Z 3331:2011
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 棒及びワイヤの種類 ·········································································································· 2
5 品質······························································································································· 3
5.1 棒及びワイヤの外観 ······································································································· 3
5.2 棒及びワイヤの化学成分 ································································································· 3
5.3 棒の形状並びに棒・ワイヤの寸法及び許容差 ······································································· 6
5.4 製品の状態 ··················································································································· 7
6 試験方法························································································································· 7
6.1 ロットの決め方 ············································································································· 7
6.2 化学成分の分析試験方法 ································································································· 7
7 検査······························································································································· 7
8 包装······························································································································· 8
9 製品の呼び方 ··················································································································· 8
10 表示 ····························································································································· 8
附属書JA(参考)主な適用母材例 ·························································································· 10
附属書JB(参考)チタン母材(JIS H 4600の1種,2種,3種及び4種)における酸素量と
その引張強さとの関係 ·········································································································· 12
附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 13
Z 3331:2011
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本溶接
協会(JWES)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ
によって,JIS Z 3331:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
Z 3331:2011
チタン及びチタン合金溶接用の
溶加棒及びソリッドワイヤ
Welding rods and solid wires for welding of titanium and titanium alloys
序文
この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 24034及びAmendment 1(2008)を基とし,技術的
内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。また,附属書JA及び附属書JBは対応国際規格に
はない事項である。
1
適用範囲
この規格は,チタン及びチタン合金のティグ溶接,ミグ溶接,プラズマ溶接,電子ビーム溶接及びレー
ザ溶接に使用するソリッド溶加棒(以下,棒という。)及びソリッドワイヤ(以下,ワイヤという。)につ
いて規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 24034:2005,Welding consumables−Solid wires and rods for fusion welding of titanium and
