Z 0112:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
附属書A(参考)主要な包装の環境配慮一般用語間の関係を示す図式 ············································ 16
Z 0112:2008
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本包装技術協会(JPI)及び財団法人
日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
Z 0112:2008
包装−環境に関する用語
Packaging−Environmental terminology
序文
この規格は,2008年に制定された。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,包装の環境配慮に関する主な用語について規定する。
注記 附属書Aに,参考として主要な包装の環境配慮一般用語間の関係を示す。
2
分類
用語の分類は,次による。
a) 包装の環境配慮一般用語
b) 包装材料
1) 紙・板紙関係
2) プラスチック関係
3) ガラス・金属など
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
なお,参考として対応英語を示す。
注記 一つの用語欄に,二つ以上の用語を併記してある場合には,記載してある順位に従って優先的
に使用する。また,括弧を付けた用語は,なるべく用いない。
2
Z 0112:2008
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a) 包装の環境配慮一般用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
包装
物品の輸送,保管,取引,使用などに当たって,その価値及び状態を
維持するために,適切な材料,容器などに物品を収納すること及びそ
れらを施す技術,又は施した状態。これを個装,内装及び外装の3
種類に大別する。パッケージングともいう(JIS Z 0108参照)。
なお,包装は,容器包装(1100参照)を含む。
packaging
1002
環境配慮設計,
(DfE)
製品のライフスタイル全体の環境負荷を低減させるために,環境に配
慮した製品の開発設計(JIS Q 0064参照)。
design for the
environment
1003
環境配慮包装
環境負荷を低減することを目的として設計された包装(JIS Z 0108参
照)。
environmentally
conscious packaging
1004
適正包装
省資源,省エネルギー及び廃棄物処理性を考慮し,合理的で,かつ,
公正な包装。
輸送包装では,流通過程での振動,衝撃,圧縮,水,温度,湿度な
どによって物品の価値又は状態の低下を起こさないような流通の実
態に即応した包装。
消費者包装では,過剰包装・過大包装,ごまかし包装などを是正し,
同時に欠陥包装を排除するため,保護性,安全性,表示,容積,単位,
包装費などについても適切である包装(JIS Z 0108参照)。
appropriate packaging
1005
過剰包装,
過大包装
内容品の保護機能,包装容積比などが,適正包装の範囲を上回る包装
(JIS Z 0108参照)。
over quality packaging
1006
包装廃棄物
包装材料,容器などが使用済みとなって廃棄されたもの(JIS Z 0108
参照)。
なお,包装廃棄物は,容器包装廃棄物(容器包装ごみ)(1103参照)
を含む。
packaging waste
1007
環境影響
有害か又は有益かを問わず,全面的に又は部分的に組織の環境側面か
ら生じる環境に対するあらゆる変化(JIS Q 14001参照)。
environmental impact
1008
環境負荷
人が環境に与える負担。単独では環境への悪影響を及ぼさないが,集
積することで悪影響を及ぼすものも含む。
注記 環境基本法(平成5年法律91号)では,環境への負荷を“人
の活動により,環境に加えられる影響であって,環境の保全上
の支障の原因となるおそれのあるものをいう。”としている。
environmental burden
1009
環境側面
環境と相互に作用する可能性のある,組織の活動,製品又はサービス
の要求(JIS Q 14001参照)。
environmental aspect
1010
環境アセスメン
ト
事業活動の全領域における環境に関する事前評価。
environmental impact
assessment
1011
製品アセスメン
ト
環境に配慮した製品を提供するために,開発設計の段階で実施する省
資源,省エネルギー,リサイクルなど環境を配慮した事前評価。
product assessment
1012
製法アセスメン
ト
製品を製造するプロセスの変更によって,使用エネルギー,資材,副
資材,廃棄物などを通じて環境に与える影響の変化を評価する方法。
process assessment
1013
環境マネジメン
トシステム
組織のマネジメントシステムの一部で,環境方針を策定し,実施し,
環境側面を管理するために用いられるシステム(JIS Q 14001参照)。
environmental
management
system,
(EMS)
1014
環境報告書
企業などの事業者が,最高経営者の緒言,環境保全に関する方針・目
標・行動計画,環境マネジメントに関する状況(環境マネジメントシ
ステム・環境会計・法規制遵守・環境適合設計,その他)及び環境負
荷の低減に向けた取組みなどについて取りまとめ,一般に公表するも
の。
environment report
3
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1015
環境監査
特定される環境にかかわる監査基準(一連の方針,手順又は要求事項)
が満たされている程度を判定するために,監査証拠(監査基準に関連
し,かつ,検証できる記録,事実の記述又はその他の情報)を収集し,
それを客観的に評価するための体系的で,独立し,かつ,文書化され
たプロセス(JIS Q 19011参照)。
environmental audit
1016
環境会計
企業の環境保全に対する活動を定量的に評価する手法。生産部門及び
環境部門の環境保全のための投資額,維持費用額及びそれらの効果を
物量及び金額で表したもの。
注記 経営指標としても,社外公表資料としても活用できる。
environmental account
1017
環境保全コスト
企業などの事業活動に起因する環境への負荷を抑制することなどを
目的としたコスト,及びこれに結びついたコスト。環境保全のための
投資額及びその維持のための費用額。
environmental
preservation cost
1018
環境リスク
環境汚染を伴う人的行為が生態系又は人の健康に悪影響を及ぼすリ
スク,又は環境汚染などによって損害賠償を求められるといった金銭
的リスク。
environmental risk
1019
3R
廃棄物の発生抑制,再使用,再資源化のことで,英語のReduce(リ
