サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

Z 3261: 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS Z 3261-1985は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に抵触

する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,このような技術的性質を

もつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認に

ついて,責任はもたない。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 3261: 1998 

銀ろう 

Silver brazing filler metals 

序文 この規格は,JIS Z 3261-1985(銀ろう)を基に,1992年に第2版として発行されたISO 3677 (Filler 

metal for soft soldering, brazing and braze welding−Designation) を取り入れて改正した日本工業規格である。

従来からのJISの規定事項に加えて,ISO 3677で規定している“種類の呼び方及び記号”について,その

技術的内容を変更することなく採用し,整合化を図った。 

1. 適用範囲 この規格は,ろう付けに使用する銀ろう(以下,ろうという。)について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ

れらの規格はその最新版を適用する。 

JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則 

JIS Z 3900 貴金属ろうのサンプリング方法 

JIS Z 3901 銀ろう分析方法 

3. 種類 ろうは化学成分によって,表1のとおり17種類に分類する。 

background image

Z 3261: 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 種類 

種類 

化学成分 (mass %) 

温度(参考) 

℃ 

記号A 

記号B(1) 

Ag 

Cu 

Zn 

Cd 

Ni 

Sn 

Li 

その他の元

素(2)合計 

固相線 液相線 ろう付温度 

BAg-1 

B−Ag45CdZnCu−605/620 44.0〜46.0 14.0〜16.0 14.0〜18.0 23.0〜25.0 

− 

− 

− 

0.15以下 約605 約620 620〜760 

BAg-1A B−Ag50CdZnCu−625/635 49.0〜51.0 14.5〜16.5 14.5〜18.5 17.0〜19.0 

− 

− 

− 

0.15以下 約625 約635 635〜760 

BAg-2 

B−Ag35CuZnCd−605/700 34.0〜36.0 25.0〜27.0 19.0〜23.0 17.0〜19.0 

− 

− 

− 

0.15以下 約605 約700 700〜845 

BAg-3 

B−Ag50CdZnCuNi−630/660 49.0〜51.0 14.5〜16.5 13.5〜17.5 15.0〜17.0 2.5〜3.5 

− 

− 

0.15以下 約630 約690 690〜815 

BAg-4 

B−Ag40CuZnNi−670/780 39.0〜41.0 29.0〜31.0 26.0〜30.0 

− 

1.5〜2.5 

− 

− 

0.15以下 約670 約780 780〜900 

BAg-5 

B−Ag45CuZn−665/745 44.0〜46.0 29.0〜31.0 23.0〜27.0 

− 

− 

− 

− 

0.15以下 約665 約745 745〜845 

BAg-6 

B−Ag50CuZn−690/775 49.0〜51.0 33.0〜35.0 14.0〜18.0 

− 

− 

− 

− 

0.15以下 約690 約775 775〜870 

BAg-7 

B−Ag56CuZnSn−620/650 55.0〜57.0 21.0〜23.0 15.0〜19.0 

− 

− 

4.5〜5.5 

− 

0.15以下 約620 約650 650〜760 

BAg-7A B−Ag45CuZnSn−640/680 44.0〜46.0 26.0〜28.0 23.0〜27.0 

− 

− 

2.5〜3.5 

− 

0.15以下 約640 約680 680〜770 

BAg-7B B−Cu36AgZnSn−630/730 33.0〜35.0 35.0〜37.0 25.0〜29.0 

− 

− 

2.5〜3.5 

− 

0.15以下 約630 約730 730〜820 

BAg-8 

B−Ag72Cu−780 

71.0〜73.0 

残部 

− 

− 

− 

− 

− 

0.15以下 約780 約780 780〜900 

BAg-8A B−Ag72Cu (Li) −770 

71.0〜73.0 

残部 

− 

− 

− 

− 

0.25〜0.50 0.15以下 約770 約770 770〜870 

