Z 2615:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般事項························································································································· 2
5 分析方法························································································································· 2
6 試料の調製 ······················································································································ 3
6.1 試料の分類 ··················································································································· 3
6.2 機械,工具及び器具 ······································································································· 3
6.3 材料の形状別による分析用試料の調製方法 ·········································································· 3
6.4 分析用試料の取扱い ······································································································· 4
7 装置の種類 ······················································································································ 5
7.1 装置の構成 ··················································································································· 5
7.2 装置の選定 ··················································································································· 7
7.3 装置の設置 ··················································································································· 7
7.4 装置の予備操作 ············································································································· 7
8 器具及び材料 ··················································································································· 8
9 操作······························································································································ 11
9.1 重量法 ························································································································ 11
9.2 ガス容量法 ·················································································································· 13
9.3 硫酸逆滴定法 ··············································································································· 17
9.4 電気伝導率法 ··············································································································· 22
9.5 電量法 ························································································································ 24
9.6 熱伝導度法 ·················································································································· 28
9.7 赤外線吸収法 ··············································································································· 31
10 結果の整理 ··················································································································· 34
11 その他の共通事項 ·········································································································· 34
11.1 分析誤差の要因 ··········································································································· 34
11.2 安全衛生 ···················································································································· 34
11.3 個別規格で規定すべき事項 ···························································································· 35
11.4 個別規格での推奨事項 ·································································································· 35
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本
分析化学会(JSAC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で
ある。
これによって,JIS Z 2615:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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金属材料の炭素定量方法通則
General rules for determination of carbon in metallic materials
1
適用範囲
この規格は,金属材料の炭素定量方法における,共通的な一般事項について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0130 電気伝導率測定方法通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 1101 酸素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS R 1306 化学分析用磁器燃焼ボート
JIS R 1307 化学分析用磁器燃焼管
JIS Z 2616 金属材料の硫黄定量方法通則
JIS Z 8402-1 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第1部:一般的な原理及び定義
JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部:標準測定方法の併行精度及
び再現精度を求めるための基本的方法
JIS Z 8402-3 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第3部:標準測定方法の中間精度
JIS Z 8402-4 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第4部:標準測定方法の真度を求め
るための基本的方法
JIS Z 8402-5 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第5部:標準測定方法の精度を求め
るための代替法
JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的
な使い方
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211,JIS K 0212,JIS K 0213及びJIS K 0215によるほ
か,次による。
3.1
炭素酸化物
試料を酸素気流中で燃焼させたときに,試料中の炭素が酸化して生成する二酸化炭素及び一酸化炭素。
3.2
ランス
試料の燃焼を促進するために,酸素を試料の直上へ効率よく供給する搬送管。
4
一般事項
一般事項は,次による。
a) 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。
b) 電気伝導率測定法に共通する一般事項は,JIS K 0130による。
c) 電量法に共通する一般事項は,JIS K 0113による。
d) 分析に用いる水は, JIS K 0557の4.(種別及び質)に規定する種別A3以上のもの。二酸化炭素を除
去した水の調製方法は,JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。
e) 試薬は,JISに規定するもの又はこれと同等以上の品質のものを用い,JISに規定がない場合は,分析
に支障のないものを用いる。微量炭素の分析には,特に高純度の試薬を用いる。
f)
装置及び器具は,指定する機能を満足するものを用いる。
5
分析方法
試料を単独又は助燃剤とともに酸素気流中で燃焼させ,生成した炭素酸化物を共存する他のガスから分
離して定量する。その分析方法は,測定方式によって,次のように分類する。
a) 重量法 燃焼ガス中の硫黄酸化物及び水を除去した後,ソーダ石灰などを用いて二酸化炭素を吸収さ
せ,その増加した質量を求める。この方法は,通常,炭素の含有率0.05 %(質量分率)以上の試料に
適用する。
b) ガス容量法 燃焼ガス中の硫黄酸化物を除去した後,過剰の酸素とともに二酸化炭素をガスビュレッ
トに捕集してその体積を測定した後,水酸化カリウム溶液に二酸化炭素を吸収させ,ガスの体積減少
量を求める。この方法は,通常,炭素の含有率0.05 %(質量分率)以上の試料に適用する。
c) 硫酸逆滴定法 燃焼ガス中の硫黄酸化物を除去した後,一定量の水酸化ナトリウム溶液に二酸化炭素
を吸収させ,過剰のアルカリを硫酸標準液で滴定して滴定量を求める。この方法は,通常,炭素の含
有率0.005 %(質量分率)以上の試料に適用する。
d) 電気伝導率法 燃焼ガス中の硫黄酸化物を除去した後,一定量の水酸化ナトリウム溶液に二酸化炭素
を吸収させ,吸収前後の水酸化ナトリウム溶液の電気伝導率の変化を求める。この方法は,通常,炭
素の含有率0.001 %(質量分率)以上の試料に適用する。
e) 電量法 燃焼ガス中の硫黄酸化物を除去した後,一定量の弱アルカリ性溶液に二酸化炭素を吸収させ,
元のpHに戻るまでその溶液を電気分解し,それに要した電気量を求める。この方法は,通常,炭素
の含有率0.001 %(質量分率)以上の試料に適用する。
f)
熱伝導度法 燃焼ガス中の硫黄酸化物及び水を除去した後,二酸化炭素を合成ゼオライトに吸着させ,
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その捕集管を加熱して二酸化炭素を脱着させ,酸素を吹き込んで熱伝導度検出器に導き,二酸化炭素
による熱伝導度の変化を求める。この方法は,通常,炭素の含有率0.001 %(質量分率)以上の試料
に適用する。
g) 赤外線吸収法 燃焼ガス中の水を除去した後,赤外線吸収検出器に導き,二酸化炭素又は二酸化炭素
と一酸化炭素とによる赤外線吸収量を連続測定して積分することによって求める。この方法には,酸
化管を使用して全量を二酸化炭素として測定する装置,及び酸化管を省略して二酸化炭素と一酸化炭
素とを測定する装置の二つの方式があり,通常,炭素の含有率0.001 %(質量分率)以上の試料に適
用する。
6
試料の調製
6.1
試料の分類
この規格で取り扱う試料は,調製前の状態によって,次のように分類する。
なお,試料を調製する場合には,ロットの平均組成を代表させるために,特に,炭素の偏析及び汚染又
は変質がないように注意して取り扱う。
a) 溶融金属から採取した試料
b) 塊状,棒状,線状,板状及びはく状の試料
c) スポンジ状の試料
d) 粉末の試料
6.2
機械,工具及び器具
試料の調製に用いる機械,工具及び器具は,次による。
a) 機械 旋盤,形削り盤,ボール盤,打抜き機,クラッシャー,フレットミル,スタンプミル,圧縮機
など。
b) 工具 ドリル,バイト,ペンチ,ニッパ,カッタ,はさみ,乳鉢,ハンマーなど。
c) 器具 スコップ,スプーン,二分器,ふるい,ステンレス鋼製の容器,ダイス,ポンチ,磁石など。
なお,機械,工具及び器具は,よく清掃して使用する。特に,試料と接触する部分は,洗浄して清浄に
保ち,試料が汚染しないようにする。洗浄には,エタノール,アセトン,ジエチルエーテルなどを,排気
に留意して用いる。
6.3
材料の形状別による分析用試料の調製方法
6.3.1
溶融金属から採取した試料からの調製
溶融金属から鋳込み法などで採取した試料からの調製は,次のいずれかによる。
a) 切削法
1) 採取した試料の表面に付着している異物,酸化物などをボール盤などの適切な機械で除き,引き続
ききりもみして厚さ1 mm未満の削り片を作り,よくかき混ぜた後,必要であれば,縮分して分析
用試料とする。きりもみには,削り片の表面が酸化しない程度の圧力及び回転数を用いる。
なお,金属材料によっては,試料を軟らかくして切り出しやすいように熱処理を加えてもよいが,
熱による炭素などの成分の損失に十分注意し,熱処理表面は除く。油脂などの減摩剤を用いてはな
らない。また,試料を冷却するために注水してはならない。さらに,削り片にドリルなどの摩耗粉
が混入しないように注意する。
2) 削り片がひも状になった場合は,乳鉢,はさみなどの適切な工具を用いて細片とし,よくかき混ぜ
た後,必要であれば縮分して,分析用試料とする。
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b) 切出し法 採取した試料の表面に付着している異物,酸化物などをボール盤などの適切な機械で除き,
板状試料片を切り出す。この試料片から適切な機械・工具を用いて,分析に適した質量の小片を切り
出し又は打ち抜く。
なお,金属材料によっては,試料を軟らかくして切り出しやすいように熱処理を加えてもよいが,
熱による炭素などの成分の損失に十分注意し,熱処理表面は除く。
6.3.2
塊状,棒状,線状,板状及びはく状の試料からの調製
塊状,棒状,線状,板状及びはく状の試料からの調製は,次のいずれかによる。
a) 切削又は切断が適切な場合
1) 塊状,棒状,線状及び板状の場合は,6.3.1 a) によって調製し,また,線状,板状及びはく状の場
合には,6.3.1 b) によって調製してもよい。
2) 細線状及びはく状の試料の場合は,新しい表面をエタノール,ジエチルエーテルなどで洗浄した後,
はさみなどを用いて細片とし,よくかき混ぜた後,必要があれば縮分して分析用試料とする。
b) 粉砕が適切な場合
1) 塊状の試料の場合は,クラッシャー,スタンプミル,乳鉢などを用いてその全量を最適な粗粒まで
粉砕した後,インクリメント縮分方法,二分器などによって縮分する。
なお,粉砕又は縮分中に破片の損失及び異物の混入がないように注意する。
2) 元の試料の平均組成を保つように注意して,粉砕,混合及び縮分を繰り返して分析用試料とする。
c) その他の場合 切削,切断又は粉砕が容易でない試料の調製は,次による。
1) 試料の塊を打砕して幾つかの破面からその一部を割り採って集め,元の試料の平均組成を保つよう
に注意して,打砕,混合及び縮分を繰り返して分析用試料とする。
2) 偏析が無視できる試料塊の場合は,その一部を割り採り,粉砕して分析用試料とする。
6.3.3
