Z 3224:2010
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類······························································································································· 2
5 品質······························································································································· 2
5.1 溶接棒の寸法,許容差及び製品の状態················································································ 2
5.2 溶着金属の化学成分 ······································································································· 3
5.3 溶着金属の機械的性質 ···································································································· 9
6 試験方法························································································································ 10
6.1 ロットの決め方 ············································································································ 10
6.2 試験一般 ····················································································································· 10
6.3 溶着金属の分析試験 ······································································································ 10
6.4 溶着金属の引張試験 ······································································································ 10
7 検査方法························································································································ 11
8 製品の呼び方 ·················································································································· 11
9 表示······························································································································ 11
9.1 製品の表示 ·················································································································· 11
9.2 包装の表示 ·················································································································· 11
10 包装 ···························································································································· 11
11 検査証明書 ··················································································································· 11
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12
Z 3224:2010
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本溶接
協会(JWES)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 3224:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 3224:2010
ニッケル及びニッケル合金被覆アーク溶接棒
Nickel and Nickel-alloy covered electrodes
序文
この規格は,2008年に第2版として発行されたISO 14172を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,ニッケル含有量が他の成分の含有量を超える溶着金属を生成する,ニッケル及びニッケル
合金被覆アーク溶接棒(以下,溶接棒という。)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14172:2008,Welding consumables−Covered electrodes for manual metal arc welding of nickel
and nickel alloys−Classification(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 1201 鉄及び鋼−分析方法通則
JIS G 1281 ニッケルクロム鉄合金分析方法
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材
JIS G 4902 耐食耐熱超合金板
JIS H 4551 ニッケル及びニッケル合金板及び条
JIS Z 2611 金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則
JIS Z 2615 金属材料の炭素定量方法通則
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般
JIS Z 3001-2 溶接用語−第2部:溶接方法
JIS Z 3111 溶着金属の引張及び衝撃試験方法
注記 対応国際規格:ISO 15792-1,Welding consumables−Test methods−Part 1:Test methods for
2
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
all-weld metal test specimens in steel,nickel and nickel alloys(MOD)
JIS Z 3184 化学分析用溶着金属の作製方法及び試料の採取方法
注記 対応国際規格:ISO 6847,Welding consumables−Deposition of a weld metal pad for chemical
analysis(MOD)
JIS Z 3200 溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装
注記 対応国際規格:ISO 544,Welding consumables−Technical delivery conditions for welding filler
materials−Type of product,dimensions,tolerances and markings(MOD)
JIS Z 3423 溶接材料の調達指針
注記 対応国際規格:ISO 14344,Welding and allied processes−Flux and gas shielded electrical welding
processes−Procurement guidelines for consumables(MOD)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-1及びJIS Z 3001-2による。
4
種類
溶接棒の種類は,溶着金属の化学成分によって区分する。溶接棒の種類を示す記号の付け方は,次によ
る。
E Ni ×××× (××××××××)
表2に示す溶着金属の化学成分表記による記号a)
表2に示す溶着金属の化学成分を表す記号
Ni 2×××:ニッケル
Ni 4×××:銅を添加した,ニッケル−銅合金
Ni 6×××:鉄が25 %(質量分率)未満の,ニッケル−クロム合金,ニ
ッケル−クロム−鉄合金,ニッケル−クロム−モリブデン
合金及びニッケル−クロム−コバルト−モリブデン合金
Ni 8×××:鉄が25 %(質量分率)以上の,ニッケル−鉄−クロム合金
Ni 10×× :モリブデンを添加した,ニッケル−モリブデン合金
被覆アーク溶接棒
注a) 化学成分を表す記号(例 Ni 6182)に付随して,化学成分表記による記号(例 NiCr15Fe6Mn)
を表示してもよい[例 E Ni 6182(NiCr15Fe6Mn)]。
5
品質
5.1
溶接棒の寸法,許容差及び製品の状態
溶接棒の寸法,許容差及び製品の状態は,次による。
a) 溶接棒の寸法,許容差及び製品の状態は,JIS Z 3200の規定に適合しなければならない。
b) 溶接棒の代表的な寸法は,表1による。
c) a)及びb)以外は,受渡当事者間の協定による。
3
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−溶接棒の代表的な寸法
単位 mm
径
長さ
2.6
250
300
350
3.2
300
350
400
4.0
350
400
5.0
350
400
5.2
溶着金属の化学成分
溶着金属の化学成分は,6.3の方法によって試験を行ったとき,表2の規定に適合しなければならない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−溶着金属の化学成分
単位 %(質量分率)
化学成分を
表す記号
化学成分表記に
よる記号
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Ni a)
Cu
Cr
Fe
Mo
Nb b)
Co
Al
Ti
V
W
その他c)
ニッケル
Ni 2061
NiTi3
0.10
以下
1.2
以下
0.7
以下
0.020
以下
0.015
以下
92.0
以上
0.2
以下
−
0.7
以下
−
−
−
1.0
以下
1.0
〜
4.0
−
