Z 1571:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 品質······························································································································· 3
5 構造······························································································································· 3
5.1 スリーピース缶 ············································································································· 3
5.2 ツーピース缶 ················································································································ 3
6 種類,寸法及び内容積 ······································································································· 5
6.1 一般 ···························································································································· 5
6.2 スリーピース缶 ············································································································· 5
6.3 ツーピース缶 ················································································································ 7
7 測定方法························································································································· 9
7.1 内径・開口径の測定 ······································································································· 9
7.2 高さ(空缶)の測定 ······································································································· 9
7.3 内容積 ························································································································· 9
7.4 内容積の測定 ··············································································································· 10
8 材料······························································································································ 11
8.1 板材 ··························································································································· 11
8.2 胴用接着剤 ·················································································································· 11
8.3 巻締め用密封材 ············································································································ 11
8.4 内面塗料 ····················································································································· 11
8.5 合成樹脂フィルム ········································································································· 11
9 検査······························································································································ 11
10 製品の呼び方 ················································································································ 11
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本製缶協会(CMIJ)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,
JIS Z 1571:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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食品缶詰用金属缶の仕様
Specifications for hermetically sealed metal cans for food and drink
序文
この規格は,1997年に第2版として発行されたISO 90-1及び第4版として発行されたISO 1361,並び
に1993年に第1版として発行されたISO 10653及びISO 10654を基に,形状及び寸法については対応国際
規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定さ
れていない品質,構造,材料,検査方法及び呼び方の規定を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の一覧表にその説
明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,食品(飲料を含む。)の缶詰の容器として用いられる金属缶のうち,ツーピース及びスリー
ピースの円形オープントップ缶(以下,缶という。)の仕様について規定する。
なお,内容物を充塡し,巻締め密封したものには適用しない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 90-1:1997,Light gauge metal containers−Definitions and determination of dimensions and
capacities−Part 1: Open-top cans
ISO 1361:1997,Light-gauge metal containers−Round open-top cans−Internal diameters
ISO 10653:1993,Light-gauge metal containers−Round open-top cans−Cans defined by their nominal
gross lidded capacities
ISO 10654:1993,Light-gauge metal containers−Round open-top cans−Cans for liquid products with
added gas, defined by their nominal filling volumes(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 3303 ぶりき及びぶりき原板
JIS G 3315 ティンフリースチール
JIS H 2108 すず地金
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
2
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
缶
金属板製の小容器。
3.2
オープントップ缶
缶の一方の口が充塡後に二重巻締めされるもの。
3.3
缶胴
胴と底蓋(ボトム蓋)とからなるもの。空缶ともいう。
3.4
胴
金属材料を円筒形に成形したもの。
3.5
底蓋
金属材料を打抜き成形し,巻締め用密封材を塗布し,製缶工程で胴に巻き締められるもの。ボトム蓋と
もいう。
3.6
蓋
金属材料を打抜き成形し,巻締め用密封材を塗布し,内容物充塡後,缶胴に巻き締められるもの。トッ
プ蓋ともいう。
3.7
スリーピース缶
胴,底蓋及び蓋の3部分品からなる缶。
3.8
ツーピース缶
一体成形された缶胴及び蓋の2部分品からなる缶。
3.9
ネックドイン
缶の一端又は両端の口径を絞り加工によって小さくする作業。形状によってダブルネックドイン,トリ
プルネックドインなどの多段ネックドイン,スムースネックドインなどがある。
3.10
ステップサイド
缶の一端の口が断面寸法において拡大されている形状。
3.11
ビード
缶胴に同心円上の凹凸を付けた形状。
3.12
イージーオープン
3
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開口用の道具を使用せずに,容易に開口できる方法。
3.13
テーパ
缶胴上部(蓋側)の径が連続的に下部(底側)から拡大されている形状。
3.14
張出し
胴の一部が拡大されている形状(図1参照)。
3.15
開口径
蓋を巻き締める缶胴部分の内径(図2参照)。
4
品質
缶の内面及び外面に,使用上有害な欠点があってはならない。
注記 缶は,その用途によって食品衛生法の食品,添加物等の規格基準(昭和34年 厚生省告示第
370号)又は乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年 厚生省令第52号)が適用
される。
5
構造
5.1
スリーピース缶
5.1.1
胴
8.1に規定する1枚の板材を円筒形に成形し,サイドシームを溶接するか又は8.2に規定する接着剤によ
って接合し,必要に応じて,ネックドイン,ビード又は張出し加工を施し,フランジ成形を行う(図1参
照)。
5.1.2
蓋又は底蓋
8.1に規定する板材を打抜き成形し,8.3に規定する巻締め用密封材を塗布し,必要に応じて,イージー
オープン機能を付与する(図3及び図4参照)。
5.2
ツーピース缶
5.2.1
缶胴
8.1に規定する板材を打抜き成形し,必要に応じて,ネックドイン,ステップサイドなどの加工を施し,
フランジ成形を行う(図2参照)。
5.2.2
蓋
8.1に規定する板材を打抜き成形し,8.3に規定する巻締め用密封材を塗布し,必要に応じて,イージー
オープン機能を付与する(図3及び図4参照)。
4
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図1−スリーピース缶の例
図2−ツーピース缶の例
図3−蓋の例
5
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図4−二重巻締め断面拡大図
6
種類,寸法及び内容積
6.1
一般
a) 内径・開口径の測定方法 缶の内径及び開口径は,7.1に規定する方法によって測定する。
b) 高さの測定方法 缶の高さは,7.2に規定する方法によって測定する。
c) 内容積の測定方法 缶の内容積は,7.3及び7.4に規定する方法によって測定する。
6.2
スリーピース缶
6.2.1
スリーピース食料缶
スリーピース食料缶は,次による。
a) 種類,寸法及び内容積 缶の種類,寸法及び内容積は,表1による。
6
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表1−スリーピース食料缶の種類,寸法及び内容積
種類
寸法
mm
内容積
ml
缶の呼び
(参考)
内径
内径
許容差
高さ
1号缶
153.3
±0.2
177.0
3100
603×700
2号缶
98.9
±0.1
121.2
