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(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  2 

4 抗菌効果 2 

5 試験方法 2 

5.1 試験に用いる細菌  2 

5.2 薬品,材料,器具及び装置  3 

5.3 殺菌方法  4 

5.4 培地など  4 

5.5 細菌の保存  5 

5.6 試験操作  6 

5.7 生菌数の計算  9 

5.8 試験結果  9 

6 試験結果の記録  10 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  11 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人抗菌

製品技術協議会(SIAA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS Z 2801:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果 

Antibacterial products-Test for antibacterial activity and efficacy 

 

序文 

この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 22196を基とし,日本の技術動向,実態などに併せ

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,繊維製品及び光触媒抗菌加工製品を除く,プラスチック製品,金属製品,セラミックス製

品など抗菌加工を施した製品(中間製品を含む。)の表面における細菌に対する抗菌性試験方法及び抗菌効

果について規定する。 

なお,防かび,防臭,生物劣化などの抗菌効果の副次的効果は,この規格に含めない。 

注記1 製品の使用用途,形状などから,繊維製品の試験方法が妥当と判断される製品にあっては,

JIS L 1902に規定する箇条10(定量試験)を用いてもよい。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 22196:2007,Plastics−Measurement of antibacterial activity on plastics surfaces(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0950 プラスチック製滅菌シャーレ 

JIS K 0970 プッシュボタン式液体用微量体積計 

JIS K 3800 バイオハザード対策用クラスIIキャビネット 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8263 寒天(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

 


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JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬) 

JIS K 9017 りん酸水素二カリウム(試薬) 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS Z 8802 pH測定方法 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

抗菌(antibacterial) 

製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態。 

3.2 

抗菌剤(antibacterial agent) 

直接又はコンパウンドとして用いることによって製品の表面における細菌の増殖を抑制する薬剤。 

3.3 

抗菌加工 

抗菌を目的とする加工。 

3.4 

抗菌加工製品 

抗菌加工を施した製品。 

3.5 

抗菌活性値(antibacterial activity) 

抗菌加工製品と無加工製品とにおける細菌を接種培養後の生菌数の対数値の差を示す値。 

3.6 

抗菌効果(antibacterial effectiveness) 

抗菌活性値から判断される抗菌加工製品の効果。 

 

抗菌効果 

この規格の試験方法によって得られる抗菌活性値が2.0以上のとき,抗菌加工製品は抗菌効果があるも

のと判断する。 

なお,受渡当事者間の合意により,2.0よりも大きい抗菌活性値をもって抗菌効果の有無を判断してもよ

い。 

 

試験方法 

5.1 

試験に用いる細菌 

試験に用いる細菌の種類は,次によるものとし,それぞれの細菌について試験を行う。 

a) 黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus) 

(スタフィロコッカス・アウレウス) 

b) 大腸菌(Escherichia coli) 

(エシェリヒア・コリー) 

試験に用いる細菌の菌株の一例を,表1に示す。表1に示す保存機関以外から分譲された菌株を使用す


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る場合は,分譲機関が世界微生物株保存連盟(WFCC:World Federation for Culture Collections)又は日本微

生物株保存連盟(JSCC:Japan Society for Culture Collections)に加盟している機関であり,かつ,表1と同

一系統の菌株とする。 

表1−試験に用いる細菌の菌株 

細菌の種類 

菌株の保存番号 

菌株の保存機関名 

黄色ぶどう球菌 
(Staphylococcus aureus) 

ATCC 6538P 
FDA 209P 
NBRC 12732 
 
CIP 53.156 
DSM 346 
NCIB 8625 

American Type Culture Collection 
Food and Drug Administration 
独立行政法人製品評価技術基盤機構, 
バイオテクノロジー本部,生物遺伝資源部門 
Collection des Bacteries de1ʼInstitut Pasteur Deutsche 
Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen Gmbh 
National Collection of Industrial and Marine Bacteria Ltd. 