デュース),Reuse(リユース),Recycle(リサイクル)の頭文字をと
った造語(JIS Z 0108参照)。
the three Rs
1020
リデュース
省資源化及び長寿命化といった取組みを通じて製品の製造,流通,使
用などにかかわる資源利用効率を高め,廃棄物とならざるを得ない形
での資源の利用を極力少なくする行為(JIS Z 0108参照)。
reduce
1021
リユース
いったん使用された製品を回収し,必要に応じ適切な処置を施しつつ
製品として再使用を図る,又は,再使用可能な部品の利用を図る行為
(JIS Z 0108参照)。
reuse
1022
リサイクル
いったん使用した製品及び製品の製造に伴い発生した副産物を回収
し,原材料として利用(マテリアルリサイクル)又は焼却熱のエネル
ギーとして利用(サーマルリサイクル)を図る行為(JIS Z 0108参照)。
recycle,
recycling
1023
適正処理
廃棄物を法に準じて適切に処理を行う行為。
注記 一般廃棄物の場合は,“廃棄物処理法”で定められた,廃棄物
を生活環境の保全上支障が生じないように収集・運搬し,衛生
的に処分,再生する行為。産業廃棄物の場合は,“廃棄物処理
法”で定められた産業廃棄物の処理方法,処理施設の基準など
を守って適切に処理する行為。
appropriate treatment
1024
減容
処理前の容積に比べ処理後の容積が縮小する状態。
注記 例えば,廃プラスチックの減容化には,機械的に圧縮する方法
と加熱して溶かして固める方法とに大別される。
圧縮する方法は,1/10程度で減容効果は大きくないが,異物
が多少混入しても問題はない。
溶かして固める方法は,金属などの混入を可能な限り避けな
ければならないが,減容は1/15以上で大きい効果が得られる。
volume decrease
1025
マテリアル
リサイクル
廃棄物を原料,材料として再利用する手段。“再資源化”又は“再生
利用”と呼ばれることもある。
注記 具体的には,使用済み製品,生産工程から出るごみなどを回収
し,利用しやすいように処理して,新しい製品の材料又は原料
として使うことを指す。
material recycling
1026
ケミカル
リサイクル,
化学リサイクル
使用済みの資源を,そのままではなく,化学反応によって組成変換し
た後にリサイクルする手法。
注記 主に,廃プラスチックの油化・ガス化・コークス炉化学燃料化
などを指す。
chemical recycling
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1027
油化
廃プラスチックを熱分解して生成油を製造する方法で,ケミカルリサ
イクルの一手法。
注記 廃プラスチックを脱塩素機で塩素分を取り除き,残りの炭化水
素分を熱分解し,分留後,生成油ができる。生成油は,軽質油・
中質油・重油で構成される。塩素分は,塩酸として回収する。
liquefacation
1028
原料・モノマー
化技術
廃プラスチックを原料又はモノマーまで戻し,再度樹脂を製造する方
法で,ケミカルリサイクルの一手法。
注記 現在,回収されたペットボトルのリサイクルに採用している。
解重合によって原料(DMT:ジメチルテレフタル酸,又は更
にPTA:テレフタル酸)まで戻す方法及びモノマー(BHET:
ビス2ヒドロキシエチルテレフタレート)まで戻して樹脂にす
る二通りの方法がある。
monomerization
1029
高炉原料化
プラスチックを破砕してフラフとし,コークスの代替として高炉に吹
き込み,還元剤として利用する方法で,ケミカルリサイクルの一手法。
注記 高炉では,鉄鉱石,コークス(成分は炭素)及び副原料を高炉
に入れ鉄鉱石を溶かして銑鉄を生産する。このとき高炉下部か
らも還元剤としてコークスを吹き込む。このコークスの代替と
してプラスチック・フラフを用いるものであり,製鉄工程から
排出される二酸化炭素の量が低減できる。
deoxidizing materials
for the blast furnace
1030
ガス化
プラスチックをガス化プロセスに導入し,ガス化に要求される制限さ
れた量の酸素及び蒸気を供給して加熱し,プラスチックの大部分が炭
化水素,一酸化炭素及び水素に転化する方法で,ケミカルリサイクル
の一手法。
注記 これを,水素,メタノール,アンモニア,酢酸など化学工業の
原料に利用する。
gasification
1031
ガス化炉
ごみを還元雰囲気中で熱分解してガス化するための炉。
注記 ガス化溶融炉は多様な方式があるが,基本的機能は,次の工程
からなる。
1) 投入されたごみを数百℃の還元雰囲気下(ほぼ無酸素状態)
で乾留・熱分解する。
2) 得られた炭化物を燃焼することによって発生する熱によっ
て,ガスを1 200 ℃以上の高温下で改質するとともに,チャ
ーを溶融し,水中に投入することによって無機成分を金属と
ガラスに分離する。
3) ガスは,金属回収,熱回収,及び排ガスの無害化を行う。回
収したガスは,化学原料,熱利用などに用いる。また,焼却
残さ(渣)が従来の1/200程度に減少し,ガラス分は路盤剤
などに利用可能である。
gasification furnace
1032
コークス炉
化学原料化
石炭と混合して製鉄所内のコークス炉に投入し,反応して得られる炭
化水素油とガス分とを化学原料又は燃料として用い,また,残分はコ
ークスとして利用する手法。
注記 廃プラスチックは,主に炭素及び水素で構成されているので,
石炭と同じように利用できる。
coke oven chemical
feedstock recycling
1033
メカニカル
リサイクル
同じ目的又は他の目的のための,生産工程での廃棄材料の加工(EU
における定義)。
注記 我が国で使用している材料リサイクル,マテリアルリサイクル
の用語に相当する。
mechanical recycling
1034
ホリゾンタル
リサイクル
使用済み製品を再資源化するときに,元の製品と同じ種類の製品又は
同じ等級の製品の材料に再資源化する行為。
horizontal recycling
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1035
カスケード
リサイクル
再資源化を行うことによって,元の製品の品質には戻らず,品質低下
を伴うリサイクル。
注記 リサイクルを行った場合には,通常,品質の低下が起こるので,
無理に元の製品から同じ製品にリサイクルしないで,品質低下
に応じて,より品質の低い原材料でも許容できる製品に段階的
にリサイクルを進めていくことによって効率的なリサイクル
を行う。
cascade recycling
1036
有機的
リサイクル
管理下にある微生物を利用し,安定有機性残留物又はメタンを生成す
る,包装廃棄物の生物分解可能な部分の好気性[たい(堆)肥化]処
理又は嫌気性(生物メタン化)処理。
organic recycling
1037
エネルギー回収
廃棄物を燃焼し,発生するエネルギーを熱又は電力に利用する行為。
注記 温水,蒸気,電力として出力することが多い。サーマルリサイ
クルともいう。
廃棄物(ごみ)の焼却によって発生する熱を利用して発電を
