2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 1514-1994
ポリエチレン加工紙
Polyethylene coated paper
1. 適用範囲 この規格は,防水及び防湿包装に用いるポリエチレン加工紙(以下,加工紙という。)につ
いて規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 7129 プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法(機器測定法)
JIS P 0001 紙・パルプ用語
JIS P 3401 クラフト紙
JIS P 3412 クラフト伸張紙
JIS P 8111 試験用紙の前処置
JIS P 8113 紙及び板紙の引張強さ試験方法
JIS P 8116 紙及び板紙の引裂強さ試験方法
JIS P 8132 紙及び板紙の伸び試験方法
JIS Z 0208 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参考
である。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001による。
3. 種類 加工紙の種類は,加工紙の透湿度及び構成によって分類し,表1及び表2のとおりとする。
表1 加工紙の透湿度による種類
種類
加工紙の透湿度
g/ (m2・24h)
1級
15以下
2級
15を超え 25以下
3級
25を超え 40以下
4級
40を超え 60以下
5級
60を超え 100以下
表2 加工紙の構成による種類
種類
記号
加工紙の構成
片面加工紙
片面
膜状ポリエチレンが,原紙の片方の面に密着して保持されているもの。
両面加工紙
両面
膜状ポリエチレンが,原紙の両方の面に密着して保持されているもの。
サンドイッチ形加工紙
サンド 膜状ポリエチレンが,二層の原紙の間に密着して保持されているもの。
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Z 1514-1994
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4. 品質
4.1
外観 加工紙の外観は,樹脂膜が均一で,その表面に裂け,穴,汚れ,その他実用上有害な欠点が
あってはならない。
4.2
性能 加工紙の性能は,7.によって試験し,表3に適合しなければならない。
表3 性能
項目
性能
適用試験箇
条
透湿度による種類
1級
2級
3級
4級
5級
透湿度g/ (m2・24h)
15以下
15を超え
25以下
25を超え
40以下
40を超え
60以下
60を超え
100以下
7.3
引張強さN {gf}
又はkN/m
① 片面加工紙及び両面加工紙の引張強さ,伸び(1)及び引裂強さは,原
則として使用する原紙の当該日本工業規格の規定による。
② サンドイッチ形加工紙の引張強さ及び引裂強さは,両面が同種の原
紙の場合,原則として使用する原紙の当該日本工業規格に規定する
値の2倍の値とする。それ以外の場合は受渡当事者間の協定による。
また,伸び(1)は,原則として使用する原紙の当該日本工業規格の
規定による値とする。
7.4〜7.6
伸び %
引裂強さ mN {gf}
ヒートシール
強さ
N {gf}
5.9 {600} 以上(2)
7.7
(参考)
片面加工紙の標準 μm
樹脂膜厚さ
40
30
20
15
15未満
−
注(1) 透湿度の4級及び5級又は樹脂膜厚さが20μm未満のものの縦方向の伸びは,規格値 (%) から0.3を減じた値
とする。
(2) 透湿度が4級及び5級又は樹脂膜厚さが20μm未満のもののヒートシール強さは,受渡当事者間の協定によ
る。
5. 形状及び寸法
5.1
形状 加工紙の形状は,巻取り又は平判状(枚葉状)とする。
5.2
寸法 加工紙の寸法は,次のとおりとする。ただし,受渡当事者間の協定によって,(1),(3)以外の
寸法とすることができる。
(1) 巻取りの場合の長さは,5 000300
+ mとする。
(2) 平判状の場合の長さ及びその許容差は,受渡当事者間の協定による。
(3) 幅は,原則として加工を施してある部分の幅とし,その許容差は
50
+ mmとする。
6. 材料 加工紙の原紙は,JIS P 3401に規定するクラフト紙又はJIS P 3412に規定するクラフト伸張紙
を用いる。
なお,受渡当事者間の協定によって,これ以外の原紙を用いることができる。
7. 試験方法
7.1
試験片の採取方法と前処置 試験片を試料の表面から3層以上取り除いた部分から,ランダムに採
取し,JIS P 8111によって前処置を行う。
7.2
外観 加工紙の外観は,目視によって調べる。
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7.3
透湿度 透湿度は,JIS Z 0208の3.3(恒温恒湿装置)に規定する条件B,又はJIS K 7129の6.2(試
験条件)に規定する条件 (2) によって試験を行い,それぞれ試験片3個の平均値を求める。この場合,片
面加工紙については樹脂面を高湿側にして測定を行わなければならない。
7.4
引張強さ 引張強さは,JIS P 8113によって縦及び横方向の各々10個の試験片について測定し,そ
れぞれの平均値を求める。
7.5
伸び 伸びは,JIS P 8132によって縦及び横方向の各々10個の試験片について測定し,それぞれの
