Z 2246 : 2000
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS Z 2246 : 1992は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS Z 2246には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 速度比検出式試験機による試験方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 2246 : 2000
ショア硬さ試験−試験方法
Shore hardness test−Test method
序文 この規格に対応するISO規格はないが,ISO規格への整合化を行ったブリネル硬さ,ビッカース硬
さ,ロックウェル硬さ及びヌープ硬さの日本工業規格にこの規格を整合化させるため改正した。
1. 適用範囲 この規格は,主として金属材料用ショア硬さ試験方法について規定する。適用する硬さの
範囲は,5〜105HSとする。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 7727 ショア硬さ試験−試験機の検証
JIS B 7731 ショア硬さ試験−基準片の校正
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 原理 ショア硬さは,ダイヤモンドハンマを一定の高さから落下させ,その跳ね上がり高さに比例す
る値として求める。
4. 記号,定義及び表示 記号,定義及び表示は,次による。
a) ショア硬さに用いる記号及び定義は,表1による。
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Z 2246 : 2000
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表1 記号及び定義
記号
定義
HS
ショア硬さ(硬さ記号),
0h
h
k
HS=
h
ハンマの跳ね上がり高さ
h0
ハンマの落下高さ
k
跳ね上がり高さ比 (h/h0) をショア硬さに交換する係
数,試験機の計測筒の形式によって異なる,JIS B 7727
の附属書1表1参照。
HSC
硬さ記号,C形試験機=目測形試験機による硬さ
HSD
硬さ記号,D形試験機=指示形試験機による硬さ
VHS
硬さ記号,換算ショア硬さ,ビッカース硬さからの換
算値,換算式はJIS B 7731による。
備考 硬さ記号HS,HSC,HSD及びVHSは,硬さの表示におい
て,単位記号に準じる扱いをする。前記の異なる硬さ記号
間の値に対して,差の計算及び補正を行ってもよい。その
場合,差及び補正値に対する硬さ記号は,HSとしてもよ
い。
b) ショア硬さの表示は,硬さ値,硬さ記号の順に行う。
なお,試験の形式(C形試験機,D形試験機)に対応する記号を示す必要のないときは,硬さ記号
を,HSとしてもよい。
例1. C形試験機で測定したショア硬さが,32のとき:32HSC又は32HS
例2. D形試験機で測定したショア硬さが,54のとき:54HSD又は54HS
5. 試験機 試験機は,JIS B 7727によって検証された装置を用いる。
6. 試料 試料は,次による。
a) 試料の試験面は,平面とする。
備考 試験面が曲面の場合は,受渡当事者間の協定による。
b) 試料の質量は,0.1kg以上で,なるべく大きくする。
c) 試料の厚さは,硬さの測定に,試料受台の硬さが影響しない厚さとする。
参考 試験面の表面粗さは,JIS B 0601によって,50HS未満の試料では1.6μmRa,50HS以上の試料
では0.8μmRaにすることが望ましい。
7. 試験 試験は,次による。
a) 一般に,試験は,10〜35℃の温度範囲内で行う。管理条件下で行う試験の場合は,23±5℃の温度で行
う。
b) 試験に先立って,試験する試料の硬さに近い硬さ基準片を用いて,試験機に異常のないことを確認す
る。硬さ基準片は,JIS B 7731による。
c) 試験は,試料を機枠の試料受台に置いて行う。ただし,試料の形状,寸法などによっては,計測筒を
機枠から取り外して,計測筒を手持ち又は特殊な支持台に取り付けて行ってもよい。
備考 計測筒を手持ち又は特殊な支持台に取り付けて測定する場合には,計測筒の姿勢が,鉛直にな
るように注意する。また,報告書には,計測筒の手持ち測定又は支持台測定の条件を記載する。
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d) 硬さを測定するとき,試料を試料受台に押し付ける力は,約200Nとする。ただし,試料の質量が20kg
以上で,計測筒を手持ち又は特殊な支持台に取り付けて測定する場合には,計測筒を試料に押し付け
