2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 0608-1997
紙製平パレット
Paper flat pallets
1. 適用範囲 この規格は,主としてワンウェイに使用する紙製平パレット(以下,パレットという。)に
ついて規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS Z 0106 パレット用語
JIS Z 0161 ユニットロード寸法
JIS Z 0602 平パレット試験方法
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 0106によるほか,次による。
フラップ 積載物の荷崩れ防止などのために紙製パレットのデッキボードに設けられた突出部で,垂
直に立ち上げて使用するもの。
3. 各部の名称 パレットの各部の名称は,図1のとおりとする。
図1 各部の名称
4. 形式,種類,最大積載質量及び大きさ
2
Z 0608-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.1
種類及び記号 パレットの種類及び記号は,その形式の組合せによって表1のとおりとする(参考
図1参照)。
表1 種類及び記号
種類
記号
種類
記号
種類
記号
単面形二方差し
S2
片面使用形二方差し
D2
両面使用形二方差し
R2
単面形四方差し
S4
片面使用形四方差し
D4
両面使用形四方差し
R4
単面形二方差し二方フラップ付き
S2F2
片面使用形二方差し二方フラップ付き
D2F2
単面形四方差し二方フラップ付き
S4F2
片面使用形四方差し二方フラップ付き
D4F2
単面形二方差し四方フラップ付き
S2F4
片面使用形二方差し四方フラップ付き
D2F4
単面形四方差し四方フラップ付き
S4F4
片面使用形四方差し四方フラップ付き
D4F4
備考 表1の種類は,パレットの使用面,差込口の方向及びフラップ(表2参照)の形式の組合せによっている。
表2 形式及び記号
形式
記号
備考
使用面
単面形
S
デッキボードが上面だけにあるもの。
画面形
片面使用形
D
デッキボードが両面にあるもので,積載面が片面だけに
あるもの。
両面使用形
R
デッキボードが両面にあるもので,積載面が両面にある
もの。
差込口の
方向
二方差し
2
差込口がパレットの相対する2方向にあるもの。
四方差し
4
差込口がパレットの前後左右の4方向にあるもの。
フラップ
二方フラップ付き
F2
上面デッキボードの2方向にフラップがあるもの。
四方フラップ付き
F4
上面デッキボードの4方向にフラップがあるもの。
3
Z 0608-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考図1 パレットの種類及び記号
4.2
最大積載質量 パレットの最大積載質量は,0.25t,0.5t,0.75t,1.0t,1.25t,及び1.5tとする。
4.3
大きさ パレットの大きさは基本サイズとし、長さ×幅 (mm) によって表し,表3のとおりとする。
4
Z 0608-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 大きさ
単位 mm
長さ×幅
備考
800×1 100
1辺を1 100とす
るもの
1 100× 800
900×1 100
1 100× 900
1 000×1 100
1 100×1 000
1 100×1 100(1)
1 100×1 300
1 300×1 100
1 100×1 400
1 400×1 100
800×1 200
1辺を1 200と
するもの
1 200× 800
1 000×1 200(1)
1 200×1 000(1)
注(1) JIS Z 0161に規定する寸法(1 140×1 140
0
40
−及び1 240×1 040
0
40
−)に該当する。
5. 品質
5.1
外観 パレットには凹凸,反り,変形,きず,割れその他使用上欠点がないものとする。
5.2
パレットの積載面 パレットの積載面は,積荷が容易に滑りを生じないものとし,通常のフォーク
リフト作業に支障がないものとする。
5.3
パレットとフォークとが,容易に滑りを生じないものとする。
5.4
パレットに設けられたフラップは,容易に裂けないものとする。
5.5
脚部圧縮強度 パレットの脚部圧縮強度は,9.2の試験を行ったとき,けた又はブロックのひずみ量
が4mm以下でなければならない。
5.6
落下強度 パレットの落下強度は,9.3の試験を行ったとき,対角線の長さの変化率は2%以下でな