スポンジ状の試料からの調製
スポンジ状の試料からの調製手順は,次による。
a) 試料の粒度が偏らないように注意してその一部を採り,ダイスに入れて上からポンチを差し込み,圧
縮機で適切な圧力を加えて成形する。
b) 圧縮塊を取り出し,旋盤,ボール盤などで,削り片の表面が酸化しない圧力及び回転数で削り片を作
る。
なお,アルゴン気流中で酸化を避けて切削できるようにした機械などでは,削り速度を高めるとよ
い。
c) 削り片は,ステンレス鋼製の容器などに集め,ステンレス鋼製の棒又はスプーンで押し潰し,JIS Z
8801-1に規定する,公称目開き主寸法4 mmのふるい網を通過させ,よく混合して分析用試料とする。
6.3.4
粉末の試料からの調製
粉末の試料からの調製は,次による。
a) よくかき混ぜた後,その一部を採取して分析用試料とする。
b) 粉砕を必要とする粉末の試料の場合は,元の試料の平均組成を保つように注意して粉砕,混合及び縮
分を繰り返して分析用試料とする。
6.4
分析用試料の取扱い
分析用試料の取扱いは,次による。
a) 調製中に試料の表面が油などで汚染するおそれがある場合は,エタノール,ジエチルエーテルなどで
洗浄した後,保存する。
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なお,非磁性試料の調製中に鉄粉などが混入したおそれがある場合で,磁石などで分離できるとき
は,磁石を用いて取り除くとよい。
b) 分析用試料は,通常,清浄なガラス瓶に入れ,密栓をして保存する。酸化を受けやすい材料の分析用
試料を長期に保存する必要があるときは,アルゴンなどの不活性ガスで空気を置換しておく。
c) 分析用試料から分析試料をはかりとるときは,平均組成を保つように試料を混合した後,清浄なステ
ンレス鋼製のスプーンなどを用い,試料が汚染しないように注意する。
7
装置の種類
7.1
装置の構成
7.1.1
装置の概要
試料中の炭素を燃焼酸化させる装置は,炭素抽出部及び炭素酸化物測定部に大別できる。炭素定量法の
装置構成の例を,図1に示す。炭素抽出部は,酸素精製部,試料燃焼部及び燃焼ガス精製部から構成し,
炭素酸化物測定部は,二酸化炭素吸収部及び測定部によって構成する。ただし,炭素酸化物測定部の構成
は,箇条5に規定する測定方式によって異なる。
a) 炭素抽出部
図1−炭素定量法の装置構成の例
酸素
圧力及び
流量調整器
酸化管
二酸化炭素
吸収管
脱水管
酸素精製部
燃焼管
及び
加熱炉
試料+
助燃剤
脱水管
酸化管及び加熱炉
脱硫管
精製燃
焼ガス
燃焼ガス精製部
試料燃焼部
集じん管
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b) 炭素酸化物測定部
図1−炭素定量法の装置構成の例(続き)
7.1.2
酸素精製部
酸素ボンベから供給される酸素の圧力及び流量を調節し,酸素中に含まれる炭素酸化物,有機物ガス,
水など,炭素定量の妨害となる成分を除去する部分で,酸素ボンベ,圧力及び流量調整器,酸化管,二酸
化炭素吸収管又は塔,脱水管又は塔などから構成し,この順に接続して使用する。
なお,乾式の酸化管の場合には,酸化管を加熱する電気抵抗加熱炉を使用する。
7.1.3
試料燃焼部
試料を酸素気流中で加熱燃焼させる部分で,試料挿入部,燃焼管及び加熱炉から構成する。燃焼管には,
磁器製及び石英ガラス製がある。加熱炉には,電気抵抗加熱方式及び高周波誘導加熱方式がある。試料燃
焼部の入口は酸素精製部,出口は燃焼ガス精製部に接続して使用する。
7.1.4
燃焼ガス精製部
燃焼ガス中の二酸化炭素を定量する場合,妨害となる成分を除去するための部分で,集じん管,脱水管,
酸化管及び脱硫管から構成する。燃焼ガス精製部の入口は試料燃焼部に,出口は炭素酸化物測定部に接続
して使用する。
7.1.5
炭素酸化物測定部
精製した燃焼ガス中の炭素酸化物を定量する部分で,その構成は,測定方式によって異なり,次による。
a) 重量法 精製した燃焼ガス中の二酸化炭素を吸収させる二酸化炭素吸収管及び外部から二酸化炭素,
水など定量の妨害となる成分の侵入を防ぐ保護管[脱水管(又は脱水塔)及び二酸化炭素吸収管(又
は二酸化炭素吸収塔)]から構成する。
b) ガス容量法 精製した燃焼ガスの体積を測定するガスビュレット,燃焼ガス中の二酸化炭素を吸収さ
精製燃
焼ガス
二酸化炭素吸収部
二酸化炭素吸収管
化学はかり
(重量法)
ガスビュレット
(ガス容量法)
測定部
二酸化炭素吸収瓶
二酸化炭素吸収・測定セル
二酸化炭素吸収・電解セル
二酸化炭素捕集管
二酸化炭素吸収管
(赤外線吸収法)
ビュレット
(硫酸逆滴定法)
電気伝導率測定器
(電気伝導率法)
電量滴定装置
(電量法)
熱伝導度測定器
(熱伝導度法)
赤外線吸収測定器
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せる吸収瓶及び燃焼ガスの採取と吸収瓶に燃焼ガスを送るための水準瓶から構成する。
c) 硫酸逆滴定法 精製した燃焼ガス中の二酸化炭素を吸収し,滴定を行う吸収管及び外気から二酸化炭
素などの侵入を防ぎ,かつ,吸収管に吸収されずに逃げる二酸化炭素を監視する検査トラップから構
成する。
d) 電気伝導率法 精製した燃焼ガス中の二酸化炭素を吸収させ,かつ,吸収前後の電気伝導率の変化を
測定する電極付きの試料セル及び参照セル,両セルを恒温に保つ恒温槽,電気伝導率測定回路及び指
示計,又は記録計から構成する。
e) 電量法 精製した燃焼ガス中の二酸化炭素を吸収させ,かつ,吸収によって低下したpHを元に戻す
ための電解を行う吸収・電解セル,電解に要した電気量を測定する電量測定回路及び指示計から構成
する。
f)
熱伝導度法 精製した燃焼ガス中の二酸化炭素を吸着させる捕集管,捕集した二酸化炭素を脱着させ
る加熱炉,二酸化炭素による熱伝導度の変化を測定する試料セル及び参照セル,両セルを恒温に保つ
恒温槽,熱伝導度測定回路及び指示計から構成する。
g) 赤外線吸収法 精製した燃焼ガス中の炭素酸化物による赤外線吸収量を測定するために,赤外線吸収
検出器,赤外線吸収測定回路及び指示計から構成する。この方法には,酸化管を使用して全量を二酸
化炭素として測定する装置,及び酸化管を省略して二酸化炭素と一酸化炭素とを測定する装置の二つ
の方式がある。
7.2
装置の選定
装置は,分析作業の種類,試料の炭素の含有率などの作業条件によって,7.1.5に規定するいずれかの定
量方法を選定する。
なお,選定に当たっては,次の事項を考慮する。
a) 試料の種類(多様な試料を取り扱うのか,又は同種金属に限定するのか)
b) 炭素の含有率(ごく微量か,又は広い測定範囲か)
c) 分析作業の種類(工場における日常作業分析用として多数の試料を分析するのか,研究分析用として
多品種の試料を比較的数少なく処理するのか,研究目的で限定された期間だけ使用するのかなど)
d) 感度,精確さなど
7.3
装置の設置
装置の設置は,それぞれの装置に応じた設置条件を満たすこととする。通常,次の条件を備えることが
望ましい。
a) 腐食性ガス,特に酸性ガスがなく,ほこりが少ない。
b) 湿度があまり高くなく,温度変化が少ない。
c) 供給電源の電圧及び周波数の変動が少ない。
d) 加熱炉は,十分に接地する。
e) 振動が少ない環境である。
7.4
装置の予備操作
定量操作に先立ち,分析試料又は分析試料と類似した試料を用いて,あらかじめ予備操作を行い,試料
燃焼時の加熱時間,助燃剤の種類,使用量,酸素の送入流量・送入時間など,使用する装置の適切な条件
を定める。さらに,この条件に設定して,定量操作を行う。
8
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器具及び材料
8.1
酸素ボンベ及び減圧弁 試料の燃焼のための酸素を供給するボンベには,酸素圧力及び流量を調節
するために減圧弁を付ける。減圧弁は,二段式のものが望ましい。
8.2
流量計 流量計は,供給する酸素の流量を監視するためのもので,通常,0〜4 000 mL/min程度のロ
ータメータを用いる。
8.3
酸化管 酸化管には,乾式及び湿式のものがある。
a) 乾式酸化管 酸素中の有機物などを酸化させるものとして,粒状の酸化銅(II)又は白金触媒を詰め
た管で,粒状の酸化銅(II)は650〜700 ℃に,白金触媒は700〜750 ℃に加熱して使用する。また,
燃焼ガス中の一酸化炭素,二酸化硫黄などを酸化させるものとして,約350 ℃に加熱した白金触媒を
使用する。
b) 湿式酸化管又は瓶 クロム酸硫酸溶液(飽和)若しくは過マンガン酸硫酸溶液を入れた管又は瓶を用
いる。クロム酸硫酸溶液(飽和)は,硫酸(密度1.84 g/cm3)に酸化クロム(VI)(CrO3)を飽和する
まで溶解して調製する。また,過マンガン酸硫酸溶液は,過マンガン酸カリウム溶液(50 g/L)10 mL
につき硫酸(1+1)1 mLの割合で混合して調製する。
8.4
二酸化炭素吸収管又は塔 酸化管を通過した酸素中の二酸化炭素を吸収させるか,又は外気からの
二酸化炭素などの酸性ガスの侵入を防ぐためのもので,シリカゲル,雲母などの無機質の支持体に水酸化
ナトリウムを含浸させたもの,粒状の水酸化ナトリウム,ソーダ石灰などを詰めた管又は塔を用いる。
なお,水酸化ナトリウムを用いるときは,二酸化炭素の吸収をよくするために,破砕して新しい表面を
出す。
8.5
脱水管又は塔 酸素中若しくは燃焼ガス中の水分を除去するため又は外気からの水分の浸入を防ぐ
ため,過塩素酸マグネシウム,活性アルミナ,酸化りん(V),硫酸(密度1.84 g/cm3)などを入れた管又
は塔を用いる。
8.6
燃焼管及び加熱炉 燃焼管及び加熱炉は,次の管状電気抵抗加熱炉又は高周波誘導加熱炉のいずれ
かによる。
a) 管状電気抵抗加熱炉
1) 管状電気抵抗加熱炉は,電気抵抗加熱炉及び燃焼管から構成され,その例を,図2に示す。
単位 mm
図2−管状電気抵抗加熱炉の例
2) 電気抵抗加熱炉は,長さ200〜300 mmの管状炉で,電気抵抗加熱体で加熱し,電流を調節して温度
を加減し,炉の中央部において長さ150 mm以上の部分を,1 200〜1 450 ℃の一定温度に保つ。
3) 炉の両側面からそれぞれ約200 mmずつ突き出る長さの燃焼管を挿入し,炉の中央部の燃焼管の真
上の温度を熱電温度計で測定する。熱電温度計の指示値は,一般に燃焼管内の温度と異なるので,
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あらかじめその差を求めておき,指示値から燃焼管内温度を求める。
4) 必要に応じ,燃焼管の中央部の後方に,約50 mmにわたって石英ガラスウールを詰める。
なお,燃焼ガス中に塩素を含む場合には,この後方に銅網又は銀網を詰める。
5) 燃焼管及び酸素精製部並びに燃焼管及び燃焼ガス精製部の接続には,すり合わせ,耐熱性のシリコ
ーンゴム栓などを用いる。
6) 燃焼ボート挿入の場合,空気が入るのを防ぐため又は入った空気を追い出すために,燃焼管の入口
部に試料挿入管を取り付けるとよい。図3に4種類の試料挿入管の例及びそれぞれの試料加熱時の
ガス流の向きを示す。
なお,燃焼管の入口は,ここから過剰の酸素を放出し,空気が管内に侵入するのを防止すること
ができれば,開放してもよい。
注a) 試料挿入管の外部から磁石を用いて,金属(鉄片など)を取り付けた石英ガラス棒を操作
して燃料ボードを燃料管の中央部に挿入する。
図3−試料挿入管の例
b) 高周波誘導加熱炉 高周波誘導加熱炉は,石英ガラス燃焼管(例えば,外径30〜44 mm,内径26〜37
mm,長さ200〜220 mm),その外側に巻いた加熱コイル(例えば,高さ35〜55 mm)及び高周波電流
を供給する高周波発振器から構成され,高周波燃焼るつぼに分析試料を入れ,この燃焼るつぼを加熱
コイルのほぼ中央に保持して高周波電流を通じ,試料が燃焼して炭素が十分に酸化される温度とする。
試料の燃焼を促進させるために,試料に酸素を吹き付けるランスを取り付けているものがある。高周
波誘導加熱炉の燃焼管の例を,図4に示す。
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図4−高周波誘導加熱炉の燃焼管の例
8.7
集じん管 燃焼ガス中に含まれる燃焼ダストを除去するために,石英ガラスウールなどのフィルタ
ーを詰めた管。燃焼管の後部に石英ガラスウールを詰める場合は,この管を省略してもよい。
8.8
脱硫管又は瓶 燃焼ガス中の二酸化硫黄を酸化して吸収するためのもので,酸化マンガン(IV)若
しくはバナジン酸銀を詰めた管,又は8.3 b) の湿式酸化管若しくは瓶を常温で用いる。また,白金触媒を
詰めた酸化管,これを加熱するためのヒータ及び細いセルロースウールを詰めた三酸化硫黄捕集管を組み
合わせた脱硫管でもよい。この場合は,酸化管は約350 ℃に加熱する。
8.9
磁器燃焼管又は石英ガラス燃焼管 管状電気抵抗加熱炉に使用する磁器燃焼管は,JIS R 1307に規
定するCT0又はCT1とし,内径24 mmの燃焼管が望ましい。JIS R 1307に規定する使用温度以上のもの
を用いてもよい。新しい燃焼管を使用する場合は,指定温度で酸素を送入しながら指定時間空焼きを行う。
石英ガラス燃焼管を用いるときは,炉の寸法及び性能に適した石英ガラス管とする。これらの燃焼管は,
使用する装置の指定する形状及び寸法のものを用いてもよい。燃焼管の内壁が酸化物などで汚染した場合
は,使用前に洗う。汚染が著しく,その除去が十分できないときは,更新する。
8.10 磁器燃焼ボート及び磁器燃焼ボートカバー 管状電気抵抗加熱炉に使用する磁器燃焼ボートは,JIS
R 1306に規定するCB1とする。また,燃焼ボートには必要に応じて磁器燃焼ボートカバーを使用する。
燃焼ボートカバーはJIS R 1306に規定するCBC1とする。燃焼ボート及び燃焼ボートカバーは,使用する
装置の指定する形状及び寸法のもの,又はJIS R 1306に規定する使用温度以上のものを用いてもよい。燃
焼ボート及び燃焼ボートカバーは,あらかじめ空気中又は酸素中で空焼きする。一度に多数空焼きした場
合は,放冷した後,グリースなどを塗らないデシケーター中に保存する。ピンセットなどで扱い,直接手
を触れてはならない。長時間保存したものは,空試験値が高くなっているおそれがあるので使用を避け,
再度,空焼きを行う。
8.11 高周波磁器燃焼るつぼ 高周波誘導加熱炉に使用する高周波磁器燃焼るつぼ及び受台は,使用する
装置の指定する形状及び寸法のもの,又は分析に適したものを用いる。燃焼るつぼには,必要に応じて蓋
をする。燃焼るつぼ,蓋及び受台は,8.10の燃焼ボート及び燃焼ボートカバーと同様に空焼き処理などを
実施することで空試験値を低減できる。
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8.12 酸素 酸素は,JIS K 1101に規定するもの。
8.13 助燃剤 酸素気流中で試料を加熱燃焼する場合,酸化反応を円滑に進めるため,助燃剤をあらかじ
め試料と混和するか,試料の上に載せるかなどして使用する。助燃剤を用いる場合には,指定の種類を指
定の手順で加える。次のような材料を単独又は2,3種類を組み合わせて用いるとよい。いずれも炭素の含
有率ができるだけ低いものが望ましい。高温に加熱することによって炭素の含有率(空試験値)を下げる
ことができる材料は,あらかじめ空焼きを行った後,用いる。
a) 鉄 粒状で150 μm以上のもの。
b) すず 粒状で250 μm以上のもの。
c) タングステン 粒状で250 μm以上のもの。
d) 銅 粒状又は細片状のもの。
e) 酸化銅(II) 粒状のもの。
f)
酸化マンガン(IV) 粒状又は粉状のもの。
9
操作
9.1
重量法
9.1.1
概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して二酸化炭素とし,これをソーダ石灰又は水酸化ナトリウ
ムに吸収させ,その質量の増加を測定する。
なお,この方法は,操作がやや煩雑であり,微量炭素定量には適さない。
9.1.2
装置の組立て
装置の組立ては7.1に基づき,次による。重量法の装置構成の例を,図5に示す。装置の接続にはガラ
ス管を用いて,その両端を密接させ,ゴム管又は塩化ビニル管で保持する。
9.1.2.1
酸素精製部 クロム酸硫酸溶液(飽和)[8.3 b)]を入れた酸化管(c),ソーダ石灰又は粒状水酸
化ナトリウムを詰めた二酸化炭素吸収管(d)及び活性アルミナ若しくは硫酸を詰めた脱水塔又は脱水瓶(e)
で構成する。
9.1.2.2
試料燃焼部 管状電気抵抗加熱炉(f)を用いる。磁器燃焼管(g)の出口部には石英ガラスウー
ルを詰める。
9.1.2.3
燃焼ガス精製部 脱硫管(i)にはクロム酸硫酸溶液(飽和)[8.3 b)]を,集じん管(j)には石
英ガラスウールを,脱水管(k)には酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウムを,それぞれ詰める。硫黄
含有率0.1 %(質量分率)以上の試料の場合には,脱硫管の代わりにクロム酸硫酸溶液(飽和)[8.3 b)]若
しくは過マンガン酸硫酸溶液[8.3 b)]を入れた湿式酸化管又は瓶を2本接続するのが望ましい。酸化りん
(V)は石英ガラスウールと交互に層状に詰めるか,又は短く切った石英ガラスウールと混合して詰める
とよい。さらに,脱水管,二酸化炭素吸収管及び保護管に詰める脱水剤は,酸化りん(V)又は過塩素酸
マグネシウムのいずれかに統一する。過塩素酸マグネシウムは元素分析用を用いるとよい。
9.1.2.4
炭素酸化物測定部 2個の二酸化炭素吸収管(l,m)のそれぞれにソーダ石灰又は水酸化ナトリ
ウム,及び酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウムを,保護管(n)には酸化りん(V)又は過塩素酸マ
グネシウム及びソーダ石灰又は水酸化ナトリウムを,脱水瓶(o)には硫酸を,それぞれ入れる。
なお,二酸化炭素吸収管は,次による。
a) 二酸化炭素吸収管にソーダ石灰を詰める場合は,粗粒(約3 mm)と細粒(約1 mm)とを合わせて約
20 gを交互に層状に入れ,石英ガラスウール又は適切なものでこれを軽く押さえ,二酸化炭素を吸収
