2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 0604-1989
木製平パレット
Wooden Flat Pallets
1. 適用範囲 この規格は,繰り返し使用する木製平パレット(以下,パレットという。)について規定す
る。
引用規格:
JIS A 5508 鉄丸くぎ
JIS G 3532 鉄線
JIS Z 0106 パレット用語
JIS Z 0602 平パレット試験方法
関連規格 JIS Z 0601 一貫輸送用平パレット
JIS Z 0603 平パレット
2. 用語の意味 この規格で用いる用語の意味は,JIS Z 0106(パレット用語)によるほか,次による。
最大積載質量 パレットの使用時に積載できる最大の質量。
3. 各部の名称 パレットの各部の名称は,図1のとおりとする。
4. 形式,種類,最大積載質量及び大きさ
4.1
形式及び記号 パレットの形式及び記号は,表1のとおりとする。
表1
形式
記号
備考
使用面
単面形
S
デッキボードが上面だけにあるもの。
両
面
形
片面使用形
D
デッキボードが両面にあるもので,積載面が片面だけにあるもの。
両面使用形
R
デッキボードが両面にあるもので,積載面が両面にあるもの。
差込口の方向
二方差し
2
差込口がパレットの相対する2方向にあるもの。
四方差し
ブロック形
4
ブロックを使用し,差込口が前後左右4方向にあるもの。
けたくり抜き形
P4
差込口が前後左右4方向にあり,2方向はけたをくり抜いたもの。
翼の有無
無翼形
−
翼がないもの。
単翼形
U
上面のデッキボードに翼があるもの。
複翼形
W
両面のデッキボードに翼があるもの。
2
Z 0604-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1
3
Z 0604-1989
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4.2
種類及び記号 パレットの種類及び記号は,その形式の組合せによって表2のとおりとする。
なお,ブロック形及び無翼形の形式は表さない(参考図参照)。
表2
種類
記号
記号
種類
記号
単面形二方差し
S2
片面使用形二方差し
D2
両面使用形二方差し
R2
単面形四方差し
S4
片面使用形四方差し
D4
両面使用形四方差し
R4
単面けたくり抜き形
SP4
片面使用けたくり抜き形
DP4
−
−
単面単翼形二方差し
SU2
片面使用単翼形二方差し
DU2
両面使用複翼形
RW2
参考図
4.3
最大積載質量 パレットの最大積載質量は,0.5t,1t,1.5t及び2tとする。
4.4
大きさ パレットの大きさは,長さ×幅 (mm) によって表し,表3のとおりとする。
4
Z 0604-1989
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表3
単位mm
長さ×幅
備考
800×1 100
一辺を1 100とするもの
1 100× 800
900×1 100
1 100× 900
1 100×1 100
1 100×1 300
1 300×1 100
1 100×1 400
1 400×1 100
800×1 200
一辺を1 200とするもの
1 200× 800
1 000×1 200
1 200×1 000
5. 強度 パレットの強度は,JIS Z 0602(平パレット試験方法)によって試験を行い,表4のとおりと
する。
表4
項目
基準値
圧縮強度
ひずみ量
4mm以下
曲げ強度
たわみ率
2.5%以下
残留たわみ率
0.5%以下
下面デッキボード強度 たわみ率
2.5%以下
落下強度
対角線の長さの変化率
3 %以下
6. 構造・品質 パレットの構造・品質は,次のとおりとする。
(1) パレットは,原則としてけた,けた板,デッキボード及びブロックを用いるものとし,デッキボード,
けた又はブロックなどの構成部材は,相隣る面が互いに直角をなし,組み立てられたパレットの積載
面は,平らで下面と平行なものとする。
(2) パレットを構成する部材の接合は,スクリューくぎによる。ただし,四方差しパレットにおいてデッ
キボードとけた板だけを接合する場合には,鉄丸くぎを使用してもよい。
また,必要ある場合には,スクリューくぎとボルト及びナットを併用してもよい。
(3) スクリューくぎの材料及び形状は,原則としてJIS G 3532(鉄線)に規定するくぎ用鉄線を使用し,
少なくとも4条以上のねじれ溝をもち,ねじれ角度は,軸に直角の線に対して約65°とする。
また,頭部は,皿頭又は平頭とし,先端部はすい状(鋭角,鈍角,のみ先)とする。
(4) スクリューくぎの寸法及び許容差は,JIS A 5508(鉄丸くぎ)によることが望ましい。
また,スクリューくぎの長さは,デッキボードの厚さの3倍以上とする。ただし,最小長さは55mm
とする。