る力は,測定筒が安定する程度の力でよい。
e) 試験機の操作は,注意深く行う。特に,指示形(D形)試験機における操作輪の操作は,操作開始か
らハンマの落下までの時間を約1sとし,その戻し操作は,緩やかに行う。目測形(C形)試験機にお
いては,測定者は,瞬間的なハンマの最高位置の読取りを習熟する必要がある。
f)
硬さを測定する位置は,試料の縁から約4mm以上,くぼみ[打こん(痕)]相互の中心の距離は1mm
以上とする。
注意事項 試験機のハンマのから打ち,試料受台へ直接打撃,計測筒の目盛部を下方にした持ち運びな
どは,試験機の性能に悪い影響を与えるので避ける。
8. 硬さ値の算出
a) ショア硬さの各測定値は,0.5HSまで読み取る。
備考 ディジタル表示の装置のときの読取りは,その装置の表示による。
b) 試料のショア硬さは,連続して測定した5点の平均値とする。
備考1. 明らかに測定上の誤りと認められる測定値は,再測定値に置き換える。
2. 平均値は,JIS Z 8401によって整数にする。
9. 測定結果の不確かさ 測定結果の不確かさは,試験機を間接検証した時点の不確かさ,試験機の指示
値の再現性の不確かさ及び試料の硬さのばらつきなどによる不確かさを合成した値とする。
10. 試験報告書 試験報告書には,次の情報を記載する。
a) この規格によって試験した表示
b) 試料の識別に必要な情報
c) 得られた結果
d) この規格に規定されていない,すなわち,任意とみなされる試験手順
e) 結果に影響を及ぼしたかもしれない出来事があれば,その詳細
f)
試験温度(23±5℃でない場合)
g) 計測筒の支持条件(手持ち測定又は支持台測定の表示)
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附属書(参考) 速度比検出式試験機による試験方法
この附属書は,ショア硬さ試験機と類似した測定方法である速度比検出式試験機による試験方法につい
て記述するもので,規定の一部ではない。
1. 硬さ測定方法 試料にハンマを衝突させ,衝突前後のハンマの速度比によって硬さを求める。速度比
は,電気的に検出し,実験式によって速度比をショア硬さに変換する。
HSE=f (rv)
0v
v
rv=
ここに,
HSE: ハンマの速度比から求める見掛け上のショア硬さ及びその
硬さ記号
f (rv): 速度比rvによる実験式
rv: 速度比
v: 反発速度
v0: 打撃速度
2. 試験機 試験機は,JIS B 7727の附属書2(参考)(速度比検出式試験機の検証方法)によって検証さ
れたものとする。
3. 試験 試験は,本体の7.に準じて行う。ただし,速度比検出式試験機による試験に適用することが困
難な条件は,除外する。
4. 硬さの表示 速度比検出式試験機によって求めた見掛け上のショア硬さの表示は,硬さ値,硬さ記号
の順に行う。
なお,硬さ記号HSEは,省略してHSとはしない。
例 硬さ値が70のとき:70HSE
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JIS Z 2246(ショア硬さ試験−試験方法)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
秦 勝一郎
工業技術院計量研究所
(委員)
小此鬼 正 規
通商産業省機械情報産業局
八 田 勲
工業技術院標準部材料規格課
石 田 一
工業技術院計量研究所
山 崎 政 義
科学技術庁金属材料技術研究所
今 津 好 昭
東京都立産業技術研究所
橋 本 進
財団法人日本規格協会
東 史 彦
財団法人日本海事協会
三 橋 宏
財団法人日本軸受検査協会
佐 藤 四 郎
防衛大学校名誉教授(軽金属協会)
荒 井 孝 男
株式会社東京ダイヤモンド工具製作所
富 家 将 之
三菱伸銅株式会社(日本伸銅協会)
村 上 勝 男
関東特殊製鋼株式会社(日本鋳鍛鋼会)
竹 内 栄 一
社団法人日本熱処理技術協会
桃 木 明 和
社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター
菱 山 光 正
日本電信電話株式会社技術協力センター
阿 部 力
日本精工株式会社基礎技術研究所
小 島 光 司
株式会社アカシ
尾 崎 達 也
株式会社井谷衡機製作所
佐 藤 忠
有限会社今井精機
鷲 谷 勇
JTトーシ株式会社
山 本 靖 則
株式会社島津製作所
仲 井 康 雄
株式会社仲井精機製作所
佐々木 雄 治
株式会社日本試験機製作所
境 田 正 信
株式会社富士試験機製作所
大 宗 幹一郎
豊光エンジニアリング株式会社
井 上 克 彦
株式会社アサヒ技研
山 本 卓
株式会社山本科学工具研究社
(関係者)
岩 崎 昌 三
株式会社アカシ
(事務局)
菅 野 久 勝
日本試験機工業会