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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 1655-1993 

プラスチック製通い容器 

Plastic returnable containers 

1. 適用範囲 この規格は,主として輸送・運搬・保管に,繰り返し使用することを目的としたプラスチ

ック製通い容器(断熱材入り・中仕切り付き及びふた付きのものを除く。以下,容器という。)について規

定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 6900 プラスチック用語 

JIS K 7100 プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態 

JIS K 7211 硬質プラスチックの落錘衝撃試験方法通則 

JIS Z 0105 輸送包装系列寸法 

JIS Z 0108 包装用語 

JIS Z 0202 包装貨物の落下試験方法 

JIS Z 0212 包装貨物及び容器の圧縮試験方法 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900及びJIS Z 0108によるほか,次による

(図1〜3参照)。 

(1) ネスティング形容器 容器の側面に上開きの傾斜がつき,落とし込みによる積重ねが可能なもの。取

っ手金具等を用いて積み重ねるタイプと,容器を回転させて積み重ねるタイプとがある。 

(2) スタッキング形容器 おおむね直方体の容器で,重箱式に積重ね可能なもの。折りたたみできるもの

もある。 

(3) 長側面 容器の長さと高さとで囲まれた面。がわ面ともいう。 

(4) 短側面 容器の幅と高さとで囲まれた面。つま面ともいう。 

(5) かど 長側面,短側面及び底面の交わる部分。 

(6) 上縁 容器開口部周縁。 

(7) 取っ手部 容器を持ち上げるために,対向する短側面に設けた手掛け部。 

(8) 取っ手金具 ネスティング形容器の側面上縁付近に装着する金属製取っ手であって,容器を積み重ね

るときの支持金具。 

(9) 水抜き孔 容器に入った水を抜く孔。 

(10) 積重ねストッパリブ ネスティング形容器を,落とし込みで積重ねをするときに生じる,容器相互の

くい込みを防止するためのリブ。 

(11) 総質量 内容量及び容器質量の合計。 

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Z 1655-1993  

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3. 容器各部の名称 容器各部の名称を図1及び図2に示す。 

図1 ネスティング形容器の例 

図2 スタッキング容器の例 

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Z 1655-1993  

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図2 (続き) 

4. 種類及び記号 容器の種類及び記号は,形状及び形式によって表1のとおりとする。 

表1 種類及び記号 

種類 

記号 

形状 

形式 

ネスティング形 

金具式 

回転式 

スタッキング形 

一体式 

折りたたみ式 

5. 性能 

5.1 

ネスティング形容器 

(1) 4個以上のストッパリブをもち,空容器を落とし込み積み重ねたときに,容易に取外しができること。 

(2) ネスティング形容器に取り付ける取っ手金具は,使用上十分な強度をもち,容器本体から容易に外れ

ないこと。 

5.2 

スタッキング形容器 

(1) 容器を積み重ねたときに,上段容器の底部が下段容器上縁の内側に落ち込み,水平移動を防止できる

こと。 

(2) スタッキング形折りたたみ式容器の折りたたみ接合部分は,使用上十分な強度をもち,容易に折りた

たみ機能を損なわないこと。 

5.3 

圧縮強さ 圧縮強さは,表2に示す圧縮荷重種別に従って,各々10.2の試験を行ったとき,破損,

座屈などの異常がないこと。 

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表2 圧縮荷重種別 

圧縮荷重種別 

備考 

1.5M 

主に手荷役によって1.5m程度に積み重ねられる容器。 

4M 

主に機械荷役によって4mまでに高積みされる容器。 

5.4 

かど落下強さ かど落下強さは,10.3の試験を行ったとき,破損及び著しい変形がないこと。 

5.5 

衝撃強さ 衝撃強さは,10.4の鋼球落下試験を行ったとき,破損がないこと。 

5.6 

懸垂荷重強さ 懸垂荷重強さは,10.5の試験を行ったとき,破損及び著しい変形がないこと。 

6. 総質量 総質量は,30kg以下とする。 

7. 大きさ 大きさは,次のとおりとする。 

(1) 容器の大きさは,長さ×幅×高さによって表す(図3参照)。 

(2) 容器の平面寸法は,JIS Z 0105による。 

(3) 容器の高さは,受渡当事者間の協定による。 

(4) 長さ及び幅の寸法許容差は,±0.7%とする。 

図3 大きさの表し方 

8. 衛生性 容器を食品用に使用する場合には,10.6によって試験を行ったとき,食品衛生法に定める食

品添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合しなければならない。 

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9. 材料 容器に使用するプラスチックの素材は,資源として再利用できるもので,ポリエチレン,ポリ