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する際に生成する水を捕集するため,更に酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウム約5 gを詰めて,
軽くたたく程度がよい。
b) 二酸化炭素吸収管に水酸化ナトリウムを詰める場合は,水酸化ナトリウムを粉砕し,JIS Z 8801-1に
規定する,公称目開き主寸法1 mmのふるいを通ったもの約20 gを詰め,次に,少量の石英ガラスウ
ールを置き,更に酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウム約5 gを詰めて,軽くたたく程度がよい。
水酸化ナトリウムを破砕するとき,硬い感じがするものには二酸化炭素吸収能力の悪いものが多い。
このようなものはニッケルるつぼに入れて電気抵抗加熱炉で約400 ℃に加熱融解し,放冷した後,破
砕して使用するのがよい。
c) 二酸化炭素吸収管は,ソーダ石灰又は水酸化ナトリウムを詰めた側を脱水管に接続する。
d) 保護管は,酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウムを詰めた側を二酸化炭素吸収管に接続する。
a
酸素ボンベ(減圧弁付き)
b
流量計
c
酸化管[クロム酸硫酸溶液(飽和)]
d
二酸化炭素吸収管(ソーダ石灰又は水酸化
ナトリウム)
e
脱水塔又は脱水瓶(活性アルミナ又は硫酸)
f
管状電気抵抗加熱炉
g
磁器燃焼管
h
熱電温度計
i
脱硫管[クロム酸硫酸溶液(飽和)]
j
集じん管(石英ガラスウール)
k
脱水管[酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウム]
l
二酸化炭素吸収管[ソーダ石灰又は水酸化ナトリウム,
及び酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウムをこの順
に入れる。]
m 二酸化炭素吸収管[ソーダ石灰又は水酸化ナトリウム,
及び酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウムをこの順
に入れる。]
n
保護管[酸化りん(V)又は過塩素酸マグネシウム及び
ソーダ石灰又は水酸化ナトリウムをこの順に入れる。]
o
脱水瓶(硫酸)
図5−重量法の装置構成の例
9.1.3
予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。
a) 電源を入れ,磁器燃焼管(g)内温度を指定の温度に高め,装置の気密性を確認する。気密性の試験は,
次の手順によって行う。
1) 集じん管(j)のコックを閉じて酸素を送入する。
2) しばらく放置した後,クロム酸硫酸溶液(飽和)[8.3 b)]を入れた酸化管(c)に酸素の気泡の生じ
ないことを確かめる。酸素の気泡を生じる場合は,酸化管(c)及び集じん管(j)までの間に気密
性の悪い箇所があることを示す。
3) さらに,保護管(n)のコックを閉じて,集じん管(j)のコックを開く。しばらく放置した後,同
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様に酸素の気泡を生じないことを確かめる。酸素の気泡を生じる場合は,集じん管(j)と保護管(n)
との間に気密性の悪い箇所があることを示す。
b) 気密性を確認した後,酸素を毎分約200 mLの割合で約20分間流した後その送入を止め,吸収管(l,
m)を装置から取り外し,吸収管(l)及び吸収管(m)のそれぞれの質量をはかる。
c) 再び吸収管(l,m)を装置に接続し,b) と同様に操作し,再び吸収管(l,m)を取り外し,吸収管(l)
及び吸収管(m)のそれぞれの質量をはかる。
d) 吸収管(l)及び吸収管(m)の質量変化が0.000 5 g未満となるまでc) の操作を繰り返す。
9.1.4
定量操作
定量操作は,次の手順によって行う。
a) 予備操作を終えた装置の磁器燃焼管(g)の酸素入口部を開き,試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)
を入れた燃焼ボートを,燃焼管の中央部に挿入し,直ちに密栓をする。
b) 毎分200 mLの割合で酸素を送り,試料の燃焼が始まり,燃焼管内の圧力が下がり始めたら酸素量を
増して外気圧に近づける。試料の燃焼が終われば酸素を毎分300〜400 mLの割合で10〜15分間流し,
二酸化炭素を吸収管(l,m)に吸収させる。
c) 二酸化炭素吸収管(l)の炉に近い側から順にコックを全部閉じた後,酸素の送入を止め,吸収管(l,
m)を取り外し,それぞれの質量をはかる。
d) c) で得た吸収管(l)及び吸収管(m)の質量から,それぞれ9.1.3 d) で得た吸収管(l)及び吸収管(m)
の質量を差し引き,それぞれ吸収管(l)及び吸収管(m)の質量の増加量とする。
9.1.5
空試験
試料を入れない燃焼ボートを用いて,9.1.4のa)〜d) の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して
行う。助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼ボートを用い
て行う。
9.1.6
計算
試料中の炭素の含有率を,次の式によって算出する。
(
)
100
9
272
.0
1
2
1
1
×
×
−
=
W
m
m
C
ここに,
C1: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
m1: 9.1.4 d) で得た吸収管(l)及び吸収管(m)の質量の増加量の
和(g)
m2: 9.1.5で得た吸収管(l)及び吸収管(m)の質量の増加量の和(g)
W1: 試料はかりとり量(g)
9.2
ガス容量法
9.2.1
概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して二酸化炭素とし,これを酸素とともにガスビュレットに
捕集してガスの体積を測定した後,二酸化炭素を水酸化カリウム溶液に吸収させて除き,残りのガスの体
積を測定し,その体積減少量を求める。
この方法は,重量法と同様に操作が煩雑で,微量炭素の定量には適さない。
9.2.2
試薬
試薬は,次による。
9.2.2.1
硫酸(3+1 000)
9.2.2.2
水酸化カリウム溶液(330 g/L)
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9.2.2.3
塩化ナトリウム溶液(260 g/L)
9.2.2.4
酸化クロム(VI)(CrO3)溶液(500 g/L)
9.2.2.5
メチルレッド溶液 メチルレッド0.2 gをエタノール(95)100 gに溶解する。
9.2.2.6
微酸性の水 水にメチルレッド溶液(9.2.2.5)の2,3滴を指示薬として加え,溶液の色がかすか
に赤となるまで硫酸(3+1 000)を滴加して,微酸性にして調製する。
9.2.3
装置の組立て
装置の組立ては,7.1に基づき,次による。ガス容量法の装置構成の例を,図6に示す。装置の接続には
ガラス管を用いて,その両端を密接させ,ゴム管又は塩化ビニル管で保持する。
a
酸素ボンベ(減圧弁付き)
b
空瓶(逆流防止弁付き)
c
酸化瓶
d
二酸化炭素吸収塔
e
脱水塔
f
三方コック
g
管状電気抵抗加熱炉
h
磁器燃焼管
i
熱電温度計
j
脱硫管
k
冷却管
l
三方コック
m 三方コック
n
ガスビュレット
o
水準瓶
p
二酸化炭素吸収瓶
q
温度計
図6−ガス容量法(管状電気抵抗加熱炉)の装置構成の例
9.2.3.1
酸素精製部 9.1.2.1による。ただし,流量計の代わりに空瓶(b)を置く。
9.2.3.2
試料燃焼部 9.1.2.2による。
なお,管状電気抵抗加熱炉(g)の代わりに高周波誘導加熱炉を用いてもよい。
9.2.3.3
燃焼ガス精製部 脱硫管(j)には,過マンガン酸硫酸溶液[8.3 b)]を入れ,冷却管(k)は水冷
式とする。硫黄含有率が0.1 %(質量分率)未満の試料の場合には,脱硫管(j)を省いてもよい。この脱
硫管の中の溶液に濁りを認めたときは,新しいものと取り替える。過マンガン酸硫酸溶液[8.3 b)]の代わ
りに酸化クロム(VI)(CrO3)溶液(500 g/L)を用いてもよいが,溶液が青みを帯びたときには,新しい
ものと取り替える。脱硫管(j)を使用したときは,この中に二酸化炭素が残ることがあるので注意する。
9.2.3.4
炭素酸化物測定部 ガスビュレット(n)は,全容積が約350 mL,目盛部分の容積が50 mLで,
目盛が0.1 mL刻みとする。ただし,この目盛線は,16 ℃,101.32 kPaの条件で付したもので,ガスビュ
レット(n)には温度計(q)を取り付けたものを用いる。三方コック(l)の一方は外気に通じるようにす
る。ガスビュレット(n)及び水準瓶(o)には,メチルレッド溶液(9.2.2.5)の2,3滴を指示薬として加
え,溶液の色がかすかに赤となるまで硫酸(3+1 000)で微酸性とした塩化ナトリウム溶液(260 g/L)を,
二酸化炭素吸収瓶(p)には水酸化カリウム溶液(330 g/L)をそれぞれ入れる。塩化ナトリウム溶液(260
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g/L)の代わりに微酸性の水(9.2.2.6)を使用してもよい。
9.2.4
予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。ただし,高周波誘導加熱炉を使用する場合は,b) 及びc) の手順
によって行う。
a) 電源を入れ,各部を安定させ,管状電気抵抗加熱炉を指定する温度に保つ。
b) 装置の気密性を確認する。気密性の試験は次の手順によって行う。
1) 三方コック(f)を脱水塔(e)及び外気側に開き,水準瓶(o)をガスビュレット(n)の下部目盛
以下の位置に置き,三方コック(l,m)を燃焼管(h)及びガスビュレット(n)側に開く。
2) 三方コック(f)を徐々に脱水塔(e)及び燃焼管(h)側に開き,水準瓶(o)を上下に動かしなが
ら酸素をガスビュレット(n)の目盛部の10〜20 mLの位置まで捕集した後,その位置に水準瓶(o)
を保持し,三方コック(f)を脱水塔(e)及び外気側に開き,しばらく放置してガスビュレット(n)
内の液面に変化のないことを確かめる。
3) 液面が下がる場合,三方コック(f)からガスビュレット(n)までの間に気密性の悪い箇所がある
ことを示しているので,接続部に漏れのないように処置をする。
c) 装置の気密性を確認した後,三方コック(l)を外気及びガスビュレット(n)側に開き,水準瓶(o)
をガスビュレット(n)より高い位置に保って残留ガスを全部追い出した後,三方コック(l,m)を
閉じる。
9.2.5
定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次のいずれかの手順によって行う。
a) 管状電気抵抗加熱炉による場合
1) 磁器燃焼管(h)の入口部を開き,試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼ボートを
燃焼管の中央部に挿入し,直ちに密栓をした後,三方コック(f)を脱水塔(e)及び磁器燃焼管(h)
側に開いて酸素の送入量を適切に調節しながら約2分間放置する。
2) 水準瓶(o)をガスビュレット(n)の球部の位置に保ち,三方コック(l,m)を磁器燃焼管(h)
及びガスビュレット(n)側に開き,三方コック(m)を調節しながら,燃焼ガスを脱硫管(j)及
び冷却管(k)を経由してガスビュレット(n)に導き,ガスビュレット(n)の球部の約半分までガ
スを採取する間に試料の燃焼が終わるようにする。
3) 水準瓶(o)をガスビュレット(n)の下部目盛以下の位置に保ち,約30秒間で酸素と二酸化炭素と
の混合ガスをガスビュレット(n)の目盛の下部近くまで捕集したところで三方コック(l,m)を
閉じ,三方コック(f)を脱水塔(e)及び外気側に開いて約1分間放置する。
4) 水準瓶(o)をガスビュレット(n)の目盛部に沿って上下に動かし,ガスビュレット(n)と水準瓶
(o)内の溶液との水準を合わせてガスビュレット(n)の目盛を読み取る。このときの混合ガスの
温度を温度計(q)で読み取る。
5) 三方コック(m)をガスビュレット(n)及び二酸化炭素吸収瓶(p)側に開き,水準瓶(o)をガス
ビュレット(n)より高い位置に保ち,ガスビュレット(n)の混合ガスを全部二酸化炭素吸収瓶(p)
内に送り込み,二酸化炭素を吸収させた後,水準瓶(o)をガスビュレット(n)より低い位置に保
ち,残留ガスを全部ガスビュレット(n)内に戻す。三方コック(m)を閉じ,約1分間放置した後,
水準瓶(o)をガスビュレット(n)の目盛に沿って上下して両液面を同じ高さに合わせ,ガスビュ
レット(n)の目盛を読み取る。このときの残留ガス温度を温度計(q)で読み取る。混合ガスの温
度と残留ガスの温度とに差があってはならない。冬期において,ガスビュレット(n)内及び二酸化
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炭素吸収瓶(p)内の溶液の温度が低い場合には,温度差を生じないように,あらかじめ酸素の空通
しをして,標準物質による試験などを行っておく必要がある。温度は0.1 ℃まで読み取る。
6) 5) の操作を繰り返して残留ガスの体積に変化がなくなったことを確認してガスビュレット(n)の
目盛を読み取る。このガスビュレット(n)目盛の読取値から4) で得たガスビュレット(n)目盛
の読取値を差し引いた値を,測定時のガス温度における燃焼ガス中の二酸化炭素の体積とする。三
方コック(m)を磁器燃焼管(h)及びガスビュレット(n)側に開き,三方コック(l)を外気及び
ガスビュレット(n)側に開き,水準瓶(o)をガスビュレット(n)より高い位置に保って残留ガス
を全部追い出した後,三方コック(l,m)を閉じる。
7) 水準瓶(o)をガスビュレット(n)の球部の位置に保ち,三方コック(f)を脱水塔(e)及び磁器
燃焼管(h)側に開き,三方コック(l,m)をそれぞれ磁器燃焼管(h)及びガスビュレット(n)
側に開いて3) の操作を行って,再度,燃焼管内の燃焼ガスをガスビュレット(n)に捕集し,4)〜
6) の手順に従って操作して燃焼ガス中の二酸化炭素の体積を求め,二酸化炭素が残留しないことを
確かめた後,酸素の送入を止め,磁器燃焼管(h)の栓を外して燃焼ボートを取り出す。
b) 高周波誘導加熱炉による場合
1) 図6の管状電気抵抗加熱炉及び磁器燃焼管の代わりに,8.6 b) の高周波誘導加熱炉を用い,石英ガ
ラス燃焼管を装置に気密に接続する。
2) 試料及び助燃剤を入れた燃焼るつぼを受台に置き,石英ガラス燃焼管(h)内に挿入して,気密性を
保持するように留意して装置をセットする。
3) 水準瓶(o)をガスビュレット(n)の球部の位置に保ち,三方コック(f)を脱水塔(e)及び石英
ガラス燃焼管(h)側に開き,三方コック(l)を石英ガラス燃焼管(h)及び外気側に開いて装置指
定の圧力及び流量で酸素を送入して燃焼管内の空気を置換した後,三方コック(l)を閉じ,高周波
誘導加熱炉を作動させる。
4) 10〜20秒経過した後,三方コック(m)を石英ガラス燃焼管(h)及びガスビュレット(n)側に開
き,次に三方コック(l)を僅かに石英ガラス燃焼管(h)及びガスビュレット(n)側に開いて,燃
焼ガスを脱硫管(j)及び冷却管(k)を通して徐々にガスビュレット(n)に導き,1分間程度経過
して試料の燃焼がほぼ終わってから水準瓶(o)をガスビュレット(n)の下部目盛以下の位置まで
下げて混合ガスを急速に捕集した後,三方コック(l,m)を閉じ,高周波誘導加熱を止めて約1分
間放置する。
5) 9.2.5 a) の4)〜7) の手順に従って操作する。
9.2.6
空試験
空試験は,予備操作を行った後,次のいずれかによって行う。
a) 管状電気抵抗加熱炉を用いる場合 試料を入れない燃焼ボートを用いて,9.2.5 a) の手順に従って試
料と同じ操作を,試料と併行して行う。助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤
を同量はかりとった燃焼ボートを用いて行う。
b) 高周波誘導加熱炉を用いる場合 助燃剤を使用しない場合,空の燃焼るつぼだけでは高周波が誘導さ
れないので,試料の代わりに炭素の含有率が低く,かつ,その含有率が既知の標準物質を試料と同量
はかりとった燃焼るつぼを用いて,9.2.5 b) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行っ
て得た二酸化炭素の体積の和から,標準物質の既知の炭素の含有率から次の式によって換算した二酸
化炭素の体積を差し引いて空試験値とする。
助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼るつぼを用い
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
て,9.2.5 b) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行う。
1
00
00
01
27
050
.0
F
C
W
V
×
×
=
ここに,
V01: 標準物質の炭素の含有率から換算した二酸化炭素の体積(mL)
W00: 空試験で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00: 空試験で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
F1: 測定時のガス温度及び大気圧から表1を用いて求めた補正係数
9.2.7
計算
計算は,次のいずれかによる。
a) 炭素酸化物測定部に微酸性の塩化ナトリウム溶液(260 g/L)(9.2.3.4)を用いる場合 試料中の炭素の
含有率を,次の式によって算出する。
(
)
100
7
502
000
.0
1
2
2
1
2
×
×
×
−
=
F
W
V