−
ニッケル−銅
Ni 4060
NiCu30Mn3Ti
0.15
以下
1.5
以下
4.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
62.0
以上
27.0
〜
34.0
−
2.5
以下
−
−
−
1.0
以下
1.0
以下
−
−
Ni 4061
NiCu27Mn3NbTi
0.15
以下
1.3
以下
4.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
62.0
以上
24.0
〜
31.0
−
2.5
以下
−
3.0
以下
−
1.0
以下
1.5
以下
−
−
ニッケル−クロム
Ni 6082
NiCr20Mn3Nb
0.10
以下
0.8
以下
2.0
〜
6.0
0.020
以下
0.015
以下
63.0
以上
0.5
以下
18.0
〜
22.0
4.0
以下
2.0
以下
1.5
〜
3.0
−
−
0.5
以下
−
−
Ni 6231
NiCr22W14Mo
0.05
〜
0.10
0.3
〜
0.7
0.3
〜
1.0
0.020
以下
0.015
以下
45.0
以上
0.5
以下
20.0
〜
24.0
3.0
以下
1.0
〜
3.0
−
5.0
以下
0.5
以下
0.1
以下
−
13.0
〜
15.0
ニッケル−クロム−鉄
Ni 6025
NiCr25Fe10AlY
0.10
〜
0.25
0.8
以下
0.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
−
24.0
〜
26.0
8.0
〜
11.0
−
−
−
1.5
〜
2.2
0.3
以下
−
−
Y 0.15以下
Ni 6062
NiCr15Fe8Nb
0.08
以下
0.8
以下
3.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
62.0
以上
0.5
以下
13.0
〜
17.0
11.0
以下
−
0.5
〜
4.0
−
−
−
−
−
Ni 6093
NiCr15Fe8NbMo
0.20
以下
1.0
以下
1.0
〜
5.0
0.020
以下
0.015
以下
60.0
以上
0.5
以下
13.0
〜
17.0
12.0
以下
1.0
〜
3.5
1.0
〜
3.5
−
−
−
−
−
Ni 6094
NiCr14Fe4NbMo
0.15
以下
0.8
以下
1.0
〜
4.5
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
0.5
以下
12.0
〜
17.0
12.0
以下
2.5
〜
5.5
0.5
〜
3.0
−
−
−
−
1.5
以下
4
Z
3
2
2
4
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−溶着金属の化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
化学成分を
表す記号
化学成分表記に
よる記号
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Ni a)
Cu
Cr
Fe
Mo
Nb b)
Co
Al
Ti
V
W
その他c)
ニッケル−クロム−鉄(続き)
Ni 6095
NiCr15Fe8NbMoW
0.20
以下
0.8
以下
1.0
〜
3.5
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
0.5
以下
13.0
〜
17.0
12.0
以下
1.0
〜
3.5
1.0
〜
3.5
−
−
−
−
1.5
〜
3.5
Ni 6133
NiCr16Fe12NbMo
0.10
以下
0.8
以下
1.0
〜
3.5
0.020
以下
0.015
以下
62.0
以上
0.5
以下
13.0
〜
17.0
12.0
以下
0.5
〜
2.5
0.5
〜
3.0
−
−
−
−
−
Ni 6152
NiCr30Fe9Nb
0.05
以下
0.8
以下
5.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
50.0
以上
0.5
以下
28.0
〜
31.5
7.0
〜
12.0
0.5
以下
1.0
〜
2.5
−
0.5
以下
0.5
以下
−
−
Ni 6182
NiCr15Fe6Mn
0.10
以下
1.0
以下
5.0
〜
10.0
0.020
以下
0.015
以下
60.0
以上
0.5
以下
13.0
〜
17.0
10.0
以下
−
1.0
〜
3.5*
−
−
1.0
以下
−
−
*要求された
場合
Ta 0.3以下
Ni 6333
NiCr25Fe16CoMo3W
0.10
以下
0.8
〜
1.2
1.2
〜
2.0
0.020
以下
0.015
以下
44.0
〜
47.0
0.5
以下
24.0
〜
26.0
16.0
以上
2.5
〜
3.5
−
2.5
〜
3.5
−
−
−
2.5
〜
3.5
Ni 6701
NiCr36Fe7Nb
0.35
〜
0.50
0.5
〜
2.0
0.5
〜
2.0
0.020
以下
0.015
以下
42.0
〜
48.0
−
33.0
〜
39.0
7.0
以下
−
0.8
〜
1.8
−
−
−
−
−
Ni 6702
NiCr28Fe6W
0.35
〜
0.50
0.5
〜
2.0
0.5
〜
1.5
0.020
以下
0.015
以下
47.0
〜
50.0
−
27.0
〜
30.0
6.0
以下
−
−
−
−
−
−
4.0
〜
5.5
Ni 6704
NiCr25Fe10Al3YC
0.15
〜
0.30
0.8
以下
0.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
