Z 3262 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS Z 3262-1986は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に抵触
する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,このような技術的性質を
もつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認に
ついて,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 3262 : 1998
銅及び銅合金ろう
Copper and copper alloy brazing filler metals
序文 この規格は,JIS Z 3262-1986(銅及び黄銅ろう)を基に,1992年に第2版として発行されたISO 3677
(Filler metal for soft soldering, brazing and braze welding−Designation) を取り入れて改正した日本工業規格で
ある。従来からのJISの規定事項に加えて,ISO 3677で規定している“種類の呼び方及び記号”を取り入
れて,その技術的内容を変更することなく採用し,整合を図った。
1. 適用範囲 この規格は,ろう付けに使用する銅及び銅合金ろう(以下,ろうという。)について規定す
る。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの規格は,その最新版を適用する。
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS Z 3902 黄銅ろう分析方法
3. 種類
a) ろうの種類は,化学成分によって,表1のとおり9種類に分類する。
表1 種類
種類
化学成分 (mass%)
温度(参考)
℃
記号A
記号B(1)
Cu
Zn
Sn
Ni
Mn
P
Si
その他の
元素(2)
合計
固相線 液相線 ろう付温度
BCu-1
B−Cu100-1083
99.99以上 −
−
−
−
−
−
0.10以下 約1 083 約1 0831 095 〜1 150
BCu-1A B−Cu99-1083
99.00以上 −
−
−
−
−
−
0.30以下 約1 083 約1 0831 095 〜1 150
BCu-2(2) B−Cu87-1083
86.50以上 −
−
−
−
−
−
0.50以下 約1 083 約1 0831 095 〜1 150
BCu-3
B−Cu94Sn (P) -910/1040
残部
−
5.5〜7.0
−
−
0.01〜0.40
−
0.50以下 約 910 約1 0401 040 〜1 100
BCu-4
B−Cu88Sn (P) -825/990
残部
− 11.0〜13.0
−
−
0.01〜0.40
−
0.50以下 約 825 約 990 990 〜1 050
BCu-5
B−Cu60Zn-900/905
58.0〜62.0 残部
−
−
−
−
0.2〜0.4 0.50以下 約 900 約 905905 〜 955
BCu-6
B−Cu59ZnSn-890/900
57.0〜61.0 残部 0.25〜1.0
−
−
−
0.2〜0.4 0.50以下 約 890 約 900900 〜 955
BCu-7
B−Cu59ZnSnNi (Mn, Si) 870/890 56.0〜62.0 残部 0.5〜1.5
0.5〜1.5 0.2〜1.0
−
0.1〜0.5 0.50以下 約 870 約 890890 〜 955
BCu-8
B−Cu48ZnNi (Si) 890/920
46.0〜50.0 残部 0.2以下
8.0〜11.0 0.2以下
−
0.15〜0.5 0.50以下 約 890 約 920920 〜 980
注(1) 記号Bは,ISO 3677による規定で,ろうの記号の表示方法(表示の中にろうの基本成分,化学成分,固相線温度,
液相線温度を記載)である。
(2) 主成分は,酸化銅で混練されている有機物バインダは除く。
b) その他,不純物合計BCu-10.10%以下,BCu-1A 0.30%以下,BCu-2〜8 0.50%以下,不純物合計にはPb,
Alなどを含む。
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Z 3262 : 1998
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4. 品質 品質は,次による。
a) ろうは,品質が均一で,使用上有害な欠陥があってはならない。
b) ろうの化学成分は,6.の方法によって試験を行ったとき,表1に適合しなければならない。
5. 形状,寸法及び許容差 形状,寸法及び許容差は,次による。
a) ろうの形状は,帯状,線状,棒状,粒状,粉末状及びプリホームとし,帯状はR,線状はW,棒状は
B,粒状,粉末状はP,プリホームはFで表す。
b) ろうの寸法及び許容差は,受渡当事者間の協定による。
6. 化学分析試験 ろうの化学分析試験は,JIS Z 3902による。ただし,3.b)のその他の元素合計に関して
は受渡当事者間の協定による。
7. 検査 検査は,次による。
a) ろうは,品質,形状及び寸法が4.及び5.の規定に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の
協定によって化学分析試験の一部を省略することができる。
b) その他の一般事項は,JIS H 0321による。
8. 包装 ろうは,輸送中及び貯蔵中に起こる汚染又は損傷を防ぐために,適切な包装をしなければなら
ない。
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,ろうの種類(記号),形状及び寸法(帯状は厚さ及び幅,線状は径,
棒状は径及び長さ,粒状及び粉末状は粒度)による。
また,プリホームは,受渡当事者間の協定による。
例
10. 表示
10.1 ろうには,その包装ごとに次の事項を明確に表示しなければならない。
a) 種類(記号A及び/又は記号Bによる表示とする。)
b) 形状及び寸法
c) 質量(正味質量)
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Z 3262 : 1998
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d) 製造番号
e) 製造年月又はその略号
f)
製造業者名又はその略号
10.2 包装には,ろうの使用に際して発生するヒューム,金属アレルギーに対する注意を表示しなければ
ならない。
JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
有 賀 正
東海大学工学部
(幹事)
柏 木 孝 三
田中貴金属工業株式会社素材加工セクション
(委員)
恩 澤 忠 男
東京工業大学工学部
林 明 夫
通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会技術部
雀 部 謙
金属材料技術研究所
乾 昌 弘
乾庄貴金属化工株式会社
米 谷 宗 捷
橋本貴金属工業株式会社技術開発室
藤 本 潤
石福金属興業株式会社生産管理部
堀 仁
水野ハンディーハーマン株式会社工業製品本部
渡 辺 治
株式会社徳力本店
松 忠 男
東京ブレイズ株式会社
堀 泰 治
東神物流株式会社販売部
布 施 俊 明
株式会社東芝重電技術研究所
服 巻 孝
株式会社日立製作所日立研究所
山 下 満 夫
富士重工業株式会社生産技術研究所
和 田 宏 一
三菱重工業株式会社技術本部
(事務局)
池 原 平 晋
社団法人日本溶接協会