Z 0109:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義··················································································································· 1
3.1 一般 ···························································································································· 1
3.2 材料 ···························································································································· 2
3.3 加工 ···························································································································· 3
3.4 性能 ···························································································································· 4
3.5 試験装置 ······················································································································ 6
3.6 現象 ···························································································································· 7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本粘着テープ工
業会(JATMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 0109:1992は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 0109:2015
粘着テープ・粘着シート用語
Glossary of terms used in pressure sensitive adhesive tapes and sheets
序文
この規格は,1981年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に
行われたが,その後の我が国の使用実態及び品質向上に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,粘着テープ及び粘着シートに関する用語及びその定義を規定する。
2
分類
この規格で定義する粘着テープ及び粘着シートの用語を,次のとおり分類する。
a) 一般
b) 材料
c) 加工
d) 性能
e) 試験装置
f)
現象
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
なお,用語には番号を付け,参考のために対応英語を示している。
用語の定義をできるだけ平易に示すことを目的としたため,粘着テープ単独,又は粘着テープ及び粘着
シートの両方に適用される事象については,定義の中で単に“粘着テープ”と表記している。また,対応
英語で“pressure sensitive adhesive”を“PSA”と表記している。
3.1
一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
粘着
高粘度液体に一般的に見られる現象で,態の変化を起こさず短
時間僅かな圧力を加えるだけで接着する現象。
pressure sensitive
adhesion
1002
接着
同種又は異種のものが一体化すること又はその状態。
adhesion
1003
被着体
粘着テープが接着されるもの。
adherend
2
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1004
粘着テープ
基材の片面又は両面に粘着剤層を設け,ロール状に巻いたもの
の総称(図1参照)。
注記 ガムテープは,基材に水溶性接着剤を塗布し,乾燥して
テープ状に巻いたものである。水で湿らせて使用するも
のであって,粘着テープではない(JIS Z 0218及びJIS Z
1511参照)。
pressure sensitive
adhesive tape,
PSA tape
1005
両面粘着テープ
基材の両面に粘着剤層を設けた粘着テープ(図2参照)。両面テ
ープともいう。
PSA double coated tape,
double coated tape,
double faced tape,
double sided tape
1006
基材なし両面テ
ープ
基材がなく粘着剤だけの粘着テープ。基材レス両面テープ,転
写テープともいう。
transfer tape,
adhesive transfer tape
1007
粘着シート
基材の片面又は両面に粘着剤層を設けた板状のもので,かつ,
剝離ライナーが貼り合わされたものの総称。
PSA sheet
