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Z 2316-4:2014  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 システム特性 ··················································································································· 2 

4.1 一般特性 ······················································································································ 2 

4.2 附属装置 ······················································································································ 2 

5 検証······························································································································· 2 

5.1 一般 ···························································································································· 2 

5.2 点検のレベル ················································································································ 2 

5.3 点検手順 ······················································································································ 3 

5.4 是正処置 ······················································································································ 3 

6 総合機能点検の実施 ·········································································································· 3 

7 試験報告書 ······················································································································ 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本非破壊検査協会(JSNDI)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS Z 2316の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS Z 2316-1 第1部:一般通則 

JIS Z 2316-2 第2部:渦電流試験器の特性及び検証 

JIS Z 2316-3 第3部:プローブの特性及び検証 

JIS Z 2316-4 第4部:システムの特性及び検証 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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非破壊試験−渦電流試験− 

第4部:システムの特性及び検証 

Non-destructive testing-Eddy current testing- 

Part 4: System characteristics and verification 

序文 

この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 15548-3を基とし,技術的内容を一部変更して作成

した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,渦電流試験システムの機能的な特性を定義し,それらの特性の検証及び総合機能点検の実

施の方法について規定する。 

これらの特性を評価することは,渦電流試験システムの性能を明確にし,相互比較を可能にする。必要

な特性を適切に選定することで,適用目的に合致した信頼性のある渦電流試験システムを構築できる。 

この規格の原則は,附属装置の使用にも適用できる。 

この規格は,検証の範囲及び特性の合格基準を規定しない。それらは,関連する文書1) の中で示される。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 15548-3:2008,Non-destructive testing−Equipment for eddy current examination−Part 3: System 

characteristics and verification(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

注1) 関連する文書とは,使用者と製造業者との間で作成される文書をいう。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 2300 非破壊試験用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300によるほか,次による。 

3.1 

渦電流試験 

Z 2316-4:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験体に生じる渦電流の変化を利用して,きず,厚さ,形状,材質などを評価する試験方法。 

システム特性 

4.1 

一般特性 

渦電流試験システムは,あらかじめ,適用する渦電流試験技術を定義し,製品の試験又は定義する測定

を実施するように設計する。渦電流試験システムは,渦電流試験器,渦電流試験プローブ(以下,プロー

ブという。),接続要素(例えば,ケーブル,電磁カップリング又はスリップリング),附属装置及び対比試

験片で構成する。 

渦電流試験システムの一般的な特性として,次が挙げられる。 

a) 走査特性 走査特性は,次による。 

1) プローブ又は試験する製品の走査速度 

2) プローブの走査経路 

3) 試験する製品との機械的な倣い,設定及びそれらの相互作用 

b) 校正に関連する特性 校正に関連する特性は,次による。 

1) 対比試験片の材質・寸法・きず 

2) 測定したい因子(要素)との相対的な応答性:被覆厚み,クラック深さなど 

c) 機能的特性 機械的特性は,次による。 

1) 渦電流試験器及び附属品の調整つまみ(ノブ)又は表示器の操作のしやすさ 

2) 複素平面表示器上のバランス点及び原点の位置 

3) 渦電流試験器における振幅及び位相のダイナミックレンジ 

4.2 

附属装置 

渦電流試験器に組み込まれるか又は外部に設置する附属装置としては,プローブ支持装置,倣い装置,

リフトオフ補償装置,マーキング装置,磁気飽和装置,脱磁装置,データ集積装置及び解析ソフトがある。 

これらの附属装置の機能及び特性を明確にしなければならない。また,附属装置が試験結果に影響を及

ぼす場合は,次に示す検証を受けなければならない。 

検証 

5.1 

一般 

確実で有効な渦電流試験を実施するために,渦電流試験システムの附属装置の性能が許容範囲内に維持

されていることを検証する必要がある。この検証のために各種点検及び必要であれば,その是正処置を行

う。このための検証の手順書を作成する。その中には是正処置の手順を含む。 

対比試験片の物理的状態(材質,表面状況,形状,きずなど)は,渦電流試験システムの附属装置の検

証に用いる前に,許容範囲内にあることを確認しなければならない。また,検証に用いる測定機器は,校

正されていなければならない。 

5.2 

点検のレベル 

点検は,次の三つのレベルとする。各レベルでは,点検の内容によって適切な点検の周期を定める。 

なお,初期の試験は,あらかじめ製造業者又はその管理下で実施していなければならない。 

a) レベル1:日常点検 渦電流試験システムの附属装置の性能が指定した範囲内にあることを確認する

ために,対比試験片を用いて,定められた周期で実施する。この点検は,試験現場で日常的に実施す

る。この点検の周期及び対比試験片は,点検手順書に明記する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) レベル2:定期点検 一定の継続期間後の点検は,渦電流試験システムの附属装置の特性の安定性を

保証するために実施する。 

c) レベル3:特性点検 この点検は,製造業者による出荷時の特性と同じであることを保証するために,

渦電流試験システムの附属装置について実施する。 

点検を必要とする組織は,確認すべき特性を指定しなければならない。点検レベルに関連する内容を,

表1に示す。 

表1−点検レベルに関連する内容 

点検レベル 

目的 

点検周期 

点検に用いる機器 

実施者a) 

レベル1:日常点検 

附属装置の性能の安
定性の確認 

周期的に(例えば,毎
時間,毎日) 