大腸菌 
(Escherichia coli) 

ATCC 8739 
NBRC 3972 
 
CIP 53.126 
DSM 1576 
NCIB 8545 

American Type Culture Collection 
独立行政法人製品評価技術基盤機構, 
バイオテクノロジー本部,生物遺伝資源部門 
Collection des Bacteries de1ʼInstitut Pasteur Deutsche 
Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen Gmbh 
National Collection of Industrial and Marine Bacteria Ltd. 

 

5.2 

薬品,材料,器具及び装置 

この規格で用いる薬品,材料,器具及び装置は,特に指定がない限り,次による。 

エタノール(C2H5OH) 

JIS K 8101に規定する特級以上のもの。 

肉エキス 

微生物試験用のもの。 

ペプトン 

微生物試験用のもの。 

塩化ナトリウム(NaCl) 

JIS K 8150に規定する特級のもの。 

精製水 

第15改正日本薬局方の基準に適合するもの。 

寒天 

JIS K 8263に規定する特級以上のもの。 

酵母エキス 

微生物試験用のもの。 

トリプトン 

微生物試験用のもの。 

グルコース 

微生物試験用のもの。 

カゼイン製ペプトン 

微生物試験用のもの。 

大豆製ペプトン 

微生物試験用のもの。 

レシチン 

微生物試験用のもの。 

非イオン界面活性剤 

ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート。 

 

[ポリソルベート80(Tween80)] 

りん酸二水素カリウム 

JIS K 9007に規定する特級のもの。 

(KH2PO4) 

 

りん酸水素二カリウム 

JIS K 9017に規定する特級のもの。 

(K2HPO4) 

 

水酸化ナトリウム 

JIS K 8576に規定する特級のもの。 

(NaOH) 

 

塩酸(HCl) 

