Z 0403-1 : 1999
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS Z 0401 : 1995は廃止され,JIS Z 0403-1,JIS Z 0403-2に置き換えら
れる。
JIS Z 0403は,次に示す部編成になっている。
段ボール−第1部:平面圧縮強さ試験方法
段ボール−第2部:垂直圧縮強さ試験方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 0403-1 : 1999
段ボール−
第1部:平面圧縮強さ試験方法
Corrugated fibreboard−
Part 1 : Determination of flat crush resistance
序文 この規格は,1982年に,第2版として発行されたISO 3035,Single-faced and single-wall corrugated
fibreboard−Determination of flat crush resistanceを基に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技
術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,圧縮試験機の項目については,ISO 3037,
Corrugated fibreboard−Determination of edgewise crush resistance (Unwaxed edge method) の一部を採用し,か
つ,対応国際規格には規定されていない項目(圧縮試験機の性能,試験方法)を,日本工業規格として追
加している。
なお,点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格に規定されていない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,片面及び両面段ボールの平面圧縮強さ試験方法について規定する。
なお,この試験方法は複両面段ボール及び複々両面段ボールには適用しない。
備考 この規格の対応国際規格を次に示す。
ISO 3035 : 1982, Single-faced and single-wall corrugated fibreboard−Determination of flat crush
resistance
ISO 3037 : 1994, Corrugated fibreboard−Determination of edgewise crush resistance (Unwaxed edge
method)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS P 8110 試験用紙採取方法
備考 ISO 186 : 1994, Paper and board−Sampling to determine average qualityからの引用事項は,この
規格の該当事項と同等である。
JIS P 8111 紙,板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態
備考 ISO 187 : 1990, Paper, board and pulps−Standard atmosphere for conditioning and testing and
procedure for monitoring the atmosphere and conditioning of samplesからの引用事項は,この
規格の該当事項と同等である。
3. 原理 二つの平行な圧縮盤を備えた圧縮試験機によって,段ボール試験片の表面に荷重を加え,試験
片の波形がつぶれるまでその力を増大させ,そのときの最大値を測定する。
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Z 0403-1 : 1999
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4. 装置
4.1
圧縮試験機 圧縮試験機は,電動圧縮盤形試験機とする。
4.1.1
圧縮部分 圧縮部分は,平行な上下一対の圧縮盤からなり,少なくとも一方は上下に動き,その表
面は平ら(1)で堅ろうな構造とし,次の条件を満たすものとする。圧縮盤相互の平行度は,その圧縮盤寸法
の1/1 000以内とし,横方向の遊びは0.05mmを超えてはならない。
なお,圧縮盤は,試験片がはみ出さない大きさとする。
注(1) 圧縮盤の表面は,試験片が滑るのを防ぐため,突起を付けるか若しくは粗さを付けるか,又は
研磨紙をはってもよい。
4.1.2
荷重部分 荷重部分は,圧縮盤の一方を毎分12.5±2.5mmの速度で移動させることができる構造と
し,次による。
a) 固定圧縮盤式(ロードセルタイプ)を使用している場合には,1N単位の精度で指示又は記録できる装
置をもち,おもり又は検力計によって正確に補正できるものとする。
b) 板ばね式の場合には,最大測定範囲の20〜80%で試験結果が得られる板ばねを使用する。また,この
板ばねは,圧縮盤が試験片と接触したときから,毎秒110±10Nの割合で荷重が増大するものとする。
試験機は,圧縮時の荷重を5N又は1%のいずれか大きい方の値までを測定できるものとし,4.1.2a)の
結果と比較できるものでなければならない。
備考 4.1.2b)において,毎秒67±23Nの割合で荷重が増大する板ばねを用いた場合は,試験報告書に
明記しなければならない。
4.2
試験片切断用具 試験片切断用具は,試験片を正確な円形に切断できる鋭利な刃を取り付けた工具
又は刃物とし,刃先は清浄で段ボールの表面に直角に作用しなければならない。
5. 試験片
5.1
試験片の大きさ 試験片の大きさは,面積64.5cm2(直径90.6±0.5mm)又は100cm2(直径112.8±
0.5mm)の円形とする。ただし,平面圧縮強さが試験機の性能を上回る見込みがある場合は,32.2cm2(直
径64.0±0.5mm)のものを使用してもよい。
5.2
試験片の採取方法 試験片の採取方法は,JIS P 8110に従って実施し,その調湿はJIS P 8111によっ
て行う。また,試験片を切断するときには,波形がつぶれたり不ぞろいになったりしないよう十分に注意
する。
なお,けい線,印刷又はきずのある部分からは,試験片を採取してはならない。
6. 試験方法
6.1
試験条件 試験条件は,JIS P 8111の規定により調節された室内で,次のとおり行わなければならな
い。
6.2
試験の手順 試験の手順は,次による。
a) 試験片の面積を測定する。
b) 下部圧縮盤の中央に試験片を置き,試験片の波形がつぶれるまで荷重を加えて,波形がつぶれる直前
の最大荷重を1N単位で記録する(図1〜2参照)。
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Z 0403-1 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 圧力をかける前の試験片の波形
図2 圧壊した試験片の波形
c) 試験は,10個以上について行う。
なお,試験片又は圧縮盤が横滑りを起こして段ながれが発生した場合(図3参照)は,その測定値
を除いて平均値を求める。
図3 段ながれが発生した試験片の波形
7. 試験結果 平面圧縮強さは,次の式から得られる。
A
F
X=
ここに, X: 平面圧縮強さ (kPa)
F: 最大荷重 (kN)
A: 試験片の面積 (m2)
8. 試験報告 試験報告には,次の事項を記載する。
a) 日本工業規格の番号及び/又は国際規格の番号
b) 試験の実施日及び実施場所
c) 使用した試験機の種類(形式,荷重速度,容量など)
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Z 0403-1 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 試験製品の明細(段,ライナ,中しんの種類,坪量など)
e) 試験片の調湿及び試験条件(試験室の温度,相対湿度など)
f)
試験片の面積
g) 平均値の算出に使用した測定回数
h) 平均値,最大値,最小値及び標準偏差
i)
その他,特に記録すべき事項(例えば,段ながれなど)
JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
越 山 了 一
社団法人日本包装技術協会
(委員)
生 田 章 一
通商産業省生活産業局
本 間 清
工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
三 浦 美 次
株式会社日通総合研究所
長谷川 淳 英
株式会社日立物流
小 櫃 晴 雄
花王株式会社
下 川 正 明
森永製菓株式会社
桃 原 繁 樹
全国農業協同組合連合会
国 吉 淑之助
全日本紙器段ボール箱工業組合連合会
牧 村 隆 雄
レンゴー株式会社
上 月 義 二
株式会社トーモク
上 野 定
王子製紙株式会社
牧 田 茂
後藤段ボール株式会社
藤 井 定 雄
全国段ボール工業組合連合会
(事務局)
内 田 恒 彦
日本段ボール工業会
なお,新規格の素案を作成したJIS原案作成分科会の構成表を,下記に示す。
JIS原案作成分科会 構成表
氏名
所属
(委員長)
牧 村 隆 雄
レンゴー株式会社
(委員)
田 中 利 穂
工業技術院標準部
吉 澤 英 夫
財団法人日本規格協会
上 月 義 二
株式会社トーモク
上 野 定
王子製紙株式会社
※ 牧 田 茂
後藤段ボール株式会社
藤 井 定 雄
全国段ボール工業組合連合会
(事務局)
内 田 恒 彦
日本段ボール工業会
※ 解説作成者