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Z 2510:2004  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本粉末冶金工業会(JPMA)から,工業標準

原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大

臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 4497:1983,Metallic powders - 

Determination of particle size by dry sievingを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS Z 2510には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対応表 

Z 2510:2004  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 原則 ······························································································································ 1 

4. 装置 ······························································································································ 2 

4.1 非磁性金網を用いた調整済みのふるい················································································ 2 

4.2 自動ふるい振とう機 ······································································································· 2 

4.3 はかり ························································································································· 2 

4.4 柔らかいブラシ ············································································································· 2 

5. 試料の調整 ····················································································································· 2 

6. 試験方法 ························································································································ 2 

7. 結果の表示 ····················································································································· 3 

8. 試験報告 ························································································································ 3 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 ······································································ 4 

Z 2510:2004  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 2510:2004 

金属粉―乾式ふるい分けによる粒度試験方法 

Metallic powders - Determination of particle size by dry sieving 

序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 4497:1983,Metallic powders - Determination of 

particle size by dry sievingを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,金属粉を乾式ふるい分けによって粒度ごとに分級し,その粒度分布を決定す

る方法について規定する。 

この規格は,潤滑されていない乾燥した金属粉に適用する。また,例えば,フレーク状のように粉末形

状が著しく等軸性を欠く金属粉には適用しない。さらに,この規格は,全量又はその大部分が45μm以下

の粒度をもつ金属粉には適用しない。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 4497:1983,Metallic powders - Determination of particle size by dry sieving (MOD) 

参考 もし,粉末形状が著しく等軸性を欠く金属粉を測定した場合には,その粉末の粒度分布を正し

く表せないので,結果は参考値とする。また,全量又はその大部分が45μm以下の粒度をもつ

金属粉の場合は,その粉末に含まれる45μmを超える粉末の割合を測定する場合に限り,この

規格を準用してもよい。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。ただし,これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 8801-1 試験用ふるい − 第1部:金属製網ふるい 

備考 ISO 3310-1, Test sieves - Technical requirements and testing - Part 1: Test sieves of metal wire 

clothが,この規格と対応している。 

JIS Z 8815 ふるい分け試験方法通則 

備考 ISO 2591-1, Test sieving - Part 1: Methods using test sieves of woven wire cloth and performed 

metal plateが,この規格と対応している。 

3. 原則 目開き寸法順に組合せた試験用金網ふるいを振動させ,金属粉を通すことによって粒度ごとに

分離する。 

個々のふるい上の部分と,最も細かいふるいを通過した部分の粉末質量をひょう量する。 

Z 2510:2004  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 装置  

4.1 

非磁性金網を用いた調整済みのふるい ふるいは種々の公称目開きをもつものとする。各ふるいは,

公称直径200mm,公称深さ25〜50mmの非磁性の金属枠に装着する。 

参考 JIS Z 8801-1では,深さを25mm,45mm,60mm,100mmと規定している。 

試験ふるいの枠は互いに正確に重ね,上に置くふた及び一番下のふるいの下に置く受器を含めて一揃い

とする。 

ふるいの調整は,JIS Z 8815によって実施する。 

試験ふるいの目開きは,JIS Z 8801-1の主要なふるいのサイズ(R40/3)から選ぶ。試験ふるいの目開き

は,試料の粒度分布を適切に測定できるように選ぶ。(7.参照) 

備考 受渡当事者間の協定によって,通常以外の又は部分的な試験ふるいの組合せを採用してもよい。 

4.2 

自動ふるい振とう機 使う場合は,6.b)を参照。 

4.3 

はかり 試料100gを,少なくとも±0.05gの精度で測定できるものとする。 

4.4 

柔らかいブラシ  

5. 試料の調整 試料の調整は,次による。 

a) 一般に,粉末は受け入れたままの状態で試験する。もし必要ならば,粉末を乾燥してもよい。ただし,

粉末が酸化されやすい場合は、真空中又は不活発ガス中で乾燥を行う。 

b) 試料採取は,粉末の見掛密度が1.50g/cm3を超える場合は約100gとし,見掛密度が1.50g/cm3以下であ

る場合は約50gとする。 

6. 試験方法 試験は,次によって行う。 

a) 選んだ組合せの試験ふるいは,目開きの小さいものから順に受器の上に積み重ね,組み立てる。試料

を一番上のふるいに入れ,ふたをする。 

b) ふるい分けは,手動又は自動ふるい振とう機で行う。 

参考 異なる形式のふるい振とう機は,同一の粉末とふるいを用いても,異なった結果を与えること

が知られているが,一般に異なる機種間での個々の粉末についての相関関係は求めることがで

きる。 

c) 操作は,ふるい分けが終了点に達するまで,又は,受渡当事者間で協定した時間続ける。終了点とは,

JIS Z 8815に従い,1分間にふるいを通過する試料の質量が挿入試料質量の0.1%以下になったときを

いう。 

d) ふるい分け作業の後,各ふるいに残った分級物及び受器に集まった分級物を,100gの試料の場合は0.1g

のけたまで,50gの試料の場合は0.05gまでひょう量する。ひょう量は,最も粗い部分から始めて,受

器の部分のひょう量を最後に行う。 

各ふるいに残った分級物は,ひょう量のために次に示す方法で集める。 

ふるいを組み合わせた状態から外し,ふるいを静かに傾けて内容物を片側に寄せ,柔らかいブラシ

を用いて薬包紙の上に移す。ふるいの底及び枠に付着した粉末は,次のより細かいふるいの中に柔ら

かなブラシで払い落とす。薬包紙の上でふるいを逆さにし,ふるいの枠を静かにたたく。 

受器の分級物も,ひょう量のために同様な方法で集める。 

e) 総ての分級物の合計が,試料質量の98%より少なくなってはならない。 

background image

Z 2510:2004  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7. 結果の表示 各ふるいに残った分級物及び受器に集まった分級物の質量は,総ての分級物の合計に対