V
C
ここに,
C2: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
V1: 9.2.5 a) 又は9.2.5 b) で得た二酸化炭素の体積の和(mL)
V2: 9.2.6 a) 又は9.2.6 b) で得た二酸化炭素の体積の和(mL)
W2: 試料はかりとり量(g)
F1: 測定時のガス温度及び大気圧から表1を用いて求めた補正係数
b) 炭素酸化物測定部に微酸性の水(9.2.2.6)を用いる場合 試料中の炭素の含有率を,次の式によって
算出する。
(
)
100
5
500
000
.0
2
2
2
1
2
×
×
×
−
=
F
W
V
V
C
ここに,
C2: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
V1: 9.2.5 a) 又は9.2.5 b) で得た二酸化炭素の体積の和(mL)
V2: 9.2.6 a) 又は9.2.6 b) で得た二酸化炭素の体積の和(mL)
W2: 試料はかりとり量(g)
F2: 測定時のガス温度及び大気圧から表2を用いて求めた補正係数
9.3
硫酸逆滴定法
9.3.1
概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して二酸化炭素とし,これを酸素とともにビュレットに捕集
した後,二酸化炭素を一定量の水酸化ナトリウム溶液に吸収させ,過剰の水酸化ナトリウムを硫酸標準液
で滴定する。
9.3.2
試薬
試薬は,次による。
9.3.2.1
硫酸(1+1 000)
9.3.2.2
0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム0.4 gを,あらかじめ窒素などを通気して二
酸化炭素を除去した水に溶解して1 Lとする。空気中から二酸化炭素などの酸性ガスを吸収しないように,
ソーダ石灰又は水酸化ナトリウムを詰めた保護管を付けて保存し,自動ビュレットを用いて取り出すよう
にする。この溶液は標定する必要はない。
9.3.2.3
水酸化バリウム溶液[飽和(約40 g/L)]
9.3.2.4
塩化ナトリウム溶液(260 g/L)
9.3.2.5
酸化クロム(VI)(CrO3)溶液(500 g/L)
9.3.2.6
0.005 mol/L硫酸標準液 JIS K 8001のJA.6.4 y) 4)(0.05 mol/L硫酸)によって調製・標定した0.05
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mol/L硫酸標準液を,使用の都度,水で正確に10倍にうすめる。
9.3.2.7
フェノールフタレイン溶液 JIS K 8001の表JA.6[指示薬(中和滴定用)の調製]による。
9.3.2.8
メチルレッド溶液 9.2.2.5による。
9.3.3
装置の組立て
装置の組立ては,7.1に基づき,次による。硫酸逆滴定法の装置構成の例を,図7に示す。装置の接続に
はガラス管を用いて,その両端を密接させ,ゴム管又は塩化ビニル管で保持する。
a
酸素ボンベ(減圧弁付き)
b
酸化管[酸化銅(II)]
c
二酸化炭素吸収塔(ソーダ石灰又
は水酸化ナトリウム)
d
管状電気抵抗加熱炉
e
磁器燃焼管
f
熱電温度計
g
試料挿入管
h
脱硫管(過マンガン酸硫酸溶液)
i
二酸化炭素吸収管
j
検査トラップ
k
三方コック
l
二方コック
m 三方コック
n
捕集ビュレット
o
水準瓶
p
流量計
q
三方コック
図7−硫酸逆滴定法(管状電気抵抗加熱炉)の装置構成の例
a) 酸素精製部 酸化管(b)は,乾式酸化管とし,粒状の酸化銅(II)を詰め,電気抵抗加熱炉で加熱す
る。
b) 試料燃焼部 9.1.2.2による。ただし,磁器燃焼管(e)の入口部には,試料挿入管(g)を取り付け,
その中に鉄片を取り付けた石英ガラス棒を入れる(図3参照)。
なお,試料燃焼部には,管状電気抵抗加熱炉(d)の代わりに高周波誘導加熱炉を用いてもよい。
c) 燃焼ガス精製部 脱硫管(h)には,過マンガン酸硫酸溶液[8.3 b)]を入れる。この脱硫管の中の溶
液に濁りを認めたときは,新しいものと取り替える。過マンガン酸硫酸溶液の代わりに酸化クロム
(VI)(CrO3)溶液(500 g/L)を用いてもよいが,溶液が青みを帯びたときには,新しいものと取り
替える。脱硫管(h)を使用したときは,この中に二酸化炭素が残ることがあるので注意する。
d) 炭素酸化物測定部 捕集ビュレット(n)及び水準瓶(o)には,メチルレッド溶液(9.3.2.8)の2,3
滴を指示薬として加え,溶液の色がかすかに赤となるまで硫酸(3+1 000)で微酸性とした塩化ナト
リウム溶液(260 g/L)を入れる。
二酸化炭素吸収管(i)には0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液(9.3.2.2)の一定量を,検査トラップ
(j)には水酸化バリウム溶液[飽和(約40 g/L)]約5 mLをそれぞれ入れる。
図8に示す二酸化炭素吸収管の球部と検査トラップとの接続は,すり合わせとする。燃焼ガスは小
気泡となって蛇管内を通過して球部に達し,これに伴って吸収液は管内を循環する。下部の三方コッ
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クは,吸収液を排出するためのもので,吸収時には閉じておく。
単位 mm
図8−二酸化炭素吸収管の例
9.3.4
予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。ただし,高周波誘導加熱炉を使用する場合は,a) の手順だけを行
う。
a) 電源を入れ,酸化管(b)及び磁器燃焼管(e)を指定の温度に加熱し,装置の気密性を確認する。気
密試験は次の手順によって行う。
1) 二方コック(l)を閉じ,三方コック(q)を外気及び二酸化炭素吸収塔(c)側に,三方コック(m)
を捕集ビュレット(n)及び二酸化炭素吸収管(i)側に,三方コック(k)を磁器燃焼管(e)及び
捕集ビュレット(n)側にそれぞれ開き,水準瓶(o)を捕集ビュレット(n)の下部より低位置に置
く。
2) 三方コック(q)を徐々に二酸化炭素吸収塔(c)及び磁器燃焼管(e)側に開き,水準瓶(o)を上
下に動かしながら酸素を捕集ビュレット(n)の目盛部の10〜20 mLの位置まで捕集した後,水準
瓶(o)をその位置に保持する。
3) 三方コック(q)を外気及び二酸化炭素吸収塔(c)側に開き,しばらく放置して捕集ビュレット(n)
内の液面に変化のないことを確かめる。
4) 液面が下がる場合には,三方コック(q)から捕集ビュレット(n)までの間に気密性の悪い箇所が
あるので,三方コック及びすり合わせ部分の気密性を点検する。
b) 気密性を確認した後,二方コック(l)を開く。水準瓶(o)を捕集ビュレット(n)の球部より上に置
いて捕集ビュレット内のガスを排出させる。
c) 三方コック(m)を磁器燃焼管(e)及び二酸化炭素吸収管(i)側に開き,三方コック(q)を二酸化
炭素吸収塔(c)及び磁器燃焼管(e)側に開いて,酸素を毎分100 mLの割合で流す。
9.3.5
定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次のいずれかの手順によって行う。
a) 管状電気抵抗加熱炉による場合
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1) 試料挿入管(g)を磁器燃焼管(e)から外し,試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃
焼ボートを磁器燃焼管(e)の入口に置き,試料挿入管(g)を磁器燃焼管(e)に気密性を保持して
接続する。装置に酸素を毎分200〜300 mLの流量で約5分間通じて磁器燃焼管(e)内の空気を排
除した後,酸素を少量ずつ通しながら二酸化炭素吸収管(i)に0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液
(9.3.2.2)を正確に30 mLとり,フェノールフタレイン溶液(9.3.2.7)3,4滴を指示薬として加え,
検査トラップ(j)及び流量計(p)を取り付ける。次に,二方コック(l)を閉じ,三方コック(k)
を外気及び脱硫管(h)側に,三方コック(m)を脱硫管(h)及び捕集ビュレット(n)側にそれぞ
れ開く。
2) 磁石を用いて試料挿入棒を操作して燃焼ボートを磁器燃焼管(e)の中央部に挿入し(挿入棒は直ち
に元の位置に戻す。),約3分間予熱した後,水準瓶(o)を捕集ビュレット(n)の球部の位置に置
き,三方コック(k)を脱硫管(h)及び捕集ビュレット(n)側に開き,三方コック(k)を調節し
ながら酸素を通じて試料を燃焼させ,ガス量が捕集ビュレット(n)の球部体積の約半分になるまで
に燃焼を完了させた後,水準瓶(o)を下げて二酸化炭素と酸素との混合ガスを捕集ビュレット(n)
の最下部近くまで捕集して三方コック(q)を外気及び二酸化炭素吸収塔(c)側に開く。
3) 三方コック(m)を捕集ビュレット(n)及び二酸化炭素吸収管(i)側に開き,水準瓶(o)を捕集
ビュレット(n)よりも高位置に置き,二方コック(l)を開き,二方コック(l)を調節して毎分約
40 mLの流量で捕集ビュレット(n)中の捕集ガスを二酸化炭素吸収管(i)の中に導入し,検査ト
ラップ(j)の中の水酸化バリウム溶液に白濁が生じないように注意しながら捕集ビュレット(n)
中の二酸化炭素を完全に吸収させた後,三方コック(m)を脱硫管(h)及び二酸化炭素吸収管(i)
側に開き,検査トラップ(j)を外す。
4) 三方コック(q)を二酸化炭素吸収塔(c)及び磁器燃焼管(e)側に開き,再び酸素を二酸化炭素吸
収管(i)に送り,吸収液が早く循環するようにした後,二酸化炭素吸収管(i)を揺り動かしなが
ら0.005 mol/L硫酸標準液(9.3.2.6)で滴定する。二酸化炭素吸収管(i)の球部にたまっている溶液
の色がうすい赤になったら滴定をやめ,蛇管内の溶液が球部に戻り,一様な赤になったら,次の1
滴を加えるようにして滴定を続け,溶液にうすい赤が残る点を終点1)とする。
注1) かすかに赤が残る状態は,0.005 mol/L硫酸標準液を追加してもしばらく続くので,少し慣
れると終点の判定に不便はない。
b) 高周波誘導加熱炉による場合
1) 図7の管状電気抵抗加熱炉及び磁器燃焼管の代わりに,8.6 b) の高周波誘導加熱炉を用い,石英ガ
ラス燃焼管を装置に気密に接続する。9.3.4 a) の操作に従って気密性を確認した後,三方コック(m)
を捕集ビュレット(n)側と二酸化炭素吸収管(i)側に開き,二方コック(l)を開く。水準瓶(o)
を捕集ビュレット(n)の球部より上に置いてビュレット内のガスを排出した後,三方コック(m)
を脱硫管(h)及び二酸化炭素吸収管(i)側に,三方コック(q)を二酸化炭素吸収塔(c)及び石
英ガラス燃焼管(e)側にそれぞれ開く。酸素を毎分100 mLの流量で流す。
2) 試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼るつぼを受台に置き,石英ガラス燃焼管(e)
を気密性を保持して接続する。装置指定の圧力及び流量で酸素を送入し,石英ガラス燃焼管(e)内
の空気を置換した後,二酸化炭素吸収管(i)に0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液(9.3.2.2)を正確
に30 mLとり,フェノールフタレイン溶液(9.3.2.7)3,4滴を指示薬として加え,検査トラップ(j)
及び流量計(p)を付け,二方コック(l)を閉じ,三方コック(k)を外気及び脱硫管(h)側に開
く。
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3) 三方コック(m)を脱硫管(h)及び捕集ビュレット(n)側に開き,高周波誘導加熱炉を作動させ,
三方コック(k)を脱硫管(h)及び捕集ビュレット(n)側に開き,燃焼ガスを捕集ビュレット(n)
に導き,試料の燃焼を完了させた後,水準瓶(o)を下げて二酸化炭素と酸素との混合ガスを捕集ビ
ュレット(n)の最下部近くまで捕集した後,三方コック(q)を外気及び二酸化炭素吸収塔(c)側
に開き,高周波加熱を止める。
4) 三方コック(q)を二酸化炭素吸収塔(c)及び石英ガラス燃焼管(e)側に開き,再び酸素を二酸化
炭素吸収管(i)に送り,吸収液が早く循環するようにした後,二酸化炭素吸収管(i)を揺り動か
しながら0.005 mol/L硫酸標準液(9.3.2.6)で滴定する。二酸化炭素吸収管(i)の球部にたまってい
る溶液の色がうすい赤になったら滴定をやめ,蛇管内の溶液が球部に戻り,一様な赤になったら,
次の1滴を加えるようにして滴定を続け,溶液にうすい赤が残る点を終点1) とする。
なお,燃焼が容易な試料で,燃焼時に二酸化炭素吸収管(i)の出口の酸素量を毎分約40 mLに調
節することが容易な場合には,三方コック(k)と二方コック(l)とを直結して捕集ビュレット(n)
の接続を省略し,二酸化炭素の吸収を試料の燃焼と併行して行ってもよい。
9.3.6
空試験
空試験は,予備操作を行った後,次のいずれかによって行う。
a) 管状電気抵抗加熱炉を用いる場合 試料を入れない燃焼ボートを用いて,9.3.5 a) の手順に従って試
料と同じ操作を,試料と併行して行う。助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤
を同量はかりとった燃焼ボートを用いて行う。
b) 高周波誘導加熱炉を用いる場合 助燃剤を使用しない場合,空の燃焼るつぼだけでは高周波が誘導さ
れないので,試料の代わりに,炭素の含有率が低く,かつ,その含有率が既知の標準物質を試料と同
量はかりとった燃焼るつぼを用いて,9.3.5 b) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行
って得た0.005 mol/L硫酸標準液(9.3.2.6)の使用量から次の式によって換算した0.005 mol/L硫酸標
準液(9.3.2.6)の使用量を差し引いて空試験値とする。
助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼るつぼを用い
て,9.3.5 b) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行う。
F
C
W
V
×
×
=
0
012
.0
00
00
00
ここに,
V00: 標準物質の炭素の含有率から換算した0.005 mol/L硫酸標準液
の使用量(mL)
W00: 空試験で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00: 空試験で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
F: 使用した0.005 mol/L硫酸標準液のファクター
9.3.7
計算
試料中の炭素の含有率を,次の式によって算出する。
(
)
100
120
000
.0
3
4
3
3
×
×
×
−
=
W
F
V
V
C
ここに,
C3: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
V3: 9.3.5 a) 4)又は9.3.5 b) 4)で得た0.005 mol/L硫酸標準液の使用
量(mL)
V4: 9.3.6 a)又は9.3.6 b)で得た0.005 mol/L硫酸標準液の使用量
(mL)
F: 使用した0.005 mol/L硫酸標準液のファクター
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W3: 試料はかりとり量(g)
9.4
電気伝導率法
9.4.1
概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して二酸化炭素とし,これを一定量の水酸化ナトリウム溶液
に吸収させ,吸収前後の水酸化ナトリウム溶液の電気伝導率の変化を測定する。
なお,電気伝導率測定では温度の影響が大きいので,吸収液は必要な範囲で十分に恒温を保つ必要があ
る。また,昇華しやすい金属酸化物,例えば,モリブデンを含む試料では,吸収液中に酸化モリブデンが
混入し,モリブデン酸となり電気伝導率測定に影響し,誤差を生じる原因となるので注意する必要がある。
9.4.2
試薬
試薬は,次による。
9.4.2.1
水酸化ナトリウム溶液(0.004〜0.005 mol/L) 水酸化ナトリウム40 gを水1 Lに溶解してl mol/L
の原液を作り,ポリエチレン製瓶に保存し,空気中の二酸化炭素を吸収しないように密栓する。二酸化炭
素を除去した水で,原液を指定する濃度(0.004〜0.005 mol/L)までうすめ,ソーダ石灰又は水酸化ナトリ
ウムを詰めた二酸化炭素吸収管を付けたポリエチレン製瓶に入れ,サイフォン又は下口からセル部に送る。
9.4.3
装置の組立て
装置の組立ては,7.1に基づき,次による。電気伝導率法の装置構成の例を,図9に示す。
a
酸素ボンベ
b
流量計
c
酸化管
d
二酸化炭素吸収管
e
管状電気抵抗加熱炉
f
磁器燃焼管
g
集じん管
h
脱硫管
i
分流器,定量ポンプ
j
電気伝導率測定セル
k
自動ビュレット
l
貯液槽
m 二酸化炭素吸収管
図9−電気伝導率法の装置構成の例
9.4.3.1
酸素精製部 酸素中の二酸化炭素を除去する吸収管を設ける。二酸化炭素吸収管(d)には,ソ
ーダ石灰を詰める。二酸化炭素吸収管の後に酸素流量を調節する酸素放出弁を設けてもよい。
9.4.3.2
試料燃焼部 9.1.2.2による。磁器燃焼管(f)の入口は,ここから過剰の酸素を放出し,空気が管
内に侵入するのを防ぐようにすれば開放してもよい。この場合には,一定の割合で燃焼ガスを二酸化炭素
吸収管に送り込むポンプを吸収管の前又は後に取り付ける。
9.4.3.3
燃焼ガス精製部 集じん管(g)には石英ガラスウールを,脱硫管(h)には粒状の酸化マンガン
(IV)を詰める。
9.4.3.4
炭素酸化物測定部 図10に電気伝導率法の測定装置の例を示す。この測定セルは,電気伝導率
