2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 0605-1989
金属製平パレット
Metal Flat Pallets
1. 適用範囲 この規格は,繰り返し使用する金属製平パレット(以下,パレットという。)について規定
する。
引用規格及び関連規格:6ページに示す。
2. 用語の意味 この規格で用いる用語の意味は,JIS Z 0106(パレット用語)によるほか,次による。
最大積載質量 パレットの使用時に積載できる最大の質量。
3. 各部の名称 パレットの各部の名称は,図1のとおりとする。
4. 形式,種類,最大積載質量及び大きさ
4.1
形式及び記号 パレットの形式及び記号は,表1のとおりとする。
表1
形式
記号
備考
使用面
単面形
S
デッキボードが上面だけにあるもの。
両
面
形
片面使用形
D
デッキボードが両面にあるもので,積載面が片面だけにあるもの。
両面使用形
R
デッキボードが両面にあるもので,積載面が両面にあるもの。
差込口の方向
二方差し
2
差込口がパレットの相対する2方向にあるもの。
四方差し
4
差込口がパレットの前後左右の4方向にあるもの。
翼の有無
無翼形
−
翼がないもの。
単翼形
U
上面のデッキボードに翼があるもの。
複翼形
W
両面のデッキボードに翼があるもの。
2
Z 0605-1989
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図1
3
Z 0605-1989
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4.2
種類及び記号 パレットの種類及び記号は,その形式の組合せによって表2のとおりとする。
なお,無翼形の形式は表さない(参考図参照)。
表2
種類
記号
種類
記号
種類
記号
単面形二方差し
S2
片面使用形二方差し
D2
両面使用形二方差し
R2
単面形四方差し
S4
片面使用形四方差し
D4
両面使用形四方差し
R4
単面単翼形二方差し
SU2
片面使用単翼形二方差し
DU2
両面使用複翼形二方差し
RW2
参考図
4
Z 0605-1989
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4.3
最大積載質量 パレットの最大積載質量は,0.5t,1t,1.5t及び2tとする。
4.4
大きさ パレットの大きさは,長さ×幅 (mm) によって表し,表3のとおりとする。
表3
単位 mm
長さ×幅
備考
800×1 100
一辺を1 100とするもの
1 100× 800
900×1 100
1 100× 900
1 100×1 100
1 100×1 300
1 300×1 100
1 100×1 400
1 400×1 100
800×1 200
一辺を1 200とするもの
1 200× 800
1 000×1 200
1 200×1 000
5. 強度 パレットの強度は,JIS Z 0602(平パレット試験方法)によって試験を行い,表4のとおりと
する。
表4
項目
基準値
圧縮強度
ひずみ量
2mm以下
曲げ強度
たわみ率
1%以下
残留たわみ率
0.3%以下
下面デッキボード強度 たわみ率
1%以下
落下強度
対角線の長さの変化率
2%以下
6. 構造・品質 パレットの構造・品質は,次のとおりとする。
(1) パレットは,繰返し使用に耐えるもので,凹凸,変形,割れその他使用上有害な欠点がないものとす
る。
(2) 部材の接合は,原則として溶接によって行う。溶接箇所には,ひずみ,溶接不良など使用上有害な欠
点がないものとする。
(3) デッキボード及びけたの端面は,突起,ばり,鋭いかどなど使用上有害な欠点がないものとする。
(4) 普通鋼材を用いたパレットには,塗装又はめっきを施すものとし,次による。
(a) 塗装を行う素地は,さび,油,汚れなどを十分に除去すること。
(b) 塗装面は均一で,塗膜厚さは15μm以上とし,塗りむらなどがないこと。
(c) 亜鉛鉄板を使用する場合は,溶接又は加工による亜鉛消失部をJIS K 5626(亜鉛末さび止めペイン
ト)の規定によるペイントで補正すること。
(d) 溶融亜鉛めっきの場合は,JIS H 8641(溶融亜鉛めっき)に規定する2種HDZ35以上のものである
こと。
(e) 電気亜鉛めっきの面は,JIS H 8610(電気亜鉛めっき)に規定する1種2級以上のものであること。
5
Z 0605-1989
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7. 寸法
7.1
差込口の高さ 差込口の高さは,60mm以上とする。
7.2
下面開口部 パレットトラックを使用するパレットの下面開口部の寸法は,長さ・幅とも180mm以
上とする。
7.3
翼の長さ 翼の長さは,図2のとおりとする。
図2
7.4
面取り部の寸法 差込口などに面取り部を設ける場合の断面寸法は,図3のとおりとする。
図3
7.5
寸法許容差 パレットの寸法許容差は,次のとおりとする。
(1) パレットの長さ及び幅の許容差は,±3mmとする。
(2) 両対角線の長さの差は,長いほうの対角線に対して0.5%以下とする。