行うことを,ごみ発電という。
energy recovery
1038
回収エネルギー
廃棄処分される代わりに,管理された工程によって収集された材料又
はエネルギー回収されたエネルギー(JIS Q 14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
recovered energy
1039
リサイクル可能
利用可能な工程及び計画によって廃棄物の流れから取り出すことが
可能であり,更に原材料又は製品の形で用いるために収集され,加工
され,再生されることが可能な製品,包装若しくはそれら構成要素の
特性(JIS Q 14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
recyclable
1040
回収(再生)
材料
廃棄物として処理されるはずの材料,又はエネルギー回収の目的に供
されるはずの材料ではあるが,代わってリサイクル又は製造工程のた
めに,新規に替わる原料として収集又は回収(再生)される材料(JIS
Q 14021参照)。
recovered (reclaimed)
materials
1041
リサイクル材料
製造工程において回収(再生)材料から再加工され,更に最終製品,
又は製品に組み込まれる部品に用いる材料(JIS Q 14021参照)。
recycled material
1042
リサイクル材料
含有率
製品又は包装中に含有するリサイクル材料の質量比。プレコンシュー
マ材料及びポストコンシューマ材料だけをリサイクル材料とみなす
(JIS Q 14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
recycled content ratio
1043
プレコンシュー
マ材料
製造工程における廃棄物の流れから取り出された材料。その発生と同
一の工程で再使用できる加工不適合品,スクラップなどの再利用は除
く(JIS Q 14021参照)。
pre-consumer material
1044
ポストコンシュ
ーマ材料
家庭から排出される材料又は製品の,エンドユーザとしての商業施
設,工業施設及び各種施設から本来の目的のために使用できなくなっ
た製品として発生する材料。これには,流通経路から戻される材料を
含む(JIS Q 14021参照)。
post-consumer material
1045
生物分解
生物活動,特に酵素の働きによって引き起こされる物質の化学構造を
著しく変化させる分解。
biodegradation
1046
化学分解
触媒などの化学薬品によって引き起こされる物質の化学構造を著し
く変化させる分解。
chemical degradation
1047
光分解(ひかり
ぶんかい)
可視光線及びUV光線の吸収によって引き起こされる分解。
photodegradation
1048
燃料
熱エネルギー源として使用される一切の物質。
fuel
1049
タイプⅠ環境
ラベル制度
特定の製品カテゴリーの中で,製品のライフサイクルを考慮し,包括
的な環境優位性を示すラベルの製品表示ライセンスを自主的な複数
の基準に基づき授与する第三者制度(JIS Q 14024参照)。
typeⅠ environmental
labeling programme
6
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1050
自己宣言による
環境主張
(タイプⅡ環境
ラベル表示)
製造業者,輸入業者,流通業者,小売業者,その他環境主張によって
利益を得るすべての人が行う,独立した第三者の認証を必要としない
環境主張。
注記 JISでは,環境主張として12の用語を規定している(JIS Q
14021参照)。
self-declared
environmental
claims
(typeⅡ environmental
labeling)
1051
タイプⅢ環境
宣言
JIS Q 14040規格群に基づいて,事前に設定されたパラメータ領域を
用いた,製品の定量化された環境データ。ただし,タイプⅢの環境宣
言プログラムの中で提供された環境の付加的情報を除外しない。
typeⅢ environmental
declarations
1052
ライフサイクル
原材料の採取,又は天然資源の産出から最終処分までの,連続的で相
互に関連する製品システムの段階(JIS Q 14020参照)。
life cycle
1053
ライフサイクル
アセスメント
製品システムのライフサイクルを通した入力,出力,及び潜在的な環
境影響のまとめ並びに評価する方法(JIS Q 14040参照)。
life cycle assessment,
(LCA)
1054
ライフサイクル
エンベントリ
ー
製品システムに対する,ライフサイクル全体を通しての入力及び出力
のまとめ,並びに定量化を行うライフサイクルアセスメントの構成段
階(JIS Q 14040参照)。
life cycle inventory
1055
ライフサイクル
インパクト
地球温暖化,資源枯渇などへの環境影響を客観的に定量化したもの。
インパクト評価では,環境影響領域ごとに,対象とする製品がどれだ
けの環境負荷を与えるかを定量的に求める。環境影響領域には,地球
温暖化,酸性化などが提案されている。
life cycle impact
1056
ライフサイクル
コスト
購入者の立場としては,耐久消費財及び生産財の場合に購入者が製品
を購入してから使用を中止するまで,また,製造業者の立場では,企
画・研究開発から廃棄,処分に至るまでの資産の全生涯で発生するコ
スト。
life cycle cost
1057
ライフサイクル
マネジメント
製品,サービスなどの環境負荷をライフサイクルを通じて管理し,負
荷を最小限に抑えるため,従来の環境管理システム,LCAなどの環
境活動を統合した意思決定手法。
life cycle management
1058
環境ラベル及び
環境宣言
製品又はサービスの環境側面を示す主張。製品,包装ラベル,製品説
明書,技術報告,広告,広報などに書かれた文書,シンボル又は図形・
図表の形態をとることができる(JIS Q 14020参照)。
environmental labeling
and environmental
declaration
1059
グリーン購入,
(グリーン調達)
リサイクル製品又は環境への負荷が少ない製品若しくはサービスの
購入(調達)。
green purchasing
1060
グリーンコン
シューマー
積極的に環境重視の消費者行動をとる者。さらに,そのような消費者
行動をとることによって,企業活動に影響を与え,環境に配慮した製
品及びサービスの供給を引き出そうとする消費者も指す。
green consumer
1061
再生品マーク
リサイクルされた原料で作った商品に付けられるマーク。グリーンマ
ーク,牛乳パック再利用マーク,再生PET樹脂リサイクル推進マー
クなどがある。
−
1062
エコラベリング
制度
環境保全に役立つ商品にマークを付けて国民に推奨する制度。
注記 財団法人日本環境協会が運用しているエコマーク,産業環境管
理協会(JEMAI)が運用しているエコリーフがある。海外では
