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Z 2205:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義 1 

4 記号及び内容 2 

5 原理 5 

6 圧縮試験 5 

6.1 試験装置  5 

6.2 試験片  7 

6.3 試験手順  8 

6.4 計算  8 

7 引張試験 9 

7.1 試験装置  9 

7.2 試験片  11 

7.3 試験手順  13 

7.4 計算  13 

8 曲げ試験 14 

8.1 試験装置  14 

8.2 試験片  16 

8.3 試験手順  17 

8.4 計算  17 

9 試験報告書 18 

附属書A(参考)スプリット・ホプキンソン棒法における一次元弾性波伝ぱ理論を用いた 

  応力,ひずみ及びひずみ速度の算出方法  20 

附属書B(規定)スプリット・ホプキンソン棒法における測定機器の測定条件  22 

附属書C(参考)試験報告書の例  23 

 

 


 

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(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本高圧力技術協会(HPI)及

び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出が

あり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本産業規格          JIS 

 

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スプリット・ホプキンソン棒法を用いた 

高変形速度試験方法 

High deformation rate testing by split Hopkinson bar method 

 

適用範囲 

この規格は,スプリット・ホプキンソン棒法を用いた高変形速度試験の中で,圧縮,引張及び曲げの試

験方法について規定する。 

なお,金属材料,非金属材料など個々の製品規格で圧縮,引張及び曲げの試験方法が規定されている場

合には,適用しない。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 0202 鉄鋼用語(試験) 

JIS G 4805 高炭素クロム軸受鋼鋼材 

JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線 

JIS H 4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管 

JIS Z 2241 金属材料引張試験方法 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0202及びJIS Z 2241によるほか,次による。 

3.1 

応力波,ひずみ波 

応力又はひずみが波動として伝ぱする波。弾性変形域で波動として伝ぱする場合は,弾性応力波又は弾

性ひずみ波ともいう。試験片の応力又はひずみを計算する際には,一次元縦弾性応力波又は一次元縦弾性

ひずみ波とみなして取り扱う。 

3.2 

入力棒 

スプリット・ホプキンソン棒法の試験装置を構成する一部品で,試験片に弾性応力波を付与する棒。 

3.3 

出力棒 

スプリット・ホプキンソン棒法の試験装置を構成する一部品で,試験片の変形によって伝ぱする弾性応

力波を捉える棒。 


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3.4 

打撃棒 

スプリット・ホプキンソン棒法の圧縮試験及び曲げ試験の試験装置を構成する一部品で,入力棒に弾性

応力波を発生させるために衝突させる棒。 

3.5 

打撃管 

スプリット・ホプキンソン棒法の引張試験装置を構成する一部品で,圧縮試験及び曲げ試験における打

撃棒に相当する役目を果たす管。 

3.6 

ヨーク 

スプリット・ホプキンソン棒法の引張試験装置を構成する一部品で,入力棒の一端(試験片締結部では

ない。)に固定されており,打撃管との衝突によって入力棒中に弾性応力波を発生させるもの。 

3.7 

入射波 

入力棒中を伝ぱする応力又はひずみの時間変化のうち,打撃棒などの衝撃力によって誘起され,試験片

へ向かって進行する弾性応力波又は弾性ひずみ波。 

3.8 

反射波 

入力棒中を伝ぱする応力又はひずみの時間変化のうち,試験片で反射され,入射波と逆向きに向かって

進行する弾性応力波又は弾性ひずみ波。 

3.9 

透過波 

出力棒中を伝ぱする応力又はひずみの時間変化のうち,入射波による試験片の変形を通じて誘起される

弾性応力波又は弾性ひずみ波。 

3.10 

動的平衡状態 

試験片が変形しているときに,試験片の両端で力が釣り合っている状態。 

3.11 

機械的インピーダンス 

部材の断面積に,密度及び弾性波速度を乗じたもの。 

 

記号及び内容 

記号及び対応する内容を,表1に示す。 

 


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表1−記号及び内容 

記号 

単位 

内容 

試験装置 

DST 

mm 

打撃棒の直径 

DSTi 

mm 

打撃管の内径 

DSTo 

mm 

打撃管の外径 

D1 

mm 

入力棒の直径 

D2 

mm 

出力棒の直径 

LST 

mm 

打撃棒の長さ 

LSTt 

mm 

打撃管の長さ 

L1 

mm 

入力棒の長さ 

L2 

mm 

出力棒の長さ 

CST 

mm/s 

打撃棒の弾性波速度 

CSTt 

mm/s 

打撃管の弾性波速度 

C1 

mm/s 

入力棒の弾性波速度 

C2 

mm/s 

出力棒の弾性波速度 

A1 

mm2 

入力棒の断面積 

A2 

mm2 

出力棒の断面積 

E1 

MPa 

入力棒の縦弾性係数 

E2 

MPa 

出力棒の縦弾性係数 

ρ1 

kg/mm3 

入力棒の密度(附属書A参照) 

ρ2 

kg/mm3 

出力棒の密度(附属書A参照) 

V0 

mm/s 

打撃棒の打出し速度 

V0t 

mm/s 

打撃管の打出し速度 

ZST 

kg/s 

打撃棒の機械的インピーダンス 

ZSTt 

kg/s 

打撃管の機械的インピーダンス 

Z1 

kg/s 

入力棒の機械的インピーダンス 

G1 

mm 

入力棒の試験片に接する端部からひずみゲージ1の中央までの距離(圧縮試験) 

G2 

mm 

出力棒の試験片に接する端部からひずみゲージ2の中央までの距離(圧縮試験) 

G1t 

mm 

入力棒の試験片締結部からひずみゲージ1の中央までの距離(引張試験) 

G2t 

mm 

出力棒の試験片締結部からひずみゲージ1の中央までの距離(引張試験) 

G1b 

mm 

入力棒の試験片に接する端部からひずみゲージ1の中央までの距離(曲げ試験) 

G2b 

mm 

出力棒の試験片に接する端部からひずみゲージ2及びひずみゲージ3の中央までの距離
(曲げ試験) 

σY 

MPa 

入力棒又は打撃棒の降伏応力の内,小さい方の値 

σYt 

MPa 

入力棒又は打撃管の降伏応力の内,小さい方の値 

r1 

mm 

入力棒の先端半径(曲げ試験) 

r2 

mm 

出力棒1及び出力棒2の先端半径(曲げ試験) 

mm 

支点間距離 

試験片 

dS 

mm 

円柱状圧縮試験片の直径 

aS 

mm 

正四角柱状圧縮試験片の一辺の長さ 

LS 

mm 

圧縮試験片の長さ 

AS 

mm2 

圧縮試験片の断面積 

dSt 

mm 

丸棒引張試験片の平行部の直径 

wt 

mm 

板状引張試験片の平行部の幅 

ht 

mm 

板状引張試験片の板厚 

LP 

mm 

引張試験片の平行部の長さ 

mm 

引張試験片の肩部の半径 


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表1−記号及び内容(続き) 