JIS K 8180に規定する特級のもの。 


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綿栓 

青梅綿を使用したもの,又はシリコン栓,金属栓,モルトン栓など。 

白金耳 

先端のループが約4 mmのもの。 

乾熱殺菌器 

温度を160〜180 ℃に保てるもの。 

オートクレーブ 

温度121 ℃(圧力103 kPa相当)に保てるもの。 

安全キャビネット 

JIS K 3800又は同等の性能をもつもの。 

pH計 

JIS Z 8802に規定するpH計 

化学はかり 

JIS K 0050に規定する化学はかり又は同等の性能をもつもの。 

クリーンベンチ 

微生物試験用のもの。 

メスピペット 

JIS K 0970若しくはJIS R 3505のクラスAに適合又は同等の精度をも

つもの。 

培養器 

温度±1 ℃に保てるもの。 

シャーレ 

内径約90 mmのガラス製,又はJIS K 0950に規定する90A号若しく

は90B号に適合するもの。 

ストマッカー袋 

微生物試験用のもの。 

ストマッカー 

微生物試験用のもの。 

フィルム 

ポリエチレンフィルムなど微生物の発育に影響を及ぼさず,吸水性が

なく密着性のよい材質を使用する。厚さは特に規定しない。 

5.3 

殺菌方法 

試験管,メスピペットなどのガラス製器具は,アルカリ又は中性洗剤で十分に洗浄し,水で十分すすい

で乾燥してから乾熱殺菌するか,高圧蒸気殺菌したものを用いる。その殺菌方法は,次のa) 又はb) によ

る。また,白金耳及び試験菅を火炎殺菌する場合は,次のc) による。 

a) 乾熱殺菌 殺菌対象物を,乾熱殺菌器中で170 ℃の場合60分以上,160 ℃の場合120分以上の時間

で殺菌する。ただし,乾熱殺菌終了後,殺菌対象物の綿栓,包装紙などが水でぬれたときは,その器

具は用いてはならない。 

b) 高圧蒸気殺菌 オートクレーブに水を入れ,金網の棚に殺菌対象物を金網かごに入れて載せる。オー

トクレーブのふたを締めて加熱し,温度121 ℃(圧力103 kPa相当)に15〜20分間保つ。加熱を止め,

100 ℃以下に自然冷却後,排気弁を開き蒸気を抜き去り,ふたを開け殺菌したものを取り出し,必要

に応じてクリーンベンチ又は安全キャビネット内で冷却する。オートクレーブは,培地,加工薬剤に

よる汚染を防ぎ,清浄に保つため,必要に応じ中性洗剤で洗浄し水で十分にすすぐ。 

c) 火炎殺菌 殺菌対象物及び部位をガス又はアルコールの火炎に当てる。白金耳の場合は十分に赤熱し,

試験管の場合は,2〜3秒間火炎に当てる。 

5.4 

培地など 

培地などは,次に示す組成のものを用いる。また,同一の組成のものであれば,市販品を用いることが

できる。 

a) 普通ブイヨン培地[1/500普通ブイヨン培地(1/500 NB)] 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対し

て化学はかりで計量した肉エキス3.0 g,ペプトン10.0 g及び塩化ナトリウム5.0 gを加え混合後,溶

解し普通ブイヨン培地を調製する。精製水で普通ブイヨン培地を500倍の量に希釈し,pH計を用い

pH 7.0〜7.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,高圧蒸気殺菌する。

調製後,直ちに使用しないものは5〜10 ℃の温度で保存する。調製後1週間以上過ぎた1/500 NBは

用いてはならない。 


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b) 普通寒天培地 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対して肉エキス5.0 g,ペプトン10.0 g,塩化ナト

リウム5.0 gを加え混合後,pH 7.0〜7.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で

調整し,これに寒天粉末15.0 gを加え,加熱溶解した後,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直

ちに使用しないものは5〜10 ℃の温度で保存する。調製後1か月以上過ぎた普通寒天培地は用いては

ならない。 

c) 標準寒天培地 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対して化学はかりで計量した酵母エキス2.5 g,

トリプトン5.0 g,グルコース1.0 g及び寒天粉末15.0 gを加え混合後,加熱溶解した後,pH計を用い

pH 7.0〜7.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,これに寒天粉末15.0 

gを加え高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しないものは5〜10 ℃の温度で保存する。調製後1

か月以上過ぎた標準寒天培地は用いてはならない。 

d) 斜面培地 試験管にあらかじめ温めて溶解したb) の普通寒天培地を6〜10 mL注ぎ,綿栓をして高圧

蒸気殺菌する。殺菌終了後,清浄な室内に試験管を水平面に対して約15度傾けて置き,内容物を凝固

させる。調製後,直ちに使用しないものは5〜10 ℃の温度で保存する。凝結水がなくなったものは溶

解し,再び凝固させて使用する。調製後1か月以上過ぎた斜面培地は用いてはならない。 

e) SCDLP培地 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対して化学はかりで計量したカゼイン製ペプトン

17.0 g,大豆製ペプトン3.0 g,塩化ナトリウム5.0 g,りん酸水素二カリウム2.5 g,グルコース2.5 g

及びレシチン1.0 gを加え,混合溶解した後,非イオン界面活性剤7.0 gを加えて溶解させる。pH計を

用いpH 6.8〜7.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,高圧蒸気殺菌

する。調製後,直ちに使用しないものは5〜10 ℃の温度で保存する。調製後1か月以上過ぎたSCDLP

培地は用いてはならない。 

f) 

りん酸緩衝液 化学はかりで計量したりん酸二水素カリウム34.0 gに,精製水又はイオン交換水500 

mLを加えて混合溶解した後,pH計を用いpH 6.8〜7.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液