1978年に始められた旧西ドイツのブルーエンジェルというラ
ベリング制度のほか,カナダの環境チョイスプログラム(1988),
日本のエコマーク(1989),EUのエコラベル認証制度(1992)など
がある。
environmental labeling
system
1063
エコプロダクツ
製品のライフサイクルのあらゆる段階において,環境に与える影響の
少ない製品又はサービス。
eco-products
1064
軽量化
従前の包装より質量を軽減する行為。
lightweighting
7
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1065
長寿命化製品
耐久性の向上又は機能向上によって,使用期間を延長するように設計
され,その結果,原料及び廃棄物の削減をもたらす製品(JIS Q 14021
参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
extended life product
1066
最終寿命
製品が最終的に使われなくなった状態。
end of life
1067
分解可能
一定条件下で,所定の時間内に一定の程度まで分解できる製品又は包
装の特性。生分解及び光分解を含むすべての分解に適用される(JIS Q
14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
degradable
1068
分別容易容器
材質ごとに簡単に分別が可能な容器。
easily separatable
container
1069
分別容易ラベル
簡単に容器本体から分離可能なラベル。
easy deattachment
label
1070
解体容易設計
使用期間が終了したときに,製品の構成要素及び部品が再使用,リサ
イクル,エネルギー回収,その他の方法によって廃棄物の流れから転
用できるように,製品が解体できる製品設計上の特性(JIS Q 14021
参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
easy disassembly
design
1071
再使用可能及び
詰め替え可能
再使用可能:意図され,設計された製品又は包装の特性の一つ。ライ
フサイクルの中で意図どおりの目的のために数回の使用ができる特
性。
詰め替え可能:製品又は包装の特性の一つ。洗浄などの特定の要求事
項を除く追加的な処理を行わないで,当初の形で一回以上同じ製品又
は類似の製品を充てん(填)できる特性(JIS Q 14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
reusable and refillable
1072
リターナブル
容器
内容品を提供する事業者と提供を受ける他の事業者又は消費者との
間を,構築されたシステムにのって,その機能を保ったまま往復する
又は循環する容器(JIS Z 0108参照)。
returnable container
1073
ワンウエイ容器
1回だけ使うことを目的に作られた容器(JIS Z 0108参照)。
one-way container
1074
省エネルギー
想定した機能を発揮する製品の使用に伴うエネルギーと,他の製品が
同等の機能を発揮するときに消費されるエネルギーの減少量(JIS Q
14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
reduced energy
consumption
1075
省資源
製品,包装又は特定の関連部品を製造,又は配送するために用いる材
料,エネルギー又は水の削減(JIS Q 14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
reduced resource use
1076
節水
想定した機能を発揮する製品の使用に伴う水量と,他の製品が同等の
機能を発揮する水量とを比較したときの減少量(JIS Q 14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
reduced water
consumption
1077
汚染の予防
汚染を回避し,低減し又は管理する工程,操作,材料又は製品を採用
する行為。リサイクル,処理,工程変更,制御機構,資源の有効利用
及び材料代替を含めてよい(JIS Q 14001参照)。
prevention of pollution
1078
ゼロエミッショ
ン
国連大学が提唱した構想で,産業から排出されるすべての廃棄物又は
副産物が,ほかの産業の資源として活用され,全体として廃棄物を生
み出さない生産を目指そうとする行為。
zero emission concept
1079
コージェネレー
ション
一つの燃料源から電気,熱など複数のエネルギーを取り出す効率の高
いシステム。
注記 一般に都市ガスなどを用いて発電し,そのときに出る廃熱で蒸
気,温水などを作る。
co-generation
8
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1080
カーボン
ニュートラル
植物のように,成長過程で光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収
した材料を燃焼しても,ライフサイクル全体でみると大気中の二酸化
炭素の増減に影響を与えない性質。
注記 カーボンとは炭素を指す。
carbon neutral
1081
環境ISO,
ISO 14001
地球規模での環境保全意識の高まりを背景に,ISOによって制定され
た,“環境マネジメントシステム”,“環境監査”,“環境マネジメン
ト”,“環境ラベル及び宣言”などに関する国際規格。
environmental ISO,
ISO 14001
1082
拡大生産者責任
製品の生産者が,製品のライフサイクル全体(生産・流通・消費・廃
棄・リサイクル・処分)を通じて,その製品の環境への影響について
責任を負うべき,という考え方。
注記 英語の頭文字からEPRと呼ばれている。
extended producer
responsibility
1083
循環型社会
廃棄物の発生抑制,循環資源の利用及び適正な処分が確保されること
で,資源の消費を抑制し,環境への負荷ができる限り低減される社会。
society with an
environmentally-
sound material cycle
1084
識別マーク
指定表示製品に付けることが義務付けられているマーク。
注記 資源有効利用促進法によって消費者がごみを出すときの分別
を容易にし,市町村の分別収集を促進するために,定められた
様式に基づいてプラスチック製容器包装,紙製容器包装などに
付けられているマーク。
identification mark
1085
材質表示
容器包装に用いられるプラスチックなどの材質を表示する行為。
注記 法律的義務はないが,表示することが望ましいとされている。
material marking
1086
SPIレジン(樹
脂)コード
アメリカでのプラスチック製容器の識別及び材質表示方法。
注記 我が国のペットボトルの表示と同様に,三角マークの中に1番
