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Z 1601:2017  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 形状,寸法,容量及び質量 ································································································· 3 

5 材料······························································································································· 5 

5.1 鋼板 ···························································································································· 5 

5.2 口金 ···························································································································· 6 

6 品質······························································································································· 6 

6.1 外観 ···························································································································· 6 

6.2 性能 ···························································································································· 6 

7 構造······························································································································· 6 

8 仕上げ···························································································································· 7 

9 排出······························································································································· 7 

10 表示 ····························································································································· 7 

11 名称 ····························································································································· 7 

附属書A(規定)ドラムの容量測定法 ······················································································ 8 

附属書B(規定)ドラムの排出試験法······················································································ 10 

附属書JA(規定)試験方法 ··································································································· 12 

附属書JB(規定)表示 ········································································································· 14 

附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 15 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,ドラム缶工業会

(JSDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ

によって,JIS Z 1601:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成30年1月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS Z 1601:2006によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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鋼製タイトヘッドドラム 

Tight head steel drums 

序文 

この規格は,2002年に第1版として発行されたISO 15750-2を基に,技術的内容を変更することなく作

成した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定されていない規定項目を日本工業規格として追加して

いる。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所,附属書JA及び附属書JBは対応国際規格には

ない事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。 

世界中で様々な寸法及び特性をもつ多種多様な鋼製タイトヘッドドラムが使用されている。充塡口の位

置及び外側寸法の違いから,充塡,取扱い及び輸送での相違が生まれる。 

この規格は,国際取引で使用される主な3タイプのドラムについて仕様を提示しており,Aタイプのド

ラム(表1参照)が優先ドラム(preferred target option drum)となっている。また,日本国内で液体の輸送

及び貯蔵容器として主に用いられているものは,Cタイプである。更生缶の再利用を考慮し,鋼板の厚さ

は1.0〜1.6 mmが広く用いられている。 

ドラムを危険物の輸送に用いる場合には,証明書に従って取り付けられるキャップシール又はオーバー

シールを含めて,関係諸国でそれらの商品の輸送に適用される規制の条件に注意しなければならない。つ

まり,輸送の形態に応じて,次の国内法などの要求事項を満たさなければならない。 

− 船舶安全法(昭和8年法律第11号) 

− 消防法(昭和23年法律第186号) 

− 毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号) 

− 航空法(昭和27年法律第231号) 

− UN(国際連合):危険物輸送に関する勧告 

− ICAO(国際民間航空機関):危険物の安全輸送に関する技術指針 

− IMO(国際海事機関):国際海上危険物規程(IMDGコード) 

これは,各規制に従うドラムの証明及び表示を必然的に伴う。 

適用範囲 

この規格は,鋼板から製造され,全容量が212 L,216.5 L及び230 Lの鋼製タイトヘッドドラム(以下,

ドラムという。)について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 15750-2:2002,Packaging−Steel drums−Part 2:Non-removable head (tight head) drums with a 

minimum total capacity of 212 l, 216,5 l and 230 l(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している” 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

注記 対応国際規格:ISO 3573,Hot-rolled carbon steel sheet of commercial and drawing qualities(MOD) 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

注記 対応国際規格:ISO 3574,Cold-reduced carbon steel sheet of commercial and drawing qualities 

(MOD) 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS Z 1604 鋼製ドラム用口金 

注記 対応国際規格:ISO 15750-3,Packaging−Steel drums−Part 3: Inserted flange-type closure systems

(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

鋼製タイトヘッドドラム[non-removable head (tight head) drum] 

鋼製の円筒形包装容器の天板及び地板は胴体に永久的に固定されており,天板に充塡,排出及び通気用

の開口部があるもの。 

3.2 

ダブルシーム 

5重巻きの巻締め。 

3.3 

ラウンドシーム(round seam) 

6重巻き以上の巻締め。 

3.4 

呼び容量(nominal capacity) 

ドラム容量を総称して表すのに用いられる容量。単位は,リットル(L)。 

3.5 

あふれ容量(brimful capacity) 