1008
粘着ラベル
装飾,表示又は封かんを目的として,粘着シートに印刷し,任
意の形状に打ち抜いたもの。
PSA label
1009
粘着面
粘着テープの粘着性のある面(図1参照)。
adhesive face
1010
第1粘着面
両面粘着テープを剝離ライナーとともに巻き戻したとき,剝離
ライナーに接していない面。
剝離ライナーが2枚ある場合には,外側の剝離ライナーに接し
ていない面(図2参照)。
1st adhesive face
1011
第2粘着面
両面粘着テープの第1粘着面とは反対側の粘着面(図2参照)。 2nd adhesive face
1012
自背面
片面粘着テープの粘着剤を塗工していない面。背面ともいう(図
1参照)。
backside
1013
側面
粘着テープの両脇の面(図1参照)。
side face,
roll side
3.2
材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
基材
粘着テープの粘着剤を保持する役割をもたせる目的で使用する
材料。支持体ともいう。
backing,
base material,
face stock
2002
剝離剤
粘着テープの剝離を容易にするための材料。離型剤ともいう。
release agent,
release coating agent
2003
下塗剤
基材と粘着剤との接着を良くするための材料。アンカーコート
剤,プライマーともいう。
anchor coating agent,
primer
2004
粘着剤
接着剤の一種で,室温において粘着性をもつ材料。
pressure sensitive
adhesive,
PSA
2005
溶剤系粘着剤
溶剤に溶解された粘着剤。
solvent PSA,
solvent type adhesive
2006
水系粘着剤
エマルション粘着剤。水に分散又は溶解された粘着剤。
water borne PSA,
water borne adhesive
2007
ホットメルト型
粘着剤
熱によって溶融して塗工可能となる粘着剤。
hot melt PSA
2008
無溶剤型粘着剤
溶剤を用いず塗布される粘着剤。
solvent free PSA,
non-solvent PSA,
solventless PSA
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
2009
背面処理剤
片面粘着テープの背面側に塗工される材料。剝離性を調整する
のに用いられる。
backside coating agent
2010
カレンダー型粘
着剤
熱と圧力とによって塗工可能となる粘着剤。
calendared PSA
2011
ゴム系粘着剤
天然ゴム及び/又は合成ゴムを主体とした粘着剤。
rubber PSA
2012
アクリル系粘着
剤
アクリルポリマーを主体とした粘着剤。
acrylic PSA
2013
シリコーン系粘
着剤
シリコーンポリマーを主体とした粘着剤。
silicone PSA
2014
架橋剤
架橋させるための材料[3007(架橋)参照]。
crosslinking agent
2015
エラストマー
粘着剤の主要成分で,常温でゴム弾性をもつ高分子材料。
elastomer
2016
粘着付与剤
粘着剤の粘着性を調整するために配合する材料。タッキファイ
ヤーともいう。
tackifier
2017
軟化剤
粘着剤の軟らかさを調整するために配合する材料。軟和剤とも
いう。
softener
2018
充塡剤
粘着剤の硬さの向上,増量及び/又は着色を主な目的に配合す
る材料。
filler
2019
老化防止剤
粘着剤が光,熱,酸化などによって劣化するのを防止するため
に添加される材料。
antioxidant
2020
剝離ライナー
粘着面の粘着性を維持及び保護し,容易に剝離可能な材料。
release liner
2021
口取り紙
粘着テープの端末を明示し,かつ,剝がしやすくするため,端
末に貼られる紙又はプラスチックフィルム(図3参照)。
lead tape,
tab
2022
巻心(芯)
紙,プラスチックなどでできた粘着テープが巻き取られる円筒
状のもの(図3参照)。コアともいう。
core
3.3
加工
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3001
塗工
基材又は剝離ライナーに,コーティング材料を塗布すること。
またその工程。
coating
3002
継ぎ(つぎ)
面状のものを接続すること。つなぎ(繋ぎ)ともいう。継ぎの
方式としては,a) 突き合わせ方式とb) 重ね合わせ方式とがあ
る(図4参照)。
splicing
3003
継ぎ目
粘着テープの一巻中で接続されている箇所。
joint
3004
切れ目
粘着テープの一巻中で切れている箇所。
cut line
3005
直接塗工
基材に直接粘着剤を塗工する一般的な塗工方法。ダイレクト塗
工ともいう。
direct coating
3006
転写塗工
剝離ライナーに塗工した粘着剤を加熱乾燥後,基材に貼り合わ
せて粘着剤を転写する塗工方法。
transfer coating
3007
架橋
粘着剤の性能向上及び/又は性質変更のために,鎖状の高分子
間を化学結合でつなぐ(橋かけ構造を与える)こと。
crosslinking,
cross link
3008
加硫
架橋の一種。ゴム系粘着剤に橋かけ構造を与えること。主に硫
黄を使う。
vulcanization
3009
ログロール
粘着テープを原反幅で所定の長さに巻き取ったもの。
log roll
3010
ジャンボロール
粘着テープを原反幅で一旦大巻きの状態で巻き取ったもの。巻
替工程又はスリット工程を経て最終製品となる。
