Z 3351:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類及び記号の付け方 ······································································································· 2
5 品質······························································································································· 2
5.1 ワイヤの寸法及びその許容差並びに製品の状態 ···································································· 2
5.2 ワイヤの化学成分 ·········································································································· 3
6 試験方法························································································································· 5
6.1 ロットの決め方 ············································································································· 5
6.2 ワイヤの分析試験 ·········································································································· 5
7 検査方法························································································································· 5
8 製品の呼び方 ··················································································································· 6
9 包装······························································································································· 6
10 表示 ····························································································································· 6
10.1 製品の表示 ·················································································································· 6
10.2 包装の表示 ·················································································································· 6
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本溶接
協会(JWES)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 3351:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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炭素鋼及び低合金鋼用
サブマージアーク溶接ソリッドワイヤ
Solid wires for submerged arc welding of carbon steel and low alloy steel
序文
この規格は,1988年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2007年に
行われたが,その後の規格票の様式改正への準拠と鋼材のJIS改正に対応するために改正した。
1
適用範囲
この規格は,炭素鋼及び低合金鋼(高張力鋼,耐熱鋼,低温用鋼及び耐候性鋼)のサブマージアーク溶
接に使用するソリッドワイヤ(以下,ワイヤという。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 1201 鉄及び鋼−分析方法通則
JIS G 1211規格群 鉄及び鋼−炭素定量方法
JIS G 1212 鉄及び鋼−けい素定量方法
JIS G 1213 鉄及び鋼−マンガン定量方法
JIS G 1214 鉄及び鋼−りん定量方法
JIS G 1215規格群 鉄及び鋼−硫黄定量方法
JIS G 1216 鉄及び鋼−ニッケル定量方法
JIS G 1217 鉄及び鋼−クロム定量方法
JIS G 1218 鉄及び鋼−モリブデン定量方法
JIS G 1219 鉄及び鋼−銅定量方法
JIS G 1253 鉄及び鋼−スパーク放電発光分光分析方法
JIS G 1256 鉄及び鋼−蛍光X線分析方法