で調整する。さらに,精製水又はイオン交換水を加えて1 000 mLとし,高圧蒸気殺菌する。調製後1

か月以上過ぎたりん酸緩衝液は用いてはならない。 

g) りん酸緩衝生理食塩水 f) のりん酸緩衝液を生理食塩水(0.85 %塩化ナトリウム溶液)で800倍に希

釈する。必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直

ちに使用しないものは5〜10 ℃の温度で保存する。調製後1か月以上過ぎたりん酸緩衝生理食塩水は

用いてはならない。 

5.5 

細菌の保存 

細菌の移植は,無菌的に行う。必要に応じて安全キャビネットを使用する。片手に元株と移植しようと

する5.4 d) の斜面培地(普通寒天培地)を,もう一方の手に白金耳の柄を持ってその手で綿栓を抜き取り,

試験管の口を火炎殺菌する。白金耳を火炎殺菌し,新しい斜面培地の凝結水のある部分に白金耳の先をつ

けて冷却し,これを用いて元株の菌体を一部かき取り,新しい斜面培地に画線塗抹する。 

その方法は,図1のように,白金耳の先を凝結水につけて細菌を分散し,ここから斜面上方まで白金耳

で直線を引くか,又は白金耳の先を再び凝結水につけて蛇行させながら斜面上方まで線を引く。 

再び試験管の口を火炎殺菌し,元のように綿栓する。使用した白金耳は火炎殺菌しておく。移植を行っ

た斜面培地を培養器中で温度35±1 ℃で24〜48時間培養し,その後は,温度5〜10 ℃で保存する。移植

してから1か月以内に次の移植を同様に行い継代培養する。継代回数は,菌株保存機関から分譲された元

株から数えて5回を限度とする。また,移植して1か月以上過ぎたものは,次の移植に用いてはならない。 

なお,菌株保存機関から分譲された菌株を,凍結乾燥,凍結などの長期間保存可能な方法で保存した場


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合は,保存菌株を作成するために元株から培養した継代回数を保存菌株の継代回数とする。この保存菌株

を試験に用いる場合は,5回から保存菌株の継代回数を引いた回数を使用限度とする。 

 

図1−細菌の移植 

 

5.6 

試験操作 

細菌の取扱いは,無菌的に行うとともに試験実施者,器具及び作業環境の細菌汚染に注意する。必要に

応じて安全キャビネットを使用し,次による。 

a) 試験菌の前培養 5.5の保存菌株から5.4 d) の斜面培地に1白金耳量移植し,培養器中で温度35±1 ℃

で16〜24時間培養する。さらに,この培養菌から新たな斜面培地に1白金耳量移植し,培養器中で温

度35±1 ℃で16〜20時間培養する。 

b) 試験片の調製 試験片の調製は,次による。 

1) 製品の平らな部分を50±2 mm角(厚さ10 mm以内)の正方形に切り取り,これを標準の大きさの

試験片とする。ただし,この正方形に切り取ることが困難又は不可能な場合,表面積400〜1 600 mm2

のフィルムをかぶせることが可能な試験片の形状及び大きさであれば,この形状及び大きさ以外の

試験片を使用してもよい。 

2) 無加工試験片は,抗菌無加工製品又はフィルムから切り取ったものとし,無加工試験片6個のうち,

3個は試験菌液接種直後の生菌数測定用に,残りの3個は24時間培養後の生菌数測定に用いる。 

3) 無加工試験片が準備できない場合は,5.2のフィルムを使用してもよい。試験片の調製に当たっては

微生物汚染,製品間の相互汚染及び汚れに十分注意する。試験片は,製品そのものから採取するこ

とが望ましいが,製品の形状から試験片の調製が困難な場合は,同じ原材料及び加工方法で別途平

板状に加工したものから試験片を調製してもよい。 

4) 無加工試験片を所定枚数準備できない場合で,半数(3個)準備できる場合には,24時間培養後の

生菌数測定用として無加工試験片3個を使用し,試験菌液接種直後の生菌数測定用にはフィルムを

代用する。半数(3個)準備できない場合は,すべてフィルムを使用する。 

c) 試験片の清浄化 b) の試験片の全面を,エタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂綿で軽く2〜3