jumbo roll
3011
ログカット
ログロールを回転させながら,所定の幅に切断すること。
lathe slitting,
lathe cut
3012
スリッターカッ
ト
粘着テープを巻き戻しながら,所定の幅に切断すること。
rewind cut slitting,
rewind slitting
4
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3013
表面巻取り
粘着テープを,巻き取られる製品に接するロールを駆動して巻
き取る方式(図5参照)。
surface winding
3014
センター巻取り
粘着テープを,巻取り軸を直接駆動して巻き取る方式。軸巻取
りともいう(図6参照)。
center winding
3015
逆巻き
粘着テープの粘着面を外側にして巻き取る方式。
reverse winding
3016
エージング
粘着剤を塗工後,巻き取った粘着テープを粘着剤の特性などを
安定させるため一定時間,調温及び/又は調湿した環境に放置
すること。熟成ともいう。
aging,
maturation
3017
切断
粘着テープのログロール又はジャンボロールを所定の幅に切る
こと。裁断,スリットともいう。
cutting,
slicing,
lathe slitting,
slitting
3018
断裁
粘着テープを所定の長さに切ること。
sheet cutting
3019
打抜き
粘着シートを種々の形状に打ち抜くこと。ダイカットともいう。 die cutting
3020
フルカット
粘着シートを打ち抜く際,剝離ライナーごと打ち抜くこと。全
抜きともいう。
full die cutting
3021
ハーフカット
粘着シートを打ち抜く際,剝離ライナーを残して打ち抜くこと。
半抜きともいう。
kiss cutting,
half die cutting
3022
カス上げ
粘着テープをハーフカット加工した後,不要部分を取り除くこ
と。
weeding
3023
背割り
打抜き加工した粘着製品を剝離ライナーから剝がしやすいよう
に,剝離ライナーに切れ目を入れること。
back split
3024
ラベラー
粘着ラベルを貼り付ける装置。
labeler
3025
ディスペンサー
粘着テープを取り付け,使用時に巻き戻して切断する器具。
dispenser
3026
テープカッター
粘着テープに取り付け,切断するために使う簡便な器具(図7
参照)。
tape cutter
3027
テープシーラ
粘着テープを用いて,缶,箱,段ボール箱,袋などの封をする
機器。
tape sealer
3.4
性能
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
粘着力
粘着テープを被着体に貼り付け圧着後,引き剝がすのに要する
力。引剝し粘着強さ,引剝し粘着力ともいう(JIS Z 0237参照)。
peel adhesion,
peel strength
4002
自背面粘着力
粘着テープの自背面に対する粘着力(JIS Z 0237参照)。
adhesion to backing
4003
せん(剪)断接
着強さ
粘着テープを試験板に貼り付け,圧着後,長さ方向に引っ張り,
破壊に要する力。両面テープの場合は2枚の試験板の間に挟み,
圧着後粘着面に並行に引っ張り,破壊に要する力。せん(剪)
断接着力ともいう。
shear adhesion
4004
自背面せん(剪)
断接着強さ
粘着テープを背面に重ね合わせ,圧着後,長さ方向に引っ張り,
破壊に要する力。自背面せん(剪)断粘着力,重ね合わせ粘着
力ともいう。
lap joint adhesion
4005
保持力
粘着テープを被着体に貼り,長さ方向に静荷重をかけたとき粘
着剤がずれに耐える特性。一般に一定時間にずれる距離,又は
被着体から落下する時間で表す(JIS Z 0237参照)。
holding power,
static shear adhesion
4006
凝集力
粘着テープの粘着剤層が内部破壊に耐える力。
cohesion,
cohesive strength
4007
タック
軽い力で短時間に被着体に接着する特性(JIS Z 0237参照)。
tack,
quick stick
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4008
巻戻し強さ
粘着テープを規定条件でロールから引き出すのに要する力。巻
戻し力ともいう(JIS Z 0237参照)。
unwinding force
4009
剝離強さ
剝離ライナーを粘着テープから引き剝がすのに要する力。粘着
テープを剝離ライナーから引き剝がす場合もある。剝離力とも
いう。
release force
4010
剝離性
剝離ライナーを,破れ,のり剝がれなどを発生することなく,
粘着テープから剝がすことができる性質(JIS Z 1528,JIS Z 1529
及びJIS Z 1538参照)。
release property
4011
再剝離性
被着体に貼り付けた粘着テープを剝がすとき,基材を破壊せず,
粘着剤を被着体面に残さないで剝がすことができる性質。
removability
4012
破断強さ
粘着テープを規定条件で引っ張り,破断したときに要する力。
引張強さともいう(JIS Z 0237参照)。
tensile strength at break,
tensile strength
4013
破断伸び
粘着テープを規定条件で引っ張り,破断したときの変形量。伸
びともいう(JIS Z 0237参照)。
elongation at break,
elongation
4014
引裂強さ
粘着テープを引き裂くのに要する力(JIS Z 0237参照)。