titanium alloys−Classification及びAmendment 1:2008(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 1611 チタン及びチタン合金−分析方法通則
JIS H 1612 チタン及びチタン合金中の窒素定量方法
JIS H 1614 チタン及びチタン合金中の鉄定量方法
JIS H 1617 チタン及びチタン合金中の炭素定量方法
JIS H 1618 チタン及びチタン合金中のけい素定量方法
JIS H 1619 チタン及びチタン合金中の水素定量方法
JIS H 1620 チタン及びチタン合金中の酸素定量方法
JIS H 1621 チタン合金中のパラジウム定量方法
JIS H 1622 チタン合金−アルミニウム定量方法
2
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS H 1624 チタン合金−バナジウム定量方法
JIS H 1630 チタンの発光分光分析方法
JIS H 1631 チタン合金−蛍光X線分析方法
JIS H 4600 チタン及びチタン合金−板及び条
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般
JIS Z 3001-2 溶接用語−第2部:溶接方法
JIS Z 3200 溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装
注記 対応国際規格:ISO 544,Welding consumables−Technical delivery conditions for welding filler
materials−Type of product, dimensions, tolerances and markings(MOD)
JIS Z 3423 溶接材料の調達指針
注記 対応国際規格:ISO 14344:2002,Welding and allied processes−Flux and gas shielded electrical
welding processes−Procurement guidelines for consumables(MOD)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-1及びJIS Z 3001-2によるほか,次による。
3.1
ソリッド溶加棒
中空でない断面同質な丸又は角形の溶加棒。
4
棒及びワイヤの種類
棒及びワイヤの種類は,化学成分によって区分する。種類の記号の付け方は,次による。
なお,棒及びワイヤの種類の主な適用母材例を,附属書JAに示す。
S Ti ○○○○ (Ti○○○○○○○○)
棒及びワイヤの化学成分表記による記号(表1による。)1)
棒及びワイヤの種類による記号(表1による。)
Ti 01○○: 酸素の質量分率で分類されるチタン2)
Ti 22○○: パラジウム又はルテニウムが少量添加され,かつ,酸素量が低いチ
タン合金
Ti 24○○: パラジウム又はルテニウムが少量添加され,かつ,酸素量が多いチ
タン合金
Ti 34○○: ニッケルが約0.5 %(質量分率)添加されたチタン合金
Ti 35○○: コバルトが約0.5 %(質量分率)添加されたチタン合金
Ti 46○○: アルミニウムが約6 %(質量分率),すずが約2 %(質量分率),ジ
ルコニウムが約4 %(質量分率)及びモリブデンが約2 %(質量分
率)添加されたチタン合金
Ti 48○○: アルミニウムが約8 %(質量分率),バナジウムが約1 %(質量分率)
及びモリブデンが約1 %(質量分率)添加されたチタン合金
Ti 51○○: アルミニウムが約5 %(質量分率),バナジウムが約1 %(質量分率),
すずが約1 %(質量分率),ジルコニウムが約1 %(質量分率)及び
モリブデンが約1 %(質量分率)添加されたチタン合金
3
Z 3331:2011
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Ti 52○○: アルミニウムが約5 %(質量分率)及びすずが約2.5 %(質量分率)
添加されたチタン合金
Ti 63○○: アルミニウムが約3 %(質量分率)及びバナジウムが約2.5 %(質量
分率)添加されたチタン合金
Ti 64○○: アルミニウムが約6 %(質量分率)及びバナジウムが約4 %(質量
分率)添加されたチタン合金
S:棒及びワイヤを表す記号
注1) 種類を表す記号(例 S Ti 6400)に付随して,化学成分表記による記号(例 TiAl6V4)を表示
してもよい[例 S Ti 6400 (TiAl6V4)]。
2) チタン(S Ti 01○○)の棒及びワイヤの種類は,適用する母材と同様に酸素量によって分類さ
れている。その酸素量は,引張強さと相関があり,母材における酸素量とその引張強さとの関
係を,附属書JBに示す。
5
品質
5.1
棒及びワイヤの外観
棒及びワイヤの外観は,JIS Z 3200による。
5.2
棒及びワイヤの化学成分
棒及びワイヤの化学成分は,箇条6の方法によって試験を行ったとき,表1の規定に適合しなければな
らない。
表1−棒及びワイヤの化学成分
単位 %(質量分率)
種類
化学成分
表記によ
る記号
化学成分a),b)
JIS Z 3331:
2002
(参考)
C
O
N
H
Fe
Al
V
Sn
その他
棒 ワイヤ
S Ti 0100
Ti99.8
0.03
以下
0.03〜
0.10
0.012
以下
0.005
以下
0.08
以下
−
−
−
−
−
−
S Ti 0100J
Ti99.8J
0.03
以下
0.10
以下
0.02
以下
0.008
以下
0.20
以下
−
−
−
−
YTB
270
YTW
270
S Ti 0120
Ti99.6
0.03
以下
0.08〜
0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.12
以下
−
−
−
−
−
−
S Ti 0120J
Ti99.6J
0.03
以下
0.15
以下
0.02
以下
0.008
以下
0.20
以下
−
−
−
−
YTB
340
YTW
340
S Ti 0125
Ti99.5
0.03
以下
0.13〜
0.20
0.02
以下
0.008
以下
0.16
以下
−
−
−
−
−
−
S Ti 0125J
Ti99.5J
0.03
以下
0.25
以下
0.02
以下
0.008
以下
0.30
以下
−
−
−