プロピレン,ABS樹脂,ポリカーボネート,AS樹脂,メタクリル樹脂及びポリアミド樹脂か又はこれら

と同等以上の品質をもつものとする。 

10. 試験方法 

10.1 試験条件 試験は,容器をJIS K 7100に規定する標準温度状態2級の温度23±2℃で2時間以上放

置した後,速やかに行う。 

なお,試験に用いる容器は,成形後48時間以上経過したものを用いる。 

10.2 圧縮試験 圧縮試験は,JIS Z 0212の5.2(方法B)を用いて,容器を3段に重ねた後,表2の圧縮

荷重種別によって,表3.1及び表3.2に示す圧縮試験荷重を加え,容器の破損,座屈などの異常の有無を調

べる。ただし,試験速度は10±2mm/minとする。 

表3.1 圧縮荷重種別が1.5Mの場合の圧縮試験荷重 

単位 N 

容器の高さ 

(cm) 

総質量 

10kg未満 

10kg以上 
15kg未満 

15kg以上 
20kg未満 

20kg以上 
25kg未満 

25kg以上 
30kg以下 

4以上 6未満 

15 000 

22 000 

29 000 

36 000 

44 000 

6以上 8未満 

9 400 

14 000 

19 000 

24 000 

28 000 

8以上10未満 

7 100 

11 000 

14 000 

18 000 

21 000 

10以上12未満 

5 500 

8 200 

11 000 

14 000 

16 000 

12以上14未満 

4 700 

7 100 

9 400 

12 000 

14 000 

14以上16未満 

3 900 

5 900 

7 800 

9 800 

12 000 

16以上18未満 

3 500 

5 300 

7 100 

8 800 

11 000 

18以上20未満 

3 100 

4 700 

6 300 

7 800 

9 400 

20以上22未満 

2 700 

4 100 

5 500 

6 900 

8 200 

22以上24未満 

2 400 

3 500 

4 700 

5 900 

7 100 

24以上26未満 

2 400 

3 500 

4 700 

5 900 

7 100 

26以上28未満 

2 000 

2 900 

3 900 

4 900 

5 900 

28以上30未満 

2 000 

2 900 

3 900 

4 900 

5 900 

30以上32未満 

1 600 

2 400 

3 100 

3 900 

4 700 

32以上34未満 

1 600 

2 400 

3 100 

3 900 

4 700 

34以上36未満 

1 600 

2 400 

3 100 

3 900 

4 700 

36以上 

1 600 

2 400 

3 100 

3 900 

4 700 

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Z 1655-1993  

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表3.2 圧縮荷重種別が4Mの場合の圧縮試験荷重 

単位 N 

容器の高さ 

(cm) 

総質量 

10kg未満 

10kg以上 
15kg未満 

15kg以上 
20kg未満 

20kg以上 
25kg未満 

25kg以上 
30kg以下 

4以上 6未満 

39 000 

58 000 

78 000 

97 000 

120 000 

6以上 8未満 

25 000 

38 000 

51 000 

64 000 

76 000 

8以上10未満 

19 000 

29 000 

38 000 

48 000 

58 000 

10以上12未満 

15 000 

23 000 

31 000 

38 000 

46 000 

12以上14未満 

13 000 

19 000 

25 000 

31 000 

38 000 

14以上16未満 

11 000 

16 000 

21 000 

26 000 

32 000 

16以上18未満 

9 400 

14 000 

19 000 

24 000 

28 000 

18以上20未満 

8 200 

12 000 

16 000 

21 000 

25 000 

20以上22未満 

7 500 

11 000 

15 000 

19 000 

22 000 

22以上24未満 

6 700 

10 000 

13 000 

17 000 

20 000 

24以上26未満 

5 900 

8 800 

12 000 

15 000 

18 000 

26以上28未満 

5 500 

8 200 

11 000 

14 000 

16 000 

28以上30未満 

5 100 

7 600 

10 000 

13 000 

15 000 

30以上32未満 

4 700 

7 100 

9 400 

12 000 

14 000 

32以上34未満 

4 300 

6 500 

8 600 

11 000 

13 000 

34以上36未満 

3 900 

5 900 

7 800 

9 800 

12 000 

36以上38未満 

3 900 

5 900 

7 800 

9 800 

12 000 

38以上 

3 500 

5 300 

7 100 

8 800 

11 000 

10.3 かど落下試験 かど落下試験は,JIS Z 0202によって行い,落下高さは,表4のとおりとする。 

表4 落下高さ及び落下回数 

単位 cm 

記号 

総質量 

落下回数 

(回) 