−
24.0
〜
26.0
8.0
〜
11.0
−
−
−
1.8
〜
2.8
0.3
以下
−
−
Y 0.15以下
ニッケル−クロム−モリブデン
Ni 6002
NiCr22Fe18Mo
0.05
〜
0.15
1.0
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
45.0
以上
0.5
以下
20.0
〜
23.0
17.0
〜
20.0
8.0
〜
10.0
−
0.5
〜
2.5
−
−
−
0.2
〜
1.0
Ni 6012
NiCr22Mo9
0.03
以下
0.7
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
58.0
以上
0.5
以下
20.0
〜
23.0
3.5
以下
8.5
〜
10.5
1.5
以下
−
0.4
以下
0.4
以下
−
−
5
Z
3
2
2
4
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−溶着金属の化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
化学成分を
表す記号
化学成分表記に
よる記号
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Ni a)
Cu
Cr
Fe
Mo
Nb b)
Co
Al
Ti
V
W
その他c)
ニッケル−クロム−モリブデン(続き)
Ni 6022
NiCr21Mo13W3
0.02
以下
0.2
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
49.0
以上
0.5
以下
20.0
〜
22.5
2.0
〜
6.0
12.5
〜
14.5
−
2.5
以下
−
−
0.4
以下
2.5
〜
3.5
Ni 6024
NiCr26Mo14
0.02
以下
0.2
以下
0.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
0.5
以下
25.0
〜
27.0
1.5
以下
13.5
〜
15.0
−
−
−
−
−
−
Ni 6030
NiCr29Mo5Fe15W2
0.03
以下
1.0
以下
1.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
36.0
以上
1.0
〜
2.4
28.0
〜
31.5
13.0
〜
17.0
4.0
〜
6.0
0.3
〜
1.5
5.0
以下
−
−
−
1.5
〜
4.0
Ni 6058
NiCr22Mo20
0.02
以下
0.2
以下
1.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
51.0
以上
0.5
以下
20.0
〜
23.0
1.5
以下
19.0
〜
21.0
−
0.3
以下
0.4
以下
−
−
0.3
以下
Ni 6059
NiCr23Mo16
0.02
以下
0.2
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
56.0
以上
−
22.0
〜
24.0
1.5
以下
15.0
〜
16.5
−
−
−
−
−
−
Ni 6200
NiCr23Mo16Cu2
0.02
以下
0.2
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
45.0
以上
1.3
〜
1.9
20.0
〜
24.0
3.0
以下
15.0
〜
17.0
−
2.0
以下
−
−
−
−
Ni 6205
NiCr25Mo16
0.02
以下
0.3
以下
0.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
50.0
以上
2.0
以下
22.0
〜
27.0
5.0
以下
13.5
〜
16.5
−
−
0.4
以下
−
−
−
Ni 6275
NiCr15Mo16Fe5W3
0.10
以下
1.0
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
50.0
以上
0.5
以下
14.5
〜
16.5
4.0
〜
7.0
15.0
〜
18.0
−
2.5
以下
−
−
0.4
以下
3.0
〜
4.5
Ni 6276
NiCr15Mo15Fe6W4
0.02
以下
0.2
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
50.0
以上
0.5
以下
14.5
〜
16.5
4.0
〜
7.0
15.0
〜
17.0
−
2.5
以下
−
−
0.4
以下
3.0
〜
4.5
Ni 6452
NiCr19Mo15
0.025
以下
0.4
以下
2.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
56.0
以上
0.5
以下
18.0
〜
20.0
1.5
以下
14.0
〜
16.0
0.4
以下
−
−
−
0.4
以下
−
Ni 6455
NiCr16Mo15Ti
0.02
以下
0.2
以下
1.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
56.0
以上
0.5
以下
14.0
〜
18.0
3.0
以下
14.0
〜
17.0
−
2.0
以下
−
0.7
以下
−
0.5
以下
6
Z
3
2
2
4
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−溶着金属の化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