記号 

単位 

内容 

試験片(続き) 

LF 

mm 

引張試験片のフィレット間の距離 

ASt 

mm 

引張試験片の平行部の断面積 

LSb 

mm 

三点曲げ試験片の長さ 

hb 

mm 

三点曲げ試験片の厚さ 

wb 

mm 

三点曲げ試験片の幅 

ave

・ε

 

s−1 

試験片に生じる平均公称ひずみ速度の絶対値 

εmax 

− 

試験片に生じる公称ひずみの絶対値の最大値 

σSY 

MPa 

試験片の降伏応力(流動応力の平均値) 

σB 

MPa 

試験片の引張強さ 

CS 

mm/s 

試験片の弾性波速度 

入射波,反射波及び透過波 

εI 

− 

入射波のひずみ値(圧縮試験及び引張試験) 

εR 

− 

反射波のひずみ値(圧縮試験及び引張試験) 

εT 

− 

透過波のひずみ値(圧縮試験及び引張試験) 

εIb 

− 

入射波のひずみ値(曲げ試験) 

εRb 

− 

反射波のひずみ値(曲げ試験) 

εTb 

− 

透過波のひずみ値(曲げ試験) 

ε1 

− 

入力棒のひずみゲージ1で記録したひずみ(圧縮試験及び引張試験) 

ε2 

− 

出力棒のひずみゲージ2で記録したひずみ(圧縮試験及び引張試験) 

ε1b 

− 

入力棒のひずみゲージ1で記録したひずみ(曲げ試験) 

ε2b 

− 

出力棒のひずみゲージ2で記録したひずみ(曲げ試験) 

ε3b 

− 

出力棒のひずみゲージ3で記録したひずみ(曲げ試験) 

εei 

− 

入力棒の弾性ひずみ値(附属書A参照) 

εeo 

− 

出力棒の弾性ひずみ値(附属書A参照) 

ΔtI 

入射波のひずみの測定可能時間 

ΔtR 

反射波のひずみの測定可能時間 

ΔtT 

透過波のひずみの測定可能時間 

mm 

棒の軸座標(x軸)に沿う変位(附属書A参照) 

u1 

mm 

試験片の入力棒側の変位(附属書A参照) 

u2 

mm 

試験片の出力棒側の変位(附属書A参照) 

mm/s 

弾性棒を伝ぱする弾性波速度(附属書A参照) 

Ca 

mm/s 

x軸の正の方向の弾性波速度(附属書A参照) 

Cb 

mm/s 

x軸の負の方向の弾性波速度(附属書A参照) 

試験片に作用する応力及び荷重 

σ1 

MPa 

試験片の左面(入力棒側)の応力(圧縮試験片) 

σ2 

MPa 

試験片の右面(出力棒側)の応力(圧縮試験片) 

σ1t 

MPa 

試験片平行部の左端断面(入力棒側)の応力(引張試験片) 

σ2t 

MPa 

試験片平行部の右端断面(出力棒側)の応力(引張試験片) 

F1 

試験片の左面に作用する荷重(三点曲げ試験片) 

F2 

試験片の右面に作用する荷重の合計(三点曲げ試験片) 

σ 

MPa 

公称応力(圧縮試験片) 

・ε 

s−1 

公称ひずみ速度(圧縮試験片) 

ε 

− 

公称ひずみ(圧縮試験片) 

σt 

MPa 

公称応力(引張試験片) 

t

・ε 

s−1 

公称ひずみ速度(引張試験片) 


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表1−記号及び内容(続き) 

記号 

単位 

内容 

試験片に作用する応力及び荷重(続き) 

εt 

− 

公称ひずみ(引張試験片) 

σb 

MPa 

曲げ応力(三点曲げ試験片) 

b

・ε 

s−1 

曲げひずみ速度(三点曲げ試験片) 

εb 

− 

曲げひずみ(三点曲げ試験片) 

P1 

試験片の入力棒側の軸荷重(附属書A参照) 

P2 

試験片の出力棒側の軸荷重(附属書A参照) 

注記 1 MPa=1 N/mm2 

 

原理 

入力棒と出力棒との間に試験片を設置し,打撃棒などによる衝撃力によって誘起された弾性応力波の試

験片に対する入射波,反射波及び透過波の関係に,一次元弾性波伝ぱ理論を適用することで,試験片の応

力,ひずみ及びひずみ速度を測定する[1]。 

 

圧縮試験 

6.1 

試験装置 

6.1.1 

基本構成 

スプリット・ホプキンソン棒法圧縮試験装置は,打撃棒,入力棒及び出力棒によって構成する(図1参

照)。打撃棒,入力棒及び出力棒を同軸上に並べ,入力棒と出力棒との間に試験片を設置する。打撃棒,入

力棒及び出力棒は,真っすぐな丸棒でなければならない。入力棒及び出力棒の軸方向の動きは,可能な限

り拘束してはならない。 

 

 

図1−スプリット・ホプキンソン棒法圧縮試験装置の基本的な構成 

 

6.1.2 

構成要素 

スプリット・ホプキンソン棒法圧縮試験装置の構成要素は,次による。 

a) 打撃棒 打撃棒の打出し方法は,圧縮空気方式,スプリング方式などが一般的であるが,いずれの方

法を用いてもよい。 

打撃棒の材質は,入力棒及び出力棒と同じでなくともよい。打撃棒の直径DSTは,打撃棒の機械的

インピーダンスが入力棒の機械的インピーダンス以下となるように決定しなければならない。 

打撃棒の長さLSTは,式(1)のとおり入力棒の直径D1の10倍以上とする。 

LST≧10D1 (1) 

なお,試験片に発生させる最大ひずみ量を大きくするためには,打撃棒の長さLSTを大きくするか,


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又は打撃棒の打出し速度を大きくする。 

b) 入力棒及び出力棒 入力棒には,入射波及び反射波を測定するために,試験片に接する端部から距離

G1の位置にひずみゲージ1を貼付する。出力棒には,透過波を測定するために,試験片に接する端部

から距離G2の位置にひずみゲージ2を貼付する。入力棒の長さL1及び出力棒の長さL2,並びに距離

G1及びG2(ひずみゲージ1及びひずみゲージ2の貼付位置)は,式(2)〜式(5)を満たさなければなら

ない。 

ST

ST

1

1

2.1CL

C

G≧

  (2) 

L1≧2G1  (3) 

G2≧10D2  (4) 

ST

ST

2

2

2

2.1CL

C

G

L

  (5) 