回ふいた後,十分に乾燥する。 

これらの処理をすることによって,試験片の軟化,表面の塗装の溶解,成分の溶出などの変化が起

こり,これらが原因で試験結果に影響を及ぼすと判断される場合においては,他の適切な方法を用い

て清浄化するか,又は清浄化せずにそのまま試験に用いる。 

d) 試験菌液の調製 a) で前培養した試験菌の菌体1白金耳量を,少量の5.4 a) の1/500 NBに均一に分

散させ,顕微鏡による直接観察又はその他の適切な方法によって菌数を推定する。この菌液を1/500 

NBを用いて適宜希釈し,菌数が2.5×105〜10×105個/mLとなるように調整し,これを試験菌液とす


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る。試験菌液をすぐに使用しない場合は氷冷(0 ℃)保存し,保存後2時間以内に使用する。 

e) 試験菌液の接種 試験菌液の接種は,次による。 

1) c) の各試験片の試験面を上にして滅菌済シャーレ内に置く。ただし,試験面は抗菌加工が施されて

いる製品の表面とする。内部まで抗菌加工されている製品であっても,切断面は試験面としない。 

2) d) の試験菌液をメスピペットで正確に0.4 mL採取し,これをシャーレ内の各試験片に滴下する。

標準の大きさ以外の試験片の接種菌液量は,被覆したフィルムの面積比で案分する。また,標準の

大きさの試験片であっても,規定に基づく菌液量を接種したとき,陶磁器,タイル,ほうろう,ガ

ラスなどのぬれ性が極めて良い試験片では,わずかな傾斜でフィルムが移動したり,フィルムの端

から菌液が漏れ出す場合がある。このような場合は,接種菌液の液量を規定量の1/4を限度に減じ

てもよい。ただし,試験片に接種する菌数は,接種菌液量を少なくした場合においても,6.2×103

〜2.5×104個/cm2とする。 

3) 滴下した試験菌液の上にフィルムをかぶせ,菌液がフィルムの端からこぼれないように注意しなが

ら,試験菌液がフィルム全体に行きわたるように軽く押さえつけた後,シャーレのふたをする(図

2参照)。フィルムの大きさは,40±2 mm角の正方形を標準とする。試験片が標準の大きさ以外の

場合は,フィルムの四方の端が試験片より2.5 mm〜5.00 mm以内となるように大きさを調整する。

ただし,フィルムの大きさは400 mm2より小さくしてはならない。また,試験片の形状が平面でな

くてフィルムを密着させることが困難な場合,親水性があってフィルムを被覆しなくても菌液が試

験片全体に拡散する場合などにおいては,フィルムをかぶせる操作を省略することができる。フィ

ルムをかぶせる操作を省略した場合は,5.6 b) 1)において調製する試験片の大きさは40±2 mm角

(厚さ10 mm以内)を標準の大きさとする。 

なお,試験菌液の接種に当たって,親水性が高い表面をもつ試料など,どうしても試験菌液がフ

ィルムの端から漏れてしまう場合は,菌液量を0.1 mLを限度として減量して接種する。この場合に

は,通常量の接種菌液を適用する場合又は同数の細菌個数を提供するために菌液中の細菌数の濃度

を高める。 


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単位 mm 

 

図2−試験片への菌液の滴下及びフィルムの被覆 

 

f) 