878
401×412.5
3号缶
83.4
113.2
581
307×407.5
4号缶
74.1
113.2
458
301×407.5
5号缶
74.1
81.5
322
301×303.5
6号缶
74.1
59.3
226
301×205.5
7号缶
65.4
101.3
317
211×400
8号缶
65.4
52.9
155
211×201.5
平2号缶
83.4
51.3
240
307×200.5
平3号缶
74.1
34.7
121
301×106
かに2号缶
83.4
56.1
266
307×203.5
かに3号缶
74.1
39.4
139
301×109
小型1号缶
52.4
88.6
178
202×308
小型2号缶
52.4
52.9
100
202×201.5
マッシュルーム2号缶
65.4
69.6
211
211×212
マッシュルーム3号缶
74.1
95.5
383
301×312
ツナ1号缶
98.9
59.3
402
401×205.5
ツナ2号缶
83.4
45.8
212
307×113
ツナ3号缶
65.4
39.4
110
211×109
ツナ2キロ缶
153.3
±0.2
114.0
1961
603×408
果実7号缶
65.4
±0.1
81.5
251
211×303.5
特殊7号缶
65.4
76.0
233
211×300
ポケット4号缶
74.1
30.5
103
301×103.5
携帯缶
74.1
50.8
189
301×200
注記1 表1の規定は,特殊成形を施さない胴,蓋及び底蓋を用いた缶に適用する。ただ
し,1号缶はビード加工が標準仕様となっている。
注記2 イージーオープン,ネックドイン,ビードなどの特殊成形を施すものについては,
表1の値と異なるため,寸法及び内容積は,受渡当事者間の協定による。
b) 高さの許容差 缶の高さの許容差は,表2による。
表2−スリーピース食料缶の高さの許容差
項目
許容差
高さ mm
±0.5
c) 内容積の許容差 内容積の許容差は,表3による。
7
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表3−スリーピース食料缶の内容積の許容差
内容積の区分
v ml
許容差
%
ml
v≦1 000
±2
−
1 001≦v≦1 334 a)
−
±20
1 335≦v≦2 000
±1.5
−
2 001≦v≦3 000 a)
−
±30
3 001≦v
±1
−
注a) 表1には,この区分に該当する缶は規定していない。
6.2.2
スリーピース飲料缶
スリーピース飲料缶は,次による。
a) 種類,寸法及び内容積 缶の種類,寸法及び内容積は,表4による。
表4−スリーピース飲料缶の種類,寸法及び内容積
種類
寸法
mm
内容積
ml
缶の呼び
(参考)
内径
内径
許容差
高さ
202径160グラム スリーピース缶
52.4
±0.1
88.6
168
202 ×308
202径170グラム スリーピース缶
52.4
97.3
187
202 ×313.5
202径190グラム スリーピース缶
52.4
104.5
203
202 ×402
202径250グラム スリーピース缶
52.4
133.1
264
202 ×504
207.5径250グラム スリーピース缶
59.8
105.8
269
207.5 ×403
211径200グラム スリーピース缶
65.4
73.7
209
211 ×214.5
211径250グラム スリーピース缶
65.4
92.4
271
211 ×310.5
211径280グラム スリーピース缶
65.4
101.3
302
211 ×315.5
211径350グラム スリーピース缶
65.4
122.0
371
211 ×413
211径500グラム スリーピース缶
65.4
167.7
525
211 ×610
注記1 表4の規定は,ネックドイン加工を施した胴,及びイージーオープン機能を付与した蓋又は底蓋
を用いた缶に適用する。
注記2 ビードなどの特殊成形を施すものについては,表4の値と異なるため,寸法及び内容積は,受渡
当事者間の協定による。
b) 高さ及び内容積の許容差 缶の高さ及び内容積の許容差は,表5による。
表5−スリーピース飲料缶の高さ及び内容積の許容差
項目
許容差
高さ
mm
±0.5
内容積
%
±2
6.3
ツーピース缶
6.3.1
ツーピース食料缶
ツーピース食料缶は,次による。
a) 種類,寸法及び内容積 缶の種類,寸法及び内容積は,表6による。
8
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表6−ツーピース食料缶の種類,寸法及び内容積
種類
寸法
mm
内容積
ml
開口径
開口径
許容差
211径110グラム ツーピース缶
65.6
±0.2
107
301径100グラム ツーピース缶
74.0
100
301径120グラム ツーピース缶
74.0
118
301径180グラム ツーピース缶
74.0
181
307径170グラム ツーピース缶
83.2
±0.3
169
307径200グラム ツーピース缶
83.2
196
注記1 表6の規定は,ステップサイド成形,テーパ成形を含む缶胴及びイ
ージーオープン機能を付与した蓋を用いた缶に適用する。
注記2 ネックドイン,ビードなどの特殊成形を施すものについては,表6
の値と異なるため,寸法及び内容積は,受渡当事者間の協定による。
b) 内容積の許容差 内容積の許容差は,表7による。
表7−ツーピース食料缶の内容積の許容差
内容積の区分
v ml
許容差
%
ml
v≦ 80 a)
±5
−
81≦v≦100
−
±4
101≦v≦150
±4
−
151≦v≦200
−
±6
注a) 表6には,この区分に該当する缶は規定していない。
6.3.2
ツーピース飲料缶
ツーピース飲料缶は,次による。
a) 種類,寸法及び内容積 缶の種類,寸法及び内容積は,表8による。
表8−ツーピース飲料缶の種類,寸法及び内容積
種類
寸法
mm
内容積
ml
缶の呼び
(参考)
内径
内径
許容差
高さ
202径135グラム ツーピース缶
52.7
±0.3
79.0
149
202×302
202径160グラム ツーピース缶
52.7
91.6
177
202×310
202径200グラム ツーピース缶
52.7
110.0
216
202×405.5
202径250グラム ツーピース缶
52.7
133.0
266
202×504
211径250グラム ツーピース缶
65.9
92.8
272
211×310.5
211径280グラム ツーピース缶
65.9
101.7
302
211×400
211径350グラム ツーピース缶
65.9
122.2
372
211×413
211径500グラム ツーピース缶
65.9