入力棒及び出力棒の直径及び材質は,必ずしも同じである必要はないが,通常,同径及び同材質を

用いるのがよい。 

入力棒及び出力棒の試験片と接する箇所には,塑性変形が生じてはならない。 

c) 測定機器 測定機器の測定条件は,附属書Bによる。 

6.1.3 

標準試験装置 

打撃棒,入力棒及び出力棒を同材質及び同径とした,スプリット・ホプキンソン棒法の標準圧縮試験装

置の種類及び寸法を表2に示す。 

打撃棒,入力棒及び出力棒の材料は,鋼製(JIS G 4805に規定するSUJ2などの高降伏応力の鋼材)を

基本とするが,試験片に生じる圧縮応力の大きさに応じて,アルミニウム合金(JIS H 4040に規定する2000

系及び7000系)を選択してもよい。 

 

表2−標準圧縮試験装置の種類及び寸法 

単位 mm 

寸法の

記号 

試験装置の種類 

C20試験装置 

C10試験装置 

D1 

20 

10 

D2 

20 

10 

L1 

2500 

2500 

L2 

1600 

1500 

G1 

1250 

1250 

G2 

300 

150 

DST 

20 

10 

LST 

1000 

1000 

 

6.1.4 

打撃棒の打出し速度 

打撃棒の打出し速度V0(入力棒に衝突する際の衝突速度)は,試験片に生じさせたい平均公称ひずみ速

度の絶対値ave

・ε

及び公称ひずみの絶対値の最大値εmaxを勘案して,式(6)及び式(7)によって求める。 

2

2

SY

S

S

2

1

1

1

2

2

ave

ST

1

ST

S

0

1

2

E

A

σ

A

L

C

C

E

A

E

A

ε

Z

Z

Z

L

V

 (6) 


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2

2

SY

S

S

2

1

1

1

2

2

max

ST

ST

ST

1

ST

S

0

1

2

2

E

A

σ

A

L

C

C

E

A

E

A

ε

L

C

Z

Z

Z

L

V

 (7) 

また,打撃棒の打出し速度V0の上限は,式(8)による。 

Y

1

1

ST

1

ST

0

σ

A

Z

Z

Z

Z

α

V<

  (8) 

ここに, 

α: 定数 

式(8)において,αは0.5を基本とするが,入力棒に塑性変形が生じない場合は1.0以下の範囲で決定して

もよい。 

6.2 

試験片 

6.2.1 

一般事項 

この規格で特に規定しない事項については,試験対象の材料に対応する関連規格(例えば,JIS Z 2241

など)の要求に従って適切に取り扱わなければならない。 

6.2.2 

形状及び寸法 

試験片の形状及び寸法は,次による(図2参照)。 

a) 試験片の形状は,円柱又は正四角柱とする。ただし,円柱が望ましい。 

b) 変形時において,円柱状試験片の場合は試験片の直径dS,正四角柱状試験片の場合は対角線の長さ

S

2aが入力棒及び出力棒の直径を超えないようにする。すなわち,圧縮変形時において試験片が入力

棒及び出力棒からはみ出てはならない。 

c) 試験片の長さLSは,試験片の直径dS又は一辺の長さaSの1.5倍以下とする。 

 

 

 

a) 円柱状試験片 

b) 正四角柱状試験片 

図2−圧縮試験片 

 

6.2.3 

標準試験片 

標準円柱状圧縮試験片の種類及び寸法を表3に,表2の標準圧縮試験装置と表3の標準円柱状圧縮試験

片との適合を表4に示す。 

 

表3−標準円柱状圧縮試験片の種類及び寸法 

単位 mm 

寸法の

記号 

試験片の種類 

CC16試験片 

CC10試験片 

CC8試験片 

CC5試験片 

dS 

16 

10 

LS 

12 

 


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表4−標準圧縮試験装置と標準円柱状圧縮試験片との適合 

標準圧縮試験装置の種類 

試験片の種類 

CC16試験片 

CC10試験片 

CC8試験片 

CC5試験片 

C20試験装置 

○ 

○ 

○ 

○ 

C10試験装置 

− 

− 

○ 

○ 

注記 “○”は適合を示し,“−”は試験装置と試験片との組合せがないことを示す。 

 

6.2.4 

試験片の作製 

試験片は,試験対象の材料に対応する関連規格(例えば,JIS G 0416 [2]など)の要求に従って,採取し

調製する。 

6.2.5 

試験片の数 

試験に用いる試験片の数は,3個以上とする。 

6.3 

試験手順 

試験は,次の手順に従って行う。 

a) 試験片は,その中心軸を入力棒と出力棒との軸上に一致させ,入力棒及び出力棒の間に密着するよう

に設置する。このとき,加圧面に潤滑剤を用いてもよい。必要に応じて,位置決め用のジグを用いる。 

b) 試験環境の温度を記録する。 

c) 6.1.4に従って求めた打出し速度で打撃棒を打ち出し,入力棒と出力棒とに生じるひずみを記録する。 

d) 入力棒及び出力棒と試験片とが接する面に圧痕などの塑性変形が生じていないことを確認する。 

e) 6.4に従い,試験片の動的平衡状態を確認する。 

f) 

試験前後の試験片の長さから試験片の変形量を測定する。試験片の変形量の測定値と,式(20)によっ

て計算される公称ひずみの絶対値の最大値εmaxに試験前の試験片の長さLSを乗じた値との誤差が±

5 %に収まっているか確認する。樹脂材料のように形状が復元する材料に関しては,高速度ビデオカ

メラなどで確認することが望ましい。 

6.4 

計算 

入力棒のひずみゲージ1によって記録したひずみε1及び出力棒のひずみゲージ2で記録したひずみε2

を用いて,試験片の公称ひずみ速度,公称ひずみ及び公称応力は,a)〜c)の手順によって計算する(詳細

は,附属書A参照)。各試験結果の数値は,個々に算術し,有効数字3桁に丸める。 

a) 入射波,反射波及び透過波のひずみ値 入射波の波頭が試験片に到達した時間をt=0とし,式(9)〜式

(11)によって,入射波のひずみ値εI,反射波のひずみ値εR及び透過波のひずみ値εTを求める。 

1

1

1

I)

(

C

G

t

ε

t

ε

 (9) 

1

1

1

R)

(

C

G

t

ε

t

ε

  (10) 

2

2

2

T)

(

C

G

t

ε

t

ε

 (11) 

ただし,式(12)〜式(14)に示すそれぞれの測定可能時間内のデータだけを採用する。 

1

1

I

2

Δ

C

G

t

  (12) 

1

1

1

R

)

(2

Δ

C

G

L

t

  (13) 


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2

2

2

T

)

(2

Δ

C

G

L

t

 (14) 

b) 試験片の動的平衡状態の確認 試験片の左面(入力棒側)の応力σ1及び右面(出力棒側)の応力σ2

を,式(15)及び式(16)によって求める。 

(

)