試験菌液を接種した試験片の培養 試験菌液を接種した試験片(無加工試験片3個及び抗菌加工試験

片3個)の入ったシャーレを培養器中で温度35±1 ℃,相対湿度90 %以上で24±1時間培養する。 

注記 製品の抗菌効果は,ここで規定する培養温度で試験して得られた抗菌活性値から判断される

が,すべての当事者が合意する場合は,抗菌加工製品が実際に使用される温度を考慮した温

度(室温など)も合わせて試験してもよい。 

g) 接種した試験菌の洗い出し 接種した試験菌の洗い出しは,次による。 

1) 試験菌液接種直後の試験片 試験菌液を接種した直後の無加工試験片3個について,被覆フィルム

及び試験片をそれぞれ菌液がこぼれないように注意しながらそれぞれ別のシャーレに置く。シャー

レ内に5.4 e) のSCDLP培地10 mLを加え,メスピペットで無加工試験片上の試験菌を最低4回洗

い出し菌液を完全に回収する。この洗い出し液は,速やかに生菌数測定に供する。 

2) 培養後の試験片 f) の培養後の試験片について,1) と同様に試験菌を洗い出す。この洗い出し液は,

速やかに生菌数測定に供する。 

3) 試験菌の洗い出しについては,被覆フィルム及び試験片をそれぞれ菌液がこぼれないように注意し

ながら滅菌したピンセットを用いて滅菌済ストマッカー袋内に入れ,これにメスピペットで5.4 e) 

のSCDLP培地10 mLを加え,手又は微生物試験用の抽出装置(ストマッカーなど)で試験片及び

被覆フィルムを十分にもみ,試験菌を洗い出す方法も適用できる。また,これらの方法と同等又は

それ以上の回収率が認められる方法であれば他の方法を用いてもよい。試験片の大きさ及び特性上

SCDLP培地10 mLで洗い出しが困難な場合は,液量を増やしてもよい。 


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h) 寒天平板培養法による生菌数の測定 g) の洗い出し液1 mLをメスピペットで正確に採取し,5.4 g) 

のりん酸緩衝生理食塩水9.0 mLの入った試験管に加え,十分に混合する。さらに,この試験管から1 

mLを新しいメスピペットで採り,別の試験管のりん酸緩衝生理食塩水9.0 mLに入れて,十分に混合

する。この操作を順次繰り返して,10倍希釈系列希釈液を作製する。洗い出し液及び各希釈液から,

それぞれ1 mLを滅菌済シャーレ2枚に分注する。これらのシャーレ1枚当たり,46〜48 ℃に保温し

た5.4 c) の標準寒天培地15〜20 mLを加え,よく混合する。シャーレのふたをして室温で放置し,培

地が固まった後,シャーレを倒置し,培養器中で温度35±1 ℃で40〜48時間培養する。培養後,原

則として30〜300個の集落が現れた希釈系列のシャーレの集落数を測定する。洗い出し液1 mLを分

注した寒天平板においても集落数が30個未満の場合は,その集落数を測定する。いずれの寒天平板に

も集落の形成が認められない場合は“<1”と表示する。また,集落数が希釈倍率と反比例の関係にな

い場合は,抗菌成分の影響によって集落の形成が抑制されていることが考えられるため,不活化剤の

使用又は希釈などによって抗菌成分の影響を受けずに集落が形成される方法を用いて生菌数を測定す

る。 

注記 ここで規定する以外の集落数の採用方法については,日本薬学会編衛生試験法・注解(2005)

1.2微生物試験法3) 菌数測定 (1) 混釈平板培養法又は厚生省生活衛生局監修 食品衛生検査

指針微生物編(2004)第2章細菌2汚染指標菌1細菌数を参考とする。 

5.7 

生菌数の計算 

測定した集落数から式(1)によって生菌数を求める。 

A

V

D

C

N

  (1) 

ここに, N: 生菌数(試験片1 cm2当たり) 
 

C: 集落数(採用した2枚のシャーレの集落数平均値) 

 

D: 希釈倍数(採用したシャーレに分注した希釈液の希釈倍数) 

 

V: 洗い出しに用いたSCDLP培地の液量(mL) 

 

A: 被覆フィルムの表面積(cm2) 

ただし,5.6 e) 3)において被覆フィルムを省略した場合には,Aは抗菌加工試験片又は無加工試験片の表

面積(cm2)とする。 

生菌数は,有効数字3けた目を四捨五入して2けたで表示する。集落数Cが“<1”の場合は,Cを“1”

