Z 1509:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,全国クラフト紙袋
工業組合(JKPSA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 1509:1998は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
Z 1509:2004
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 紙袋の種類 ····················································································································· 1
5. 品質 ······························································································································ 2
5.1 性能 ···························································································································· 2
5.2 紙袋の層数及び構造 ······································································································· 2
5.3 形状,寸法及び寸法許容差 ······························································································ 3
5.4 外観 ···························································································································· 5
6. 材料 ······························································································································ 6
6.1 クラフト紙 ··················································································································· 6
6.2 縫糸及び接着剤 ············································································································· 6
7. 試験方法 ························································································································ 6
7.1 寸法の測定 ··················································································································· 6
7.2 のりばり袋の底のりばり強さ ··························································································· 6
7.3 ミシン縫い袋の縫い目強さ ······························································································ 6
7.4 クラフト紙の品質 ·········································································································· 6
7.5 縫糸の引張強さ ············································································································· 6
7.6 外観 ···························································································································· 6
8. 表示 ······························································································································ 6
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日本工業規格 JIS
Z 1509:2004
クラフト紙袋−ばれいしょでんぷん用
Kraft paper sacks−For potato starch
1. 適用範囲 この規格は,ばれいしょでんぷんの包装に用いるクラフト紙袋(以下,紙袋という。)につ