化学成分を
表す記号
化学成分表記に
よる記号
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Ni a)
Cu
Cr
Fe
Mo
Nb b)
Co
Al
Ti
V
W
その他c)
ニッケル−クロム−モリブデン(続き)
Ni 6620
NiCr14Mo7Fe
0.10
以下
1.0
以下
2.0
〜
4.0
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
0.5
以下
12.0
〜
17.0
10.0
以下
5.0
〜
9.0
0.5
〜
2.0
−
−
−
−
1.0
〜
2.0
Ni 6625
NiCr22Mo9Nb
0.10
以下
0.8
以下
2.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
0.5
以下
20.0
〜
23.0
7.0
以下
8.0
〜
10.0
3.0
〜
4.2
−
−
−
−
−
Ni 6627
NiCr21MoFeNb
0.03
以下
0.7
以下
2.2
以下
0.020
以下
0.015
以下
57.0
以上
0.5
以下
20.5
〜
22.5
5.0
以下
8.8
〜
10.0
1.0
〜
2.8
−
−
−
−
0.5
以下
Ni 6650
NiCr20Fe14Mo11
WN
0.03
以下
0.6
以下
0.7
以下
0.020
以下
0.02
以下
44.0
以上
0.5
以下
19.0
〜
22.0
12.0
〜
15.0
10.0
〜
13.0
0.3
以下
1.0
以下
0.5
以下
−
−
1.0
〜
2.0
N 0.15以下
Ni 6686
NiCr21Mo16W4
0.02
以下
0.3
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
49.0
以上
0.5
以下
19.0
〜
23.0
5.0
以下
15.0
〜
17.0
−
−
−
0.3
以下
−
3.0
〜
4.4
Ni 6985
NiCr22Mo7Fe19
0.02
以下
1.0
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
45.0
以上
1.5
〜
2.5
21.0
〜
23.5
18.0
〜
21.0
6.0
〜
8.0
1.0
以下
5.0
以下
−
−
−
1.5
以下
ニッケル−クロム−コバルト−モリブデン
Ni 6117
NiCr22Co12Mo
0.05
〜
0.15
1.0
以下
3.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
45.0
以上
0.5
以下
20.0
〜
26.0
5.0
以下
8.0
〜
10.0
1.0
以下
9.0
〜
15.0
1.5
以下
0.6
以下
−
−
ニッケル−鉄−クロム
Ni 8025
NiCr29Fe26Mo
0.06
以下
0.7
以下
1.0
〜
3.0
0.020
以下
0.015
以下
35.0
〜
40.0
1.5
〜
3.0
27.0
〜
31.0
30.0
以下
2.5
〜
4.5
1.0
以下
−
0.1
以下
1.0*
以下
−
−
*又は
Nb 1.0以下
Ni 8165
NiFe30Cr25Mo
0.03
以下
0.7
以下
1.0
〜
3.0
0.020
以下
0.015
以下
37.0
〜
42.0
1.5
〜
3.0
23.0
〜
27.0
30.0
以下
3.5
〜
7.5
−
−
0.1
以下
1.0
以下
−
−
7
Z
3
2
2
4
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−溶着金属の化学成分(続き)
単位 %(質量分率)
化学成分を
表す記号
化学成分表記に
よる記号
化学成分
C
Si
Mn
P
S
Ni a)
Cu
Cr
Fe
Mo
Nb b)
Co
Al
Ti
V
W
その他c)
ニッケル−モリブデン
Ni 1001
NiMo28Fe5
0.07
以下
1.0
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
55.0
以上
0.5
以下
1.0
以下
4.0
〜
7.0
26.0
〜
30.0
−
2.5
以下
−
−
0.6
以下
1.0
以下
Ni 1004
NiMo25Cr3Fe5
0.12
以下
1.0
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
60.0
以上
0.5
以下
2.5
〜
5.5
4.0
〜
7.0
23.0
〜
27.0
−
2.5
以下
−
−
0.6
以下
1.0
以下
Ni 1008
NiMo19WCr
0.10
以下
0.8
以下
1.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
60.0
以上
0.5
以下
0.5
〜
3.5
10.0
以下
17.0
〜
20.0
−
−
−
−
−
2.0
〜
4.0
Ni 1009
NiMo20WCu
0.10
以下
0.8
以下
1.5
以下
0.020
以下
0.015
以下
62.0
以上
0.3
〜
1.3
−
7.0
以下
18.0
〜
22.0
−
−
−
−
−
2.0
〜
4.0
Ni 1062
NiMo24Cr8Fe6
0.02
以下
0.7
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
60.0
以上
−
6.0
〜
9.0
4.0
〜
7.0
22.0
〜
26.0
−
−
−
−
−
−
Ni 1066
NiMo28
0.02
以下
0.2
以下
2.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