なお,胴部,頭部については,JIS A 5508に規定するもの,又はこれらと同等以上の強度をもつも
のとする。
(5) スクリューくぎの配列は,原則として図2のとおりとする。
5
Z 0604-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図2
(6) 鉄丸くぎは,JIS A 5508に規定するものを使用する。
(7) 接合部にはすきまがなく,ボルト,ナット及びくぎの頭は,デッキボートの面から約1mm沈めるも
のとし,スクリューくぎとデッキボード周辺との距離は,原則として胴部直径の5倍以上,相互間の
距離は,胴部直径の10倍以上とする。
なお,四方差しパレットにおいてデッキボードとけた板だけを接合する場合には,スクリューくぎ
又は鉄丸くぎの下面に突き出した部分は,折り曲げるものとする。
7. 寸法
7.1
差込口の高さ 差込口の高さは75mm以上とし,原則として100mm,90mm及び75mmとする。
なお,けたくり抜き部の差込口の高さは,45mm以上とする(図3参照)。
図3
6
Z 0604-1989
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7.2
下面開口部 パレットトラックを使用するパレットの下面開口部の寸法は,長さ・幅とも180mm以
上とする。
7.3
翼の長さ 翼の長さは,図4のとおりとする。
図4
7.4
面取り部の寸法 差込口などに面取り部を設ける場合の断面寸法は,図5のとおりとする。
図5
7.5
荷重を受ける面積 荷重を受ける面積は,原則として,パレットの大きさの80%以上とし,片面使
用形の下面は,原則として,パレットの大きさの35%以上とする。
7.6
部材の最小寸法 部材の最小寸法は,けた幅45mm,上,下面デッキボードの厚さ16mmとする。
7.7
寸法許容差 パレットの寸法許容差は,次のとおりとする。
(1) パレットの長さ及び幅の許容差は,±5mmとする。
(2) 両対角線の長さの差は,長い方の対角線に対して0.5%以下とする。
8. 含水率 パレットの含水率は,使用上差し支えないものとする。
9. 使用木材
9.1
樹種 パレットに使用する樹種は,原則として,次のものを使用する。
あかまつ,くろまつ,米まつ,ソ連からまつ,からまつ,米つが,なら,かば,ぶな,アピトン,カプ
ール,タウン,ラワン,ビンタンゴール,レッドメランティ。
9.2
外観 使用木材は,使用上有害な曲がり,反り,めぎれ,ねじれ,割れ,穴,虫食い,やにつぼ,
やに線,入皮,変色,くされなどがないものとする。
なお,節及び節群は,板幅の31以上あってはならない。
10. 検査 パレットの検査は,大きさ,強度,構造・品質,寸法,含水率及び使用木材について行い,4.4
〜9.の規定に適合しなければならない。
11. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格名称又は規格番号,種類又はその記号,最大積載質量及び大き
さによる。
例: 木製平パレット 片面使用形二方差し 1t 1 100×1 100
木製平パレット 片面使用形二方差し 1t 1 111
7
Z 0604-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Z 0604 D2 1t 1 100×1 100
JIS Z 0604 D2 1t 1111
12. 表示 パレットには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 最大積載質量及び大きさ又はその略号(1)
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 製造年月又はその略号
注(1) 略号は,大きさについて用い,次のとおりとする。
例: 1 100×1 100 略号1111
物流部会 パレット専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
秋 庭 雅 夫
東京工業大学
幸 田 孝 一
社団法人日本包装技術協会
高 森 秀 夫
株式会社日通総合研究所
飛 田 勉
工業技術院標準部
藤 井 毅
農林水産省森林総合研究所
森 田 光 俊
通商産業省生活産業局
梁 瀬 仁
社団法人日本パレット協会
山 田 隆 二
運輸省貨物流通局
岩 岡 利 明
株式会社岩岡工作所
岡 田 和 夫
岡田工業株式会社
樽 谷 恵 蔵
樽谷包装産業株式会社
藤 井 満
大日本インキ化学工業株式会社
花 岡 勇
花岡産業株式会社
浜 本 哲 司
社団法人日本パレット協会
山 本 規矩也
株式会社ダイフク
大 町 秀 夫
サントリー株式会社
小 谷 泰 三
東芝物流株式会社
鈴 木 章 夫
味の素株式会社
長谷川 明
日本たばこ産業株式会社
和 田 茂
株式会社学習研究社
(事務局)
小 林 秋 穂
工業技術院標準部機械規格課
山 形 智 幸
工業技術院標準部機械規格課