−
YTB
480
YTW
480
S Ti 0130
Ti99.3
0.03
以下
0.18〜
0.32
0.025
以下
0.008
以下
0.25
以下
−
−
−
−
−
−
S Ti 0130J
Ti99.3J
0.03
以下
0.35
以下
0.02
以下
0.008
以下
0.30
以下
−
−
−
−
YTB
550
YTW
550
4
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−棒及びワイヤの化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
種類
化学成分
表記によ
る記号
化学成分a),b)
JIS Z 3331:
2002
(参考)
C
O
N
H
Fe
Al
V
Sn
その他
棒
ワイヤ
S Ti 2251
TiPd0.2
0.03
以下
0.03
〜0.10
0.012
以下
0.005
以下
0.08
以下
−
−
−
Pd: 0.12〜
0.25
−
−
S Ti 2251J
TiPd0.2J
0.03
以下
0.10
以下
0.02
以下
0.008
以下
0.20
以下
−
−
−
Pd: 0.12〜
0.25
YTB
270 Pd
YTW
270 Pd
S Ti 2253
TiPd0.06
0.03
以下
0.03
〜0.10
0.012
以下
0.005
以下
0.08
以下
−
−
−
Pd:0.04〜
0.08
−
−
S Ti 2255
TiRu0.1
0.03
以下
0.03
〜0.10
0.012
以下
0.005
以下
0.08
以下
−
−
−
Ru:0.08〜
0.14
−
−
S Ti 2401
TiPd0.2A
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.12
以下
−
−
−
Pd: 0.12〜
0.25
−
−
S Ti 2401J TiPd0.2AJ
0.03
以下
0.15
以下
0.02
以下
0.008
以下
0.20
以下
−
−
−
Pd: 0.12〜
0.25
YTB
340 Pd
YTW
340 Pd
S Ti 2402J TiPd0.2BJ
0.03
以下
0.25
以下
0.02
以下
0.008
以下
0.30
以下
−
−
−
Pd: 0.12〜
0.25
YTB
480 Pd
YTW
480 Pd
S Ti 2403 TiPd0.06A
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.12
以下
−
−
−
Pd: 0.04〜
0.08
−
−
S Ti 2405
TiRu0.1A
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.12
以下
−
−
−
Ru:0.08〜
0.14
−
−
S Ti 3401 TiNi0.7Mo
0.3
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.15
以下
−
−
−
Mo:0.2〜
0.4
Ni:0.6〜
0.9
−
−
S Ti 3416 TiRu0.05Ni
0.5
0.03
以下
0.13
〜0.20
0.02
以下
0.008
以下
0.16
以下
−
−
−
Ru:0.04〜
0.06
Ni:0.4〜
0.6
−
−
S Ti 3423
TiNi0.5
0.03
以下
0.03
〜0.10
0.012
以下
0.005
以下
0.08
以下
−
−
−
Ru:0.04〜
0.06
Ni:0.4〜
0.6
−
−
S Ti 3424
TiNi0.5A
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.12
以下
−
−
−
Ru:0.04〜
0.06
Ni:0.4〜
0.6
−
−
S Ti 3443 TiNi0.45Cr
0.15
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.12
以下
−
−
−
Pd:0.01〜
0.02
Ru:0.02〜
0.04
Cr:0.1〜
0.2
Ni:0.35〜
0.55
−
−
5
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−棒及びワイヤの化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
種類
化学成分
表記によ
る記号
化学成分a),b)
JIS Z 3331:
2002
(参考)
C
O
N
H
Fe
Al
V
Sn
その他
棒
ワイヤ
S Ti 3444
TiNi0.45Cr
0.15A
0.03
以下
0.13
〜0.20
0.02
以下
0.008
以下
0.16
以下
−
−
−
Pd:0.01
〜0.02
Ru:0.02
〜0.04
Cr:0.1〜
0.2
Ni:0.35
〜0.55
−
−
S Ti 3531
TiCo0.5
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.015
以下
0.008
以下
0.12
以下
−
−
−
Pd:0.04
〜0.08
Co:0.20
〜0.80
−
−
S Ti 3533
TiCo0.5A
0.03
以下
0.13
〜0.20
0.02
以下
0.008
以下
0.16
以下
−
−
−
Pd:0.04
〜0.08
Co:0.20
〜0.80
−
−
S Ti 4621 TiAl6Zr4
Mo2Sn2
0.04
以下
0.30
以下
0.015
以下
0.15
以下
0.05
以下
5.50
〜6.50
−
1.80
〜2.20
Zr:3.60
〜4.40
Mo:1.80
〜2.20
Cr:0.25
以下
−
−
S Ti 4810 TiAl8V1
Mo1
0.08
以下
0.12
以下
0.05
以下
0.01
以下
0.30
以下
7.35
〜8.35
0.75
〜1.25
−
Mo:0.75
〜1.25
−
−
S Ti 5112
TiAl5V1S
n1Mo1Zr1
0.03
以下
0.05
〜0.10
0.012
以下
0.008
以下
0.20
以下
4.5
〜5.5
0.6
〜1.4
0.6
〜1.4
Mo:0.6
〜1.2
Zr:0.6〜
1.4
Si :0.06
〜0.14
−
−
S Ti 5250J TiAl5Sn2.