(

)

(

R

I

S

1

1

1

t

ε

t

ε

A

E

A

t

σ

  (15) 

)

(

)

(

T

S

2

2

2

t

ε

A

E

A

t

σ

  (16) 

ここで,σ1及びσ2が式(17)を満たすとき,動的平衡状態が成立しているとみなす。 

(%)

10

100

)

(

)

(

)

(

10

2

1

2

t

σ

t

σ

t

σ

  (17) 

ただし,動的平衡状態の確認は,入力棒と出力棒との間を弾性応力波が10往復した後(t>20 LS/CS)

に行う。また,圧縮の途中で試験片に破壊が生じた場合は,破壊までの時間を対象とする。 

なお,試験片の弾性波速度CSを定められない試験片については,t=50 μs以降において確認を行う。 

c) 公称応力,公称ひずみ速度及び公称ひずみの計算 試験片の動的平衡状態が確認できる場合,公称応

力σ及び公称ひずみ速度・εは,式(18)及び式(19)によって求める。公称ひずみεは,式(20)に従い,数

値積分によって求める。また,打撃棒が入力棒に衝突する際の衝突速度V0が大きいなどの理由で,動

的平衡状態を確認できない場合には,附属書Aの式(A.13)によって公称応力,式(A.10)によって公称ひ

ずみ速度,式(A.9)によって公称ひずみを計算する。 

1) 公称応力 

ε

E

A

A

t

σ

2

2

2

S

1

)

(

  (18) 

2) 公称ひずみ速度 

t

ε

C

C

E

A

E

A

t

ε

C

L

t

ε

T

2

1

1

1

2

2

I

1

S

2

1

)

(

  (19) 

3) 公称ひずみ 

t

dt

t

ε

t

ε

0

)

(

)

(

  (20) 

 

引張試験 

7.1 

試験装置 

7.1.1 

基本構成 

スプリット・ホプキンソン棒法引張試験装置は,打撃管,入力棒,出力棒及びヨークによって構成する

(図3参照)。打撃管,入力棒,出力棒及びヨークを同軸上に並べ,入力棒と出力棒との間に試験片を締

結する。入力棒の他端にはヨークを固定する。入力棒及び出力棒は,真っすぐな丸棒でなければならない。

入力棒及び出力棒の軸方向の動きは,可能な限り拘束してはならない。打撃管は,真っすぐな円管でなけ

ればならない。 

 


10 

Z 2205:2019  

 

 

図3−スプリット・ホプキンソン棒法引張試験装置の基本的な構成 

 

7.1.2 

構成要素 

スプリット・ホプキンソン棒法引張試験装置の構成要素は,次による。 

a) 打撃管 打撃管の打出し方法は,圧縮空気方式,スプリング方式などが一般的であるが,いずれの方

法を用いてもよい。 

打撃管の材質は,入力棒及び出力棒と同じでなくともよい。打撃管の外径DSTo及び内径DSTiは,打

撃管の機械的インピーダンスが入力棒の機械的インピーダンス以下となるように決定しなければなら

ない。 

打撃管の長さLSTtは,式(21)のとおり入力棒の直径D1の10倍以上とする。 

LSTt≧10D1  (21) 

なお,試験片に発生させる最大ひずみ量を大きくするためには,打撃管の長さLSTtを大きくするか,

又は打撃管の打出し速度を大きくする。 

b) 入力棒及び出力棒 入力棒及び出力棒は,一端に試験片締結部をもつ。入力棒及び出力棒と試験片と

の締結方法は,ねじ,ピン,接着剤などを用いる方法が一般的であるが,緩みなく締結できる場合に

は,いずれの方法を用いてもよい。 

入力棒には,入射波及び反射波を測定するために,試験片締結部から距離G1tの位置にひずみゲー

ジ1を貼付する。出力棒には,透過波を測定するために,試験片締結部から距離G2tの位置にひずみ

ゲージ2を貼付する。入力棒の長さL1及び出力棒の長さL2,並びに距離G1t及びG2t(ひずみゲージ1

及びひずみゲージ2の貼付位置)は,式(22)〜式(25)を満たさなければならない。 

STt

STt

1

t1

2.1CL

C

G≧

  (22) 

L1≧2G1t  (23) 

G2t≧10D2  (24) 

STt

STt

2

t2

2

2.1CL

C

G

L

  (25) 

入力棒及び出力棒の直径及び材質は,必ずしも同じである必要はないが,通常,同径及び同材質と

するのがよい。 

入力棒及び出力棒の試験片締結部には,試験を通じて塑性変形が生じてはならない。 

c) ヨーク ヨークは,入力棒の試験片締結部をもたない端部に固定する。打撃管が衝突するヨークの面

は,入力棒の軸に対して垂直な平面でなければならない。 


11 

Z 2205:2019  

 

d) 測定機器 測定機器の測定条件は,附属書Bによる。 

7.1.3 

標準試験装置 

入力棒及び出力棒を同材質及び同径とし,打撃管を同材質とした,スプリット・ホプキンソン棒法の標

準引張試験装置の種類及び寸法を表5に示す。 

打撃管,入力棒及び出力棒の材料は,鋼製(JIS G 4805に規定するSUJ2などの高降伏応力の鋼材)を

基本とするが,試験片に生じる引張強さの大きさに応じて,アルミニウム合金(JIS H 4040又はJIS H 4080

に規定する2000系及び7000系)を選択してもよい。 

 

表5−標準引張試験装置の種類及び寸法 

単位 mm 

寸法の

記号 

試験装置の種類 

T25試験装置 

T16試験装置 

D1 

25 

16 

D2 

25 

16 

L1 

2500 

2500 

L2 

1600 

1500 

G1t 

1250 

1250 

G2t 

350 

250 

DSTi 

60 

30 

DSTo 

65 

34 

LSTt 

1000 

1000 

 

7.1.4 

打撃管の打出し速度 

打撃管の打出し速度V0t(ヨークに衝突する際の衝突速度)は,試験片に生じさせたい平均公称ひずみ速

度の絶対値ave

・ε

及び公称ひずみの絶対値の最大値εmaxを勘案して,式(26)及び式(27)によって求める。 

2

2

B

St

P

2

1

1

1

2

2

ave

STt

1

STt

F

t0

1

2

E

A

σ

A

L

C

C

E

A

E

A

ε

Z

Z

Z

L

V

  (26) 

2

2

B

St

P

2

1

1

1

2

2

max

STt

STt

STt

1

STt

F

t0

1

2

2

E

A

σ

A

L

C

C

E

A

E

A

ε

L

C

Z

Z

Z

L

V

  (27) 

また,打撃管の打出し速度V0tの上限は,式(28)による。 

Yt

1

1

STt

1

STt

t0

σ

A

Z

Z

Z

Z

α

V

  (28) 

