Z 2507 : 2000
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS Z 2507 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 2507 : 2000
焼結軸受−圧環強さ試験方法
Sintered metal bearing−Determination of radial crushing strength
序文 この規格は,1973年に第1版として発行されたISO 2739, Sintered metal bushes−Determination of
radial crushing strengthを基に,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,一般に軸受といわれる中空円筒形の焼結部品の圧環強さを測定する方法につ
いて規定する。
備考1. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 2739 : 1973, Sintered metal bushes−Determination of radial crushing strength
関連規格 JIS B 7721 引張試験機−力の検証方法
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版を適用する。
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 応用分野 この方法は,純金属粉又は合金粉からなる焼結軸受に適用する。
4. 原則 中空円筒の変形が直径の10%を超えないように,直径方向の荷重を破壊が生じるまで連続的に
加える。測定された最大荷重と中空円筒の寸法との関係式で値を計算し,この値を“圧環強さ”とする。
5. 装置
5.1
圧縮装置 中空円筒に半径方向の荷重を加えられるもの。
5.2
荷重測定装置 測定する最大荷重の値を読むことのできるもの。
参考 圧縮装置,荷重測定装置は,JIS B 7721を用いるとよい。装置は強固な基礎台に据付け,二つ
の加圧面が平行になるようにする。
6. 試験片 試験片(図1参照)は,焼結した中空円筒形のもので,含油されていなくてもよく,フラン
ジ,ノッチ,溝,大きな面取り,加工穴,油溝又はキー溝などがあってはならない。
必要があれば,この円筒形のものは機械加工してもよいが,この場合得られる結果は機械加工していな
いものとは異なる可能性がある。
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図1 試験片形状
備考 試験片の寸法を測定するときは,次のようにする。
a) 厚さ 直接測定又は内外径の差の1/2とする。
直接測定する場合は,両端面から約3mm入った各々の位置で,軸受の縦軸に対して対称の
2点について測定し,その平均値をとる。
b) 外径 両端面から約3mm入った各々の点で互いに直行する2方向について測定し,その平
均値をとる。
c) 内径 厚さ測定のために内径を測定する場合は,両端面から約3mm入った各々の点で互い
に直交する2方向について測定し,その平均値をとる。
内径用リミットゲージによらなければならない場合は,この限りではない。
d) 長さ 縦軸に対して対称の2点について測定し,その平均値をとる。
e) 精度 厚さ,外径及び長さは少なくても0.5%の精度で測定する。ただし,2mm以下の厚さ
に対しては0.01mに,また,10mm以下の外径及び長さに対しては0.05mmにとどめてもよ
い。
なお,内外径の差から厚さを求める場合は,いずれも0.01mmの精度を必要とする。
7. 試験方法 圧縮装置のプレート間に試験片を置き,その軸がプレートの水平面と平行になるようにす
る(図2参照)。
図2 試験方法
衝撃を与えずに荷重を増加させると,圧環強さK(8.参照)は2〜20N/mm2/sの割合で増加し,試験時間
は10秒以上となる。
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8. 結果の表示 軸受の圧環強さK (N/mm2) は,次の式によって算出する。
(
)
2e
L
e
D
F
K
−
=
ここに, F: 破壊したときの最大荷重 (N)
L: 中空円筒の長さ (mm)
D: 中空円筒の外径 (mm)
e: 中空円筒の壁厚 (mm)
なお,この式は,e/Dが1/3以下の場合に適用する。
備考 測定結果は,JIS Z 8401によって,1の位に丸める。
9. 試験報告 試験報告には,次の情報を含める。
a) この規格に従って試験を実施したこと。
b) 試験片の製造履歴。
c) 試験片の区分(焼結体又は再圧体)。
d) 試験片の機械加工の有無。もし機械加工したものであれば,どの部分で試験したかを図示する。
e) 試験片の含油の有無。
f)
得られた測定結果。
g) この規格に規定又は記載されていないすべての操作若しくは任意に付加した操作法。
h) 測定結果に影響を及ぼした可能性のある要因の詳細。
必要であれば,試験片の製造履歴のデータについては,事前に受渡当事者間で協議する。
JIS Z 2507(焼結軸受−圧環強さ試験方法)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
渡 辺 忠 彦
東京焼結金属株式会社
(委員)
渡 辺 龍 三
東北大学工学部
古 賀 公 男
神岡部品工業株式会社
明 智 清 明
住友電気工業株式会社
山 田 洋
株式会社椿本チエイン
森 岡 勉
株式会社東芝
真 鍋 明
トヨタ自動車株式会社
高 田 修
トライス株式会社
梅 垣 俊 造
日産自動車株式会社
江 上 保 吉
日本ピストンリング株式会社
伊 東 正 男
日本粉末合金株式会社
早 坂 忠 郎
日立粉末冶金株式会社
黄 鶴 年
フクイシンター株式会社
酒 井 武 明
富士通シンター株式会社
竹 崎 陽 二
ポーライト株式会社
清 水 輝 夫
三菱マテリアル株式会社
松 村 信 和
矢崎部品株式会社
(事務局)
溝 口 寛 司
日本粉末冶金工業会
板 橋 弘 明
日本粉末冶金工業会