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Z 2615:2015
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測定用の電極を封入した参照用の測定セル(以下,参照セルという。)(E),試料用の測定セル(以下,試
料セルという。)(C),二酸化炭素吸収管(B)及び脱気管(F)から構成し,それぞれを恒温槽(A)に浸
す。水酸化ナトリウム溶液(0.004〜0.005 mol/L)(9.4.2.1)の一定量の吸収液を,参照セルを経て吸収管,
試料セル及び脱気管に入れる。吸収液の補給,排出はコック(又は電磁弁など)(G)によって行う。指示
計又は記録計は,指定の試料はかりとり量の場合,炭素の含有率を直読できることが望ましい。二酸化炭
素の吸収によって生じた電気伝導率の変化を,ホイートストンブリッジ回路によって取り出し,炭素の量
に対応する値として指示又は記録する。図9の脱硫管(h)の後に分流器を置くことがある。分流器は,
炭素の含有率が高い場合,分析を迅速に行う場合,炭素及び硫黄を同時定量する場合などに用いる。分流
比が正確に1/10,1/25,1/50などになる分流器を選択することが望ましい。分流比は定量部出口のガス流
量を計測して,流量の比を算出して求める。
A 恒温槽
B 二酸化炭素吸収管
C 試料の電気伝導率測定セル(試料セル)
D 水酸化ナトリウム溶液の恒温用蛇管
E
参照用の電気伝導率測定セル(参照セル)
F
脱気管
G コック
図10−電気伝導率法の測定装置の例
注記 市販の製品には,燃焼ガスを分流し,一方を炭素の定量部へ,他方をJIS Z 2616の9.3.3.3の燃
焼ガス精製部及び9.3.3.4の硫黄酸化物測定部に送り,定量操作(9.4.5)に従って操作すると,
硫黄及び炭素の同時定量ができるものがある。この場合には,炭素及び硫黄の含有率は燃焼ガ
スの分流比によって補正する。
9.4.4
予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。
a) 電源を入れ,各部が十分に安定した後,酸素を送入して装置の気密性を確認する。磁器燃焼管(f)及
び酸化管(c)を指定の温度に保つ。
b) 酸素を指定された流量(例えば,2 L/min)で送りながら試料セル及び参照セルに一定量の水酸化ナト
リウム溶液(0.004〜0.005 mol/L)(9.4.2.1)を入れ,コックを閉じる。約10分間酸素を送った後,電
気伝導率を測定し,3分後にその変化がないことを確かめる。変化があれば,酸素を更に約10分間送
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
った後,電気伝導率を測定し,それでも一定にならなければ,水酸化ナトリウム溶液(0.004〜0.005
mol/L)(9.4.2.1)を新しいものと取り替える。
c) 次に,記録計又は指示計のゼロ点を調節する。
d) 試料の代わりに,試料と同程度の炭素の含有率の標準物質を用いて,9.4.5のa)〜d) の手順に従って
操作し,次の式によって換算係数を求める2)。
100
0
1
0
0
1
C
B
A
R
W
K
×
−
×
=
ここに,
K1: 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0: 標準物質はかりとり量(g)
R: 分流比
C0: 標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0: 標準物質を用いて得た指示値
B1: 9.4.6で得た指示値
注2) 市販の装置には,試料はかりとり量及び空試験値を補正し,炭素の含有率を直読できるもの
がある。この場合には,指示値が既知の炭素の含有率と一致するように調節できる。
9.4.5
定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次の手順によって行う。
a) 試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた磁器燃焼ボートを磁器燃焼管(f)の中央部に挿入
する。
b) 直ちに気密に栓をし,指定した流量で酸素を通気し,試料を燃焼させる。
c) 発生した燃焼ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させる。
d) 記録計又は指示計が一定値を示したときの指示値を読み取る。
9.4.6
空試験
試料を入れない燃焼ボートを用いて,9.4.5のa)〜d) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行し
て行う。助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼ボートを用
いて行う。
9.4.7
計算
試料中の炭素の含有率を,次の式によって算出する。
(
)
100
4
1
1
1
4
×
×
×
−
=
R
W
K
B
A
C
ここに,
C4: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A1: 9.4.5で得た指示値
B1: 9.4.6で得た指示値
K1: 9.4.4で求めた換算係数
W4: 試料はかりとり量(g)
R: 分流比
9.5
電量法
9.5.1
概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して二酸化炭素とし,一定のpHにした吸収液に吸収させる。
吸収によって減少したpHを,電気分解によって元のpHに戻すために要する電気量として測定する。
なお,この方法は,電気分解によって中和を行うので滴定液を必要とせず,自動的に中和が行われ,電
気量は炭素の量として数字で表示される装置が多く,簡便に精度よく定量できる特徴がある。ただし,中
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
和滴定法の妨害物質が吸収液に入れば誤差を生じることに留意する必要がある。
9.5.2
試薬
試薬は,次による。
9.5.2.1
炭酸バリウム
9.5.2.2
陰極液(吸収液) 使用する装置に指定されているものを調製する。通常,過塩素酸バリウム25 g
を水約100 mLに溶解し,2-プロパノール10〜15 mLを加え,水で500 mLにうすめたものを用いる。
9.5.2.3
陽極液 使用する装置に指定されているものを調製する。通常,過塩素酸バリウム10〜25 gを水
に溶解し,水で約100 mLにうすめたものを用いる。
9.5.2.4
参照液 使用する装置に指定されているものを調製する。通常,過塩素酸バリウム25 g及び塩化
ナトリウム15 gを水約200 mLに溶解し,2-プロパノール10〜15 mLを加え,水で500 mLにうすめたもの
を用いる。
9.5.3
装置の組立て
装置の組立ては,7.1に基づき,次による。電量法の装置構成の例を,図11に示す。
a
酸素ボンベ
b1,b2,b3 流量計
c
酸化管
d
二酸化炭素吸収管
e
管状電気抵抗加熱炉
f
磁器燃焼管
g
集じん管
h
脱硫管
i
分流器
j
吸収,電解セル
図11−電量法の装置構成の例
9.5.3.1
酸素精製部 9.4.3.1による。
9.5.3.2
試料燃焼部 9.4.3.2による。
9.5.3.3
燃焼ガス精製部 9.4.3.3による。
9.5.3.4
炭素酸化物測定部 電解セルは,次による。電解セルの例を,図12に示す。
a) 電解セルは,陰極室(A),陽極室(B)及び参照室(E)から構成し,各室は多孔板(C,F)によっ
て接続する。
b) 陰極室(A)には,電解用白金電極(D1)3),pH測定用ガラス電極(G)及びかき混ぜ機(I)を,そ
れぞれ取り付ける。
c) 陽極室(B)には,電解用白金電極(D2)3)を,参照室(E)には参照電極(H)を,それぞれ取り付
ける。参照電極には,通常,銀−塩化銀電極を用いるが,これを外気に長時間さらして乾燥させたり,
又は表面を異物に接触させたりしないように注意する。
d) 陰極室には,燃焼ガス導入孔(J),精製酸素導入孔(K)などを付ける。陰極室には陰極液(吸収液)
(9.5.2.2),陽極室には陽極液(9.5.2.3)及び少量の炭酸バリウムの粉末,参照室には参照液(9.5.2.4)
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を,それぞれ指定した高さまで入れる。各溶液は電極の上部10 mm以上で,多孔板が完全に隠れるま
で加える。陰極液(吸収液)(9.5.2.2)は,汚染した場合又は150〜200回使用した場合には低値を示
すことがあるので交換する。長時間使用して炭酸バリウムを消費した場合には,追加する。
e) 測定回路は,電解電流パルス発生回路,pH測定回路,制御回路などから成る。指示計は,試料の指定
量はかりとりの場合,炭素の含有率を直読できるものが望ましい4)。二酸化炭素の吸収によって電解
セルのpHが設定値から大きくずれたときはパルス数を多くし,ずれが小さくなるとパルス数を少な
くし,電解が終わったときのパルス数を指示させる。また,脱硫管の後に分流器を置くことがある。
これは,炭素の含有率が高い場合,分析を迅速に行う場合,炭素及び硫黄を同時定量する場合などに
用いる。分流比が正確に1/10,1/25,1/50などになる分流器を選択することが望ましい。分流比は定
量部出口のガス流量を計測して,図11に示す流量計(b1,b2,b3)の比を算出して求める。また,燃
焼ガス精製部と炭素酸化物測定部との間にガス開閉弁5)を置くことが望ましい。
注3) 白金電極の大きさは,少なくとも2 cm2以上あるものが望ましい。
4) 1パルス当たりの電気量が8 mC(Cはクーロンを示す。),すなわち炭素0.5 μgに対応するよ
うに設計していると,試料はかりとり量0.5 gの場合,炭素の含有率を計数器に直接指示でき
る。
5) 急激に多量の二酸化炭素が陰極室に流入すると吸収が不完全になるので,一時的に燃焼ガス
の導入を停止するために用いる。
A 陰極室
B 陽極室
C 多孔板
D1,D2
電解用白金電極
E
参照室
F
多孔板
G pH測定用ガラス電極
H 参照電極
I
かき混ぜ機
J
燃焼ガス導入孔
K 精製酸素導入孔
図12−電量法の電解セルの例
9.5.4
予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。
a) 電源を入れ,各部が十分に安定した後,酸素を送入して装置の気密性を確認する。磁器燃焼管(f)及
び酸化管(c)を指定した温度に保つ。
b) 電解セルの各室に指定どおりの高さまで,それぞれの溶液が入っていることを確かめた後,酸素を指
定した流量(例えば,150 mL/min)で送り,陰極室内の陰極液(吸収液)(9.5.2.2)のかき混ぜを開始
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する。二酸化炭素の吸収を完全にするために,気泡が細かく分散して溶液が完全に白濁する程度以上
に,できるだけ高速でかき混ぜなければならない。ただし,かき混ぜ機は,酸素を流すまで作動させ
てはならない。
c) 電解スイッチを入れて陰極液(吸収液)(9.5.2.2)を電解し,そのpHを9.0〜10.5の一定値に設定する
6)。
d) 試料の代わりに,試料と同程度の炭素の含有率の標準物質を用い,9.5.5のa)〜c) の手順に従って操
作し,次の式によって換算係数を求める2)[注2) は,9.4.4の注2) を参照]。
100
0
2
0
0
2
C
B
A
R
W
K
×
−
×
=
ここに,
K2: 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0: 標準物質はかりとり量(g)
R: 分流比
C0: 標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0: 標準物質を用いて得た指示値
B2: 9.5.6で得た指示値
注6) パルスを用いて電解する装置の中には,設定pHが直接読み取れないものがあるが,この場
合には所定の操作に従ってpHを設定する。
9.5.5
定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次の手順によって行う。
a) 試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼ボートを磁器燃焼管(f)の中央部に挿入し,
直ちに密栓をして,同時に指示値をゼロに戻す。
b) 指定された流量で酸素を送入し,試料を燃焼させ,発生した燃焼ガス中の二酸化炭素を陰極液(吸収
液)(9.5.2.2)に吸収させる。
c) 指示計が一定値を示したとき高周波加熱を止め,指示値を読み取る7)。
注7) 市販の装置では,終点に達するとランプ,ブザーなどが作動するものもある。
9.5.6
空試験
試料を入れない燃焼ボートを用いて,9.5.5のa)〜c) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行し
て行う。酸素を流すだけでも,陰極液(吸収液)(9.5.2.2)のpHが低下するので,空試験の電解時間は,
試料の電解時間と同じにする。助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかり
とった燃焼ボートを用いて行う。
9.5.7
計算
試料中の炭素の含有率を,次の式によって算出する。
(
)
100
5
2
2
2
5
×
×
×
−
=
R
W
K
B
A
C
ここに,
C5: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A2: 9.5.5 c) で得た指示値
B2: 9.5.6で得た指示値
K2: 9.5.4で求めた換算係数
W5: 試料はかりとり量(g)
R: 分流比
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9.6
熱伝導度法
9.6.1
概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して二酸化炭素とし,吸着剤を入れた捕集管に吸着させた後,
この捕集管を加熱して脱着放出させた二酸化炭素を酸素とともに熱伝導度検出器に送り,二酸化炭素によ
る熱伝導度の変化を測定する。
なお,この方法は,選択性のない熱伝導度検出器を用いているが,定量時には,キャリヤーガスと二酸
化炭素だけを検出器に送り演算することができるため,分析精度を確保できる。また,毎回安定した放出
条件で検出器に二酸化炭素を送り込みやすいため,炭素の含有率の高い試料,不安定な燃焼をする試料な
どでも,分析精度を確保しやすい利点がある。
9.6.2
試薬
試薬は,次による。
9.6.2.1
吸着剤 合成ゼオライトで,600〜850 μmの粒度のもの。水分を吸着すると劣化するので注意を
要する。
9.6.3
装置の組立て
装置の組立ては,7.1に基づき,次による。熱伝導度法の装置構成の例を,図13に,また,熱伝導度検
出器の例を,図14に示す。
9.6.3.1
酸素精製部 二酸化炭素吸収管(c)にはソーダ石灰を,脱水管(d1)には過塩素酸マグネシウム
を詰める。酸素は二分し,一方(パージ用)は,試料燃焼部及び燃焼ガス精製部を経て,他方(キャリヤ
ー用)は,直接流路切換器(k)に送り,圧力調整器(p)によって,それぞれ一定の圧力に保つ。
9.6.3.2
試料燃焼部 8.6 b) の高周波誘導加熱炉を用いる。
9.6.3.3
燃焼ガス精製部 金属製集じん管(g)を経て,酸化管(h)には白金触媒を,三酸化硫黄吸収管
(i)にはセルロースウールを,二酸化硫黄吸収管(j)には粒状の酸化マンガン(IV)を,脱水管(d2)に
は過塩素酸マグネシウムをそれぞれ詰め,酸化管(h)は350 ℃に加熱する。
9.6.3.4
炭素酸化物測定部 二酸化炭素捕集管(l)には吸着剤(9.6.2.1)を詰め,燃焼(吸着)時には50 ℃
以下に,測定(脱着)時には280〜320 ℃に保つ。熱伝導度検出器は,ステンレス鋼製箱内の試料セル及
び参照セルを定温度(50 ℃)に保ち,これらにサーミスタを張り付けたもので,両セルのサーミスタに通
電加熱し,二酸化炭素の発生による電気抵抗の変化をホイートストンブリッジ回路によって電気信号とし
て取り出す(図14参照)。指示計は,指定した試料はかりとり量の場合,炭素の含有率を直読できること
が望ましい。測定回路は,積分回路,直線化回路,演算回路などから成る。熱伝導度検出器から取り出し
た電気信号は,積分した後,二酸化炭素濃度と直線関係に変換して炭素の量に比例した値として指示させ
る。
29
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a
酸素ボンベ
b
圧力計
c
二酸化炭素吸収管
d1,d2 脱水管
e
高周波誘導加熱炉
f
燃焼管
g
金属製集じん管
h
酸化管
i
三酸化硫黄吸収管
j
二酸化硫黄吸収管
k
流路切換器
l
二酸化炭素捕集管
m 流量調整器
n
熱伝導度検出器
o
流量計
p
圧力調整器
図13−熱伝導度法の装置構成の例
図14−熱伝導度検出器の例
9.6.4
予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。
a) 電源を入れ,各部が十分に安定した後,酸素を送入して装置の気密性を確認する。燃焼管(f),酸化
管(h)及び恒温槽を指定の温度に保つ。
b) 指示計のゼロ点の調節などを行う。
c) 分析試料と同程度の炭素の含有率の標準物質を用い,9.6.5のa)〜d) の手順に従って操作し,次のい
ずれかの式によって換算係数を求める2)[注2) は,9.4.4の注2) を参照]。
30
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 9.6.6で標準物質を用いて操作した場合
(
)100
3
0
00
00
0
0
3
×
−
−
=
B
A
C
W
C
W
K
ここに,