取り付けられた充塡口を通じてあふれる点まで充塡し,口金にプラグを取り付けたときにドラムに入る

水の容量。単位は,リットル(L)。 

注記 附属書Aで測定法を規定している。 

3.6 

全容量,TC(total capacity) 

完全に充塡したとき,つまり,ドラムに閉じ込められた空気を除去した後,口金にプラグを取り付けた

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ときにドラムに入る水の容量。単位は,リットル(L)。 

注記 附属書Aで測定法を規定している。 

形状,寸法,容量及び質量 

ドラムの形状を,図1に示す。ドラムの寸法は,表1による。容量の試験方法は,附属書Aによる。寸

法及び質量の試験方法は,附属書JAによる。 

鋼板の厚さは0.6〜1.6 mmで,許容差はJIS G 3131,JIS G 3141又は表3の規格に規定するもの(通常

許容差)とする。また,鋼板の板厚の組合せとしては,表2のものを用いるのがよい。その場合は,種類

ごとに表2の最小質量を下回ってはならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

 a 

最終仕上がりの口金(プラグ,キャップシール又はオーバーシール)がチャイムの上端から突き出てはなら
ない。 

ビード位置寸法[(H1−h4)/2] 

注記 図1は,天板の形状として凸,平たん又は凹の三つの可能性があることを示している。A,B,C及びDは,

巻締め形状を示す。A及びBはラウンドシーム,C及びDはダブルシームの一例を示す。Eは,チャイムに
覆輪を取り付けた状態を示す。G2及びG3/4は,JIS Z 1604に規定する口金を示す。 

図1−ドラムの形状 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−ドラムの寸法 

単位 mm 

寸法 

(図1
参照) 

説明 

ドラムタイプA 

ドラムタイプB 

ドラムタイプC 

全容量 

216.5 L 

(最小) 

230 L 

(最小) 

216.5 L 

(最小) 

230 L 

(最小) 

212 L 

(最小) 

D1 

内径 

571.5±2 

571.5±2 

571.5±2 

571.5±2 

566±2 

D2 

輪帯の外径 

585 

(最大) 

585 

(最大) 

596 

(最大) 

596 

(最大) 

585 

(最大) 

D3 

チャイムの外径 

585 

(最大) 

585 

(最大) 

593 

(最大) 

593 

(最大) 

585 

(最大) 

H1 

ドラムの高さ 

878±5 

932±5 

878±5 

932±5 

890±5 

h2 

天板の深さ 

天板の深さは,口金,キャップシール又はオーバーシールがチャイムの上
に突き出ない寸法とする。 

h3 

フロアとの隙間 

4(最小) 

4(最小) 

4(最小) 

4(最小) 

4(最小) 

h4 

ビード間の距離 

280±3 

280±3 

280±3 

280±3 

300±3 

P1 

口金の中心間距離 

444 mm±6 mm又は451 mm±1 mm 

400 mm±6 mm 

P2 

天板から約50 mmの深さで
測定した,胴体外側に対する
G2(50 mm)口金の位置 

72±3 

72±3 

72±3 

72±3 

94±3 

全容量は,附属書Aに従って測定したとき,表1のとおりとする。 
JIS Z 1604に規定するG2ねじ付きの口金の挿入は,その中心線が可能な限り垂直になるようにする。 

注記1 天板を凹状にして製作するドラムは,規定の容量とするためにドラムの高さH1を4 mm引き上げてもよい。 
注記2 提示した三つのドラムタイプのうち,A及びCの外側寸法は,ISO 668に規定するISOコンテナ内に4個

のドラムを並べて積むのに最適である。 

表2−ドラム使用鋼板の種類及び質量 

種類 

板厚 mm 

質量 kg 
(最小) 