とおいて,そのときのV,A,Dに応じて生菌数を算出し,例えば,Vが10 mL,Aが16 cm 2,Dが1の場

合は“<0.63”と表示する。 

5.8 

試験結果 

試験結果は,次による。 

a) 試験成立条件の判定 次の3項目の試験条件をすべて満たすとき,その試験は有効と判定する。すべ

ての条件を満足しない場合は,試験不成立と判定し,再度試験を実施する。 

1) 無加工試験片の接種直後の生菌数の対数値について,次の式(2)が成立する。 

2.0

mean

min

max

L

L

L

  (2) 

ここに, Lmax: 生菌数対数値の最大値 
 

Lmin: 生菌数対数値の最小値 

 

Lmean: 3個の試験片の生菌数対数値の平均値 

2) 無加工試験片の接種直後の生菌数平均値は,6.2×103〜2.5×104個/cm2の範囲内である。 


10 

Z 2801:2010  

 

3) 無加工試験片の24時間後の生菌数は,3個の値がすべて62個/cm2以上である。ただし,無加工試

験片にフィルムを用いた場合は,24時間後の生菌数の3個の値がすべて6.2×102個/cm2以上とする。 

b) 抗菌活性値の計算 試験が成立した場合について,式(3)によって抗菌活性値を求める。数値は,小数

点以下2けた目を切り捨て,小数点以下1けたで表示する。生菌数が“<0.63”の場合は,“0.63”と

して対数値の平均値を計算する。 

t

t

o

t

o

t

)

(

)

(

A

U

U

A

U

U

R

  (3) 

ここに, 

R: 抗菌活性値 

 

Uo: 無加工試験片の接種直後の生菌数の対数値の平均値 

 

Ut: 無加工試験片の24時間後の生菌数の対数値の平均値 

 

At: 抗菌加工試験片の24時間後の生菌数の対数値の平均値 

 

試験結果の記録 

プラスチック製品などの抗菌加工製品の試験結果は,次の事項を記載する。 

a) 規格番号又は規格名称 

b) 試験開始日付 

c) 抗菌加工及び無加工試験片の種類・大きさ・形状・厚み 

d) フィルムの種類・大きさ・形状・厚み 

e) 試験菌種 

f) 

菌株の保存番号 

g) 試験菌液の接種量 

h) 試験菌液の生菌数 

i) 

清浄化の方法 

j) 

5.8 b) のUo・Ut・Atそれぞれの値及び抗菌活性値,試験所名称,責任者の氏名及び試験報告日付。 

k) この規定からの逸脱事項など 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 

JIS L 1902 繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果 


 

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS Z 2801:2010 抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果 

ISO 22196:2007 Plastics−Measurement of antibacterial activity on plastics surfaces 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

繊維製品及び光触
媒製品を除く抗菌
加工製品(中間製品
を含む。)の表面に
おける細菌に対す
る抗菌性試験方法
及び抗菌効果につ
いて規定 

 

抗菌加工を施したプラス
チック製品(中間製品を
含む。)だけの抗菌性能の
評価方法を規定。ただし,
“Note”には他の非多孔
質材料にも適用してもよ
いかもしれないと記載 

追加 

ISO規格は,対象製品がプ
ラスチック製品だけに限
定。また,ISO規格では抗
菌効果の判定基準はない。 

ISO規格の対象製品が限定されている
のは,専門委員会で審議されるという
ISO機関の制度によるもの。 
日本では消費者から抗菌加工製品の評
価のときに,抗菌効果の判断基準を規定
することが求められている。 
実質的な差異はない。 

3 用語及
び定義 

規格に用いる主な
用語及び定義につ
いて規定 

 

JISと本質的差異はない。 追加 

抗菌加工及び抗菌加工製品
の定義はISO規格にはなく
JISだけにある。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
による。“抗菌”の定義は一致している
ので問題はない。 

4 抗菌効
果 

抗菌効果の判定基
準として具体的数
値で規定 

 

