Z 3253:2011
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類······························································································································· 2
5 種類の記号の付け方 ·········································································································· 4
6 品質······························································································································· 5
7 試験方法························································································································· 5
7.1 一般事項 ······················································································································ 5
7.2 数値の丸め方 ················································································································ 6
7.3 試料の採取方法 ············································································································· 6
7.4 純度及び水分の試験方法 ································································································· 6
7.5 混合ガスの濃度の試験方法 ······························································································ 6
7.6 再試験 ························································································································· 7
8 容器······························································································································· 7
9 表示······························································································································· 7
附属書A(規定)シールドガス組成のガスの性質 ······································································· 8
附属書JA(参考)露点から水分を求める方法 ············································································ 9
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本溶接
協会(JWES)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 3253:2003は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
Z 3253:2011
溶接及び熱切断用シールドガス
Shielding gases for fusion welding and thermal cutting
序文
この規格は,2008年に第2版として発行されたISO 14175を基に,対応する部分(種類及び品質)につ
いては対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際
規格には規定されていない規定項目(試験方法,容器及び表示)を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所及び附属書JAは,対応国際規格にはない事項
である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,次のシールドガス,作動ガス及びアシストガス(以下,シールドガスという。)について規
定する。ただし,溶接・熱切断に使用する燃料ガス,溶射に使用するガス,レーザ発振用ガス,プラズマ
切断及びレーザ切断に使用する空気を除く。
a) ガスシールドアーク溶接に使用するシールドガス