天板及び地板 

胴体 

H級 

1.6 

1.6 

27.5 

M級 

1.2 

1.2 

20.5 

LM級 

1.2 

1.0 

18.0 

L級 

1.0 

1.0 

17.0 

SL級 

1.0 

0.9 

15.9 

FL級 

1.0 

0.8 

14.6 

ステンレスドラムのH級の板厚は,1.5 mm,質量(最小)は

25.5 kgとする。 

材料 

5.1 

鋼板 

胴体,天板及び地板は,JIS G 3131に規定する熱間圧延軟鋼板及び鋼帯,JIS G 3141に規定する冷間圧

延鋼板及び鋼帯若しくは表3に規定する鋼板,又はこれらと同等以上の品質をもつ鋼板を用いる。また,

これよりも強度の大きい鋼板を用いてもよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3−鋼板 

規格番号 

規格名称 

JIS G 3302 

溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 

電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 

冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

5.2 

口金 

口金フランジは金属製で,口金プラグは金属製又はプラスチック製のものを用いる。 

品質 

6.1 

外観 

外観は,附属書JAによって試験したとき,ドラムの巻締め及び溶接が良好で,内外面は平滑で,きず,

さび,有害な酸化被膜,ばり,その他使用上有害な欠点があってはならない。 

6.2 

性能 

6.2.1 

気密性 

気密性は,附属書JAによって試験したとき,漏れがあってはならない。ただし,JA.3.1.1のa)及びb)

については,連続的な気泡の発生があってはならない。JA.3.1.1 c)については,圧力の低下があってはなら

ない。 

6.2.2 

落下強度 

落下強度は,附属書JAによって試験したとき,落下衝撃後,漏れがあってはならない。ただし,落下

衝撃直後に発生する水滴の飛散は,その量の多少にかかわらずその後継続的な漏れと認められない場合及

び落下衝撃時に,口金から僅かな漏れがあってもその後漏れが起こらない場合は,判定から除外する。 

6.2.3 

耐圧性 

耐圧性は,附属書JAによって試験したとき,漏れがあってはならない。 

6.2.4 

積重ね強度 

積重ね強度は,附属書JAによって試験したとき,漏れがあってはならない。また,輸送の安全性に悪

影響を及ぼすおそれがある変質,又は容器の強度を弱めたり,若しくは積重ねの安全性を損なうおそれが

ある変形があってはならない。 

構造 

構造は,次による。 

a) 胴体,天板及び地板は,使用目的によって適切な厚みの鋼板で構成する。 

b) 胴体の縦方向の継目は,溶接する。 

c) 胴体,天板及び地板は,巻締め用充塡剤を使用し,図1のA,B,C又はDに示すような巻締めを行

うか,又はその他の接合法(例えば,溶接)によって永久的に固定する。また,チャイムに補強のた

め,Eに示すような覆輪を取り付けてもよい。 

d) 胴体に拡張,又はロール加工された二つの輪帯(ビード)の位置は,図1に示すとおりとする。図示

したもの以外の輪帯の構造でも差し支えない。また,胴体をコルゲート(小波)で補強してもよい。 

注記 好ましいドラムタイプは,輪帯が二つだけのドラムである。 

e) 各口金は天板に,図1に示すとおり正反対の位置に付ける。 

f) 

口金は,受渡当事者間で改めて合意する場合を除き,JIS Z 1604の規定によるものを用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) 口金フランジが本質的に漏れ止めでない限り,口金フランジにはフランジガスケット又はその他のシ

ーリングエレメントを使用する。 

h) 金属製又はプラスチック製の口金プラグには,適切な材料のプラグガスケットを取り付ける。 

i) 

