2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 3281-1996
アルミニウム用はんだ
Solders for aluminium and aluminium alloys
1. 適用範囲 この規格は,主としてアルミニウム及びアルミニウム合金並びにこれらと異種金属との接
合に使用するはんだ合金(以下,はんだという。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 2102 アルミニウム地金
JIS H 2107 亜鉛地金
JIS H 2108 すず地金
JIS H 2113 カドミウム地金
2. 種類及び記号 はんだの種類及び記号は,その化学成分によって分類し,表1のとおりとする。
表1 はんだの種類及び記号
合金系
種類
記号
参考値
固相線温度
℃
液相線温度
℃
引張強さ
N/mm2
伸び
%
Zn-Al系
S-Zn95A15
Zn95A15
約382
約382
約170
約 1
Sn-Zn系
S-Sn91Zn9
Sn91Zn9
約198
約198
約 50
約 90
S-Sn85Zn15
Sn85Zn15
約198
約250
約 50
約 75
S-Sn80Zn20
Sn80Zn20
約198
約280
約 50
約 75
Cd-Zn系
S-Cd70Zn30
Cd70Zn30
約266
約292
約130
約 50
S-Cd50Zn50
Cd50Zn50
約266
約326
約130
約 50
S-Zn70Cd30
Zn70Cd30
約266
約350
約130
約 15
S-Zn90Cd10
Zn90Cd10
約266
約395
約120
約 2
3. 品質 品質は,次による。
(1) はんだは,品質が均一で,かつ使用上の欠陥があってはならない。
(2) はんだの化学成分は,表2に適合しなければならない。
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表2 はんだの化学成分
単位%
種類
Sn
Zn
Cd
Al
その他の元素の合計(1)
S-Zn95A15
−
94〜96
−
4〜6
0.3以下
S-Sn91Zn9
90〜92 8〜10
−
−
0.3以下
S-Sn85Zn15
84〜86 14〜16
−
−
0.3以下
S-Sn80Zn20
79〜81 19〜21
−
−
0.3以下
S-Cd70Zn30
−
29〜31 69〜71
−
0.3以下
S-Cd50Zn50
−
49〜51 49〜51
−
0.3以下
S-Zn70Cd30
−
69〜71 29〜31
−
0.3以下
S-Zn90Cd10
−
89〜91 9〜11
−
0.3以下
注(1) その他の元素とは,合金系に規定された2元素以外の元素をいう。
(3) はんだ中の不純物 はんだ中には,はんだ付性に悪影響を及ぼすような不純物を含有していてはなら
ない。はんだ地金は,表3に示す品質の地金又はそれと同等以上の品質のものを用い,溶解及び鋳造
の際には,不純物が混入しないように,るつぼ,かくはん棒,鋳型などに注意する。
表3 はんだ地金
地金
種類
参考
純度%
アルミニウム
JIS H 2102
特1種
99.90以上
特2種
99.85以上
1種
99.70以上
亜鉛
JIS H 2107
特殊亜鉛地金
99.99以上
普通亜鉛地金
99.97以上
すず
JIS H 2108
1種A
99.90以上
1種B
99.90以上
カドミウム
JIS H 2113
カドミウム地金1種 99.99以上
カドミウム地金2種 99.96以上
4. 形状及び寸法 形状及び寸法は,次による。
(1) 形状は,塊状,棒状,帯状及び線状とし,塊状はI,棒状はB,帯状はR,線状はWで表す。
(2) 線状のはんだの寸法及び許容差は,表4による。
また,表4に示す以外の径及び一巻きの質量は,受渡当事者間の協定による。
表4 線状のはんだの寸法及び許容差
単位mm
径
許容差
1.6
±0.1
2.0
3.0
4.0
(3) 塊状,棒状及び帯状のはんだの寸法及び質量は,受渡当事者間の協定による。
(4) 帯状及び線状のはんだは,受渡当事者間の協定によってコイル巻きにすることができる。
5. 化学分析試験 化学分析試験は,受渡当事者間の協定による。ただし,不純物の分析は省略できる。
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6. 検査 検査は,次による。
(1) 検査の一般事項は,JIS H 0321による。
(2) はんだの品質,形状及び寸法は,3.及び4.の規定に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間
の協定によって化学分析試験を省略することができる。
7. 製品の呼び方 製品の呼び方は,はんだの記号,形状及び径(棒状及び帯状の場合は幅)による。
例
8. 表示 表示は,次による。
(1) はんだは,その包装には,次の事項を表示しなければならない。
(a) 記号
(b) 形状及び寸法
(c) 正味質量
(d) 製造業者名又はその略号
(e) 製造年月又はその記号
(f) 製造番号又はロット番号
(2) 塊状及び棒状の場合は,製品の適当な箇所に記号及び製造業者名又はその略号を表示しなければなら
ない。
(3) はんだを一定量まとめて結束する又はダンボール箱等に入れる場合には,その一束及び容器の適当な
箇所に(1)に記載する事項を表示しなければならない。
(4) カドミウムを含有するはんだの包装には,その旨を明示し,その取扱い及び廃棄についての注意を表
示しなければならない。
関連規格:ISO 3677 : 1992 Filler metal for soft soldering, brazing and braze welding−Designation
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アルミニウム用はんだ改正原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
堀 茂 徳
帝京大学工学部
天 野 徹
工業技術院標準部
後 藤 敬 一
通商産業省基礎産業局
竹 本 正
大阪大学溶接工学研究所
須 藤 作 幸
財団法人建材試験センター
澤 村 貞
日本アルミット株式会社マイクロ接合研究所
茶 木 英 雄
株式会社ニホンゲンマ技術部
稲 林 芳 人
古河電気工業株式会社メタル総合研究所
板 垣 武 志
三菱アルミニウム株式会社技術開発センター
田 口 稔 孫
千住金属工業株式会社テクニカルセンター
西 出 律
内橋エステック株式会社技術部
青 山 芳 夫
日本酸素株式会社プラント事業本部
正 路 美 房
住友軽金属工業株式会社技術研究所
竹 中 修
日本電装株式会社生産技術開発部
納 康 弘
昭和アルミニウム株式会社技術研究所
小笠原 明 徳
日本軽金属株式会社熱交事業部
瀧 川 淳
神鋼アルコア輸送機材株式会社技術開発部
堀 田 東 男
社団法人軽金属溶接構造協会