ここに, 

α: 定数 

式(28)において,αは0.5を基本とするが,入力棒に塑性変形が生じない場合は1.0以下の範囲で決定し

てもよい。 

7.2 

試験片 

7.2.1 

一般事項 

この規格で特に規定しない事項については,試験対象の材料に対応する関連規格(例えば,JIS Z 2241

など)の要求に従って,適切に取り扱わなければならない。 


12 

Z 2205:2019  

 

7.2.2 

形状及び寸法 

試験片の形状及び寸法は,次による(図4参照)。 

a) 丸棒引張試験片の形状は,中央を平行部とし,その両端は平行部よりも断面積が大きい締結部とする。

平行部と締結部との間には肩部を設けなければならない。 

b) 板状引張試験片の形状は,中央を平行部とし,その両端は平行部よりも幅が大きい固定部とする。平

行部と固定部との間には肩部を設けなければならない。板状引張試験片の板厚は全体で均一とする。

板状試験片をねじ締結する場合は,板厚と等しい厚さのスリットをもつ締結部を別途作製し,金属用

接着剤などで試験片と一体化するのがよい[3]。スリット付き締結部の材質は,入力棒及び出力棒と同

じであることが望ましい。 

 

 

 

 

a) 丸棒引張試験片 

b) 板状引張試験片 

 LF=LP+2R 

注記 試験片の締結部及び固定部の形状は,参考の形状である。 

 

図4−引張試験片 

 

7.2.3 

標準試験片 

標準丸棒引張試験片の種類及び寸法を表6に,標準板状引張試験片の種類及び寸法を表7に示す。 

 

表6−標準丸棒引張試験片の種類及び寸法 

単位 mm 

寸法の

記号 

試験片の種類 

TC6試験片 

TC4試験片 

TC2試験片 

dSt 

LP 

9〜12 

6〜12 

3〜12 

 

表7−標準板状引張試験片の種類及び寸法 

単位 mm 

寸法の

記号 

試験片の種類 

TP6試験片 

TP4試験片 

TP2試験片 

wt 

ht 

3以下 

2以下 

1.6以下 

LP 

9〜12 

6〜12 

3〜12 

 


13 

Z 2205:2019  

 

7.2.4 

試験片の作製 

試験片の作製方法は,6.2.4による。 

7.2.5 

試験片の数 

試験に用いる試験片の数は,3個以上とする。 

7.3 

試験手順 

試験は,次の手順に従って行う。 

a) 試験片は,その中心軸を入力棒と出力棒との軸上に一致させ,入力棒及び出力棒の間に緩みがないよ

うに強固に締結する。 

b) 試験環境の温度を記録する。 

c) 7.1.4に従って求めた打出し速度で打撃管を打ち出し,入力棒と出力棒とに生じるひずみを記録する。 

d) 入力棒及び出力棒の試験片締結部に塑性変形が生じていないことを確認する。 

e) 7.4に従い,試験片の動的平衡状態を確認する。 

f) 

試験前後の試験片のフィレット間距離LFから試験片の変形量を測定する。試験片の変形量の測定値

と,式(40)によって計算される公称ひずみの絶対値の最大値εmaxに試験前の試験片のフィレット間距

離LFを乗じた値との誤差が±5 %に収まっているか確認する。試験片が破断しない場合は,誤差の確

認ができないため,破断しなかった事実を結果に記録する。樹脂材料のように形状が復元する材料に

関しては,高速度ビデオカメラなどで確認することが望ましい。 

7.4 

計算 

入力棒のひずみゲージ1によって記録したひずみε1及び出力棒のひずみゲージ2で記録したひずみε2

を用いて,試験片の公称ひずみ速度,公称ひずみ及び公称応力は,a)〜c)の手順によって計算する(詳細

は,附属書A参照)。各試験結果の数値は,個々に算術し,有効数字3桁に丸める。 

a) 入射波,反射波及び透過波のひずみ値 入射波の波頭が試験片に到達した時間をt=0とし,式(29)〜

式(31)によって,入射波のひずみ値εI,反射波のひずみ値εR及び透過波のひずみ値εTを求める。 

1

t1

1

I)

(

C

G

t

ε

t

ε

  (29) 

1

t1

1

R)(

C

G

t

ε

t

ε

  (30) 

2

t2

2

T)

(

C

G

t

ε

t

ε

  (31) 

ただし,式(32)〜式(34)に示すそれぞれの測定可能時間内のデータだけを採用する。 

1

t1

I

2

Δ

C

G

t

 (32) 

1

t1

1

R

)

(2

Δ

C

G

L

t

  (33) 

2

t2

2

T

)

(2

Δ

C

G

L

t

  (34) 

b) 試験片の動的平衡状態の確認 試験片平行部の左側断面(入力棒側)の応力σ1t及び右側断面(出力棒

側)の応力σ2tを,式(35)及び式(36)によって求める。 

(

)

(

)

(

R

I

St

1

1

1t

t

ε

t

ε

A

E

A

t

σ

  (35) 


14 

Z 2205:2019  

 

)

(

)

(

T

St

2

2

2t

t

ε

A

E

A

t

σ

  (36) 

ここで,σ1t及びσ2tが式(37)を満たすとき,動的平衡状態が成立しているとみなす。 

(%)

10

100

)

(

)

(

)

(

10

t2

t1

t2

t

σ

t

σ

t

σ

  (37) 

ただし,動的平衡状態の確認は,試験片フィレット間を弾性応力波が10往復した後(t>20 LF/CS)

に行う。また,引張りの途中で試験片が破断した場合は,破断までの時間を対象とする。 

なお,試験片の弾性波速度CSを定められない試験片については,t=50 μs以降において確認を行う。 

c) 公称応力,公称ひずみ速度及び公称ひずみの計算 試験片の動的平衡状態が確認できる場合,公称応

力σt及び公称ひずみ速度t

・εは,式(38)及び式(39)によって求める。公称ひずみεtは,式(40)に従い,数

値積分によって求める。また,打撃管がヨークに衝突する際の衝突速度V0tが大きいなどの理由で,

動的平衡状態を確認できない場合には,附属書Aの式(A.16)によって公称応力,式(A.15)によって公称

ひずみ速度,式(A.14)によって公称ひずみを計算する。 

1) 公称応力 

ε

E

A

A

t

σ

2

2

2

St

t

1

)

(

  (38) 

2) 公称ひずみ速度 

t

ε

C

C

E

A

E

A

t

ε

C

L

t

ε

T

2

1

1

1

2

2

I

1

P

t

2

1

)

(

  (39) 

3) 公称ひずみ 

t

dt

t

ε

t

ε

0

t

t

)

(

)

(

  (40) 

 