から7番までの数字を付け,マークの下に材質記号を付けてい
る。ちなみに,1番PETE (PET),2番HDPE,3番V (PVC),4
番LDPE,5番PP,6番PS,7番OTHERと付けられている。
SPI resin identification
code
1087
デポジット制度
飲料容器などを販売するときに,あらかじめ回収の手数料を付加し,
回収するときに預り金を返金する制度。
deposit system
1088
マニフェスト
システム
産業廃棄物の適正処理を推進するため,排出事業者が産業廃棄物の処
理を委託するときに,産業廃棄物の名称,数量,性状,運搬業者名,
処分業者名,取扱上の注意事項などを“産業廃棄物管理票(マニフェ
スト)”に記載し,処分業者などからの返送を確認することで産業廃
棄物の流れを自ら把握・管理する方法。
manifest system
1089
MSDS
化学物質名,化学製品の性状,有害性,取扱上の注意など,安全性に
かかわる情報を記載したデータシート。
MSDS制度とは,化学物質又は化学物質を含有する製品を取り扱う
事業者に,事業者間でそれらの取引を行うときに,MSDSの提供を義
務付ける仕組み。
material safety data
sheet
1090
PRTR
環境汚染物質排出・移動登録。人の健康又は生態系に有害なおそれの
ある化学物質について,事業者が環境中への排出量及び事業者外に移
動する量を把握して行政に報告し,行政は,それを定期的に集計し,
公表する仕組み。
pollutant release and
transfer register
1091
エコセメント
都市ごみ又は下水汚泥の焼却灰と石灰石など従来のセメント原料と
を混ぜて作ったセメント。
注記 ごみを資源として有効利用する有力な方法の一つ。新エネルギ
ー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として,官民共同で
研究開発が行われてきた。地方自治体などの間でエコセメント
を利用するための規格化が強く要望されていたことから,2002
年にJIS R 5214が制定された。
eco-cement
9
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1092
外因性内分泌
かく(攪)乱
化学物質
動物の生体内に取り込まれた場合に,本来,その生体内で営まれてい
る正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質。
注記 ダイオキシン,PCBなどがリストアップされている。一般には
環境ホルモンという(環境ホルモン戦略計画SPEEDʼ98参照)。
exogenous endocrine
disrupting chemicals
1093
コンポスト化
可能
製品,包装又はそれらの構成要素が,生分解して比較的均質で安定な
腐植質の物質を生成する特性(JIS Q 14021参照)。
注記 タイプⅡ環境ラベルで規定する12の用語のうちの一つ。
compostable
1094
中間処理
産業廃棄物を埋立処分する前に,減容化・無害化などの処理をする手
法。
注記 中間処理には,焼却,破砕,脱水,中和,コンクリート固化な
どがある。
intermediate treatment
1095
資源ごみ
紙,鉄くず,アルミニウム,ガラス瓶,布など,リサイクルできる有
価で回収される排出物。
resources litter
1096
静脈産業
廃棄物の処理又はリサイクルにかかわる産業。廃棄物の運搬又は処理
業,リサイクル製品への加工又は流通などが含まれる。
venous industry
1097
水性インキ
インキに含まれる溶剤の主成分が,水であるフレキソ印刷又はグラビ
ア印刷向けの印刷インキ。
注記 乾燥性などを向上させるために,少量のアルコール類を配合す
ることが多い。紙袋又は段ボール箱の印刷によく使用されてい
る。
water-based ink
1098
大豆インキ
大豆の油及びたんぱく質を配合したインキの総称。
注記 大豆油を使用したインキは,重合して固化することで乾燥する
ので,石油系インキのような揮発性有機化合物の放出がない。
soy ink
1099
水性塗料
塗膜形成成分を水性媒体に溶解及び/又は分散した塗料。缶用塗料の
多くは,水性塗料に置き換えられている。
water-borne coatings
1100
容器包装
商品の容器及び包装であって,当該商品が消費され,又は当該商品と
分離された場合に不要となるもの。
注記 この用語は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進な
どに関する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新
しく導入された。
containers and
packaging
1101
特定容器
容器包装のうち,商品の容器であるものとして法令で定めるもの。
注記1 具体的には,鋼製容器,アルミニウム製容器,ガラス製容器
(ほうけい酸ガラス製のもの及び乳白ガラス製のものを除
く。),段ボール製容器,飲料用紙製容器(アルミニウムが利
用されているもの及び段ボール製容器を除く。),紙製容器
(段ボール製容器及び飲料用紙製容器を除く。),ペットボト
ル[飲料(酒類を含む。),又はしょうゆ用],プラスチック
製容器(ペットボトルを除く。発泡スチロール製トレイ,袋
などを含む。)など。
注記2 この用語は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進
などに関する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によっ
て新しく導入された。
designated containers
1102
特定包装
容器包装のうち,特定容器以外のもの。具体的には紙製包装(包装紙
など),プラスチック製包装(ラップ類など)など。
注記 この用語は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進な
どに関する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新
しく導入されたもの。
designated packaging
10
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1103
容器包装廃棄物,
容器包装ごみ
容器包装が一般廃棄物となったもの。
注記 この用語は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進な
どに関する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新
しく導入された。
なお,容器包装廃棄物(容器包装ごみ)は,包装廃棄物(1006
参照)に含まれる。
containers and
packaging waste
1104
分別収集
a) 市町村などが家庭から出されたごみを分別して収集する行為。
b) 廃棄物を分別して収集し,その後,必要に応じて,分別,圧縮,