JIS G 1257 鉄及び鋼−原子吸光分析方法
JIS G 1258規格群 鉄及び鋼−ICP発光分光分析方法
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般
JIS Z 3001-2 溶接用語−第2部:溶接方法
JIS Z 3200 溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装
JIS Z 3423 溶接材料の調達指針
2
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-1及びJIS Z 3001-2による。
4
種類及び記号の付け方
ワイヤの種類は,表1によって示すものとし,その記号の付け方は,図1のとおりとする。
表1−ワイヤの種類
種類
成分系(参考)
種類
成分系(参考)
YS-S1
YS-S2
YS-S3
YS-S4
YS-S5
YS-S6
YS-S7
YS-S8
Si-Mn系
YS-N1
YS-N2
Ni系
YS-NM1
YS-NM2
YS-NM3
YS-NM4
YS-NM5
YS-NM6
Ni-Mo系
YS-M1
YS-M2
YS-M3
YS-M4
YS-M5
Mo系
YS-NCM1
YS-NCM2
YS-NCM3
YS-NCM4
YS-NCM5
YS-NCM6
YS-NCM7
Ni-Cr-Mo系
YS-CM1
YS-CM2
YS-CM3
YS-CM4
YS-1CM1
YS-1CM2
YS-2CM1
YS-2CM2
YS-3CM1
YS-3CM2
YS-5CM1
YS-5CM2
Cr-Mo系
YS-CuC1
Cu-Cr系
YS-CuC2
YS-CuC3
YS-CuC4
Cu-Cr-Ni系
YS-G
−
Y S-○○
ワイヤ化学成分の記号
サブマージアーク溶接の記号
溶接ワイヤの記号
図1−種類の記号の付け方
5
品質
5.1
ワイヤの寸法及びその許容差並びに製品の状態
ワイヤの寸法及びその許容差並びに製品の状態は,JIS Z 3200に適合しなければならない。
代表的なワイヤの径及び質量を表2に示す。
3
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表2−代表的なワイヤの径及び質量
ワイヤ径
(mm)
質量(kg)
コイル巻き
スプール巻き
その他
1.2,1.6,2.0
2.4,3.2,4.0
4.8,6.4
12.5,25,75
10,12.5,20
受渡当事者間の
協定による
5.2
ワイヤの化学成分
ワイヤの化学成分は,6.2の方法によって分析試験を行ったとき,表3に適合しなければならない。ただ
し,必要に応じて,表3に示す以外の成分を添加することができる。
表3−ワイヤの化学成分
単位 %(質量分率)
種類
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Cu a)
Ni
Cr
Mo
YS-S1
0.15
以下
0.15
以下
0.20
〜0.90
0.030
以下
0.030
以下
0.40
以下
0.25
以下b)
0.15
以下b)
0.15
以下b)
YS-S2
0.80
〜1.40
YS-S3
0.18
以下
0.15
〜0.60
YS-S4
0.15
以下
1.30
〜1.90
YS-S5
0.15
〜0.60
YS-S6
0.15
以下
1.70
〜2.80
YS-S7
0.15
〜0.60
YS-S8
0.15
以下
0.35
〜0.80
1.10
〜2.10
YS-M1
0.18
以下
0.20
以下
1.30
〜2.30
0.025
以下
0.025
以下
0.40
以下
0.25
以下b)
0.15
以下b)
0.15
〜0.40
YS-M2
0.60
以下
YS-M3
0.40
以下
0.30
〜1.20
0.30
〜0.70
YS-M4
0.60
以下
1.10
〜1.90
YS-M5
1.70
〜2.60
YS-CM1
0.15
以下
0.40
以下
0.30
〜1.20
0.025
以下
0.025
以下
0.40
以下
0.25
以下b)
0.30
〜0.70
0.30
〜0.70
YS-CM2
0.08
〜0.18
0.80
〜1.60
YS-CM3
0.15
以下
1.70
〜2.30
YS-CM4
0.40
以下
2.00
〜2.80
0.025
以下
0.025
以下
0.40
以下
0.25
以下b)
0.30
〜1.00
0.60
〜1.20
4
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表3−ワイヤの化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
種類
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Cu a)
Ni
Cr
Mo
YS-1CM1
0.15
以下
0.60
以下
0.30
〜1.20
0.025
以下
0.025
以下
0.40
以下
0.25
以下b)
0.80
〜1.80
0.40
〜0.65
YS-1CM2
0.08
〜0.18
0.80
〜1.60
YS-2CM1
0.15
以下
0.35
以下
0.30
〜1.20
2.20
〜2.80
0.90
〜1.20
YS-2CM2
0.08
〜0.18
0.80
〜1.60
YS-3CM1
0.15
以下
0.35
以下
0.30
〜1.20
0.025
以下
0.025
以下
0.40
以下
0.25
以下b)
2.75
〜3.75
0.90
〜1.20
YS-3CM2
0.08
〜0.18
0.80
〜1.60
YS-5CM1
0.15
以下
0.60
以下
0.30
〜1.20
4.50
〜6.00
0.40
〜0.65
YS-5CM2
0.05
〜0.15
0.80
〜1.60
YS-N1
0.15
以下
0.60
以下
1.30