5J
0.10
以下
0.20
以下
0.05
以下
0.020
以下
0.50
以下
4.0
〜6.0
−
2.0
〜3.0
−
YTAB
5250
YTAW
5250
S Ti 6320 TiAl3V2.5
0.03
以下
0.08
〜0.16
0.020
以下
0.008
以下
0.25
以下
2.5
〜3.5
2.0
〜3.0
−
−
−
−
S Ti 6321 TiAl3V2.5
A
0.03
以下
0.06
〜0.12
0.012
以下
0.005
以下
0.20
以下
2.5
〜3.5
2.0
〜3.0
−
−
−
−
S Ti 6321J TiAl3V2.5
AJ
0.05
以下
0.12
以下
0.02
以下
0.012 5
以下
0.30
以下
2.5
〜3.5
2.0
〜3.0
−
−
YTAB
3250
YTAW
3250
S Ti 6324 TiAl3V2.5
Ru
0.03
以下
0.06
〜0.12
0.012
以下
0.005
以下
0.20
以下
2.5
〜3.5
2.0
〜3.0
−
Ru:0.08
〜0.14
−
−
S Ti 6326 TiAl3V2.5
Pd
0.03
以下
0.06
〜0.12
0.012
以下
0.005
以下
0.20
以下
2.5
〜3.5
2.0
〜3.0
−
Pd:0.04
〜0.08
−
−
S Ti 6400
TiAl6V4
0.05
以下
0.12
〜0.20
0.030
以下
0.015
以下
0.22
以下
5.5
〜6.7
3.5
〜4.5
−
−
−
−
6
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−棒及びワイヤの化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
種類
化学成分
表記によ
る記号
化学成分a),b)
JIS Z 3331:
2002
(参考)
C
O
N
H
Fe
Al
V
Sn
その他
棒
ワイヤ
S Ti 6400J TiAl6V4J
0.10
以下
0.20
以下
0.05
以下
0.012 5
以下
0.30
以下
5.50
〜6.75
3.5
〜4.5
−
−
YTAB
6400
YTAW
6400
S Ti 6402
TiAl6V4B
0.03
以下
0.08
以下
0.012
以下
0.005
以下
0.15
以下
5.50
〜6.75
3.50
〜4.50
−
−
−
−
S Ti 6408
TiAl6V4A
0.03
以下
0.03
〜0.11
0.012
以下
0.005
以下
0.20
以下
5.5
〜6.5
3.5
〜4.5
−
−
−
−
S Ti 6408J TiAl6V4AJ
0.08
以下
0.13
以下
0.05
以下
0.012 5
以下
0.25
以下
5.5
〜6.5
3.5
〜4.5
−
−
YTAB
6400E
YTAW
6400E
S Ti 6413 TiAl6V4Ni
0.5Pd
0.05
以下
0.12
〜0.20
0.030
以下
0.015
以下
0.22
以下
5.5
〜6.7
3.5
〜4.5
−
Ni:0.3〜
0.8
Pd:0.04
〜0.08
−
−
S Ti 6414 TiAl6V4Ru
0.03
以下
0.03
〜0.11
0.012
以下
0.005
以下
0.20
以下
5.5
〜6.5
3.5
〜4.5
−
Ru:0.08
〜0.14
−
−
S Ti 6415 TiAl6V4Pd
0.05
以下
0.12
〜0.20
0.030
以下
0.015
以下
0.22
以下
5.5
〜6.7
3.5
〜4.5
−
Pd:0.04
〜0.08
−
−
注a) チタン以外の元素であって,この表で規定しない元素を箇条6の方法で検出した場合又は意図的に添加した場
合は,それらの成分の合計は,0.20 %(質量分率)以下,単独で0.05 %(質量分率)以下でなければならない。
イットリウムは,0.005 %(質量分率)以下でなければならない。
なお,それらの成分は,購入者から特別の要求がない限り,報告する必要はない。
b) 残部の元素は,チタンからなる。
5.3
棒の形状並びに棒・ワイヤの寸法及び許容差
棒の形状並びに棒・ワイヤの寸法及び許容差は,次による。
a) 棒の形状は,丸棒及び角棒とする。
b) 丸棒の寸法及び許容差は,JIS Z 3200による。丸棒の代表的な寸法を,表2に示す。
表2−丸棒の代表的な寸法
単位 mm
径
1.2,1.6,2.0,2.4,3.2
長さ
1 000
c) 角棒は,JIS H 4600などの板材から切り出されたものとし,角棒の切断部の角及び両端に丸みをつけ
なければならない。角棒の寸法及び許容差は,表3による。
7
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−角棒の寸法及び許容差
単位 mm
厚さa)
1.0
2.0
3.0
厚さの許容差
JIS H 4600による。
幅a)
1.0
2.0
3.5
幅の許容差b)
±0.3
±0.5
長さa)
