Z 2503:2020
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
1A 引用規格 ······················································································································ 1
2 用語及び定義 ··················································································································· 1
3 抜取試料の抜取回数 ·········································································································· 3
3.1 連続的に粉末が流れ出しているときの試料採取 ···································································· 3
3.2 容器に入っている粉末からの試料採取················································································ 3
4 試料採取························································································································· 3
4.1 一般事項 ······················································································································ 3
4.2 試料採取方法 ················································································································ 3
4.3 試料分割 ······················································································································ 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
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まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本粉末冶金
工業会(JPMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正
すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。
これによって,JIS Z 2503:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
Z 2503:2020
粉末冶金用金属粉−試料採取方法
Powders for powder metallurgical purposes-Sampling
序文
この規格は,2007年に第2版として発行されたISO 3954を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,粉末冶金用金属粉の試料採取方法及び試料を試験に必要な量に分ける方法について規定す
る。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3954:2007,Powders for powder metallurgical purposes−Sampling(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
1A 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 2500 粉末や(冶)金用語
JIS Z 8833 粒子特性を評価するための粉体材料の縮分
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義はJIS Z 2500によるほか,次による(図1参照)。
2.1
ロット(lot)
一様と推定される条件の下で処理又は製造したある量の粉末。
2.2
抜取試料(increment)
単一ロットから試料採取装置を用いて一度に抜き取ったある量の粉末。
2.3
総合試料(gross sample)
単一ロットから採取した全ての抜取試料を総合し,試験実施に十分な量の粉末。
2
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2.4
代表試料(composite sample)
総合試料をブレンドした試料,又はその一部分。
注記 代表試料は,ロットを直接試料分割器などで分けて得てもよい。その場合は,十分にブレンド
する必要がある。
2.5
試験試料(test sample)
粉体の一特性を測定するため,又は試験片を準備するために代表試料から取り出したある量の粉末。
注記 試験試料は,通常,代表試料を分割して得る。
2.5.1
測定試料(test portion)
各試験に用いるため,試験試料又は試験試料と代表試料とが同一の場合は代表試料から取り出された一
定量の粉末。
2.5.2
試験片(test piece,test specimen)
試験試料から準備した,規定の形状のもの。
図1−試料採取の模式図
3
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3
抜取試料の抜取回数
3.1
連続的に粉末が流れ出しているときの試料採取
抜取試料は,要求される精確さを満足できる数とする。抜取試料は,少なくともロットの流れ出し開始
後1/3までの間,中間,及び完了前1/3までの間の3回採取する。
3.2
容器に入っている粉末からの試料採取
粉末が入っている容器から試料を採取する場合,受渡当事者間の協定がないときは,表1の規定に従っ
て,当該ロットを構成する容器から,規定の数の容器を無作為に選ぶ。選択した全ての容器から一つ又は
複数の試料を取り出し,総合試料とする。ロットに内容量の異なる容器が混在する場合,抜取試料を得る
ための容器をそのロットから選択し,抜取試料の数は選択した容器の内容量に比例していなければならな
い。
表1−抜取試料を採取するために必要な容器の数
ロットの容器の数
抜取試料を採取ために必要な容器の数
1〜5
全部
6〜11
5
12〜20
6
21〜35
7
36〜60
8
61〜99
9
100〜149
10
150〜199
11
200〜299
12
300〜399
13
400以上
ロットの容器の数が400以上では,100又はそ
の端数を増すごとに容器の数を一つ増やす。
4
試料採取
4.1
一般事項
代表試料がそのロットの代表的なものになるように,かつ,その粉末の諸特性が変化しないように4.2
に従って,正確に採取する。
注記 静置していた粉末を動かすとき(例えば,容器に入れるとき,容器を空にするとき,輸送の途
中,又は貯蔵中に振動が加えられるとき)には,いつでも偏析が生じている可能性がある。
粉末に接する試料採取用具の表面は,滑らか,かつ清浄でなければならない。
代表試料を個別の試験項目の試験に供するため,分割して試験試料とする。試験試料は,複数回の試験
を行う際には,分割して粉末のまま測定試料とするか,規定の形状に成形して試験片とする。
4.2
試料採取方法
4.2.1
一般事項
試料採取は,粉体特性が代表的になるように行わなければならない。したがって可能な限り,4.2.3の手
順より4.2.2の手順を用いることが望ましい。
得られた総合試料は,回転数15 rpm〜30 rpmで10回〜15回,回転させ,ブレンドしたものを代表試料
とする。
4
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4.2.2
連続的に粉末が流れ出しているときの試料採取
試料採取用容器は,粉末の流れの断面より大きく,かつ,粉末があふれない容積をもつものでなければ
ならない。
試料採取用容器は,試料を粉末の流れの全ての部分から等しく採取するようにして,流れに挿入し引き
出さなければならない。
注記 これを達成する最も簡単な採取方法は,採取用容器を粉末の流れに対して直角に一定速度で横
切らせることである。
4.2.3
容器に入っている粉末からの,試料抜取器を使用した試料採取
いろいろな形状の試料抜取器を使用してもよい。抜取器の長さは,容器に対して十分な長さがあり,粉
体の流動性を考慮した設計のものとする。試料抜取器の仕様及び抜取方法は,受渡当事者間の協議による。
4.2.4
ロット分割による試料採取
4.3に規定する機器及び手順は,ロットを分割するために用いる。この方法は,一般的に小ロットに適し
ている。
4.3
試料分割
試料分割器は,分ける粉末の量に対して適切な大きさであり,また,操作による粉末のロスが少なく粉
末の付着が少ないものがよい。
試料を分割する回転分割器及び二分割器は,JIS Z 8833による。
5
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 2503:2020 粉末冶金用金属粉−試料採取方法
ISO 3954:2007,Powders for powder metallurgical purposes−Sampling
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
1
一致
1A 引用規
格
2 用語及び
定義
2
追加
JISは,本文に図1及びJIS Z 2500
を追加した。
実質的な技術的差異はない。
3 抜取試料
の抜取回数
3
一致
4 試料採取 4.2.1 一般事項
4.2.1
変更
追加
4.2.2に記載されているブレンド条
件を一般事項に記載した。
試験試料,試験粉及び試験片の一般
事項を追記した。
実質的な技術的差異はない。
実質的な差異はない。
4.2.3 容器に入って
いる粉末からの,試
料抜取器を使用し
た試料採取
4.2.3
試料抜取器の形状及び
試料採取方法を規定。
削除
多様な抜取器及び抜取方法がある
ため特定の抜取器例及び採取方法
例を記載することは適切でないた
め,4.2.3.1〜4.2.3.5を削除した。
実質的な技術的差異はない。
追加
試料採取方法は,受渡当事者間の協
議によって決定することを追記し
た。
実質的な技術的差異はない。
4.3 試料分割
4.3
推奨する分割器の例を
4種類記載。
追加
削除
試料分割器はJIS Z 8833によると
した。
分割器の例を削除した。
実質的な技術的差異はない。
2
Z
2
5
0
3
:
2
0
2
0
6
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JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3954:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
Z
2
5
0
3
:
2
0
2
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