こん(梱)包などを行う行為。
注記 b)は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進などに関
する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新しく導
入された用語の定義。
sorted collection
1105
分別基準適合物
市町村が容器包装廃棄物を分別収集して得られたもののうち,それぞ
れの素材に応じて定められた基準に基づいて洗浄,圧縮,一定量のこ
ん(梱)包などがなされ,保管されたもの。ただし,有償又は無償で
譲渡できることが明らかで,再商品化をする必要がないものとして法
令で定めるもの(鋼製容器包装,アルミニウム製容器包装,段ボール
製容器包装,及び飲料用紙製容器)は除く。
注記 この用語は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進な
どに関する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新
しく導入された。
collected items which
meet sorting criteria
1106
特定分別基準
適合物
無色ガラス製容器,茶色ガラス製容器,その他色ガラス製容器,ペッ
トボトル,プラスチック製容器包装及び紙製容器包装を指し,分別基
準適合物のうち,法令で定める容器包装の区分ごとに法令で定めた
個々の分別基準適合物。
注記 この用語は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進な
どに関する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新
しく導入された。
collected items which
meet specific sorting
criteria
1107
特定事業者
特定容器を商品の販売において用いる特定容器利用事業者,特定容器
を製造(輸入を含む。)する特定容器製造などの事業者及び特定包装
を商品の販売において用いる,特定包装利用事業者の総称。
なお,特定事業者は,用いる特定包装,若しくは製造する又は用い
る特定容器にかかわる特定分別基準適合物に関して再商品化の義務
を負う。
注記 この用語は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進な
どに関する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新
しく導入された。
designated container
user,
designated container
manufacturer,
designated packaging
user
11
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1108
再商品化
a) ごみを製品の原料などにリサイクルする行為。
b) ガラス瓶,ペットボトルなど市町村が分別収集して得た容器包装
廃棄物の分別基準適合物を,製品又は製品の原材料として取引で
きる状態などにする次の行為。
1) 自ら分別基準適合物を製品[燃料として利用される製品にあっ
ては,法令で定めるものに限る(以下,同じ。)。]の原材料と
して利用。
2) 自ら燃料以外の用途で分別基準適合物を製品としてそのまま
使用。
3) 分別基準適合物について,製品の原材料として利用する者に有
償又は無償で譲渡し得る状態にする。
4) 分別基準適合物について,製品としてそのまま使用する者に有
償又は無償で譲渡し得る状態にする。
注記 b)は,“容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進などに関
する法律(通称:容器包装リサイクル法)”によって新しく導
入された用語の定義。
recycling
1109
使用済物品
一度使用された,若しくは使用されずに収集されたか又は廃棄された
物品(放射性物質及びこれによって汚染されたものを除く。)。
注記 例えば,消費者などにおいて使用後に発生する古紙,空き缶,
空き瓶,廃自動車,廃電製品,若しくは新品であっても廃品回
収に出され,又は廃棄されたもの。
この用語は,“資源の有効な利用の促進に関する法律(通
称:資源有効利用促進法)”によって新しく導入された。
used goods
1110
副産物
製品の製造,加工,修理若しくは販売,エネルギーの供給又は建設工
事に伴い副次的に得られた物品(放射性物質及びこれによって汚染さ
れたものを除く。)。
なお,当該物品が有償物又は逆有償物であることを問わない。
注記 この用語は,“資源の有効な利用の促進に関する法律(通称:
資源有効利用促進法)”によって新しく導入されたもの。例え
ば,ガラス瓶製造のときに発生するカレットなど。
by-product
1111
再生資源
使用済物品又は副産物のうち有用なもので,原材料として利用するこ
とができるもの又はその可能性のあるもの。
注記 この用語は,“資源の有効な利用の促進に関する法律(通称:
資源有効利用促進法)”によって新しく導入された。
recyclable resources
1112
再資源化
使用済物品のうち有用なものの全部又は一部を,再生資源又は再生部
品として利用できる状態にする行為。
注記 この用語は,“資源の有効な利用の促進に関する法律(通称:
資源有効利用促進法)”によって新しく導入された。
具体的には,容器包装廃棄物の再商品化,又は回収された製
品を解体して有用部品を取り出し,中古部品市場などに供給で
きる状態にする。
なお,当該物品が有償物又は逆有償物であることを問わな
い。
resources
re-conversion
12
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1113
指定表示製品
分別回収のための表示を行うことが当該再生資源の有効な利用を図
るうえで特に必要なものとして法令で定める製品。
注記 具体的には次の容器包装などが定められ,それぞれ表示様式
(識別マーク)及び表示方法が定められている。
a) 鋼製又はアルミニウム製の缶(内容積が7 L未満)であって,
飲料(酒類を含む。)が充てん(填)されたもの。
b) ポリエチレンテレフタレート製の容器(内容積が150 mL以
上)であって,飲料(酒類含む。),又はしょうゆが充てんさ
れたもの。
c) 特定容器包装のうち,主として紙製のもの又は主としてプラ
スチック製(ポリエチレンテレフタレート製以外)のもの。
この用語は,“資源の有効な利用の促進に関する法律(通
称:資源有効利用促進法)”によって新しく導入された。
specified labeled
product
b) 包装材料
1) 紙・板紙関係
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
紙器
紙・板紙で作った容器の総称。ただし,外装用段ボール容器は除く(JIS
Z 0108参照)。
carton
2002
複合紙容器
紙・板紙を主体として,プラスチックフィルム及び/又は金属はくな
どと複合した材料からなる容器。
