Z 1505:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,全国クラフト紙袋
工業組合(JKPSA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 1505:1998は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
Z 1505:2004
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 紙袋の種類 ····················································································································· 1
5. 品質 ······························································································································ 2
5.1 性能 ···························································································································· 2
5.2 紙袋の層数及び構造 ······································································································· 2
5.3 紙袋の形状,寸法及び寸法の許容差··················································································· 3
5.4 外観 ···························································································································· 5
6. 材料 ······························································································································ 6
6.1 クラフト紙 ··················································································································· 6
6.2 加工紙 ························································································································· 6
6.3 フィルム ······················································································································ 6
6.4 縫糸及び接着剤 ············································································································· 6
7. 試験方法 ························································································································ 6
7.1 寸法の測定 ··················································································································· 6
7.2 クラフト紙の品質 ·········································································································· 6
7.3 加工紙及びフィルムの防湿性 ··························································································· 6
7.4 縫糸の引張強さ ············································································································· 6
7.5 ミシン縫い袋の縫い目強さ ······························································································ 6
7.6 のりばり袋の底のりばり強さ ··························································································· 6
7.7 外観 ···························································································································· 6
8. 表示 ······························································································································ 6
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日本工業規格 JIS
Z 1505:2004
クラフト紙袋−セメント用
Kraft paper sacks−For cement
1. 適用範囲 この規格は,セメントの包装に用いるクラフト紙袋(以下,紙袋という。)について規定す
る。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最
新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 7129 プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法(機器測定法)
JIS L 1095 一般紡績糸試験方法
JIS L 2512 ビニロン縫糸
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語
JIS P 3401 クラフト紙
JIS Z 0102 クラフト紙袋−用語及び種類
備考 ISO 6590-1:1983 Packaging−Sacks−Vocabulary and types−Part 1:Paper sacksからの引用事項
は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 0208 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)
JIS Z 0215 ミシン縫いクラフト紙袋の縫い目強さ試験方法
JIS Z 1531-1 クラフト紙袋−寸法の記述及び測定方法
備考 ISO 6591-1:1984 Packaging−Sacks−Description and method of measurement−Part 1: Empty
paper sacksからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 1531-2 クラフト紙袋−通常の目的に使用する袋の寸法許容差
備考 ISO 8367-1:1993 Packaging−Dimensional tolerances for general purpose sacks−Part 1:Paper
sacksからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 1532 クラフト紙袋−底のりばり強さ試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001及びJIS Z 0102による。
4. 紙袋の種類 紙袋の種類は,チューブの封かん形式によってミシン縫いクラフト紙袋(以下,ミシン
縫い袋という。)及びのりばりクラフト紙袋(以下,のりばり袋という。)に分け,次に充てん質量によっ
て分け,更に紙袋の長さによって区分し,その種類は,表1による。
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表 1 紙袋の種類
種類
紙袋の形状
充てん質量
kg
長さ
mm
1種
A
ひだ付きバルブ付き
ミシン縫い袋
25
533
B
546
C
559
D
571
E
584
F
597
2種
A
40
635
B
648
C
660
D
673
E
686
F
698
3種
A
50
749
B
775
C
800
4種
A
ひだなしバルブ付き
底ばり袋
25
440
B
452
C
465
D
478
E
490
備考 紙袋の形状は,JIS Z 0102の紙袋の種類に対応する。
5. 品質
5.1
性能 紙袋の性能は,7.5及び7.6によって試験を行い,表2の規定に適合しなければならない。
表 2 紙袋の性能
項目
種類
層数
性能
kN
適用試験箇条
縫い目強さ
1種
2
1.3以上
7.5
3
1.6以上
2種
及び
3種
3
1.8以上
4
2.2以上
5
2.5以上
6
2.8以上
底のりばり強さ
4種
2
1.5以上
7.6
5.2
紙袋の層数及び構造
5.2.1
紙袋の層数 紙袋の層数は,2〜6層とし,6.1に規定したクラフト紙及び6.2に規定した加工紙の
合計層数をもって表す。
なお,紙袋の種類別層数は,通常,1種及び4種は3層又は2層とし,2種は3層,3種は6層とする。
備考 紙袋に使用するクラフト紙の種類及び層数,加工紙又はフィルムの有無,使用の場合の層の位
置及び加工面の向きは,受渡当事者間の協定による。
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5.2.2
紙袋の構造 紙袋の構造は,次による。
a) チューブの構造 チューブの構造は,フラッシュカット又はステップエンドとし,縦のはり合わせの
各層は横方向にずらして重ね合わせ,約10 mm幅でのり付けしたもので,ひだ切れ,のりはがれ,内
面へののりはみ出しなどがあってはならない。
1) ミシン縫い袋のチューブの構造 ミシン縫い袋のチューブの構造は,上端部をノッチエンド,下端
部をフラッシュカットとし,両側はひだ付きとする。
2) のりばり袋のチューブの構造 のりばり袋のチューブの構造は,フラッシュカット又はステップエ
ンドとし,両側はひだなしとする。
b) バルブの構造
1) ミシン縫い袋のバルブの構造 ミシン縫い袋のバルブの構造は,JIS Z 0102の4.4.2(ミシン縫い袋
のバルブ)のシンプルバルブとする。
2) のりばり袋のバルブの構造 のりばり袋のバルブの構造は,JIS Z 0102の4.4.3(のりばり袋のバル
ブ)の補強バルブ又は内側スリーブバルブとする。いずれの構造にするかは受渡当事者間の協定に
よる。
c) 紙袋の上下端部の構造
