らを特定して規定することは困
難である。
次回ISO規格改正時の提案を検
討する。
2
Z
3
9
5
2
:
2
0
0
5
15
Z 3952:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
6.試料空気の
サンプリング
試料空気のサンプリング時の注意
事項を規定。
8.2,8.3
8.5,8.6
JISとほぼ同じ。
MOD/追加
具体性に欠ける記述を
削除して規定。
7.測定
7.1作業環境
気中ガス濃
度測定
作業環境気中ガス濃度測定の目的,
測定の定め方,注意事項などについ
て規定。
7.3
7.4.1
8.1.2
固定点における試
料採取について規
定。
MOD/追加
具体的な測定点数,サン
プリング位置の高さな
どを規定。
作業環境測定基準(昭和51年厚
生労働省告示第46号)に準じた
規定を追加。
7.2個人ばく
露ガス濃度
測定
作業者個人のばく露ガス濃度を測
定するための試料採取位置及び試
料採取に当たっての注意事項を規
定。
7.2
7.4.1〜
7.4.3
8.1.1
JISとほぼ同じ。
MOD/追加
検知管を用いる時の注
意事項を追加。
JISとして必要な内容を規定。
8.測定値のま
とめ方
作業環境気中ガス濃度測定及び個
人ばく露ガス濃度測定ごとに測定
値のまとめ方を規定。
10
溶接施行法,材料及
び各試験の固有条
件について,詳しく
記録すること,と規
定し,附属書B(参
考)で作成を記載。
MOD/変更
JISは具体的内容を規
定。
JISとして必要な内容を規定。
9.測定結果の
記録
測定後に記録すべき事項を規定。
附属書1(規
定)
間接的ガス濃度測定方法よるオゾ
ン濃度の測定。
―
―
MOD/追加
―
我が国で実用されている測定方
法を追加。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
Z
3
9
5
2
:
2
0
0
5