Z 3267 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS Z 3267-1986は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に抵触
する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,このような技術的性質を
もつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認に
ついて,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 3267 : 1998
パラジウムろう
Palladium brazing filler metals
序文 この規格は,JIS Z 3267-1986(パラジウムろう)を元に,1992年に第2版として発行されたISO 3677,
Filler metal for soft soldering, brazing and braze welding−Designationを取り入れて改正した日本工業規格であ
る。従来からのJISの規定事項に加えて,ISO 3677で規定している“種類の呼び方及び記号”についてそ
の技術的内容を変更することなく採用し,整合化を図った。
1. 適用範囲 この規格は,ろう付けに使用するパラジウムろう(以下,ろうという。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの規格は,その最新版を適用する。
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS Z 3900 貴金属ろうのサンプリング方法
JIS Z 3906 パラジウムろう分析方法
3. 種類 ろうの種類は,化学成分によって,表1のとおり13種類に分類する。
表1 種類
種類
化学成分 (mass%)
温度(参考)
℃
記号A
記号B(1)
Pd
Ag
Cu
Mn
Ni
その他の
元素(2)
合計
固相線 液相線 ろう付温度
BPd-1
B-Ag68CuPd-805/810
4.5〜 5.5 68.0〜69.0 残部
−
−
0.15以下 約 805 約 810 810〜900
BPd-2
B-Ag58CuPd-825/850
9.5〜10.5 58.0〜59.0 残部
−
−
0.15以下 約 825 約 850 850〜950
BPd-3
B-Ag67CuPd-830/860
9.5〜10.5 67.0〜68.0 残部
−
−
0.15以下 約 830 約 860 860〜950
BPd-4
B-Ag65CuPd-850/900
14.5〜15.5 64.5〜65.5 残部
−
−
0.15以下 約 850 約 900 900〜1 000
BPd-5
B-Ag52CuPd-875/900
19.5〜20.5 51.5〜52.5 残部
−
−
0.15以下 約 875 約 900 900〜1 000
BPd-6
B-Ag54PdCu-900/950
24.5〜25.5 53.5〜54.5 残部
−
−
0.15以下 約 900 約 950 950〜1 050
BPd-7
B-Ag95Pd-970/1010
4.5〜 5.5
残部
−
−
−
0.15以下 約 970 約1 010 1 010〜1 100
BPd-8
B-Cu82Pd-1080/1090
17.5〜18.5
−
残部
−
−
0.15以下 約1 080 約1 090 1 090〜1 200
BPd-9
B-Ag75PdMn-1000/1120
19.5〜20.5
残部
−
4.5〜5.5
−
0.30以下 約1 000 約1 120 1 120〜1 200
BPd-10
B-Ag64PdMn-1180/1200
32.5〜33.5
残部
−
2.5〜3.5
−
0.30以下 約1 180 約1 200 1 200〜1 300
BPd-11
B-Ni48MnPd-1120
20.5〜21.5
−
− 30.5〜31.5
残部
0.30以下 約1 120 約1 120 1 120〜1 200
BPd-12
B-Cu55PdNiMn-1060/1110
19.5〜20.5
−
残部 9.5〜10.5 14.5〜15.5 0.30以下 約1 060 約1 110 1 110〜1 200
BPd-14
B-Pd60Ni-1235
59.5〜60.5
−
−
−
残部
0.30以下 約1 235 約1 235 1 235〜1 320
注(1) 記号Bは,ISO 3677による規定で,ろうの記号の表示方法(表示の中にろうの基本成分,化学成分,固相
線温度,液相線温度を記載)である。
(2) その他の元素とは,Pbなどをいう。
4. 品質 品質は,次による。
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a) ろうは,品質が均一で,使用上有害な欠陥があってはならない。
b) ろうの化学成分は,6.の方法によって試験を行ったとき,表1に適合しなければならない。
5. 形状,寸法及び許容差 形状,寸法及び許容差は,次による。
a) ろうの形状は,帯状,線状,棒状,粒状,粉末状及びプリホームとし,帯状はR,線状はW,棒状は
B,粒状,粉末状はP,プリホームはFで表す。
b) ろうの寸法及びその許容差は,受渡当事者間の協定による。
6. 化学分析試験 ろうの化学分析試験は,JIS Z 3906による。ただし,表1のその他の元素に関しては
受渡当事者間の協定による。
7. 検査 検査は,次による。
a) ろうは,品質,形状及び寸法が4.及び5.の規定に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の
協定によって化学分析試験の一部を省略することができる。
b) その他の一般事項は,JIS H 0321及びJIS Z 3900による。
8. 包装 ろうは,輸送中及び貯蔵中に起こる汚染又は損傷を防ぐために,適切な包装をしなければなら
ない。
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,ろうの種類(記号),形状及び寸法(帯状は厚さ及び幅線状は径,粒
状及び粉末状は粒度)による。また,プリホームは,受渡当事者間の協定による。
例
10. 表示
10.1 ろうには,その包装ごとに次の事項を明確に表示しなければならない。
a) 種類(記号A及び/又は記号Bによる表示とする。)
b) 形状・寸法
c) 質量(正味質量)
d) 製造番号
e) 製造年月又はその略号
f)
製造業者名又はその略号
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10.2 包装には,ろうの使用に際して発生するヒューム,金属アレルギーなどに対する注意を表示しなけ
ればならない。
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JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
有 賀 正
東海大学工学部
(幹事)
柏 木 孝 三
田中貴金属工業株式会社
(委員)
恩 澤 忠 男
東京工業大学工学部
林 明 夫
通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会
雀 部 謙
科学技術庁金属材料技術研究所
乾 昌 弘
乾庄貴金属化工株式会社
米 谷 宗 捷
橋本貴金属工業株式会社
藤 本 潤
石福金属興業株式会社
堀 仁
水野ハンディーハーマン株式会社
渡 辺 治
株式会社徳力本店
松 忠 男
東京ブレイズ株式会社
堀 泰 治
東神物流株式会社
布 施 俊 明
株式会社東芝重電技術研究所
服 巻 孝
株式会社日立製作所日立研究所
山 下 満 夫
富士重工業株式会社生産技術研究所
和 田 宏 一
三菱重工業株式会社技術本部
(事務局)
池 原 平 晋
社団法人日本溶接協会