1) ミシン縫い袋の上下端部の構造 ミシン縫い袋の上下端部の構造は,JIS Z 0102 の図5b)に補強紙
を付けたもので,図1による。
バルブ側のノッチエンドを折り込んでバルブ口を成形した後.上下端部にクレープテープと補強
紙とをのり付けしてミシン縫いする。
図 1 ミシン縫い部の構造
2) のりばり袋の上下端部の構造 のりばり袋の上下端部の構造は,JIS Z 0102の図6による。底のり
ばり部の底のり付け幅は,10 mm以上とし,充てん物がもれないようにのりばりしなければならな
い。
なお,底化粧紙使用の有無については,受渡当事者間の協定による。
5.3
紙袋の形状,寸法及び寸法の許容差 ミシン縫い袋及びのりばり袋の形状及び寸法は,JIS Z 0102
のD-2及びB-1とし,図2による。
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なお,ミシン縫い袋及びのりばり袋の寸法及び寸法の許容差は,表3及び表4による。
a) ひだ付きバルブ付きミシン縫い袋
b) ひだなしバルブ付き底ばり袋
図 2 紙袋の形状及び寸法
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表 3 ミシン縫い袋の寸法及び寸法許容差
単位 mm
種類
寸法
袋の
長さ
袋の幅
(胴幅)
ひだ幅 円周
バルブ
の幅
クレー
プテー
プ幅
印刷位置
長さ
方向
幅方向
a
b
e
−
g
(2k)
(n)
(n' )
(h)
−
−
1種
A
533
368
76
888
−
50
又
は55
12
15
38
−
−
B
546
C
559
D
571
E
584
F
597
2種
A
635
419
76
990
−
B
648
C
660
D
673
E
686
F
698
3種
A
749
419
76
990
−
B
775
C
800
寸法許容差
±10
±5
±5
±10
+10
0
−
−
−
−
±20
±15
備考1. 寸法の許容差は,JIS Z1531-2に対応する。
2. 図2及び表3の中の括弧を付けた項目(2k),(n),(n' )及び(h)は,参考のために示す。
なお,(2k)は,クレープテープの全幅とし,g及び図2の( f )は,受渡当事者間の協定による。
表 4 のりばり袋の寸法及び寸法許容差
単位 mm
種類
寸法
袋の
長さ
袋の幅
(胴幅)
端部の幅
(底幅)
バルブスリ
ーブの幅
印刷位置
長さ方
向
幅方向
a
b
c
v
−
−
4種
A
440
420
90,92
又は95
−
−
−
B
452
C
465
D
478
E
490
寸法許容差
±10
±5
±5
+5
0
±20
±15
備考1. 寸法の許容差は,JIS Z 1531-1に対応する。
2. 図2の(i)及び表4のvは,受渡当事者間の協定による。
5.4
外観 紙袋の外観は,7.7によって調べ,次による。
a) 紙袋の各層 紙袋の各層は,しわ,破れ,孔,汚れなど実用上支障となる欠点があってはならない。
b) 紙袋ののりばリ部 紙袋ののりばり部は,のりなし及びのりはがれがなく,乾いていなければならない。
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c) ミシン縫い袋の縫い目 ミシン縫い袋の縫い目は,縫い目間隔が 8〜10 mmとし,糸切れ及び目飛び
がなく,当て紙又は当て糸付きで端部に平行してミシン縫いし,粗密があってはならない。
6. 材料
6.1
クラフト紙 クラフト紙は,7.2によって試験し,JIS P 3401に規定するクラフト紙1種,4種及び5
種に規定する性能をもつ紙を使用して製造しなければならない。ただし,2層袋に使用するクラフト紙は,
クラフト紙1種で呼び坪量84 g/m2,5種1号で83 g/m2,2号で84 g/m2以上とする。
6.2
加工紙 紙袋に使用する加工紙は,引張強さ,伸び及び引裂強さが6.1に規定するクラフト紙と同等
以上の性能をもつ紙に,防湿性を付与するために必要なバリヤ材を塗布したバリヤコート紙で,7.3によっ
て試験し,適切な防湿性を保持しなければならない。
6.3
フィルム 紙袋に使用するフィルムの形状はフラット状とし,フィルムの種類及び厚さについては,
受渡当事者間の協定による。
参考 主にポリエチレンが使用される。
6.4
縫糸及び接着剤
a) ミシン縫い袋の縫糸 ミシン縫い袋に使用する縫糸は,JIS L 2512に規定する品質,又はこれと同等
以上の品質をもつもので,7.4によって試験し引張強さが44 N以上でなければならない。
b) 接着剤 接着剤は,紙袋の製造において使用するのり付け材料で,でんぷんなどの水溶性,水分散系
又はホットメルト系のものとし,接着目的に適合するものを用いる。
7. 試験方法
7.1
寸法の測定 紙袋の寸法の測定は,JIS Z 1531-1による。
7.2
クラフト紙の品質 クラフト紙の坪量,引張強さ,伸び,引裂強さ,サイズ度,湿潤引張強さ,白
色度及び透気度は,JIS P 3401の8.(試験方法)による。
7.3
加工紙及びフィルムの防湿性 加工紙及びフィルムの防湿性は,JIS Z 0208又はJIS K 7129による。
7.4
縫糸の引張強さ 縫糸の引張強さは,JIS L 1095の9.5(単糸引張強さ及び伸び率)による。
7.5
ミシン縫い袋の縫い目強さ ミシン縫い袋の縫い目強さは,JIS Z 0215による。
7.6
のりばり袋の底のりばり強さ のりばり袋の底のりばり強さは,JIS Z 1532による。
7.7
外観 外観は,適切な照明のもとで目視によって調べる。
8. 表示 紙袋には,外側の適切な場所に次の事項を表示する。
a) 製造業者名又はその略号
b) クラフト紙の層数
参考 紙袋の落下強さ 紙袋の落下強さの試験を行う場合には,JIS Z 0217の本体又は附属書に規定
する落下高さ一定方式による。試験袋は5袋以上とし高さ1.2 mから水平落下させる。破袋に
至るまでの繰返し落下回数の平均値は10回以上が望ましい。
なお,試験に充てんするセメントの温度は60 ℃以下とする。
関連規格 JIS Z 0217 クラフト紙袋−落下試験方法