天板に圧入後の口金フランジは,JIS Z 1604に規定するドラム缶に圧入されたフランジのねじ部検査

用ゲージが支障なく通る。 

仕上げ 

仕上げは,次による。 

a) 内部及び外部の外観,並びに仕上げの仕様は,受渡当事者間の協定による。 

b) 胴体,天板,地板及び口金に使用する材料が,輸送しようとする内容物と本質的に相性がよくない場

合には,適切な内部保護塗装又は処理を施す。これらの塗装及び処理は,通常の輸送条件下で保護特

性が維持できなければならない。 

排出 

ドラムは,排出後の内部に残る液体の量を最小限に抑制するように設計しなければならない。残留物は,

附属書Bの手順Aに従って試験したとき100 mL以下,又は附属書Bの手順Bに従って試験したとき受渡

当事者間の協定による値以下とする。 

注記 手順Bに従った場合の残留物は,手順Aの場合よりも,包装容器の内側表面の面積及び状態に

依存する度合いが大きい。したがって,手順Aの場合の残留量を超える可能性がある。 

10 表示 

ドラムの地板には,容易に消えない方法で附属書JBに規定した表示を行う。 

11 名称 

この規格の全ての要求事項に適合したドラムの名称は,次の例による。 

鋼製タイトヘッドドラムJIS Z 1601−全容量TC−ドラムタイプ 

例1 鋼製タイトヘッドドラムJIS Z 1601−216.5TC−A 

例2 鋼製タイトヘッドドラムJIS Z 1601−230TC−B 

例3 鋼製タイトヘッドドラムJIS Z 1601−212TC−C 

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附属書A 

(規定) 

ドラムの容量測定法 

A.1 原理 

ドラムの容量は,包装容器内の水の質量を測定し,それを容量に換算することによって決定する。表A.1

に従って補正率を適用することができるが,それは,使用するはかりの精度が補正率よりも高い場合に限

る。 

表A.1−温度依存の補正率 

水温 ℃ 

補正率 F 

12 

1.000 5 

14 

1.000 8 

16 

1.001 1 

18 

1.001 4 

20 

1.001 8 

22 

1.002 2 

24 

1.002 7 

26 

1.003 3 

28 

1.003 8 

30 

1.004 4 

A.2 器具 

はかりの精度は,測定しようとする質量の少なくとも0.1 %でなければならない。 

A.3 手順 

A.3.1 全容量の決定 

全容量の決定は,次による。 

a) 閉めたドラムの最も高い位置に直径5〜10 mmの通気用の孔をドリルで一つあける。孔の位置は,天

板の輪郭によって異なる。 

b) 空のドラムを検量し,その質量(m1)をグラム単位で記録する。 

c) 水道水を使用し,その温度を測定する。 

d) 他の全ての口金にプラグを取り付けた状態で,通常の充塡口金を通じてドラムに水を入れ,あけた孔

を通じて空気が出ることを確かめる。ドラムに100 %給水する。充塡孔は最高の位置とする。 

e) 口金にプラグを取り付けて固定し,外側から過剰な水を取り除く。満水のドラムを検量し,その質量

(m2)をグラム単位で記録する。 

A.3.2 あふれ容量の決定 

作業の順序は,閉じ込められた空気を排出するための孔をあけないという点を除いて,全容量の場合と

全く同じである。ドラムを通常充塡するときと同じように置き,水が口金からあふれ出るまで給水する。 

A.4 結果の表示 

質量の差(m2−m1)が,[必要ならそれに補正率(F)を乗じることによって]使用する手順で決定され

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たドラムの容量を表す。 

10 

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附属書B 

(規定) 

ドラムの排出試験法 

B.1 

原理 

重力下での排出後のドラム内の残留物としての水の質量を測定する方法を規定するものである。排出能

力には,絶対排出能力と相対的排出能力がある。 

B.2 

器具 

はかりの精度は,少なくとも±2 gでなければならない。 

B.3 

手順 

B.3.1 手順A(ドラムの上の部分を使用する手順) 

手順Aは,次による。 

a) ドラムを半分に切断する。 

b) 上半分を残し,適切な口金プラグ(複数可)を取り付ける。 

c) 口金にプラグを取り付けた上半分を検量し,その質量(m1)をグラム単位で記録する。 

d) その半缶を逆さまにして試験台の上に置き,指定口金開口部を最も低い位置にして,製造業者の規定

する角度(0〜20°が望ましい。)に保持する。 

e) その半缶に約10 Lの水道水を入れる。 

f) 

水の表面が静止するまで待ってから,口金のプラグを開ける。 

g) 半缶を動かしたりゆすったりしないで5分間排水してから,口金にプラグを再び取り付け,ドラム外

面に付着した余分な水を取り除く。 

h) 逆さまにしたまま半缶を再び検量し,その質量(m2)をグラム単位で記録する。 

B.3.2 手順B(完全なドラムを使用する手順) 