b) プラズマ溶接に使用する作動ガス及びシールドガス
c) プラズマ切断に使用する作動ガス及びアシストガス
d) レーザ溶接に使用するシールドガス
e) レーザ切断に使用するアシストガス
f)
アークろう付に使用するシールドガス
g) レーザろう付に使用するシールドガス
h) バックシールドに使用するシールドガス
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14175:2008,Welding consumables−Gases and gas mixtures for fusion welding and allied
processes(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則
2
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JIS K 0225 希釈ガス及びゼロガス中の微量成分測定方法
JIS K 0512 水素
JIS K 1101 酸素
JIS K 1106 液化二酸化炭素(液化炭酸ガス)
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般
JIS Z 3001-2 溶接用語−第2部:溶接方法
JIS Z 3001-3 溶接用語−第3部:ろう接
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-1,JIS Z 3001-2及びJIS Z 3001-3によるほか,次に
よる。
3.1
燃料ガス
ガス切断において予熱炎の燃料となるガス。
注記 代表的なものは,アセチレン,プロパン,エチレン,天然ガスなど。
3.2
レーザ発振用ガス
ガスレーザにおいて動作媒質となるガス。
注記 代表的なものは,炭酸ガスレーザに使用される炭酸ガスなどの混合ガス。
3.3
アシストガス
プラズマ切断及びレーザ切断において,主に溶融又は昇華した材料を除去するために用いるガス。
3.4
公称濃度(nominal value)
製造業者又は供給業者が提示した組成及び混合比(又は濃度)。
4
種類
シールドガスの種類は,シールドガスの組成及び反応挙動によって区分し,表1による。
3
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表1−シールドガスの種類
単位 %(体積分率)
種類
組成 a)
主な適用例
溶接中の
反応挙動
大分類 小分類
酸化性
不活性
還元性
低反応性 b)
炭酸ガス
酸素
アルゴン ヘリウム
水素
窒素
I
1
−
−
100
−
−
−
ミグ溶接,ティグ
溶接,プラズマ溶
接,レーザ溶接,
レーザ切断及びバ
ックシールド
不活性
2
−
−
−
100
−
−
3
−
−
残部
0.5以上
95以下
−
−
M1
1
0.5以上
5以下
−
残部
−
0.5以上
5以下
−
マグ溶接
弱酸化性
2
0.5以上
5以下
−
残部
−
−
−
3
−
0.5以上
3以下
残部
−
−
−
4
0.5以上
5以下
0.5以上
3以下
残部
−
−
−
M2
0
5を超え
15以下
−
残部
−
−
−
マグ溶接及びレー
ザ溶接
強酸化性
1
15を超え
25以下
−
残部
−
−
−
2
−
3を超え
10以下
残部
−
−
−
3
0.5以上
5以下
3を超え
10以下
残部
−
−
−
4
5を超え
15以下
0.5以上
3以下
残部
−
−
−
5
5を超え
15以下
3を超え
10以下
残部
−
−
−
6
15を超え
25以下
0.5以上
3以下
残部
−
−
−
7
15を超え
25以下
3を超え
10以下
残部
−
−
−
M3
1
25を超え
50以下
−
残部
−
−
−
マグ溶接
2
−
10を超え
15以下
残部
−
−
−
3
25を超え
50以下
2を超え
10以下
残部
−
−
−
4
5を超え
25以下
10を超え
15以下
残部
−
−
−
5
25を超え
50以下
10を超え
15以下
残部
−
−
−
C
1
100
−
−
−
−
−
マグ溶接
2
残部
0.5以上
30以下
−
−
−
−
4
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表1−シールドガスの種類(続き)
単位 %(体積分率)
種類
組成 a)
主な適用例
溶接中の
反応挙動
大分類 小分類
酸化性
不活性
還元性
低反応性 b)
炭酸ガス
酸素
アルゴン ヘリウム
水素
窒素
R
1
−
−
残部
−
0.5以上
15以下
−
ティグ溶接,
プラズマ溶接,プ
ラズマ切断及びバ
ックシールド
還元性
2
−
−
残部
−
15を超え
50以下
−
N
1
−
−
−
−
−
100
レーザ溶接,プラ
ズマ切断,レーザ
切断及びバックシ
ールド
低反応性
b)
2
−
−
残部
−
−
0.5以上
5以下
3
−
−
残部
−
−
5を超え
50以下
4
−
−
残部
−
0.5以上
10以下
0.5以上
5以下
還元性
5
−
−
−
−
0.5以上
50以下
残部
O
1
−
100
−
−
−
−
プラズマ切断及び
レーザ切断
強酸化性
Z
−
注記 種類の大分類の記号は,次のことを意味する。
I:不活性ガス又は不活性混合ガス
M1,M2,M3:不活性ガスに炭酸ガス及び/又は酸素を含む酸化性混合ガス
C:炭酸ガス又は炭酸ガスに酸素を含む強酸化性混合ガス
R:不活性ガスに水素を含む還元性混合ガス
N:窒素(低反応性ガス)又は組成に窒素を含む混合ガス
O:酸素