K3: 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0: c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0: c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
W00: 9.6.6で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00: 9.6.6で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0: c) で用いた標準物質で得た指示値
B3: 9.6.6で用いた標準物質で得た指示値
2) 9.6.6で助燃剤を用いて操作した場合
(
)100
3
0
0
0
3
×
−
=
B
A
C
W
K
ここに,
K3: 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0: c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0: c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0: c) で用いた標準物質で得た指示値
B3: 9.6.6で得た指示値(空試験値)
9.6.5
定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次の手順によって行う。
a) 試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼るつぼを受台に置き,燃焼管(f)を気密に閉
じる。装置指定の圧力及び流量で酸素を送入して管内の空気を置換した後8),高周波誘導加熱炉(e)
を作動させ,試料を燃焼させる。
b) 発生した燃焼ガスは,燃焼ガス精製部を経て二酸化炭素捕集管(l)に送り,二酸化炭素を吸着剤に吸
着させる。
c) 試料の燃焼が終了した後,酸素流路を切り替え,二酸化炭素捕集管(l)を加熱して二酸化炭素を脱着
放出させ9),酸素とともに熱伝導度検出器(n)に送る。
d) 指示計が一定値を示したとき高周波加熱を止め10),指示値を読み取る。
注8) 市販の装置では,燃焼時には,パージ用酸素は,燃焼管,燃焼ガス精製部,二酸化炭素捕集
管を経て大気中に放出し,キャリヤー用酸素は,熱伝導度検出器を経て大気中に放出する。
9) 市販の装置では,測定時には,パージ用酸素は,燃焼管,燃焼ガス精製部を経て大気中に放
出する。キャリヤー用酸素は,二酸化炭素捕集管,熱伝導度検出器を経て大気中に放出する。
10) 市販の装置では,燃焼時間タイマの設定によって,加熱開始,加熱停止などの動作を自動的
に行うものがある。
9.6.6
空試験
助燃剤を使用しない場合,空の燃焼るつぼだけでは高周波が誘導されないので,試料の代わりに,炭素
の含有率が低く,かつ,その含有率が既知の標準物質を試料と同量はかりとった燃焼るつぼを用いて,9.6.5
のa)〜d) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行って得た指示値から,標準物質の既知の炭
素の含有率から次の式によって換算した指示値を差し引いて空試験値とする。
助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼るつぼを用いて,
9.6.5のa)〜d) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行う。
31
Z 2615:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100
3
00
00
00
×
×
=K
C
W
B
ここに,
B00: 標準物質の炭素の含有率から換算した指示値
W00: 空試験で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00: 空試験で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
K3: 9.6.4で求めた換算係数
9.6.7
計算
試料中の炭素の含有率を,次の式によって算出する。
(
)
100
6
3
3
3
6
×
×
−
=
W
K
B
A
C
ここに,
C6: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A3: 9.6.5 d) で得た指示値
B3: 9.6.6で得た指示値
K3: 9.6.4で求めた換算係数
W6: 試料はかりとり量(g)
9.7
赤外線吸収法
9.7.1
概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して炭素酸化物とし,これを酸素とともに赤外線吸収検出器
に導き,二酸化炭素又は二酸化炭素と一酸化炭素とによる赤外線吸収量を連続測定して積分することによ
って炭素量を求める。
なお,この方法は,高濃度から微量濃度域の炭素定量に幅広く適用できる利点がある。市販の装置の多
くは,JIS Z 2616の9.5(赤外線吸収法)の機能を併置したもので炭素及び硫黄を同時に定量できる。
9.7.2
装置の組立て
装置の組立ては,7.1に基づき,次による。赤外線吸収法の装置構成の例を,図15に示す。
a
酸素ボンベ
b
流量計
c
圧力計
d
二酸化炭素吸収管
e1,e2 脱水管
f
圧力調整器及びバルブ
g
高周波誘導加熱炉
h
燃焼管
i
金属製集じん管
j
集じん管
k
酸化管
l
三酸化硫黄吸収管
m 赤外線吸収検出器
図15−赤外線吸収法(高周波誘導加熱炉)の装置構成の例
32
Z 2615:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9.7.2.1
酸素精製部 二酸化炭素吸収管(d)にはシリカゲル,雲母などの無機質の支持体に水酸化ナト
リウムを含浸させたもの,粒状の水酸化ナトリウム,ソーダ石灰などを,脱水管(e1)には過塩素酸マグ
ネシウムを詰める。圧力調整器及びバルブ(f)によって一定の圧力に保ち,燃焼管(h)を通り,赤外線
吸収検出器(m)11) の試料セルに送る。燃焼管の酸素は,流路切換器によって加熱前には流路外にパージ
し,測定開始(加熱)時には赤外線吸収検出器(m)側に流路を切り換える。
注11) 市販の赤外線吸収検出器の装置には,対照セルを用いるものがある。
9.7.2.2
試料燃焼部 8.6の燃焼管及び加熱炉を用いる。
9.7.2.3
燃焼ガス精製部 脱水管(e2)には過塩素酸マグネシウムを,集じん管(j)には石英ガラスウー
ルを詰める。酸化管(k)には白金触媒を詰め,約350 ℃に加熱する。三酸化硫黄吸収管(l)には細いセ
ルロースウールを詰める。
9.7.2.4
炭素酸化物測定部 赤外線吸収検出器は,赤外線発生源(IRソース),試料セル,検出部などか
ら構成され,炭素酸化物の赤外線吸収量を測定できるものを用いる。その測定回路は,直線化回路,演算
回路などから構成する。赤外線吸収検出器から取り出した電気信号を,炭素酸化物に変換・加算して,炭
素の量に比例した電圧を指示計に供給する。指示計は,試料はかりとり量を指定する場合には,炭素の含
有率を直読できることが望ましい。赤外線吸収検出器(m)の例を,図16に示す。
注記 市販の装置には,二酸化硫黄の検出器及び硫黄用の指示器をもち,硫黄との同時定量ができる
ものがある。
図16−赤外線吸収検出器の例
9.7.3
予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。
a) 電源を入れ,各部が十分に安定した後,酸素を送入して装置の気密性を確認する。
b) 装置で指定する圧力及び流量で酸素を通気し,指示計のゼロ点などの調節を行う。
c) 試料と同程度の炭素の含有率の標準物質を用い,9.7.4の手順に従って操作し,次のいずれかの式によ
って換算係数を求める2)[注2) は,9.4.4の注2) を参照]。
1) 9.7.5で標準物質を用いて操作した場合
33
Z 2615:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(
)100
4
0
00
00
0
0
4
×
−
−
=
B
A
C
W
C
W
K
ここに,
K4: 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0: c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0: c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
W00: 9.7.5で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00: 9.7.5で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0: c) で用いた標準物質で得た指示値
B4: 9.7.5で用いた標準物質で得た指示値
2) 9.7.5で助燃剤を用いて操作した場合
(
)100
4
0
0
0
4
×
−
=
B
A
C
W
K
ここに,
K4: 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0: c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0: c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0: c) で用いた標準物質で得た指示値
B4: 9.7.5で得た指示値(空試験値)
9.7.4
定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次のいずれかの手順によって行う。
a) 高周波誘導加熱炉の場合
1) はかりとった試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼るつぼを受台に置き,燃焼管(h)
内に挿入し,気密になるように燃焼管(h)を閉じる。
2) 高周波誘導加熱炉(g)を作動させ,試料を燃焼させる。
3) 発生した燃焼ガスは,燃焼ガス精製部を経て赤外線吸収検出器(m)の試料セルに送る。
4) 指示値が徐々に増加し,指示計が一定値を示したとき測定を終了し,指示値を読み取る。
b) 管状電気抵抗加熱炉の場合
1) はかりとった試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼ボートを,燃焼管の中央部に挿
入し,気密になるように燃焼管を閉じる。
2) 管状電気抵抗加熱炉での加熱によって試料を燃焼させる。
3) 発生した燃焼ガスは,燃焼ガス精製部を経て赤外線吸収検出器(m)の試料セルに送る。
4) 指示値が徐々に増加し,指示計が一定値を示したとき測定を終了し,指示値を読み取る。
9.7.5
空試験
助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼るつぼ又は燃焼ボ
ートを用いて,9.7.4 a)の1)〜4)又は9.7.4 b)の1)〜4)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行
う。
助燃剤を用いない場合には,空の燃焼るつぼだけでは高周波が誘導されないので,試料の代わりに,炭
素の含有率が低く,かつ,その含有率が既知の標準物質を試料と同量はかりとった燃焼るつぼを用いて,
9.7.4 a)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行って得た指示値から,標準物質の既知の炭素
の含有率から次の式によって換算した指示値を差し引いて空試験値とする。
管状電気抵抗加熱炉の場合も同様であり,この場合は燃焼ボートを使用する。
100
4
00
00
00
×
×
=K
C
W
B
ここに,
B00: 標準物質の炭素の含有率から換算した指示値
34
Z 2615:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
W00: 空試験で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00: 空試験で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
K4: 9.7.3で求めた換算係数
9.7.6
計算
試料中の炭素の含有率を,次の式によって算出する。
(
)
100
7
4
4
4
7
×
×
−
=
W
K
B
A
C
ここに,
C7: 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A4: 9.7.4 a) 4)又は9.7.4 b) 4)で得た指示値
B4: 9.7.5で得た指示値
K4: 9.7.3で求めた換算係数
W7: 試料はかりとり量(g)
10 結果の整理
定量結果には,次に挙げる情報を記載することを推奨する。
a) 試料名
b) 試料の状態(塊状,線状,粉末,削り片など)
c) 試料はかりとり量
d) 助燃剤の種類,状態,添加方法,添加量など
e) 測定方式の種類,燃焼管内温度など
f)
定量後の試料の融解状態など,その結果に影響を与える特記事項
g) 空試験値
h) 分析日
i)
装置の製造会社名及び形式名
j)
責任者氏名,職能及び署名又は同等の識別
k) その他の必要事項
11 その他の共通事項
11.1 分析誤差の要因
分析誤差は,一般に次の要因によって生じることが多いので,分析に当たっては,これらの要因をでき
るだけ取り除かなければならない。
a) 分析試料の不均一(試料採取又は試料調製の場合に生じる偏り,分析試料をはかりとるときに生じる
偏析など)
b) 試料調製時及び試料取扱い時の汚染
c) 装置の気密漏れ
d) 電源状態及び環境の不良(電圧,周波数,温度,振動,空気汚染など)
e) 分析条件の不良(燃焼管内温度,酸素流量,助燃剤の種類及び添加量,二酸化炭素の吸収又は捕集の
不完全,酸素中の二酸化炭素定量妨害成分の除去不完全など)
f)
指示値の読取り及び計算の誤り
11.2 安全衛生
装置の組立て及び分析操作を行うには,常に安全及び衛生に注意しなければならない。特に注意する事
35
Z 2615:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
項を,次に示す。
a) 電気配線は全て規格にかなうもので,絶縁及び接地は十分に行い,また,全回路を切断できる1個の
主スイッチを備える。修理及び点検のときは,この主スイッチを切っておかなければならない。
b) 高圧ガスを取り扱う場合は,運搬,設置,操作などに十分注意し,火気に十分気を付ける。
c) 洗浄溶媒,試薬類などを取り扱う場合には,安全データシート(SDS)に記載の化学物質の性状,有
害性,引火性,爆発性及び取扱いに関する情報を熟知し,十分に対策を施す。
d) 燃焼操作においては,高温に加熱された燃焼ボート又は燃焼るつぼの取扱いは,必ず燃焼るつぼはさ
みなどを使用して火傷に注意し,十分に冷却したことを確かめてから廃棄しなければならない。また,
過剰の酸素排気に留意して,火災発生の防止に努めなければならない。
e) ウランなどの放射性をもつ試料又はベリリウムなどの有毒物質を含む試料を分析する場合は,あらか
じめその性質を熟知して取り扱い,分析後の処分方法についても障害がないように十分に注意する。
11.3 個別規格で規定すべき事項
金属材料中の炭素定量方法を規定する個別規格では,通常,次に示す項目を定める。
a) 測定方式の種類
b) 試料採取方法及び分析試料調製方法
c) 試料はかりとり量,助燃剤の種類及び添加量
d) 燃焼管内温度範囲(管状電気抵抗加熱炉の場合)
e) 結果の整理
11.4 個別規格での推奨事項
個別規格には,JIS Z 8402-1,JIS Z 8402-2,JIS Z 8402-3,JIS Z 8402-4,JIS Z 8402-5及びJIS Z 8402-6
を参照して,精確さを規定することが望ましい。
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Z 2615:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−炭素定量値補正係数(F1) [ただし,この表は,微酸性の塩化ナトリウム溶液(260 g/L)を用いた場合に使用する。]
補正気圧
(B)kPa
ガスの温度 ℃
補正気圧
(B)kPa
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
98.658 1.019 1.015 1.011 1.007 1.003 0.999 0.995 0.990 0.986 0.982 0.978 0.973 0.969 0.965 0.961 0.956 0.952 0.948 0.943 0.939 0.934 0.930 0.925 0.920 0.916 0.911 0.906 0.901 0.896 0.892 0.887 0.881 0.876 0.871 0.866 0.860
98.658
98.792 1.021 1.017 1.012 1.008 1.004 1.000 0.996 0.992 0.987 0.983 0.979 0.975 0.970 0.966 0.962 0.958 0.953 0.949 0.944 0.940 0.936 0.931 0.926 0.922 0.917 0.912 0.907 0.903 0.898 0.893 0.888 0.883 0.877 0.872 0.867 0.862
98.792
98.925 1.022 1.018 1.014 1.010 1.006 1.001 0.997 0.993 0.989 0.985 0.980 0.976 0.972 0.968 0.963 0.959 0.955 0.950 0.946 0.941 0.937 0.932 0.928 0.923 0.918 0.914 0.909 0.904 0.899 0.894 0.889 0.884 0.879 0.873 0.868 0.863