手順Bは,次による。 

a) 口金プラグ(複数可)を含む空のドラムを検量し,その質量(m1)をグラム単位で記録する。 

b) ドラムに限定された量(約10 L)の水道水を入れる。口金にプラグを取り付ける。 

c) ドラムを回転させて,内側の全ての表面が水にぬれるようにする。 

d) ドラムのプラグを開け,指定口金開口部を最も低い位置にして,水平の姿勢に置き,液体の流れが止

まるまで放置する(図B.1の姿勢1参照)。 

e) 最適の排出を保証する製造業者が推奨する角度α(0〜20°が望ましい。)まで,ゆっくりとドラムを

傾け,ドラムを動かしたりゆすったりしないで5分間,この姿勢(姿勢2)にしておく。 

f) 

指定の口金にプラグを再び取り付けて固定し,ドラム外面に付着した余分な水を取り除く。 

g) この空になったドラムを検量し,その質量(m2)をグラム単位で記録する。 

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11 

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 1 

姿勢1 

姿勢2 

指定の口金 

図B.1−ドラムの排出 

B.4 

結果の表示 

質量の差(m2−m1)が,そのドラム内の残留物であり,ドラムの絶対排出能力という。 

ドラムの相対的排出能力は,その絶対排出能力を全容量のパーセンテージとして表したものとして計算

する。 

12 

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附属書JA 

(規定) 
試験方法 

JA.1 概要 

この附属書は,液体の輸送及び貯蔵容器として用いるドラムの試験方法について規定する。 

JA.2 試験方法 

JA.2.1 外観,構造及び形状 

JA.2.1.1 試験方法 

ドラムの外観,構造及び形状は,規定された項目及び図に示された構造及び形状について,通常目視に

よって試験する。 

JA.2.2 寸法及び質量 

JA.2.2.1 試験方法 

ドラムの寸法及び質量の試験における測定は,許容差に対し,適切な精度をもった測定器によって行う。

ただし,内径については,次の式によって求める。 

内径 D1=(外周/π)−(呼び板厚×2) 

JA.3 試験方法 

JA.3.1 気密試験 

JA.3.1.1 試験方法 

気密試験は,ドラムにゲージ圧力20 kPaの圧縮空気を加え,次のいずれかによって漏れの有無を調べる。

ただし,保持時間は5分間。 

a) ドラムを水中に浸す方法 

b) ドラムの溶接部,巻締め部及び口金部に石けん水を塗布する方法 

c) 圧力計の圧力の変化によって確認する方法 

d) これと同等以上の有効な方法 

注記 圧力計の圧力の変化による方法で試験する場合は,次による。 

天板口金にフルスケールが100 kPaの圧力ゲージ及び圧縮空気挿入ノズルを装着し,ドラ

ムに適切な方法でゲージ圧力20 kPaの圧縮空気を加える。ただし,加圧時のドラムの膨張に

よって正確な試験が困難な場合には,ゲージ圧力30 kPa程度まで圧縮空気を加え,ゲージの

指示値が安定したことを確認した後,正確に20 kPaに降圧し5分間保持するなどの方法によ

ることができる。 

JA.3.2 落下試験 

JA.3.2.1 試験方法 

落下試験は,水をあふれ容量の98 %以上充塡し,落下姿勢は,天板を下にして,胴体溶接部に最も近い

チャイムを衝撃点として対角落下及び胴体溶接部を衝撃点とする水平落下を行う。落下高さは0.8 mとし,

コンクリート又はこれと同程度の堅固な水平面上に落下させ,漏れの有無を調べる。 

13 

Z 1601:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JA.3.3 水圧(耐圧)試験 

JA.3.3.1 試験方法 

水圧試験は,ドラムに適切な方法で水を注入し,このドラムの胴体溶接部が上面になるように横置きに

して,ゲージ圧力100 kPaで5分間試験し,漏れの有無を調べる。 

JA.3.4 積重ね試験 

JA.3.4.1 試験方法 

積重ね試験は,ドラムに水をあふれ容量の98 %以上を充塡して縦置きにし,その上に次の式によって算

出した積重ね質量以上の荷重を加え,24時間放置した後,漏れ及び変形の有無を調べる。 

G

h

h

W

×

=3

ここに, 

W: ドラムの上部に加える積重ね質量(kg) 