BAg-8B B−Ag60CuSn−600/720  59.0〜61.0 

残部 

− 

− 

− 

9.5〜10.5 

− 

0.15以下 約600 約720 720〜840 

BAg-20 

B−Cu38ZnAg−675/765 29.0〜31.0 37.0〜39.0 30.0〜34.0 

− 

− 

− 

− 

0.15以下 約675 約765 765〜870 

BAg-20A B−Cu41ZnAg−700/800 24.0〜26.0 40.0〜42.0 33.0〜35.0 

− 

− 

− 

− 

0.15以下 約700 約800 800〜890 

BAg-21 

B−Ag63CuSnNi−690/800 62.0〜64.0 27.5〜29.5 

− 

− 

2.0〜3.0 5.0〜7.0 

− 

0.15以下 約690 約800 800〜900 

BAg-24 

B−Ag50ZnCuNi−660/705 49.0〜50.0 19.0〜21.0 26.0〜30.0 

− 

1.5〜2.5 

− 

− 

0.15以下 約660 約705 705〜800 

注(1) 記号Bは,ISO 3677による規定で,ろうの記号の表示方法(表示の中にろうの基本成分,化学成分,固相線温

度,液相線温度を記載)である。 

(2) その他の元素とは,Pb, Feなどをいう。 

4. 品質 品質は,次による。 

a) ろうは,品質が均一で,使用上有害な欠陥があってはならない。 

b) ろうの化学成分は,6.の方法によって試験を行ったとき,表1に適合しなければならない。 

5. 形状,寸法及び許容差 形状,寸法及び許容差は,次による。 

a) ろうの形状は,帯状,線状,棒状,粒状,粉末状及びプリホームとし,帯状はR,線状はW,棒状は

B,粒状,粉末状はP,プリホームはFで表す。 

b) 帯状のろうの寸法及び許容差は,受渡当事者間の協定による。 

c) 線状及び棒状のろうの径の許容差は,1.0mm〜5.0mmは±3%とする。これ以外の径及びその許容差に

ついては受渡当事者間の協定による。 

d) 棒状のろうの長さは1 000mmの場合許容差は±0.5%とする。それ以外は受渡当事者間の協定による。 

e) 帯状及び線状のろうは,受渡当事者間の協定によって,長いままコイル巻きにすることができる。 

f) 

粒状,粉末状及びプリホームのろうの寸法並びに許容差は,受渡当事者間の協定による。 

6. 化学分析試験 ろうの化学分析試験は,JIS Z 3901による。ただし,表1のその他の元素に関しては

受渡当事者間の協定による。 

7. 検査 検査は,次による。 

a) ろうは,品質,形状及び寸法が,4.及び5.の規定に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間

background image

Z 3261: 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

の協定によって化学分析試験の一部を省略することができる。 

b) その他の一般事項は,JIS H 0321及びJIS Z 3900による。 

8. 包装 ろうは,輸送中及び貯蔵中に起こる汚染又は損傷を防ぐために,適切な包装をしなければなら

ない。 

9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,ろうの種類(記号),形状及び寸法(帯状は厚さ及び幅,線状は径,

棒状は径及び長さ,粒状及び粉末状は粒度)による。 

また,プリホームは,受渡当事者間の協定による。 

例 

10. 表示 

10.1 ろうには,その包装ごとに次の事項を明確に表示しなければならない。 

a) 種類(記号A及び/又は記号Bによる表示とする。) 

b) 形状及び寸法 

c) 質量(正味質量) 

d) 製造番号 

e) 製造年月又はその略号 

f) 

製造業者名又はその略号 

10.2 包装には,ろうの使用に際して発生する亜鉛,カドミウムのヒューム,金属アレルギーに対する注

意を表示しなければならない。 

Z 3261: 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

有 賀   正 

東海大学工学部 

(幹事) 

柏 木 孝 三 

田中貴金属工業株式会社素材加工セクション 

(委員) 

恩 澤 忠 男 

東京工業大学工学部 

林   明 夫 

通商産業省基礎産業局 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会技術部 

雀 部   謙 

金属材料技術研究所 

乾   昌 弘 

乾庄貴金属化工株式会社 

米 谷 宗 捷 

橋本貴金属工業株式会社技術開発室 

藤 本   潤 

石福金属興業株式会社生産管理部 

堀     仁 

水野ハンディーハーマン株式会社工業製品本部 

渡 辺   治 

株式会社徳力本店 

松   忠 男 

東京ブレイズ株式会社 

堀   泰 治 

東神物流株式会社販売部 

布 施 俊 明 

株式会社東芝重電技術研究所 

服 巻   孝 

株式会社日立製作所日立研究所 

山 下 満 夫 

富士重工業株式会社生産技術研究所 

和 田 宏 一 

三菱重工業株式会社技術本部 

(事務局) 

池 原 平 晋 

社団法人日本溶接協会