〜2.30
0.018
以下
0.018
以下
0.40
以下
0.40
〜1.75
0.20
以下b)
0.15
以下b)
YS-N2
0.50
〜1.30
2.20
〜3.80
YS-NM1
0.15
以下
0.60
以下
1.30
〜2.30
0.018
以下
0.018
以下
0.40
以下
0.40
〜1.75
0.20
以下b)
0.30
〜0.70
YS-NM2
0.20
〜0.60
1.30
〜1.90
1.70
〜2.30
YS-NM3
0.05
〜0.15
0.30
以下
1.80
〜2.80
0.80
〜1.40
0.50
〜1.00
YS-NM4
0.15
以下
0.60
以下
0.50
〜1.30
2.20
〜3.80
0.15
〜0.40
YS-NM5
0.30
〜0.90
YS-NM6
1.30
〜2.30
YS-NCM1
0.05
〜0.15
0.40
以下
1.30
〜2.30
0.018
以下
0.018
以下
0.40
以下
0.40
〜1.75
0.05
〜0.70
0.30
〜0.80
YS-NCM2
0.10
以下
0.60
以下
1.20
〜1.80
1.50
〜2.10
0.20
〜0.60
YS-NCM3
0.05
〜0.15
1.30
〜2.30
2.10
〜2.90
0.40
〜0.90
0.40
〜0.90
YS-NCM4
0.10
以下
0.05
〜0.45
1.30
〜2.30
2.10
〜3.20
0.60
〜1.20
0.30
〜0.70
YS-NCM5
0.08
〜0.18
0.40
以下
0.20
〜1.20
3.00
〜4.00
1.00
〜2.00
YS-NCM6
4.50
〜5.50
0.30
〜0.70
YS-NCM7
0.15
以下
0.50
以下
1.30
〜2.20
0.50
〜4.00
0.40
〜1.50
0.30
〜0.80
5
Z 3351:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−ワイヤの化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
種類
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Cu a)
Ni
Cr
Mo
YS-CuC1
0.15
以下
0.30
以下
0.80
〜2.20
0.030
以下
0.030
以下
0.20
〜0.45
−
0.30
〜0.60
−
YS-CuC2
0.15
以下
0.30
以下
0.80
〜2.20
0.030
以下
0.030
以下
0.30
〜0.55
0.05
〜0.80
0.50
〜0.80
−
YS-CuC3
0.50
以下
0.20
〜0.55
0.05
〜1.50
0.40
〜0.80
YS-CuC4
1.30
〜2.20
0.018
以下
0.018
以下
0.30
〜1.00
0.50
〜4.00
0.40
〜1.50
0.30
〜0.80
YS-G
0.20
以下
0.90
以下
3.00
以下
0.030
以下
0.030
以下
−c)
−c)
−c)
−c)
注a) 銅めっきが施されている場合は,めっきの銅を含む。
b) 含有量が明らかに微量であって,この表の規定値を十分満足することが予想できる場合は,分析試験を省
略することができる。
c) 添加した場合には,その成分の分析試験を行う。
6
試験方法
6.1
ロットの決め方
ワイヤロットの決め方は,JIS Z 3423による。
6.2
ワイヤの分析試験
ワイヤの分析試験は,次のいずれかによる。
JIS G 1201,JIS G 1211規格群,JIS G 1212,JIS G 1213,JIS G 1214,JIS G 1215規格群,JIS G 1216,
JIS G 1217,JIS G 1218,JIS G 1219,JIS G 1253,JIS G 1256,JIS G 1257,JIS G 1258規格群
なお,製品と変わらない成分の分析試験は,次のいずれかの試験結果を用いてもよい。
a) 同一ヒートの他の径の成分の分析試験
b) 同一ヒートの製造途中の線材の分析試験
c) 原料のミルコイル製品分析値
d) 原料のミルコイルの溶鋼分析値
7
検査方法
検査方法は,次による。
a) ワイヤの検査項目は,JIS Z 3423の試験スケジュールによる。
b) 検査は,ワイヤのロットごとに,JIS Z 3423による試験スケジュールに従い,箇条6によって試験し,
該当する箇条5に適合しなければならない。
c) 試験スケジュールに従い,6.2によって実施した分析試験の試験結果が,箇条5に適合しなかった場合
には,適合しなかった成分について倍数の再試験を行い,そのいずれの試験結果も箇条5に適合しな
ければならない。この場合の再試験のための分析試料は,当初の分析試料の残りを使用するか,又は
新たに採取する。
d) 分析試料の採取から試験の実施を通して正規の手続きを行っていない試験を含み,試験結果が合否の
判定に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにか
6
Z 3351:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
かわらず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなければならない。
なお,この場合は,c) の再試験の対象とはしない。
8
製品の呼び方
製品の呼び方は,ワイヤの種類の記号,径及び質量による。
製品の呼び方の例は,次のとおりとする。
例 YS-S1-4.8-25
種類 径 質量
9
包装
包装は,JIS Z 3200による。
10 表示
10.1 製品の表示
製品の表示は,JIS Z 3200による。
10.2 包装の表示
包装の表示は,JIS Z 3200による。