G: 比重1で計算した1缶当たりの質量(kg) 

h: ドラムの高さ(H1)の単位をメートルで表した値 

14 

Z 1601:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(規定) 

表示 

JB.1 概要 

この附属書は,液体の輸送及び貯蔵容器として用いるドラムの表示事項及び表示方法について規定する。 

JB.2 表示 

ドラムの地板には,容易に消えない方法で次の事項を表示する。文字及び数字の大きさは,その縦長さ

を18 mm以上とする。 

a) 製造業者名の略号 

b) 板厚(mm) 

c) 呼び容量(L) 

d) 製造年月の略号 

例  

a) 製造業者名の略号 ABC 

b) 板厚 胴体1.0 mmと天板及び地板1.2 mmとの組合せ 

c) 呼び容量 200 L 

d) 製造年月の略号 2016年7月製造 

  

ABC 

1.0/1.2−200−16−7 

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15 

Z 1601:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JC 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS Z 1601:2017 鋼製タイトヘッドドラム 

ISO 15750-2:2002,Packaging−Steel drums−Part 2: Non-removable head (tight head) 
drums with a minimum total capacity of 212 l, 216,5 l and 230 l 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異
の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の理由及
び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び 
定義 

鋼製タイトヘッドドラ
ム,ダブルシーム,ラウ
ンドシーム,呼び容量,
あふれ容量,全容量。 

鋼製タイトヘッドドラ
ム,ラウンドシーム,公
称容量,あふれ容量,全
容量。 

追加 

ダブルシームを追加。 

国内ではダブルシームが残っているため。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

4 形状,寸
法,容量及
び質量 

ドラムの形状,寸法,使
用鋼板の組合せを規定。 

ドラムの形状,寸法を規
定。 

追加 

使用鋼板の組合せ(表2)
を追加。 

国内で使用されている板厚の組合せ及びそれ
ぞれの質量も追加。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

5 材料 

JIS G 3131,JIS G 3141,
JIS G 3302,JIS G 3313,
JIS G 4305 

ISO 3573, 
ISO 3574 

追加 

鋼板JISの材料(表3)
を追加。 

使用材料がJIS品であるため。使用材料を規
定するのが妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

6 品質 

外観,性能(気密性,落
下強度,耐圧性,積重ね
強度)を規定。 

− 

− 

追加 

外観,性能を追加。 

容器としての最低性能及びその試験方法を規
定するのが妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

7 構造 

胴体,天板及び地板の構
造を規定。 

JISとほぼ同じ。 

追加 

図1にダブルシーム断
面図を追加。 
図1にチャイム補強の
覆輪断面図を追加。 

国内ではダブルシームが残っているため。 
国内では覆輪によるチャイム補強が残ってい
るため。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

追加 

天板に圧入後の口金フ
ランジの検査を追加。 

圧入によるひずみがあるので,検査用ゲージ
を用いて検査するのが妥当。次回ISO規格改
正時に申し入れを行う。 

5

Z

 1

6

0

1

2

0

1

7

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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16 

Z 1601:2017  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異
の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の理由及
び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

10 表示 

地板への表示を規定。 

− 

− 

追加 

表示を追加。 

製品の履歴を示す最低限の表示を規定するの
が妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

11 名称 

JIS名称だけ。 

ISO名称だけ。 

追加 

JIS名称で統一。 

複数名称の使用で混乱を防止するため。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

附属書JA 
(規定) 

試験方法 

− 

− 

追加 

試験方法を追加。 

容器としての最低性能及びその試験方法を規
定するのが妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

附属書JB 
(規定) 

表示 

− 

− 

追加 

表示方法を追加。 

製品の履歴を示す最低限の表示を規定するの
が妥当。 
国内の実状であり,ISOへの提案は行わない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15750-2:2002,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

5

Z

 1

6

0

1

2

0

1

7

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。