2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 1406-1978
さん付き合板箱
Cleated Plywood Boxes
1. 適用範囲 この規格は,6面に合板を用いた外装用さん付き合板箱(以下,合板箱という。)について
規定する。
引用規格,関連規格:8ぺージに示す。
2. 形式
2.1
形式 合板箱の形式は,包装内容物・質量及び輸送条件などによって図1に示すA形5種・B形3
種及びC形1種の合計9種とする。
2
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 形式
3
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.2
各部の名称 A形,B形及びC形の各部の名称は,それぞれ図2,図3及び図4による。
図2
備考 上図のほか補強用として各面の中央部に,それぞれ中さんを
付けることができる。
図3
図4
3. 品質 箱の内容質量に対する合板箱の形式,合板の厚さ,さんの寸法及びくぎの間隔などは,表1に
よる。
4
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1
箱の内容質
量kg
合板箱
の形式
合板の最小厚さ
mm
さんの最小寸法 mm
合板とさ
んに用い
るタック
の最大間
隔cm
さんから
さんに用
いるくぎ
の最大間
隔cm
さんを打
ち付ける
くぎの長
さmm
甲類
乙類
1類の樹種
2類の樹種
厚さ
幅
厚さ
幅
34未満
A1〜A5
3.0
3.5
15
36
15
45
7.5
18
約 50
34以上
B1〜B3
57未満
A4〜A5
3.5
4.0
18
45
18
54
7.5
15
57〜64
57以上
B2〜B3
136未満
A5
4.0
4.7
18
45
18
54
7.5
15
64〜75
136以上
B3
170未満
A5
4.7
6.3
18
45
18
54
7.5
15
75〜89
170以上
B3
272未満
A5
6.3
8.0
18
60
18
72
7.5
15
75〜89
272以上
B3
363未満
A5
8.0
10.0
24
60
24
72
7.5
12
75〜89
363以上
B3
454まで
A5
10.0
10.0
24
75
24
90
7.5
12
75〜89
B3
ただし,輸出包装には航空輸送を除き内容質量にかかわらずA5又はB3の形式を用い合板の厚さは表1
に該当する下の欄の厚さのものを用い,さんの幅を25%増しとする。
例: 内容質量50kgの合板箱に用いる合板は,表2のようになる。
表2
単位mm
合板の最小厚さ
甲類
乙類
国内の場合
3.5
4.0
輸出の場合
4.0
4.7
4. 構造
4.1
様式
(1) A形及びB形合板箱は,合板にさんを付けた各箱面を作成し,これを組み合わせてくぎ打ちして,合
板箱を組み立てる。
合板箱の構造様式は,さん(骨組)の組立方によりそれぞれ(図5)A形及び(図6)B形を合板箱
の構造基本形とし,箱の大きさ並びに内容質量などの条件によりそえさんを使用する。
(2) C形合板箱は,側板を留め金具と足割りリベットで組み立て,さんを取り付けてから,ふた,底を留
め金具で取り付ける。
5
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図5 (A形)
図6 (B形)
4.2
合板にさんを打ち付ける場合のタックの打ち付け方 合板にさんを打ち付ける場合は,金敷を用い
て合板からさんにタックを打ち付ける。
タックは,さんの先端から15mmの箇所から図7のように7.5cm以内ごとに交互に千鳥に打ち付け先端
は打ち曲げる。
図7
4.3
(1) A形及びB形合板箱を組み立てる場合のさんの厚さと打ち付けるくぎの大きさは,表1による。
(2) C形合板箱を組み立てる場合のくぎは,特七丸くぎ又はタックを用いる。
4.4
鋼帯と亜鉛びき鉄線のかけ方 鋼帯のかけ方は,次による。
鋼帯は,原則として機械締めする。
鋼帯2本を用いる場合は,つま面からつま面に用い四隅がくい込む程度に締め付けてクリップで封かん
し,ステープルを用いてずれないように留める。
また,鋼帯を3本用いる場合は,ふた,側,底のそえ中さんの中心に沿って2本に直角になるように用
いる。
鋼帯をくぎ付けする場合は,機械締めの場合と同様に用い,22cmごとにくぎ付けし,鋼帯の両端は正し
く6cm以上重ね合わせてくぎ止めする。
亜鉛びき鉄線のかけ方は,鋼帯のかけ方に準ずる。ただし,そえ中さんに用いる場合に限り,くぎの長
6
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
さはさんの厚さを超えてはならない。
4.5
ステープルの用い方 ステープルの用い方は,次による。
(1) 合板はぎ合わせ用ステープル〔5.1(5)参照〕
(2) C形合板箱用のステープルは,ふた及び底面の各すみの留金具に渡して打ち付ける。留め金具と留め
金具の重ね合わせ方は,15mm以上として正しく重ねてくぎ留めする。
(3) 鋼帯に用いるステープルは箱の各角から4.5cmの箇所に打ち込み15cm間隔に用いるほか鋼帯の交さ
くする箇所にも用いる。
5. 材料
5.1
合板 合板箱に用いる合板は,次による。
(1) 樹種 強さにより次の2類に分け,原則として樹種の混合をしない。ただし,甲類と乙類の樹種を混
用した場合は乙類とみなす。
甲類
