1
Z
3
2
0
1
:
2
0
0
1
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表
JIS Z 3201 : 2001 軟鋼用ガス溶加棒
ISO 636 : 1989 軟鋼及び低合金鋼用ガス溶接及びティグ溶接溶加棒−分類方法
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用
範囲
軟鋼などの溶接に使
用するガス溶接用溶
加棒について規定す
る。
−
1. 適用
範囲
軟鋼及び低合金鋼用ガス溶接及
びティグ溶接用溶加棒の区分記
号について規定する。区分記号は
溶接法及び溶加棒の化学組成に
よって区分する。
MOD/削除 JISは軟鋼用ガス溶加棒の範
囲,ISOは軟鋼及び低合金鋼
用ガス及びティグ溶接用溶
加棒の範囲の規格。
JISは軟鋼用のガス溶加棒であり,
ISOは軟鋼及び低合金鋼用のガス
及びティグ溶接用溶加棒の区分規
定であるので,ガスとティグ溶接用
溶加棒の規格を分離して該当JISの
適用範囲に該当する部分を附属書
として取り入れ整合化した。
2. 引用
規格
付表1 JIS 18規格
−
−
NEQ
ISOは規定なし。
−
3. 種類
表1 溶加棒の種類
−
2. 区分
記号
ガス溶接用溶
加棒の化学組
成による区分
記号
ティグ溶接用
溶加棒の化学
組成による区
分記号
MOD/選択 ISOはガス溶接用溶加棒と
ティグ溶接用溶加棒の2種
類を規定しているが,JISは
ガス溶加棒とティグ溶加棒
は別々の規格になっている。
(ISOのティグ溶接用溶加
棒に相当するのはJIS Z
3316。)
JISとISOでは,種類を区分する内
容が全く異なる。
JIS GA□−強度
GB□−強度
A,Bは伸びの区分
ISO G□−化学成分
T□−化学成分
G :ガス溶接用溶加棒
T :ティグ溶接用溶加棒
2
Z
3
2
0
1
:
2
0
0
1
解
説
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
3. 種類 G……ガス溶加棒を
示す。
□……溶着金属の伸
びを示す記号
A,B
□□…溶着金属の最
小引張強さの
水準2けた
(桁)の数字
−
2. 区分
記号
1) 一般記号……G又はT
G:ガス溶接(酸素−アセチレ
ンガス溶接)
T:ティグ溶接
2) 化学組成を示す記号……ロ
ーマ数字
(I,II,III,IV,Vなど)1文字
MOD/選択 JISは溶着金属の伸び及び引
張強さで記号(種類)を分類。
ISOはガス溶接用溶加棒,テ
ィグ溶接用溶加棒共,溶加棒
の成分で分類している。
区分する記号の内容が全く異なる。
4. 品質 4.1 外観 Z 3200の
3.(製品の状態)
による。
ISO/DIS
544
3. 製品の
状態
IDT
3
Z
3
2
0
1
:
2
0
0
1
解
説
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
4. 品質 4.2 化学成分
−
2. 区分
記号
MOD/選択
表2 溶加棒の化学成分
単位 %
表1 ガス溶接用溶加棒の化学組成(1)
4.3 機械的性質
−
−
表3 溶着金属の機械的性質
備考 試験片の処理に用いた記号は,次
のことを意味する。
P:溶接後熱処理を施すもの。
A:溶接のまま
注(1) その他の元素含有量は,次のとおりとする。合計:0.5%以下,個々:0.3%以下,V:0.1%以下。
(2) これらの数値は,めっき前の数値とする(残銅量)。めっきされているときは,めっきを含めた銅
の含有量が0.3%を超えてはならない(溶加棒の径が1.6mm以上の場合)。
表2 ティグ溶接用溶加棒の化学組成(JIS Z 3201と関係ないので省略)
NEQ
種類を分類する主要素とし
て,JISは溶着金属の機械的
性質で,ISOは溶加棒の化学
成分であり,重点となる項目
が異なる。ISOは溶着金属の
機械的性質は規定なし。JIS
のガス溶加棒の化学成分は,
P,S,Cuだけしか規定して
いない。
4.の項目でJISとISOが合致すると
ころがない。種類を分類する主要素
として,
JIS:溶着金属の機械的性質,
ISO:溶加棒の化学成分であり,使
用者が最も重要視するのは機械的
性質であり,ISOの成分だけの規定
では機械的性質が読み取れない。使
用者にとっては不都合である。ま
た,JISは製品規格としての規定で
あり,ISOの成分だけの規定と根本
4
Z
3
2
0
1
:
2
0
0
1
解
説
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
4. 品質
的に規格としての意味が異なるの
で,JISをISOに1 : 1で整合化する
ことは不可能である。したがって,
ISOの規定を附属書として規定し
た。
4.4 曲げ性能
−
−
NEQ
5. 寸法
及び
許容
差
Z 3200の2.(寸法及
び許容差)による。
ISO/DIS
544
2. 寸法
及び
許容
差
JISの代表的な寸法に比較して,
径2.6以外について規定。“他の
寸法の要求に対しては,受渡当事
者間の協定による。”との記載が
注にある。
MOD/追加 JISの代表的な寸法に比較し
て,ISOは径2.6の記載がな
いが,他の寸法に対しては,
受渡当事者間の協定による
としている。
左記の理由のため整合している。
表4 代表的な溶加棒の寸法
6. 試験 試験を行うために,以
下のことを詳細に規
定している。
1) 試験板,ガス,試
験用溶加棒
2) 分析試験
3) 溶着金属の引張
試験
4) 溶接継手の曲げ
試験
−
3. 化学
組成
の試
験
ISOでは,表で規定した元素につ
いて化学分析を行うこと,試料の
寸法は分析方法によって決める
こと,残銅量を分析するときは初
めにめっきを除去してから分析
することだけ規定。
MOD/追加 JISでは試験に必要な項目が
規定されているが,ISOでは
具体的な試験方法が規定さ
れていない。
ISOは分類方法の規定であり,試験
方法を具体的に規定していないた
め,JISとは内容が異なる。
7. 検査 検査項目及び再試験
を規定している。
−
−
NEQ
5
Z
3
2
0
1
:
2
0
0
1
解
説
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
8. 包装 Z 3200の5.(包装)
による。
ISO/DIS
544
5. 包装
IDT
9. 製品
の呼
び方
溶加棒の種類−径
−
−
NEQ
10. 表示 Z 3200の4.(表示)
によって製造業者な
どの製品の種類を記
号,ラベル,彩色など
で識別。JISによる種
類を刻印又は端面の
彩色で識別する。
ISO/DIS
544
4. 表示
IDT
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1.項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−IDT……………… 技術的差異がない。
−MOD/削除…… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
−MOD/追加…… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
−MOD/選択…… 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。
−NEQ……………
技術的差異があり,かつ,それがはっきりと識別され説明されていない。
2.JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−MOD…………… 国際規格を修正している。