曲げ試験 

8.1 

試験装置 

8.1.1 

基本構成 

スプリット・ホプキンソン棒法三点曲げ試験装置は,打撃棒,入力棒及び2本の出力棒によって構成す

る(図5参照)。2本の出力棒は,同じ材質及び同じ形状とする。打撃棒及び入力棒を同軸上に並べ,試験

片を介して入力棒の中心軸から支点間距離(l)の1/2ずつずらして出力棒を並べる。入力棒及び出力棒の

軸方向の動きは,可能な限り拘束してはならない。 

 

 

図5−スプリット・ホプキンソン棒法三点曲げ試験装置の基本的な構成 

 


15 

Z 2205:2019  

 

8.1.2 

構成要素 

スプリット・ホプキンソン棒法三点曲げ試験装置の構成要素は,次による。 

a) 打撃棒 打撃棒の打出し方法は,圧縮空気方式,スプリング方式などが一般的であるが,いずれの方

法を用いてもよい。 

打撃棒の材質は,入力棒及び出力棒と同じでなくともよい。打撃棒の直径DSTは,打撃棒の機械的

インピーダンスが入力棒の機械的インピーダンス以下となるように決定しなければならない。 

打撃棒の長さLSTは,式(1)のとおり入力棒の直径D1の10倍以上とする。 

なお,試験片に発生させる最大たわみ量を大きくするためには,打撃棒の長さLSTを大きくするか,

又は打撃棒の打出し速度を大きくする。 

b) 入力棒及び出力棒 入力棒には,入射波及び反射波を測定するために,試験片に接する端部から距離

G1bの位置にひずみゲージ1を貼付する。2本の出力棒には,透過波を測定するために,それぞれ試験

片に接する端部から距離G2bの位置にひずみゲージ2及びひずみゲージ3を貼付する。入力棒の長さ

L1及び出力棒の長さL2,並びに距離G1b及びG2b(ひずみゲージ1,ひずみゲージ2及びひずみゲージ

3の貼付位置)は,式(41)〜式(44)を満たさなければならない。 

ST

ST

1

b1

2.1CL

C

G≧

  (41) 

L1≧2G1b  (42) 

G2b≧10D2  (43) 

ST

ST

2

b

2

2

2.1CL

C

G

L

 (44) 

入力棒及び出力棒の直径及び材質は,必ずしも同じである必要はないが,通常,同径及び同材質を

用いるのがよい。 

試験片に接する入力棒及び出力棒の先端は,半円柱状にする。 

入力棒及び出力棒の試験片と接する箇所は,塑性変形が生じてはならない。 

ひずみゲージ2及びひずみゲージ3から得られる透過波に大きな振動が生じる場合は,入力棒の打

撃棒が衝突する側に,立ち上がりが緩やかなランプ波を入射させるため,入力棒の先端にバッファー

を取り付ける[4]。この場合,入射波が記録される時間が長くなるため,ひずみゲージの貼付場所を調

整する。 

c) 測定機器 測定機器の測定条件は,附属書Bによる。 

8.1.3 

標準試験装置 

打撃棒,入力棒及び出力棒を同材質及び同径とした,スプリット・ホプキンソン棒法の標準三点曲げ試

験装置の種類及び寸法を表8に示す。 

打撃棒,入力棒及び出力棒の材料は,鋼製(JIS G 4805に規定するSUJ2などの高降伏応力の鋼材)を

基本とするが,試験片に生じる荷重の大きさに応じて,アルミニウム合金(JIS H 4040に規定する2000

系及び7000系)を選択してもよい。 

 


16 

Z 2205:2019  

 

表8−標準三点曲げ試験装置の種類及び寸法 

単位 mm 

寸法の

記号 

試験装置の種類 

B16試験装置 

D1 

16 

D2 

16 

L1 

2500 

L2 

1500 

r1 

r2 

G1b 

1250 

G2b 

250 

DST 

16 

LST 

1000 

40 

 

8.1.4 

打撃棒の打出し速度 

打撃棒の打出し速度V0(入力棒に衝突する際の衝突速度)の上限は,6.1.4による。 

8.2 

試験片 

8.2.1 

一般事項 

この規格で特に規定しない事項については,材料に対応する関連規格(例えば,JIS Z 2241など)の要

求に従って適切に取り扱わなければならない。 

8.2.2 

形状及び寸法 

試験片の形状及び寸法は,図6による。切り欠きのない形状を基本とする。 

 

 

図6−三点曲げ試験片 

 

8.2.3 

標準試験片 

表8の試験装置に対応する標準三点曲げ試験片の種類及び寸法を表9に示す。 

 

表9−標準三点曲げ試験片の種類及び寸法 

単位 mm 

寸法の

記号 

試験片の種類 

B5試験片 

hb 

wb 

LSb 

55 

 

8.2.4 

試験片の製作 

試験片は,試験対象の材料に対応する関連規格(例えば,JIS G 0416 [2]など)の要求に従って,採取し,

調製する。 


17 

Z 2205:2019  

 

8.2.5 

試験片の数 

試験に用いる試験片の数は,3個以上とする。 

8.3 

試験手順 

試験は,次の手順に従って行う。 

a) 試験片は,2本の出力棒に均等な応力波が伝ぱするように,入力棒と出力棒とに接触させる。必要に

応じて,位置決め用のジグを用いる。 

b) 6.1.4に従って求めた打出し速度で打撃棒を打ち出し,入力棒及び2本の出力棒に生じるひずみを記録

する。 

c) 入力棒及び出力棒の試験片が接する面に圧痕などの塑性変形が生じていないことを確認する。 

d) 8.4に従い,試験片の動的平衡状態を確認する。 

e) 試験後の試験片のたわみを測定し,たわみの測定値と,式(56)によって計算されるたわみとの誤差が

±5 %に収まっているか確認する。樹脂材料のように形状が復元する材料に関しては,高速度ビデオ

カメラなどで確認することが望ましい。 

8.4 

計算 

入力棒のひずみゲージ1によって記録したひずみε1bと,出力棒のひずみゲージ2及びひずみゲージ3

で記録したひずみε2b及びひずみε3bとを用いて,試験片の変形速度,変位及び荷重を計算する。これらの

結果から,試験片中央の最外層における応力,ひずみ及びひずみ速度を算出する。各試験結果の数値は,

個々に算術し,有効数字3桁に丸める。 

a) 入射波,反射波及び透過波のひずみ値 入射波の波頭が試験片に到達した時間をt=0とし,式(45)〜

式(47)によって,入射波のひずみ値εIb,反射波のひずみ値εRb及び透過波のひずみ値εTbを求める。 

1

b1

b1

Ib)

(

C

G

t

ε

t

ε

  (45) 

1

b1

b1

Rb)

(

C

G

t

ε

t

ε

 (46) 

2

b

2

b

3

2

b

2

b

2

Tb)

(

C

G

t

ε

C

G

t

ε

t

ε

  (47) 