98.925
99.058 1.024 1.019 1.015 1.011 1.007 1.003 0.999 0.994 0.990 0.986 0.982 0.977 0.973 0.969 0.965 0.960 0.956 0.951 0.947 0.943 0.938 0.933 0.929 0.924 0.920 0.915 0.910 0.905 0.900 0.895 0.890 0.885 0.880 0.875 0.869 0.864
99.058
99.192 1.025 1.021 1.017 1.012 1.008 1.004 1.000 0.996 0.991 0.987 0.983 0.979 0.974 0.970 0.966 0.962 0.957 0.953 0.948 0.944 0.939 0.935 0.930 0.926 0.921 0.916 0.911 0.906 0.902 0.897 0.892 0.886 0.881 0.876 0.871 0.865
99.192
99.325 1.026 1.022 1.018 1.014 1.010 1.006 1.001 0.997 0.993 0.989 0.984 0.980 0.976 0.972 0.967 0.963 0.958 0.954 0.950 0.945 0.941 0.936 0.931 0.927 0.922 0.918 0.913 0.908 0.903 0.898 0.893 0.888 0.882 0.877 0.872 0.866
99.325
99.458 1.028 1.023 1.019 1.015 1.011 1.007 1.003 0.998 0.994 0.990 0.986 0.981 0.977 0.973 0.969 0.964 0.960 0.955 0.951 0.946 0.942 0.937 0.933 0.928 0.923 0.919 0.914 0.909 0.904 0.899 0.894 0.889 0.884 0.878 0.873 0.868
99.458
99.592 1.029 1.025 1.021 1.016 1.012 1.008 1.004 1.000 0.996 0.991 0.987 0.983 0.978 0.974 0.970 0.966 0.961 0.957 0.952 0.948 0.943 0.939 0.934 0.929 0.925 0.920 0.915 0.910 0.905 0.900 0.895 0.890 0.885 0.880 0.874 0.869
99.592
99.725 1.030 1.026 1.022 1.018 1.014 1.010 1.005 1.001 0.997 0.993 0.988 0.984 0.980 0.975 0.971 0.967 0.962 0.958 0.954 0.949 0.945 0.940 0.935 0.931 0.926 0.921 0.916 0.911 0.907 0.902 0.897 0.891 0.886 0.881 0.876 0.870
99.725
99.528 1.032 1.028 1.023 1.019 1.015 1.011 1.007 1.003 0.998 0.994 0.990 0.985 0.981 0.977 0.973 0.968 0.964 0.959 0.955 0.950 0.946 0.941 0.937 0.932 0.927 0.923 0.918 0.913 0.908 0.903 0.898 0.893 0.887 0.882 0.877 0.871
99.528
99.992 1.033 1.029 1.025 1.021 1.016 1.012 1.008 1.004 1.000 0.995 0.991 0.987 0.982 0.978 0.974 0.969 0.965 0.961 0.956 0.952 0.947 0.943 0.938 0.933 0.928 0.924 0.919 0.914 0.909 0.904 0.899 0.894 0.889 0.883 0.878 0.873
99.992
100.12
1.035 1.030 1.026 1.022 1.018 1.014 1.009 1.005 1.001 0.997 0.992 0.988 0.984 0.979 0.975 0.971 0.966 0.962 0.957 0.953 0.948 0.944 0.939 0.935 0.930 0.925 0.920 0.915 0.910 0.905 0.900 0.895 0.890 0.885 0.879 0.874
100.12
100.26
1.036 1.032 1.028 1.023 1.019 1.015 1.011 1.007 1.002 0.998 0.994 0.989 0.985 0.981 0.977 0.972 0.968 0.963 0.959 0.954 0.950 0.945 0.940 0.936 0.931 0.926 0.921 0.916 0.912 0.907 0.902 0.896 0.891 0.886 0.880 0.875
100.26
100.39
1.037 1.033 1.029 1.025 1.021 1.016 1.012 1.008 1.004 0.999 0.995 0.991 0.986 0.982 0.978 0.973 0.969 0.964 0.960 0.956 0.951 0.946 0.942 0.937 0.932 0.928 0.923 0.918 0.913 0.908 0.903 0.898 0.892 0.887 0.882 0.876
100.39
100.52
1.039 1.035 1.030 1.026 1.022 1.018 1.014 1.009 1.005 1.001 0.996 0.992 0.988 0.983 0.979 0.975 0.970 0.966 0.961 0.957 0.952 0.948 0.943 0.938 0.934 0.929 0.924 0.919 0.914 0.909 0.904 0.899 0.893 0.888 0.883 0.878
100.52
100.66
1.040 1.036 1.032 1.027 1.023 1.019 1.015 1.011 1.006 1.002 0.998 0.993 0.989 0.985 0.980 0.976 0.972 0.967 0.963 0.958 0.954 0.949 0.944 0.940 0.935 0.930 0.925 0.920 0.915 0.910 0.905 0.900 0.895 0.889 0.884 0.879
100.66
100.79
1.042 1.037 1.033 1.029 1.025 1.020 1.016 1.012 1.008 1.003 0.999 0.995 0.990 0.986 0.982 0.977 0.973 0.968 0.964 0.959 0.955 0.950 0.946 0.941 0.936 0.932 0.926 0.922 0.917 0.912 0.907 0.901 0.896 0.891 0.885 0.880
100.79
100.92
1.043 1.039 1.034 1.030 1.026 1.022 1.018 1.013 1.009 1.005 1.000 0.996 0.992 0.987 0.983 0.979 0.974 0.970 0.965 0.961 0.956 0.952 0.947 0.942 0.937 0.933 0.928 0.923 0.918 0.913 0.908 0.903 0.897 0.892 0.887 0.881
100.92
101.06
1.044 1.040 1.036 1.032 1.027 1.023 1.019 1.015 1.010 1.006 1.002 0.997 0.993 0.989 0.984 0.980 0.976 0.971 0.967 0.962 0.958 0.953 0.948 0.943 0.939 0.934 0.929 0.924 0.919 0.914 0.909 0.904 0.898 0.893 0.888 0.882
101.06
101.19
1.046 1.041 1.037 1.033 1.029 1.025 1.020 1.016 1.012 1.007 1.003 0.999 0.994 0.990 0.986 0.981 0.977 0.972 0.968 0.963 0.959 0.954 0.949 0.945 0.940 0.935 0.930 0.925 0.920 0.915 0.910 0.905 0.900 0.894 0.889 0.884
101.19
101.32
1.047 1.043 1.039 1.034 1.030 1.026 1.022 1.017 1.013 1.009 1.004 1.000 0.996 0.991 0.987 0.983 0.978 0.974 0.969 0.965 0.960 0.955 0.951 0.946 0.941 0.937 0.932 0.927 0.922 0.917 0.912 0.906 0.901 0.896 0.890 0.885
101.32
101.46
1.049 1.044 1.040 1.036 1.031 1.027 1.023 1.019 1.014 1.010 1.006 1.001 0.997 0.993 0.988 0.984 0.979 0.975 0.970 0.966 0.961 0.957 0.952 0.947 0.943 0.938 0.933 0.928 0.923 0.918 0.913 0.908 0.902 0.897 0.892 0.886
101.46
101.59
1.050 1.046 1.041 1.037 1.033 1.029 1.024 1.020 1.016 1.011 1.007 1.003 0.998 0.994 0.990 0.985 0.981 0.976 0.972 0.967 0.963 0.958 0.953 0.949 0.944 0.939 0.934 0.929 0.924 0.919 0.914 0.909 0.903 0.898 0.893 0.887
101.59
101.72
1.051 1.047 1.043 1.038 1.034 1.030 1.026 1.021 1.017 1.013 1.008 1.004 1.000 0.995 0.991 0.987 0.982 0.978 0.973 0.969 0.964 0.959 0.955 0.950 0.945 0.940 0.935 0.930 0.925 0.920 0.915 0.910 0.905 0.899 0.894 0.889
101.72
101.86
1.053 1.048 1.044 1.040 1.036 1.031 1.027 1.023 1.018 1.014 1.010 1.005 1.001 0.997 0.992 0.988 0.983 0.979 0.974 0.970 0.965 0.961 0.956 0.951 0.946 0.942 0.937 0.932 0.927 0.922 0.917 0.911 0.906 0.901 0.895 0.890
101.86
101.99
1.054 1.050 1.045 1.041 1.037 1.033 1.028 1.024 1.020 1.015 1.011 1.007 1.002 0.998 0.994 0.989 0.985 0.980 0.976 0.971 0.967 0.962 0.957 0.952 0.948 0.943 0.938 0.933 0.928 0.923 0.918 0.913 0.907 0.902 0.897 0.891
101.99
102.12
1.055 1.051 1.047 1.043 1.038 1.034 1.030 1.026 1.021 1.017 1.012 1.008 1.004 0.999 0.995 0.991 0.986 0.981 0.977 0.972 0.968 0.963 0.958 0.954 0.949 0.944 0.939 0.934 0.929 0.924 0.919 0.914 0.908 0.903 0.898 0.892
102.12
102.26
1.057 1.053 1.048 1.044 1.040 1.035 1.031 1.027 1.022 1.018 1.014 1.009 1.005 1.001 0.996 0.992 0.987 0.983 0.978 0.974 0.969 0.965 0.960 0.955 0.950 0.946 0.940 0.935 0.930 0.925 0.920 0.915 0.910 0.904 0.899 0.894
102.26
102.39
1.058 1.054 1.050 1.045 1.041 1.037 1.033 1.028 1.024 1.019 1.015 1.011 1.006 1.002 0.998 0.993 0.989 0.984 0.980 0.975 0.970 0.966 0.961 0.956 0.951 0.947 0.942 0.937 0.932 0.927 0.922 0.916 0.911 0.906 0.900 0.895
102.39
102.52
1.060 1.055 1.051 1.047 1.042 1.038 1.034 1.030 1.025 1.021 1.016 1.012 1.008 1.003 0.999 0.995 0.990 0.985 0.981 0.976 0.972 0.967 0.962 0.958 0.953 0.948 0.943 0.938 0.933 0.928 0.923 0.918 0.912 0.907 0.901 0.896
102.52
102.66
1.061 1.057 1.052 1.048 1.044 1.040 1.035 1.031 1.027 1.022 1.018 1.013 1.009 1.005 1.000 0.996 0.991 0.987 0.982 0.978 0.973 0.968 0.964 0.959 0.954 0.949 0.944 0.939 0.934 0.929 0.924 0.919 0.913 0.908 0.903 0.897
102.66
102.79
1.062 1.058 1.054 1.049 1.045 1.041 1.037 1.032 1.028 1.023 1.019 1.015 1.010 1.006 1.002 0.997 0.993 0.988 0.984 0.979 0.974 0.970 0.965 0.960 0.955 0.951 0.945 0.940 0.936 0.930 0.925 0.920 0.915 0.909 0.904 0.898
102.79
102.92
1.064 1.059 1.055 1.051 1.047 1.042 1.038 1.034 1.029 1.025 1.020 1.016 1.012 1.007 1.003 0.998 0.994 0.989 0.985 0.980 0.976 0.971 0.966 0.961 0.957 0.952 0.947 0.942 0.937 0.932 0.927 0.921 0.916 0.911 0.905 0.900
102.92
103.06
1.065 1.061 1.056 1.052 1.048 1.044 1.039 1.035 1.031 1.026 1.022 1.017 1.013 1.009 1.004 1.000 0.995 0.991 0.986 0.982 0.977 0.972 0.967 0.963 0.958 0.953 0.948 0.943 0.938 0.933 0.928 0.923 0.917 0.912 0.906 0.901
103.06
103.19
1.067 1.062 1.058 1.054 1.049 1.045 1.041 1.036 1.032 1.028 1.023 1.019 1.014 1.010 1.006 1.001 0.996 0.992 0.987 0.983 0.978 0.973 0.969 0.964 0.959 0.954 0.949 0.944 0.939 0.934 0.929 0.924 0.918 0.913 0.908 0.902
103.19
注記1 表中の気圧は,水銀気圧計の読取値に温度及び重力補正を行った値である。
温度及び重力の補正は,次の式によって行う。
B=B'(1−0.000 163t−0.002 6cos2 ϕ−0.000 000 2H)
ここに, B :補正した気圧の値(kPa)
t :気圧計に付いている温度計の読み(℃)
B' :気圧計の読み(kPa)
ϕ :気圧計のある場所の緯度(°)
H :海面からの高さ(m)
分析者は,あらかじめB'(0.000 163t+0.002 6cos2 ϕ+0.000 000 2 H)の値を,各種の気圧・温度について求めて表にしておけば,使用に便利である。ただし,高さの項は,微少であるから省いてもよい。
注記2 本表の使用例 試料のはかりとり値を1 gとすれば
1 mL CO2=0.050 27 %C
例えば,ビュレットの読取値=14.3 mL,ガスの温度=29 ℃,気圧計に付いている温度計の読み (t)=25 ℃,気圧計の読み (B')=101.7 kPaであった場合は,東京では気圧の温度及び重力補正値は0.5 kPaとなるから,補正した気圧の値
(B)=101.7−0.5=101.2 kPa
したがって,補正気圧101.2 kPa,ガスの温度29 ℃のときの補正係数は,表1から0.940であるから,求める炭素の量(%)は次のようになる。
676
.0
1
940
.0
27
050
.0
3.