注記 紙容器の軽量性,印刷適性,廃棄性などの特徴に加え,耐水性,
ガスバリア性などを付加し,紙容器の弱点を補っている。ミル
クカートンのような液体用紙容器,コンポジット缶,バックイ
ンボックス,バッグインカートンなどがある。
composite paper
container
2003
液体用紙容器
紙を主体として構成した,液体包装用紙容器。
注記 紙にプラスチックフィルム,アルミニウムはくなどをはり合わ
せたものが材料として用いられる。バリア性もあり,無菌充て
ん(填)などを採用することで長期保存ができるタイプもあり,
軽量であるためガラス瓶,金属缶などの代替容器として発展し
てきた。屋根形,角形,紙コップ形などの形状がある。
paper container for
liquid
2004
パルプモールド
植物繊維を水で溶かし,金網です(抄)き上げた後,乾燥してできる
紙成形品。
注記 原料にはパルプも使えるが,ほとんどの場合,新聞・雑誌・段
ボール・OA用紙などの古紙を使う。卵,青果物などの食品用
に,家電製品のトレイ又は緩衝材に用いられる。
mould pulp,
molded pulp
2005
古紙
使用済み又は加工工程から回収した紙,板紙及び段ボール。
注記 再パルプ化して紙又は板紙の原料として再利用することがほ
とんどであるが,建材,パルプモールド又は固形燃料の原料と
しても用いられる。
waste paper
2006
古紙パルプ
古紙を離解処理して得られるパルプ。
注記 必要に応じて,脱インキ処理をする。紙又は板紙の原料だけで
なく,パルプモールドなどにも利用される。
recycled fiber
2007
非木材パルプ
非木材の植物繊維原料から製造したパルプ。
注記 じん皮繊維のこうぞ,みつまた,種子繊維のリンター,葉繊維
のマニラ麻,草類繊維のわら,バガス,ケナフなどがある。
nonwood pulp
13
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2008
漂白
パルプの着色不純物を除去又は無色に変えて,増白させる処理。白色
度(whiteness)とは,紙の白さの度合いを表す指標。
注記 白色度を高めれば高めるほど,漂白剤の使用などによって環境
負荷は大きくなるため,低白色度のものも普及している。
bleaching
2009
塩素処理
パルプの漂白工程の一つで,塩素(Cl2)を用いて処理し,次工程のアル
カリ処理において,リグニンを可溶化するために行う工程。
注記 有害な塩素化合物を生成するため,2000年1月15日に施行さ
れた“ダイオキシン類対策特別措置法”において,クラフトパ
ルプ及びサルファイトパルプの塩素又は塩素化合物による漂
白施設のすべてが特定施設に指定された。近年,使用量は減少
している。
chlorination
2010
ECF漂白
パルプを漂白する工程で,使用する各種漂白剤のうち,塩素(Cl2)を用
いないで作る漂白法。
elemental chlorine free
bleaching
2011
TCF漂白
パルプを漂白する工程で,全く塩素系漂白剤を用いないで酸素系漂白
剤だけを用いる漂白法。
totally chlorine free
bleaching
2012
酸素漂白
パルプをアルカリ下で酸素と反応させ,脱リグニンする漂白法。
oxygen bleaching
2013
過酸化漂白
過酸化物(過酸化水素,過酸化ナトリウムなど)を用いる漂白方法。 peroxide bleaching
2014
脱インキ,
脱墨
印刷されたインキを古紙から除去し,白いパルプを作る手法。
注記 古紙を水中に分散し,界面活性剤などによってインキを繊維か
ら分離し,洗浄法又はフローテーション法で除去する。
deinking
2015
脱インキパルプ
古紙を原料として,離解,除じん(塵),脱インキの処理工程を経て
製造した再生パルプ。
注記 段ボール原紙及びチップボール向けの古紙では通常,用いな
い。
deinked pulp
2016
蛍光増白
紫外線を吸収して可視光線に変える蛍光染料などの物質を紙に加え,
見掛け上の白さを向上させる行為。
注記 蛍光染料は皮膚刺激又はアレルギー反応を起こすことがあり,
発がん性物質又は環境ホルモンの一つではないかと疑いをも
たれている化学物質であるため,食品向けの包装材料には用い
ない。
fluorescent whitening
2017
古紙きょう雑物
又は異物
古紙に含まれ,古紙から製造される紙又は板紙に悪影響を及ぼす物質
又は抄紙設備の損傷若しくは再パルプ化の障害となる物質。
注記 財団法人古紙再生促進センターでは,古紙標準品規格の中でこ
れらを禁忌品とし,主なものとして,ポリ袋,粘着テープ類,
ワッペン類,ファイルの金属,金属クリップ類,フィルム類,
発泡スチロール,セロファン,プラスチック製品,ガラス製品,
布製品,窓の付いた封筒,ビニルコート紙,紙コップなどのワ
ックス加工品,油紙,写真,合成紙,防水加工紙,なっ(捺)
染紙(昇華転写紙),感熱発泡紙,裏カーボン紙などを挙げて
いる。
waste paper
contraries,
impurities
2018
古紙回収率
市場に出された紙・板紙及び段ボールのうち,古紙として回収された
量を百分率で示したもの。
waste paper recovery
ratio
2019
古紙利用率
紙・板紙を製造するのに使用した繊維原料のうち,古紙消費量を百分
率で示したもの。
waste paper utilization
ratio
2020
古紙配合率,
古紙含有率
紙・板紙製品中に含まれる古紙の量を百分率で示したもの。
注記 我が国では明確な定義はないが,(古紙+購入古紙パルプ)÷
全繊維原料の量,とされる場合が多い。古紙配合率の多少にか
かわらず,少しでも配合させているものも再生紙と呼ばれてい
る。
waste paper
composition ratio
14
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2) プラスチック関係
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2101
トレイ
プラスチックなどで作られた,ふたがない浅い容器。
tray
2102
ボトル
胴,底,及び口からなる(半)剛性容器。
bottle
2103
袋
柔軟な材料で作られ,一つの開口部をもつ容器。
sack,
bag,
pouch
2104
折畳み容器
物品を収納しないときには折り畳んで,その容積を縮小できる容器。
注記 粉体・粒体に用いるフレキシブルコンテナ,箱形の通い箱など
の輸送容器などのほか,紙器,段ボール箱,プラスチック箱な
どがある(JIS Z 0108参照)。
folding container
2105
バッグイン
ボックス
外側は段ボールで,その内側に注出口をもつプラスチック製の袋又は
成形容器を装着した二重容器。外側に板紙を使用した容器は,バッグ
インカートンという(JIS Z 0108参照)。廃棄時に,紙容器とプラス
チック容器との分離が容易にできる容器。
bag in box
2106
マルチパック
最小販売単位の同一包装物品又は物品2個以上まとめた包装物品
(JIS Z 0108参照)。