平均値を求める。
7.6
引裂強さ 引裂強さは,JIS P 8116によって縦及び横方向の各々10個の試験片について測定し,そ
れぞれの平均値を求める。
7.7
ヒートシール強さ ヒートシール強さは,原則として次の試験方法によって行う。
(1) 装置
(a) ヒートシール装置 シールバーは,温度200℃までは±2℃の範囲で規定の温度に保持でき,接触面
に98kPa {1kgf/cm2} の圧力を加え得る平滑なヒートシール面を備える装置を用いる。
(b) ヒートシール強さ試験機 JIS P 8113に規定する試験機を用いる。
(2) 試験片 加工紙の試験片は,試料の縦方向が長辺となるように,大きさ180×240mmの長方形に切り
取り,図1のように樹脂面を内側にして長辺の中央線から折り曲げ[図1(a)参照],折り目に沿って,
原則として20mmの幅をヒートシールし,短辺を正確に12等分して作製する[図1(b)参照]。
また,試験片の横方向を長辺とした長方形からも,同様にして横方向試験用の試験片を作製する。
ヒートシール条件は,原則としてシール温度は150±10℃,シールバーの圧力は約98kPa {1kgf/cm2},
シール時間は約3秒とする。
試験片12枚の小片のうち両端の2枚を除き,残りの10枚についてヒートシール部を中央にして
180°に開いて[図1(c)参照]おく。
図1 ヒートシール試験片の作製方法
(3) 操作 JIS P 8113によって試験を行い,縦及び横方向について,はく離の最大荷重N {gf} を測定し,
それぞれの平均値を求める。この場合の試験片の引張速度は,毎分300±30mmとする。
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Z 1514-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.8
試験結果の数値の表し方 試験の結果は,規定値の1けた下の位まで求め,JIS Z 8401によって丸
める。
8. 製品の呼び方 加工紙の呼び方は,名称,透湿度の種類,構成の種類(又はその記号),及び原紙の種
類・坪量(原紙としてJIS P 3401又はJIS P 3412を用いる場合は,その種類記号)による。
例1.
ポリエチレン加工紙
1級
サンド
SS50/SS50
例2.
ポリエチレン加工紙
2級
両面
上質紙80
9. 表示 加工紙には,一包装ごとに,外面に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならな
い。
(1) 名称
(2) 透湿度の種類,構成の種類(又はその記号)及び原紙の種類・坪量(原紙としてJIS P 3401又はJIS P
3412を用いる場合は,その種類記号)
(3) 寸法(幅及び長さ)
(4) 製造業者名又はその略号
(5) 製造年月又はその略号
関連規格 JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS Z 0102 クラフト紙袋用語
JIS Z 0103 防せい防食用語
JIS Z 0108 包装用語
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
JIS Z 1514改正原案調査作成委員会 構成表
(1) 本委員会
氏名
所属
(委員長)
臼 田 誠 人
東京大学農学部
(副委員長)
○ 松 本 光 次
技術士包装物流会
寺 西 大三郎
通商産業省基礎産業局
井 田 敏
通商産業省生活産業局
森 田 光 俊
通商産業省生活産業局
細 川 幹 夫
工業技術院標準部
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
齊 藤 秋 雄
全国クラフト紙袋工業組合
佐 藤 忠 男
防衛庁技術研究本部
小 澤 隆 三
全国農業協同組合連合会
楢 原 彬 弘
石油化学工業協会
松 山 昌 史
日本製紙連合会
○ 西 山 浩
日本ポリエチレン製品工業連合会
○ 石 井 述 史
藤森工業株式会社
○ 山 田 光 男
五洋紙工業株式会社
○ 塚 野 隆
財団法人高分子素材センター
佐々木 春 夫
社団法人日本包装技術協会
(事務局)
阿 部 要
社団法人日本包装技術協会
○印:分科会委員を兼ねる。
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Z 1514-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 分科会
(a) A分科会(品質検討分科会)
氏名
所属
(委員長)
松 本 光 次
技術士包装物流会
久 保 武
恵和商工株式会社
北 山 治 方
三国紙工株式会社
永 田 藤次郎
三幸工業株式会社
加 藤 正 行
大昭和紙工産業株式会社
山 田 満寿光
東邦樹脂工業株式会社
深 沢 仁
スーパーパック株式会社
高 見 良 信
森紙業株式会社
(事務局)
西 山 浩
日本ポリエチレンラミネート製品工業会
(b) B分科会(試験法検討分科会)
氏名
所属
(委員長)
松 本 光 次
技術士包装物流会
塚 野 隆
財団法人高分子素材センター
山 田 光 男
五洋紙工株式会社
岡 正 昭
カイト化学工業株式会社
石 井 述 史
藤森工業株式会社
守 田 進
名糖株式会社
大 野 栄 二
サンエー化学工業株式会社
(事務局)
西 山 浩
日本ポリエチレンラミネート製品工業会