10kg未満 

10kg以上
15kg未満 

15kg以上
20kg未満 

20kg以上
25kg未満 

25kg以上
30kg以下 

N・T・S 

80 

70 

60 

55 

50 

30 

28 

25 

23 

20 

10.4 鋼球落下試験 鋼球落下試験は,コンクリート,石,鋼板などの堅固な水平面上に容器を伏せ,JIS 

K 7211に規定する呼び球2形(質量1±0.05kg,直径約63mm)の球形おもりを底面中央に向かって1mの

高さから3回自由落下させ,容器の破損の有無を調べる。 

10.5 懸垂荷重試験 懸垂荷重試験は,取っ手金具付き容器について行い,直径15mm以下の鋼球を表5

に規定する質量を容器に入れ,図4のように容器の取っ手金具の中央部につり上げ用具を使用して静かに

つり上げ,5分以上放置した後,取っ手金具,容器などの破損,使用上差し支えのある変形の有無を調べ

る。ただし,つり上げ用具は幅約7cmの鋼板を曲げ,ゴムで覆ったものをロープの一端に取り付けたもの

とする。 

表5 懸垂試験用質量 

単位 kg 

記号 

総質量 

10kg未満 

10kg以上
15kg未満 

15kg以上
20kg未満 

20kg以上
25kg未満 

25kg以上
30kg以下 

25 

38 

50 

63 

75 

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Z 1655-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図4 懸垂荷重試験 

10.6 衛生試験 容器の衛生試験は,食品衛生法に定める食品添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示

第370号)に規定する方法による。 

10.7 試験結果の数値の丸め方 試験結果は,有効数字の1けた下の位まで求めて,JIS Z 8401によって

丸める。 

11. 検査 容器の検査は,種類,性能,総質量,大きさ及び衛生性について行い,4.〜8.に適合しなければ

ならない。 

12. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格番号又は規格名称,平面寸法又はJIS Z 0105による呼び番号,

形状・形式又はそれらの記号,総質量及び圧縮荷重種別による。 

例 平面寸法550×366mm,ネスティング形,金具式,総質量13kg,圧縮荷重種別4Mの場合。 

JIS Z 165511-25N13-4M 

13. 表示 容器には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の項目を表示する。 

(1) JIS Z 0105による呼び番号 

(2) 種類又はその記号 

(3) 総質量及び圧縮荷重種別 

(4) 製造年月又はその略号 

(5) 製造業者名又はその略号 

(6) 使用材料名又はその略号(1) 

注(1) 使用材料名又はその略号については,表示することが望ましい。 

Z 1655-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS Z 1655改正原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所嘱 

(委員長)    

長谷川 良 雄 

社団法人食品流通システム協会 

樋 口 久 俊 

農林水産省食品流通局 

中 島 邦 雄 

通商産業省基礎産業局 

山 村 修 蔵 

工業技術院標準部 

○ 濱 本 哲 司 

社団法人日本パレット協会 

阿 部   要 

社団法人日本包装技術協会 

太 田 弘 喜 

全国農業協同組合連合会 

福 山 健 造 

社団法人日本電子機械工業会 

小 島 克 巳 

社団法人日本自動車部品工業会 

福 永 浩 治 

財団法人食品産業センター 

○ 高 森 秀 夫 

株式会社日通総合研究所 

宇田川 照 男 

日本チェーンストア協会 

○ 安 冨   忍 

矢崎化工株式会社 

○ 下 村 康 夫 

岐阜プラスチック工業株式会社 

○ 一 木 忠 彦 

積水化学株式会社 

○ 藤 井   満 

大日本インキ化学工業株式会社 

○ 田 中 利 勝 

天昇電気工業株式会社 

○ 市 川 昌 彦 

住友化学工業株式会社 

(事務局)    

○ 井 實   稔 

社団法人東日本プラスチック成形工業協会 

(上記以外の分科会委員) 

○ 溝 江 吉 弘 

日本石油化学株式会社 

備考 ○印は分科会委員