Z:この表に示す以外のガス成分を含む混合ガス,及び/又はこの表に示す濃度範囲を超えた混合ガス
注a) シールドガス組成のガスの性質は,附属書Aに示す。
b) 低反応性(low reactivity)とは,通常は反応しないが材料によってある条件で反応する窒素の性質をいう。
5
種類の記号の付け方
種類の記号の付け方は,次による。
a) 種類の記号は,大分類と小分類との組合せで構成し,種類の記号の付け方は,次の例による。
例1 30 %(体積分率)ヘリウムと残部がアルゴンである混合ガスの場合
I 3
小分類
大分類
例2 10 %(体積分率)炭酸ガス,3 %(体積分率)酸素と残部がアルゴンである混合ガスの場合
M2 4
小分類
大分類
b) 大分類M1,M2,M3,R及びN(ただし,小分類N1及びN5を除く。)については,アルゴンをヘリ
ウムに置換できるが,混合ガス中のヘリウム濃度は95 %(体積分率)以下とする。その場合は,表2
の付加番号を付けるものとする(例3参照)。
5
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表2−アルゴンをヘリウムに置換した場合の付加番号
単位 %(体積分率)
付加番号
ヘリウム含有量
(1)
0を超え 33以下
(2)
33を超え 66以下
(3)
66を超え 95以下
例3 アルゴンに20 %(体積分率)炭酸ガスを含み,更に25 %(体積分率)ヘリウムを含む混合ガ
スの場合
M2 1 (1)
付加番号
小分類
大分類
6
品質
シールドガスの品質は,次による。
a) シールドガスの混合ガス濃度の許容差 シールドガスの混合ガス濃度の許容差は,表3による。
表3−混合ガス濃度の許容差
単位 %(体積分率)
混合ガス濃度
許容差
5を超え 50以下
±(公称濃度×0.10)
1以上 5以下
±0.5
1未満
規定しない
b) シールドガスの純度及び水分 シールドガスの純度及び水分は,7.4の方法によって試験を行ったと
き,表4に適合しなければならない。ただし,大分類Zについては,受渡当事者間の協定による。
表4−シールドガスの純度及び水分
大分類
純度
%(体積分率)
水分
ppm(体積分率)
I
99.99以上
40以下
M1
99.9以上
40以下
M2
99.9以上
80以下
M3
99.9以上
120以下
C a)
99.8以上
120以下
R
99.95以上
40以下
N
99.9以上
40以下
O
99.5以上
40以下
注記1 シールドガスの水分と 0.101 MPaでの露点との関係は,附属書
JAに示す。
注記2 特殊な溶接用途においては,酸化及び汚染を防止する目的でこの
表より高い純度及び/又は低い水分が推奨されることがある。
注a) 窒素分は,1 000 ppm(体積分率)以下でなければならない。
7
試験方法
7.1
一般事項
試験について共通する一般事項は,JIS K 0050による。
6
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7.2
数値の丸め方
数値の丸め方は,JIS Z 8401による。
7.3
試料の採取方法
試料の採取方法は,シールドガスの種類及び状態によって,次による。
a) 液化炭酸ガス 試料は,容器又は貯槽内の液相部分から採取し,蒸発器などを通じて大気圧で室温に
する。容器がサイホン付きの場合は立てて,また,サイホンのない場合は逆さにして,通常,ヒータ
付き減圧弁(調整器)を取り付け,減圧,ガス化して大気圧で室温にする。減圧弁から検査器への接
続には,金属管又はガス透過性の小さい樹脂製ホースを用いる。
b) 液化ガス(液化炭酸ガスを除く。) 試料は,容器又は貯槽内の液相部分から採取し,蒸発器などを通
じて大気圧にする。検査器への接続には,金属管又はガス透過性の小さい樹脂製ホースを用いる。
c) 圧縮ガス 試料は,減圧して大気圧で室温にする。検査器への接続には,金属管又はガス透過性の小
さい樹脂製ホースを用いる。
7.4
純度及び水分の試験方法
7.4.1
シールドガスの純度の試験
シールドガスの純度の試験は,シールドガスの種類によって,次による。ただし,大分類Zについては,
受渡当事者間の協定による。
a) 大分類O以外のシールドガスの純度の試験は,7.5のa)及びb)による。純度は,次の式によって算出
する。
[
]
N
O
100
I
I
P
+
−
=
1)
ここに,
P: 純度 %(体積分率)
IO: 不純物として含まれる酸素 %(体積分率)
IN: 不純物として含まれる窒素 %(体積分率)
注1) 酸素及び窒素が組成として含まれる混合ガスにおいては,不純物
に含めない。
b) 大分類Oのシールドガスの純度の試験は,JIS K 1101の4.3.1(磁気式分析法)又は4.3.2(銅アンモ
ニア法)のいずれかの方法による。
7.4.2
シールドガスの水分の試験
シールドガスの水分の試験は,JIS K 0225の11.1(静電容量式水分計を用いる方法)に規定する静電容
量式水分計による。ただし,表1の種類C1についての水分の試験は,JIS K 1106の4.4.3(露点法)に規
定する露点法を用いてもよい。
なお,大分類Zについては,受渡当事者間の協定による。
7.5
混合ガスの濃度の試験方法
混合ガスの濃度の試験方法は,表1に示す残部を除く全ての組成ガスごとに,次の試験を行う。ただし,
表1の大分類I,M1,M2,M3,R及びN(ただし,N1及びN5を除く。)の混合ガスであって,ヘリウム
が50 %(体積分率)を超えて含まれるシールドガスについては,残部であるアルゴンの試験を行う。
なお,大分類Zについては,受渡当事者間の協定による。