注記 個々の外装などを省略できる。
multi-pack
2107
廃プラスチック
使用後,廃棄された各種のプラスチック製品とその製造過程で発生し
たくずなど,及び/又は廃タイヤを含むプラスチックとを主成分とす
る廃棄物。
waste plastics
2108
フラフ燃料
一般には,フィルム又はシートを30 mm程度に細かく裁断したもの。
注記 セメント製造の原燃料化時に利用する。フラフは粒状化よりも
燃焼速度が速く多量に燃焼できる利点がある。
fluff fuel
2109
フレーク
薄片を指す。例として,ペットボトルをリサイクルするとき,粉砕し
て小片にしたもの。
注記 ペットボトルのフレークは,溶かして繊維又はシートにしたり
(マテリアルリサイクル),化学的に分解し原料又はモノマー
にして再度ペット樹脂にする(ケミカルリサイクル)。
flake
2110
ベール
廃プラスチック製品又は古紙を圧縮して結束したもの。ベールにする
ことによって,運送又は集積しやすくなる。例えば,ペットボトルを
つぶ(潰)し1 m3にしたベールの質量は,200 kg程度になる。
veil
2111
ペットボトル
再生繊維
ペットボトルをマテリアルリサイクルしてできたポリエステル繊維。
注記 再生ポリエステル繊維は,各種繊維製品(衣服,毛布,カーペ
ットなど)に使われている。
recycled PET fiber
2112
再生ペレット
プラスチック廃棄物を,再利用のため粒状に固めたもの。
recycled pellet
2113
固形燃料,
RDF
一般には,ごみ(廃プラスチック,古紙類など)からの金属などの不
純物を取り除き,乾燥,破砕などの処理を行った後,圧縮・成形して
円柱状に固形化したもの(JIS Z 0108参照)。
注記 化石燃料の代替としてのメリットがあり,かつ,原料の混合割
合を変えることで,熱量を調整することもできる。
refuse derived fuel
2114
生分解性
プラスチック
土の中に埋めると微生物によって水と二酸化炭素とに分解されるプ
ラスチック。でんぷんなどの植物由来又は石油系材料を原料として製
造される。コンポスト化又は地中へ埋立てることによって分解され
る。
biodegradable plastics
2115
光分解
プラスチック
可視光線及びUV光線の吸収によって,分解されるプラスチック。
photodegradation
plastics
15
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3) ガラス・金属など
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2301
ガラス瓶
ガラス製瓶の総称。
注記 飲料,食料,調味料,薬品,化粧品などに幅広く用いる。ソー
ダ石灰ガラスで,主成分はけい砂,ソーダ灰,石灰石など(JIS
Z 0108参照)。
glass container
2302
リターナブル瓶
牛乳瓶,ビール瓶,果汁飲料瓶,炭酸飲料瓶,清酒瓶,1.8 L瓶など
のように回収,洗浄し,繰り返し用いる瓶(JIS Z 0108参照)。
returnable bottle
2303
ワンウエイ瓶
1回だけ使うことを目的として作られた瓶。ただし,使い終わった後,
分別回収によるリサイクルのシステムにのせると,砕かれてカレット
と呼ばれる瓶の原料となる。
one-way bottle,
single use bottle
2304
エコロジー
ボトル
原料としてのカレット利用率が90 %以上のガラス瓶。さらに,無色
の空き瓶又は茶色以外の空き瓶を90 %以上利用して作った瓶は,ス
ーパーエコロジーボトルと呼ばれる。
ecology-bottle
2305
超軽量瓶
軽量度指数Lの値が0.7以下のガラス瓶。
注記 L値の表し方は,1970年代にエムハート社(スイス)が提唱し
た。
L=0.44×質量÷満杯容量0.77
ultra light-weighted
glass bottle
2306
Rマーク瓶
日本ガラス瓶協会が統一規格瓶として認定した,リターナブル瓶に付
けられているRのマークが付いたガラス瓶。このマークが付いた瓶
のデザイン(設計図)を公開し,多くの団体で利用できるようにされ
ている。
R-marked bottle
2307
軽量瓶
省資源,物流コスト低減などを目的として,通常より質量が軽量で強
度の保持された瓶。L値が1.0以下のガラス瓶。
light weight bottle
2308
カレット
粉砕されたガラスで,原料として再利用されるもの。
glass cullet
2309
多用途利用
ガラスカレットを,タイル,路盤材など瓶から瓶へのリサイクル以外
の用途に利用すること。
alternated uses
2310
金属缶
金属材料を素材として作った缶の総称(JIS Z 0108参照)。
metal can
2311
ツーピース缶
底と一体となった缶体及びふたの2部品からなる缶。
注記 DI缶(打ち抜きしごき缶),DR缶(打ち抜き缶),DRD缶(打
ち抜き再絞り缶),インパクト缶などがある(JIS Z 1571参照)。
two piece can
2312
スリーピース缶
缶胴,天ぶた及び底ぶたの3部品からなる缶。ツーピース缶に対する
呼称である(JIS Z 1571参照)。
three piece can
2313
空き缶
(あきかん)
中身を消費した後の空の缶。
used can
2314
空缶
(くうかん)
中身を詰める前の空の缶。
empty can
2315
Cプレス
空き缶又は缶用素材の端材をプレスして固めたもの。
c-press
16
Z 0112:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
主要な包装の環境配慮一般用語間の関係を示す図式
序文
この附属書は,本体に関連する事柄を記載するもので,規定の一部ではない。
A.1 一般
図A.1は,流れ図として意図したものではなく,また,そのように解釈するのは望ましくない。
包装の環境配慮一般用語
包装材料
紙・板紙
プラスチック
ガラス
金属
リデュース
環境配慮設計
リユース
使用済み包装
資源ごみ
包装廃棄物
リサイクル
適正処理
図A.1−主要な包装の環境配慮一般用語間の関係を示す図式
参考文献 JIS Q 0064 製品規格に環境側面を導入するための指針
JIS Q 14001 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
JIS Q 14020 環境ラベル及び宣言−一般原則
JIS Q 14021 環境ラベル及び宣言−自己宣言による環境主張(タイプⅡ環境ラベル表示)
JIS Q 14024 環境ラベル及び宣言−タイプⅠ環境ラベル表示−原則及び手続
JIS Q 14040 環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−原則及び枠組み
JIS Q 19011 品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針
JIS R 5214 エコセメント
JIS Z 0108 包装用語
JIS Z 1571 食品缶詰用金属缶