64.5
以上
0.5
以下
1.0
以下
2.2
以下
26.0
〜
30.0
−
1.0
以下
−
−
−
1.0
以下
Ni 1067
NiMo30Cr
0.02
以下
0.2
以下
2.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
62.0
以上
0.5
以下
1.0
〜
3.0
1.0
〜
3.0
27.0
〜
32.0
−
3.0
以下
−
−
−
3.0
以下
Ni 1069
NiMo28Fe4Cr
0.02
以下
0.7
以下
1.0
以下
0.020
以下
0.015
以下
65.0
以上
−
0.5
〜
1.5
2.0
〜
5.0
26.0
〜
30.0
−
1.0
以下
0.5
以下
−
−
−
注a) 規定されている場合を除き,ニッケルの中に不純物として入ってくるコバルトは,ニッケルの1.0 %(質量分率)以下とする。
特定の用途において,より低いコバルト規制が要求される場合には,受渡当事者間の合意による。
b) ニオブの20 %(質量分率)まではタンタルであってもよい。
c) 表中に規定されていない元素の合計は,0.50 %(質量分率)以下とする。
8
Z
3
2
2
4
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3
溶着金属の機械的性質
溶着金属の0.2 %耐力,引張強さ及び伸びは,6.4の方法によって試験を行ったとき,表3に適合しなけ
ればならない。
表3−溶着金属の機械的性質
化学成分を表す記号
0.2 %耐力
MPa
引張強さ
MPa
伸びa)
%
ニッケル
Ni 2061
200以上
410以上
18以上
ニッケル−銅
Ni 4060,Ni 4061
200以上
480以上
27以上
ニッケル−クロム
Ni 6082
360以上
600以上
22以上
Ni 6231
350以上
620以上
18以上
ニッケル−クロム−鉄
Ni 6025
400以上
650以上
15以上
Ni 6062
360以上
550以上
27以上
Ni 6093,Ni 6094,Ni 6095
360以上
650以上
18以上
Ni 6133,Ni 6152,Ni 6182
360以上
550以上
27以上
Ni 6333
360以上
550以上
18以上
Ni 6701,Ni 6702
450以上
650以上
8以上
Ni 6704
400以上
690以上
12以上
ニッケル−クロム−モリブデン
Ni 6002
380以上
650以上
18以上
Ni 6012
410以上
650以上
22以上
Ni 6022,Ni 6024
350以上
690以上
22以上
Ni 6030
350以上
585以上
22以上
Ni 6058
450以上
830以上
18以上
Ni 6059
350以上
690以上
22以上
Ni 6200,Ni 6275,Ni 6276
400以上
690以上
22以上
Ni 6205,Ni 6452
350以上
690以上
22以上
Ni 6455
300以上
690以上
22以上
Ni 6620
350以上
620以上
32以上
Ni 6625
420以上
760以上
27以上
Ni 6627
400以上
650以上
32以上
Ni 6650
450以上
650以上
30以上
Ni 6686
350以上
690以上
27以上
Ni 6985
350以上
620以上
22以上
ニッケル−クロム−コバルト−モリブデン
Ni 6117
400以上
620以上
22以上
ニッケル−鉄−クロム
Ni 8025,Ni 8165
240以上
550以上
22以上
ニッケル−モリブデン
Ni 1001,Ni 1004
400以上
690以上
22以上
Ni 1008,Ni 1009
360以上
650以上
22以上
Ni 1062
360以上
550以上
18以上
Ni 1066
400以上
690以上
22以上
Ni 1067
350以上
690以上
22以上
10
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−溶着金属の機械的性質(続き)
化学成分を表す記号
0.2 %耐力
MPa
引張強さ
MPa
伸びa)
%
ニッケル−モリブデン(続き)
Ni 1069
360以上
550以上
20以上
注a) 標点距離は,試験片直径の5倍とする。
6
試験方法
6.1
ロットの決め方
溶接材料のロットは,JIS Z 3423に規定するロットサイズによる。
6.2
試験一般
6.2.1
試験板の種類
試験板の種類は,表4による。
表4−試験板の種類
試験の種類
試験板
分析試験
引張試験
試験板には,溶着金属の化学成分と同組成のJIS G 4902又はJIS H 4551に規定する材料を用いる。
JIS Z 3111の規定によってバタリングを行う場合には,JIS G 3101に規定するSS400又はJIS G
3106に規定するSM400のA〜C若しくはSM490のA〜Cの鋼材を使用してもよい。
6.2.2
試験を行う溶接棒の径
試験を行う溶接棒の径は,次による。
a) 溶着金属の分析試験は,すべての径について行う。
b) 溶着金属の引張試験は,すべての径を代表して3.2 mm又は4.0 mmで行う。
6.2.3
溶接条件
溶接電流は,製造業者が推奨する電流範囲の最大値の70〜90 %とし,その他の溶接条件は,通常,製造
業者が定めた標準条件とする。また,交流及び直流の両方が推奨された場合,試験は交流で行わなければ
ならず,直流だけ推奨された場合は,棒プラスで行う。
6.3
溶着金属の分析試験
溶着金属の分析試験は,次による。
a) 化学分析用溶着金属の作製方法及び試料の採取方法は,JIS Z 3184による。
なお,6.4の引張試験によって破断した引張試験片の平行部の残材を切削して採取してもよい。