8.4 

有効性を判断するための
数値はすべての利害関係
者が合意のうえ決定す
る。 

追加 

JISは抗菌活性値2.0以上と
規定。 

各国又は製品によって判断基準は変わ
る可能性があるためISO規格では規定
していない。 
実質的な差異はない。 

5 試験方
法 

5.2 薬品,材料,器
具の仕様,装置,等
級などを規定 

 

4.2 

JISとほぼ同じだが,ISO
規格で等級を規定するこ
とはない。 

追加 

JISが存在する薬品,材料,
器具については当該JISを
引用。精製水については日
本薬局方を引用。肉エキス
とペプトンとの組成につい
てISO規格では附属書Aで
規定しているが,JISでは微
生物試験用と規定。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

3

 

Z

 2

8

0

1

2

0

1

0

 

 

 

 

 


 

 

 

 (I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5 試験方
法(続き) 

5.3 a) 乾熱殺菌方法
について規定 

 

6.1 

JISと本質的差異はない。 追加 

ただし書きについてはISO
規格にはない。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

5.3 b) 高圧蒸気殺菌
方法について規定 

 

6.2 

JISと本質的差異はない。 追加 

加熱後の具体的操作方法に
ついてはISO規格にはな
い。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

5.3 c) 火炎殺菌方法
について規定 

 

− 

− 

追加 

火炎殺菌方法はISO規格に
はない。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

5.4 b) 普通寒天培地
の調製方法につい
て規定 

 

4.2.3.3 

寒天を加え溶解してから
pH調製を行う。 

変更 

pH調製を実施後,寒天を加
え溶解する。 

pH調製の作業性向上のため変更。以後
の操作及び結果に影響はない。 

 

5.4 c) 標準寒天培地
の調製方法につい
て規定 

 

4.2.3.4 

寒天を加え溶解してから
pH調製を行う。 

変更 

加熱溶解をした後,pH調製
を行い,寒天を加える。 

pH調製の作業性向上のため変更。以後
の操作及び結果に影響はない。 

 

5.5 細菌の移植とそ
の後の保存方法に
ついて規定 

 

6.4 

元株の保存条件,移植後
の継代時期については
JISと同じ。 

追加 

細菌の移植操作手順につい
てはISO規格にはない。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

5.6 b) 試験片の調製
方法について規定 

 

7.2 

JISと本質的差異はない。 追加 

無加工試験片が準備できな
い場合の対応方法はISO規
格にはない。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

5.6 c) 試験片の清浄
化方法について規
定 

 

7.2 

JISと本質的差異はない。 変更 

JISではエタノールふきが
前提だが,それに問題があ
る場合には清浄化しないか
又は別法による。ISO規格
は清浄化はしないのが前提
だが必要に応じてエタノー
ルふきなどの操作をしても
よい。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

 

3

 

Z

 2

8

0

1

2

0

1

0

 

 

 

 

 


 

 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5 試験方
法(続き) 

5.6 g) 接種した試験
菌の洗い出し方法
について規定 

 

7.6 

JISと本質的差異はない。 追加 

JISでは従来からのストマ
ッカーを用いる方法もg) 3)
に併記した。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

5.6 h) 寒天平板培養
法による生菌数の
測定方法について
規定:標準寒天培地
の加え方 

 

7.7 

JISと本質的差異はない。 追加 

JISでは保温条件を規定。標
準寒天培地量も幅をもたせ
た。 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

5.7 生菌数の計算に
ついて規定 

 

8.1 

JISと本質的差異はない。 追加 

集落数が“<1”の場合,生
菌数を“<0.63”と表示す
る例を記載。 

より明確にするため,cm2単位の生菌数
で表示することにしたもので,実質的な
差異はない。 

 

5.8 a) 試験成立条件
の判定方法につい
て規定 

 

8.2 

JISと本質的差異はない。 追加 

無加工試験片にフィルムを
用いた場合の24時間後の
生菌数の条件を追記 

日本の抗菌性評価における技術的事情
によるもので,実質的な差異はない。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22196:2007,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

 

3

 

Z

 2

8

0

1

2

0

1

0