いて規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最
新版(追補を含む。)を適用する。
JIS L 1095 一般紡績糸試験方法
JIS L 2512 ビニロン縫糸
JIS L 2513 ポリノジック縫糸
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語
JIS P 3401 クラフト紙
JIS Z 0102 クラフト紙袋−用語及び種類
備考 ISO 6590-1:1983 Packaging−Sacks−Vocabulary and types−Part 1:Paper sacksからの引用事項
は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 0215 ミシン縫いクラフト紙袋の縫い目強さ試験方法
JIS Z 1531-1 クラフト紙袋−寸法の記述及び測定方法
備考 ISO 6591-1:1984 Packaging−Sacks−Description and method of measurement−Part 1: Empty
paper sacksからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 1531-2 クラフト紙袋−通常の目的に使用する袋の寸法許容差
備考 ISO 8367-1:1993 Packaging−Dimensional tolerances for general purpose sacks−Part 1:Paper
sacksからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 1532 クラフト紙袋−底のりばり強さ試験方法
3. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS P 0001及びJIS Z 0102による。
4. 紙袋の種類 紙袋の種類は,チューブの封かん形式によってのりばりクラフト紙袋(以下,のりばり
袋という。)及びミシン縫いクラフト紙袋(以下,ミシン縫い袋という。)に分け,次に充てん口の形式に
よってバルブ付き及び開口式に分け,更に,チューブの構造(端部の形状,上端部コーナのノッチエンド
の有無及びひだの有無),紙袋の上下端部の構造によって区分し,その種類及び記号は,表1による。
なお,紙袋の充てん質量は,いずれも25 kgとする。
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表 1 紙袋の種類及び記号
種類
記号
チューブの封
かん
充てん口
チューブの構造
紙袋の上下端部
の構造
端部の形状 上端部ノッ
チエンド
ひだ
ひだなしバ
ルブ付き底
ばり袋
B-1
のりばり
バルブ付き
フラッシュ
カット又は
ステップエ
ンド
なし
なし
上下端部ともに
合せ
ひだ付きL
形バルブ付
き折りばり
袋
B-3
ステップエ
ンド
なし
あり
上下端部ともに
1回折り又は一
方が2回折り
ひだ付き開
口式ミシン
縫い袋
C-2
ミシン縫い
開口式
フラッシュ
カット
なし
あり
合わせ
ひだ付きバ
ルブ付きミ
シン縫い袋
D-2
バルブ付き
フラッシュ
カット
あり
あり
合わせ
備考 種類の記号は,JIS Z 0102の種類に対応する。
5. 品質
5.1
性能 紙袋の性能は,7.2及び7.3によって試験を行い,表2の規定に適合しなければならない。
表 2 紙袋の性能
単位 kN
項目
種類の記号
層数
性能
適用試験箇条
底のりばり強さ
B-1
3
1.8以上
7.2
B-3
縫い目強さ
C-2
4
1.8以上
7.3
5
2.2以上
D-2
4
1.8以上
5.2
紙袋の層数及び構造
5.2.1
紙袋の種類別層数 紙袋の種類別層数は,6.1に規定するクラフト紙の合計層数をもって表すもの
とし,表3による。
なお,のりばり袋に使用するクラフト紙は,クラフト紙1種,4種又は5種とし,ミシン縫い袋は,呼
び坪量78 g/m2以上でクラフト紙1種又は4種とする。この場合,C-2は呼び坪量75 g/m2で5層としても
よい。また,クラフト紙4種を使用する場合は,通常最外層とする。
3
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表 3 紙袋の種類別層数
種類の記号
層数
B-1
3
B-3
C-2
4
D-2
5.2.2
紙袋の構造 紙袋の構造は,次による。
a) チューブの構造 チューブの構造は,上下端部がフラッシュカット又はステップエンドとし,両側は,
ひだなしのもの又はひだ付きのものとし,いずれの構造にするかは表1による。この場合,D-2は,
フラッシュカットで上端部コーナをノッチエンドとする。また,B-1及びB-3は,チューブの上下端
部,C-2はチューブの上端部の各層をそれぞれ横のり付けし,更に縦のはり合わせの各層を互いに横
方向にずらして重ね合わせ,10 mm幅でのり付けしたもので,ひだ切れ,縦のはり合わせののりなし,
のりはがれ,内面へののりはみ出しがあってはならない。
b) バルブの構造
1) のりばり袋のバルブ のりばり袋のバルブは,その種類に応じてJIS Z 0102の4.4.3(のりばり袋の
バルブ)に規定するシンプルバルブ,補強バルブ,内側スリーブバルブ又は外側スリーブバルブと
する。B-1について,いずれの構造にするかは,内容物の形状及び充てん方式によって受渡当事者
間の協定による。
参考1. 必要に応じてバルブ材,バルブ口の底化粧紙又は補強紙に熱で溶融する樹脂(ホットメルト
系接着剤など)をあらかじめ塗布しておき,充てん後,熱でシールする方式としてもよい。
2. のりばり袋のバルブは,通常スリーブバルブ又は補強バルブを用いる。また,バルブの位置
は,B-1の場合は紙袋のコーナ,B-3の場合は縦のオーバーラップの端部とする。