500
長さの許容差
c)
注a) 上記寸法以外の角棒については,受渡当事者間の協
定による。
b) 上記以外の寸法幅における幅の許容差は,受渡当事
者間の協定による。
c) 長さの許容差は,受渡当事者間の協定による。
d) ワイヤの寸法及び許容差は,JIS Z 3200による。
なお,ワイヤの代表的な寸法を,表4に示す。
表4−ワイヤの代表的な寸法
単位 mm
径
0.8,1.0,1.2,1.6,2.0,2.4,3.2
5.4
製品の状態
製品の状態は,JIS Z 3200によるほか,次による。
a) 棒は,単位質量ごとに包装する。単位包装質量は,1 kg,2 kg,3 kg及び5 kgとする。
b) スプール巻きのワイヤの質量は,3 kg,5 kg及び10 kgとする。
c) 上記以外の棒の質量並びにスプール巻きのワイヤの質量及びスプール巻き以外の巻き方のワイヤの質
量は,受渡当事者間の協定による。
6
試験方法
6.1
ロットの決め方
棒及びワイヤのロットの決め方は,JIS Z 3423による。
6.2
化学成分の分析試験方法
化学成分の分析試験方法は,次による。
a) JIS H 0321,JIS H 1611,JIS H 1612,JIS H 1614,JIS H 1617,JIS H 1618,JIS H 1619,JIS H 1620,
JIS H 1621,JIS H 1622,JIS H 1624,JIS H 1630及び/又はJIS H 1631
なお,JISに規定がない化学成分の分析試験方法は,受渡当事者間の協定による。
b) 炭素,酸素,窒素,水素及び鉄の分析は,製品について行わなければならない。
7
検査
検査方法は,次による。
a) 棒及びワイヤの検査項目は,JIS Z 3423に規定する試験スケジュールによる。
8
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 検査は,棒及びワイヤのロットごとに,JIS Z 3423による試験スケジュールに従い,箇条6によって
試験し,該当する箇条5の規定に適合しなければならない。
c) 試験スケジュールに従い,箇条6によって実施した分析試験の結果が,箇条5の規定に適合しなかっ
た場合には,適合しなかった化学成分だけについて倍数の再試験を行い,その試験結果が規定に適合
しなければならない。この場合の再試験は,最初に用いた試料又は新たに採取した試料で行う。
d) 試料の採取を通して正規の手続きを行っていない試験を含み,試験結果が合否の判定に供し得ないよ
うなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかかわらず無効とする。
無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなければならない。
なお,この場合は,c)に規定する再試験の対象とはしない。
8
包装
包装は,JIS Z 3200による。
9
製品の呼び方
棒及びワイヤの製品の呼び方は,化学成分の種類の記号,及び棒又はワイヤの区分並びに丸棒及びワイ
ヤについては径を,また,角棒については厚さ及び幅によるものとし,さらに,棒の場合は長さ,ワイヤ
の場合には質量を追記する。
なお,棒及びワイヤの区分は,棒はBYの記号,ワイヤはWYの記号を用いて表す。製品の呼び方の例
を,次に示す。
なお,例2,例4及び例6に示すように,種類の記号に付随して,化学成分表記による記号を表示して
もよい。
例1 S Ti 6400−BY−3.2(mm)−1 000(mm)
種類 区分 径 長さ
例2 S Ti 6400 (TiAl6V4)− BY −3.2(mm)−1 000(mm)
種類 化学成分表記 区分 径 長さ
例3 S Ti 6400−BY−2.0(mm)×2.0(mm)−500(mm)
種類 区分 厚さ 幅 長さ
例4 S Ti 6400 (TiAl6V4)− BY −2.0(mm)×2.0(mm)−500(mm)
種類 化学成分表記 区分 厚さ 幅 長さ
例5 S Ti 6400−WY−1.2(mm)×5(kg)
種類 区分 径 質量
例6 S Ti 6400 (TiAl6V4) − WY −1.2(mm)×5(kg)
種類 化学成分表記 区分 径 質量
10 表示
表示は,JIS Z 3200の規定による。
棒の種類の表示は,端面に表5に示す彩色を施すか,表1の種類を示す表示を行わなければならない。
なお,表5以外の彩色表示は,受渡当事者間の協定による。
9
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5−棒の彩色表示による識別
種類
端面彩色
S Ti 0100J
赤
S Ti 0120J
黄
S Ti 0125J
青
S Ti 0130J
緑
S Ti 2251J
白
S Ti 2401J
灰
S Ti 2402J
黒
S Ti 5250J
だいだい
S Ti 6321J
桃
S Ti 6400J
茶
S Ti 6408J
紫
10