tearing strength,
tear resistance
4015
保存安定性
粘着テープが使用を開始するまでの間,当初の性能を維持でき
る性質。保存性ともいう(JIS Z 0237の附属書JB参照)。
storage stability
4016
耐熱性
粘着テープが所定の高温下でも使用に耐える性能。
heat resistance
4017
耐候性
粘着テープが光,熱,雨などの環境下にさらされたときに劣化
しにくい性質。屋外暴露,促進試験機などによる評価法がある。
weathering resistance,
weatherability
4018
耐光性
粘着テープが日光などの光にさらされたときに劣化しにくい性
質。
light resistance,
light resistant,
light stability,
light fastness
4019
再帰反射性
粘着テープの基材に光が当たったとき,照射方向へ光を反射す
る性質(JIS Z 9117参照)。
retroreflective ability
4020
耐電圧
一定時間加電しても,粘着テープが破壊されない電圧(JIS C
2110-1参照)。
withstand voltage
4021
絶縁破壊電圧
厚さ方向に加電したとき,粘着テープが破壊される最小の電圧
(JIS C 2110-1参照)。
dielectric breakdown
voltage
4022
絶縁破壊の強さ
絶縁破壊電圧を粘着テープの厚さで除した値(JIS C 2110-1参
照)。
dielectric breakdown
strength
4023
体積抵抗率
粘着テープの1 cm3当たりの電気抵抗(JIS K 6911参照)。
volume resistivity
4024
表面抵抗率
粘着テープの単位面積当たりの電気抵抗(JIS K 6911参照)。
sheet resistance,
sheet resistivity
4025
誘電特性
単位面積当たりの粘着テープに蓄積される静電エネルギーの大
きさの程度を表す性質。誘電率,誘電正接などがある。
dielectric property
4026
耐アーク性
粘着テープがアーク放電による劣化に耐える性質。
arc resistance
4027
耐トラッキング
性
粘着テープの表面に沿う高電界の中で,その表面付近の気体が
放電を起こすことによって表面に導電路を生じることに耐える
性質。
tracking resistance
4028
電食性
粘着テープが導電体などを電解腐食させる性質。
electrolytic corrosion
4029
透湿度
粘着テープを水蒸気が通過する度合い(JIS Z 0237及びJIS Z
1524参照)。
water vapor permeability,
water vapor permission
rate
4030
透水度
粘着テープを水が通過する度合い(JIS Z 1524参照)。
water penetration rate,
water permeability
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4031
ぬれ指数
粘着テープの基材及び/又は被着体の表面が液体によってぬれ
る性質の程度を表す指数。
wetting index
4032
pHの変化
粘着テープなどの試験片を蒸留水又はイオン交換水の沸騰水で
抽出したもののpHと,試験片を入れずに蒸留水又はイオン交換
水を沸騰させたもののpHとの差(JIS Z 1901参照)。
change of pH
4033
打抜き加工性
粘着テープを所定の形状に打ち抜いたときの評価基準。粘着剤
が刃に付着する,打ち抜いたもの同士がくっつくなどの現象が
ある。ダイカット性ともいう。
die-cutting property
4034
自着性
天然ゴムに見られるように,同じもの同士が一体となる性質。
粘着テープの場合,粘着面同士を貼り合わせたときに強く接着
する性質。
autohesion capability
4035
重ね貼り性
粘着テープを自背面に重ねて貼ったときに接着して剝がれにく
い性質。
over-taping property,
ability to lap joint
4036
残留接着率
剝離剤の移行を確認するための指標。通常,粘着テープを剝離
剤塗工面などに貼って剝がしたあとの粘着力を,初期の粘着力
で除した比率で表示する。
retention of peeling
strength to adhesive
tape
4037
手切れ性
カッターなどの器具を使わずに粘着テープを容易に指で切るこ
とのできる性質。
hand tearability,
tear tape ability
4038
追従性
a) 粘着テープを段差,凹凸,又は曲面に貼ったとき,浮き又
は隙間を生じることなくきれいに貼ることができる性質。
段差追従性ともいう。
b) 被着体の伸縮に合わせて,粘着テープが伸び縮みする性質。
conformability,
ability to fit
3.5
試験装置
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5001
試験片
各種試験に適した寸法に加工した粘着テープ。
test piece,
test sample,
test specimen
5002
試験板
各種試験の被着体として使われる板(JIS Z 0237参照)。
test panel,
panel,
test plate,
plate
5003
BA板
光輝焼鈍処理された鏡面に近い表面をもつステンレス板(JIS G
4305参照)。
bright anneal SUS panel,