14
=
×
×
(%)
37
Z 2615:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−炭素定量値補正係数(F2) [ただし,この表は,微酸性の水(9.2.2.6)を用いた場合に使用する。]
補正気圧
(B)kPa
ガスの温度 ℃
補正気圧
(B)kPa
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
98.658 1.022 1.017 1.013 1.009 1.004 1.000 0.996 0.991 0.987 0.982 0.978 0.973 0.969 0.964 0.959 0.955 0.950 0.945 0.940 0.936 0.931 0.926 0.921 0.916 0.910 0.905 0.900 0.894 0.889 0.883 0.877 0.871 0.866 0.860 0.853 0.847
98.658
98.792 1.023 1.019 1.014 1.010 1.006 1.001 0.997 0.993 0.988 0.984 0.979 0.975 0.970 0.965 0.961 0.956 0.951 0.947 0.942 0.937 0.932 0.927 0.922 0.917 0.912 0.906 0.901 0.895 0.890 0.884 0.879 0.873 0.867 0.861 0.855 0.848
98.792
98.925 1.024 1.020 1.016 1.011 1.007 1.003 0.998 0.994 0.989 0.985 0.980 0.976 0.971 0.967 0.962 0.958 0.953 0.948 0.943 0.938 0.933 0.928 0.923 0.918 0.913 0.908 0.902 0.897 0.891 0.886 0.880 0.874 0.868 0.862 0.856 0.850
98.925
99.058 1.026 1.021 1.017 1.013 1.008 1.004 1.000 0.995 0.991 0.986 0.982 0.977 0.973 0.968 0.963 0.959 0.954 0.949 0.944 0.940 0.935 0.930 0.925 0.919 0.914 0.909 0.903 0.898 0.893 0.887 0.881 0.875 0.869 0.863 0.857 0.851
99.058
99.192 1.027 1.023 1.019 1.014 1.010 1.005 1.001 0.997 0.992 0.988 0.983 0.979 0.974 0.969 0.965 0.960 0.955 0.951 0.946 0.941 0.936 0.931 0.926 0.921 0.916 0.910 0.905 0.899 0.894 0.888 0.882 0.876 0.871 0.865 0.858 0.852
99.192
99.325 1.029 1.024 1.020 1.016 1.011 1.007 1.002 0.998 0.994 0.989 0.984 0.980 0.975 0.971 0.966 0.961 0.957 0.952 0.947 0.942 0.937 0.932 0.927 0.922 0.917 0.911 0.906 0.901 0.895 0.889 0.884 0.878 0.872 0.866 0.860 0.853
99.325
99.458 1.030 1.025 1.021 1.017 1.013 1.008 1.004 0.999 0.995 0.990 0.986 0.981 0.977 0.972 0.967 0.963 0.958 0.953 0.948 0.943 0.938 0.934 0.928 0.923 0.918 0.913 0.907 0.902 0.896 0.891 0.885 0.879 0.873 0.867 0.861 0.855
99.458
99.592 1.031 1.027 1.023 1.018 1.014 1.010 1.005 1.001 0.996 0.992 0.987 0.983 0.978 0.973 0.969 0.964 0.959 0.955 0.950 0.945 0.940 0.935 0.930 0.925 0.919 0.914 0.909 0.903 0.898 0.892 0.886 0.880 0.874 0.868 0.862 0.856
99.592
99.725 1.033 1.028 1.024 1.020 1.015 1.011 1.006 1.002 0.998 0.993 0.989 0.984 0.979 0.975 0.970 0.965 0.961 0.956 0.951 0.946 0.941 0.936 0.931 0.926 0.921 0.915 0.910 0.904 0.899 0.893 0.887 0.882 0.876 0.869 0.863 0.857
99.725
99.528 1.034 1.030 1.025 1.021 1.017 1.012 1.008 1.003 0.999 0.994 0.990 0.985 0.981 0.976 0.971 0.967 0.962 0.957 0.952 0.947 0.942 0.937 0.932 0.927 0.922 0.917 0.911 0.906 0.900 0.894 0.889 0.883 0.877 0.871 0.865 0.858
99.528
99.992 1.036 1.031 1.027 1.023 1.018 1.014 1.009 1.005 1.000 0.996 0.991 0.987 0.982 0.977 0.973 0.968 0.963 0.958 0.954 0.949 0.944 0.939 0.934 0.929 0.923 0.918 0.912 0.907 0.901 0.896 0.890 0.884 0.878 0.872 0.866 0.859
99.992
100.12
1.037 1.033 1.028 1.024 1.019 1.015 1.011 1.006 1.002 0.997 0.993 0.988 0.983 0.979 0.974 0.969 0.965 0.960 0.955 0.950 0.945 0.940 0.935 0.930 0.924 0.919 0.914 0.908 0.903 0.897 0.891 0.885 0.879 0.873 0.867 0.861
100.12
100.26
1.038 1.034 1.030 1.025 1.021 1.016 1.012 1.007 1.003 0.998 0.994 0.989 0.985 0.980 0.975 0.971 0.966 0.961 0.956 0.951 0.946 0.941 0.936 0.931 0.926 0.920 0.915 0.909 0.904 0.898 0.892 0.887 0.881 0.874 0.868 0.862
100.26
100.39
1.040 1.035 1.031 1.027 1.022 1.018 1.013 1.009 1.004 1.000 0.995 0.991 0.986 0.981 0.977 0.972 0.967 0.962 0.957 0.953 0.948 0.943 0.937 0.932 0.927 0.922 0.916 0.911 0.905 0.899 0.894 0.888 0.882 0.876 0.870 0.863
100.39
100.52
1.041 1.037 1.032 1.028 1.024 1.019 1.015 1.010 1.006 1.001 0.997 0.992 0.987 0.983 0.978 0.973 0.968 0.964 0.959 0.954 0.949 0.944 0.939 0.934 0.928 0.923 0.918 0.912 0.906 0.901 0.895 0.889 0.883 0.877 0.871 0.864
100.52
100.66
1.043 1.038 1.034 1.029 1.025 1.020 1.016 1.012 1.007 1.002 0.998 0.993 0.989 0.984 0.979 0.975 0.970 0.965 0.960 0.955 0.950 0.945 0.940 0.935 0.930 0.924 0.919 0.913 0.908 0.902 0.896 0.890 0.884 0.878 0.872 0.866
100.66
100.79
1.044 1.040 1.035 1.031 1.026 1.022 1.017 1.013 1.008 1.004 0.999 0.995 0.990 0.985 0.981 0.976 0.971 0.966 0.961 0.956 0.951 0.946 0.941 0.936 0.931 0.926 0.920 0.915 0.909 0.903 0.897 0.892 0.886 0.879 0.873 0.867
100.79
100.92
1.045 1.041 1.037 1.032 1.028 1.023 1.019 1.014 1.010 1.005 1.001 0.996 0.991 0.987 0.982 0.977 0.972 0.968 0.963 0.958 0.953 0.948 0.943 0.937 0.932 0.927 0.921 0.916 0.910 0.905 0.899 0.893 0.887 0.881 0.875 0.868
100.92
101.06
1.047 1.042 1.038 1.034 1.029 1.025 1.020 1.016 1.011 1.006 1.002 0.997 0.993 0.988 0.983 0.979 0.974 0.969 0.964 0.959 0.954 0.949 0.944 0.939 0.933 0.928 0.923 0.917 0.912 0.906 0.900 0.894 0.888 0.882 0.876 0.869
101.06
101.19
1.048 1.044 1.039 1.035 1.030 1.026 1.021 1.017 1.012 1.008 1.003 0.999 0.994 0.989 0.985 0.980 0.975 0.970 0.965 0.960 0.955 0.950 0.945 0.940 0.935 0.929 0.924 0.918 0.913 0.907 0.901 0.895 0.889 0.883 0.877 0.871
101.19
101.32
1.050 1.045 1.041 1.036 1.032 1.027 1.023 1.018 1.014 1.009 1.005 1.000 0.995 0.991 0.986 0.981 0.976 0.972 0.967 0.962 0.957 0.952 0.947 0.941 0.936 0.931 0.925 0.920 0.914 0.908 0.902 0.897 0.891 0.884 0.878 0.872
101.32
101.46
1.051 1.046 1.042 1.038 1.033 1.029 1.024 1.020 1.015 1.011 1.006 1.001 0.997 0.992 0.987 0.983 0.978 0.973 0.968 0.963 0.958 0.953 0.948 0.943 0.937 0.932 0.926 0.921 0.915 0.910 0.904 0.898 0.892 0.886 0.879 0.873
101.46
101.59
1.052 1.048 1.043 1.039 1.035 1.030 1.026 1.021 1.017 1.012 1.007 1.003 0.998 0.993 0.989 0.984 0.979 0.974 0.969 0.964 0.959 0.954 0.949 0.944 0.939 0.933 0.928 0.922 0.917 0.911 0.905 0.899 0.893 0.887 0.881 0.874
101.59
101.72
1.054 1.049 1.045 1.040 1.036 1.031 1.027 1.022 1.018 1.013 1.009 1.004 0.999 0.995 0.990 0.985 0.980 0.976 0.971 0.966 0.961 0.956 0.950 0.945 0.940 0.934 0.929 0.923 0.918 0.912 0.906 0.900 0.894 0.888 0.882 0.876
101.72
101.86
1.055 1.051 1.046 1.042 1.037 1.033 1.028 1.024 1.019 1.015 1.010 1.005 1.001 0.996 0.991 0.987 0.982 0.977 0.972 0.967 0.962 0.957 0.952 0.946 0.941 0.936 0.930 0.925 0.919 0.913 0.907 0.902 0.896 0.889 0.883 0.877
101.86
101.99
1.056 1.052 1.048 1.043 1.039 1.034 1.030 1.025 1.021 1.016 1.011 1.007 1.002 0.997 0.993 0.988 0.983 0.978 0.973 0.968 0.963 0.958 0.953 0.948 0.942 0.937 0.932 0.926 0.920 0.915 0.909 0.903 0.897 0.891 0.884 0.878
101.99
102.12
1.058 1.053 1.049 1.045 1.040 1.036 1.031 1.026 1.022 1.017 1.013 1.008 1.003 0.999 0.994 0.989 0.984 0.979 0.974 0.969 0.964 0.959 0.954 0.949 0.944 0.938 0.933 0.927 0.922 0.916 0.910 0.904 0.898 0.892 0.886 0.879
102.12
102.26
1.059 1.055 1.050 1.046 1.041 1.037 1.032 1.028 1.023 1.019 1.014 1.009 1.005 1.000 0.995 0.991 0.986 0.981 0.976 0.971 0.966 0.961 0.956 0.950 0.945 0.940 0.934 0.929 0.923 0.917 0.911 0.905 0.899 0.893 0.887 0.881
102.26
102.39
1.061 1.056 1.052 1.047 1.043 1.038 1.034 1.029 1.025 1.020 1.015 1.011 1.006 1.001 0.997 0.992 0.987 0.982 0.977 0.972 0.967 0.962 0.957 0.952 0.946 0.941 0.935 0.930 0.924 0.918 0.913 0.907 0.901 0.894 0.888 0.882
102.39
102.52
1.062 1.058 1.053 1.049 1.044 1.040 1.035 1.031 1.026 1.021 1.017 1.012 1.007 1.003 0.998 0.993 0.988 0.983 0.978 0.973 0.968 0.963 0.958 0.953 0.948 0.942 0.937 0.931 0.925 0.920 0.914 0.908 0.902 0.896 0.889 0.883
102.52
102.66
1.063 1.059 1.054 1.050 1.045 1.041 1.036 1.032 1.027 1.023 1.018 1.013 1.009 1.004 0.999 0.995 0.990 0.985 0.980 0.975 0.970 0.965 0.959 0.954 0.949 0.943 0.938 0.932 0.927 0.921 0.915 0.909 0.903 0.897 0.891 0.884
102.66
102.79
1.065 1.060 1.056 1.051 1.047 1.042 1.038 1.033 1.029 1.024 1.019 1.015 1.010 1.005 1.001 0.996 0.991 0.986 0.981 0.976 0.971 0.966 0.961 0.955 0.950 0.945 0.939 0.934 0.928 0.922 0.916 0.910 0.904 0.898 0.892 0.885
102.79
102.92
1.066 1.062 1.057 1.053 1.048 1.044 1.039 1.035 1.030 1.025 1.021 1.016 1.011 1.007 1.002 0.997 0.992 0.987 0.982 0.977 0.972 0.967 0.962 0.957 0.951 0.946 0.940 0.935 0.929 0.923 0.918 0.912 0.906 0.899 0.893 0.887
102.92
103.06
1.068 1.063 1.059 1.054 1.050 1.045 1.041 1.036 1.031 1.027 1.022 1.017 1.013 1.008 1.003 0.998 0.994 0.989 0.984 0.979 0.974 0.968 0.963 0.958 0.953 0.947 0.942 0.936 0.931 0.925 0.919 0.913 0.907 0.901 0.894 0.888
103.06
103.19
1.069 1.064 1.060 1.056 1.051 1.046 1.042 1.037 1.033 1.028 1.023 1.019 1.014 1.009 1.005 1.000 0.995 0.990 0.985 0.980 0.975 0.970 0.965 0.959 0.954 0.949 0.943 0.937 0.932 0.926 0.920 0.914 0.908 0.902 0.896 0.889
103.19
注記1 表中の気圧は,水銀気圧計の読取値に温度及び重力補正を行った値である。
温度及び重力の補正は,次の式によって行う。
B=B'(1−0.000 163t−0.002 6cos2 ϕ)
ここに, B :補正した気圧の値(kPa)
t :気圧計に付いている温度計の読み(℃)
B' :気圧計の読み(kPa)
ϕ :気圧計のある場所の緯度(°)
分析者は,あらかじめB'(0.000 163 t+0.002 6cos2 ϕ)の値を,各種の気圧・温度について求めて表にしておけば,使用に便利である。
注記2 本表の使用例 試料はかりとり量を1 gとすれば
1 mL CO2=0.050 05 %C
例えば,ビュレットの読取値=14.3 mL,ガスの温度=29 ℃,気圧計に付いている温度計の読み (t)=25 ℃,気圧計の読み (B')=101.7 kPaであった場合は,東京では気圧の温度及び重力補正値は0.5 kPaとなるから,補正した気圧の値
(B)=101.7−0.5=101.2 kPa
したがって,補正気圧101.2 kPa,ガスの温度29 ℃のときの補正係数は,表2から0.935であるから,求める炭素の量(%)は次のようになる。
669
.0
1
935
.0
05
050
.0
3.
14
=
×
×
(%)