ただし,式(48)〜式(50)に示すそれぞれの測定可能時間内のデータだけを採用する。 

1

b1

I

2

Δ

C

G

t

  (48) 

1

b1

1

R

)

(2

Δ

C

G

L

t

  (49) 

2

b

2

2

T

)

(2

Δ

C

G

L

t

  (50) 

b) 試験片の動的平衡状態の確認 式(51)及び式(52)によって,試験片の左面の荷重F1及び右面支持部に

作用する荷重の合計F2を求める。 

(

)

(

)

(

Rb

Ib

1

1

1

t

ε

t

ε

E

A

t

F

  (51) 

)

(

2

)

(

Tb

2

2

2

t

ε

E

A

t

F

 (52) 

ここで,t=100 μsから最大荷重値に到達するまでの時間において,F1及びF2が式(53)を満たすとき,

動的平衡状態が成立しているとみなす。 


18 

Z 2205:2019  

 

(%)

10

100

)

(

)

(

)(

10

2

1

2

t

F

t

F

t

F

  (53) 

また,変形速度が大きく,式(53)が成立しない場合には,式(51)及び式(52)の比較結果を明示する。 

c) 荷重,たわみ速度及びたわみの計算 試験片が動的な平衡状態であることを確認した後,荷重F(t)及

びたわみ速度

)

(t

δ

は,式(54)及び式(55)によって算出する。たわみδは,式(56)に従い,数値積分によ

って求める。 

1) 荷重 

)

(

)

(

2t

F

t

F

  (54) 

2) たわみ速度 

2

)

(

2

)

(

2

)

(

Tb

2

1

1

1

2

2

Ib

1

t

ε

C

C

E

A

E

A

t

ε

C

t

δ

  (55) 

3) たわみ 

t

dt

t

δ

t

δ

0

)

(

)

(

  (56) 

d) 曲げ応力,曲げひずみ速度及び曲げひずみの計算 曲げ応力σb及び曲げひずみ速度b

・εは,式(57)及び

式(58)によって求める。曲げひずみεbは,式(59)に従い,数値積分によって求める。 

1) 曲げ応力 

)

(

2

3

)

(

2b

b

b

t

F

h

w

l

t

σ

  (57) 

2) 曲げひずみ速度 

)

(

6

)

(

2

b

b

t

δ

l

h

t

ε

  (58) 

3) 曲げひずみ 

t

dt

t

ε

t

ε

0

b

b

)

(

)

(

  (59) 

 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。また,試験報告書の例を附属書Cに示す。 

a) 試験装置の概略 各試験装置の寸法及び材質を示す。標準試験装置を使用した場合は,その旨を示す。 

b) 試験対象及び試験片の概略 試験対象の材質及び試験片の直径,長さなど試験片の形状を示す。標準

試験片を使用した場合は,その旨を示す。 

c) 試験環境温度 試験環境の温度を示す。 

d) 公称応力と公称ひずみとの関係 公称応力と公称ひずみとの関係を図として記載する。試験した全て

の試験片の結果を示す。 

e) 公称ひずみ速度と公称ひずみとの関係 公称ひずみ速度と公称ひずみとの関係を図として記載する。

試験した全ての試験片の結果を示す。 

f) 

公称ひずみ速度 一般的に,公称ひずみ速度は一定にならないため,平均値を代表として示す。試験

した全ての試験片の結果を示す。 

g) 動的平衡状態の確認 動的平衡状態が成立していることの様子を図として記載する(図7参照)。条

件を満たさない場合,その旨を示す。試験した全ての試験片の結果を示す。 


19 

Z 2205:2019  

 

h) 試験前後の変形量の比較 試験前後の変形量は,その実測値,計算値及びそれらの誤差を表として示

す。誤差を測定できない場合,その旨を示す。試験した全ての試験片の結果を示す。 

 

0

50

100 150 200

250 300 350 400

-300

-200

-100

0

100

時間 ( 洀

1

2

 (

M

P

a)

 
 

 

 σ1 試験片の左面(入力棒側)の応力(MPa) 

σ2 試験片の右面(出力棒側)の応力(MPa) 

 

a) 試験片の左面及び右面の応力と時間との関係 

 

0

50

100 150 200

250 300 350 400

-10

-5

0

5

10

時間 ( 洀

(

2

-

1

)/

2

 ×

 1

0

(%

)

 

b) 式(17)の確認図 

図7−動的平衡状態の確認の例(圧縮試験の場合) 

 


20 

Z 2205:2019  

 

附属書A 

(参考) 

スプリット・ホプキンソン棒法における一次元弾性波伝ぱ理論を用いた 

応力,ひずみ及びひずみ速度の算出方法 

 

A.1 一次元弾性波伝ぱ理論 

圧縮試験を例として,スプリット・ホプキンソン棒法における一次元弾性波伝ぱ理論を用いた応力,ひ

ずみ及びひずみ速度の算出方法を次に示す[5]。入力棒及び出力棒の間に挟まれた試験片において,入力棒

の縦弾性係数,密度及び断面積をそれぞれE1,ρ1,A1,出力棒の縦弾性係数,密度及び断面積をそれぞれ

E2,ρ2,A2,試験片の長さ,断面積をそれぞれLS,ASとする。 

弾性棒内の縦波の伝ぱは,一次元波動方程式によって,式(A.1)のように表すことが可能である。 

2

2

2

2

2

x

u

C

t

u

  (A.1) 

ここで,uは棒の軸座標(x軸)に沿う変位を表す。また,Cは弾性棒を伝ぱする弾性波速度である。 

変位u(x, t)の一般解は,次の式(A.2)となる。 

)

(

)

(

)

,

(

b

a

t

C

x

g

t

C

x

f

t

x

u

  (A.2) 

ここで,関数f及び関数gは任意の関数で,初期条件及び境界条件によって決定される。式(A.2)の右辺

の第一項がx軸の正の方向に進行する変位波の場合,第二項は負の方向に進行する変位波を表す。Caはx

軸の正の方向の弾性波速度,Cbはx軸の負の方向の弾性波速度である。 

2本の弾性棒の間に挟まれた試験片において,入力棒の弾性波速度C1及び出力棒の弾性波速度C2は,

式(A.3)及び式(A.4)となる。 

1

1

1

ρ

E

C

  (A.3) 

2

2

2

ρ

E

C

  (A.4) 

打撃棒が入力棒に衝突することで生じる弾性ひずみ値εeiは,式(A.5)のように表すことが可能である。 

)

(

)

(

)

(

)

(

)

,

(

R

I

1

1

ei

t

ε

t

ε

t

C

x

g

t

C

x

f

x

u

t

x

ε

  (A.5) 

ここで,εIは入射波のひずみ値,εRは反射波のひずみ値である。 

出力棒に生じる弾性ひずみ値εeoは,式(A.6)のように表すことが可能である。 

)