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
主な適用母材例
表JA.1−棒及びワイヤの種類の主な適用母材例
棒及び
ワイヤ
の種類
主な適用母材
種類
引張
強さa)
MPa
S Ti 0100 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の1種
270〜410
S Ti 0100J
S Ti 0120 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の2種
340〜510
S Ti 0120J
S Ti 0125 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の3種
480〜620
S Ti 0125J
S Ti 0130 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4635, JIS H 4650及びJIS H 4657の4種
550〜750
S Ti 0130J
S Ti 2251 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の11種 270〜410
S Ti 2253 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の17種 240〜380
S Ti 2255 ASTM B 265:2009 Grade 27
−
S Ti 2401 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の12種 340〜510
S Ti 2401J
S Ti 2402J JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の13種 480〜620
S Ti 2403 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の18種 345〜515
S Ti 2405 ASTM B 265:2009 Grade 26, ASTM B 265:2009 Grade 26H
−
S Ti 3401 ASTM B 265:2009 Grade 12
−
S Ti 3416 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の23種 483〜630
S Ti 3423 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の21種 275〜450
S Ti 3424 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の22種 410〜530
S Ti 3443 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の14種 345以上
S Ti 3444 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の15種 450以上
S Ti 3531 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の19種 345〜515
S Ti 3533 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4631, JIS H 4635, JIS H 4650, JIS H 4657及びJIS H 4670の20種 450〜590
S Ti 4621 −
−
S Ti 4810 −
−
S Ti 5112 ASTM B 265:2009 Grade 32
−
S Ti 5250J ASTM B 265:2009 Grade 6
−
S Ti 6320 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4635, JIS H 4650及び JIS H 4657の61種
620以上
S Ti 6321 JIS H 4600, JIS H 4630, JIS H 4635, JIS H 4650及び JIS H 4657の61種
620以上
S Ti 6321J
S Ti 6324 ASTM B 265:2009 Grade 28
−
S Ti 6326 ASTM B 265:2009 Grade 18
−
S Ti 6400 JIS H 4600, JIS H 4650及びJIS H 4657の60種
895以上
S Ti 6400J
S Ti 6402 JIS H 4600, JIS H 4650及びJIS H 4657の60E種
825以上
S Ti 6408 JIS H 4600, JIS H 4650及びJIS H 4657の60E種
825以上
S Ti 6408J
11
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表JA.1−棒及びワイヤの種類の主な適用母材例(続き)