8. 使用材料 使用する材料は,次に示すもの又はこれらと同等以上の品質のものとする。
(1) 普通鋼材
JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)
JIS G 3131 (熱間圧延軟鋼板及び鋼帯)
JIS G 3141 (冷間圧延鋼板及び鋼帯)
JIS G 3302 (溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯)
JIS G 3350 (一般構造用軽量形鋼)
JIS G 3444 (一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS G 3452 (配管用炭素鋼鋼管)
JIS G 3466 (一般構造用角形鋼管)
(2) アルミニウム合金材
JIS H 4000 (アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)
JIS H 4100 (アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材)
(3) ステンレス鋼材
JIS G 3448 (一般配管用ステンレス鋼鋼管)
JIS G 4303 (ステンレス鋼棒)
JIS G 4304 (熱間圧延ステンレス鋼板)
JIS G 4305 (冷間圧延ステンレス鋼板)
JIS G 4306 (熱間圧延ステンレス鋼帯)
JIS G 4307 (冷間圧延ステンレス鋼帯)
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Z 0605-1989
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9. 検査 パレットの検査は,大きさ,強度,構造・品質,寸法及び使用材料について行い,4.4〜8.の規
定に適合しなければならない。
10. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格名称又は規格番号,種類又はその記号,最大積載質量及び大き
さによる。
例: 金属製平パレット片面使用形四方差し 1t 1 100×1 100
金属製平パレット片面使用形四方差し 1t 1111
JIS Z 0605 D4 1t 1 100×1 100
JIS Z 0605 D4 1t 1111
11. 表示 パレットには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 最大積載質量及び大きさ又はその略号(1)
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 製造年月又はその略号
注(1) 略号は,大きさについて用い,次のとおりとする。
例: 1 100×1 100 略号1111
引用規格:
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3350 一般構造用軽量形鋼
JIS G 3444 一般構造用炭素鋼鋼管
JIS G 3448 一般配管用ステンレス鋼鋼管
JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管
JIS G 3466 一般構造用角形鋼管
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板
JIS G 4306 熱間圧延ステンレス鋼帯
JIS G 4307 冷間圧延ステンレス鋼帯
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材
JIS H 8610 電気亜鉛めっき
JIS H 8641 溶融亜鉛めっき
JIS K 5626 亜鉛末さび止めペイント
JIS Z 0106 パレット用語
JIS Z 0602 平パレット試験方法
関連規格:JIS Z 0603 平パレット
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Z 0605-1989
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物流部会 パレット専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
秋 庭 雅 夫
東京工業大学
幸 田 孝 一
社団法人日本包装技術協会
高 森 秀 夫
株式会社日通総合研究所
飛 田 勉
工業技術院標準部
藤 井 毅
農林水産省森林総合研究所
森 田 光 俊
通商産業省生活産業局
梁 瀬 仁
社団法人日本パレット協会
山 田 隆 二
運輸省貨物流通局
岩 岡 利 明
株式会社岩岡工作所
岡 田 和 夫
岡田工業株式会社
樽 谷 恵 蔵
樽谷包装産業株式会社
藤 井 満
大日本インキ化学工業株式会社
花 岡 勇
花岡産業株式会社
浜 本 哲 司
社団法人日本パレット協会
山 本 規矩也
株式会社ダイフク
大 町 秀 夫
サントリー株式会社
小 谷 泰 三
東芝物流株式会社
鈴 木 章 夫
味の素株式会社
長谷川 明
日本たばこ産業株式会社
和 田 茂
株式会社学習研究社
(事務局)
小 林 秋 穂
工業技術院標準部機械規格課
山 形 智 幸
工業技術院標準部機械規格課