2) ミシン縫い袋のバルブ ミシン縫い袋のD-2のバルブは,シンプルバルブとする。
c) 紙袋の上下端部の構造
1) のりばり袋の上下端部の構造 のりばり袋の上下端部の構造は,JIS Z 0102の図6による。底のり
ばり部の底のり付け幅は,10 mm以上とし,充てん物が漏れないようにのりばりしなければならな
い。
2) ミシン縫い袋の上下端部の構造 ミシン縫い袋の上下端部の構造は,JIS Z 0102の図5による。C-2
の下端部は,クレープテープをのり付けしたテープ付きミシン縫いとし,D-2はノッチエンド部を
折り込んでバルブ口を成形した後,上下端部にクレープテープをのり付けしたテープ付きミシン縫
いとする。
d) その他の構造 底化粧紙,補強紙,サムカットなどの構造は,受渡当事者間の協定による。
5.3
形状,寸法及び寸法許容差 紙袋の形状,寸法及び寸法の許容差は,7.1によって測定し,のりばり
袋は図1及び表4,ミシン縫い袋は図2及び表5による。
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a) B-1,ひだなしバルブ付き底ばり袋 b) B-3,ひだ付きL形バルブ付き折りばり袋
図 1 のりばり袋の形状及び寸法
表 4 のりばり袋の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類の記号
寸法
袋の
長さ
袋の幅
(胴幅)
ひだ幅
円周
端部の幅
(底幅)
バルブスリ
ーブの幅
印刷位置
a
b
e
−
c
v
長さ方向
幅方向
B-1
633
495
−
−
92
−
−
−
648
B-3
724
405
90
990
−
−
−
−
737
寸法の許容差 ±10
±5
±5
±10
±5
+5
0
±20
±15
備考1. 寸法の許容差は,JIS Z 1531-2に対応する。
2. 表4の中のv及び図1の(i)は,受渡当事者間の協定による。
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a) C-2,ひだ付き開口式ミシン縫い袋 b) D-2,ひだ付きバルブ付きミシン縫い袋
図 2 ミシン縫い袋の形状及び寸法
表 5 ミシン縫い袋の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類の記号
寸法
袋の
長さ
袋の幅
(胴幅)
ひだ幅
円周
バルブの幅 クレープ
テープ幅
(n)
(h)
印刷位置
a
b
e
−
g
2k
長さ方向
幅方向
C-2
749
419
76
990
−
50
又は
55
12
38
−
−
800
D-2
749
寸法の
許容差
±10
±5
±5
±10
+10
0
−
−
−
±20
±15
備考1. 寸法の許容差は,JIS Z 1531-2に対応する。
2. 表5の中の括弧を付けた寸法(2k),(n)及び(h)は,参考のために示す。
なお,(2k)はクレープテープの全幅とし,g及び図2の( f )は,受渡当事者間の協定による。
5.4
外観 紙袋の外観は,7.6によって調べ,次による。
a) 各層 各層は,しわ,破れ,孔,汚れなど実用上支障となる欠点があってはならない。
b) のりばり部 のりばり袋のりばり部は,のりなし及びのりはがれがなく,乾いていなければならない。
c) ミシン縫い部 ミシン縫い部の縫い目は,縫い目間隔が 8〜10 mmとし,糸切れ及び目飛びがなく,
フィルターコード(当て糸)付きで端部に平行してミシン縫いし,粗密があってはならない。
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6. 材料 紙袋に使用する材料は,次による。
6.1
クラフト紙 クラフト紙は,7.4によって試験し,JIS P 3401に規定するクラフト紙に適合したもの
とする。
6.2
縫糸及び接着剤 縫糸及び接着剤は、次による。
a) ミシン縫い袋の縫糸 ミシン縫い袋に使用する縫糸は,JIS L 2512若しくはJIS L 2513に規定する品
質又はこれと同等以上の品質をもつもので,7.5によって試験し,引張強さが44 N以上でなければな
らない。
b) 接着剤 接着剤は,紙袋の製造において使用するのり付け材料で,でんぷんなどの水溶性,水分散系
又はホットメルト系接着剤とし,接着目的に適合するものを用いる。
7. 試験方法
7.1
寸法の測定 寸法の測定は,JIS Z 1531-1による。
7.2
のりばり袋の底のりばり強さ のりばり袋の底のりばり強さは,JIS Z 1532による。
7.3
ミシン縫い袋の縫い目強さ ミシン縫い袋の縫い目強さは,JIS Z 0215による。
7.4
クラフト紙の品質 クラフト紙の坪量,引張強さ,伸び,引裂強さ,サイズ度,白色度,湿潤引張
強さ及び透気度は,JIS P 3401の8.(試験方法)による。
7.5
縫糸の引張強さ 縫糸の引張強さは,JIS L 1095の9.5(単糸引張強さ及び伸び率)による。
7.6
外観 外観は,適切な照明のもとで目視によって調べる。
8. 表示 紙袋には,外側の適切な場所に次の事項を表示する。
a) 紙袋の種類又はその記号
b) 製造業者名又はその略号
参考 紙袋の落下強さ 紙袋の落下強さの試験を行う場合には,JIS Z 0217の本体又は附属書に規定
する落下高さ一定方式による。
試験袋は5袋以上とし,高さ1.2 mから水平落下させる。破袋に至るまでの繰返し落下回数
の平均値は10回以上が望ましい。
試験に当たって開口式紙袋(C-2)の口縫いは,JIS L 2512若しくはJIS L 2513に規定する引張
強さが44 N以上の縫糸又はこれと同等以上の品質の縫糸を用いて,紙袋の上端に平行に8〜10
mm間隔で粗密のないように下端部と対称形に縫い,縫い目強さは,4層の場合は1.8 kN,5層
の場合は2.2 kN以上とする。
関連規格 JIS Z 0217 クラフト紙袋−落下試験方法