(

)

,

(

T

eo

t

ε

t

x

ε

  (A.6) 

ここで,εTは透過波のひずみ値である。 

弾性ひずみ波の伝ぱにおいて,試験片の両端での変位uは,入力棒と出力棒との間を伝ぱする入射,反

射及び透過の各弾性ひずみ波によって,式(A.7)及び式(A.8)で表すことが可能である。 

t

ε

t

ε

C

t

u

t

0

R

I

1

1

)

(

)

(

)

(

  (A.7) 

dt

t

ε

C

t

u

t

0T

2

2

)

(

)

(

 (A.8) 

変位uの添字1は試験片の入力棒側,添字2は出力棒側を示す。u1は試験片の入力棒側の変位を,u2は


21 

Z 2205:2019  

 

試験片の出力棒側の変位である。式(A.7)は各弾性ひずみ波頭を一致させて,重ね合わせている。 

試験片内の平均公称ひずみε及び平均公称ひずみ速度・εは,式(A.9)及び式(A.10)となる。 

t

ε

C

t

ε

t

ε

C

L

L

t

u

t

u

t

ε

t

0

T

2

R

I

1

S

S

2

1

)

(

)

(

)

(

1

)

(

)

(

)

(

  (A.9) 

(

)

(

)

(

1

)

(

T

2

R

I

1

S

t

ε

C

t

ε

t

ε

C

L

t

ε

 (A.10) 

試験片の入力棒側の軸荷重P1及び出力棒側の軸荷重P2は,式(A.5)及び式(A.6)から次の式(A.11)及び式

(A.12)で表すことが可能である。 

(

)

(

)

(

R

I

1

1

1

t

ε

t

ε

E

A

t

P

  (A.11) 

)

(

)

(

T

2

2

2

t

ε

E

A

t

P

 (A.12) 

となるので,試験片内の平均公称応力σは,式(A.13)となる。 

S

T

2

2

R

I

1

1

S

2

1

2

)

(

)

(

)

(

2

)

(

)

(

)

(

A

t

ε

E

A

t

ε

t

ε

E

A

A

t

P

t

P

t

σ

(A.13) 

同様に,引張試験の場合の試験片の平均公称ひずみεt,平均公称ひずみ速度t

・ε及び平均公称応力σtは,

次の式(A.14),式(A.15)及び式(A.16)となる。 

t

ε

C

t

ε

t

ε

C

L

t

ε

t

0

T

2

R

I

1

P

t

)

(

)

(

)

(

1

)

(

 (A.14) 

(

)

(

)

(

1

)

(

T

2

R

I

1

P

t

t

ε

C

t

ε

t

ε

C

L

t

ε

 (A.15) 

St

T

2

2

R

I

1

1

t

2

)

(

)

(

)

(

)

(

A

t

ε

E

A

t

ε

t

ε

E

A

t

σ

 (A.16) 

ここで,一次元弾性波伝ぱ理論をスプリット・ホプキンソン棒法に適用するために,入力棒,出力棒及

び試験片において一軸応力状態になる必要がある。そのためには,少なくとも入力棒の直径の10倍以上あ

る波長の入射波を用いることが必要である。また,試験片内を一軸応力状態にするためには,圧縮試験で

の端面摩擦又は引張試験での試験片肩部による応力集中を低減する。 

 

A.2 動的平衡条件下における式の簡略化 

試験中において試験片が動的平衡状態であるとみなすことができる場合[詳細は,6.4 b)参照],すなわ

ち,P1(t)=P2(t)が成立する場合,式(A.11)及び式(A.12)から次の式(A.17)となる。 

)

(

)

(

)

(

T

2

2

R

I

1

1

t

ε

E

A

t

ε

t

ε

E

A

 (A.17) 

よって,式(A.17)が成立する場合には,式(A.9),式(A.10)及び式(A.13)は,それぞれ式(20),式(19)及び式

(18)のような簡単な形で表すことが可能である。同様に,式(A.14),式(A.15)及び式(A.16)は,それぞれ式(40),

式(39)及び式(38)のような簡単な形で表すことが可能である。 

 


22 

Z 2205:2019  

 

附属書B 

(規定) 

スプリット・ホプキンソン棒法における測定機器の測定条件 

 

B.1 

測定機器 

スプリット・ホプキンソン棒法における測定機器の測定条件は,次による。 

a) ひずみゲージ 入力棒及び出力棒に貼付するひずみゲージのゲージ長は2 mm以下のものを使用する。

また,ひずみゲージを貼付する1か所につき,同一製品のひずみゲージを2枚又は4枚用いて曲げひ

ずみを除去する。 

b) 増幅器 増幅器の応答周波数は,100 kHz以上を使用する。 

c) レコーダー レコーダーのサンプルレートが1 MS/s以上,垂直軸分解能が10 bit以上のものを使用す

る。 

 


23 

Z 2205:2019  

 

附属書C 
(参考) 

試験報告書の例 

 

C.1 試験報告書 

試験報告書の例を,表C.1に示す。 

 

表C.1−試験報告書の例(圧縮試験の場合) 

試験実施日 

      年    月   日 

試験環境 

    ℃ 

装置の種類 

標準    試験装置(      ) 

装置の材料 

入力棒      ,出力棒      ,打撃棒       

試験装置の寸法 
(mm) 

D1 

D2 

L1 

L2 

G1 

G2 

DST 

LST 

 

 

 

 

 

 

 

 

試験対象材質 

 

試験片 

標準    試験片 

公称ひずみ速度 

   回の平均値: 

試験前後の変形
量の比較 

試験回数 

実測値(mm) 

計算値(mm) 

誤差(%) 

1回目 

 

 

 

2回目 

 

 

 

3回目 

 

 

 

 

試験報告書には,必ず箇条9のd)(公称応力と公称ひずみとの関係),e)(公称ひずみ速度と公称ひずみ

との関係)及びg)[動的平衡状態の確認図(条件を満たさない場合,その旨を示す。)]を添付する。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 [1] ISO 26203-1:2018,Metallic materials−Tensile testing at high strain rates−Part 1: Elastic-bar-type 

systems 

[2] JIS G 0416 鋼及び鋼製品−機械試験用供試材及び試験片の採取位置並びに調製 

[3] 臺丸谷政志,小林秀敏,津田紘,板状試験片の衝撃引張試験法の検討,材料, Vol. 53, No. 11, 

pp. 1240-1246, 2004 

[4] 小川欽也,倉石晃,西田俊彦,杉山文子,カーボン長繊維強化型窒化ケイ素の衝撃三点曲

げ試験,材料, Vol. 45, No. 7, pp. 799-804, 1996 

[5] 横山隆編著,衝撃工学の基礎と応用,共立出版,2014.