b) 溶着金属の分析方法は,JIS G 0320,JIS G 1201,JIS G 1281,JIS Z 2611及び/又はJIS Z 2615によ
る。
6.4
溶着金属の引張試験
溶着金属の引張試験は,次による。
なお,a)〜c)以外の項目については,JIS Z 3111による。
a) 試験板の寸法は,JIS Z 3111に規定する記号1.0とする。
b) 引張試験片は,JIS Z 3111に規定するA0号とする。
c) 予熱及びパス間温度は,15〜150 ℃とする。
11
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
検査方法
検査方法は,次による。
a) 溶接棒の検査項目は,JIS Z 3423に規定する試験スケジュールによる。
b) 検査は,溶接棒のロットごとに,JIS Z 3423に規定する試験スケジュールに従い,箇条6によって試
験し,該当する箇条5の規定に適合しなければならない。
c) JIS Z 3423に規定する試験スケジュールに従い,箇条6によって実施した分析試験,引張試験のいず
れかの試験結果が,箇条5の規定に適合しなかった場合には,適合しなかったすべての試験について
倍数の再試験を行い,そのいずれの試験結果も規定に適合しなければならない。この場合の再試験の
ための試験片は,当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製した試験材か
ら採取する。また,分析試験において,当初の試験結果が規定に適合した成分は,再試験を行わなく
てもよい。
d) 試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続きを行っていない試験を含み,試験結果が合否の判
定に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかか
わらず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなければならない。
なお,この場合は,c)に規定する再試験の対象とはしない。
8
製品の呼び方
製品の呼び方は,溶接棒の種類,径及び長さによる。
例 E Ni 6182(NiCr15Fe6Mn)−3.2−350
種類a) 径 長さ
注a) 化学成分を表す記号(例 Ni 6182)に付随して,化学成分表記による記号(例 NiCr15Fe6Mn)
を表示してもよい[例 E Ni 6182(NiCr15Fe6Mn)]。
9
表示
9.1
製品の表示
製品の表示は,JIS Z 3200による。
9.2
包装の表示
包装の表示は,規格番号を表示するほか,JIS Z 3200による。
10 包装
包装は,JIS Z 3200による。
11 検査証明書
検査証明書は,JIS Z 3200による。
12
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 3224:2010 ニッケル及びニッケル合金被覆アーク溶接棒
ISO 14172:2008 Welding consumables−Covered electrodes for manual metal arc
welding of nickel and nickel alloys−Classification
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
1
一致
2 引用規格
2
3 用語及び
定義
用語及び定義は,
JIS Z 3001-1及び
JIS Z 3001-2によ
る。
−
追加
JISでは用語及び定義を追加し
た。
規格の利用を助けるため。
4 種類
3
4
一致
5 品質
5.1 溶接棒の寸
法,許容差及び製
品の状態
5.2溶着金属の化
学成分
5.3 溶着金属の機
械的性質
8
5
6
変更
一致
一致
溶接棒の寸法,許容差及び製品
の状態は,JIS Z 3200の規定に
適合することとした。
6 試験方法
6.1 ロットの決め
方
6.2.1 試験板の種
類
8
−
一致
追加
JISでは,試験板の種類を規定
した。
11
Z
3
2
2
4
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
13
Z 3224:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 試験方法
(続き)
6.2.2 試験を行う
溶接棒の径
−
分析試験及び引張試験
を行う溶接棒の径を規
定していない
追加
JISでは分析試験はすべての径
で行い,引張試験は代表径で行
うと規定した。
6.2.3 溶接条件
−
引張試験の溶接条件を
規定していない
追加
引張試験の溶接条件も分析試
験と同様に規定した。
ISOへ提案する。
6.3溶着金属の分
析試験
6.4溶着金属の引
張試験
5
6
追加
一致
分析方法をJISによって規定
したが,実質的には一致してい
る。
ISOへ提案する。
7 検査方法
8
一致
8 製品の呼
び方
製品の呼び方は
種類,径及び長さ
で表示
9
製品の呼び方は種類で
表示
追加
JISでは径及び長さを追加し
た。
ISOへ提案する。
9 表示
9.1 製品の表示
9.2 包装の表示
8
一致
一致
10 包装
8
一致
11 検査証明
書
8
追加
JISではJIS Z 3200に従うと規
定した。
ISOへ提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14172:2008,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
11
Z
3
2
2
4
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。