対比試験片 

使用者 

レベル2:定期点検 

附属装置の選択した
特性の安定性の確認 

定期的に,少なくとも
毎年,又は修理の後 

校正した測定器及び
対比試験片 

使用者 

レベル3:特性点検 

附属装置の全ての特
性の確認 

出荷時の一度,又は必
要とするとき 

校正した測定器及び
対比試験片 

製造業者,使用者 

注a) 実施者は,点検について責任をもつ者を指し,実際に機器を点検する者と異なってもよい。 

5.3 

点検手順 

適用する試験の内容によって,点検の対象となる特性は異なる。必須の特性及び点検レベルは,検証の

手順書に詳細に示さなければならない。 

渦電流試験の手順は,点検の手順書と関連付けなければならない。限定的な適用に対しては,点検する

特性の数を限定することができる。 

点検がこの規格の適用範囲内で実施できるように,渦電流試験システムの附属装置の重要な特性を示す

十分なデータが提供されなければならない。 

5.4 

是正処置 

是正処置のレベルは,次による。 

a) レベル1:渦電流試験システムの附属装置の性能が,指定した範囲内にないとき,前の正常な点検以

降に試験した製品に対して是正処置の決定を下し,渦電流試験システムの附属装置の性能が許容限度

内になるように処置しなければならない。 

b) レベル2:特性の偏差が,製造業者又は検証の手順書で指定する許容限度より大きいとき,渦電流試

験システムの附属装置に対して是正処置の決定を下さなければならない。 

c) レベル3:特性が,製造業者又は検証の手順書で指定する受入れ範囲を外れているとき,渦電流試験

システムの附属装置に対して是正処置の決定を下さなければならない。 

総合機能点検の実施 

渦電流試験システム全体の総合機能点検は,渦電流試験システムの各構成要素の個別点検に制限するこ

とはなく,単独に実施しなければならない。総合機能点検は,渦電流試験システム全体の機能を確認する

ために実施する。 

a) 点検実施周期及び実施条件 総合機能点検は,その試験を行うごとに規定し,その都度,総合機能点

検の手順書の中にその手順,及び少なくとも次の事項を記載しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 総合機能点検の周期 

2) 渦電流試験システムの構成要素の交換など,総合機能点検を必要とする条件 

b) 点検手順書への記載項目 総合機能点検の手順書には,少なくとも次の項目を含めなければならない。 

1) 渦電流試験システムの設定及び/又は校正作業 

2) 特性の許容限度の評価基準 

3) 明記すべき点検項目:少なくとも,基準となる対比きずなどの信号とのSN比,対比試験片による

位相と感度との応答特性,及びブリッジバランスの安定性 

4) 各点検の測定方法 

c) 是正処置 総合機能点検を実施した結果,渦電流試験システム全体の特性が許容限度から外れていた

場合には,この結果を記録して報告し,許容限度内の性能に復帰させる処置を行わなければならない。

この処置としては,次の事項を実施する。 

1) 渦電流試験システム全体の再校正 

2) 必要があれば,渦電流試験システム全体の構成要素のうちの一つ以上に対して,レベル2又はレベ

ル3の点検 

総合機能点検を実施した結果,渦電流試験システム全体の特性が許容限度から外れていた場合には,前

回の正常な総合機能点検以降に試験した全ての製品は,試験していないものと考えて,これらの製品に対

する是正処置方法(例えば,再校正後の再試験,ほかの非破壊試験法による試験の実施など)を決定し報

告しなければならない。 

試験報告書 

特に指定がない限り,次の項目を選定し,記録することが望ましい。 

a) 日時,場所,及び測定者 

b) 渦電流試験器及びプローブの名称,形式,製造番号及び製造者名,並びに渦電流試験システムの名称 

c) 特性項目 

d) 適用規格及び関連する文書 

e) 測定法,測定条件,及び測定結果 

f) 

点検結果,及び是正処置 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS Z 2316-4:2014 非破壊試験−渦電流試験−第4部:システムの特性及び検証 

ISO 15548-3:2008 Non-destructive testing−Equipment for eddy current 
examination−Part 3: System characteristics and verification 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 

用語及び定義 

JISに同じ 

追加 

“渦電流試験”を追加した。 

技術的な差異はない。 

4 システ
ム特性 

4.2 附属装置 

4.2 

JISに同じ 

追加 

附属装置として,プローブ支持
装置及び倣い装置は,当然含ま
れるものであるので追加した。 

技術的な差異はない。 

5 検証 

検証 

JISに同じ 

変更 

ISO規格の“渦電流試験システ
ム”を,“渦電流試験システム
の附属装置”に変更した。 

ISO規格の箇条4で附属装置の検
証を実施するとあり,箇条5の検
証対象は,システムの構成要素の
残りの一つである附属装置であ
ると判断した。技術的な差異はな
い。 

5.1 一般 

5.1 

JISに同じ 

追加 

検証の内容を点検及び是正処
置を含むものとして明確に記
載した。また,対比試験片の物
理的状態の内容を具体的に記
載した。 

技術的な差異はない。 

表1 

5.2 

JISに同じ 

追加 

表1中の“実施者”の解釈につ
いて明記した。 

技術的な差異はない。 

7 試験報
告書 

記録項目 

− 

追加 

システムの特性に関する記録
項目を追加した。 

国内での運用を考慮して,追加し
た。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15548-3:2008,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。