Z 2343-5:2012 (ISO 3452-5:2008)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 高温での探傷試験についての要求項目 ·················································································· 2
5 安全対策························································································································· 2
6 試験技術者 ······················································································································ 2
7 探傷剤の分類 ··················································································································· 2
8 探傷剤の一般的性質 ·········································································································· 2
9 対比試験片 ······················································································································ 3
10 探傷器材 ······················································································································· 3
11 観察条件 ······················································································································· 3
12 試験温度 ······················································································································· 3
13 格付け試験手順 ·············································································································· 3
14 結果の評価 ···················································································································· 4
14.1 一般事項 ····················································································································· 4
14.2 タイプ1対比試験片及び比較試験 ···················································································· 4
14.3 附属書A タイプ3対比試験片(切断形)及び比較試験 ······················································ 4
附属書A(参考)タイプ3対比試験片(切断形) ······································································· 5
Z 2343-5:2012 (ISO 3452-5:2008)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本非破壊検査協会(JSNDI)及び
財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 2343の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 2343-1 第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
JIS Z 2343-2 第2部:浸透探傷剤の試験
JIS Z 2343-3 第3部:対比試験片
JIS Z 2343-4 第4部:装置
JIS Z 2343-5 第5部:50 ℃を超える温度での浸透探傷試験
JIS Z 2343-6 第6部:10 ℃より低い温度での浸透探傷試験
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 2343-5:2012
(ISO 3452-5:2008)
非破壊試験−浸透探傷試験−
第5部:50 ℃を超える温度での浸透探傷試験
Non-destructive testing-Penetrant testing-
Part 5: Penetrant testing at temperatures higher than 50 °C
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 3452-5を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,50 ℃を超える温度(以下,高温という。)で浸透探傷試験を適用する場合の特殊要求事項
及び適応する浸透探傷剤の格付けについて規定する。
探傷剤は,探傷剤製造業者の指示に従い,定められた温度範囲で格付けされたものを用いる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3452-5:2008,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 5: Penetrant testing at temperatures
higher than 50 °C(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 2300 非破壊試験用語
注記 対応国際規格:ISO 12706:2000,Non-destructive testing−Terminology−Terms used in penetrant
testing(MOD)
JIS Z 2323 非破壊試験−浸透探傷試験及び磁粉探傷試験−観察条件
注記 対応国際規格:ISO 3059,Non-destructive testing−Penetrant testing and magnetic particle testing
−Viewing conditions(IDT)
JIS Z 2343-1 非破壊試験−浸透探傷試験−第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の
分類
注記 対応国際規格:ISO 3452-1,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 1: General principles
(MOD)
JIS Z 2343-2 非破壊試験−浸透探傷試験−第2部:浸透探傷剤の試験
2
Z 2343-5:2012 (ISO 3452-5:2008)
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注記 対応国際規格:ISO 3452-2,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 2: Testing of penetrant
materials(IDT)
JIS Z 2343-3 非破壊試験−浸透探傷試験−第3部:対比試験片
注記 対応国際規格:ISO 3452-3,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 3: Reference test
blocks(MOD)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300による。