ければならない。
6. 構造 パレットの構造は,次による。
(1) パレットは,直方形の積載面,フォークなどの差込口をもち,積載面は原則として接地面と平行なも
のとする。
(2) 荷崩れ防止対策などのためにパレットのデッキボードに設けられるフラップには,一体構造のものや
取付けタイプのものがある。
7. 寸法
7.1
差込口の高さ 差込口の高さは,60mm以上とする。
7.2
下面開口部の寸法 パレットトラックを使用するパレットの下面開口部の寸法は,長さ・幅とも
180mm以上とする。
7.3
寸法許容差 パレットの寸法許容差は,次のとおりとする。
5
Z 0608-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(1) パレットの長さ及び幅の許容差は,±5mmとする。
(2) 両対角線の長さの差は,10mm以下とする。
8. 材料 パレットに使用する材料は,再資源として利用できるものとし,段ボール及びソリッドファイ
バーボードを主とし,それらの組合せのものでもよい。
9. 試験方法
9.1
供試パレット 供試パレットは,温度20℃,湿度65%の環境下で48時間以上の状態に調整したも
のを用い,速やかに試験を行う。
9.2
脚部圧縮強度 パレットの脚部圧縮強度は,JIS Z 0602の5.1(パレットの脚部圧縮試験方法)によ
って試験を行い,けた又はブロックのひずみ量を求める。
なお,試験荷重は,受渡当事者間の協定によるものとする。
9.3
落下強度 パレットの落下強度は,JIS Z 0602の5.4(パレットの落下試験方法)によって試験を行
い,変化率を求める。
10. 検査 パレットの検査は,品質,構造,寸法及び材料について行い,4.3,5.〜8.の規定に適合しなけ
ればならない。
11. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格の名称又は規格番号,種類又はその記号,最大積載質量及び大
きさによる。
例1. 紙製平パレット 片面使用形二方差し 1t 1 100×1 100
例2.. JIS Z 0608 D2 1t 1 100×1 100
12. 表示 パレットには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 最大積載質量及び大きさ又はその略号(2)
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 製造年月又はその略号
注(2) 略号は,大きさについて用い,次のとおりとする。
例 1 100×1 100 略号 1111
関連規格 JIS P 0001 紙・パルプ用語
JIS Z 0104 段ボール用語
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Z 0608-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Z 0608 紙製平パレット新規原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
梁 瀬 仁
日本物流学会
吉 本 孝 一
通商産業省生活産業局
前 川 武 也
工業技術院標準部
高 森 秀 夫
日本包装学会
佐 野 成 人
日本段ボール工業会
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
渡 辺 敏 夫
キヤノン株式会社
松 永 敬 二
松下電器産業株式会社
小 泉 宏 昌
リコーインターナショナルロジステック株式会社
瀧 川 長 次
東芝物流株式会社
大 掛 宏
日本紙業株式会社
村 松 睦 夫
日本マタイ株式会社
森 則 夫
日本化工機材株式会社
高 橋 壮 典
株式会社折一
角 田 晴 男
チヨダコンテナー株式会社
浜 本 哲 司
社団法人日本パレット協会
(事務局)
福 本 博 二
社団法人日本パレット協会
分科会 構成表
氏名
所属
(分科会長)
大 掛 宏
日本紙業株式会社
梁 瀬 仁
日本物流学会
村 松 睦 夫
日本マタイ株式会社
森 則 夫
日本化工機材株式会社
高 橋 壮 典
株式会社折一
不 二 昌 信
全日本パレット事業協同組合
島 崎 康 平
大村紙業株式会社
樽 谷 恵 蔵
樽谷包装産業株式会社
角 田 晴 男
チヨダコンテナー株式会社
守 岡 和 之
本州インターナショナル・パッケージング株式会社
坪 井 昇 一
本州静岡ダンボール株式会社
重 岡 猛
株式会社トーメンマシナリー
福 本 博 二
社団法人日本パレット協会