する百分率で表し,0.1%に丸めて報告する。質量百分率が0.1%未満である分級物は“trace”と報告する。 

報告表の例を参考表に示す。 

参考表 報告例 

粒度 

ふるい分級物 

μm 

%(m/m) 

>180 

trace 

trace 

≦180 >150 

0.2 

0.2 

≦150 >106 

21.3 

21.6 

≦106 

>75 

25.5 

25.9 

≦75 

>63 

11.6 

11.8 

≦63 

>45 

14.1 

14.3 

≦45  

25.8 

26.2 

合計 

98.5 

100.0 

試料採取量 

99.9 

損失分 

1.4 

8. 試験報告 試験報告には,次の情報を含める。 

a) この規格に従って試験を実施したこと。 

b) 試験試料における必要事項の詳細。 

c) 試料を乾燥した場合は,乾燥方法。 

d) ふるい分けの方法及びふるい振とう機を使用した場合は,その詳細。 

e) ふるい分けの時間。 

f) 

得られた結果。 

g) この規格に規定又は記載されていない全ての操作又は任意に付加した操作の詳細。 

h) 測定結果に影響を及ぼす可能性のある要因の詳細。 

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Z 2510:2004  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

JIS Z 2510:2004 金属粉−乾式ふるい分けによる粒度試験方法 

ISO 4497:1983 金属粉−乾式ふるい分けによる粒度試験方法 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規
格との技術的差
異の理由及び今
後の対策 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

1.適用範囲 

適用する金属粉の
範囲を規定。 

ISO 4497 1.適用範囲 

適用する金属粉の
範囲を規定。 

IDT 

― 

2.引用規格 

JIS Z 8801-1 
(ISO 3310-1) 
JIS Z 8815 
(ISO 2591-1) 

2.引用規格 

ISO 565 
ISO 2591 

MOD/変更 

ISOでは,改正前の国際規格が引用
されている。 

ISO 4497制定後
に,引用するISO
が改正されたた
め。 

3.原則 

測定方法の原則を
規定。 

3.原則 

測定方法の原則を
規定。 

IDT 

― 

4.装置 
4.1非磁性金
網を用いた調
整済みのふる
い 

 
ふるいのサイズ,公
称目開きの選び方
を規定。 

4.装置 
4.1非磁性金
網を用いた調
整済みのふる
い 

 
ふるいのサイズ,公
称目開きの選び方
を規定。 

 
MOD/変更 

 
ふるい枠の深さをISOでは,25mm
〜50mmと規定,備考でISO 2591
では深さ50mmと記載。JISでは,
備考でJIS Z 8801-1では,25mm,
45mm,60mm,100mmと記載。 
使用ふるいの目開きの選び方をISO
では,ISO 565のふるいサイズ
(R20/3)から選ぶことを推奨し,適切
でない場合は,(R40/3又はR20)に
取り替えることができると規定。
JISでは,JIS Z 8801-1の(R40/3)か
ら選ぶと規定。 

 
引用規格の規定
の違いによるた
め。 
通常,粉末冶金で
使用するふるい
は,(R40/3)から選
んで使用されて
いるので,問題は
ない。 

4.2自動ふる

使う場合を規定。 

4.2自動ふる

使う場合を規定。 

IDT 

― 

background image

Z 2510:2004  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

い振とう機 

い振とう機 

4.3天びん 

使用天びんの精度
を規定。 

4.3天びん 

使用天びんの精度
を規定。 

IDT 

― 

4.4柔らかい
ブラシ 

項目のみ規定。 

4.4柔らかい
ブラシ 

項目のみ規定。 

IDT 

― 

5.試料の調整 試料の状態,量を規

定。 

5.試料の調整 試料の状態,量を規

定。 

IDT 

― 

6.試験方法 

ふるい分けの手順,
質量の測定方法を
規定。 

6.試験方法 

ふるい分けの手順,
質量の測定方法を
規定。 

IDT 

― 

7.結果の表示 結果の表示方法を

規定。 

7.結果の表示 結果の表示方法を

規定。 

IDT 

― 

8.試験報告 

試験報告に含める
情報項目を規定。 

8.試験報告 

試験報告に含める
情報項目を規定。 

IDT 

― 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

− IDT ····················· 技術的差異がない。 

− MOD/削除 ············ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 

− MOD/追加 ············ 国際規格にない規程項目又は規定内容を追加している。 

− MOD/変更 ············ 国際規格の規定内容を変更している。 

− MOD/選択 ············ 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。 

− NEQ ···················· 技術的差異があり,かつ,それがはっきりと識別され説明されていない。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

− IDT ····················· 国際規格と一致している。 

− MOD ··················· 国際規格を修正している。 

− NEQ ···················· 技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。