ぶな・いたやかえで・かば・あさだ・みずめ・さくら・なら・しほぢ・やちだも・たぶ・はる
にれ(あかだも)
乙類
さわぐるみ・ラワン・はりぎり(せんのき)・しらかば・しな・どろのき・ほお・かつら・と
ち・べいまつ・あかまつ・くろまつ
以上のほかの樹種を用いるときは,強さがこれらと同等以上のものとする。
(2) 品等 普通合板の日本農林規格(農林省告示第6号)に合格した3等品又はこれ以上とし,包装内容
物又は輸送条件により次の類別の合板を用いる。
(a) 特に防水,防湿を必要とする物品は,1類又は2類合板
(b) その他の場合は,3類又は4類
(3) 厚さ 内容質量により表1による。
(4) 仕上 特に指定された場合のほかは,表面の仕上げは必要としない。
(5) 合板のはぎ合わせ方法は,次による。
(a) つぎ合わせはぎ 合板をつぎ合わせて,はぎ合わせる場合は,幅7.5cm,厚さは所定のさんを用い
て図8のように合板とさんの厚さの和より3mm長目のタックを用いて合板からさんを通して打ち
付け,タックの先端を木目の方向に直角に折り曲げる。ただし,タックの間隔は7.5cm間隔に交互
に千鳥に打ち付ける。
7
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図8
(b) 重ね合わせはぎ 合板を重ね合わせて,はぎ合わせる場合は,図9のように合欠はぎとする。重ね
合わせを7.5cmとし,ステープルを用いて5cm間隔2列にはぎ合わせ線に沿って10cm間隔ごとに
はぎ合わせる。
図9
5.2
さん 合板に用いるさんの樹種は,次による。
(1) 樹種 次の2種のうちいずれかによる。
1類 つが・もみ・あかまつ・くろまつ・ひのき
又はこれらと強さが同等以上のもの。
2類 すぎ・えぞまつ・とどまつ・からまつ
又はこれらと強さが同等以上のもの。
(2) 品等 1等材又は2等材製材の日本農林規格(農林省告示第877号)とする。
8
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(3) 生節と目切れ
(a) 生節は,使用する板幅の31以下とし,くぎ付け箇所に木節があってはならない。
(b) 目切れは,長さ30cmにつき3cmを超えたものは使用してはならない。
(4) 含水率 18%以下とする。
(5) 寸法 合板箱のさんの大きさは内容質量と樹種により,次による。
(a) A形又はB形合板箱の内容質量と樹種によるさんの大きさは,表1による。
(b) C形合板箱のさんの大きさは,次による。
よこさん18×25mm以上,たてさんはよこさんに適用した角材又は角材を対角に引割った材を用
いて両よこさんにまたがらす大きさのもの。
(6) 水はけのためのさんの切りかき 輸出包装の場合はさんを付けた箱面の水はけのため3mm×3cmの
切りかきを付けてもよい。
5.3
タック,鉄丸くぎ,足割りリベット及びステープル タック,鉄丸くぎ,足割りリベット及びステ
ープルの用い方は,次による。
(1) 合板にさんを打ち付け,それぞれ箱面を製作する場合にはタック又は特七丸くぎを用いる。タックの
長さは合板とさんの厚さの和より3mm長いものを用い,先端は金敷の上で打ち曲げる。
なお,タックの径は2.12mm以上とし,頭部の径は6mm以上とする。
(2) それぞれの箱面を組み合わせて合板箱を組み立てる場合は,鉄丸くぎを用いる。その材質は,JIS G
3505(軟鋼線材)に規定するもの又はこれと同等以上のものとする。
(3) さんとさんを打ち付けて箱の組立てに用いる鉄丸くぎの長さは,打ち付けるさんの厚さの3倍以上と
し,32以上が保持材に入る長さのものを用いる。
(4) 足割りリベットは,線径4.19mm,長さ8mm,頭の直径8mm以上のものを用いる。
(5) ステープルは,次による。
(a) 合板と合板のはぎ合わせに用いるステープルの径は,1.58mm以上とする。
(b) C形箱組立用ステープルは線径2.12mmの針金で製作した長さ40mm以上のものとする。
(c) 鋼帯留付ステープルの径2.12mm足の長さ18mmとし,両足間の長さは鋼帯の幅と同一とする。
5.4
鋼帯又は亜鉛びき鉄線その他
(1) 鋼帯は,JIS G 3131(熱間圧延軟鋼板及び鋼帯)又はJIS G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)に規定す
るものとし,機械締めの場合は0.5×16(断面積8.0mm2)以上,くぎ打ちの場合は0.4×19(断面積
7.6mm2)以上のものを用いる。
(2) 亜鉛びき鉄線は,線径1.83mm以上のものを用いる。
(3) C形合板箱用留金具は厚さ0.25mm以上のすずめっき又は亜鉛めっき鉄板製のものを用いる。
6. 試験
6.1
落下試験 合板箱の検査は,材料検査・構造検査及び落下試験とし,落下試験はJIS Z 0202(包装
貨物及び容器の落下試験方法)の規定によるほか次による。
(1) 落下高さ…………1.2m
(2) 落下回数…………1回
(3) 判定 合板箱の外観に明らかな変化が認められてはならない。
引用規格:
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
9
Z 1406-1978
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3505 軟鋼線材
JIS Z 0202 包装貨物及び容器の落下試験方法
関連規格:製材の日本農林規格(農林省告示877号)
普通合板の日本農林規格(農林省告示6号)