棒及び
ワイヤ
の種類
主な適用母材
種類
引張
強さa)
MPa
S Ti 6413 ASTM B 265:2009 Grade 25
−
S Ti 6414 ASTM B 265:2009 Grade 29
−
S Ti 6415 ASTM B 265:2009 Grade 24
−
注記 この表に記載されていない母材に適用する棒及びワイヤは,母材の化学成分に近いものを選択するのが一般的
である。
注a) 引張強さは,JIS H 4600による。
12
Z 3331:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
チタン母材(JIS H 4600の1種,2種,3種及び4種)における
酸素量とその引張強さとの関係
チタンの棒及びワイヤの種類は,適用する母材と同様に酸素量によって分類されている。その酸素量は,
引張強さと相関がある(図JB.1参照)。
図JB.1−チタン母材における酸素量とその引張強さとの関係a)
注a) 出典“チタン中の酸素・鉄などの元素濃度と引張強さ”
社団法人日本チタン協会技術委員会分科会:チタン Vol.45, No.1(PP.45-50)(平成9年1月)
参考文献 JIS H 4630 チタン及びチタン合金−継目無管
JIS H 4631 熱交換器用チタン管及びチタン合金管
JIS H 4635 チタン及びチタン合金の溶接管
JIS H 4650 チタン及びチタン合金−棒
JIS H 4657 チタン及びチタン合金−鍛造品
JIS H 4670 チタン及びチタン合金−線
ASTM B 265:2009,Standard Specification for Titanium and Titanium Alloy Strip, Sheet, and Plate
附属書JC
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 3331:2011 チタン及びチタン合金溶接用の溶加棒及びソリッドワイヤ
ISO 24034:2005 Welding consumables−Solid wires and rods for fusion welding of
titanium and titanium alloys−Classification及びAmendment 1:2008
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2 引用規
格
3 用語及
び定義
JIS Z 3001-1及びJIS
Z 3001-2を引用
−
−
追加
JISでは,専門用語及び定義の
規格の引用を記載した。
5 品質
5.2 棒及びワイヤの
化学成分
4 (4.2)
(4.3)
追加
JISでは,JIS Z 3331:2002で使
用された化学成分の範囲を追
加し,末尾にJを付随して,表
記することにした。
S Ti 0100,S Ti 0120,S Ti 0125,S
Ti 0130,S Ti 2251などの酸素量下
限値では溶接金属の延性及び靭性
に支障を来す懸念があることによ
って,酸素量下限値を設けていな
いJIS Z 3331:2002の化学成分の範
囲を追加した。
5.3 棒の形状並びに
棒・ワイヤの寸法及
び許容差
8
追加
板材から切り出した角棒を追
加した。
日本の流通事情による。
6 試験方
法
6.2 化学成分の分析
試験方法
6
追加
一部の元素に対して,化学成分
の分析方法を明確にした。
全ての元素に対して,化学成分の
分析方法を明確にする。
9 製品の
呼び方
製品の呼び方を規定
−
−
追加
棒及びワイヤの区分,径並びに
ワイヤの質量を表した。
棒及びワイヤの区分,径並びにワ
イヤの質量を識別するため,設け
た。
10 表示
表示方法を規定
8
追加
11種類の彩色表示を追加し
た。
日本で使用量の多い種類に対し
て,色識別を設けた。
2
Z
3
3
3
1
:
2
0
11
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書JA
(参考)
棒及びワイヤの種
類の主な適用母材
例
−
−
追加
母材の種類を記した。
棒及びワイヤの種類に対する主な
適用母材を明確にするため,設け
た。
附属書JB
(参考)
チタン母材(JIS H
4600の1種,2種,
3種及び4種)にお
ける酸素量とその
引張強さとの関係
−
−
追加
酸素量と引張強さとの関係を
表した。
強度は主として酸素量によって調
整されていることを明確にするた
めに,記載した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 24034:2005,Amd.1:2008,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
Z
3
3
3
1
:
2
0
11
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。