a) 炭酸ガス,アルゴン,ヘリウム,水素及び窒素の試験 JIS K 0114に規定するガスクロマトグラフ法
による。
なお,表1の種類M12,M20,M21及びM31の炭酸ガスについての試験は,JIS K 1106に規定する
アルカリ吸収法を用いてもよい。また,炭酸ガスが組成として含まれる炭酸ガスの試験方法として,
他のガス組成の影響がなく,かつ,十分な分析精度をもつことが事前に確認された場合には,これを
7
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用いてもよい。
b) 酸素の試験 酸素の試験は,JIS K 0114に規定するガスクロマトグラフ法による。
なお,表1の大分類Iについての酸素の試験は,1),2)又は3)のいずれかの方法を,表1の種類M13,
M22及びM32についての試験は,3)の方法を用いてもよい。
1) ガルバニ電池式分析法は,JIS K 0225による。
2) 黄りん発光式分析法は,JIS K 0512の6.7.2(黄りん発光式分析法)による。
3) ジルコニア式分析法は,JIS B 7983に規定するジルコニア式分析法による。ただし,大分類Iにつ
いては,測定段階(レンジ)を100 ppm(体積分率)以下,繰返し性(再現性)をフルスケールの
±3 %以内とする。
なお,酸素が組成として含まれる混合ガスについての酸素の試験として,他のガス組成の影響が
なく,かつ,十分な分析精度をもつことが事前に確認された場合には,これを用いてもよい。
7.6
再試験
再試験は,次による。
a) 試験の結果がその規定に適合しなかった場合には,適合しなかった試験について倍数の再試験を行い,
そのいずれの試験結果も規定に適合しなければならない。この再試験のための試料は,同じ容器から
採取するものとする。
b) 試料の採取から試験の実施を通して,正規の手続きがなされない試験を含み,試験結果が合否の判定
に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかかわ
らず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返さなければならない。この場合,
試験試料を再利用しない。
8
容器
シールドガスの容器は,法令の規定による。
注記 シールドガスの容器については,高圧ガス保安法(昭和26年6月7日法律第204号)第41条
から第56条の2の2までに規定されている。
9
表示
シールドガスの表示は,法令の規定による容器の表示のほか,容器の見やすいところに証紙(ラベル)
によって,次の事項を表示しなければならない。ただし,大形容器(タンクローリー,コンテナなど)の
場合には,送り状に表示してもよい。
a) 規格番号
b) 製品の名称
c) シールドガスの種類
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造年月日又はその略号
f)
充塡量(圧縮ガスの場合は,35 ℃における充塡圧力)
g) 健康及び安全に係る注意事項
注記 容器の表示については,高圧ガス保安法第46条及び第47条に規定されている。
8
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附属書A
(規定)
シールドガス組成のガスの性質
A.1 シールドガス組成のガスの性質
シールドガス組成のガスの性質は,表A.1による。
表A.1−ガスの性質
ガス
化学記号
0 ℃,0.101 MPa(1.013 bar)での
0.101 MPa
での沸点
℃
溶接中の反応挙動
密度
(空気=1.293)
kg/m3
空気に対する
比重
アルゴン
Ar
1.784
1.380
−185.9
不活性
ヘリウム
He
0.178
0.138
−268.9
炭酸ガス
CO2
1.977
1.529
−78.5 a)
酸化性
酸素
O2
1.429
1.105
−183.0
窒素
N2
1.251
0.968
−195.8
低反応性b)
水素
H2
0.090
0.070
−252.8
還元性
注a) 昇華温度(固体が気体に変わる温度)
b) 窒素の挙動は,材料によって変化するため,起こり得る影響を考慮する必要がある。
9
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附属書JA
(参考)
露点から水分を求める方法
JA.1 露点から水分への換算表
露点計によって測定した露点(0 ℃〜−100 ℃)を水分量へ読み換える場合は,表JA.1による。
表JA.1−露点から水分への換算表
単位 ppm(体積分率)
℃
0
−1
−2
−3
−4
−5
−6
−7
−8
−9
0
6 032
5 553
5 110
4 698
4 318
3 965
3 639
3 338
3 059
2 802
−10
2 565
2 346
2 145
1 959
1 788
1 631
1 487
1 354
1 233
1 121
−20
1 019
925.3
839.6
761.3
689.7
624.4
564.8
510.5
461.0
416.0
−30
375.0
337.8
304.0
273.4
245.6
220.5
197.7
177.1
158.6
141.8
−40
126.7
113.1
100.8
89.82
79.93
71.06
63.11
55.99
49.62
43.92
−50
38.84
34.31
30.28
26.68
23.49
20.66
18.14
15.91
13.94
12.20
−60
10.67
9.310