166.7
523
211×609
注記1 表8の規定は,ネックドイン加工を施した缶胴及びイージーオープン機能を付与した蓋を用いた
缶に適用する。
注記2 ビードなどの特殊成形を施すものについては,表8の値と異なるため,寸法及び内容積は,受渡
当事者間の協定による。
9
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b) 高さ及び内容積の許容差 缶の高さ及び内容積の許容差は,表9による。
表9−ツーピース飲料缶の高さ及び内容積の許容差
項目
許容差
高さ
mm
±0.3
内容積
%
±2
7
測定方法
7.1
内径・開口径の測定
内径及び開口径の測定は,次による。
a) 内径は,プラグゲージで胴又は缶胴の内側断面寸法を測定するか,又はノギスで測定した外側断面寸
法から計算する。
b) 開口径は,蓋が固定される側の口の内側断面寸法に適用するプラグゲージを使って測定する。
7.2
高さ(空缶)の測定
缶の高さは,ノギス又はハイトゲージを使って測定する(図5参照)。
図5−オープントップ缶の高さの測定方法
7.3
内容積
7.3.1
容積の決定
容積を求める方法は,全ての缶の中の水の体積によって決定する。
7.3.2
温度依存修正係数
温度依存修正係数は,表10による。
10
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表10−温度依存修正係数
水の温度
℃
修正係数 F
12
1.000 5
14
1.000 8
16
1.001 1
18
1.001 4
20
1.001 8
22
1.002 2
24
1.002 7
26
1.003 3
28
1.003 8
30
1.004 4
7.3.3
はかりの精度
対象となる質量測定に使用するはかりの目盛は,表11に示す精度とする。
表11−はかりの精度
単位 g
質量の区分 m
精度
m≦ 500
±0.5
500<m≦2 500
±1.0
2500<m≦5 000
±2.5
5000<m
±5.0
7.4
内容積の測定
内容積の測定は,次による。
a) 変形がない缶胴及び蓋を用意する。
b) 缶に巻き締めていない蓋に3〜6 mm径の孔を約7 mm離して,内面側から外面側に向かって二つあけ
る(孔の位置は,蓋の形状によって決まる。)。
c) この蓋を通常の方法で胴に巻き締める。
d) 缶の質量(m1)をグラム単位で測定する(7.3.3参照)。
e) 水の温度を測定する(7.3.2参照)。
f)
孔ができるだけ高い位置になるようにして,孔の一つを通して缶に水を満たす。水がもう一方の孔か
らあふれたら,指で孔を塞いで,缶を軽く揺すって完全に缶内が水で満たされるようにする。
g) 上記の充塡方法で缶が変形する場合には,次の手順による。
1) 水を満たした容器の中に缶を置く。
2) 孔の位置が高くなるように缶を寝かせて傾けていく。
3) 一方の孔から缶に水を入れ,完全に満たす。
4) 容器の水位は,最低でも缶の高さ+10 mm以上になるように水を満たす。
5) 小さな粘着テープで孔を塞ぐ。缶を容器から取り出す。
h) 缶の外側に付着した余分な水を取り除く。
i)
水で満たされた缶の質量(m2)をできるだけ精密にグラム単位で測定する(7.3.3参照)。
j)
質量差(m2−m1)に修正係数(7.3.2参照)を乗じた値を内容積(ml)とする。
11
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8
材料
8.1
板材
8.1.1
ぶりき板
ぶりき板は,JIS G 3303に規定するものとする。
8.1.2
アルミニウム合金板
アルミニウム合金板は,JIS H 4000に規定するもの,又はこれと同等以上の品質のものとする。
8.1.3
ティンフリースチール
ティンフリースチールは,JIS G 3315に規定するものとする。
8.1.4
鋼板
鋼板は,JIS G 3303に規定するもののうち,ぶりき原板に塗装性,耐食性などをもたせるため適切な表
面処理を行ったものとする。
8.2
胴用接着剤
胴接合部は,JIS H 2108に規定するすず地金を用いるろう接溶接によって接合する。また,合成樹脂接
着剤を使用する場合には,内容物に対し適切な品質をもち,かつ,必要な接着強度をもつものとする。
8.3
巻締め用密封材
巻締め用密封材は,内容物に対し適切な品質をもち,かつ,必要な耐久性をもつものとする。
8.4
内面塗料
内面に塗装を行う場合には,内容物に対し適切な品質をもつ塗料とする。
8.5
合成樹脂フィルム
内面に合成樹脂フィルムを使用する場合には,内容物に対し適切な品質をもつフィルムとする。
9
検査
検査は,品質,構造,寸法,内容積及び材料について箇条7などによって行い,箇条4〜箇条6及び箇
条8の規定に適合しなければならない。
10 製品の呼び方
製品の呼び方は,製品の名称及び種類による。
例 食品缶詰用金属缶 5号缶
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Z 1571:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 1571:2016 食品缶詰用金属缶の仕様 ISO 90-1:1997,Light gauge metal containers−Definitions and determination of dimensions and capacities−Part 1: Open-top cans
ISO 1361:1997,Light-gauge metal containers−Round open-top cans−Internal diameters
ISO 10653:1993,Light-gauge metal containers−Round open-top cans−Cans defined by their nominal gross lidded capacities
ISO 10654:1993,Light-gauge metal containers−Round open-top cans−Cans for liquid products with added gas, defined by their
nominal filling volumes
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対
策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 品質
密封性及び衛生性について
規定。
ISO 10653
ISO 10654
−
−
追加
ISO規格にない密封性,衛生性に
ついて規定。
品質についての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