BA SUS panel,
BA panel,
bright anneal SUS plate,
BA SUS plate,
BA plate
5004
研磨板
#360耐水研磨紙で研磨したステンレス板。
grinded test panel
5005
圧着装置
試験片を試験板に一定の力で圧着するのに用いられる装置。
tape applicator,
application device
5006
保持力試験装置
保持力の測定に用いられる試験装置。支柱,試験板,及びおも
りからなる(JIS Z 0237参照)。
holding power tester
5007
タック試験装置
タックの測定のために用いられる装置。試験の方法としては,
ボールタック法(JIS Z 0237参照),プローブタック法,ループ
タック法などがある。
tack tester
5008
引張試験機
粘着力,破断強さ,破断伸び,巻戻し強さなどの測定に用いら
れる試験機(JIS Z 0237参照)。
tensile tester
5009
引裂試験機
引裂強さの測定に用いられる試験機。引裂強さ試験機ともいう
(JIS P 8116参照)。
tearing tester
7
Z 0109:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5010
再帰反射性試験
装置
光を粘着テープの基材に照射したとき,光源方向に光が反射す
る再帰反射性能を評価するために用いられる試験装置(JIS Z
9117参照)。
retroreflective intensity
tester
5011
促進耐候性試験
機
光,熱,雨などの自然環境にさらしたときの劣化を人工的に促
進するために用いられる試験機(JIS Z 0237の附属書JA参照)。
weather meter
5012
耐光性試験機
日光などの光にさらしたときの劣化を人工的に促進するために
用いられる試験機(JIS Z 0237の附属書JA参照)。
fade meter,
light fast testing machine
5013
電気絶縁耐力試
験装置
耐電圧,絶縁破壊電圧,絶縁破壊の強さなどの測定に用いられ
る試験装置(JIS C 2107参照)。
electrical withstand
voltage tester
5014
電気絶縁抵抗試
験装置
体積固有抵抗,表面固有抵抗などの測定に用いられる試験装置
(JIS Z 1901参照)。
electrical insulating
resistance tester
5015
誘電特性試験装
置
誘電率,誘電正接などの測定に用いられる試験装置(JIS K 6911
参照)。
dielectric property tester
5016
耐アーク性試験
装置
耐アーク性の測定に用いられる試験装置(JIS K 6911参照)。
arc resistance tester
5017
耐トラッキング
性試験装置
耐トラッキング性の測定に用いられる試験装置。
tracking resistance tester
5018
電食試験装置
電食性の測定に用いられる試験装置(JIS C 2107参照)。
electrolytic corrosion tester
5019
燃焼性試験装置
燃焼に対する耐性を評価するために用いられる試験装置(JIS C
2107参照)。
flammability tester
3.6
現象
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
移行
二つの面が接しているとき,ある成分が一方の側から他方の側
に拡散・浸透・ブリード・転移すること。粘着テープの構成層
間又は被着体との間で起こる現象。
migration,
bleed,
transfer
6002
剝離剤の移行
粘着テープをロールから巻き戻す又は剝離ライナーから剝がす
ときに,剝離剤が粘着面側に転移する現象。この結果,粘着性
の低下を引き起こす場合がある。
release coat transfer
6003
気泡
粘着テープに空気が包含されたもの。
air bubble
6004
発泡
粘着テープで,粘着剤又は剝離ライナーに含まれる溶剤,水分,
空気などが加熱によって膨張して泡となる現象。
blister
6005
ピンホール
粘着テープに存在する貫通した微細な孔。
pin hole
6006
フィッシュアイ
基材又は粘着剤中に不溶解物が混在し,魚の目のように見える
現象。
fish eye
6007
のりはみ出し
粘着テープの粘着剤が,切断した側面からはみ出す現象。
oozing
6008
ギヤ状変形
粘着テープの巻き層が円形でなく,歯車状に変形した状態(図8
参照)。
gearing,
fluting
6009
テレスコープ
粘着テープの巻き層が一層ずつずれて椀(わん)状に変形した
状態(図9参照)。
telescoping,
dishing
6010
巻き巣
粘着テープの巻かれている層の間に隙間がある状態(図10参
照)。
gapping
6011
ピーキング
巻き巣が1か所に集中し,大きな隙間がある状態(図11参照)。 peaking
6012
トンネリング
剝離ライナー付き粘着テープで,剝離ライナーから粘着テープ
が部分的に浮き上がり,トンネル状の隙間が生じた状態。トン
ネルともいう(図12参照)。
tunneling
6013
巻きずれ
主に基材,ジャンボロールなどの各層の側面がそろわないで,
凹凸に巻かれた状態。
weaving
8
Z 0109:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6014
巻心ずれ
粘着テープのロールで片側の巻心が側面に出て,反対側は巻心