4
高温での探傷試験についての要求項目
探傷剤は,適用する温度範囲域で格付けされたものでなければならない。
探傷試験の一般事項は,この規格又は探傷剤製造業者の指示がない場合は,JIS Z 2343-1を適用する。
探傷試験に特別な要求事項がある場合は,探傷剤製造業者の指示に従わなければならない。
5
安全対策
装置及び探傷剤は,探傷剤製造業者の指示に基づくとともに,安全重視で取扱い,保管,使用する。
この規格で要求する観察条件は,常温のときと同じであり,安全に対し同様の注意が必要である。
安全に対しては,10 ℃〜50 ℃での注意に加えて,高温での使用に対する危機管理について考慮しなけ
ればならない。温度変化に伴う潜在的危険要素の例として,肌焼け,燃焼性,揮発性などが挙げられる。
作業場は,常に十分な換気を行い,人体が危険にさらされないように十分注意する必要がある。
健康,安全及び環境に対する要求事項は,関連する法令及び規則を遵守しなければならない。
6
試験技術者
この規格に従って試験を実施する試験技術者は,適切に資格付けされていなければならない。また,高
温での試験に関して十分な知識をもっていなければならない。
注記 上記の試験技術者の資格に関する規格は,JIS G 0431,JIS W 0905,JIS Z 2305などがある。
7
探傷剤の分類
探傷剤は,JIS Z 2343-2の表1に基づくタイプ,方法及びフォームによって分類しなければならない。
ただし,高温での検出感度は,この規格による。
探傷剤は,10 ℃〜50 ℃の温度範囲での分類及び格付けに50 ℃を超える使用温度範囲を適切な記号を
付して規定することもできる。
例 タイプI,方法C,フォームa,レベル2,温度M(ICa-2/M)
8
探傷剤の一般的性質
箇条14の結果の評価に使用する比較探傷剤は,JIS Z 2343-2の規定を満足するものでなければならない。
探傷剤の温度安定性は,探傷剤製造業者によって確認され,使用最高温度の少なくとも20 ℃以上高い
温度で試験を実施しなければならない。
高温で使用する探傷剤は,探傷条件について探傷剤製造業者の推奨事項に基づいて選定しなければなら
ない。
3
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対比試験片
温度範囲の決定は,対比試験片[例 附属書Aのタイプ3対比試験片(切断形)又はJIS Z 2343-3のタ
イプ1対比試験片]を使用して実施しなければならない。
対比試験片は,使用前に適切な方法で清浄し,速乾式現像剤を用いて浸透指示模様が出ないことを確認
しておかなければならない。浸透指示模様が出ないということは,使用に適している。この状態で現像剤
を除去し,試験中は,汚染防止のため対比試験片を素手で触ってはいけない。対比試験片の取扱いに当た
っては,清浄な白い綿手袋を使用することが望ましい。
附属書Aのタイプ3対比試験片は,一対のものを一度しか使用してはならない。一対の対比試験片の一
方は,箇条12に規定する温度で探傷し,もう一方は,10 ℃〜50 ℃で適切な探傷剤を用いて探傷を実施し
なければならない(箇条8参照)。
注記 高温試験では,タイプ1対比試験片は,探傷剤のある種の残さを割れ部から除去することが難
しくなることもある。対比試験片を使用可能な状態に維持するには,特別な注意が必要である。
10 探傷器材
高温での探傷試験では,JIS Z 2343-2に規定する器材以外に,追加の器材が必要である。特に,次のも
のが挙げられる。
a) 恒温器:試験を実施する温度より50 ℃高くできるもの
b) 高温用手袋
c) 高温用はけ(刷毛)
d) 表面温度計(接触形):±5 ℃の精度のもの
11 観察条件
観察条件は,JIS Z 2323の要求事項を満足しなければならない。
12 試験温度
試験温度範囲及び試験実施温度を表1に示す。50 ℃を超える温度で使用する探傷剤は,50 ℃ごとに試
験を実施しなければならない。試験は,表1に示す温度で実施する。
表1−試験温度
温度範囲
許容温度範囲
試験実施温度
許容値
M:中温度形
50 ℃〜100 ℃
50 ℃及び100 ℃
±5 ℃
H: 高温度形
100 ℃〜200 ℃
100 ℃,150 ℃及び200 ℃
±5 ℃
F: 探傷剤製造業者が
定める温度範囲形
a ℃〜b ℃
a ℃,b ℃及びその間は,
50 ℃ごと
±5 ℃
13 格付け試験手順
格付け試験は,探傷剤製造業者によって実施される。格付け試験の許容温度範囲内であれば,探傷前の
追加の確認試験は,必要としない。
探傷剤は,探傷剤製造業者の指示がない場合は常温で保管する。次の試験を行っている間は,試験片の
温度は,試験温度より10 ℃を超えて下げないようにする。
注記 試験温度に熱した金属ブロックは,恒温器として使用することができる。
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a) 試験実施温度を箇条12によって,選定する。
b) 恒温器の温度が適切な温度に達していることを確認する。
c) 探傷剤製造業者は,使用に影響を与える温度での作業時間について定めなければならない。
d) 恒温器に置いた対比試験片を,次の手順で処理する。
1) 対比試験片を箇条10に従った恒温器に入れ,試験実施温度より20 ℃高くなるまで加温する。
2) 対比試験片を恒温器から取り出し,試験実施温度(±5 ℃)になったとき,浸透液を対象箇所に十
分塗布する。
3) 対比試験片を恒温器に戻し,試験実施温度で規定時間保持する。
4) 対比試験片を恒温器から取り出し,余剰浸透液を探傷剤製造業者の指示に基づき除去する。
5) 探傷剤製造業者の指示に基づき現像剤を適用する。
6) 探傷剤製造業者の指示の制限時間内に,箇条11の観察条件で観察する。
e) 全ての試験実施温度において同様の試験を繰り返す。
14 結果の評価
14.1 一般事項
試験結果は,比較探傷剤と比べ,同等以上でなければならない。定量評価では,供試用探傷剤の評価は,
基準探傷剤の場合の少なくとも90 %以上でなければならない。詳細報告書は,試験結果,試験パラメータ,
使用器材,手順などを含んだものでなければならない。
14.2 タイプ1対比試験片及び比較試験
タイプ1対比試験片は,定量評価に使用する。30 μm及び50 μmブロックで試験し,連続した浸透指示
模様(少なくとも全長の80 %以上検出した浸透指示模様をいう。)の数を数えた結果を,常温(10 ℃〜
50 ℃)で同じタイプの浸透液(タイプI,感度レベル1又はタイプII,感度レベル2)で実施した結果と
比較する。
14.3 附属書A タイプ3対比試験片(切断形)及び比較試験
この対比試験片は,定性評価に使用する。一対のブロックを使用し,高温で探傷した結果と常温(10 ℃
〜50 ℃)で同じタイプの浸透液(タイプI,感度レベル1又はタイプII,感度レベル2)で探傷した結果
とを比較する。
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Z 2343-5:2012 (ISO 3452-5:2008)
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附属書A
(参考)
タイプ3対比試験片(切断形)
この対比試験片は,JIS Z 2343-3のタイプ3対比試験片を溝の部分で切断したもので,形状は,図A.1
に示す。試験には,切断した2枚を1対の組として使用する。試験片は,使用前には,柔らかいはけ(刷
毛)でこすり,2-プロパノン(アセトン)などの溶剤で十分に洗浄し,清浄にしておく。
単位 mm
A
B
51
38
76
8〜10
A
B
切断部
図A.1−タイプ3対比試験片(切断形)
参考文献 JIS G 0431 鉄鋼製品の雇用主による非破壊試験技術者の資格付与
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
注記 対応国際規格:ISO/IEC 17025,General requirements for the competence of testing and
calibration laboratories(IDT)
JIS W 0905 航空宇宙用非破壊検査員の技量認定基準
JIS Z 2305 非破壊試験−技術者の資格及び認証
注記 対応国際規格:ISO 9712,Non-destructive testing−Qualification and certification of
personnel(MOD)
EN 473,Non-destructive testing−Qualification and certification of NDT personnel−General principles