5 構造
ツーピース及びスリーピー
ス缶の円形オープントップ
缶について規定。
ISO 90-1
−
−
追加
ISO規格にない,構造について規
定。
構造についての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
6 種類,寸
法及び内容
積
スリーピース食料缶につい
て種類ごとに内径,高さ及び
内容積を規定。
ISO 10653 3
公称総内容量ごとに
公称直径を規定。
追加
ISO規格は高さについては規定し
ていないが,JISでは高さについ
ても規定。
高さについての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
内径について74 mm(呼び径
301)を規定。
内径について73 mm
(呼び径300)を規
定。
変更
JISは内径74 mm(呼び径301)を
規定。ISO規格は内径73 mm(呼
び径300)を規定。
我が国の実状によるもので,
ISOには提案しない。
スリーピース飲料缶につい
て種類ごとに内径,高さ及び
内容積を規定。
ISO 10653 3
公称総内容量ごとに
公称直径を規定。
追加
ISO規格は高さについては規定し
ていないが,JISは高さについて
も規定。
高さについての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
開口径について74 mm(呼び
径301)を規定。
ISO 10653 3
開口径について73
mm(呼び径300)を
規定。
変更
JISは開口径74 mm(呼び径301)
を規定。ISO規格は開口径73 mm
(呼び径300)を規定。
我が国の実状によるもので,
ISOには提案しない。
3
Z
1
5
7
1
:
2
0
1
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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Z 1571:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対
策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 種類,寸
法及び内容
積(続き)
ツーピース飲料缶について
種類ごとに内径,高さ及び内
容積を規定。
ISO 10654 3
公称充塡量ごとに公
称缶胴直径を規定。
追加
ISO規格は高さについては規定し
ていないが,JISは高さについて
も規定。
高さについての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
スリーピース食料・飲料缶に
ついて内容積,高さ及び内径
の許容差を規定。
ISO 90-1
ISO 1361
ISO 10653
5
3
3
内容積及び内径の許
容差を規定。
追加
ISO規格は高さについては規定し
ていないが,JISは高さについて
も規定。
高さについての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
ツーピース飲料缶について
内容積,高さ及び内径の許容
差を規定。
ISO 90-1
ISO 1361
ISO 10654
−
−
追加
ISO規格は許容差については規定
していないが,JISは許容差につ
いても規定。
許容差についての規定は必
要であり,今後ISOに提案し
ていく。
スリーピース食料・飲料缶は
次の内容で規定。
ISO 90-1
ISO 1361
ISO 10653
5
3
3
−
追加
ISOは高さについては規定してい
ない。
許容差についての規定は必
要であり,今後ISOに提案し
ていく。
高さ:±0.5 mmを許容
内容積:1 000 ml以下は一律
±2 %,1 001 ml以上は容量
に応じて±1 %から±2 %ま
でを許容
内容積:容量に応じて
±1 %から±5 %まで
を許容
変更
1 001 ml以上についてはJIS及び
ISO規格は同じ。
1 000 ml以下については従来の
JISの許容値を採用。
整合しない許容差について
は,今後の見直しの都度必要
に応じてISOに修正提案し
ていく。
内径:径によって±0.1 mmか
ら±0.2 mmまでを許容
内径:径によって±
0.10 mmから±0.22
mmまでを許容
変更
JISは径によって±0.1 mmから±
0.2 mmまでを許容しているが,
ISO規格は±0.1 mmから±0.22
mmまでを許容。
ツーピース飲料缶は,次の内
容で規定。
高さ:一律±0.3 mmを許容
内容積:一律±2 %を許容
内径:一律±0.3 mmを許容
ISO 90-1
ISO 1361
ISO 10654
−
−
追加
ISO規格は許容差については規定
していないが,JISは許容差につ
いても規定。
許容差についての規定は必
要であり,今後ISOに提案し
ていく。
8 材料
金属材料,胴用接着剤,巻締
め用密封材,内面塗料及び合
成樹脂フィルムについて規
定。
ISO 90-1
−
−
追加
ISO規格は材料については規定し
ていない。
材料についての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
3
Z
1
5
7
1
:
2
0
1
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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Z 1571:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対
策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
9 検査
品質,構造,寸法,内容積及
び材料について検査を実施
することを規定。
ISO 10653
ISO 10654
−
−
追加
ISO規格は検査については規定し
ていない。
検査についての規定は必要
であり,今後ISOに提案して
いく。
10 製品の
呼び方
製品の呼び方を規定。
ISO 10653
ISO 10654
−
−
追加
ISO規格は製品の呼び方について
は規定していない。
製品の呼び方についての規
定は必要であり,今後必要に
応じてISOに提案していく。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 90-1:1997,ISO 1361:1997,ISO 10653:1993,ISO 10654:1993,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。