がない状態(図13参照)。コアずれともいう。
off-core
6015
のり剝がれ
粘着テープを巻き戻すときに粘着剤が自背面又は剝離ライナー
側に移行すること(図14参照)。
adhesive transfer when
unwinding
6016
層間剝離
粘着テープの基材が多層の場合,その層が分離して二つに分か
れること(図15 ①参照)。
delamination
6017
層間破壊
粘着テープの基材が破壊して二つに分離すること。層間割れと
もいう(図15 ①参照)。
base material failure
6018
投びょう(錨)
破壊
外部からの力によって基材と粘着剤との間で破壊が生じる現象
(図15 ②参照)。
anchor failure,
adhesive transfer
6019
凝集破壊
外部からの力によって粘着剤層内部で破壊が生じる現象(図15
③参照)。
cohesive failure
6020
界面剝離
外部からの力によって粘着剤面と被着体との間で剝離する現象
(図15 ④参照)。界面破壊ともいう。
interfacial failure
6021
糸ひ(曳)き
粘着テープを巻き戻したり,被着体から剝がそうとしたりする
ときに,粘着剤が伸びて糸状になる現象(図16参照)。
stringiness,
fingering
6022
カール
粘着テープのロールを巻き戻したときに反り返ること,又は平
板製品が反り返ること(図17参照)。
curling
6023
ねじれ
粘着テープを巻き戻して垂れ下がる状態にしたとき,ねじれる
こと(図18参照)。
twisting
6024
カッピング
粘着テープを巻き戻した後,張力を緩めたとき,幅方向に反る
現象(図19参照)。
cupping
6025
浮き
被着体面に貼り付けた粘着テープが,端面などから剝がれてく
る現象。
lifting
6026
端末剝がれ
粘着テープをら旋状又は多重巻きにしたとき,粘着テープの巻
き終わりの部分が剝がれてくる現象(図20参照)。
flagging
6027
見切り線
粘着テープで被覆した面と塗装又は他の処理した面との境界
線。
paint line
6028
フェザリング
粘着テープで被覆した部分に塗料が入り込み,不規則な見切り
線になる現象(図21参照)。
feathering
6029
のり残り
粘着テープを被着体から剝がすとき,被着体表面に粘着剤が残
る現象(図22参照)。
adhesive deposit,
adhesive residue
6030
被着体汚染
粘着テープを貼った被着体表面が変色及び/又は変質する現
象。
stain
6031
切れ
粘着テープを巻き戻す又は被着体面から剝がすときに,長さ方
向又は斜めに粘着テープが切れること。
slivering,
tearing
6032
エッジカール
曲線に沿って貼った粘着テープの外周部が剝がれたり持ち上が
ったりする現象(図23参照)。
edge curl
6033
樹脂化
ゴム系粘着剤を用いた粘着テープを長期間使用したとき,粘着
剤が硬くなること。
freezing
9
Z 0109:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1−粘着テープ
a) 剝離ライナー1枚のとき
b) 剝離ライナー2枚のとき
図2−両面粘着テープ
図3−口取り紙
a) 突き合わせ方式
b) 重ね合わせ方式
図4−継ぎ
10
Z 0109:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図5−表面巻取り
図6−センター巻取り
図7−テープカッター
図8−ギヤ状変形
図9−テレスコープ
図10−巻き巣
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Z 0109:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図11−ピーキング
図12−トンネリング
図13−巻心ずれ
図14−のり剝がれ
図15−粘着テープの破壊モード
図16−糸ひ(曳)き
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Z 0109:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図17−カール
図18−ねじれ
図19−カッピング
図20−端末剝がれ
図21−フェザリング
図22−のり残り
図23−エッジカール
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Z 0109:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 JIS C 2107 電気絶縁用粘着テープ試験方法
JIS C 2110-1 固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第1部:商用周波数交流電圧印
加による試験
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS K 6911 熱硬化性プラスチック一般試験方法
JIS P 8116 紙−引裂強さ試験方法−エルメンドルフ形引裂試験機法
JIS Z 0218 ガムテープ−接着力試験方法
JIS Z 0237 粘着テープ・粘着シート試験方法
JIS Z 1511 紙ガムテープ(包装用)
JIS Z 1524 包装用布粘着テープ
JIS Z 1528 両面粘着テープ
JIS Z 1529 印刷用粘着フィルム
JIS Z 1538 印刷用粘着紙
JIS Z 1901 防食用ポリ塩化ビニル粘着テープ
JIS Z 9117 再帰性反射材