8.117
7.067
6.145
5.336
4.628
4.008
3.466
2.993
−70
2.581
2.223
1.911
1.641
1.407
1.204
1.029
0.878 0
0.747 9
0.636 1
−80
0.540 1
0.457 8
0.387 4
0.327 2
0.275 9
0.232 3
0.195 2
0.163 7
0.137 0
0.114 5
−90
0.095 4
0.079 4
0.065 9
0.054 6
0.045 2
0.037 3
0.030 7
0.025 2
0.020 7
0.016 9
−100
0.013 8
この表は,7.4.2に規定する露点による水分の検出値を基に,水分に読み換えを行う場合に適用されるものとす
る。
注記 この表は,JIS Z 8806:2001の氷の飽和蒸気圧表(付表1.3)から換算した。
参考文献 JIS Z 8806:2001 湿度−測定方法
10
Z 3253:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 3253:2011 溶接及び熱切断用シールドガス
ISO 14175:2008 Welding consumables−Gases and gas mixtures for fusion welding
and allied processes
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2 引用規
格
2
3 用語及
び定義
主な用語及び定義
は,JIS Z 3001-1,JIS
Z 3001-2,JIS Z
3001-3によるほか,
燃料ガス,レーザ発
振用ガス,アシスト
ガス及び公称濃度を
定義
3
3.1 base gas
3.2 classification
3.3 component
3.4 container
3.5 designation
3.6 impurity
3.7 mixture
3.8 nominal value
3.9 symbol
追加
削除
JIS Z 3001-1,JIS Z 3001-2,JIS
Z 3001-3によるほか,燃料ガ
ス,レーザ発振用ガス及びアシ
ストガスの定義を追加した。
この規格の適用範囲を明確化する
という観点から定義した。
4 種類
表1にシールドガス
の種類を規定すると
ともに,主な適用例
を記載
5.1
Table 2にシールドガス
の種類を規定
追加
主な適用例及び溶接中の反応
挙動を追加した。
使用者の参考とする。
5 種類の
記号の付
け方
b) アルゴンを部分
的にヘリウムに置換
する場合の付加番号
を規定
5.1
小分類において,ヘリウ
ム置換の分類が規定さ
れていない。
追加
ヘリウム含有量を示す付加番
号を追加した。
アルゴンとヘリウムとの置換割合
は溶接品質に影響を及ぼすため,
使用者にとって必要な情報であ
る。
2
Z
3
2
5
3
:
2
0
11
11
Z 3253:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 種類の
記号の付
け方(続
き)
5.2
Designationとして,大分
類及び小分類の区分に加
えて,全てのガス組成の
公称濃度を規定
削除
大分類及び小分類の区分は,種
類として必要十分であり,各ガ
ス組成の公称濃度の規定を削
除した。
今回,各混合ガスの性質に応じて
種類が細分化されており,ガス組
成の公称濃度までの規定は不要で
ある。
今回のISO規格の改正においても
提案したが,採用されなかった。
今後,引き続き提案継続していく。
6 品質
シールドガスの混合
ガス濃度の許容差及
びシールドガスの純
度及び水分を規定
6及び7
シールドガスの混合ガス
濃度の許容差及びシール
ドガスの純度及び露点を
規定
変更
JISでは,表4に純度及び水分
を規定しているが,ISO規格で
は,Table 4に露点も併記されて
いる。
技術的な差異はない。
7 試験方
法
7.1 一般事項
7.2 数値の丸め方
7.3 試料の採取方法
7.4 純度及び水分の
試験方法
7.5 混合ガスの濃度
の試験方法
8
具体的な試験方法につい
ての規定なし
追加
シールドガスの品質を評価す
るために必要な試料採取,分析
方法などを規定した。
なお,ISO規格のBibliography
で,JISを参照規格としている。
JISにおいては,具体的な試験方
法を明記する必要がある。
8 容器
法令の規定による。
−
−
追加
法令(高圧ガス保安法)による
規制あり。
法令の規制は使用者にとって必要
な情報である。
9 表示
c) シールドガスの
種類
10
Designationの表示
削除
箇条5において,Designationを
削除したため,種類までの表示
とした。
技術的な差異はない。
e) 製造年月日又は
その略号
f) 充塡量
−
追加
法令(高圧ガス保安法)及び商
習慣上必要なJIS独自の規定項
目を追加した。
法令の規制は使用者にとって必要
な情報である。
附属書A
(規定)
シールドガス組成の
ガスの性質
4
Table 1
一致
ISO規格のTable 1を,JISでは
附属書A(規定)とした。
技術的な差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14175:2008,MOD
2
Z
3
2
5
3
:
2
0
11
12
Z 3253:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
Z
3
2
5
3
:
2
0
11